JP3790913B2 - 触覚センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は触覚センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波振動するプローブを対象物に接触させて、このプローブの共振周波数の変化、あるいは電圧の変化を検知することによって対象物の硬さを測定する触覚センサが従来より知られている。このような触覚センサは、1.硬さを定量的に測定できる、2.電気的な測定であるために測定時間が短い、3.非破壊的な測定ができる、などの利点を生かし、皮膚の弾性度の測定や工業用ロボットの触覚センサとして用いることが提案されている。
【0003】
従来技術による触覚センサでは、対象物に接触させる対物接触振動子を含む振動子を、帰還ループによる自励発振回路によって共振させ、対物接触振動子あるいは対物接触振動子と機械的に結合された接触子が対象物と接触したときの対象物のインピーダンスを自励発振回路の発振周波数の変化、あるいは電圧の変化として捉え、対象物の硬さ情報とするものである。
このような触覚センサは、特公昭40−27236号公報、特開平1−189583号公報、特開平2−290529号公報などに開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の触覚センサにおいては、対物接触振動子あるいは対物接触振動子と機械的に結合された接触子が対象物と接触したときの対象物のインピーダンスを自励発振回路の発振周波数の変化、あるいは電圧の変化として捉えて対象物の硬さ情報とするものの、対象物が深さ方向に異なった硬さの性質を持つ場合には、触覚センサの振動エネルギによって影響される深さによって、得られる硬さの値が異なるものであり、特定の深さまでの硬さを選択的に測定することはできなかった。さらに、対象物の深さ方向の硬さの分布を捉えることはできなかった。このため、生体組織のように層状に性状が異なる組織構造を持つ場合、深部の硬さを正確に推測することは難しく、医師の経験に頼らざるを得なかった。
【0005】
本発明の触覚センサはこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、深さ方向に異なる硬さの分布を持つ対象物に対して、深さに応じた硬さ情報を得ることによって、生体組織のように層状に性状が異なる組織構造を持つ場合にも深部の硬さを正確に推測して、正確な診断ができる触覚センサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様は、触覚センサであって、振動子と、この振動子に機械的に結合された接触子とを含む機械的振動系と、この機械的振動系を帰還ループによって共振状態で振動させ、前記振動子あるいは、前記振動子と前記接触子とが対象物と接触したときの共振状態の変化情報を得て、これを対象物の硬さ情報とする硬さ検知手段と、前記振動子に入力する振動エネルギを変化させることにより、前記対象物の深さ方向に沿って伝播するエネルギ量を変化させる振動エネルギ可変手段と、前記対象物の各深さにおける硬さを算出する演算手段と、を具備し、前記演算手段は、前記対象物の深さ方向を、前記対象物の表面から前記エネルギの振幅が最大となる前記対象物の一番深い位置まで複数の領域に分割したときに、前記対象物の表面から所定領域までに含まれるすべての領域の硬さの平均値を求め、これを当該所定領域に対応する測定深さにおける硬さとする。
また、本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記演算手段は、前記複数の領域の各々に対応する測定深さにおける硬さを独立して算出する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、本発明の第1実施形態を説明する。図1(a)は、触覚センサを用いて生体組織の硬さ測定を行なうときの一般的な構成を示す図であり、図1(b)は図1(a)においてプローブ3周辺の様子を拡大して示す図である。また、図2は、本発明の第1実施形態の構成を示す図である。
【0008】
図示しない測定者が内視鏡1にて患者2の体腔内を観察しつつ、内視鏡1のチャンネルを通してカテーテル型の触覚センサのプローブ3を患者2の体腔内に導き、測定すべき対象物としての患部4の生体組織の硬さ測定を行なう。患部4の硬さを測定することによって、例えば癌などの病変の性状を診断することができる。プローブ3先端部に配置されたケーシング6内には、円筒状の振動子5が配置されている。振動子5は径方向に分極されており、内周面と外周面にそれぞれ電極が取り付けられている。内外周面の電極に時間変動する電圧を印加すると、振動子5は機械的振動を行う。振動子5の中心には軸方向前方に延設された接触子7が接着されており、接触子7の先端部は患部4に接触するようになっている。振動子5の端部には、同軸に検出素子8が密着して設置されており、振動子5に協調して振動することによって、振動子5の振動の振幅、周波数をモニタするためのセンサとして作用させることができる。検出素子8からの出力信号は、フィルタ回路9を経てアンプ回路10に入力される。アンプ回路10の出力は再びケーシング6内に戻り、振動子5に入力され振動子5の駆動信号になる。すなわち、振動子5、検出素子8、アンプ回路10、フィルタ回路9にて自励発振の閉回路を形成している。この自励発振回路によって、振動子5、検出素子8、接触子7からなる機械的振動系は、一体的に機械的な共振振動を行う。フィルタ回路9の出力には周波数測定手段12が接続されていて、動作中の自励発振回路の周波数をモニタすることができる。周波数測定手段12の代わりに、電圧測定手段または、位相差測定手段を接続してもよい。これらの測定手段は、自励発振回路の中であればどの位置に設けても良い。
【0009】
また、アンプ回路10は、振動エネルギ可変手段としてのゲインコントロール回路14によってその出力電流が制御され、振動子5の振幅を任意に変えることができる。あるいは、ゲインコントロール回路14によって、アンプ回路10の出力電圧を制御することによって振動子5の駆動電力を任意に変えても良い。
【0010】
以下に上記した構成の作用を説明する。測定者はプローブ3を例えば内視鏡1などの補助具を通じて体腔内に導入する。その後プローブ3の操作によって、患部4に対して共振振動している接触子7の先端を接触させる。このとき、弾性体である患部4の接触子7との接触部近傍は、接触子7とともに振動する。患部4の振動によって、機械的振動系の音響インピーダンスが増加するのにともなって、共振周波数が音響インピーダンス、すなわち患部4の振動の影響を受けている部分の硬さに応じて低下する。
【0011】
本実施形態ではさらに、ゲインコントロール回路14によってアンプ回路10の出力電流、すなわち、振動子5の入力電流を高く設定して振動子5の振幅を増大させる。振動子5の振幅の増大によって、患部4の振動の影響をうける領域が深くなり、患部4の深い範囲までの硬さを測定することができる。ゲインコントロール回路14によってアンプ回路10の出力電圧を高め、振動子5の駆動電力を増大させて患部4の振動の影響の深さを深くしても良い。また、アンプ回路10とフィルタ回路9の順序を入れ換えた構成でも良い。
【0012】
上記した第1実施形態によれば、ゲインコントロール回路14によって、患部4の測定される深さを変え、深さに応じた硬さの情報を得ることの可能な触覚センサを実現することができる。
【0013】
以下に、本発明の第2実施形態を説明する。図3は、本発明の第2実施形態の構成を示す図である。プローブ3先端部の構造は、第1実施形態と同一である。検出素子8からの出力信号は、フィルタ回路9を経てアンプ回路10に入力される。アンプ回路10の出力は、再びケーシング6内に戻って振動子5に入力され、振動子5の駆動信号になる。第2実施形態においても第1実施形態と同様の自励発振の閉回路を形成し、機械的振動系は、一体的に機械的な共振振動を行う。
【0014】
フィルタ回路9の出力には周波数測定手段12が接続されていて、動作中の自励発振回路の周波数をモニタすることができる。周波数測定手段12の代わりに、電圧測定手段または、位相差測定手段を接続してもよい。これらの測定手段は、自励発振回路の中であればどの位置に設けても良い。
【0015】
また、フィルタ回路9にはフィルタ周波数コントロール手段15が接続されており、フィルタ回路9にて通過させることのできる周波数帯を任意に変更することができる。
【0016】
以下に、上記した構成の作用を説明する。第1実施形態と同様に、プローブ3の操作によって、患部4に対して共振振動している接触子7の先端を接触させる。このとき、弾性体である患部4の接触子7との接触近傍は、接触子7とともに振動する。患部4の振動によって、機械的振動系の音響インピーダンスが増加するのにともなって、共振周波数が音響インピーダンス、すなわち患部4の振動の影響を受けている部分の硬さに応じて低下する。さらに、フィルタ周波数コントロール手段15によって、フィルタ回路9のフィルタ周波数を変更して機械的振動系の共振のモード、即ち共振周波数を変更する。共振周波数の変更によって、患部4の振動の影響をうける深さが異なるため、患部4の硬さを測定することができる深さを変更することができる。
【0017】
以下に図4を参照して、上記したフィルタ回路9でのフィルタ周波数と共振周波数の変更についてさらに詳しく説明する。(a)は振動子の周波数特性、(b)はf1にフィルタ周波数をもつフィルタ回路の周波数特性、(c)はf2にフィルタ周波数をもつフィルタ回路の周波数特性を示す図である。
【0018】
機械的振動系は本来、振動モードに応じた共振周波数を複数持っている。通常の自励発振回路には、フィルタ周波数が固定されたフィルタ回路9があり、特定のモードだけの共振周波数を取り出している。図4(a)に示すように、f1、f2、…の周波数に共振モードを持つ機械的振動系に、図4(b)に示すように、f1のフィルタ周波数を持つフィルタ回路9を接続すれば、機械的振動系はf1の共振周波数の1次振動モードで共振振動する。次に、フィルタ周波数を図4(c)に示すように機械的振動系の2次モード周波数であるf2に変更すれば、共振周波数f2の2次モードで共振振動する。周波数が高いほど振動の伝達距離は短くなり、浅い範囲の硬さを選択的に測定できる。
【0019】
上記した第2実施形態によれば、共振周波数の変更によって、患部4の測定される深さを変え、深さに応じた硬さの情報を得ることの可能な触覚センサを実現することができる。
【0020】
以下に、本発明の第3実施形態を説明する。図5は本発明の第3実施形態の構成を示す図である。第3実施形態では、第1実施形態の構成に加えて、周波数測定手段12の出力と、ゲインコントロール回路14の制御情報とを同時に記録手段16に入力できるようになっている。記録手段16には演算手段17が接続されている。記録手段16、演算手段17は一体となった記憶装置付きのコンピュータ18などによって実現可能である。
【0021】
以下に上記した構成の作用を説明する。第1実施形態の作用によって硬さを周波数測定手段12によって測定して周波数情報を得、同時にその時の測定深さをゲインコントロール回路14の制御情報として周波数情報と共に記録手段16に記録する。振動子5の振動振幅を変えながら異なる深さで硬さをそれぞれ測定し、初めと同様に、深さ情報と硬さ情報をセットにして記録する。一連の測定を終えた後に、各深さにおける硬さをそれぞれ演算手段17によって算出する。
【0022】
図6において、振動振幅が最大のとき、即ち測定深さが最大値Aにおける硬さの値はa〜dの領域全ての硬さの平均値である。また、測定深さBにおける硬さの値はb〜dの領域の硬さの平均である。同様にして得られたC、Dの深さの硬さの測定値を演算手段17において比例計算を行い、a、b、c、d各深さの層の硬さを独立して算出する。
【0023】
上記した第3実施形態によれば、第2実施形態の効果の他に、対象物の深さ方向の硬さの分布情報が得られる触覚センサを実現することができる。
以下に、本発明の第4実施形態を説明する。図7は本発明の第4実施形態の構成を示す図である。又、図8は、図7に示すプローブ3の先端部の詳細を示す図である。プローブ3の挿入部先端に配置されたケーシング6内には、円筒状の振動子5が配置されている。振動子5は径方向に分極されており、内周面と外周面にそれぞれ電極が取り付けられている。内外周面の電極に時間変動する電圧を印加すると、振動子5は機械的振動を行う。振動子5の中心には軸方向前方に延設された接触子7がねじにより締結されており(ねじ締結部20)、自在に着脱可能になっている。接触子7の先端部は患部4に接触する。振動子5の端部には、同軸に検出素子8が密着して設置されており、振動子5に協調して振動することによって、振動子5の振動の振幅、周波数をモニタするためのセンサとして作用させることができる。
【0024】
検出素子8からの出力信号は、フィルタ回路9を経て、アンプ回路10に入力される。アンプ回路10の出力は再びケーシング6内に戻り、振動子5に入力され振動子5の駆動信号になる。すなわち、振動子5、検出素子8、アンプ回路10、フィルタ回路9にて自励発振の閉回路を形成している。この自励発振回路によって、振動子5、検出素子8、接触子7からなる機械的振動系は、一体的に機械的な共振振動を行う。
【0025】
フィルタ回路9の出力には周波数測定手段12が接続されていて、動作中の自励発振回路の周波数をモニタすることができる。周波数測定手段12の代わりに、電圧測定手段または、位相差測定手段を接続してもよい。これらの測定手段は、自励発振回路の中であればどの位置に設けても良い。
【0026】
また、図9(a)〜9(f)に示すように、交換可能な接触子7には、測定の目的に応じて異なった形状のものを用意することが可能である。接触子7の端面の形状は、曲率の異なる球面の一部(図9(a)、(b))、頂角の異なる円錐形状(図9(c)、(d))、端面部の直径の異なる形状(図9(e)、(f))があり、振動子5とのねじ締結によって着脱、交換を行うことができる。
【0027】
以下に、上記した構成の作用を説明する。測定者はカテーテル状のプローブ3を例えば内視鏡などの補助具を通じて体腔内に導入する。その後プローブ3の操作によって、患部4に対して共振振動している接触子7の先端を接触させる。このとき、弾性体である患部4の接触子7との接触部近傍は、接触子7とともに振動する。患部4の振動によって、機械的振動系の音響インピーダンスが増加するのにともなって、共振周波数が音響インピーダンス、すなわち患部4の振動の影響を受けている部分の硬さに応じて低下する。患部4への超音波振動の伝達範囲は接触子7の形状に負うところが大きい。
【0028】
図10に示すように、接触子7の端面の形状が凸面をなすものは、患部4に対して広がりを持った領域に振動を伝播させ(図10(a))、凹面をなすものは、狭い領域にしか振動を伝播させない(図10(b))。さらに、端面の凹凸の曲率、直径の違いによっても伝播範囲は異なる。触覚センサによって測定される患部4の硬さは、振動が伝播される領域の平均値である。形状の異なる接触子7に交換することによって、1つのプローブによって異なる領域の硬さ測定を行うことができる。
【0029】
上記した第4実施形態によれば、形状の異なる接触子7を振動子5側から着脱自在に交換可能とすることによって、1つのプローブ3で異なる領域のかたさ測定を行える触覚センサを実現することができる。
【0030】
以下に、本発明の第5実施形態を説明する。図11は、本発明の第5実施形態の構成を示す図である。プローブ3は、カテーテル状の挿入部21を持ち、挿入部21の先端部に、振動子5、検出素子8、接触子7からなる機械的振動系をもつ。振動子5、検出素子8、接触子7は互いに一体的に結合されている。挿入部21の手元側にはハウジング15により保護されて共振回路16が配置されており、振動子5、検出素子8と挿入部21内に挿通されたシールド線17にて電気的に接続されている。挿入部21とハウジング15はコネクタ18によって着脱自在である。シールド線17と共振回路16も電気接点19によって、電気的に着脱可能な構造になっている。図12に示すように、挿入部21は接触子7端面の形状が異なる複数のものが準備されており、共通の共振回路16に接続して使用することが可能である。複数の挿入部21の接触子7の先端部形状は第4実施形態と同様である。
【0031】
以下に上記した構成の作用を説明する。第4実施形態と同様に、測定者はカテーテル状の挿入部21を例えば内視鏡などの補助具を通じて体腔内に導入する。その後挿入部21の操作によって、患部4に対して共振振動している接触子7の先端を接触させる。このとき、弾性体である患部4の接触子7との接触部近傍は、接触子7とともに振動する。患部4の振動によって、機械的振動系の音響インピーダンスが増加するのにともなって、共振周波数が音響インピーダンス、すなわち患部4の振動の影響を受けている部分の硬さに応じて低下する。測定の目的にともなって、先端部の形状の異なる接触子7を持つ挿入部21に着脱可能である。
【0032】
上記した第5実施形態によれば、形状の異なる挿入部21を共振回路16側から着脱自在に交換可能とすることによって、1つの共振回路16で異なる領域の硬さ測定を行える触覚センサを実現することができる。
【0033】
なお、上記した具体的実施形態は、以下に示す構成の発明を含んでいる。
(1)
振動子と、この振動子に機械的に結合された接触子とを含む機械的振動系と、この機械的振動系を帰還ループによって共振状態で振動させ、前記振動子あるいは、前記振動子と接触子が対象物と接触したときの共振状態の変化情報を得て、これを対象物の硬さ情報とする硬さ検知手段と、
前記振動子の振動エネルギを変化させる振動エネルギ可変手段と、
を具備することを特徴とする触覚センサ。
(2)
振動子と、この振動子に機械的に結合された接触子とを含む機械的振動系と、
この機械的振動系を帰還ループによって共振状態で振動させ、前記振動子あるいは、前記振動子と接触子が対象物と接触したときの共振状態の変化情報を得て、これを対象物の硬さ情報とする硬さ検知手段と、
前記振動子の振動振幅を変化させる振動振幅可変手段と、
を具備することを特徴とする触覚センサ。
(3)
前記振動振幅可変手段が、振動子の駆動電圧可変手段である構成(2)の触覚センサ。
(4)
前記振動振幅可変手段が、振動子の駆動電流可変手段である構成(2)の触覚センサ。
(5)
振動子と、この振動子に機械的に結合された接触子とを含む機械的振動系と、
この機械的振動系を帰還ループによって共振状態で振動させ、前記振動子あるいは、前記振動子と接触子が対象物と接触したときの共振状態の変化情報を得て、これを対象物の硬さ情報とする硬さ検知手段と、
前記振動子の振動周波数を変化させる振動周波数可変手段と、
を具備することを特徴とする触覚センサ。
(6)
前記振動周波数可変手段が、周波数可変バンドパスフィルタである構成(5)の触覚センサ。
(7)
異なる振動エネルギ状態をもつ振動子の共振状態の情報を記録するための記録手段をさらに具備する構成(1)の触覚センサ。
(8)
記録した振動子の複数の共振状態の情報を比較演算するための演算手段をさらに具備する構成(7)の触覚センサ。
(9)
共振状態の情報が、共振周波数、電圧、電流、位相差の情報のいずれかである構成(1)の触覚センサ。
(1 ) 振動子と、この振動子に機械的に結合された接触子とを含む機械的振動系と、
この機械的振動系を帰還ループによって共振状態で振動させ、前記振動子あるいは、前記振動子と接触子が対象物と接触したときの共振状態の変化情報を得て、これを対象物の硬さ情報とする硬さ検知手段と、
を具備し、
前記接触子が振動子から着脱自在であることを特徴とする触覚センサ。
(2 ) 振動子と、この振動子に機械的に結合された接触子とを含む機械的振動系と、
この機械的振動系を帰還ループによって共振状態で振動させ、前記振動子あるいは、前記振動子と接触子が対象物と接触したときの共振状態の変化情報を得て、これを対象物の硬さ情報とする硬さ検知手段と、
を具備し、
前記接触子が、前記振動子と帰還ループとから構成される共振回路から着脱自在であり、形状の異なる接触子と交換可能であることを特徴とする触覚センサ。
(3 )
交換可能な複数の接触子の端面の形状が曲率の異なる凸球面の一部によって形成されている構成(2 )の触覚センサ。
(4 )
交換可能な複数の接触子の端面の形状が曲率の異なる凹球面の一部によって形成されている構成(2 )の触覚センサ。
(5 )
交換可能な複数の接触子の端面の形状が頂角の異なる円錐面の一部によって形成されている構成(2 )の触覚センサ。
(6 )
交換可能な複数の接触子の端面の直径は異なっている構成(2 )の触覚センサ。
【0034】
上記した構成(1)〜(9)の従来の技術、発明が解決しようとする課題は、上記した[従来の技術]、[発明が解決しようとする課題]と同様である。
また、構成(1)〜(9)の作用は以下の通りである。
(1)
振動エネルギを大きく(小さく)することによって対象物の深さ方向の触覚センサによる振動の伝達範囲を深く(浅く)し、対象物の深い(浅い)部分までの硬さ情報を得る。
(2)−(4)
振動の振幅を大きく(小さく)することによって振動エネルギを大きく(小さく)し、対象物の深い(浅い)部分までの硬さ情報を得る。
(5)
例えば、生体組織のように対象物内の音速が一様である場合、振動の周波数が高い場合には対象物内の振動の伝播距離は短く、低い場合には伝播距離は長い。共振周波数を周波数可変手段によって低くする(高くする)ことによって、対象物の深さ方向の触覚センサによる振動の伝達範囲を深く(浅く)し、対象物の深い(浅い)部分までの硬さ情報を得る。
(6)
振動子と接触子とからなる機械的振動系にはモードの異なった複数の共振周波数を有している。周波数可変バンドパスフィルタを振動子の駆動回路に設けることによって、望むモードの異なった共振周波数で、振動子を共振させることができる。そこで、共振周波数を周波数可変バンドパスフィルタ手段によって低くする(高くする)ことによって、対象物の深さ方向の触覚センサによる振動の伝達範囲を深く(浅く)し、対象物の深い(浅い)部分までの硬さ情報を得る。
(7)
目的に応じて、対象物の異なった深さの硬さ情報を連続的に記録することによって、どの深さから硬さの変化する領域が存在しているかを把握する。対象物の深さ方向の硬さの分布を把握する。
(8)
表面から異なった深さの硬さを記録し、演算手段によって比較することによって、望む深さ部位での硬さを自動的に把握する。対象物の深さ方向の硬さの分布を把握する。
(9)
共振状態の情報として、共振周波数、電圧、電流、位相差の情報のいずれかを用いる。
【0035】
上記した構成(1 )〜(6 )の従来の技術は、構成(1)〜(9)と同様である。また、発明が解決しようとする課題、作用、発明の効果は以下の通りである。
(発明が解決しようとする課題)
(1 )〜(6 )
しかしながら従来の触覚センサにおいては、対物接触振動子あるいは対物接触振動子と機械的に結合された接触子が対象物と接触したときの対象物のインピーダンスを自励発振回路の発振周波数の変化、あるいは電圧の変化として捉え、対象物の硬さ情報とするものの、測定される対象物の深さ、領域は使用する装置の性能によって一意に決まったものでしかなかった。このため、生体組織のように層状、あるいは2次元的に性状が異なる組織構造、病変を持つ場合、測定の興味対象領域を選択的に推測することは難しく、医師の経験に頼らざるを得なかった。
【0036】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、測定対象の異なる深さ、領域に応じた硬さ測定のできる触覚センサを提供することにある。
(作用)
(1 )、(3 )〜(6 )
接触子が共振回路から着脱自在とするとともに、形状の異なる接触子と交換可能な構成とすることによって、1つのプローブによって異なる領域の硬さ測定を行なう。
(2 )
挿入部を共振回路から着脱自在なように構成し、形状の異なる接触子を持つ挿入部と交換可能な構成とすることによって、1つの共振回路によって異なる領域の硬さ測定を行なう。
(発明の効果)
(1 )〜(6 )
形状の異なる先端形状を持つ接触子を共振回路側から着脱自在に交換可能とすることによって、1つの共振回路で異なる深さ、領域のかたさ測定を行える触覚センサを実現することができる。このため、先端形状ごとに共振回路を準備する必要がなく経済的である。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、対象物の測定する深さを変え、深さに応じた硬さの情報を得るようにしたので、生体組織のように層状に性状が異なる組織構造を持つ場合にも深部の硬さを正確に推測することができ、これによって正確な診断ができる触覚センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】触覚センサを用いて生体組織の硬さ測定を行なうときの一般的な構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態の構成を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態の構成を示す図である。
【図4】フィルタ回路でのフィルタ周波数と共振周波数の変更について詳しく説明するための図である。
【図5】本発明の第3実施形態の構成を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態の作用を説明するための図である。
【図7】本発明の第4実施形態の構成を示す図である。
【図8】図7に示すプローブの先端部の詳細を示す図である。
【図9】交換可能な接触子の種々の異なった形状を示す図である。
【図10】接触子の形状による振動の伝播範囲の違いを説明するための図である。
【図11】本発明の第5実施形態の構成を示す図である。
【図12】異なる複数の形状の接触子端面を有する挿入部を示す図である。
【符号の説明】
1…内視鏡、
2…患者、
3…プローブ、
4…患部、
5…振動子、
6…ケーシング、
7…接触子、
8…検出素子、
9…フィルタ回路、
10…アンプ回路、
12…周波数測定手段、
14…ゲインコントロール回路。
Claims (2)
- 振動子と、この振動子に機械的に結合された接触子とを含む機械的振動系と、
この機械的振動系を帰還ループによって共振状態で振動させ、前記振動子あるいは、前記振動子と前記接触子とが対象物と接触したときの共振状態の変化情報を得て、これを対象物の硬さ情報とする硬さ検知手段と、
前記振動子に入力する振動エネルギを変化させることにより、前記対象物の深さ方向に沿って伝播するエネルギ量を変化させる振動エネルギ可変手段と、
前記対象物の各深さにおける硬さを算出する演算手段と、を具備し、
前記演算手段は、前記対象物の深さ方向を、前記対象物の表面から前記エネルギの振幅が最大となる前記対象物の一番深い位置まで複数の領域に分割したときに、前記対象物の表面から所定領域までに含まれるすべての領域の硬さの平均値を求め、これを当該所定領域に対応する測定深さにおける硬さとすることを特徴とする触覚センサ。 - 前記演算手段は、前記複数の領域の各々に対応する測定深さにおける硬さを独立して算出することを特徴とする請求項1記載の触覚センサ。
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