JP3790669B2 - エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエアバッグシステムであり、詳しくは2個以上の燃焼室を含むガス発生器、2個の点火器を含むガス発生器、異なるガス発生手段を2個含むガス発生器、リードワイヤーを有する点火器を含むガス発生器、内筒部材中に燃焼室と点火手段を有するガス発生器、自動発火材料を含むガス発生器であり、有効に乗員を拘束できる。
【0002】
【従来技術】
自動車を始め各種車両等に搭載されているエアバッグシステムは、該車両が高速で衝突した際に、ガスによって急速に膨張したエアバッグ(袋体)で搭乗者を支持し、搭乗者が慣性によりハンドルや前面ガラス等の車両内部の硬い部分に激突して負傷すること等を防ぐことを目的とする。このようなエアバッグシステムは、通常、車両の衝突によって作動してガスを放出するガス発生器と、該ガスを導入して膨張するエアバッグとから構成されている。
【0003】
かかるエアバッグシステムは、乗員の体格(例えば座高の高い人若しくは低い人、又は大人若しくは子供等)や、その搭乗姿勢(例えばハンドルにしがみついた姿勢)等が異なる場合であっても、乗員を安全に拘束可能であることが望ましい。そこで従来、作動時初期の段階に於いて、乗員に対してできる限り衝撃を与えないで作動する様なエアバッグシステムの提案がなされている。このようなガス発生器は、特開平8−207696号公報、米国特許第4,998,751号及び米国特許第4,950,458号等に開示されおり、特開平8−207696号公報では、1つの点火器で2種類のガス発生剤のカプセルを着火し、二段階でガスを発生させるガス発生器が、米国特許第4,998,751号、米国特許第4,950,458号では、ガス発生器の作動機能を規制するため二つの燃焼室を設けて、ガス発生剤の燃え広がりにより二段階でガスを発生するガス発生器がそれぞれ提案されている。
【0004】
しかしながらこの様なガス発生器では、その内部構造が複雑であり、容器の大きさが大きくなり、コスト高の要因となるという欠点を有する。
【0005】
また特開平9-183359号、及び独国特許第19620758号では、ハウジング内に、ガス発生剤が収容された燃焼室を2室設けて、それぞれの燃焼室毎に点火器を配置し、各点火器の作動タイミングを調整することにより、ガス発生器の作動出力を調整可能としたガス発生器が開示されている。しかしながら、何れのガス発生器も、各燃焼室毎に配置される点火器は、それぞれ別個に配置されることから、その組み付け(製造)も困難なものとなり、またガス発生器の構造自体も複雑で、容積も大きいものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
依って本発明は、容器の全体的な大きさを抑え、且つ簡易な構造であって製造容易としながらも、その作動初期の段階に於いて、乗員に対してできる限り衝撃を与えないで作動し、且つ乗員の体格(例えば座高の高い人若しくは低い人、又は大人若しくは子供等)や、その搭乗姿勢(例えばハンドルにしがみついた姿勢)等が異なる場合であっても、乗員を安全に拘束可能な様に、任意にガス発生器の作動出力、及び出力上昇のタイミングを幅広く調整可能としたガス発生器を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のエアバッグ用ガス発生器は、ハウジング内に、2つの燃焼室を設け、たガス発生器であって、2つの燃焼室の配置構造に特徴を有する。特に、各燃焼室に収容されたガス発生手段を、異なる点火手段により、独立して着火・燃焼させることもできる。
【0008】
即ち本発明のエアバッグ用ガス発生器は、ガス排出口を有するハウジング内に、衝撃によって作動する点火手段と、該点火手段によって着火・燃焼されエアバッグを膨張させる為の燃焼ガスを発生するガス発生手段とを含んで収容してなるエアバッグ用ガス発生器であって、該ハウジング内には、ガス発生手段を収容する2つの燃焼室が、ハウジングの半径方向に隣接して同心円に設けられ、更に各燃焼室同士を相互に連通可能とする連通孔が設けられたことを特徴とするガス発生器である。
【0009】
ハウジングの半径方向に隣接して同軸に設けられる2つの燃焼室は、円柱状の燃焼室と環状の燃焼室として形成することができる。
【0010】
上記のように、2つの燃焼室をハウジング内に形成することにより、ガス発生器の内部構造を簡易なものとし、更に各燃焼室毎に、別々にガス発生剤を燃焼させることもできる。
【0011】
上記ガス発生手段は、その燃焼により発生する燃焼ガスで、乗員を拘束するエアバッグを膨張させる為のものである。従って、前記点火手段が、点火器によって着火・燃焼し、ガス発生手段を燃焼させる為の伝火薬を含む場合であっても、該伝火薬の燃焼により発生する燃焼ガスは、ガス発生手段を燃焼させるものであって、直接、エアバッグを膨張させるためのものでない点に於いて、両者を明確に区別することができる。また、前記ハウジング内に設けられる2つの燃焼室は、専らガス発生手段を収容する為の室である点に於いて、前記点火手段が伝火薬を含んで構成され、該伝火薬が画成された空間(以下「収容室」とする。)に収容されたとしても、この伝火薬の収容室と前記ガス発生手段を収容する燃焼室とは、明確に区別することができる。
【0012】
上記ガス発生手段を着火・燃焼する点火手段が、衝撃によって作動する点火器を2個以上含む場合には、その取付を容易なものとするために、各点火器同士は、軸方向を揃えて、1つのイニシエータカラーに設けられることが望ましい。また、点火手段として、更に前記点火器の作動によって着火され燃焼する伝火薬をも含む場合には、該伝火薬は、前記各点火器毎に区分され、それぞれの点火器毎に独立して着火・燃焼し、何れか1の点火器に対応する伝火薬の燃焼した火炎が、他の点火器に対応する伝火薬を直接着火しないように形成することが望ましい。この様な構造としては、例えば、各点火器をそれぞれ独立した点火器収容室に配置し、この点火器収容室内に伝火薬を配置するか、或いは別個独立とした各燃焼室内であって、点火器の作動により着火・燃焼され得る箇所に配置することができる。
【0013】
上記の様に、点火器毎に伝火薬を区分した場合には、2つの燃焼室内に収容されたガス発生手段が、それぞれ異なる区分の伝火薬が燃焼した火炎により着火・燃焼される。つまり、点火器の作動タイミングに応じて、各区分の伝火薬が燃焼し、各燃焼室内のガス発生手段は別々に燃焼することができるため、ガス発生器の作動性能を任意に調整することができる。
【0014】
従って、本発明に示す構造のガス発生器とすることにより、各点火器毎に着火タイミングを変えれば、点火器毎に区分された伝火薬を別々に燃焼させることができ、それに応じて各燃焼室内のガス発生手段の着火・燃焼タイミングもずらすことができる為、ガス発生器の作動出力を任意に調整することが可能となる。
【0015】
ハウジング内に設けられる2つの燃焼室は、何れか1の燃焼室を、前記点火器の軸方向に設け、他の燃焼室を該点火手段の半径方向に設けることもできる。更に、ガス発生器の作動性能、特にガス放出量の経時変化をより特徴的に調整する場合には、2つの燃焼室内には、各燃焼室毎に、燃焼速度、組成、組成比又は量が少なくとも1つ以上異なるガス発生手段を収容し、それらを任意のタイミングで独立に着火・燃焼させることができる。また各燃焼室毎に、単位時間当たりの発生ガス量が異なるガス発生手段を充填することもできる。
【0016】
ガス発生手段としては、従来から広く使用されている無機アジド、例えばナトリウムアジド(アジ化ナトリウム)に基づくアジド系ガス発生剤の他、無機アジドに基づかない非アジド系ガス発生剤を使用することができる。但し、安全性を考慮すれば、非アジド系ガス発生剤が望ましく、かかる非アジド系ガス発生剤組成物としては、例えば、テトラゾール、トリアゾール、又はこれらの金属塩等の含窒素有機化合物とアルカリ金属硝酸塩等の酸素含有酸化剤を主成分とするもの、トリアミノグアニジン硝酸塩、カルボヒドラジッド、ニトログアニジン等を燃料及び窒素源とし、酸化剤としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の硝酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩などを使用した組成物など種々のものを用いることができる。その他にもガス発生手段は、燃焼速度、非毒性、燃焼温度及び分解開始温度等の要求に応じて適宜選定される。各燃焼室毎に異なる燃焼速度のガス発生手段を用いる場合には、例えば、アジ化ナトリウム等の無機アジド又はニトログアニジン等の非アジドを燃料及び窒素源として用いる等、その組成や組成比自体が異なるガス発生手段を用いる他、ペレット状、ウエハー状、中空円柱状、ディスク状、又は単孔体状若しくは多孔体状等の様に組成物の形状を変えるか、或いは成形体の大きさ等により表面積を変えたガス発生手段を用いることができる。特に、ガス発生手段の形状を貫通孔が複数個存在する多孔体に形成する場合には、その孔の配置は特に制限はないが、ガス発生器性能の安定化のため、成形体の外端部と孔の中心との距離及び相互の孔の中心間距離がほぼ等しくなる配置構造が望ましい。具体的には、例えば成形体の断面が円型である円筒状成形体においては、中心に1個とその周囲に相互に等距離となる正三角形の頂点の位置に孔の中心を有する6個の孔を配置した構造が好ましい。更に同様にして中心に1個と周囲に18個の孔が存在する配置も考えられる。これらの孔数と配置構造はガス発生剤の製造のしやすさ、及び製造コストと性能の兼ね合いで決定されるものであり、特に限定されるものではない。
【0017】
前記2つの燃焼室の内、半径方向外側に設けられた燃焼室には、そのハウジング周壁側に、更にガス発生手段の燃焼によって発生した燃焼ガスを冷却するクーラント手段を含んで収容することもできる。このクーラント手段は、ガス発生手段の燃焼によって生じた燃焼ガスを冷却及び/又は浄化する目的でハウジング内に配設されるものであり、例えば、従来使用されている燃焼ガスを浄化する為のフィルタ及び/又は発生した燃焼ガスを冷却するクーラントを使用する他、適宜材料からなる金網を環状の積層体とし、圧縮成形した積層金網フィルタ等も使用できる。この積層金網クーラントは、望ましくは、平編のステンレス鋼製金網を円筒体に形成し、この円筒体の一端部を外側に繰り返し折り曲げて環状の積層体を形成し、この積層体を型内で圧縮成形するか、或いは平編のステンレス鋼製金網を円筒体に形成し、この円筒体を半径方向に押圧して板体を形成し、該板体を筒状に多重に巻回して積層体を形成して、これを型内で圧縮成形する等によって成形することができる。またその内側と外側とを異なる積層金網体として二重構造として、内側にクーラント手段の保護機能、外側にクーラント手段の膨出抑止機能を有するものとすることもできる。なお、該クーラント手段の外周を、積層金網体、多孔円筒体又は環状ベルト体等からなる外層で支持することにより、その膨出を抑止することもできる。
【0018】
また2つの燃焼室に収容されたガス発生手段の燃焼により発生する燃焼ガスが、各燃焼室毎に異なった流路でガス排出口に到達し、一の燃焼室内に収容されたガス発生手段が、他の燃焼室内で発生した燃焼ガスにより、直接着火されることのないガス発生器とした場合には、各燃焼室内のガス発生手段は、それぞれの燃焼室毎に完全に独立して燃焼することから、より確実に、各燃焼室内に収容されたガス発生手段の着火・燃焼を独立して行うことができる。その結果、2つの点火器の作動タイミングを相当ずらした場合に於いても、最初に作動した点火器により着火された1の燃焼室内のガス発生手段の火炎が、他の燃焼室内のガス発生手段を燃焼することはなく、安定した作動出力を得ることができる。この様なガス発生器は、例えばハウジング内に、流路形成部材を配置して流路を形成し、1の燃焼室内で発生する燃焼ガスをそのままクーラント手段に導くことによって行うことができる。
【0019】
上記ハウジングは、ガス排出口を有するディフューザシェルと、該ディフューザシェルと共に収容空間を形成するクロージャシェルとを鋳造、鍛造又はプレス加工などにより形成し、両シェルを接合して形成することができる。両シェルの接合は各種溶接法、例えば電子ビーム溶接、レーザ溶接、ティグ溶接、プロセクション溶接などにより行うことができる。このディフューザシェルとクロージャシェルとは、ステンレス銅板等の各種鋼板をプレス加工して形成した場合には、両シェルの製造が容易になると共に、製造コストの低減も達成される。また両シェルを円筒形の単純、簡単な形状に形成することによりそのプレス加工が容易となる。ディフューザシェルとクロージャシェルの材料に関しては、ステンレス鋼板が望ましいが、鋼板にニッケルメッキを施したものでもよい。
【0020】
上記ハウジング内には、更に衝撃を感知して作動し、ガス発生手段を着火・燃焼させる点火手段も収容される。この点火手段は、本発明のガス発生器では衝撃を感知した衝撃センサ等から伝達される電気信号(又は作動信号)により作動する電気着火式点火手段が使用される。電気着火式点火手段は、半導体式加速度センサなど専ら電気的な機構により衝撃を感知する電気式センサから伝達される電気信号に基づいて作動する点火器と、必要に応じて点火器の作動により着火・燃焼する伝火薬とを含んで構成される。
【0021】
上記のエアバッグ用ガス発生器は、該ガス発生器で発生するガスを導入して膨張するエアバッグ(袋体)と共にモジュールケース内に収容され、エアバッグ装置となる。このエアバッグ装置は、衝撃センサが衝撃を感知することに連動してガス発生器が作動し、ハウジングのガス排出口から燃焼ガスを排出する。この燃焼ガスはエアバッグ内に流入し、これによりエアバッグはモジュールカバーを破って膨出し、車両中の硬い構造物と乗員との間に衝撃を吸収するクッションを形成する。
【0022】
次に点火器を2個含むガス発生器を説明する。
【0023】
本発明は、解決手段の一つとして、ガス排出口を有するハウジング内に、衝撃によって作動する点火手段と、該点火手段によって着火・燃焼されエアバッグを膨張させるための燃焼ガスを発生するガス発生手段とを含んで収容してなるエアバッグ用ガス発生器であって、前記点火手段が、衝撃によって作動する点火器を2個以上含んでおり、各点火器同士が軸方向を揃えて設けられていることを特徴とするエアバッグ用ガス発生器を提供する。すなわち、ガス排出口を有するハウジング内に、衝撃によって作動する点火手段と、該点火手段によって着火・燃焼されエアバッグを膨張させるための燃焼ガスを発生するガス発生手段とを含んで収容してなるエアバッグ用ガス発生器であって、前記点火手段が、衝撃によって作動する点火器を2個以上含んでおり、各点火器同士が樹脂により一体化されて設けられていることを特徴とするエアバッグ用ガス発生器である。
【0024】
また本発明は、上記のエアバッグ用ガス発生器の点火手段に含まれる2個以上の点火器が、各点火器同士が軸方向を揃えて、一つのイニシエータカラーに嵌め込まれて設けられているエアバック用ガス発生器にすることができる。
【0025】
また本発明は、上記のエアバッグ用ガス発生器の点火手段に含まれる2個以上の点火器が、各点火器同士が軸方向を揃えて、樹脂により一体化されて設けられているエアバッグ用ガス発生器にすることができる。
【0026】
更に本発明は、上記のエアバッグ用ガス発生器の点火手段に含まれる2個以上の点火器が、各点火器同士が軸方向を揃えて、一つのイニシエータカラー内で樹脂により一体化されて設けられているエアバック用ガス発生器にすることができる。
【0027】
上記のように、本発明のエアバックガス発生器は、2個以上の点火器同士が軸方向を揃えて設けられているので、点火器とエアバック装置のコントロールユニットとを接続する際、接続に使用するリードワイヤを同一平面上で、同一方向に引き出すことができる。
【0028】
また、2個以上の点火器同士が一つのイニシエータカラーに嵌め込まれている場合及び/又は樹脂で一体化されている場合には、ガス発生器の組立時の取り付け作業が容易となる。
また、2個以上の点火器が一つのイニシエータカラー内に樹脂により一体化されている場合は、予め、イニシエータカラーの内部形状と点火器の外部形状を一致させる必要がなく、少なくとも点火器の大きさよりもイニシエータカラーの内部空間が大きければよい。更に、点火器が樹脂により一体化されている場合は、ガス発生器の形態に係わらず、点火器の固定部材が不要となる。
【0029】
本発明は、他の解決手段として、ガス排出口を有するハウジング内に、衝撃によって作動する点火手段と、該点火手段によって着火・燃焼されエアバッグを膨張させるための燃焼ガスを発生するガス発生手段とを含んで収容してなるエアバッグ用ガス発生器であって、前記点火手段が、衝撃によって作動する点火器を2個以上含んでおり、各点火器同士が樹脂により一体化されて設けられていることを特徴とするエアバッグ用ガス発生器を提供する。
【0030】
また本発明は、他の解決手段として、ガス排出口を有するハウジング内に、衝撃によって作動する点火手段と、該点火手段によって着火・燃焼されエアバッグを膨張させるための燃焼ガスを発生するガス発生手段とを含んで収容してなるエアバッグ用ガス発生器であって、前記点火手段が、衝撃によって作動する点火器を2個以上含んでおり、各点火器同士が一つのイニシエータカラーに嵌め込まれて設けられていることを特徴とするエアバッグ用ガス発生器を提供する。
【0031】
上記のように、2個以上の点火器が、樹脂で一体化されているか又は1つのイニシエータカラーに嵌め込まれていることより、ガス発生器の組立時の取り付け作業が容易となる
更に本発明は、上記のエアバッグ用ガス発生器の点火手段に含まれる2個以上の点火器が、一つのイニシエータカラー内に樹脂により一体化されて設けられているエアバック用ガス発生器にすることができる。
【0032】
このように、2個以上の点火器が一つのイニシエータカラー内に樹脂で固定されている場合は、予め、イニシエータカラーの内部形状と点火器の外部形状を一致させる必要がなく、少なくとも点火器の大きさよりもイニシエータカラーの内部空間が大きければよい。また、点火器は樹脂により一体固定化されているので、ガス発生器の形態に係わらず、点火器の固定部材が不要となる。
【0033】
点火手段は、本発明のガス発生器では衝撃を感知した衝撃センサ等から伝達される電気信号(又は作動信号)により作動する電気着火式点火手段が使用される。電気着火式点火手段は、半導体式加速度センサなど専ら電気的な機構により衝撃を感知する電気式センサから伝達される電気信号に基づいて作動する点火器と、該点火器の作動により着火・燃焼する伝火薬とを含んで構成される。
【0034】
本発明のエアバック用ガス発生器において、上記した解決手段以外の構成要素については特に限定されるものではなく、公知のエアバック用ガス発生器と同様の構成要素を採用することがき、更にそれらの構成要素において当業者によって通常なされる改変も含まれる。
【0035】
従って、本発明のエアバック用ガス発生器は、点火手段を2以上有しており、夫々の点火手段により別々に着火・燃焼し、エアバッグを膨張させる燃焼ガスを発生する2以上のガス発生手段(2以上の燃焼室とガス発生剤)を有している構造にすることができる。
【0036】
次に、内筒部材中に燃焼室と点火手段を含むガス発生器を説明する。
【0037】
本発明のエアバッグ用ガス発生器は、ハウジング内に、2つの燃焼室を設け、たガス発生器であって、2つの燃焼室の配置構造に特徴を有する。各燃焼室に収容されたガス発生手段を、異なる点火手段により、独立して着火・燃焼させることもできる。
【0038】
即ち本発明は、ガス排出口を有するハウジング内に、衝撃によって作動する点火手段と、該点火手段によって着火・燃焼されエアバッグを膨張させる為の燃焼ガスを発生するガス発生手段とを含んで収容してなるエアバッグ用ガス発生器であって、該ハウジング内には、ガス発生手段を収容する2つの燃焼室が設けられ、更に各燃焼室同士を相互に連通可能とする連通孔を有しており、該2つの燃焼室中の一つの燃焼室が該ハウジング内に配置された内筒部材の上部空間側に設けられ、該点火手段が内筒部材の下部空間側に設けられており、該上部空間と下部空間が隔壁によって画成されていることを特徴とするエアバッグ用ガス発生器を提供する。
【0039】
また本発明は、ガス排出口を有するハウジング内に、衝撃によって作動する点火手段と、該点火手段によって着火・燃焼されエアバッグを膨張させる為の燃焼ガスを発生するガス発生手段とを含んで収容してなるエアバッグ用ガス発生器であって、該ハウジング内には、ガス発生手段を収容する2つの燃焼室がハウジングの半径方向に隣接して同心円に設けられ、更に各燃焼室同士を相互に連通可能とする連通孔を有しており、該2つの燃焼室中の内側の燃焼室が該ハウジング内に配置された内筒部材の上部空間側に設けられ、該点火手段が内筒部材の下部空間側に設けられており、該上部空間と下部空間が隔壁によって画成されていることを特徴とするエアバッグ用ガス発生器を提供する。
【0040】
また上記のように、2つの燃焼室をハウジング内において同心円上に配置することにより、ガス発生器の内部構造を簡易なものとし、更に各燃焼室毎に、別々にガス発生剤を燃焼させることができる。
【0041】
本発明のエアバック用ガス発生器は、上記のような構造のガス発生器であって、一つの燃焼室と点火手段の配置構造及び2以上の点火手段の固定方法に特徴を有するものも含まれる。
【0042】
即ち本発明は、上記のエアバッグ用ガス発生器において、前記点火手段は、衝撃によって作動する点火器を2個以上含んでおり、各点火器はイニシエータカラーに設けられ、かつイニシエータカラーの上面を覆う点火器固定部材により固定されているエアバック用ガス発生器にすることができる。更に、前記2個以上の点火器は1つのイニシエータカラーに設けられているエアバック用ガス発生器にすることができる。
【0043】
上記のように、2以上の点火器を点火器固定部材で一度に固定することにより、構造が簡単で、製造も容易になる。
【0044】
また本発明は、上記のエアバッグ用ガス発生器において、前記2つの燃焼室の内、何れかの燃焼室がハウジング内に配置された内筒部材の外側に設けられ、該内筒部材の内部空間は、区画円形部材と、該区画円形部材に係合するシールカップ部材とによって、他の燃焼室と点火器を含む点火手段が収容された点火手段収容室とに画成されているエアバック用ガス発生器にすることができる。更に、前記区画円形部材が内筒部材の内周面に設けられた段欠き部に係止されているエアバック用ガス発生器にすることができる。更に、前記シールカップ部材の周縁は曲折され、該周縁の曲折部が、内筒部材の内周面に設けられた溝内に嵌入されているエアバッグ用ガス発生器にすることができる。
【0045】
また本発明は、上記のエアバッグ用ガス発生器において、前記点火手段に含まれる点火器は、イニシエータカラーの上面を覆う点火器固定部材に支持されてイニシエータカラーに固定され、前記シールカップ部材は、該点火器固定部材まで延伸した点火器収容口を有しており、該点火器固定部材と点火器収容口と点火器とで構成される空間にはOリングが配置され、このOリングによって、点火器固定部材と点火器収容口との間、点火器固定部材と点火器との間、及び点火器収容口と点火器との間はシールされているエアバッグ用ガス発生器にすることができる。
【0046】
また本発明は、上記のエアバッグ用ガス発生器において、シールカップ部の周縁の曲折部と、該曲折部が嵌入された内筒部材の内壁面との間にOリングが介在されているエアバッグ用ガス発生器にすることができる。
【0047】
上記のように、特定構造のシールカップ部材を使用することにより、シールカップと内筒部材への嵌入部にOリングを介在させることが不要になるので、ガス発生器の径を小さくすることができる。また、点火手段を気密に保持できるので、点火器の作動による伝火薬の燃焼が均一に行われ、更に伝火薬の燃焼により内圧が高まり、それによって、シールカップ部材の曲折部が嵌入された内筒部材の内壁面を押圧するように半径方向に広がるので、より気密性が高められ、伝火薬の燃焼も均一に行われる。
【0048】
更に上記のように、点火器固定部材とシールカップ部材をOリングと共に併用することにより、2以上の点火器間を完全に分離することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づき、本発明のエアバッグ用ガス発生器を説明する。
【0050】
「実施の形態1」
図1は、本発明のエアバッグ用ガス発生器の第一の実施の形態の縦断面図であり、特に運転席側に配置するのに適した構造となっている。
【0051】
このガス発生器は、ガス排出口を有するディフューザシェル1と、該ディフューザシェルと共に内部収容空間を形成するクロージャシェル2とを接合してなるハウジング3内に、略円筒形状の内筒部材4を配置して、その外側を第一の燃焼室としている。また、該内筒部材の内側には段欠き部6を設け、該段欠き部に略平板円形の隔壁7を配置しており、この隔壁で該内筒内を更に2室に画成し、ディフューザシェル側(上部空間側)に第二の燃焼室5b、クロージャシェル側(下部空間側)に点火手段収容室8を形成している。その結果、このガス発生器では、第一の燃焼室5aと第二の燃焼室5bとは、ハウジング3内に同心円に設けられて、該ハウジングの半径方向に隣接している。この第一及び第二の燃焼室内には、衝撃をうけて作動した点火手段によって燃焼し、燃焼ガスを発生するガス発生剤(9a,9b)が収容され、点火手段収容室8内には、衝撃によって作動する点火手段が収容されている。第一の燃焼室5aと第二の燃焼室5bとを画成する内筒部材4には貫通孔10が設けられており、この貫通孔は、シールテープ11により閉塞されている。但しこのシールテープ11は、ガス発生剤が燃焼すると破裂することから、両燃焼室は、該貫通孔10により連通することができる。このシールテープ11は第一の燃焼室5aのガス発生剤9aの燃焼によっては破れず、第二の燃焼室5bのガス発生剤9bが燃焼した時に破れるように、その材質や厚さを調整する必要がある。本実施の形態では厚さ40μmのステンレス製のシールテープを用いている。また貫通孔10は、ガス排出口26bよりも開口面積を広げており燃焼室5b内の内部圧力をコントロールする機能は有していない。
【0052】
点火手段は、センサーが衝撃を感知する事に基づいて出力される作動信号によって作動する2つの電気着火式点火器(12a,12b)を含んで構成されており、該点火器同士は、1つのイニシエータカラー13に互いに平行に、その頭部を突起させて設けられている。この様に1つのイニシエータカラー13に2つの点火器(12a,12b)を設けることにより、該2つの点火器はイニシエータカラー13に固定されて単一の部材となり、ガス発生器への組付けが容易となる。特にこの図に示すガス発生器では、該イニシエータカラー13を、内筒部材4内に挿入可能な大きさとする事により、2つの点火器(12a,12b)を設けたイニシエータカラー13を該内筒4内に挿入した後、内筒部材4の下端をかしめて該イニシエータカラーを固定することにより、点火器を容易且つ確実に固定することができる。また、2つの点火器(12a,12b)をイニシエータカラー13に配置する際には、それぞれの点火器の向きを容易に規制することができる。図面上、この2つの点火器は、ハウジングの中心軸に対して偏心して配置されている。各点火器(12a,12b)の向きを揃えて配置した場合には、図2の本実施の形態のガス発生器の背面図に示すように、点火器(12a,12b)とコントロールユニット(図示せず)とを接続するリードワイヤー50を同一平面上で、同一方向に引き出すことができる。図2では、このリードワイヤー50は、それぞれコネクター50aを介して各点火器(12a,12b)に接続されており、またコネクターは、同一平面上に平行に並べて設けられている。このコネクターをL字状とすることにより、点火器に電気信号(作動信号)を伝えるリードワイヤーを、ハウジングの軸方向と直交する方向(つまり、ハウジングの半径方向に)に引き出すことができ、その際、各点火器毎に接続されるリードワイヤーを同じ方向に引き出すこともできる。
【0053】
この実施の形態では、イニシエータカラー13と隔壁7との間の空間に、何れか1つの点火器12b(以下、「第二の点火器」とする)を包囲するように略円筒形状の分離筒14を配置して、その外側に第一の伝火薬収容室15a、内側に第二の伝火薬収容室15bを画成し、そして各収容室内に、点火器と、該点火器と共に点火手段を構成する伝火薬とを収容している。その結果、点火器と共に点火手段を構成する伝火薬(16a,16b)は、各点火器(12a,12b)毎に確実に区分されることとなる。この第一の伝火薬収容室15aは、その中に収容された伝火薬16aが燃焼すると、内筒部材4に形成された伝火孔17を閉塞するシールテープ18が破裂して第一の燃焼室5aと連通する。また第二の伝火薬収容室15bも、その中の伝火薬16bが燃焼すると隔壁7に形成された伝火孔19を閉塞するシールテープ20が破裂して第二の燃焼室5bと連通する。依って、このガス発生器は、作動に際して、第一の点火器12aが着火(作動)したときの火炎は、その収容室15a内にある伝火薬16aを着火・燃焼させ、その火炎が内筒部材4に形成された伝火孔17を通り、該収容室15aの半径方向に位置する第一の燃焼室5a内に収容された7孔のガス発生剤9aを着火燃焼させる。また第二の点火器12bは、その収容室15b内の第二の伝火薬16bを着火・燃焼させ、その火炎が該収容室15bの軸方向に設けられた伝火孔19を通り、その延長上にある第二の燃焼室5b内に収容された単孔のガス発生剤9bを着火・燃焼させる。この第二の燃焼室9b内で発生した燃焼ガスは、内筒部材4のディフューザシェル1側に設けられた貫通孔10を通り第一の燃焼室5a内に流入する。
【0054】
特に図1に示すガス発生器では、作動性能を安定化するために第二の点火器12bと第一の点火器12aが同時に着火することはあるが、前者12bが後者12aよりも先に作動することはない。つまり第二の燃焼室5bに収容されたガス発生剤9bは、第一の燃焼室5aに収容されたガス発生剤9aと同時か、或いは遅れて燃焼する。第一の燃焼室5aのガス発生剤9aが第二のガス発生剤9bよりも先に燃焼する場合、前述のようにシールテープ11は第一のガス発生剤9aの燃焼によっては破れず、第二のガス発生剤9bの燃焼のみによって破れる。またこの図に示すガス発生器では、イニシエータカラーと隔壁との間に配置される分離筒14は、図3の要部拡大図に示すように、隔壁7の下面とイニシエータカラー13の上面に該分離筒14の外形に相当する穴部21を設け、それぞれの穴部に分離筒14の上端又は下端を嵌入して配置されている。この様に分離筒14を配置していることにより、何れか一の伝火薬燃焼室内で発生する伝火薬の火炎が、他の伝火薬収容室内の伝火薬を直接燃焼させることはなく、2つの燃焼室内に収容されたガス発生剤は、それぞれ異なる区分の伝火薬が燃焼した火炎により着火・燃焼される。即ち、通常、該分離筒14内(即ち第二の伝火薬収容室内)で伝火薬が燃焼した場合には、その燃焼によって生じるガスの圧力は、該分離筒を半径方向に押し広げるようにも働くこととなるが、分離筒を図3に示すように配置することにより、該分離筒の上下端部はそれぞれが嵌入する穴部の周壁に確実に支持されていることとなり、単に分離筒を隔壁とイニシエータカラーとの間で挟持した場合に比べ、より確実に伝火薬の燃焼ガス・火炎の漏洩を阻止することができる。
【0055】
またハウジング3内には、ガス発生剤(9a,9b)の燃焼によって発生した燃焼ガスを浄化・冷却するための共通のクーラント・フィルタ22が配設されており、そのディフューザシェル1側の内周面は、クーラント・フィルタ22の端面とディフューザシェル1天井部内面28との間を燃焼ガスが通過することのない様に、ショートパス防止部材23で覆われている。該クーラント・フィルタ22の外側には、燃焼ガスの通過などによる該フィルタ22の膨出を抑止するための外層24を配置している。この外層24は、例えば、積層金網体を用いて形成する他、周壁面に複数の貫通孔を有する多孔円筒状部材、或いは所定巾の帯状部材を環状にしたベルト状抑止層を用いて形成することもできる。更に該外層24の外側には、燃焼ガスが該フィルタ22の全面を通過することができるように、間隙25が形成されている。ディフューザシェルに形成されるガス排出口26は、外気の進入を阻止するためシールテープ27で閉塞されている。このシールテープ27は、ガスを放出する際に破裂する。シールテープ27は外部の湿気からガス発生剤を保護するのが目的であり、燃焼内圧などの性能調整には全く影響を与えるものではない。
【0056】
上記の様に形成されたガス発生器では、点火手段収容室8内であって該分離筒14の外に配置された第一の点火器12aが作動すると、第一の伝火薬収容室15a内に収容された伝火薬16aが着火・燃焼し、その火炎が内筒部材4の伝火孔17を通って、第一の燃焼室5a内に収容された7孔を有する多孔円筒状の第一のガス発生剤9aを燃焼させる。また、分離筒14に包囲される第二の点火器12bが、第一の点火器12aと同じか或いは遅れて作動すると、第二の伝火薬収容室15b内に収容された伝火薬16bが着火・燃焼し、その火炎は第二の燃焼室5b内に収容された単孔円筒状の第二のガス発生剤9bを着火・燃焼させる。その結果、2つの点火器(12a,12b)の着火タイミングを調整する、つまり第一の点火器の作動後に第二の点火器を作動させるか、或いは第一の点火器と第二の点火器を同時に作動させるかにより、ガス発生器の出力形態(作動性能)を任意に調整することができ、衝突時の車両の速度や環境温度など様々な状況において、後述のエアバッグ装置とした場合に於けるエアバッグの展開を最大限適正なものとすることができる。特にこの図に示すガス発生器では、各燃焼室(5a,5b)毎に形状の異なるガス発生剤(9a,9b)が使用されており、第一の燃焼室5aには多孔円筒状の第一のガス発生剤9aが、第二の燃焼室5bには単孔円筒状の第二のガス発生剤9bがそれぞれ収容されている。また各燃焼室(5a,5b)に収容されるガス発生剤の量も異なり、第一の燃焼室5a内には35g、第二の燃焼室5b内には6gのガス発生剤(9a,9b)がそれぞれ収容されている。その結果、このガス発生器では、より的確にその出力形態を調整することが可能となっている。なお、ガス発生剤の形状、組成、組成比及び量等は、勿論、所望の出力形態を得るために、適宜変更することができる。
【0057】
このようなガス発生器の作動性能は、例えば以下のタンク燃焼試験に依っても確認することができる。
<タンク燃焼試験>
内容積60リットルのSUS(ステンレス鋼)製タンク内に、エアバッグ用ガス発生器を固定し、室温においてタンクを密閉後、外部着火電気回路に接続する。別にタンクに設置された圧力トランスデューサーにより、着火電気回路スイッチを入れた(着火電流印加)時間を0として、タンク内の圧力上昇変化を時間0〜200ミリ秒の間測定する。各測定データをコンピュータ処理により最終的にタンク圧力/時間曲線として、ガス発生剤成型体の性能を評価する曲線(以下「タンクカーブ」とする)を得る。燃焼終了後はタンク内のガスを一部抜き取り、CO及びNOx等のガス分析に供することもできる。
【0058】
「実施の形態2」
図4は、本発明のエアバッグ用ガス発生器の第二の実施の形態を示す縦断面図である。この図に示すガス発生器も、図1に示すガス発生器と同様に、特に運転席側に配置するのに適した構造となっている。但し、この図に示すガス発生器は、図1に示すガス発生器とは異なり、第一の燃焼室5a内に流路形成部材51を配置し、該流路形成部材51とディフューザシェル天井部内面28との間に、第二の燃焼室5b内で発生した燃焼ガスが通過する流路52を形成している。
【0059】
流路形成部材51は、円形部材の内周及び外周を屈曲して内周壁53及び外周壁54を形成した環状であって、両周壁面を繋ぐ円形部55には、ディフューザシェル天井部内面28との間に空間を確保する為の支持壁56が一体形成されている。そしてこの流路形成部材51は、その内周壁53で内筒部材4を挟持し、また支持壁56をディフューザシェル天井部内面28に当接する事により、円形部55とディフューザシェル天井部内面28との間には一定の空間が確保される。そして、この支持壁には多数の貫通孔57が形成されていることから、該空間はガス流路52として機能することができる。このガス流路52は、第二の燃焼室5b内のガス発生剤9bが燃焼する事により、内筒部材4の貫通孔10で第二の燃焼室5bと連通することから、第二の燃焼室5bで発生する燃焼ガスは、該貫通孔10からガス流路52に放出され、クーラント・フィルタ22を通過して、ガス排出口26から放出される。
【0060】
上記の様に形成されたガス発生器では、第一の燃焼室5aと第二の燃焼室5bとは、クーラント・フィルタ22の網目空間を介して連通可能となっているものの、何れかの燃焼室内に収容されたガス発生剤が燃焼した燃焼ガスは、クーラント・フィルタ22を通りそのままガス排出口26から放出される。その結果、最初に着火・燃焼したガス発生剤の火炎が、他の燃焼室内に収容されたガス発生剤を着火することはなく、第一の燃焼室5a内に収容された単孔形状のガス発生剤9a'は、第一の点火器12aの作動のみに起因して着火・燃焼し、また第二の燃焼室5b内のガス発生剤9bは、第二の点火器12bの作動のみに起因して着火・燃焼する。
【0061】
従って、この図に示すガス発生器では、2つの点火器(12a,12b)の作動タイミングを相当ずらした場合に於いても、最初に作動した点火器により着火されたガス発生剤の火炎が、他の燃焼室内のガス発生剤を燃焼することはない為、前記タンク燃焼試験でも安定したタンクカーブを得ることができる。このことは、特に第一の点火器12aを作動した後、所定時間が経過してから第二の点火器12bを作動させる場合に一層有利なものとなる。即ち、図4に示しすガス発生器では、貫通孔10はシールテープで閉塞されていないことから、流路形成部材を使用しない場合には、第一の燃焼室5a内で発生した燃焼ガスは、内筒部材4の貫通孔10を通り、第二の燃焼室5b内のガス発生剤9bを着火・燃焼する可能性がある。しかし、本実施の形態のように各燃焼室(5a,5b)毎に異なる流路を形成すれば、第一の燃焼室5a内で発生した燃焼ガスは、クーラント・フィルタ22を通り、第二の燃焼室5b内のガス発生剤9bを着火することなくそのまま排出される。その結果、第二の燃焼室5a内に収容されたガス発生剤9bを、第二の点火器12aを作動することのみにより任意に着火・燃焼させることができる。本実施の形態のガス発生器では、貫通孔10はシールテープにより閉塞されていないが、シールテープで閉塞した場合でも、更に各燃焼室内のガス発生剤を独立に着火・燃焼させることができる。従って、車両衝突時の状況に応じてガス発生器の出力性能を最大限適正なものとすることができる。
【0062】
なお、図4に示すガス発生器では、第二の点火器12bにより着火される伝火薬16bは、分離筒14内ではなく、第二の燃焼室5b内に配置されている。この様に伝火薬16bを配置することにより、第二の点火器12bの作動によって該伝火薬16bが着火・燃焼すると、その火炎は第二の燃焼室5b内のガス発生剤9bを均等に燃焼させることができ、更にこの伝火薬16bは、第一の伝火薬収容室15a内の伝火薬16aの火炎により直接燃焼されないものとすることができる。なお、図4中、図1と同一部材については、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0063】
次に、この図4に示す構造のガス発生器を用いて前記タンク燃焼試験を行った場合の作動性能を、図5に基づいて説明する。その際、それぞれの燃焼室内に、は、異なる形状のガス発生剤を、異なる量で充填したものとする。この図5に示すタンクカーブでは、第一の燃焼室5a内のガス発生剤9aの方が第二の燃焼室5b内にあるガス発生剤9bよりも、ガス発生剤単位重量あたりの表面積が小さく、またそれぞれのガス発生剤の充填量の割合は、第一のガス発生剤/第2のガス発生剤が35/6とする。
【0064】
この図5において、「A着火」とは、図4に示すガス発生器の第一の点火器12aの作動により、第一の燃焼室5a内のガス発生剤9aだけが燃焼した時のタンクカーブである。このタンクカーブは、第一の燃焼室5a内のガス発生剤9aの方が第二の燃焼室5b内にあるガス発生剤9bよりもガス発生剤単位重量あたりの表面積が小さいため、着火しても一気には燃焼せず、緩やかなカーブを描いて上昇している。
【0065】
また、「A+B(同時)着火」とは、第一及び第二の点火器(12a,12b)を同時に作動させ、第一及び第二の燃焼室(5a,5b)内のガス発生剤(9a,9b)を同時に燃焼させたときのタンクカーブである。このタンクカーブは、単位重量あたりの表面積が大きい第二の燃焼室5b内の第二のガス発生剤9bが着火と同時に一気に燃焼して燃焼ガスを放出するため、両点火器(12a,12b)に作動信号が伝達されたと同時にタンク圧が急激に上昇し、その後は第一の燃焼室5a内のガス発生剤9aによる燃焼ガスが継続して発生するため、上昇した出力カーブ(タンクカーブ)は暫く維持されている。
【0066】
更に「A+B(Tミリ秒遅れ)着火」とは、先ず第一の燃焼室5a内の第一のガス発生剤9aを燃焼させる第一の点火器12aが作動した後、Tミリ秒遅らせて第二の燃焼室5b内のガス発生剤9bを燃焼させる第二の点火器12bを作動させたときのタンクカーブである。このタンクカーブは、Tミリ秒までは「A着火」のタンクカーブとほぼ同じであるが、第二の点火器12bが作動した後(即ちTミリ秒以降)は、第二の燃焼室5b内のガス発生剤9bの燃焼で急激に発生したガス量が加わるため、一気にタンクカーブが上昇している。なお、この「A+B(Tミリ秒遅れ)着火」のタンクカーブでは、その最高出力(X kPa)が、「A+B(同時)着火」のタンクカーブの最高出力(Y kPa)よりも上回っている。これは「A+B(同時)着火」の場合は、両方の燃焼室(5a,5b)内のガス発生剤(9a,9b)が一気に燃焼してしまうのに対して、「A+B(Tミリ秒遅れ)着火」では、第二の燃焼室5b内の第二のガス発生剤9bが、第一の燃焼室5a内に充填された第一のガス発生剤9bよりもTミリ秒遅れて着火されて燃焼するので、その分発生熱の持続が続くことに依るものと考えられる。
【0067】
上記の通り、図5中「A+B(Tミリ秒遅れ)着火」では、第一の点火器12aが作動した後、Tミリ秒の間隔をおいて第二の点火器12bを作動させているが、この遅延のタイミングは、点火回路の調整によって任意の間隔に設定することができる。従って、車両の衝突時のスピード、或いは乗員の姿勢(例えば座高の高い人・低い人、またハンドルにしがみついた姿勢で運転する人)等を判断回路が瞬時に判断して適切な遅延時間を設定し、点火手段を作動させることにより、様々な状況に於いて最適な展開モードでエアバッグを展開させることができる。
【0068】
「実施の形態4」
図9は、本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の実施の形態を示す縦断面図である。この図に示すガス発生器は、図1及び図4に示すガス発生器と同様に、特に運転席側に配置するのに適した構造となっている。
【0069】
この図に示すガス発生器に於いても、第一の燃焼室305aと第二の燃焼室305bとは、内筒部材304により画成されて、ハウジング3内に、同心円上に隣接して設けられている。この内筒部材304の内周面には、所定の高さに段欠き部306が設けられ、この段欠き部306には、第二の燃焼室305bと点火手段収容室308とを画成する隔壁307が配置されている。本実施の形態に於いて、この隔壁307は、図10の分解斜視図に示すように、内筒部材304の段欠き部306に係止する区画円形部材350と、該区画円形部材350に係合するシールカップ部材360とで構成されている。この区画円形部材350は、略平板円形状であって、後述するシールカップ部材360の伝火薬収容部361を内嵌する開口部351と、底面を円形状に刳り抜き、点火器312bの上部を収容する円形穴部352と、該円形穴部の略中央に貫通して穿設された第二の伝火孔319とを有している。また、シールカップ部材360は、前記区画円形部材350の開口部351内に嵌入して第二の燃焼室305b内に突出する筒状の伝火薬収容部361と、前記区画円形部材350の円形穴部352と対向する位置に形成され、伝火薬収容部361と反対側に延在する筒状の点火器収容口362とを有している。この伝火薬収容部361の内側には、第一の伝火薬316aが収容されており、また点火器収容口362には、第二の点火器312bが内嵌されている。この区画円形部材350とシールカップ部材360とは、該シールカップ部材360の伝火薬収容部361を前記区画円形部材350の開口部351に嵌入して係合しており、点火器収容口362に内嵌された第二の点火器312bの上部は、区画円形部材350の円形穴部352内に突出している。
【0070】
この区画円形部350とシールカップ部材360とからなる隔壁307は、図9に示すように、内筒部材304の内周面に形成された段欠き部306に係止される。即ち、区画円形部材350の周縁が段欠き部306に支持され、シールカップ部材360は、該区画円形部材350に当接して支持されている。またこのシールカップ部材360の周縁は、点火器収容口362と同一方向に曲折して形成されており、この曲折部363は内筒部材304の内周面に設けられた溝364内に嵌入している。これにより、前記区画円形部350は、シールカップ部材360に支持されて、ハウジング3の軸方向への移動が阻止されている。また、このシールカップ部材360周縁の曲折部363を、内筒部材304内周面の溝364内に嵌入することにより、隔壁307(即ちシールカップ部材360)と内筒部材304とは隙間なく係合している。従って、内筒部材304内に於いて、クロージャシェル2側に設けられる点火手段収容室308と、ディフューザシェル1側に設けられる第二の燃焼室305bとは、該シールカップ部材360と溝364との組み合わせからなる点火手段シール構造により確実に区画されている。
【0071】
前記シールカップ部材360に形成される点火器収容口362は、その裾部を袴状に開いており、その内側、即ち、該収容口362に収容された第二の点火器312bとの間には、Oリング381が配置され、該収容口362と第二の点火器312bとの間のシールが行われている。またこのOリング381は、後述の点火器固定部材382にも圧接していることから、この第二の点火器312bは、区画円形部材の円形穴部352−シールカップ部材の点火器収容口362−Oリング381−点火器固定部材382によって区画された空間内に配置されている。この区画された空間内は、第二の点火器312bが作動することにより、区画円形部材350の円形穴部352に形成された第二の伝火孔319を閉塞するシールテープ320が破裂し、第二の燃焼室305bと連通する。そして第一の点火器312aと第二の点火器312bとは、点火器収容口362の裾部−Oリング381−点火器固定部材382からなるシール構造(以下、「点火器シール構造」とする)に依って、確実に分離されている。これにより、何れかの点火器の作動によって発生する火炎は、他の点火器が収容された空間内に直接流入することはない。
【0072】
また、本実施の形態に於いても、2つの点火器312a,312bはハウジング内への配置の容易性を確保するため、単一のイニシエータカラー313に固定されている。特に、本実施の形態に於いては、この2つの点火器312a,312bは、イニシエータカラー313に係合する点火器固定部材382によって支持され、該イニシエータカラー313に固定されている。この点火器固定部材382は、イニシエータカラー313の上面を覆うような形状であって、各点火器の上部を挿通し、且つ肩部383を支持する穴部384を有している。イニシエータカラー313に配置された2つの点火器312a,312bは、イニシエータカラー313に外嵌する点火器固定部材382に固定されている。この様な点火器固定部材382を用いることにより、2つの点火器312a,312bを容易にイニシエータカラー313に組み合わせることができる。なお、この実施の形態に示すガス発生器に於いては、第一の点火器312aと第二の点火器312bとは異なる大きさに形成され、その作動出力が異なるものが使用されているが、同じ作動出力の点火器を使用することもできる。
【0073】
本実施の形態に示すガス発生器の作動に際して、第一の点火器312aの作動により発生した火炎は、その上方に配置された第一の伝火薬316aを着火・燃焼させる。この第一の伝火薬316aの燃焼によって発生した火炎は、前記の点火器シール構造により、第二の点火器312bが収容される空間内に流入することはなく、またシールカップ部材360の曲折部363と内筒部材304の溝364とから成る点火手段シール構造により、第二の燃焼室305b内に流入することもない。従って、この第一の伝火薬316aの燃焼により発生した火炎は、内筒部材304の周壁に形成された第一の伝火孔317を通って、専ら第一の燃焼室305a内に流入し、第一のガス発生剤309aを着火・燃焼させて、燃焼ガスを発生させる。また、第二の点火器312bの作動によって発生した火炎は、区画円形部材350の円形穴部352に形成された第二の伝火孔319を通って、専ら第二の燃焼室305b内に流入し、第二のガス発生剤309bを着火・燃焼させ、燃焼ガスを発生する。特に、この実施の形態に於けるガス発生器では、第二の伝火薬は配置されておらず、第二のガス発生剤309aは、第二の点火器312bの作動により発生する火炎によって、直接着火・燃焼されるものとしている。
【0074】
そして、これら第一のガス発生剤309a及び第二のガス発生剤309bの燃焼によって発生した燃焼ガスは、その後、共通のクーラント・フィルタ22を通過する間に浄化・冷却され、間隙25を通り、ガス排出口26から排出される。第一及び第二の伝火孔を閉鎖するシールテープ318,320は、点火器の火炎や伝火薬の燃焼ガスが通過する際に破裂し、ガス排出口26を閉塞するシールテープ27は、燃焼ガスが通過する際に破裂する。
【0075】
この様に、それぞれの点火器312a,312bの作動タイミングをずらして、ガス発生剤309a,309bの着火タイミング、即ちガス発生器の作動性能を調整する場合には、点火器312a,312bが配置される箇所には、それぞれの点火器に接続されるリードワイヤー15'が特定されるように、位置決め手段が形成されている。このような位置決め手段は、例えば、図11a〜dの要部分解斜視図に示すように、各点火器毎に異なる形式のコネクター16'を使用することによって行うことができる。図11aに示す位置決め手段では、コネクターに位置決め用の溝(又は突起)17'を形成し、この位置決め用の溝(又は突起)17'に対応する突起(又は溝)18'の形成位置が、各点火器毎に異なるものとしている。即ち、ガス発生器にコネクター16'を取り付けるとき、正規の向きにコネクター16'を取り付けないとコネクター同士が干渉して、きちんと取り付けることができないように、各コネクターの溝(又は突起)17'の位置をかえている。図11bに示す位置決め手段では、何れか一のコネクター21'にだけ位置決め用の溝(又は突起)19'を設けている。即ち、溝(又は突起)19'を設けたコネクター21A'は、突起(又は溝)20'を設けていない側の点火器22b'には継合することができるが、溝(又は突起)19'を設けていないコネクター21B'は、突起(又は溝)20'を設けた側の点火器22a'には継合する事ができない。その結果、コネクター21'の接続の間違えは、組立時に容易に気づくことができる。図11cは、各コネクターの接続継合する部分23'自体の形状が、それぞれ異なるものとしている。また図11dでは、二つのコネクターを一つにして、更に位置決め溝(又は突起)24'を形成している。この位置決め手段としては、その他にも、コネクターの接続の誤りをなくすための手段を適宜実施することができる。
【0076】
この実施の形態に示すガス発生器に於いても、第一のガス発生剤309aは第一の点火器312aの作動に依って、また第二のガス発生剤309bは第二の点火器312bの作動に依って、各々独立に着火・燃焼されるが、場合によっては第一の点火器312aだけに電流を流して点火させ、第一の燃焼室305a内のガス発生剤309aだけを着火・燃焼させる場合がある。即ち、第二のガス発生剤309b及び第二の点火器312bを燃焼させずに残す場合である。この様な場合は、後の処理・廃棄等の際に不都合を来すので、ガス発生器(第一の点火器312aのみ)の作動後に、第二の点火器312bを作動させる通常の遅延着火のタイミング(例えば10〜40ミリ秒など)よりも更に遅らせて(例えば100ミリ秒以上等)、第二の燃焼室305bのガス発生剤309bを燃焼させることが望ましい。そこで図12に示すように、第二の燃焼室305b内に、第一のガス発生剤309aの燃焼熱の伝導によって着火・燃焼する自動発火材料385を配置することもできる。この場合、自動発火材料385による第二のガス発生剤309bの着火は、第一の点火器312aの作動後、所定の時間遅延させて第二の点火器312bを作動させる場合の通常の遅延時間(即ち、点火器同士の作動間隔)よりも十分な時間が経過した後に行われる。つまり、ガス発生器の作動性能を調整することを目的として、第二のガス発生剤309bの燃焼を遅らせる(即ち、第二の点火器312bの作動を遅らせる)のとは異なる。ガス発生器の作動性能を調整するため、任意に第二の点火器312bへの作動電流を遅延させている間に、第二のガス発生剤309bが該自動発火材料385によって着火・燃焼されることもない。なおこの自動発火材料385は、第二の点火器に組み合わせて配置ることもできる。
【0077】
第一の燃焼室305aと第二の燃焼室305bとは、内筒部材304によって画成されている。この内筒部材304には貫通孔310が設けられており、該貫通孔310はステンレス板311によって閉塞されている。このステンレス板311は、接着剤などの粘着部材によって内筒部材304に接着されており、専ら第二のガス発生剤309bの燃焼によって貫通孔310を開口し、第一のガス発生剤309aの燃焼によって開口することはない。この様に貫通孔310をステンレス板311で閉塞するのは、第一のガス発生剤309aの燃焼した火炎が、該貫通孔310を通って第二の燃焼室305b内に流入し、第二のガス発生剤309bを燃焼させることのない様にする為である。従って、この様な機能を確保できるものであれば、貫通孔310をステンレス板311で閉塞する他にも、第二のガス発生剤の燃焼による圧力等で破裂、剥離、焼失又は外れるような破裂板を内筒部材に溶接・接着又はヒートシールして貫通孔310を閉塞するか、或いは内筒部材304の周壁にノッチを設けるか、或いは内筒部材304の周壁の肉厚を部分的に薄く形成することによっても実現することができる。更に、図13に示すように、内筒部材304に設けられた貫通孔310を覆うようにして、略リング形状の遮蔽板386を配置することもできる。特に図13に示すガス発生器の態様に於いては、第一のガス発生剤309aの燃焼によって燃焼ガスが発生しても、貫通孔310を閉塞するシールテープは、遮蔽板386により保護されていることから、該第一のガス発生剤309aの燃焼によっては破裂しないものとなる。この様に、本実施の形態に於いても、内筒部材304の貫通孔310は、専ら第二のガス発生剤309bの燃焼によってのみ開口し、第一のガス発生剤309aの燃焼によって開口しないことから、最初に第一の燃焼室305a内で燃焼ガスが発生しても、これが第二の燃焼室305b内に流入することはなく、該第二の燃焼室305b内のガス発生剤309bは、第二の点火器312bの作動(場合によっては、前記自動発火材料385の燃焼)により着火・燃焼される。第二のガス発生剤312bの燃焼によって発生した燃焼ガスは、その燃焼によって開口した貫通孔310を通過して、第一の燃焼室305a内を通り、その後クーラント・フィルタ22により浄化・冷却されてガス排出口26から排出される。 図9〜13中、図1と同一部材については、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0078】
「実施の形態5」
図14は、電気着火式点火手段を用いたガス発生器を含んで構成した場合の本発明のエアバッグ装置の実施例を示す。
【0079】
このエアバッグ装置は、ガス発生器200と、衝撃センサ201と、コントロールユニット202と、モジュールケース203と、そしてエアバッグ204からなっている。ガス発生器200は、図1に基づいて説明したガス発生器が使用されており、その作動性能は、ガス発生器作動初期の段階において、乗員に対してできる限り衝撃を与えないように調整されている。
【0080】
衝撃センサ201は、例えば半導体式加速度センサからなることができる。この半導体式加速度センサは、加速度が加わるとたわむようにされたシリコン基板のビーム上に4個の半導体ひずみゲージが形成され、これら半導体ひずみゲージはブリッジ接続されている。加速度が加わるとビームがたわみ、表面にひずみが発生する。このひずみにより半導体ひずみゲージの抵抗が変化し、その抵抗変化を加速度に比例した電圧信号として検出するようになっている。
【0081】
コントロールユニット202は、点火判定回路を備えており、この点火判定回路に前記半導体式加速度センサからの信号が入力するようになっている。センサ201からの衝撃信号がある値を越えた時点でコントロールユニット202は演算を開始し、演算した結果がある値を越えたとき、ガス発生器200の点火器12に作動信号を出力する。このコントロールユニット202とガス発生器200の点火器12が点火器12に連結されたコネクタを介して、同一平面上で同一方向に引き出されたリードワイヤにより接続されている。
【0082】
モジュールケース203は、例えばポリウレタンから形成され、モジュールカバー205を含んでいる。このモジュールケース203内にエアバッグ204及びガス発生器200が収容されてパッドモジュールとして構成される。このパッドモジュールは、自動車の運転席側取り付ける場合には、通常ステアリングホイール207に取り付けられている。
【0083】
エアバッグ204は、ナイロン(例えばナイロン66)、またはポリエステルなどから形成され、その袋口206がガス発生器のガス排出口を取り囲み、折り畳まれた状態でガス発生器のフランジ部に固定されている。
【0084】
自動車の衝突時に衝撃を半導体式加速度センサ201が感知すると、その信号がコントロールユニット202に送られ、センサからの衝撃信号がある値を越えた時点でコントロールユニット202は演算を開始する。演算した結果がある値を越えたときガス発生器200の点火器12に作動信号を出力する。これにより点火器12が作動してガス発生剤に点火しガス発生剤は燃焼してガスを生成する。このガスはエアバッグ204内に噴出し、これによりエアバッグはモジュールカバー205を破って膨出し、ステアリングホイール207と乗員の間に衝撃を吸収するクッションを形成する。
【0085】
以下に、2個以上の燃焼室を含むガス発生器、2個の点火器を含むガス発生器、異なるガス発生手段を2個含むガス発生器、リードワイヤーを有する点火器を含むガス発生器、内筒部材中に燃焼室と点火手段を有するガス発生器、自動発火材料を含むガス発生器の実施の形態を記す。
【0086】
「実施の形態6」
上記の実施の形態1では、第一の燃焼室5a内には7孔を有する多孔円筒状の第一のガス発生剤9aが収容され、第二の燃焼室5bには、単孔円筒状の第二のガス発生剤9bが収容されてもよい。単孔円筒状のガス発生剤としては、例えばそのサイズが内径0.5〜1.5mmであって、好ましくは0.8mm、外形2〜3mmであって、好ましくは2.4mm、長さ2〜6mmであって、好ましくは4mmのものが使用され、また7孔円筒状のガス発生剤としては、例えばそのサイズが(孔の)内径0.6〜0.7mm、外形5〜5.3mm、長さ5mmのものが使用される。この様にそれぞれの燃焼室に、形状が異なり燃焼速度が相違するガス発生剤を収容することにより、各室に収容されたガス発生剤が燃焼を開始した後における燃焼ガスの発生パターンをも変化させることができる。この様な各ガス発生剤の燃焼開始後に於ける燃焼ガスの発生パターンの調整は、その他にも、組成、組成比又は量を変えることにより行うことができる。
【0087】
この第二のガス発生剤の如く、多孔円筒状に形成されたガス発生剤においては、その肉厚は、図22に示すような方法によって特定される。
【0088】
即ち、図22に示すように、成形体の断面が円型である円筒状成形体に7個の貫通孔を形成する場合、これら貫通孔の内、1個の孔の中心は成型体の円の中心に配置され、その他の6個の孔は中央の孔の周囲に配置される。図22に於いて、周囲に配置された各2個の孔の中心同士の距離(b)、これら2個の孔の中心と成型体の外端との距離(c)はそれぞれ等しく、更に中央の孔の中心と周囲に配置された孔の各中心との距離(a)は相互に等しい。(a)(b)及び(a)からなる正三角形と、(b)(c)及び(c)からなる正三角形とは相互に略同一となることが望ましい。中央の1個の孔から6個の正三角形が配置され、周囲の6個の孔の中央は、該正三角形の頂点に配置される。つまり、この様なガス発生剤においては、(a)(b)及び(a)の距離がガス発生剤の厚みであり、好ましくは、これらの厚み(即ち(a)(b)及び(a))は、等しくなることが望ましい。
【0089】
その他の成型体の例としては、中央孔は周囲の18個の孔で包囲されることができる。この孔数と配置構造は上記同様に有利なものとすることができる。これらの孔数と配置構造はガス発生剤の製造のしやすさ、及び製造コストと性能の兼ね合いで決定されるものであり、特に限定されるものではない。
【0090】
「実施の形態7」
また図4の実施の形態に於いても、第一の燃焼室と第二の燃焼室とでは、異なるタイプのガス発生剤が使用されている。この様に各燃焼室毎に異なるタイプのガス発生剤を使用することにより、実施の形態1と同じ様に、各室に収容されたガス発生剤が燃焼を開始した後においても、燃焼ガスの発生パターンを変化させることができ、エアバッグの展開パターンを任意に調整することが可能となる。
【0091】
「実施の形態8」
図6では、2つの燃焼室をハウジングに画成したガス発生器に於いても、それぞれの燃焼室には異なるタイプのガス発生剤を使用すれば、各室に収容されたガス発生剤が燃焼を開始した後においても、燃焼ガスの発生パターンを変化させることができ、その結果、エアバッグの展開パターンを任意に調整することが可能となる。
【0092】
「実施の形態9」
図9では、区画してハウジング内に形成された2つの燃焼室内には、実施の形態1と同じように、それぞれ異なるタイプのガス発生剤が使用されている。その結果、各室に収容されたガス発生剤が燃焼を開始した後においても、燃焼ガスの発生パターンを変化させることができ、エアバッグの展開パターンを任意に調整することが可能となる。
【0093】
「実施の形態10」
図15は他の実施態様を示す。本発明のエアバッグ用ガス発生器の他の実施の形態を示す縦断面図である。
【0094】
特に、この図に示すエアバッグ用ガス発生器は、実施の形態1に示すガス発生器において、更にハウジングに形成されたガス排出口とこれを閉塞するシールテープなどの遮断手段の組合せに特徴を有している。
【0095】
このガス発生器は、ガス排出口を有するディフューザシェル1と、該ディフューザシェルと共に内部収容空間を形成するクロージャシェル2とを接合してなるハウジング3内に、略円筒形状の内筒部材4を配置して、その外側を第一の燃焼室としている。また、該内筒部材の内側には段欠き部を設け、該段欠き部に略平板円形の隔壁を配置しており、この隔壁で該内筒内を更に2室に画成し、ディフューザシェル側に第二の燃焼室、クロージャシェル側に点火手段収容室8を形成している。その結果、このガス発生器では、第一の燃焼室5aと第二の燃焼室5bとは、ハウジング3内に同心円に設けられて、該ハウジングの半径方向に隣接している。この第一及び第二の燃焼室内には、衝撃をうけて作動した点火手段によって燃焼し、燃焼ガスを発生するガス発生剤(9a,9b)が収容され、点火手段収容室8内には、衝撃によって作動する点火手段が収容されている。
【0096】
この実施の形態に於いても第一の燃焼室と第二の燃焼室とでは異なるタイプのガス発生剤が使用されており、エアバッグの展開パターンを最大限に適正化することができる。
【0097】
第一の燃焼室5aと第二の燃焼室5bとを画成する内筒部材4には貫通孔10が設けられており、この貫通孔は、シールテープ11により閉塞されている。但しこのシールテープ11は、ガス発生剤が燃焼すると破裂することから、両燃焼室は、該貫通孔10により連通することができる。このシールテープ11は第二の燃焼室5bのガス発生剤9bが燃焼した時にのみ破れるように、その材質や厚さを調整する必要がある。本実施の形態では厚さ40μmのステンレス製のシールテープを用いている。また貫通孔10は、ガス排出口26bよりも開口面積を広げており燃焼室5b内の内部圧力をコントロールする機能は有していない。
【0098】
点火手段は、センサーが衝撃を感知する事に基づいて出力される作動信号によって作動する2つの電気着火式点火器(12a,12b)を含んで構成されており、該点火器同士は、1つのイニシエータカラー13に互いに平行に、その頭部を突起させて設けられている。この様に1つのイニシエータカラー13に2つの点火器(12a,12b)を設けることにより、該2つの点火器はイニシエータカラー13に固定されて単一の部材となり、ガス発生器への組付けが容易となる。特にこの図に示すガス発生器では、該イニシエータカラー13を、内筒部材4内に挿入可能な大きさとする事により、2つの点火器(12a,12b)を設けたイニシエータカラー13を該内筒4内に挿入した後、内筒部材4の下端をかしめて該イニシエータカラーを固定することにより、点火器を容易且つ確実に固定することができる。また、2つの点火器(12a,12b)をイニシエータカラー13に配置する際には、それぞれの点火器の向きを容易に規制することができる。
【0099】
この実施の形態では、イニシエータカラー13と隔壁7との間の空間に、何れか1つの点火器12b(以下、「第二の点火器」とする)を包囲するように略円筒形状の分離筒14を配置して、その外側に第一の伝火薬収容室15a、内側に第二の伝火薬収容室15bを画成し、そして各収容室内に、点火器と、該点火器と共に点火手段を構成する伝火薬とを収容している。その結果、点火器と共に点火手段を構成する伝火薬(16a,16b)は、各点火器(12a,12b)毎に確実に区分されることとなる。この第一の伝火薬収容室15aは、その中に収容された伝火薬16aが燃焼すると、内筒部材4に形成された伝火孔17を閉塞するシールテープ18が破裂して第一の燃焼室5aと連通する。また第二の伝火薬収容室15bも、その中の伝火薬16bが燃焼すると隔壁7に形成された伝火孔19を閉塞するシールテープ20が破裂して第二の燃焼室5bと連通する。依って、このガス発生器は、作動に際して、第一の点火器12aが着火(作動)したときの火炎は、その収容室15a内にある伝火薬16aを着火・燃焼させ、その火炎が内筒部材4に形成された伝火孔17を通り、該収容室15aの半径方向に位置する第一の燃焼室5a内に収容された7孔のガス発生剤9aを着火燃焼させる。また第二の点火器12bは、その収容室15b内の第二の伝火薬16bを着火・燃焼させ、その火炎が該収容室15bの軸方向に設けられた伝火孔19を通り、その延長上にある第二の燃焼室5b内に収容された単孔のガス発生剤9bを着火・燃焼させる。この第二の燃焼室9b内で発生した燃焼ガスは、内筒部材4のディフューザシェル1側に設けられた貫通孔10を通り第一の燃焼室5a内に流入する。特に、図15に示すガス発生器では、イニシエータカラーと隔壁との間に配置される分離筒14は、隔壁7の下面とイニシエータカラー13の上面に該分離筒14の外形に相当する穴部21を設け、それぞれの穴部に分離筒14の上端又は下端を嵌入して配置されている。この様に分離筒14を配置していることにより、何れか一の伝火薬燃焼室内で発生する伝火薬の火炎が、他の伝火薬収容室内の伝火薬を直接燃焼させることはなく、2つの燃焼室内に収容されたガス発生剤は、それぞれ異なる区分の伝火薬が燃焼した火炎により着火・燃焼される。即ち、通常、該分離筒14内(即ち第二の伝火薬収容室内)で伝火薬が燃焼した場合には、その燃焼によって生じるガスの圧力は、該分離筒を半径方向に押し広げるようにも働くこととなるが、分離筒を配置することにより、該分離筒の上下端部はそれぞれが嵌入する穴部の周壁に確実に支持されていることとなり、単に分離筒を隔壁とイニシエータカラーとの間で挟持した場合に比べ、より確実に伝火薬の燃焼ガス・火炎の漏洩を阻止することができる。
【0100】
またハウジング3内には、ガス発生剤(9a,9b)の燃焼によって発生した燃焼ガスを浄化・冷却するためのクーラント・フィルタ22が配設されており、そのディフューザシェル1側の内周面は、クーラント・フィルタ22の端面とディフューザシェル1天井部内面28との間を燃焼ガスが通過することのない様に、ショートパス防止部材23で覆われている。該クーラント・フィルタ22の外側には、燃焼ガスの通過などによる該フィルタ22の膨出を抑止するための外層24を配置している。この外層24は、例えば、積層金網体を用いて形成する他、周壁面に複数の貫通孔を有する多孔円筒状部材、或いは所定巾の帯状部材を環状にしたベルト状抑止層を用いて形成することもできる。更に該外層24の外側には、燃焼ガスが該フィルタ22の全面を通過することができるように、間隙25が形成されている。
【0101】
本発明のガス発生器に於てはディフューザシェル1に形成されるガス排出口及び/又はこれを閉塞するシールテープの構成に特徴を有する。図15に示すガス発生器のディフューザシェル1の周壁部には径の異なるガス排出口26a,26bが2種類具備されており、各排出口数はそれぞれ同数とすることができる。この場合、ガス排出口26aの径はガス排出口26bの径より大きく、各孔数は同一であることから総開口面積もガス排出口26aの方がガス排出口26bよりも大きいものとなる。本実施例ではガス排出口26aの径はφ3.0mmで孔数は10個、ガス排出口26bは径φ2mmで孔数6個の構造を示している。これらの排出口26a,26bにはハウジング外部の湿度等の環境の影響からガス発生剤を保護するため、シールテープ27をディフューザシェル1周壁部内周面から貼りつけてある。このシールテープ27はガス発生器の軸方向に並ぶ2種類のガス排出口を同時に塞いでもさらに余裕のある幅で、各排出口26a,26bの上端、あるいは下端から、シールテープの上端、或は下端まで2〜3mmの余裕があることが望ましく、20μm〜200μmの厚さを有するアルミ製のシール層と5〜100μmの厚さを有する接着層、あるいは粘着層とからなるシールテープを用いることが好ましいが、所望の効果を発揮するのであれば特にシールテープの種類や構造は問わない。本実施例ではアルミシール層の厚さが50μm、接着層、あるいは粘着層の厚みが50μmのシールテープを使用している。本実施例では各排出口26a,26bの配列は、ガス発生器ハウジングの軸方向に並んでいるが、本発明の効果を得るためには、たとえば各々の排出口がディフューザシェル周壁部に円周状に交互に配列されていても構わない。このようなガス排出口とシールテープとの組み合わせによって、シールテープの破裂する圧力を2段階に調節している。
【0102】
この構造においてガス発生器が作動したとき、例えば燃焼室5aの7孔ガス発生剤を着火させる点火器通電後、30msec等の時間をおいて燃焼室5bの単孔ガス発生剤を着火させる点火器が作動した場合にはガス排出口26aの開口面積(孔径と孔数)を燃焼室5aのガス発生剤の燃焼表面積と相関させ、またガス排出口26bの開口面積(孔径と孔数)を燃焼室5bのガス発生剤の燃焼表面積と相関させる。従来は1種類の孔径のものしか排出口がなかったため開口面積を燃焼室5aのガス発生剤の表面積に相関させるか、燃焼室5aと5bの全ガス発生剤の表面積に相関させるかのどちらかでしか可能でなかった。この場合前者は燃焼室5aのガス発生剤が燃焼した場合には条件的には最適であるが、引き続き燃焼室5b或は燃焼室5aと5bのガス発生剤が燃焼した場合には燃焼圧力が高くなり、出力の過剰なガス発生器となりうる。また後者の場合は燃焼室5aのみのガス発生剤がまず燃焼した場合、反対に出力が緩やかになりすぎて、エアバッグ展開初期の充分な拘束性能を得ることが困難である。
【0103】
本発明によれば本実施例に示した様に開口面積の異なる排出口を2種類設け、各燃焼室のガス発生剤の表面積と相関させることで、それぞれのガス発生剤の着火のタイミングに関係なく最適なエアバッグの展開がえられる。ここではガス排出口の開口面積を2種類としたが、さらに種類を増やし、シールテープの破裂圧力を多段階に調節することで環境温度による出力性能の差を抑えることも可能となる。
【0104】
上記の様に形成されたガス発生器では、点火手段収容室8内であって該分離筒14の外に配置された第一の点火器12aが作動すると、第一の伝火薬収容室15a内に収容された伝火薬16aが着火・燃焼し、その火炎が内筒部材4の伝火孔17を通って、第一の燃焼室5a内に収容された7孔を有する多孔円筒状の第一のガス発生剤9aを燃焼させる。また分離筒14に包囲される第二の点火器12bが作動すると、第二の伝火薬収容室15b内に収容された伝火薬16bが着火・燃焼し、その火炎は第二の燃焼室5b内に収容された単孔円筒状の第二のガス発生剤9bを着火・燃焼させる。その結果、第一の点火器を作動させた後に第二の点火器を作動させるか、或いは第一と第二の点火器を同時に作動させるかによって点火器(12a,12b)の着火タイミングを調整することで、ガス発生器の出力形態(作動性能)を任意に調整することができ、衝突時の車両の速度や環境温度など様々な状況において、後述のエアバッグ装置とした場合に於けるエアバッグの展開を最大限適正なものとすることができる。特にこの図に示すガス発生器では、各燃焼室(5a,5b)毎に形状の異なるガス発生剤(9a,9b)が使用されており、第一の燃焼室5aには多孔円筒状の第一のガス発生剤9aが、第二の燃焼室5bには単孔円筒状の第二のガス発生剤9bがそれぞれ収容されている。また各燃焼室(5a,5b)に収容されるガス発生剤の量も異なり、第一の燃焼室5a内には35g、第二の燃焼室5b内には6gのガス発生剤(9a,9b)がそれぞれ収容されている。その結果、このガス発生器では、より的確にその出力形態を調整することが可能となっている。なお、ガス発生剤の形状、組成、組成比及び量等は、勿論、所望の出力形態を得るために、適宜変更することができる。
【0105】
本発明によればこの様な2個以上の点火器と2種類以上のガス排出口の組み合わせにより、ガス発生器の作動時の内圧を均等化し、燃焼性能を安定化させることが出来る。
【0106】
図16に示したガス発生器はハウジングのディフューザシェルに設けるガス排出口とそれを閉塞するシールテープの構成を変化させた以外は図15に示すものと構造が同一であり、図15と同一部材には同じ符号を付して、その説明を省略する。即ち図16ではシールテープの破裂する圧力を2段階に調節するため、各ガス排出口の開口面積(孔径と孔数)は同一であるが、シールテープの厚さを変化させる様にした実施例である。この場合、ガス排出口26aとガス排出口26bはハウジング軸方向に縦に配列しており、ガス排出口26aを塞ぐシールテープ27aの厚さに対して、ガス排出口26bを塞ぐシールテープ27bの厚さを厚くしている。但し、このシールテープの厚は、ガス発生器の出力性能(作動性能)を調整するために規制されるものであり、ガス発生剤の燃焼時に於けるハウジング内圧の調整は、ガス排出口の開口面積によって調整される。つまり、このシールテープは最大燃焼内圧には影響を与えないものである。ガス排出口26aと26bの開口面積(孔径と孔数)はいずれも同一である。この場合は例えば燃焼室5aのガス発生剤9aが燃焼したときにガス排出口26aを覆うシールテープ27aがすべて破裂されるように、排出口26aの開口面積とシールテープ27aの厚みを調節する。引き続いて燃焼室5bのガス発生剤9bが燃焼した場合、あるいは燃焼室5aと5bのガス発生剤9a,9bが同時に燃焼した場合には、更に高い燃焼内圧が発生するので、その時には全ての排出口26a,26bを覆うシールテープ27a,27bが破裂するように、厚さを厚くしたシールテープ27bを排出口26bに貼り付ける。即ち、ガス排出口26aのシールテープ27aは燃焼室5aのみのガス発生剤9aの燃焼によって破裂する厚さに調節されているため、排出口26bのシールテープ27bまでを破裂させることはない。よって燃焼室5aのガス発生剤はその表面積が排出口26aのみの開口面積と相関されるため、最適な燃焼を呈する。またその後燃焼室5bのガス発生剤9bが遅れて燃焼した時、或は両燃焼室のガス発生剤9a,9bが同時に燃焼したときは、更に高い燃焼圧力が発生するため、ガス排出口26bのシールテープ27bまで破裂させ、内圧の上昇を抑え、着火のタイミングに関係なく最適なエアバッグ展開が可能となる。この場合も図15で述べたようにシールテープの材質、構造や、排出口の配列の仕方等は目的の効果を得るための限定要因ではなく、任意の仕様が可能である。また厚さを多段階に変更させることで同様に環境温度等の影響が少ないガス発生器となる。
【0107】
図15及び図16に示したこれらの2つの実施例ではそれぞれ排出口の開口面積のみ、或はシールテープの厚さのみを幾種類か変更した実施例を挙げたが、その両方を調整することも可能である。
【0108】
「実施の形態11」
図17は別の実施の態様を示す。本発明のエアバッグ用ガス発生器の他の実施の形態を示す縦断面図である。このガス発生器は、特に助手席側に配置するのに適した構造となっている。
【0109】
この図に示すガス発生器は、最外径よりも軸芯長の方が長い円筒形状であって、その周壁に複数のガス排出口を有するハウジング103内に、衝撃によって作動する点火手段と、該点火手段によって着火・燃焼されエアバッグを膨張させる為の燃焼ガスを発生するガス発生剤(9a,9b)と、該ガス発生剤の燃焼によって発生した燃焼ガスを冷却及び/又は浄化するクーラント・フィルタ122とを含んで収容している。そして、ハウジング103内に設けられる2つの燃焼室(105a,105b)は、ハウジング103の軸方向に隣接して同軸上に設けられており、各燃焼室(105a,105b)同士を相互に連通可能とする連通孔110が設けられている。
【0110】
本実施の形態に示すガス発生器は、そのハウジングが軸方向に長い円筒形状であることから、軸方向に長い形状となっているが、この様な形状のガス発生器では、特に、上記のように2つの燃焼室(105a,105b)を同軸上に隣接して設け、両燃焼室を連通可能とすることにより、任意にガス発生器の作動出力、及び出力上昇のタイミングを調整可能としながらも、簡易な構造であって製造容易なガス発生器となる。
【0111】
そして前記点火手段は、衝撃によって作動する点火器を2個以上含んで構成され、各点火器(12a,12b)は、1つのイニシエータカラー113に、互いに平行に設けられていることから、その組み付けも容易なものとなる。
【0112】
またハウジング103内には、複数のガス排出口126a,126bが形成されたハウジング内周面と対向して略円筒形状のクーラント・フィルタ122が配設されており、該フィルタ122とハウジング内周との間には所定の間隙125が確保されている。このクーラント・フィルタ122が収容される空間に隣接して第一の燃焼室105aが画成されており、2つの点火器(12a,12b)を含んで構成される点火手段は、この第一の燃焼室105aに隣接して同軸上に配設されている。そして該点火手段の半径方向には、環状の第二の燃焼室105bが画成されていることから、第一の燃焼室105aと第二の燃焼室105bとは、ハウジング103の軸方向に隣接して設けられることとなる。この第一、第二の燃焼室内には、それぞれ異なるガス発生剤(9a,9b)が充填されており、この図に示すガス発生器では、第一の燃焼室105a内には多孔円筒状の第一のガス発生剤9a、第二の燃焼室105bには単孔円筒状の第二のガス発生剤9bがそれぞれ収容されている。これにより、ガス発生器の作動性能を最大限適正化することができる。
【0113】
前記点火手段は、点火器(12a,12b)の作動により着火・燃焼し、その火炎でガス発生剤(105a,105b)を着火する伝火薬を含んで構成されており、この伝火薬は、各点火器毎に画成され、それぞれの点火器毎に独立して着火・燃焼する。この点火器毎に画成された伝火薬が収容される空間は、筒状部材により画成されており、第一の伝火薬116aが収容される第一の伝火薬収容室115aは、点火手段と第一の燃焼室105aの間に配設される隔壁107の伝火孔119で第一の燃焼室105aと連通し、第二の伝火薬116bが収容される第二の伝火薬収容室115bは、該収容室115bを画成する筒状部材104に形成された伝火孔117で第二の燃焼室105bと連通している。そして第一の燃焼室105aと第二の燃焼室105bとは、前記隔壁107に形成された貫通孔110で連通している。
【0114】
この図に示すガス発生器では、第一の点火器12aが作動すると、第一伝火薬収容室115a内の伝火薬116aが着火・燃焼し、その火炎が隔壁部材107の伝火孔119を通って、第一の燃焼室105a内に配置されたガス発生剤9aを着火・燃焼させ、燃焼ガスを発生させる。この燃焼ガスは、クーラント・フィルタ122を通過する間に浄化・冷却され、ガス排出口から放出される。一方、第二の点火器12bが作動すると、第二の伝火薬収容室115b内の伝火薬116bが着火・燃焼し、その火炎で第二の燃焼室105b内のガス発生剤9bを着火・燃焼させる。この第二の燃焼室105b内で発生したが燃焼ガスは、隔壁107の貫通孔110を通って第一の燃焼室105a内を通過し、クーラント・フィルタ122を通過する間に浄化・冷却され、ガス排出口から放出される。また、この図に示すガス発生器に於いても、第一の燃焼室と第二の燃焼室とを連通する貫通孔110は、専ら第二の燃焼室内のガス発生剤の燃焼に依って破裂するシールテープ111で閉塞されている。なお、本実施の形態でも、図14のガス発生器と同じくガス排出口は大径のガス排出口126aと小径のガス排出口126bが設けられ、これらはシールテープ127により閉塞されている。即ち図17に示した実施例では図15の様にシールテープの厚さは一定にして、ガス排出口の開口面積を2種類にすることで、シールテープの破裂圧力をコントロールし燃焼室105aと105bのガス発生剤9a,9bの燃焼タイミングに関わらず、常に最適な出力が調整可能である。ガス排出口は円筒形のハウジングの周壁部にあり、燃焼室105aのガス発生剤9aの表面積とガス排出口126aを、また燃焼室105bのガス発生剤9bの表面積と排出口126bの開口面積を相関付けている。作動原理は図15と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0115】
また第一の燃焼室105aとクーラント・フィルタ122が収容される空間とを画成する画成部材160には、両室を連通する連通孔161か設けられており、前記第一及び第二の燃焼室(105a,105b)内で発生した燃焼ガスは、この連通孔161を通ってクーラント・フィルタ122の収容空間に到達する。この実施の形態では、該画成部材160には、クーラント・フィルタ122の内径とほぼ同じ大きさの連通孔161が形成されている。そして、この連通孔161には、第一の燃焼室105a内のガス発生剤9aが、その燃焼に際してクーラント・フィルタ122が収容される空間側に移動することのない様に金網162が設置されている。この金網162は、燃焼中に於ける第一のガス発生剤9aの移動を阻止できる大きさの網目であって、燃焼性能をコントロールする様な通気抵抗を持つものでなければ、その種類は問わない。
【0116】
上記の通り、この態様のガス発生器においても、それぞれの燃焼室(105a,105b)に収容されたガス発生剤(9a,9b)は、二つの点火器(12a,12b)の作動タイミングを調節することにより、独立して着火・燃焼されることとなり、ガス発生器の出力形態(作動性能)を任意に調整することができる。その結果、衝突時の車両の速度や環境温度など様々な状況において、後述のエアバッグ装置とした場合に於けるエアバッグの展開を最大限適正なものとすることができる。
【0117】
図17に於て、ハウジング内に設けられる2つの燃焼室は、ハウジングの軸方向及び半径方向に隣接するように設けられている。具体的には、この図17に示すガス発生器では、第一の燃焼室105aと、点火手段及び第二の燃焼室105bとを画成する隔壁107を、軸方向に屈曲させた後、その先端をフランジ形状としてハウジング内周に当接させることにより、第二の燃焼室105bをハウジングの軸方向に拡張している。その結果、この図17に示すガス発生器では、該第二の燃焼室が軸方向に拡張し、即ち第一の燃焼室側に突起することにより、第一の燃焼室と第二の燃焼室とは、ハウジングの軸方向及び半径方向に隣接されている。この図17に示すガス発生器は、第二の燃焼室の容積を大きくすることが可能であることから、第二のガス発生剤を多く使用する場合に好都合となる。
【0118】
図18は図17と同じく主に助手席乗員を拘束するガス発生器の実施例の断面図で、図16に示したように各排出口の開口面積は一定にしておき、シールテープの厚さを変更させて破裂圧力を調節する実施例を示している。即ちガス排出口126aとガス排出口126bはハウジング軸方向に縦に配列しており、ガス排出口126aを塞ぐシールテープ127aの厚さに対して、ガス排出口126bを塞ぐシールテープ127bの厚さを厚くしている。ガス排出口126aと126bの開口面積(孔径と孔数)はいずれも同一である。この図18に示したガス発生器の作動では図3と同一部材には同じ符号を付してその説明を省略する。又ガス排出口とシールテープの構成及び作動説明は図16と同様であるので、それらの作動の説明は省略する。
【0119】
図17及び図18に示した助手席乗員拘束用ガス発生器の場合も同様に、排出口の開口面積の種類を更に増やしたり、シールテープの厚さの種類を増やすことで、外部温度などの影響を受け難くするための更に細かな調節が可能である。無論排出口開口面積とシールテープの厚さを同時に組み合わせてもよい。
【0120】
「実施の形態12」
図19は、他の実施の形態に於ける本発明のエアバッグ用ガス発生器を示す縦断面図である。この実施の形態に示すガス発生器も、図15及び図16に示すガス発生器同様に特に運転席に配置するのに適した構造を有する。
【0121】
この図19に示すガス発生器は、内筒部材内を第二の燃焼室と点火手段収容室とを画成する隔壁の構造以外は図15に示すものと構造が同じであり、依って、図15と同一部材には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0122】
特にこの図に示すガス発生器は、内筒部材の内側を第二の燃焼室と点火手段収容室とに画成する略平板円形の隔壁307は、前記図2の分解斜視図に示すように、内筒部材304の段欠き部306に係止する区画円形部材350と、該区画円形部材350に係合するシールカップ部材360とで構成されている。
【0123】
この区画円形部350とシールカップ部材360とからなる隔壁307は、図19に示すように、内筒部材304の内周面に形成された段欠き部306に係止される。即ち、区画円形部材350の周縁が段欠き部306に支持され、シールカップ部材360は、該区画円形部材350に当接して支持されている。またこのシールカップ部材360の周縁は、点火器収容口362と同一方向に曲折して形成されており、この曲折部363は内筒部材304の内周面に設けられた溝364内に嵌入している。これにより、前記区画円形部350は、シールカップ部材360に支持されて、ハウジング3の軸方向への移動が阻止されている。また、このシールカップ部材360周縁の曲折部363を、内筒部材304内周面の溝364内に嵌入することにより、隔壁307(即ちシールカップ部材360)と内筒部材304とは隙間なく係合している。従って、内筒部材304内に於いて、クロージャシェル2側に設けられる点火手段収容室308と、ディフューザシェル1側に設けられる第二の燃焼室305bとは、該シールカップ部材360と溝364との組み合わせからなる点火手段シール構造により確実に区画されている。
【0124】
前記シールカップ部材360に形成される点火器収容口362は、その裾部を袴状に開いており、その内側、即ち、該収容口362に収容された第二の点火器312bとの間には、Oリング381が配置され、該収容口362と第二の点火器312bとの間のシールが行われている。またこのOリング381は、2つの点火器312a,312bを単一のイニシエータカラー313に固定する点火器固定部材382にも圧接していることから、この第二の点火器312bは、区画円形部材の円形穴部352−シールカップ部材の点火器収容口362−Oリング381−点火器固定部材382によって区画された空間内に配置されている。この区画された空間内は、第二の点火器312bが作動することにより、区画円形部材350の円形穴部352に形成された第二の伝火孔319を閉塞するシールテープ320が破裂し、第二の燃焼室305bと連通する。そして第一の点火器312aと第二の点火器312bとは、点火器収容口362の裾部−Oリング381−点火器固定部材382からなるシール構造(以下、「点火器シール構造」とする)に依って、確実に分離されている。これにより、何れかの点火器の作動によって発生する火炎は、他の点火器が収容された空間内に直接流入することはない。点火器固定部材382は、イニシエータカラー313の上面を覆うような形状であって、各点火器の上部を挿通し、且つ肩部383を支持する穴部384を有している。イニシエータカラー313に配置された2つの点火器312a,312bは、イニシエータカラー313に外嵌する点火器固定部材382に固定されている。この様な点火器固定部材382を用いることにより、2つの点火器312a,312bを容易にイニシエータカラー313に組み合わせることができる。なお、この実施の形態に示すガス発生器に於いては、第一の点火器312aと第二の点火器312bとは異なる大きさに形成され、その作動出力が異なるものが使用されているが、同じ作動出力の点火器を使用することもできる。
【0125】
この図に示すガス発生器に於いても、図15に示すガス発生器と同様に、ハウジングに形成される複数のガス排出口(26a,26b)は、その開口径および/または開口面積が2種類以上に制御されている。その結果、各々の点火手段が作動した時のハウジング最大内部圧力の差を抑えることができ、ガス発生器の作動時の内圧を均等化し、燃焼性能が安定したエアバッグ用ガス発生器となる。また、この実施の形態に於けるガス発生器に於いても、前記図16に示すガス発生器と同様に、各ガス排出口の開口面積は一定にしておき、シールテープ27等の遮断手段の厚さを変更して破裂圧力を調節することにより、各々の点火手段が作動した時のハウジング最大内部圧力の差を抑えることもできる。更に、ガス排出口の開口径および/または開口面の制御と積遮断手段の厚さの制御を併用することも当然可能である。
【0126】
「実施の形態13」
上記実施の形態10〜12に示したエアバッグ用ガス発生器に於いては、その他にも、任意に図20と21に示す構成を有するものとすることができる。
〈燃焼室同士の貫通孔に関する実施の態様〉
図20は第二のガス発生剤の燃焼により開口し、第一の燃焼室と第二の燃焼室とを連通する開口部の他の実施の態様を示す。
【0127】
即ち、図20aは、第一の燃焼室550と第二の燃焼室560とを画成する隔壁504(インナーシェルを含む)に形成されるの開口部505を、外側から適宜形状の遮蔽板590、例えば帯状部材を環状に形成した遮蔽板等で覆い、第一のガス発生剤の燃焼火炎が直接接触しないものとした態様を示す。符号522は、第二のガス発生剤を示す。また図20bは、該壁504の周壁にノッチ512を形成して開口部505とした態様を示す。更に図20cは該隔壁504の周壁の肉厚を部分的に薄く形成して開口部505を形成した態様を示す。
【0128】
従って、上記実施の形態10〜13に示すガス発生器に於いて、第一の燃焼室と第二の燃焼室とを連通する開口部を図20に示す態様に形成し、第一の燃焼室と第二の燃焼室とを連通させることができる。
【0129】
「実施の形態14」
図14は、電気着火式点火手段を用いたガス発生器を含んで構成した場合の本発明のエアバッグ装置の実施例を示す。
【0130】
このエアバッグ装置は、ガス発生器200と、衝撃センサ201と、コントロールユニット202と、モジュールケース203と、そしてエアバッグ204からなっている。ガス発生器200は、図1に基づいて説明したガス発生器が使用されており、その作動性能は、ガス発生器作動初期の段階において、乗員に対してできる限り衝撃を与えないように調整されている。
【0131】
衝撃センサ201は、例えば半導体式加速度センサからなることができる。この半導体式加速度センサは、加速度が加わるとたわむようにされたシリコン基板のビーム上に4個の半導体ひずみゲージが形成され、これら半導体ひずみゲージはブリッジ接続されている。加速度が加わるとビームがたわみ、表面にひずみが発生する。このひずみにより半導体ひずみゲージの抵抗が変化し、その抵抗変化を加速度に比例した電圧信号として検出するようになっている。
【0132】
コントロールユニット202は、点火判定回路を備えており、この点火判定回路に前記半導体式加速度センサからの信号が入力するようになっている。センサ201からの衝撃信号がある値を越えた時点でコントロールユニット202は演算を開始し、演算した結果がある値を越えたとき、ガス発生器200の点火器12に作動信号を出力する。
【0133】
モジュールケース203は、例えばポリウレタンから形成され、モジュールカバー205を含んでいる。このモジュールケース203内にエアバッグ204及びガス発生器200が収容されてパッドモジュールとして構成される。このパッドモジュールは、自動車の運転席側取り付ける場合には、通常ステアリングホイール207に取り付けられている。
【0134】
エアバッグ204は、ナイロン(例えばナイロン66)、またはポリエステルなどから形成され、その袋口206がガス発生器のガス排出口を取り囲み、折り畳まれた状態でガス発生器のフランジ部に固定されている。
【0135】
自動車の衝突時に衝撃を半導体式加速度センサ201が感知すると、その信号がコントロールユニット202に送られ、センサからの衝撃信号がある値を越えた時点でコントロールユニット202は演算を開始する。演算した結果がある値を越えたときガス発生器200の点火器12に作動信号を出力する。これにより点火器12が作動してガス発生剤に点火しガス発生剤は燃焼してガスを生成する。このガスはエアバッグ204内に噴出し、これによりエアバッグはモジュールカバー205を破って膨出し、ステアリングホイール207と乗員の間に衝撃を吸収するクッションを形成する。
【0136】
「実施の形態17」
図9のガス発生器は、ガス排出口を有するディフューザシェル1と、該ディフューザシェルと共に内部収容空間を形成するクロージャシェル2とを接合してなるハウジング3内に、二つの燃焼室と点火手段収容室が配置されている。
【0137】
第1の燃焼室305aは、ハウジング3と、その内部に配置された略円筒形状の内筒部材304から形成されている。また、内筒部材304の内側に設けた段欠き部306に略平板円形の隔壁307を配置し、内筒部材304内を更に2室に画成して、ディフューザシェル1側に第2の燃焼室305b、クロージャシェル2側に点火手段収容室370が形成されている。よって、このガス発生器では、第1の燃焼室305aと第2の燃焼室305bは、ハウジング3内に同心円に設けられて、ハウジング3の半径方向に隣接している。
【0138】
この第1及び第2の燃焼室305a、305b内には、衝撃をうけて作動した点火手段によって燃焼し、燃焼ガスを発生するガス発生剤(309a,309b)が収容され、点火手段収容室370内には、衝撃によって作動する点火手段が収容されている。
【0139】
第1の燃焼室305aと第2の燃焼室305bとを画成する内筒部材304には、貫通孔310が設けられており、この貫通孔はシールテープ311により閉塞されている。但し、このシールテープ311は、ガス発生剤が燃焼すると破裂することから、両燃焼室は該貫通孔310により連通される。このシールテープ311は第2の燃焼室305bのガス発生剤309bが燃焼した時にのみ破れるように、その材質や厚さを調整する。本実施の形態では、厚さ40μmのステンレス製のシールテープを用いている。貫通孔310は、ガス排出口26よりも開口面積が大きなものであり、燃焼室305b内の内部圧力をコントロールする機能は有していない。
【0140】
点火手段は、点火手段収容室内に点火器と伝火薬が収容されてなるものである。
【0141】
点火手段収容室370は、第1の点火器312a、第2の点火器312bを、イニシエータカラー313、内筒部材304及び略平板円形の隔壁307により包囲するように配置して形成されている。なお、略平板円形の隔壁307は、図10の分解斜視図に示すように、内筒部材304の段欠き部306に係止する区画円形部材350と、該区画円形部材350に係合するシールカップ部材360とで構成されている。
【0142】
電気着火式の2つの点火器312a,312bは、1つのイニシエータカラー313に互いに平行に、その頭部を突起させて設けられている。この様に1つのイニシエータカラー313に点火器312a,312bを設けることにより、2つの点火器はイニシエータカラー313に固定されて単一の部材となり、ガス発生器への組付けが容易となる。特に図9に示すガス発生器では、イニシエータカラー313を、内筒部材304内に挿入可能な大きさとする事により、2つの点火器312a,312bを設けたイニシエータカラー313を内筒304内に挿入した後、内筒部材304の下端をかしめて該イニシエータカラー313を固定することにより、2つの点火器を容易且つ確実に固定することができる。また、2つの点火器をイニシエータカラー313に配置する際には、それぞれの点火器の向きを容易に規制することができる。
【0143】
隔壁307を構成する区画円形部材350は、略平板円形状であって、シールカップ部材360の伝火薬収容室361を内嵌する開口部351と、底面を円形状に刳り抜き、点火器312bの上部を収容する円形穴部352と、円形穴部352の略中央に貫通して穿設された第2の伝火孔319とを有している。
【0144】
シールカップ部材360は、前記区画円形部材350の開口部351内に嵌入して第2の燃焼室305b内に突出する筒状の伝火薬収容室361と、前記区画円形部材350の円形穴部352と対向する位置に形成され、伝火薬収容室361と反対側に延在する筒状の点火器収容口362とを有している。
【0145】
伝火薬収容室361の内側には、伝火薬316aが収容されており、また点火器収容口362には、第2の点火器312bが内嵌されている。この区画円形部材350とシールカップ部材360とは、シールカップ部材360の伝火薬収容室361を前記区画円形部材350の開口部351に嵌入して係合しており、点火器収容口362に内嵌された第2の点火器312bの上部は、区画円形部材350の円形穴部352内に突出している。
【0146】
この区画円形部350とシールカップ部材360とからなる隔壁307は、図9に示すように、内筒部材304の内周面に形成された段欠き部306に係止される。即ち、区画円形部材350の周縁が段欠き部306に支持され、シールカップ部材360は、区画円形部材350に当接して支持されている。
【0147】
また、このシールカップ部材360の周縁は、点火器収容口362と同一方向に曲折して形成されており、この曲折部363は内筒部材304の内周面に設けられた溝364内に嵌入している。これにより、区画円形部350は、シールカップ部材360に支持されて、ハウジング3の軸方向への移動が阻止されている。また、このシールカップ部材360周縁の曲折部363を、内筒部材304内周面の溝364内に嵌入することにより、隔壁307(即ちシールカップ部材360)と内筒部材304とは隙間なく係合している。
【0148】
従って、内筒部材304内に於いて、クロージャシェル2側に設けられる点火手段収容室308と、ディフューザシェル1側に設けられる第2の燃焼室305bとは、該シールカップ部材360と溝364との組み合わせからなる点火手段シール構造により確実に区画されている。
【0149】
前記シールカップ部材360に形成される点火器収容口362は、その裾部を袴状に開いており、その内側、即ち、該収容口362に収容された第2の点火器312bとの間には、Oリング381が配置され、該収容口362と第2の点火器312bとの間のシールが行われている。
【0150】
また、Oリング381は、2つの点火器312a,312bを単一のイニシエータカラー313に固定する点火器固定部材382にも圧接していることから、この第2の点火器312bは、区画円形部材の円形穴部352−シールカップ部材の点火器収容口362−Oリング381−点火器固定部材382によって区画された空間内に配置されている。
【0151】
よって、イニシエータカラー313に配置された2つの点火器312a,312bは、イニシエータカラー313に外嵌する点火器固定部材382に固定されている。この様な点火器固定部材382を用いることにより、2つの点火器312a,312bを容易にイニシエータカラー313に組み合わせることができる。なお、この実施の形態に示すガス発生器に於いては、第1の点火器312aと第2の点火器312bとは異なる大きさに形成され、その作動出力が異なるものが使用されているが、同じ作動出力の点火器を使用することもできる。
【0152】
この様に区画された空間内は、第2の点火器312bが作動することにより、区画円形部材350の円形穴部352に形成された第2の伝火孔319を閉塞するシールテープ320が破裂し、第2の燃焼室305bと連通する。そして第1の点火器312aと第2の点火器312bとは、点火器収容口362の裾部−Oリング381−点火器固定部材382からなるシール構造(以下、「点火器シール構造」とする)によって、確実に分離されている。これにより、何れかの点火器の作動によって発生する火炎は、他の点火器が収容された空間内に直接流入することはない。
【0153】
ハウジング3内には、ガス発生剤(309a,309b)の燃焼によって発生した燃焼ガスを浄化・冷却するためのクーラントフィルタ22が配設されており、そのディフューザシェル1側の内周面は、クーラントフィルタ22の端面とディフューザシェル1天井部内面との間を燃焼ガスが通過することのない様に、ショートパス防止部材23で覆われている。クーラントフィルタ22の外側には、燃焼ガスの通過などによるフィルタ22の膨出を抑止するための外層24を配置している。この外層24は、例えば、積層金網体を用いて形成する他、周壁面に複数の貫通孔を有する多孔円筒状部材、或いは所定巾の帯状部材を環状にしたベルト状抑止層を用いて形成することもできる。更に該外層24の外側には、燃焼ガスが該フィルタ22の全面を通過することができるように、間隙25が形成されている。
【0154】
【発明の効果】
本発明によれば、容器の全体的な大きさを抑え、且つ簡易な構造であって製造容易としながらも、その作動初期の段階に於いて、乗員に対してできる限り衝撃を与えないで作動し、且つ乗員の体格(例えば座高の高い人若しくは低い人、又は大人若しくは子供等)や、その搭乗姿勢(例えばハンドルにしがみついた姿勢)等が異なる場合であっても、乗員を安全に拘束可能な様に、任意にガス発生器の作動出力、及び出力上昇のタイミングを調整可能としたガス発生器となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス発生器の一の実施態様を示す縦断面図である。
【図2】 本実施の形態のガス発生器の背面図である。
【図3】 本発明のガス発生器の部分拡大図である。
【図4】 本発明のエアバッグ用ガス発生器の他の実施態様を示す縦断面図である。
【図5】 本発明の用ガス発生器の作動出力を示すグラフである。
【図6】 本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図である。
【図7】 本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図である。
【図8】 本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図である。
【図9】 本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図である。
【図10】 隔壁を示す要部分解斜視図である。
【図11】 位置決め手段を示す要部分解斜視図である。
【図12】 本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図である。
【図13】 本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図である。
【図14】 本発明のエアバッグ装置の構成図である。
【図15】 本発明のガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図である。
【図16】 本発明のガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図である。
【図17】 本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図である。
【図18】 本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図である。
【図19】 本発明のガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図である。
【図20】 開口部を示す要部断面図である。
【図21】 自動発火材料を配置した態様を示す縦断面図である。
【図22】 多孔円筒状のガス発生剤に於ける肉厚の測定方法を示す略図である。
【図23】 本発明のガス発生器の一の実施態様を示す縦断面図である。
【図24】 図23におけるイニシエータカラーへの点火器の取り付け方法を説明するための図である。
【図25】 図23におけるイニシエータカラーへの点火器の取り付け方法を説明するための図である。
【図26】 本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図である。
図中の参照番号を以下に説明する。
【符号の説明】
3 ハウジング
5a 第一の燃焼室
5b 第二の燃焼室
7 隔壁
9a 第一のガス発生剤
9b 第二のガス発生剤
12a 第一の点火器
12b 第二の点火器
13 イニシエータカラー
22 クーラント・フィルタ
40 樹脂
105a 第一の燃焼室
105b 第二の燃焼室
107 隔壁
113 イニシエータカラー
122 クーラントフィルタ
305a 第一の燃焼室
305b 第二の燃焼室
307 隔壁
309a ガス発生剤
309b ガス発生剤
312a 第一の点火器
312b 第二の点火器
313 イニシエータカラー
350 区画円形部材
360 シールカップ部材
308 点火手段収容室
382 点火器固定部材
50a、50b リードワイヤ
51a、51b コネクタ
385 自動発火材料(AIM)

Claims (11)

  1. ガス排出口を有するハウジング内に、衝撃によって作動する点火手段と、該点火手段によって着火・燃焼されエアバッグを膨張させる為の燃焼ガスを発生するガス発生手段とを含んで収容してなるエアバッグ用ガス発生器であって、
    前記ハウジング内には、ガス発生手段を収容する2つの燃焼室が、ハウジングの半径方向に隣接して設けられており、
    更に前記2つの燃焼室内のガス発生手段を独立して着火・燃焼させるための点火手段が2つの点火器を有しており、
    前記2つの点火器同士は、軸方向を揃えて1つのイニシエータカラーに樹脂を使用せずに嵌め込まれて固定されて単一の部材となった後、ガス発生器に組付けられており、
    前記2つの燃焼室の内、何れかの燃焼室がハウジング内に配置された内筒部材の外側に設けられ、前記内筒部材の周囲が絶縁遮壁材で覆われていないことを特徴とするエアバッグ用ガス発生器。
  2. 前記2つの燃焼室の内、半径方向外側の燃焼室内には、ハウジング周壁側に、更にガス発生手段の燃焼によって発生した燃焼ガスを冷却するクーラント手段を含んで収容してなる請求項1記載のエアバッグ用ガス発生器。
  3. 前記2つの燃焼室は、何れか1の燃焼室が前記点火手段の軸方向に設けられ、他の燃焼室が該点火手段の半径方向に設けられる請求項1又は2記載のエアバッグ用ガス発生器。
  4. 前記2つの燃焼室に収容されたガス発生手段の燃焼により発生する燃焼ガスは、各燃焼室毎に異なった流路を通り、更にクーラント・フィルタを通ってガス排出口に到達し、一の燃焼室内に収容されたガス発生手段が、他の燃焼室内で発生した燃焼ガスにより直接着火されることのない請求項1〜3の何れか一項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  5. 前記ハウジング内には、流路形成部材を配置して流路を形成し、1の燃焼室内で発生する燃焼ガスをそのままクーラント手段に導く請求項4記載のエアバッグ用ガス発生器。
  6. 前記点火手段は、衝撃によって作動する点火器を2個含んで構成されており、各点火器同士は、イニシエータカラーの上面を覆う点火器固定部材により支持されて、1つのイニシエータカラーに固定されている請求項1〜5の何れか一項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  7. 前記各点火器同士は、軸方向を揃えて1つのイニシエータカラーに設けられており、各点火器は、ハウジングの中心軸に対して偏心して配置されている請求項1〜6の何れか一項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  8. 前記2つの燃焼室の内、何れかの燃焼室がハウジング内に配置された内筒部材の外側に設けられており、該内筒部材の内部空間は、隔壁によって他の燃焼室と点火手段収容室とに画成されている請求項1又は2記載のエアバッグ用ガス発生器。
  9. 前記隔壁は、内筒部材の内周面に設けられた段欠き部に係止する区画円形部材と、該区画円形部材に係合するシールカップ部材とからなり、該シールカップ部の周縁は曲折して形成されており、該周縁を、内筒部材の内周面に設けられた溝内に嵌入する請求項8記載のエアバッグ用ガス発生器。
  10. 前記ハウジング内には、ガス発生手段の燃焼により発生した燃焼ガスを浄化及び/又は冷却する円筒形状のクーラント手段が収容されており、前記2つの燃焼室内で発生した燃焼ガスは、同じクーラント手段を通過する請求項1〜9の何れか一項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  11. エアバッグ用ガス発生器と、
    衝撃を感知して前記ガス発生器を作動させる衝撃センサと、
    前記ガス発生器で発生するガスを導入して膨張するエアバッグと、
    前記エアバッグを収容するモジュールケースとを含み、前記エアバッグ用ガス発生器が請求項1〜10の何れか一項記載のエアバッグ用ガス発生器であることを特徴とするエアバッグ装置。
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