JP3789630B2 - 指及び爪の洗浄組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、爪の黄ばみ等の汚れを洗浄すると共に、手足の指や爪床の血行を促進し、爪の美しさを更に向上させることが可能な指及び爪の洗浄組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、衛生的観点だけでなく、コスメティックな観点から爪を美しくすることに関心がもたれている。しかし、爪の黄ばみ等の汚れは、通常の固体又は液体石けん等では落ちにくく、爪専用の洗浄剤、いわゆるネイルブリーチの開発が望まれている。
【0003】
従来、爪専用の洗浄剤としては、アニオン界面活性剤を洗浄成分とし、水や湯に溶解させて使用する錠剤型のものが知られており、更に水や湯への溶解性を助長させるために、酸塩基反応により発泡する有機酸及び炭酸塩が配合された錠剤型のものも知られている。しかしながら、これらは爪の黄ばみ等の洗浄作用が充分でなくその改良が望まれている。また、爪表面の洗浄を充分にするように洗浄効果を強くすると、指の皮膚が荒れ、血行に富んだ健康的な美しさが保持できず、また、爪床の血行を助長し、爪本来の美しさを出すには及んでいないのが実状である。
【0004】
また、爪のケラチン中の構造シスチンを部分的に還元する作用を有する還元剤として、チオグリコール酸アンモニウム、亜硫酸水素アンモニウム、1,4−ジチオスレイトール、テトラキス(ヒドロメチル)ホスホニウムクロリド等が提案され、また爪の医学的又は化粧的処置のために、ローション、クリーム等の形態で爪に塗布して使用する局所製剤として、L−システイン(N−アセチルシステイン)を含有させることが提案されている。
しかしながら、これらの還元剤を水や湯に溶解させて爪の洗浄に使用できることについては全く知られていないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、爪の黄ばみ等の汚れを洗浄すると共に、手足の指や爪床の血行を促進し、爪を本来の美しさにしうる指及び爪の洗浄組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、水又は湯に溶解させ、指及び爪を入れて洗浄するための洗浄組成物であって、有機酸、炭酸塩及び還元剤を含む錠剤と、高圧力気体を封入した粒状糖類とを含み、水又は湯に溶解させることによって、前記錠剤中の有機酸及び炭酸塩が酸塩基反応により発泡し、且つ前記粒状糖類中に封入された気体が発音することを特徴とする指及び爪の洗浄組成物が提供される。
また本発明によれば、保湿剤、酵素、界面活性剤及びこれらの混合物からなる群より選択される添加剤を更に含むことを特徴とする前記指及び爪の洗浄組成物が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の指及び爪の洗浄組成物は、水又は湯に溶解させることによって、前記錠剤中の有機酸及び炭酸塩が酸塩基反応により発泡し、且つ前記粒状糖類中に封入された気体が発音することによって、これらの発泡と発音により、還元剤による洗浄作用を促進させると共に、指及び爪床の血行を促進し、爪を本来の美しさに保つように洗浄する作用を有し、特定の錠剤と、特定の粒状糖類とを必須成分として含有する。
【0008】
本発明の組成物に用いる錠剤は、有機酸、炭酸塩及び還元剤を含む。有機酸及び炭酸塩は、この錠剤を溶解させる際に酸塩基反応により発泡し、錠剤の溶解性を向上させると共に、還元剤等による洗浄作用を向上させ、更には後述する粒状糖類の発音と相俟って指や爪床の血行を促進する。
有機酸としては、コハク酸、アジピン酸、リンゴ酸、クエン酸、グルタミン酸、フマル酸、酒石酸等が挙げられる。また炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。これら有機酸及び炭酸塩の配合割合は、水又は湯に溶解させた際に錠剤が発泡する量であれば特に限定されず、適宜選択することができるが、通常、有機酸は、錠剤中に10〜70重量%、好ましくは20〜50重量%であり、一方、炭酸塩は通常、錠剤中に10〜70重量%、好ましくは15〜50重量%が好ましい。
【0009】
前記還元剤としては、L−システイン、シュウ酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム又はこれらの混合物等が挙げられるが、使用時の匂い等の問題からL−システイン、シュウ酸ナトリウム又はこれらの混合物の使用が好ましい。
前記還元剤の配合割合は、その種類に応じて適宜選択することができるが、溶解させる水又は湯に対して、還元剤の濃度が好ましくは0.05〜5g/リットルとなるようにその1回の使用量毎に配合すれば良く、通常、錠剤中に0.1〜10重量%の割合で配合するのが好ましい。
【0010】
本発明の組成物に用いる錠剤を調製するには、各種賦形剤、安定化剤、結着剤、崩壊剤等を所望により配合し、通常の打錠成型方法等により調製することができる。錠剤の大きさは特に限定されず、通常0.3〜5cmであり、1回使用量が必ずしも1個になるように各成分を配合する必要は無く、1回使用量が複数であっても良い。
【0011】
本発明の組成物に用いる粒状糖類は、高圧力気体を封入し、水又は湯に溶解させた際に該封入された気体が発音しながら溶解する。この発音は、前記錠剤の有機酸及び炭酸塩による発泡と相俟って、指や爪床の血行を促進すると共に、爪と爪床の狭間を刺激し、洗浄効果をより向上させることができる。また溶解する糖類は、皮膚の保湿成分としても作用する。
【0012】
糖類としては、デキストリン、マルトース、マルチトース、ブドウ糖、乳糖、白糖、オリゴ糖又はこれらの混合物等が挙げられるが、好ましくはデキストリン、白糖及び乳糖の混合物が好ましい。封入する高圧力気体としては、炭酸ガス、酸素ガス、窒素ガス、空気等が使用できる。
【0013】
粒状糖類の粒径は、通常0.01〜10mm、好ましくは0.1〜5mmである。また、粒状糖類の配合量は、特に限定されないが、高圧力気体が発音する時間が1〜5分程度となるように配合するのが好ましく、また、溶解すべき水又は湯全体において発音するように、粒状糖類の配合は複数個が好ましい。
【0014】
粒状糖類を調製するには、例えば、糖類を加温溶解しながら水分をある程度蒸発させた後冷却固化し、次いで、破砕して加圧容器に収容し、該加圧容器内に高圧力気体を導入した状態で、前記糖類の破砕物を再度溶融させた後に冷却固化して加圧容器から取り出し、所望粒径に破砕する方法等の公知の方法等により得ることができる。
【0015】
本発明の組成物には、洗浄に伴う指や手足の荒れを防止し、且つ指や手足の肌に潤いを与え、コスメティック効果を更に向上させるために保湿剤等を配合するのが好ましい。該保湿剤としては、水溶性保湿剤、油性保湿剤、その他の保湿剤が挙げられる。
水溶性保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類;グルコース、ソルビトール、デキストリン、乳糖等の糖類;コラーゲン、ケラチン誘導体、アミノ酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、α−ヒドロキシ酸、又はこれらの混合物等が挙げられる。
油性保湿剤としては、ヒマシ油、オリーブ油、グレープシード油、カカオ脂、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、アボガド油等の植物油脂類;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;スクワラン、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然又は合成脂肪酸類;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然又は合成高級アルコール;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸コレステリル等のエステル類等が挙げられる。
その他の保湿剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、結晶セルロース等が挙げられる。
これら保湿剤の配合割合は、その目的が達成されるようにその種類に応じて適宜選択することができるが、通常、組成物中に1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%が好ましい。
【0016】
本発明の組成物には、その洗浄効果を更に向上させるために、各種界面活性剤、酵素等を配合することもできる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム又はこれらの混合物等が挙げられる。界面活性剤の配合割合は、その目的に応じて適宜選択することができるが、通常、組成物中に0.01〜10重量%が好ましい。
酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ等が挙げられる。酵素の配合割合は、その目的に応じて適宜選択することができるが、通常、組成物中に0.01〜5重量%が好ましい。
【0017】
本発明の組成物には、その目的が損なわれない限り、更に安定化剤、色素、香料等の他の添加剤を適量配合することも可能である。
【0018】
前記必須成分以外に配合できる前述の保湿剤、界面活性剤、酵素、他の添加剤等は、前記錠剤中に配合しても、前記粒状糖類中に配合しても良く、また、粉末化して錠剤及び粒状糖類との混合物とすることもできる。
【0019】
本発明の組成物は、水又は湯に投入した直後から指及び爪を該水及び湯に入れることにより洗浄することができる。これは、組成物を投入した直後より、錠剤が酸塩基反応により発泡しながら溶解し、且つ粒状糖類が発音しながら溶解するので、これら錠剤及び粒状糖類の溶解に伴い洗浄効果が得られるからである。
【0020】
【発明の効果】
本発明の指及び爪の洗浄組成物は、還元剤を含み、且つ酸塩基反応により発泡する錠剤と、封入した高圧力気体が発音する特定の粒状糖類とを含むので、爪の黄ばみ等の汚れを洗浄すると共に、手足の指や爪床の血行を促進し、爪を本来の美しさにすることができ、しかも前記発泡と発音との組合わせにより、汚れの落ちにくい爪先の洗浄も有効に行なうことができる。また、界面活性剤や酵素等を配合することによって、洗浄効果を更に向上させることができ、更に、保湿剤を配合することによって、手足の洗浄に伴う肌の荒れ等が防止され、肌に潤いを与え、爪洗浄に伴うコスメティック効果を更に向上させることができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
実施例1
還元剤としてのシュウ酸ナトリウム6.7重量部と、有機酸としてのコハク酸24.0重量部及びアジピン酸2.6重量部と、炭酸塩としての無水炭酸ナトリウム26.5重量部と、他の添加剤としての炭酸マグネシウム2.3重量部、ソルビトール2.0重量部、加水分解ケラチン末0.1重量部、ポリエチレングリコール(分子量6000)2.0重量部、色素並びに香料0.3重量部と、プロテアーゼ0.1重量部及びリパーゼ0.1重量部とを、常法に従い打錠成型法により直径8mmの錠剤(1個あたり0.4g)とした。得られた錠剤10個及び高圧力気体を封入した糖類(明治製菓(株)製、直径1〜2mm程度の粉体多数)2gを分包し、指及び爪の洗浄剤を調製した。
【0023】
得られた洗浄剤を、200mlのぬるま湯に投入した直後に、爪及び指を入れ2分間その状態で保持し洗浄を行なった。この洗浄を50人のパネルにより行ない、洗浄前後、並びに洗浄中における爪及び指先の変化を評価した。結果を表1に示す。
【0024】
実施例2及び3、比較例1〜3
表1に示す組成の材料を用いて、実施例1と同様に錠剤を調製した。得られた錠剤10個を実施例1と同様に高圧力気体を封入した糖類と分包し、指及び爪の洗浄剤を調製した。但し、比較例3においては、高圧力気体を封入した糖類を用いず、錠剤10個で指及び爪の洗浄剤とした。得られた各洗浄剤について実施例1と同様な評価を行なった。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
表1の結果より、還元剤を配合しない比較例1では爪が白くならなかった。また、炭酸塩を配合せずに酸塩基反応による発泡を伴わない比較例2では還元剤等の作用が充分でなくなり、爪が白くなったり、爪や指先の汚れが落ちたと評価したパネルが少なかった。加えて、高圧力気体を封入した糖類を実施例と同様に配合しているにもかかわらず、爪や指先に潤いがでたと評価したパネルは実施例に比べて減少していた。更に高圧力気体を封入した糖類を配合しなかった比較例3では、指先の刺激が全く無く、還元剤による洗浄効果も実施例に比べて劣り、且つ指先の潤いが得られたと評価したパネルは約半数に減少した。
Claims (2)
- 水又は湯に溶解させ、指及び爪を入れて洗浄するための洗浄組成物であって、
有機酸、炭酸塩及び還元剤を含む錠剤と、高圧力気体を封入した粒状糖類とを含み、水又は湯に溶解させることによって、前記錠剤中の有機酸及び炭酸塩が酸塩基反応により発泡し、且つ前記粒状糖類中に封入された気体が発音することを特徴とする指及び爪の洗浄組成物。 - 保湿剤、酵素、界面活性剤及びこれらの混合物からなる群より選択される添加剤を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の指及び爪の洗浄組成物。
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JP01662498A JP3789630B2 (ja) | 1998-01-29 | 1998-01-29 | 指及び爪の洗浄組成物 |
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JPH11217326A JPH11217326A (ja) | 1999-08-10 |
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JP01662498A Expired - Lifetime JP3789630B2 (ja) | 1998-01-29 | 1998-01-29 | 指及び爪の洗浄組成物 |
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-
1998
- 1998-01-29 JP JP01662498A patent/JP3789630B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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