JP3788212B2 - 次数間高調波検出方法 - Google Patents

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  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる分散型電源の単独運転検出等に用いられる次数間高調波検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電力系統の事故停電等による停止時に需要家の分散型電源の単独運転を検出してその運転を停止するため、本出願人は、特開平10−248168号公報(H02J 3/38)等に記載されているように、電力系統に系統基本波に同期したその非整数倍の周波数の次数間高調波(中間次数調波)を注入し、系統の電圧又は/及び電流の計測信号から次数間高調波を検出し、この検出結果に基づき系統の停止を検出する発明を、既に出願している。
【0003】
この場合、次数間高調波が系統に本来存在しない周波数であることから、例えば系統電源の0.1%程度の少量の次数間高調波の供給(注入)で系統の停止を検出できる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に記載されているように系統電圧にPLL同期したサンプリング周波数のタイミング指令を形成し、この指令に基づいて系統の電圧,電流の計測信号をサンプリングすると、そのサンプリングデータを公知のフーリエ変換によるデジタルフィルタ処理により、系統基本波及びその整数倍周波数の高調波,すなわち系統成分の影響を受けることなく、注入次数の次数間高調波を精度よく抽出して検出し得るが、複雑なPLL回路等を要し、安価かつ簡単に検出することができない欠点がある。
【0005】
一方、PLL同期をとるためのPLL回路を省き、電力系統の電圧(以下系統電圧という)とは非同期にサンプリングのタイミング指令を形成し、この指令に基づいて計測信号をサンプリングすると、PLL回路を用いる場合より安価かつ簡単な構成になるが、フーリエ変換の抽出に系統電圧の誤差が生じ、精度の高い検出が困難で、場合によっては検出できなくなる問題点がある。
【0006】
そして、前記の分散型電源の単独運転の検出の場合だけでなく、次数間高調波を系統に注入し、系統の電圧又は/及び電流の計測信号をサンプリングして計測信号に含まれた次数間高調波をフーリエ変換の手法で抽出し、系統の高調波特性を計測する場合等にも、固定周波数サンプリング方式を採用すると同様の問題点が生じる。
【0007】
本発明は、電力系統の電圧又は/及び電流の計測信号を周波数一定の固定周波数サンプリング方式でサンプリングし、そのサンプリングデータのフーリエ変換によるフィルタ演算により、系統成分の影響を極力少なくして注入次数の次数間高調波を精度よく抽出して検出することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明の次数間高調波検出方法は、電力系統の電圧又は/及び電流をサンプリング周波数一定の固定周波数サンプリング方式でサンプリングし、
サンプリングデータのフーリエ変換によるフィルタ演算により注入次数の次数間高調波及び注入次数の上,下の非注入次数の次数間高調波の成分を抽出し、
両非注入次数の次数間高調波の抽出成分の平均から注入次数の次数間高調波の抽出成分に含まれた系統電圧に基づく誤差を補間演算し、
注入次数の次数間高調波の抽出成分から誤差を減算して除去し、注入次数の次数間高調波を検出する。
【0009】
したがって、電力系統に注入された次数間高調波を、PLL回路等を用いることなく、サンプリング周波数を固定して安価かつ容易にサンプリングして抽出することができる。
【0010】
そして、サンプリングデータのフーリエ変換で抽出された注入次数の次数間高調波につき、その系統周波数とサンプリング周波数との非同期に起因した系統電圧に基づく誤差が注入次数の上,下の非注入次数の次数間高調波の成分にも含まれ、その次数(周波数)の近い範囲では、誤差が線形変化することから、それらの成分の平均値から注入次数での前記誤差が求められて注入次数の抽出成分から減算除去される。
【0011】
そのため、固定周波数サンプリング方式で精度よく注入次数の次数間高調波を検出することができる。
【0012】
そして、注入次数の次数間高調波が、k次高調波とk+1次高調波(kは2以上の整数)との間の次数間高調波であり、次数間高調波の注入周波数を、kf±mf0 ,(fは系統基本波周波数,mは1,2,…,n−1の整数(nは2以上の整数,f0は次数間高調波の注入間隔を示し、f0=f/n)から決定することが実用的で好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の1形態につき、図1〜図3を参照して説明する。
図1は電力系統の1例の単線結線図であり、上位系統1に変電所2の1又は複数の変圧器3の1次側が接続され、各変圧器3の2次側から遮断器4を介して1又は複数の下位の電力系統5が分枝状に引出される。
【0014】
これらの電力系統5は、分散型電源6を有する需要家設備7,分散型電源6が設けられていない一般需要家設備8等の複数の需要家設備が接続される。
【0015】
そして、本発明が適用される需要家設備7は他の需要家設備と同様、電力系統5に引込線9の遮断器10を介して負荷母線11が接続され、この負荷母線11に各負荷フィーダ12の変圧器13を介してそれぞれの負荷が接続される。
【0016】
また、負荷母線11に遮断器14が接続され、この遮断器14に解列用の開閉器15を介して分散型電源6が接続されるとともに、次数間高調波の電流注入装置16が接続される。
【0017】
この電流注入装置16は次数間高調波の注入電流を出力するインバータ等の電源部17,この電源部17と負荷母線11との間に設けられた注入用の変圧器18により形成される。
【0018】
また、引込線9の遮断器10より負荷母線11側に、受電点変圧器19及び受電点変流器20が設けられ、それらの電圧,電流の計測信号が系統停止検出処理装置21のサンプル・ホールド回路22に供給される。
【0019】
このサンプル・ホールド回路22は水晶発振器等の定周波発生器で形成されたタイミング指令部23の一定周波数のサンプリング指令のタイミング信号により、固定周波数サンプリング方式で系統電圧,系統電流に非同期に両計測信号をサンプル・ホールドし、その出力が後段のA/D変換回路24によりデジタル信号に変換され、サンプリングデータとなる。
【0020】
そして、A/D変換回路24によりデジタル信号に変換された電圧,電流のサンプリングデータが演算処理部25に供給され、この処理部25はマイクロコンピュータ等で形成され、そのソフトウェア処理により、両サンプリングデータを公知のフーリエ変換のデジタルフィルタ演算により電流注入装置16から電力系統5に注入された注入次数の次数間高調波を抽出して検出し、その変化から遮断器4が解放する系統停止,すなわち分散型電源6の単独運転を監視して検出する。
【0021】
さらに、この単独運転の検出時は、演算処理部25から開閉器15に解列の指令が供給されて開閉器15が開放され、分散型電源6が電力系統5から切離される。
【0022】
ところで、系統正常時は、遮断器4,10,14及び開閉器15がいずれも閉成され、上位系統1の電力が電力系統5に給電され、電力系統5が電力供給状態にある。
【0023】
このとき、分散型電源6は電力系統5に連系して運転され、その出力は自設備7内で消費されるとともに余剰分が引込線9を介して電力系統5に出力される。
【0024】
さらに、需要家設備7においては、受電点変圧器19,受電点変流器20により図1の受電点Aの電圧及び受電点Aを出入する電流が常時計測される。
【0025】
また、演算処理部25がタイミング指令部23の一定周波数のタイミング信号に同期して電源部17に周期的に起動指令を出力し、この指令に基づき、電源部17が前記タイミング信号に同期した1又は複数の周波数の次数間高調波の電流を形成し、これらの系統基本波に非同期の注入電流が変圧器18,負荷母線11,引込線9を介して需要家設備7の受電点Aから電力系統5に注入される。
【0026】
この注入に基づき、受電点変圧器19,受電点変流器20の計測信号に次数間高調波の電圧,電流が含まれる。
【0027】
そして、これらの計測信号はタイミング指令部23のタイミング信号に基づき、前記したようにサンプル・ホールド回路22の固定周波数サンプリング方式のサンプリングにより、電力系統5の系統電圧,系統電流に非同期にサンプル・ホールドされる。
【0028】
さらに、電圧,電流のホールド出力がA/D変換回路24によりデジタル信号に変換され、これらのデジタル信号に変換されたサンプリングデータが演算処理部25で処理され、注入された次数間高調波の電圧,電流が抽出されて検出される。
【0029】
そして、電力系統5の停止により遮断器4が開放されると、受電点Aからみた電力系統5の電源インピーダンスが短絡インピーダンスから開放インピーダンスに変わるため、受電点Aからみた電力系統5の注入次数の次数間高調波についてのインピーダンス又はアドミタンス(以下インピーダンス等という)の変化から電力系統5の停止,すなわち分散型電源6の単独運転を検出できる。
【0030】
また、演算の簡素化等を図る場合、検出した次数間高調波の電圧又は/及び電流の変化から分散型電源6の単独運転を検出してもよい。
【0031】
そこで、演算処理部25は、注入次数の次数間高調波の電圧又は/及び電流の変化或いは電力系統5の注入次数の次数間高調波のインピーダンス又はアドミタンスの変化から、系統停止の発生に基づく分散型電源6の単独運転を監視して検出する。
【0032】
このとき、注入装置16の次数間高調波の電流注入及びサンプル・ホールド回路22のサンプリングが、タイミング指令部23のタイミング信号により、系統電圧,系統電流に非同期に行われるため、注入次数の次数間高調波のサンプリングデータにこの非同期に起因する誤差が含まれ、フーリエ変換で抽出される注入次数の次数間高調波の抽出成分に前記誤差の影響が含まれる。
【0033】
そこで、演算処理部25は、つぎのようにして前記誤差を補正演算して低減,除去する。
【0034】
まず、電力系統5に注入されてサンプリングされる次数間高調波について説明する。
【0035】
電力系統5の60Hz又は50Hzの系統基本波の周波数(商用電源の規定の周波数)をf,次数間高調波の注入周波数をfinj ,その注入数を定める周波数fの分割数をn,この分割数nに基づく注入周波数finj の間隔をf0 とすると、f0=f/nであり、角周波数ω0はω0=2πf0=2πf/nである。
そして、f=60Hz,n=30であれば、f0 は60/30=2Hzである。
【0036】
また、次数間高調波はk次高調波とk+1次高調波の間にあり(k=2,3,…)、それらをk次高調波に近いものから順のmチャンネル(m=1,2,3,…,(n−1))とすると、k.m次の次数間高調波の周波数finj ,その角周波数ωinjはつぎの数1,数2の2式で表される。
【0037】
【数1】
Figure 0003788212
【0038】
【数2】
Figure 0003788212
【0039】
このとき、k.m次の次数間高調波をFinj(t)とすると(tは時間)、それの振幅を1として、又、それの初期位相をθmとして、この次数間高調波Finj(t)はつぎの数3の式で表すことができる。
【0040】
【数3】
Figure 0003788212
【0041】
一方、電力系統5の系統基本波及びその整数倍周波数の高調波,すなわち系統成分については、その周波数変動Δを考慮すると、その基本波からl次高調波までの既存の系統成分F(t) はl次高調波の振幅をVl,初期位相をφlとして、つぎの数4の式で表わされる。
【0042】
【数4】
Figure 0003788212
【0043】
そのため、電力系統5に次数間高調波の電流又は電圧が注入されたときに、変圧器19,変流器20の計測信号,すなわちサンプル・ホールド回路22の電圧,電流に含まれる入力信号Fin(t) は、数3,数4の式を加算合成したつぎの数5の式に示すようになる。
【0044】
【数5】
Figure 0003788212
【0045】
そして、この数5の式の右辺の第1項(F(t))と第2項(Finj(t))とは、F(t) が周波数変動Δを含むのに対して、Finj(t)がそれを含まないことから、非同期である。
【0046】
つぎに、フーリエ変換(フーリエ積分)による次数間高調波の抽出演算式と系統成分の誤差について、フーリエ変換の積分原理式から説明する。
【0047】
まず、入力信号Fin(t) に含まれる数3の式で示されるk.m次の次数間高調波Finj(t)の余弦成分(cos成分) Cm,正弦成分(sin成分) Smはつぎの数6,数7の公知のフーリエ変換(フーリエ積分)で抽出することができる。なお、これらの数6,数7の式が系統周波数とは非同期の周波数固定サンプリング方式でのデジタルフィルタ演算の原理式となるものである。
【0048】
【数6】
Figure 0003788212
【0049】
【数7】
Figure 0003788212
【0050】
そして、数6,数7の式のFin(t) に数5の式を代入すると、つぎの数8,数9の式が得られる。
【0051】
【数8】
Figure 0003788212
【0052】
【数9】
Figure 0003788212
【0053】
この数8,数9の式の右辺の第1項(積分項)がそれぞれ系統成分の影響に基づく誤差ΔC,ΔSの項である。
【0054】
そして、誤差ΔC,ΔSに基づく抽出成分全体の誤差ΔS+jΔCは、つぎの数10の式から求まる。
【0055】
【数10】
Figure 0003788212
【0056】
この数10の式の最右辺の第1項,第2項の時間積分の結果は、つぎの数11,数12に示すようになる。
【0057】
【数11】
Figure 0003788212
【0058】
【数12】
Figure 0003788212
【0059】
そして、数10の式に数11,数12の式を代入して整理すると、誤差ΔS,ΔCは、つぎの数13,数14の式に示すようになる。
【0060】
【数13】
Figure 0003788212
【0061】
【数14】
Figure 0003788212
【0062】
したがって、数5の式の入力信号Fin(t) からフーリエ変換のフィルタ演算で注入次数(k.m次)の次数間高調波を抽出すると、その余弦成分Cm,正弦成分Smは、つぎの数15,数16の式に示すように、本来の余弦成分(cos成分),正弦成分(sin成分)と、系統成分(系統基本波及び高調波)に基づく誤差成分ΔC,ΔSとの和になる。
【0063】
【数15】
Figure 0003788212
【0064】
【数16】
Figure 0003788212
【0065】
つぎに数15,数16の式の誤差成分ΔC,ΔSの振幅の具体的な値について説明する。
【0066】
まず、誤差ΔCの振幅GCmはつぎの数17の式から求まり、誤差ΔSの振幅GSmはつぎの数18の式から求まる。
【0067】
【数17】
Figure 0003788212
【0068】
【数18】
Figure 0003788212
【0069】
そして、n=30,k=1,2,3,4,周波数変動Δ=−5%〜+5%,l=1,2,3,4,5,6,7,m=1,2,…,29としてシミュレーションにより検証したところ、つぎの表1に示すように、例えばn=30,k=3,Δ=−5%,l=1,m=1のときに、GCm=−0.00776,GSm=−0.00243になることがわかった。
【0070】
【表1】
Figure 0003788212
【0071】
なお、表1のCm,SmはゲインGCm,GSmを示す。
【0072】
そして、前記のシミュレーションによると、例えばk=3,m=15の3.15次の次数間高調波の周波数は60Hz系統で60Hz×3+2Hz×15=180+30=210Hzであり、このとき、系統の周波数変動Δが−2.5%であれば、基本波(l=1)に基づく誤差(残留誤差)の振幅はGCm=0.00465(=0.465%),GSm=0.00129(=0.129%)になり、周波数変動Δが−5%であれば、基本波に基づく誤差ΔC,ΔSの振幅はGCm=−0.00655(=−0.655%),GSm=−0.00178(=−0.178%)になる。
一方、基本波を100%とすると、次数間高調波の注入量は0.1%程度である。
【0073】
したがって、前記の各誤差ΔC,ΔSの振幅(ゲイン)GCm,GSmは、次数間高調波の注入量と同じオーダ(パーセント)の大きさで抽出したcos 成分、sin 成分に含まれ、この場合、誤差ΔC,ΔSが大きく、数15,数16の抽出した余弦成分Cm,正弦成分Smそのままでは、これらから本来の次数間高調波の成分cosθm,sinθmを分離して精度よく検出することはできない。
【0074】
そして、つぎの数19,数20に示す数15,数16の系統成分による誤差ΔC,ΔSは振幅GCm,GSmがk,mに依存して変化し、しかも、mの近接値間では、mに対してほぼ線形に変化する。
【0075】
【数19】
Figure 0003788212
【0076】
【数20】
Figure 0003788212
【0077】
具体的には、k=3,Δ=−5%の条件下、l=1,3におけるm=5,6,7の振幅GC5,GC6,GC7及びGS5,GS6,GS7は、表1より、つぎのようになる。
Figure 0003788212
【0078】
そして、振幅GC6,GS6については、つぎの数21〜数24に示すように、その上,下の中間次数調波の誤差成分ΔC,ΔSのゲインGC5とGC7,GS5とGS7の平均値から補間演算して求めることができる。
【0079】
【数21】
Figure 0003788212
【0080】
【数22】
Figure 0003788212
【0081】
【数23】
Figure 0003788212
【0082】
【数24】
Figure 0003788212
【0083】
すなわち、m−1,m,m+1のk.m−1次,k.m次,k.m+1次の隣接3チャンネルの次数間高調波間において、系統成分の誤差(ΔC,ΔS)の振幅(GCm-1,GSm -1),(GCm,GSm),(GCm+1,GSm +1)は、図2の破線に示すようにその周波数にほぼ線形変化し、中間のk.m次の系統成分の誤差ΔC,ΔSのゲインGCm,GSmは、その上,下のk.m−1次,k.m+1次の系統成分の誤差ΔC,ΔSのゲインGCm-1とGCm+1,GSm-1とGSm +1の平均値を求めるつぎの数25,数26の補間演算からゲインGCm’,GSm’として求めることができる。なお、図2は振幅GCm-1 ,GCm,GSm+1を示し、振幅GSm-1,GSm,GSm+1についても同様である。
【0084】
【数25】
Figure 0003788212
【0085】
【数26】
Figure 0003788212
【0086】
そして、抽出した成分Cm,Smに含まれた誤差ΔC,ΔSの振幅GCm,GSmと、数25,数26の補間演算から求まる振幅GCm’,GSm’につき、つぎの数27,数28の式からそれらの差の振幅GCm”,GSm”をシミュレーションして演算したところ、つぎの表2の結果が得られた。
【0087】
【数27】
Figure 0003788212
【0088】
【数28】
Figure 0003788212
【0089】
【表2】
Figure 0003788212
【0090】
なお、表2のCm’,Sm’が振幅GCm”,GSm”であり、この表2から明らかなように、振幅GCm”,GSm”はほぼ0になり、前記の補間演算から極めて精度よく振幅GCm,GSmが求まることが確かめられた。
【0091】
そこで、k.m次の次数間高調波の電流のみが注入され、その上,下のk.m−1次、k.m+1次の次数間高調波が非注入の場合、演算処理部25はフーリエ変換のフィルタ演算によりk.m−1次, k.m+1次の成分Cm-1 ,Cm+1,Sm-1,Sm+1を抽出し、成分Cm-1,Cm+1の平均値,成分Sm-1,Sm+1の平均値をk.m次の誤差成分ΔCm,ΔSmとして補間演算し、これらの平均値を同時に抽出したk.m次の成分Cm,Smから減算し、成分Cm,Smに含まれた数15,数16の誤差成分ΔC,ΔSを除去して成分Cm,Smを補正し、本来の次数間高調波の余弦成分(cosθm),正弦成分(sinθm)を精度よく抽出して検出する。
【0092】
この場合、複雑なPLL回路を用いることなく安価かつ簡単な固定周波数サンプリング方式で計測信号のサンプリングを行うことができる。
【0093】
そして、サンプリングデータのフーリエ変換で得られた注入次数(k.m次)の次数間高調波の抽出成分に、その上,下のk.m−1次、k.m+1次の非注入次数の抽出成分の平均値に基づく簡単な補正演算を施して、系統成分の影響をほとんど受けることなく、注入次数の次数間高調波の電圧,電流を精度よく抽出して検出することができる。
【0094】
なお、次数間高調波の注入周波数finjは、finj=kf−mf0 から決定してもよい。
【0095】
また、単独運転の誤検出防止等を図るため、複数次数の次数間高調波を注入し、その検出結果から多数決の原理で単独運転を検出する場合等は、各次数間高調波は、数1の式にしたがって、k次高調波とk+1次高調波との間にf0 の間隔でその注入周波数(注入次数)を決定することが好ましい。
【0096】
この場合、決定した注入周波数に基づき、例えばm=1,3,5,7,…又はm=2,4,6,…の1つおきの注入周波数の次数間高調波を実際に注入し、それぞれの上,下隣りに非注入次数の空きの次数間高調波が存在するようにし、注入次数の次数間高調波について前記実施の形態と同様にして個別に系統成分の補正を施してもよいが、つぎに説明するように一括して補正を施すようにしてもよい。
【0097】
すなわち、数1の式にしたがって例えばm=m−1,mの連続する複数次数の次数間高調波を決定して電力系統5に注入し、このとき、図3に示すようにそれらの上,下のm=m−2,m+1の非注入の次数間高調波の振幅GCm-2,GCm+1(GSm-2,GSm+1)もゲインGCm-1,GCm(GSm-1,GSm)と同様にほぼ線形変化することから、振幅GCm-2とGCm+1(GSm-2とGSm+1)のいわゆる重み付けの平均値により、振幅GCm-1,GCm(GSm-1,GSm)を補間演算する。
【0098】
具体的には、つぎの数31〜数32の式の重み付けの平均により振幅GCm,GSm,GCm+1,GSm+1をk.m−1次,k.m次の誤差成分ΔCm-1,ΔSm-1,ΔCm,ΔSmを補間演算し、成分(Cm-1,Sm-1,Cm,Sm)を一括して補正すればよい。
【0099】
【数29】
Figure 0003788212
【0100】
【数30】
Figure 0003788212
【0101】
【数31】
Figure 0003788212
【0102】
【数32】
Figure 0003788212
【0103】
ところで、次数間高調波の周波数を決定する場合、k次,k+1次の高調波の影響を極力少なくするため、極力それらの中間の周波数に決定することが好ましく、具体的にはk=2,f=60Hzの場合、次数間高調波の注入周波数は、120Hz(=2×60Hz)と180Hz(=3×60Hz)との中間の150Hzに近い周波数に決定することが好ましい。
【0104】
そして、本発明は分散型電源の単独運転の検出における次数間高調波検出だけでなく、例えば次数間高調波を用いて電力系統の特性を検出する際の次数間高調波の検出にも適用することができるのは勿論である。
【0105】
【発明の効果】
本発明は、以下に記載する効果を奏する。
まず、請求項1の場合は、電力系統5に注入した次数間高調波をPLL回路等を用いることなく、一定サンプリング周波数の固定周波数サンプリング方式で安価かつ簡単にサンプリングすることができる。
【0106】
さらに、サンプリングデータのフーリエ変換で抽出された次数間高調波の系統基本波及び高調波の影響に基づく誤差が簡単な平均値の補間演算と減算により除去され、系統周波数とサンプリング周波数との非同期に起因した誤差を補正して精度の高い次数間高調波の検出を行うことができる。
【0107】
したがって、固定周波数サンプリング方式で精度の高い次数間高調波の検出を行うことができ、分散型電源の単独運転検出等に好適な次数間高調波検出方法を提供することができる。
【0108】
また、請求項2の場合、注入する次数間高調波の周波数を簡単な式の演算から決定して請求項1と同様の効果を得ることができ、極めて実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態の単線結線図である。
【図2】図1の演算処理装置の補間演算の1例を説明する波形図である。
【図3】図1の演算処理装置の補間演算の他の例を説明する波形図である。
【符号の説明】
5 電力系統
16 注入装置
22 サンプル・ホールド回路
23 タイミング指令部
24 A/D変換部
25 演算処理部

Claims (2)

  1. 電力系統の電圧又は/及び電流の計測信号をサンプリングし、サンプリングデータのフーリエ変換により、前記電力系統に注入された系統基本波の非整数倍周波数の注入次数の次数間高調波を抽出して検出する次数間高調波検出方法において、
    前記電力系統の電圧又は/及び電流をサンプリング周波数一定の固定周波数サンプリング方式でサンプリングし、
    サンプリングデータのフーリエ変換によるフィルタ演算により前記注入次数の次数間高調波及び前記注入次数の上,下の非注入次数の次数間高調波の成分を抽出し、
    前記両非注入次数の次数間高調波の抽出成分の平均から前記注入次数の次数間高調波の抽出成分に含まれた前記系統基本波及び整数倍周波数の高調波の系統成分に基づく誤差を補間演算し、
    前記注入次数の次数間高調波の抽出成分から前記誤差を減算して除去し、
    前記注入次数の次数間高調波を検出することを特徴とする次数間高調波検出方法。
  2. 注入次数の次数間高調波がk次高調波とk+1次高調波(kは2以上の整数)との間の次数間高調波であり、前記次数間高調波の注入周波数を、kf±mf0 ,(fは系統基本波周波数,mは1,2,…,n−1の整数nは2以上の整数,f0は次数間高調波の注入間隔を示し、f0=f/n)から決定することを特徴とする請求項1記載の次数間高調波検出方法。
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