JP3787507B2 - 液体吐出方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱エネルギーを液体に作用させることで起こる気泡の発生によって、所望の液体を吐出する液体吐出方法と、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に関し、特に、気泡の発生を利用して変位する可動部材を用いた液体吐出方法に関する。
【0002】
また、本発明は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の被記録媒体に対し記録を行うプリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業用記録装置に適用できる発明である。
【0003】
なお、本発明における、「記録」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を付与することをも意味する。
【0004】
【従来の技術】
熱等のエネルギーをインク(液体)に与えることで、液体に急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって吐出口から液体を吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行なう液体ジェット記録方法、いわゆるバブルジェット記録方法が従来知られている。このバブルジェット記録方法を用いる記録装置には、米国特許第4,723,129号等の公報に開示されているように、液体を吐出するための吐出口と、この吐出口に連通する液体流路と、液体流路内に配された液体を吐出するためのエネルギー発生手段としての電気熱変換体が一般的に配されている。
【0005】
この様な記録方法によれば、品位の高い画像を高速、低騒音で記録することができると共に、この記録方法を行うヘッドでは液体を吐出するための吐出口を高密度に配置することができるため、小型の装置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得ることができるという多くの優れた点を有している。このため、このバブルジェット記録方法は近年、プリンター、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムにまで利用されるようになってきている。
【0006】
このような記録方法により記録を行う、従来例の液体吐出ヘッドの電気熱変換体の周りの模式的断面図を図10に示す。同図に示す例では、電気熱変換体は、抵抗層100と、その上に積層され、間隔をあけて対として形成されている電極101a,101bとから構成されている。すなわち、電圧を印加することにより発熱を生じる発熱部105が、電極101aと電極101bとの間に形成され、この部分が、膜沸騰により気泡が形成される気泡発生領域となる。そして、抵抗層100と電極101a,101bの上には、これらを保護する2層の保護層102,103がさらに形成されている。
【0007】
発熱部105での発熱により気泡104を生じさせることによって液体を吐出させる吐出口は、吐出口Sのように発熱部105に対向する位置に設けられる場合(いわゆるサイドシュータ型)と、吐出口Eのように側方に設けられる場合(いわゆるエッジシュータ型)とがある。いずれの場合でも、このような構成の液体吐出ヘッドにおいて、気泡104は、流路抵抗が比較的小さい液室側Xに向かって比較的大きく成長し、そのため消泡位置106は、発熱部105の中央域またはやや液室側になる場合が多い。
【0008】
このように、図10に示したような液体吐出ヘッドにおいては、気泡104の成長に伴って液体が液室側Xに比較的大きく押し戻される。したがって、吐出口側に形成される液体と外気との界面であるメニスカスは、液体吐出後、消泡に伴って比較的大きく後退し、比較的大きく振動する。また、消泡過程においては、液室側から発熱部105に向かう液体の流れと、吐出口から発熱部105に向かう液体の流れとがほぼ同程度に生じ、このため吐出口側への液体のリフィルが実質的に開始されるタイミングが、吐出口側からの液体の流れがほぼ収束した後となり比較的遅いため、メニスカスが定常位置に復帰し安定するまでには比較的長い時間がかかる。このため、連続して液体を吐出させる場合には、吐出の時間間隔を比較的長くとる必要があり、良好に液体を吐出することが可能な駆動周波数には限界がある。
【0009】
また、液体吐出ヘッドとしては、気泡発生領域に設けられ気泡の成長に伴い変位する可動部材と、可動部材の変位を所望の範囲に規制する規制部とを備え、規制部が液流路の気泡発生領域に対向して設けられ、変位した可動部材と規制部との実質的な接触によって、気泡発生領域を有する液流路が吐出口を除いて、実質的に閉じた空間となる構成のものが知られている。この液体吐出ヘッドでは、気泡成長時には可動部材が気泡発生領域の上流側流路を実質的に閉鎖するように変位するため、気泡成長時に上流側へ押し戻されるの液体は比較的少ない。また、消泡時には可動部材が上流側の流路抵抗を小さくするように変位し、気泡発生領域の上流側での消泡が促進されて下流側より先行して行われる。このため、メニスカスの後退量が小さく、液体のリフィルが効率良く行われる。
【0010】
また、液体吐出ヘッドでは、液体に溶け込んでいた気体が気泡形成時に開放されるなどして、液体流路内に微小気泡が形成され残留する場合がある。そこで、この微小気泡が多量に残留して吐出動作に支障が生じないように、吐出口付近の液体を吸い出して微小気泡を取り除くなどの回復動作が定期的に行われる。これに対して、可動部材を備えた液体吐出ヘッドでは、液体が上流側に押し戻されることが少ないので、微小気泡は、吐出動作に支障をきたすほどに増える前に吐出口から放出され、残留することが少ない。このため、比較的長期に亘って連続記録を行うことができ、最高では100枚以上の記録を連続して行うことも可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、可動部材を備えた液体吐出ヘッドは、メニスカスの大きな後退を生じることなく迅速に液体のリフィルを行うことができるので、比較的短い時間間隔で液体の吐出を行うことができ、比較的高い周波数での駆動が可能であるという利点を有している。
【0012】
そして、従来、より高い周波数での駆動を行えるようにするためには、先の吐出のために形成される気泡をより早く消泡させて、次の吐出を行うようにすることが実用上有効であると考えられている。なぜならば、次の吐出を良好に行うためには、メニスカスが振動過程を経て定常位置に復帰し安定してリフィルが完了した後に次の吐出を行う必要があると考えられており、このリフィルの完了、メニスカスの復帰安定は、消泡が終了することによってもたらされるものであるからである。
【0013】
しかしながら、消泡を完了させるには理論的にも一定の時間が必要であり、この時間が駆動間隔に限界をもたらすものとなってしまう。すなわち、液体吐出を行うために数μs幅の電圧パルスを印加して、気泡の発生・成長・消泡の期間は、応答遅れを考慮して、パルス印加開始から30〜50μs程度とすることができる。そこで、消泡後に即時次ぎのパルスを印加して、次ぎの吐出を行わせたとしても、駆動周波数は20〜30kHzが限界である。そこで本発明者達は、このような現実を打破しなければ技術の発展はないと考え、鋭意研究を重ねた。
【0014】
すなわち、本発明の目的は、液体吐出をより高い周波数で行うことに関する従来の限界を打破することにあり、本発明は、より高い周波数で連続して液体吐出を行うことができる新規な液体吐出方法を提案しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するための研究の中で得られた発想、知見はやはり逆転の発想であった。すなわち、本発明による液体吐出方法は、液体中に気泡を発生させるための熱エネルギーを発生する発熱体と、液体を吐出する部分である吐出口と、吐出口に連通気泡発生る気泡発生領域を有する液流路と、該液流路に液体を供給する液室と、気泡発生領域に設けられ気泡の成長に伴い変位する可動部材と、液流路の気泡発生領域に対向して設けられ、可動部材の変位を所望の範囲に規制する規制部とを備え、発熱体と吐出口とが直線的連通状態となっており、変位した可動部材と規制部との実質的な接触によって、気泡発生領域を有する液流路が吐出口を除いて、実質的に閉じた空間となる液体吐出ヘッドを用い、吐出口から連続的に第1の液滴と第2の液滴とを吐出させる液体吐出方法であって、
第1の液滴を吐出させるために形成された気泡が収縮を開始した後、気泡が気泡発生領域の吐出口側に偏って残存し、かつ気泡発生領域の液室側には気泡が存在しない部分が生じている状態の時に、発熱体を駆動して液体中の気泡成長させて第2の液滴を吐出させることを特徴とする。
【0016】
本発明は、第1の滴の吐出時に形成された気泡の消泡終了後に第2の滴の吐出のための駆動を行うのではなく、第1の滴の吐出により形成された気泡を利用しつつ、第2の滴の吐出用の気泡形成と吐出とのバランスを考慮したタイミングで連続した吐出を行うようにする画期的な発明である。
【0017】
本発明は、前述した効率のよいリフィル特性を与える可動部材に着目し、可動部材を備える液体吐出ヘッドにおいて、消泡位置が気泡発生領域の吐出口側に位置することをヒントとして、気泡の変化とメニスカスの位置との関係から、第1の滴の吐出時の消泡が終了する前に、良好に第2の滴の吐出を行うことができるタイミングがあることを見出すことでなされたものである。
【0018】
すなわち、可動部材を備える液体吐出ヘッドでは、第1の滴の吐出の消泡工程中において、第1の滴を吐出させるために形成された、消泡しつつある気泡が気泡発生領域の吐出口側に存在し、かつそれよりも液室側には気泡が無い状態となるタイミングがある。そしてこのタイミングでは、メニスカスの後退は始まってはいるものの最大とはなっていない。また、発熱体の可動部材側は消泡されているために、液体の補充は実質的に完了しており、十分なリフィル状態にある。したがって、このタイミングで、液体吐出ヘッドは、第2の液滴の吐出を行うのに極めて有利な状態にあり、このタイミングで第2の液滴を吐出させるための駆動エネルギーを発熱体に供給して液体を発泡させることにより、連続した液滴の吐出を良好に行うことができる。このタイミングで連続した液滴の吐出を行うことは、従来のように消泡完了後に第2の滴の吐出を行う場合に比べて、非常に短い間隔で連続して液滴の吐出を行うことを意味している。
【0019】
本発明の液体吐出方法では、第1の滴の吐出時に形成された気泡が下流側で一部残存した状態で第2の滴を吐出させるための駆動エネルギーを発熱体に供給するので、滴の吐出時に、下流側に一部残存した気泡の消泡に伴う、上流側からの液流が作用する。これによって、滴の吐出のための液体吐出のエネルギー効率を向上させることができる。また、上流側からの液流の作用によって、滴の吐出時に吐出される吐出液滴の体積を、定常状態から液体吐出を行った時の吐出液滴の体積よりも大きくできる。また、上流側からの液流が、第2の滴の吐出時の液体の流れを加速するようにすることができ、滴の吐出時の液滴の速さを、定常状態から液体吐出を行った時の液滴の速さよりも速くすることができる。
【0020】
このような第1の滴の吐出時に形成された気泡の消泡に伴う液流は、消泡が進行するの伴って、消泡の終了間際には減速する。このため、第1の滴の吐出時に形成された気泡の消泡が終了する前に第2の滴を吐出させるための発泡を開始することによって、上述のような液流の作用を効果的に得ることができる。
【0021】
このように、通常時よりも第2の液滴の体積を大きくしたり、速さを速くしたりできることは、多階調記録を行うのに好都合であるなどの利点を与えるものである。
【0022】
前述のように、本発明による液体吐出方法によれば、非常に短い時間間隔で連続して液滴の吐出を行うことができる。そこで、第1の滴の吐出時において、液滴の後方に尾を引く部分が分離されて形成されたサテライトを、第1の液滴にいて吐出された第2のが捕獲するようにすることもできる。このように、第2のがサテライトを捕獲できるようにすることは、多階調記録を行うのに好都合であるなどの利点を与えるものである。
【0024】
また、本発明による液体吐出方法では、第1の滴の吐出時に供給したエネルギーの一部を第2の滴の吐出に効果的に寄与させることができるので、滴の吐出時に、滴の吐出時に発熱体に供給するエネルギよりも小さいエネルギーを発熱体に供給して、第1の滴の吐出時と同等またはそれ以上の液滴量、液滴速度で2回目の液体吐出を行うことができる。
【0025】
このように、第2の滴の吐出時に発熱体に供給するエネルギーをの液滴の吐出時よりも小さくすることは、特に、第2の滴の吐出時に発熱体に印加する電圧パルスのパルス幅をの液滴の吐出時よりも小さくすることによって行なうことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態の液体吐出に用いる液体吐出ヘッドの要部の側断面模式図である。また、図2(a)〜図2(e)は、図1に示した液体吐出ヘッドからの液体の単発吐出過程を説明する図である。
【0027】
まず図1を用いて、液体吐出ヘッドの構成について説明する。
【0028】
この液体吐出ヘッドは、気泡発生手段である発熱体10と可動部材11とを有する素子基板1、ストッパ(規制部)12の形成された天板2及び吐出口4の形成されたオリフィスプレート5を有する。
【0029】
液体が流れる流路(液流路)3は、素子基板1と天板2とが積層状態で固着されることで形成されている。また、流路3は、1つの液体吐出ヘッドに複数並列に形成されており、下流側(図1左側)に形成された、液体を吐出する吐出口4に連通している。発熱体10と液体の接する面の近傍領域には気泡発生領域が存在する。また、これら各流路3の上流側(図1右側)に同時に連通するように、大容積の共通液室6が設けられている。つまり、各流路3は、単一の共通液室6から分岐した形状となっている。この共通液室6の液室高さは、流路3の流路高さよりも高く形成されている。
【0030】
可動部材11は、一端支持の片持ち梁状であり、インク(液体)の流れの上流側で素子基板1に固定され、支点11aより下流側が素子基板1に対して上下方向に移動可能である。そして、可動部材11は、初期状態においては、素子基板1との間に隙間を保ちつつ素子基板1に略平行に位置する。
【0031】
素子基板1に配設された可動部材11は、自由端11bが発熱体10のほぼ中央領域に位置するように配設されている。また、天板2に設けられたストッパ12は、可動部材11の自由端11bがストッパ12に接触することで自由端11bの上方への変位量を規制するものである。可動部材11がストッパ12に接触することによる、可動部材11の変位量規制時(可動部材接触時)には、可動部材11及びストッパ12により、流路3は、可動部材11及びストッパ12より上流側と可動部材11及びストッパ12より下流側とが実質的に遮断されることとなる。
【0032】
自由端11bの位置Yと、ストッパ12の端Xとは、素子基板1に対して垂直な面上に位置していることが好ましい。さらに好ましくは、これらX、Yが発熱体10の中心であるZとともに基板に対して垂直な面上に位置していることが好ましい。
【0033】
また、ストッパ12から下流側の流路3の高さは急激に高くなる形状となっている。この構成により気泡発生領域の下流側の気泡は、可動部材11がストッパ12によって規制された際にも十分な流路高さを有しているため、気泡の成長を阻害することがないため吐出口4に向かって液体をスムーズに向かわせることができると共に吐出口4の下端から上端までの高さ方向での圧力バランスの不均一が少なくなるため、良好な液体の吐出を行うことができる。なお、従来の可動部材11をもたない液体吐出ヘッドにおいて、このような流路構成を採った場合においてはストッパ12の下流側で流路高さが高くなっている部分によどみが生じ、このよどみ部分に気泡が滞留しやすくなり、好ましいものではなかったが、本実施形態においては、上述したように液体の流れがこのよどみ部分まで及ぶため気泡滞留の影響は極めて少なくなる。
【0034】
さらに、ストッパ12を境として共通液室6側の天井形状は急激にたちあがるようになっている。この構成で可動部材11がない場合には、気泡発生領域の下流側の流体抵抗が上流側の流体抵抗よりも小さくなるため、吐出に用いられる圧力は吐出口4側に向かいにくいものであったが、本実施形態においては、気泡形成時には可動部材11により気泡発生領域の上流側への気泡の移動が実質的に遮断されているため、吐出に用いられる圧力は積極的に吐出口4側へ向かうと共に、液体供給時においては気泡発生領域の上流側の流体抵抗が小さくなっていることから気泡発生領域へ液体供給が速やかになされるようになっている。
【0035】
上記構成によれば、気泡の下流側への成長成分と上流側への成長成分とが均等ではなく、上流側への成長成分が少なくなり上流側への液体の移動が抑制される。上流側への液体の流れが抑制されるため、吐出後のメニスカスの後退量が減少し、その分リフィル時にメニスカスがオリフィス面(液体吐出面)5aよりも突出する量(オーバーシュート量)も減少する。したがってメニスカス振動が抑制されることとなり、低周波数から高周波数まであらゆる駆動周波数において安定した吐出が行われる。
【0036】
なお、本実施形態においては、気泡の下流側の部分と吐出口4との間は液流に対しまっすぐな流路構造を保っている「直線的連通状態」となっている。これは、より好ましくは、気泡の発生時に生じる圧力波の伝播方向とそれに伴う液体の流動方向と吐出方向とを直線的に一致させることで、後述の吐出滴66の吐出方向や吐出速度等の吐出状態をきわめて高いレベルで安定化させるという理想状態を形成することが望ましい。本実施形態では、この理想状態を達成、または近似させるための一つの定義として、吐出口4と発熱体10、特に気泡の吐出口4側に影響力を持つ発熱体10の吐出口4側(下流側)とが直接直線で結ばれる構成とすればよく、これは、図4に示すように、流路3内の液体がない状態であれば、吐出口4の外側から見て発熱体10、特に発熱体10の下流側が観察することが可能な状態である。
【0037】
次に、各部構成要素の寸法に関して説明する。
【0038】
本実施形態においては、上述の可動部材の上面への気泡のまわり込み(気泡発生領域の上流側への気泡のまわり込み)について検討したところ、可動部材の移動速度と気泡成長速度(言い換えれば液体の移動速度)との関係によって可動部材の上面への気泡のまわり込みをなくし、良好な吐出特性を得ることができるという知見を得た。
【0039】
すなわち、本実施形態は、気泡の体積変化率と可動部材の変位体積変化率とが共に増加傾向にある時点で前記可動部材の変位を前記規制部によって規制することにより、可動部材の上面への気泡のまわり込みをなくし、良好な吐出特性を得るものである。
【0040】
このことについて、以下に図2を参照して詳細に説明する。
【0041】
まず、図2(a)の状態から、発熱体10上で気泡が発生すると、瞬間的に圧力波が発生し、この圧力波により発熱体10周囲の液体が移動することで気泡40が成長していく。そして、当初、可動部材11は液体の移動にほぼ追従するように上方に変位する(図2(b))。さらに時間が進むと、液体の慣性力が小さくなることと可動部材11の弾力性とによって、可動部材11の変位速度が急激に小さくなる。このとき、液体の移動速度はそれほど小さくなるものではないため、液体の移動速度と可動部材11の移動速度との差は大きくなる。そして、この時点で可動部材11(自由端11b)とストッパ12との間隙が依然広く存在する場合には、この間隙より液体が気泡発生領域の上流側に流入することとなり、可動部材11がストッパ12と接触しにくい状態を作り出すと共に、吐出力の一部が損失することとなる。従って、このような場合には、規制部(ストッパ12)による可動部材11の規制(遮断)効果を十分に生かすことができないものとなる。
【0042】
そこで、本実施形態では、規制部による可動部材の規制を可動部材の変位が液体の移動にほぼ追従している段階で行うようにしている。ここで、本発明においては、便宜上、可動部材の変位速度及び気泡の成長速度(液体の移動速度)を「可動部材変位体積変化率」、「気泡体積変化率」として表すものとする。なお、この「可動部材変位体積変化率」、「気泡体積変化率」とは、可動部材変位体積もしくは気泡体積を微分したものである。
【0043】
このような構成により、可動部材11の上面への気泡のまわり込みを生じるような液体の流れを実質上なくし、気泡発生領域の密閉状態をより確実にすることができるため、良好な吐出特性を得ることができる。
【0044】
また、本構成によれば、可動部材11がストッパ12によって規制されたあとも、気泡40は成長を続けるわけであるが、このときに気泡40の下流側成分の自由成長を促すように、ストッパ12部分と流路3の基板1と対向する面(上壁面)との距離(ストッパ12の突出高さ)は十分に設けられていることが望ましい。
【0045】
なお、本発明において、規制部による可動部材の変位の規制とは、可動部材の変位体積変化率が0または負となる状態を指す。
【0046】
流路3の高さは55μmであり、可動部材11の厚さは5μmであり、気泡が発生していない状態(可動部材11が変位していない状態)での、可動部材11の下面と素子基板1の上面との間のクリアランスは5μmである。
【0047】
また、天板2の流路壁面からストッパ12の先端部までの高さをt1とし、可動部材11の上面とストッパ12の先端部との間のクリアランスをt2としたとき、t1が30μm以上のときは、t2は15μm以下とすることで液体の安定した吐出特性を発揮することができ、また、t1が20μm以上のときは、t2は25μm以下が好ましい。
【0048】
次に、本実施形態に用いる液体吐出ヘッドの単発の吐出動作について、図2(a)〜図2(e)と、気泡の変位速度と体積の時間変化及び可動部材の変位速度と変位体積の時間変化を示す図である図3を用いて詳細に説明する。
【0049】
図3において、気泡体積変化率vbは実線で、気泡体積Vbは二点鎖線で、可動部材変位体積変化率vmは破線で、可動部材変位体積Vmは一点鎖線でそれぞれ示されている。また、気泡体積変化率vbは気泡体積Vbの増加を正とし、気泡体積Vbは体積の増加を正とし、可動部材変位体積変化率vmは可動部材変位体積Vmの増加を正とし、可動部材変位体積Vmは体積の増加を正として、それぞれ示している。なお、可動部材変位体積Vmは可動部材11が図2(a)の初期状態から天板2側へ変位した際の体積を正とするため、可動部材11が初期状態から素子基板1側に変位した際には、可動部材変位体積Vmは負の値を示すこととなる。
【0050】
図2(a)は、発熱体10に電気エネルギー等のエネルギーが印加される前の状態であり、発熱体10が熱を発生する前の状態を示す。可動部材11は、後述するように、発熱体10の発熱によって発生する気泡に対し、この気泡の上流側半分に対面する領域に位置している。
【0051】
図3においてはこの状態は、時間t=0のA点に相当する。
【0052】
図2(b)では、気泡発生領域内を満たす液体の一部が発熱体10によって加熱され、膜沸騰に伴う気泡40が発泡し始めた状態を示す。図3においてはこの状態は、B〜C1点の直前までの間に相当し、気泡体積Vbは、時間とともに大きくなっていく状況が示されている。なお、このとき、可動部材11の変位は気泡40の体積変化より遅れて始まる。すなわち、膜沸騰による気泡40の発生に基づく圧力波が流路3内を伝播し、それに伴い液体は気泡発生領域の中央領域を境に下流側及び上流側に移動し、上流側においては気泡40の成長に伴う液の流れにより可動部材11が変位し始める。また、上流側への液体の移動は流路3の壁面と可動部材11との間をとおり共通液室6側に向かう。この時点におけるストッパ12と可動部材11との間のクリアランスは可動部材11が変位するにつれ狭くなっていく。この状態で、吐出口4からは吐出滴66が吐出され始める。
【0053】
図2(c)では、気泡40のさらなる成長により変位した可動部材11の自由端11bがストッパ12に接触した状態を示す。図3においてはこの状態は、C1〜C3点に相当する。
【0054】
可動部材変位体積変化率vmは、図2(b)に示す状態から図2(c)に示す状態である可動部材11がストッパ12に接触する前、すなわち、図3ではB点からC1点へ移行する際のB’点では急激に低下する。これは、可動部材11がストッパ12に接触する直前において、可動部材11とストッパ12との間の液体の流抵抗が急激に大きくなることによるものである。また、気泡体積変化率vbも急激に低下する。
【0055】
その後、可動部材11はストッパ12にさらに接近し、接触することとなるが、この可動部材11とストッパ12との接触は、ストッパ12の高さt1と可動部材11の上面とストッパ12の先端部との間のクリアランスが上述のように寸法規定されることにより確実なものとなる。そして、可動部材11がストッパ12に接触するとそれ以上の上方への変位が規制される(図3のC1〜C3点)ため、上流方向への液体の移動もそこで大きく制限される。これに伴い気泡40の上流側への成長も可動部材11で制限される。しかしながら、上流方向への液体の移動力は大きいため、可動部材11は上流方向へ引っ張られた形の応力を大きく受け、わずかながら上方凸状に変形を生じる。なお、このとき、気泡40は成長を続けているが、ストッパ12及び可動部材11によって上流側への成長が規制されることで気泡40の下流側がさらに成長することとなり、可動部材11を設けない場合に比べ、発熱体10の下流側における気泡40の成長高さが高くなっている。すなわち、図3に示すように、可動部材変位体積変化率vmは、可動部材11がストッパ12に接触していることによりC1〜C3点の間でゼロとなっているが、気泡40は下流側に成長するため、C1点よりやや時間的に遅れたC2点まで成長を続け、このC2点で気泡体積Vbは最大値となる。
【0056】
一方、前述したように気泡40の上流側の部分は、可動部材11の変位がストッパ12によって規制されているため、上流側への液流の慣性力によって可動部材11を上流側へ凸形状に湾曲させ応力をチャージさせるまでにとどまった状態で小さなサイズになっている。この気泡40の上流側の部分は、ストッパ12、流路側壁、可動部材11及び支点11aにより、上流側の領域へと進入する量がほとんどゼロに規制されている。
【0057】
これによって、上流側への液流を大幅に規制し、隣接した流路への流体クロストークや、高速リフィルを阻害する供給路系における液の逆流や圧力振動を防止する。
【0058】
図2(d)では、前述した膜沸騰の後に気泡40の内部の負圧が、流路3内の下流側への液体の移動に打ち勝って、気泡40の収縮が開始された状態を示す。
【0059】
気泡40の収縮(図3においてC2〜E点)に伴い、可動部材11は下方変位(図3においてC3〜D点)するが、可動部材11自身片持ち梁ばねの応力と前述した上方凸変形の応力を持っており、それにより下方変位する速度を高める。そして、これに伴う、共通液室6と流路3との間に形成された低流路抵抗領域である可動部材11の上流側での、液体の下流方向への流れは流路抵抗が小さい為、急速に大きな流れとなってストッパ12を介し流路3へ流れ込む。これらの動作で共通液室6側の液体は流路3内へと誘導される。流路3内に導かれた液体はそのままストッパ12と下方変位した可動部材11との間をとおり、発熱体10の下流側に流れ込むと同時に、まだ消泡しきっていない気泡40に対し消泡を加速するように作用する。この液体の流れは消泡を助けたあと、吐出口4方向にさらに流れを作りメニスカスの復帰を助け、リフィル速度を向上する。
【0060】
この段階で、吐出口4から出た吐出滴66からなる液柱は、液滴となり外部へと飛翔する。図2(d)には、消泡によってメニスカスが吐出口4内に引き込まれ、吐出滴66の液柱が引き離されようとしている状態を示している。
【0061】
また、前述した可動部材11とストッパ12との間の部分を介した流路3への流れ込みは天板2側の壁面での流速を高めるため、この部分での微少泡などの残留も極めて少なく、吐出の安定性に寄与している。
【0062】
さらに、消泡によるキャビテーション発生ポイントも気泡発生領域の下流側にずれるため、発熱体10に対するダメージが少なくなる。同時に、同現象によりこの領域での発熱体10へのこげの付着も少なくなる為、吐出安定性が向上する。
【0063】
図2(e)では、気泡40が完全に消泡したあと、可動部材11が初期状態から下方にオーバーシュートして変位した状態(図3においてE点以降)を示す。
【0064】
この可動部材11のオーバーシュートは、可動部材11の剛性や使用する液体の粘度にもよるが、短い時間で減衰収束し、初期状態に戻る。
【0065】
図2(e)には、消泡によってメニスカスがかなり上流側まで引き込まれている状態を示しているが、可動部材11の変位の減衰収束と同様に、比較的短い時間で定常位置に復帰し、安定する。また、図2(e)に記載しているように、吐出滴66の後方には、表面張力により尾を引くようになった部分が分離されて形成されたサテライト67が形成される場合がある。
【0066】
次に、図1に示した一部のヘッドの透視斜視図である図5を用いて、特に、可動部材11の両側部から***する***気泡41及び、吐出口4での液体のメニスカスに関して詳細に説明する。なお、図5に示す、ストッパ12の形状及びストッパ12より上流側の低流路抵抗領域3aの形状は図1に示すものと異なるが、基本的特性は同様である。
【0067】
本実施形態では、流路3を構成する壁の両側壁面と可動部材11の両側部には僅かながらにクリアランスが存在し、可動部材11のスムーズな変位を可能にしている。さらに、発熱体10による発泡の成長工程において、気泡40は可動部材11を変位させるとともに、前記クリアランスを介し可動部材11の上面側へ***して低流路抵抗領域3aに若干侵入する。この侵入した***気泡41は可動部材11の背面(気泡発生領域と反対面)に回り込むことで可動部材11のブレを抑え、吐出特性を安定化する。
【0068】
さらに、気泡40の消泡工程において、***気泡41が低流路抵抗領域3aから気泡発生領域への液流を促進させ、前述した、吐出口4側からの高速なメニスカス引き込みと相まって、消泡をすみやかに完了させる。特に、***気泡41が引き起こす液流によって可動部材11や流路3のコーナーに気泡を蓄留させることがほとんどない。
【0069】
このように上記構成の液体吐出ヘッドでは、気泡40の発生によって吐出口4から液体が吐出された瞬間では吐出滴66は先端に球状部を持つ液柱に近い状態で吐出される。この事は旧来のヘッド構造でも同じであるが、本実施形態では、気泡の成長工程によって可動部材11が変位し、この変位した可動部材11がストッパ12に接触したとき、気泡発生領域を有する流路3が吐出口を除いて、実質的に閉じた空間が形成される。したがって、この状態で気泡を消泡すれば、消泡によって可動部材11がストッパ12より離れるまでは上述の閉空間が保たれるため、気泡40の消泡エネルギーのほとんどが吐出口4近傍の液体を上流方向へ移動させる力として働くこととなる。その結果、気泡40の消泡開始直後においては、吐出口4からメニスカスが流路3内に急速に引き込まれ、吐出口4の外側で吐出滴66と繋がって液柱を形成している尾引き部分がメニスカスにより強い力ですばやく切り離される。これにより、尾引き部分から形成されるサテライトドットが小さくなり、印字品位を向上させることができる。
【0070】
さらに、尾引き部分がいつまでもメニスカスに引っ張られ続けないことで、吐出速度が低下せず、また吐出滴66とサテライトドットとの距離も短くなるので、吐出滴66の後方でいわゆるスリップストリーム現象によりサテライトドットが引き寄せられる。その結果、吐出滴66とサテライトドットの合体も起こり得て、サテライトドットがほとんど無い液体吐出ヘッドを提供することが可能である。
【0071】
さらに本実施形態では、上述した液体吐出ヘッドにおいて、可動部材11が、吐出口4に向かう液体の流れに関して上流方向に成長する気泡40のみを抑制するために設けられている。より好ましくは、可動部材11の自由端11bが気泡発生領域の実質中央部に位置している。この構成によれば、液体の吐出にとって直接関係しない、気泡成長による上流側へのバック波及び液体の慣性力を抑えるとともに、気泡40の下流側への成長成分を素直に吐出口4の方向に向けることが可能である。
【0072】
さらに、ストッパ12を境界として吐出口4とは反対側の低流路抵抗領域3aの流路抵抗が低いため、気泡40の成長による上流方向への液体の移動が低流路抵抗領域3aによって大きな流れとなるので、変位した可動部材11がストッパ12に接触したとき、可動部材11が上流方向へ引っ張られた形の応力を受けることとなる。その結果、この状態で消泡を開始しても、気泡40の成長による上流方向への液体移動力が大きく残るため、この液体移動力に対し可動部材11の反発力が勝るまでの一定の間、上述の閉空間を保つことができる。すなわち、この構成によって、高速メニスカス引き込みがより確実なものとなる。また、気泡40の消泡工程が進み、気泡成長による上流方向への液体移動力に対し可動部材11の反発力が勝ると、可動部材11が初期状態に戻ろうと下方変位し、これに伴い低流路抵抗領域3aでも下流方向への流れが生じる。低流路抵抗領域3aでの下流方向への流れは流路抵抗が小さい為、急速に大きな流れとなってストッパ12を介し流路3へ流れ込む。その結果、この吐出口4に向かう下流方向への液移動により、上述のメニスカスの引き込みを急制動させ、メニスカスの振動を高速に収束させることができる。
【0073】
本発明の液体吐出方法は、以上説明したような液体吐出ヘッドを用いて、高い周波数で連続して液体を吐出させることに特徴がある。そこで、次に、図6,7を参照して、短い間隔で連続して液体吐出を行った場合の動作について説明する。図7は、発熱体10に印加する電圧パルスの波形を模式的に示している。
【0074】
まず、図6(a)に示すように、発熱体10へ1回目の電圧パルスを印加することにより、気泡40を形成し、第1の吐出滴66aを形成する。この際、本実施形態では、図7に示すように、所定の時刻t1に、電圧パルスとしてプレパルスP1とメインパルスP2からなるダブルパルスを印加する。このダブルパルス駆動では、プレパルスP1を印加することによって、発熱体10とその近傍の液体が予加熱され、続いてメインパルスP2を印加した際に良好に液体を発泡させることができる。前述のように、この発泡過程で可動部材11はストッパ12と接触して実質的に上流側を閉鎖する状態となるまで変位し、上流方向への液体の移動が大きく制限される。そして、気泡40は下流側に大きく成長する。
【0075】
この状態から、図6(b)に示すように気泡40の消泡が、特に気泡40の上流側の体積減少が開始されると、可動部材11は下方に変位し始め、液体のリフィルが開始される。前述のように、この可動部材11の動きにより、気泡の消泡が加速され、特に、可動部材11が位置する気泡発生領域上流側で大きく加速される。
【0076】
このように気泡発生領域の上流側で消泡が加速されること、および発泡過程で気泡40が下流側に大きく成長することから、消泡過程が進むと、図6(c)に示すように、気泡発生領域の上流側ではほぼ消泡が完了し、気泡40が下流側端部付近のみに残った状態になる。この状態では、液体は気泡発生領域の上流側からリフィルされ、発熱体10の中央より下流側までリフィルされている。また、メニスカスは吐出口4内に引き込まれ、これにより第1の吐出滴66aおよびサテライト67は液体吐出ヘッド内の液体から切り離されるが、図6(c)に示す、気泡40が、特に気泡40の下流側で、まだ消泡しきっていない状態では、メニスカスは、図2(e)に示すように液体吐出口4内に比較的大きく引き込まれた状態にはなっておらず、液体吐出面の比較的近くにまだ留まった状態である。
【0077】
本実施形態の液体吐出方法では、この状態で発熱体10に2回目の電圧パルスを印加し、2回目の発泡を開始する。すなわち、この状態では、メニスカスが液体吐出面の近傍にあり、また、発熱体10の上流側への一定の液体のリフィルが完了しているので、この状態から電圧パルスを印加して発泡を開始することで良好に液体を吐出させることが可能である。この2回目の発泡時にも、図7に示すように、時刻t1から所定の時間が経過した後の時刻t2に、プレパルスP3とメインパルスP4とを印加して、ダブルパルス駆動を行なっている。この際、2回目の発泡は、メインパルスP4を印加するのと実質的に同時に開始される。したがって、本実施形態では、上述のように、気泡40が気泡発生領域の下流側端部付近のみに残っているタイミングで発泡を開始するということは、このタイミングでメインパルスP4の印加を開始することを意味している。
【0078】
電圧パルスを印加すると、図6(d)に示すように、気泡40が成長を始め、可動部材11が上方に変位を開始する。この際、発泡開始時に、気泡40が下流側に一部残存している状態であるので、残存した気泡の消泡に伴う上流側からの液流が生じている状態で発泡が行われる。これによって気泡40の成長に伴って生じる液流に、前回の液体吐出後の消泡に伴う液流を作用させることができ、吐出方向の液流を即時に生じさせることができる。そして、メニスカスは単発の液体吐出時ほどに引き込まれることなく、図6(c)に示す位置から、図6(d)に示すように下流側に移動を開始する。
【0079】
ここで、このような先の液体吐出時に形成された気泡の消泡に伴う液流は、消泡が進行するの伴って、消泡の終了間際には減速する。このため、先の液体吐出時に形成された気泡の消泡が終了する前に2発目以降の発泡を開始することによって、上述のような液流の作用を効果的に得ることができる。
【0080】
そして、図6(e)に示すように、気泡40がさらに成長して、第2の吐出滴66bが吐出される。この際、前述のように先の液体吐出後の消泡に伴う液流が作用するため、第2の吐出滴66bの体積が1回目よりも大きくなる。そして特に、第2の吐出滴66bの体積Vd2を、第1の吐出滴66aの体積Vdm1とそのサテライト67の体積Vds1の和より大きくする、すなわちVd2>( Vdm1+ Vds1)とすることが可能である。
【0081】
また、リフィルによる、上流側への比較的速い液体の流れが生じている状態で、2回目の発泡を開始するため、2回目の発泡により吐出口4から発熱体10に向かう液体の流れが打ち消され、さらに上流側への液体の流れが形成される際、吐出口4に向かう液体の流れに発熱体10の上流側からの液体の流れの運動量が加わり、流れが加速される。そこで、第1の吐出滴66aの速さv1に比べ、第2の吐出滴66bの速さv2のほうが速くなるようにすることが可能である。
【0082】
このようにv1> v2とすることは、前述のように第2の吐出滴66bのほうが第1の吐出滴66aより体積が大きい、すなわちVd2>( Vdm1+ Vds1)とした場合においても可能である。このことは、1回目の液体吐出時に発生した熱エネルギーの一部が、2回目の液体吐出に寄与していることを示している。
【0083】
さらに、分離された直後の、液柱状のサテライト67に、第2の吐出滴66bが追いつき合体するようにする、すなわち第2の吐出滴66bがサテライト67を捕獲するようにすることも可能である。この場合、第2の吐出滴66bのサテライト67捕獲後の体積は、Vd2+ Vds1となり、もちろん、( Vd2+ Vds1)>Vdm1とすることが可能である。
【0084】
このように第1の吐出液滴66aと、第2の吐出液滴66bの液体の吐出量を変化させることで、例えば、形成画素の大きさを変化させ階調を変化させて記録を行うなどすることができる。また、1回目の液体吐出時のサテライト67を第2の吐出滴66bに吸収させることで、階調差を大きくすることができる。さらに、複数の吐出滴を連続して吐出させ、この複数の吐出滴を、被記録媒体への飛翔途中で合体させるようにして、多階調の記録を行うなどすることもできる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態の液体吐出方法によれば、1回目の液体吐出の消泡工程で、気泡40が気泡発生領域の上流側にまだ残っている状態で2回目の液体吐出のための電圧パルスを印加して液体を発泡させることにより、従来の限界を超えた短い時間間隔で連続して良好に液体吐出を行うことができ、すなわち液体吐出ヘッドを非常に高い周波数で駆動することができる。この際、定常状態から液体吐出を開始する1回目の液体吐出に比べて、2回目の液体吐出の吐出量を多くすることができ、さらに吐出速度を速くすることができる。また、1回目の液体吐出時に発生した熱エネルギーの一部が、2回目の液体吐出時の発泡に寄与するので、吐出のエネルギー効率を向上させることができる。
【0086】
次に、図8,9を参照して本発明の他の実施形態の液体吐出方法について説明する。図8,9において先の実施形態と同様の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0087】
前述のように、本発明の液体吐出方法によれば、先の液体吐出時に形成された気泡40の消泡に伴う、液体の高速リフィルによって生じる上流側からの液流を次の液体吐出に効果的に寄与させることができる。すなわち、先の液体吐出時の印加エネルギーの一部を次の液体吐出のエネルギーとして利用することができる。そこで、連続吐出の2回目以降の液体吐出時に印加するエネルギーを1回目の液体吐出時に印加するエネルギーよりも小さくしても、実効的に吐出に寄与するエネルギーを1回目のエネルギーと同等、またはそれ以上にすることができる。本実施形態は、このことに着目し、連続吐出の2回目以降の液体吐出時に印加するエネルギーを1回目の液体吐出時に印加するエネルギーよりも小さくして液体を吐出させる方法を示すものである。本実施形態では、具体的には、発熱体40に印加する電圧パルスのパルス幅を変化させて印加エネルギーを変化させる例を示す。
【0088】
本実施形態においても、まず発熱体10に電圧パルスを印加して、図8(a)に示すように、第1の吐出滴66aを吐出させる。この際、電圧パルスとしては、図9に示すように、所定の時刻t1に、プレパルスP1とメインパルスP2からなるダブルパルスを印加する。
【0089】
気泡40は最大発泡となった後、図8(b)に示すように、消泡し始め、特に上流側で大きく体積減少する。そして、図8(c)に示すように、気泡40が気泡発生領域の下流側端部付近にのみ残った状態で、2回目の電圧パルスを印加して2回目の発泡を開始する。
【0090】
2回目の電圧パルスについても、図9に示すように、プレパルスP3とメインパルスP4とからなるダブルパルスを印加する。ここで、本実施形態では、このプレパルスP3、メインパルスP4のパルス幅を、1回目の発泡時のパルス幅よりも短くしている。具体的には、1回目のプレパルスP1のパルス幅0.7μs、メインパルスP2のパルス幅1.3μsに対して、2回目のプレパルスP3のパルス幅は0.4μs、メインパルスP4のパルス幅は0.9μsとした。
【0091】
この際、2回目の発泡開始のタイミングは、前述のように、メインパルスP4を印加するタイミングと実質的に同じになる。したがって、1回目の発泡によって生じた気泡40が気泡発生領域の下流側端部付近にのみ残ったタイミングで発泡を開始させるために、このタイミングでメインパルスP4の印加が開始されるように電圧パルスを印加する。本実施形態では、具体的には、1回目の電圧パルスのプレパルスP1の印加を開始した時刻t1から17μs後の時刻t2に2回目の電圧パルスP3の印加を開始して発泡タイミングを合わせた。
【0092】
このように2回目の電圧パルスを印加して、図8(d)に示すように、液体を発泡させることによって、図8(e)に示すように、第2の吐出滴66bを吐出させる。2回目の電圧パルス印加によって生じる気泡40および第2の吐出滴66bの大きさは、先の実施形態における場合よりも小さくなるものの、第2の吐出滴66bの量は、リフィルによる液流の作用があるため、必要に応じて、第1の吐出滴66aと同等、またはそれ以上にすることができる。また、吐出滴66aの速さも、第1の吐出滴66aと同等、またはより速くすることができ、図8(f)に示すように、先の液体吐出時に形成されたサテライト67を第2の吐出滴66bに捕獲させることができる。特に、サテライト67が液柱状の状態であるうちに第2の吐出滴66bに捕獲させることができ、さらに必要に応じて、第1の吐出滴66aを飛翔途中で第2の吐出滴66bに捕獲させることも可能である。
【0093】
以上説明したように、本実施形態によれば、先の液体吐出時に発熱体10に供給したエネルギーの一部を、高速リフィルの液流の形態で次の液体吐出に効果的に寄与させることができ、先の液体吐出時よりも少ないエネルギーを発熱体10に供給して、先の液体吐出時と同等またはそれ以上の量、速さの液滴を吐出させることができる。
【0094】
このように、本実施形態によれば、必要な吐出性能を得るために供給するエネルギーを少なく抑えることができる。このため、液体吐出ヘッドの消費エネルギーの省エネルギー化を図ることができ、また液体吐出ヘッドの不要な昇温を抑えることができる。したがって本実施形態によれば、特に、本発明の液体吐出方法のように、液体吐出ヘッドを高速で駆動する場合においても、供給エネルギーを少なく抑えることによって、電源や駆動回路を大容量のものにしなくて済み、コストの増大を抑えることができる。また、液体吐出ヘッドの加熱による吐出特性の変化や信頼性の低下も抑えることができる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液体吐出方法によれば、先の液体吐出の消泡工程で、気泡が気泡発生領域の下流側にまだ残っている状態で、続く液体吐出のための電圧パルスを印加することにより、従来の限界を超えた短い時間間隔で連続して良好に液体吐出を行うことができ、すなわち液体吐出ヘッドを非常に高い周波数で駆動することができる。この際、定常状態から液体吐出を開始する場合に比べて、連続して吐出する際の吐出滴の吐出量を多くすることができ、さらに吐出速度を速くすることができる。また、先の液体吐出時の発生エネルギーの一部を、続く液体吐出に寄与させることができ、液体吐出のエネルギー効率を向上させることができる。
【0096】
また、1発目の吐出滴の吐出量と2発目以降の吐出滴の吐出量とを変化させ、また、2発目以降の吐出滴に先の吐出滴のサテライト、さらには先の吐出滴自身を捕獲させることによって、各画点への付着液量を変化させて、好適に階調記録を行うことができる。
【0097】
本発明の液体吐出方法では、連続吐出の2回目以降の液体吐出時に発熱体に供給するエネルギーを1回目の液体吐出時に供給するエネルギーよりも小さくしても、2回目以降の発泡によって生じる液滴の量、速さを1回目と同等、または1回目以上にすることができる。このため、省エネルギー化を図ることができ、また液体吐出ヘッドの加熱を抑えことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の液体吐出方法に用いる液体吐出ヘッドの側断面模式図である。
【図2】図1に示した液体吐出ヘッドからの単発の液体吐出過程を説明する図である。
【図3】図2に示す吐出過程での、気泡の変位速度と体積の時間変化及び可動部材の変位速度と変位体積の時間変化を示す図である。
【図4】図1の液体吐出ヘッドの直線的連通状態を説明する流路の断面図である。
【図5】図1に示した一部のヘッドの透視斜視図である。
【図6】図1の液体吐出ヘッドを用いて連続吐出を行った時の各過程での状態を示す模式的断面図である。
【図7】図6に示すように連続吐出を行う際に発熱体に供給する電圧パルスの波形を示す模式図である。
【図8】本発明の他の実施形態において連続吐出を行った時の各過程での状態を示す模式的断面図である。
【図9】図8に示すように連続吐出を行う際に発熱体に供給する電圧パルスの波形を示す模式図である。
【図10】従来の液体吐出ヘッドの、発熱体付近の構成を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 素子基板
2 天板
3 流路
4 吐出口
5 オリフィスプレート
5a オリフィス面
6 共通液室
10 発熱体
11 可動部材
11a 支点
11b 自由端
40 気泡
41 ***気泡
66 吐出滴
100 抵抗層
101a,101b 電極
102,103 保護層
104 気泡104
106 消泡位置
b 気泡体積変化率
m 可動部材変位体積変化率
m 可動部材変位体積
b 気泡体積

Claims (4)

  1. 液体中に気泡を発生させるための熱エネルギーを発生する発熱体と、前記液体を吐出する部分である吐出口と、該吐出口に連通し前記気泡が発生する気泡発生領域を有する液流路と、該液流路に前記液体を供給する液室と、前記気泡発生領域に設けられ前記気泡の成長に伴い変位する可動部材と、前記液流路の前記気泡発生領域に対向して設けられ、前記可動部材の変位を所望の範囲に規制する規制部とを備え、前記発熱体と前記吐出口とが直線的連通状態となっており、変位した前記可動部材と前記規制部との実質的な接触によって、前記気泡発生領域を有する液流路が前記吐出口を除いて、実質的に閉じた空間となる液体吐出ヘッドを用い、前記吐出口から連続的に第1の液滴と第2の液滴とを吐出させる液体吐出方法であって、
    前記第1の液滴を吐出させるために形成された前記気泡が収縮を開始した後、該気泡が前記気泡発生領域の前記吐出口側に偏って残存し、かつ前記気泡発生領域の前記液室側には前記気泡が存在しない部分が生じている状態の時に、前記発熱体を駆動して前記液体中の気泡を成長させて前記第2の液滴を吐出させることを特徴とする液体吐出方法。
  2. 前記第1の液滴と前記第2の液滴とを連続して吐出させ、この複数の液滴を、被記録媒体への飛翔途中で合体させる、請求項1に記載の液体吐出方法。
  3. 前記第2の液滴を吐出させる時に前記発熱体に供給するエネルギーが、前記第1の液滴を吐出させる時に前記発熱体に供給するエネルギーよりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出方法。
  4. 前記第2の液滴を吐出させる時に前記発熱体に印加する電圧パルスの幅が、前記第1の液滴を吐出させる時に前記発熱体に印加する電圧パルスの幅よりも短いことを特徴とする請求項に記載の液体吐出方法。
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