JP3787217B2 - 鉛筆削り - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、差し入れた鉛筆の回転操作により、当該鉛筆の内奥側への移動を許容しながら、当該鉛筆の先端部を削る切削空間を有するタイプの鉛筆削りの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉛筆の差し入れ開口側から内奥側に向けて漸次穴径を小さくするように構成された鉛筆の差し入れ穴と、この差し入れ穴に連通し、かつ、鉛筆の差し入れの向きに沿って設けられたスリットと、このスリットに臨まされる刃部を、このスリットの長さ方向に亙って有する切削刃とを備えた鉛筆削りが従来より用いられている。
【0003】
かかる鉛筆削りにおいては、前記差し入れ穴に鉛筆を差し入れた後、この鉛筆を回転操作することにより、前記スリットに臨まされた刃部により鉛筆の周面に当該鉛筆を内奥側に移動させながら漸次切削を施すことができる。
【0004】
また、この種の鉛筆削りにおいて、当該鉛筆の切削後の太さを調整できるようにすることも求められるところであり、こうした調整機構を備えたこの種の鉛筆削りも種々提案され、また、用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記調整機構を備えたこの種の鉛筆削りの典型例として、特開平2−125799公報記載の鉛筆削りがある。かかる鉛筆削りにあっては、前記差し入れ穴に沿って設けられたスリットにより二分されるカッターユニットの構成材の一方を当該構成材の他方に対し近接・離隔可能に弾性変形し得るものとすると共に、かかる構成材の弾性変形量を調整可能に当該構成材の一方に当接し、この構成材を押圧させる押圧手段を有している。前記構成材の一方の弾性変形量を大きくすれば、前記差し込み穴は狭められ、前記切削に伴う鉛筆の移動量を小さくでき、したがって、鉛筆を比較的太めに削ることができる。また、前記構成材の一方の弾性変形量を小さくすれば、前記差し込み穴は広げられ、前記切削に伴う鉛筆の移動量を大きくでき、したがって、鉛筆を比較的細めに削ることができる。
【0006】
しかしながら、かかる鉛筆削りにあっては、前記鉛筆の太さの調整を前記スリットにより二分された前記構成材の一方の弾性変形によらしめるものであるため、かかる一方の構成材の他方の構成材に対する近接・離隔量を大きく確保し難いものであり、前記調整をなしても切削後の鉛筆の先端部の太さを顕著に異ならせるようにし難いものであった。また、前記構成材の一方が経時的に劣化して、弾性復帰を十分にしなくなり、常に前記差し入れ穴が所期の大きさから狭められた状態となってしまう不都合を生じさ得るものであった。
【0007】
そこで、この発明はかかる従来の技術の不都合を解消し、さらに、この種の鉛筆削りにおける切削後の鉛筆の太さの調整を、簡易な構造をもって、確実になすことができるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明にあっては、鉛筆削りを以下の(1)から(6)の構成を備えたものとした。
(1)鉛筆Pの先端Pa部が差入れられ、かつ、差入れられた鉛筆Pの回転操作に伴って当該鉛筆Pを削る切削刃11を備えた切削空間10と、
(2) この切削空間10に対し自由端21側を出し入れ可能とするように他端22側で回動可能に組み付けられるアーム20と、
(3) 前記アーム20を、当該アーム20における前記自由端21側を前記切削空間10から外方に逃げ出させる向きに常時付勢する付勢手段30とを備えており、
(4) 前記アーム20には、このアーム20の自由端21側を前記切削空間10に入り込ませた状態において、当該切削空間10に差入れられた鉛筆Pの先端Paに接して当該鉛筆Pの内奥側12への移動を阻止する当接面23が、当該アーム20の前記自由端21と回動中心22aとの間にあって位置を異にして複数個所形成してあると共に、
(5) 前記アーム20の自由端21側を、前記付勢手段30の付勢に抗して前記切削空間10内へ向けて、又は、当該付勢手段30による付勢により当該切削空間10外に向けて、段階的に移動させるように、前記アーム20に前記付勢手段30による移動先側24で当接され、かつ、この当接位置を調整操作可能な押圧体40を備えており、
(6) 前記押圧体40による前記アーム20の段階的な移動により、当該アーム20が前記自由端21側を前記切削空間10に入り込ませた状態において、前記複数の当接面23、23…のいずれか一つを、前記切削空間10に差入れられた鉛筆Pの先端Paに選択的に当接させる;
【0009】
かかる(1)ないし(6)の構成によれば、前記押圧体40と前記アーム20との当接位置を調整することにより、当該アーム20の自由端21側を前記切削空間10に入り込ませる向きに移動させ、また、抜け出させる向きに移動させることができる。
【0010】
前記アーム20の自由端21は、前記当接位置の調整により、前記切削空間10から外方に完全に抜け出した状態となるようにすることもできる。かかるアーム20の自由端21が前記切削空間10から完全に抜け出された場合、前記切削空間10に差し入れられた鉛筆Pにおける前記回転操作による切削に伴った内奥側12への移動は、前記当接面23による阻止を受けず、この場合には前記切削に伴って鉛筆Pをもっとも大きく内奥側12に移動させることができ、したがって鉛筆Pの先端Pa部をもっとも細く切削することができる。(図3)
【0011】
また、前記アーム20の自由端21を前記切削空間10に入り込ませることにより、前記当接面23をかかる切削空間10に差し入れられた鉛筆Pの先端Paに、当該鉛筆Pの前記切削に伴った移動を一定位置で阻止するように接しさせることができ、鉛筆Pの先端Pa部の切削後の太さを一定の太さに保つことができる。(図4、図5)このように鉛筆Pの前記切削に伴う移動を当該鉛筆Pの先端Paに前記当接面23を接しさせて阻止させる結果、切削の必要とされる芯の先端が丸まり、あるいは、平坦になった鉛筆Pにおける当該芯の先端の丸まり、あるいは、平坦となった形態を残しながら、当該芯を長くさせる切削を施すことができ、とりわけ、芯の硬度の低い色鉛筆Pなどの鉛筆Pに対し適切な切削を施すことができる。
【0012】
また、かかる当接面23は、前記アーム20の前記自由端21と回動中心22aとの間にあって位置を異にして複数個所形成してあり、しかも、この複数の当接面23、23…のいずれか一つを前記押圧体40による前記アーム20の段階的な移動により前記鉛筆Pの先端Paに選択的に当接させることができることから、当該鉛筆Pの先端Paに当接される前記当接面23を前記アーム20の自由端21側にある当接面23とすることにより、当該鉛筆Pの前記切削に伴う移動を小さくし、また、当該鉛筆Pの先端Paに当接される前記当接面23を前記アーム20の回動中心22a側の当接面23とすることにより、当該鉛筆Pの前記切削に伴う移動を大きくすることができる。かかる鉛筆Pの前記切削に伴う移動を大きくすることにより鉛筆Pを細めに、また、かかる切削にともなう移動を小さくすることにより鉛筆Pを太めに、切削させることができる。(図4、図5)
【0013】
なお、前記アーム20の付勢は、例えば、当該アーム20を回動可能に組み付ける軸に巻き付けられたネジリコイルバネの一端を当該アーム20に止め付け、かつ、当該バネの他端をかかるアーム20の取り付け基材に止め付けることにより、あるいは、当該アーム20における前記取り付け基材に向き合った側部に、当該取り付け基材面に先端側を弾性的に突き当て前記アーム20を当該面から離れ出す向きに付勢させる弾性片を一体に設けさせることにより、確保することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図6に示されるこの発明の典型的な実施の形態の一つについて説明する。
【0015】
なお、ここで図1は、この実施の形態にかかる鉛筆削りの全体構成を理解し易いように、当該鉛筆削りを構成する各部品を分解して斜視状態として示している。また、図2は、切削空間10内にアーム20の自由端21部が入り込んだ状態を理解し易いように、当該切削空間10の内奥側12からかかる切削空間10を構成するシャープナー部Sおよびアーム20の一部を斜視状態して示している。
【0016】
また、図3ないし図6は、鉛筆削りの要部を縦断面の状態としてそれぞれ示している。具体的には、図3は、最大切削位置Mxにアーム20の自由端21がある状態を、図4は、中間切削位置Nにアーム20の自由端21がある状態を、図5および図6は最小切削位置Miにアーム20の自由端21がある状態を、それぞれ示している。(図3ないし図5においては、これらの各位置Mx、N、Miにおいて切削される鉛筆Pの先端Pa部の形状を理解し易いように、各図の下側にかかる鉛筆Pの先端Pa部を併せて表している。また、図6は、図3ないし図5と異なる位置で、鉛筆削りの要部を縦断面として示している。)
【0017】
この実施の形態にかかる鉛筆削りは、鉛筆Pの先端Pa部を差し入れ可能とし、かつ、差し入れられた鉛筆Pの回転操作に伴って当該鉛筆Pを内奥側12に移動させながら当該鉛筆Pの先端Pa部を削る切削刃11を備えた切削空間10を有するシャープナー部Sを持つと共に、このシャープナー部Sにおける切削空間10内での前記鉛筆Pの内奥側12への移動量の増減機構Zを備えるものである。かかる移動量が大きくなれば前記切削により鉛筆Pの先端Paは細められ、かかる移動量が小さくなるにしたがって鉛筆Pの先端Paを細くしない切削が施される。
【0018】
前記シャープナー部Sと前記増減機構Zは、典型的には、適宜のケース体に組み付け、収められて、鉛筆削りを構成する。この実施の形態にあっては、向き合った一対のケース構成板100、100間に、かかるシャープナー部Sと増減機構Zを収めて、鉛筆削りを構成している。(図1、図3ないし図6)
【0019】
(シャープナー部S)
シャープナー部Sは、略円形の鉛筆Pの差し入れ開口13aと、この差し入れ開口13a側から奥側に向けて次第に穴径を小さくし、奥側においても開口13bされた鉛筆Pの差し込み穴13を有する。また、この差し込み穴13の奥側の開口13bに連通する奥側切削空所14を有する。また、前記差し込み穴13の長さ方向に沿って設けられ、かつ、当該差し込み穴13に連通するスリット15を備えている。このスリット15の奥側端15aは、前記奥側切削空所14に連通されている。
【0020】
また、シャープナー部Sは、外側に、長さ方向に亙る一側縁に亙って刃部11aを備えた長方板状をなす切削刃11を備えている。この切削刃11は、前記スリット15の長さ方向に亙る一方縁側からに他方縁側に向けて刃部11aを突き出させ、かつ、このスリット15に刃部11aを沿わせるように組み付けてある。この切削刃11は、前記スリット15の奥側端15aからさらに奥側に突き出す長さを有しており、このように突き出す切削刃11の奥側端部内面11bと、この奥側端部内面11bに間隔を開けて向き合う側壁14aとにより、前記奥側切削空所14が形成されている。
【0021】
したがって、かかるシャープナー部Sによれば、前記差し込み穴13に対し前記差し入れ開口13aから鉛筆Pの先端Pa部を差し入れ、かつ、かかる鉛筆Pを回転操作することにより、前記切削刃11の刃部11aにより鉛筆Pに順次切削を施すことができ、この切削に伴って前記差し込み穴13の内奥側12、さらには、この差し込み穴13に連通される奥側切削空所14の内奥側12に向けて次第に鉛筆Pを移動させて、この鉛筆Pの先端Pa部を漸次細めるように切削することができる。
【0022】
すなわち、この実施の形態にあっては、かかるシャープナー部Sにおける前記差し込み穴13と前記奥側切削空所14とにより、前記切削空間10を構成している。
【0023】
(増減機構Z)
増減機構Zは、一端側で回動可能に組み付けられたアーム20と、このアーム20の自由端21側を一方向に向けて移動させる向きに付勢する付勢手段30と、このアーム20における前記付勢手段30の付勢による移動先側24で当該アーム20に当接される押圧体40とを備えている。
【0024】
(増減機構Z/アーム20)
アーム20は、前記シャープナー部Sの奥側切削空所14、すなわち、前記切削刃11の奥側端部内面11bと側壁14aとの間に、一方側から出し入れ可能に入り込む自由端21と、前記ケース構成板100に回動可能に組み付けられる他端22とを備えた細長い板状に構成してある。
【0025】
前記回動組み付け側となる他端22部には、当該アーム20の両側に突き出す軸突部26が設けてある。この軸突部26の一方は、当該アーム20の一面側から突き出す拡径円柱部26aの先端面から突き出し状に設けてある。
【0026】
また、この実施の形態にあっては、前記一対のケース構成板100のそれぞれにおいて、このケース構成板100の内面から、前記アーム20の回動組み付け側となる他端22部を収める間隔を開けて突き出し状に設けられ、かつ、この一対のケース構成板100を組み合わせた際にそれぞれ上端面102aを突き合わせる一対の側板102、102の当該上端部102aに、この突き合わせにより前記アーム20の軸突部26を収める軸穴103を形成させる軸凹部102bが設けてある。そして、このように構成される軸穴103に前記軸突部26を収めて前記アーム20が回動可能に組み付けられている。
【0027】
かかるアーム20は、後述する付勢手段30により、前記自由端21側を前記切削空間10から逃げ出させる向きに常時付勢される構成としてある。
【0028】
また、かかるアーム20には、このアーム20の自由端21側が前記切削空間10に入り込んだ状態において、前記切削空間10に差し入れられた鉛筆Pの先端Paに接して、この接した位置から奥への鉛筆Pの移動を阻止する二か所の当接面23が形成してある。
【0029】
かかる二か所の当接面23は、前記アーム20の自由端21と回動中心22aとの間、すなわち、当該アーム20の長さ方向に亙って位置を異にし、かつ、当該アーム20の回動方向Fにその面を沿わせるように設けてある。この実施の形態にあっては、前記アーム20の回動中心22aと自由端21の頂部21aとを結んだ線分Lに対し、前記付勢手段30の付勢による前記アーム20の移動先側24と反対の側25に、第一の当接面23aが設けてある。また、この第一の当接面23aよりも前記切削空間10における鉛筆Pの差し入れ開口13aに近付く位置、すなわち、この実施の形態にあっては、前記自由端21の頂部21aに第二の当接面23bが設けてある。また、かかる第一の当接面23aに対し、第二の当接面23bは前記線分Lを挟んだ下方に位置され、したがって、両当接面23の間には段差面23cが形成されている。
【0030】
また、かかるアーム20における前記付勢手段30の付勢による移動先側24の当該アーム20の長さ方向に亙る側端部には、後述する押圧体40の押圧面27が設けてある。この実施の形態にあっては、かかる押圧面27は前記線分Lに対する間隔を異ならせる三つの押圧面27に区分して構成してあり、かつ、各押圧面27が前記アーム20の回動方向Fに直交する向きにその面を沿わせるように設けてある。
【0031】
この実施の形態にあっては、前記アーム20の回動中心22a側にある第一の押圧面27aと前記線分Lとの間隔がもっとも大きく、かかる第一の押圧面27aと第三の押圧面27cとの間にある第二の押圧面27bと前記線分Lとの間隔がこれに続いて大きく、前記アーム20の自由端21の頂部21a側にある第三の押圧面27cと前記線分Lとの間隔がもっとも小さくなるように構成してある。したがって、各押圧面27間には、前記アーム20の回動方向Fに沿った段差面27dが形成されている。
【0032】
そして、この実施の形態にあっては、後述する押圧体40が前記第三の押圧面27cに当接する状態において、前記アーム20の自由端21が前記切削空間10に入り込まず、(図3)また、かかる押圧体40が前記第二の押圧面27bに当接する状態において、当該切削空間10内に差し入れられた鉛筆Pの先端Paに前記第一の当接面23aが突き当てられるように当該自由端21が前記切削空間10に入り込み、(図4)さらに、かかる押圧体40が前記第一の押圧面27aに当接する状態において、当該切削空間10内に差し入れられた鉛筆Pの先端Paに前記第二の当接面23bが突き当てられるように当該自由端21が前記切削空間10に入り込む構成としてある。(図5および図6)
【0033】
また、かかるアーム20における前記拡径円柱部26aが設けられている側にある側面には、後述する付勢手段30のセッティングをなす突部28が設けてある。
【0034】
(増減機構Z/付勢手段30)
付勢手段30は、この実施の形態にあっては、前記アーム20における拡径円柱部26aに巻回部31aを巻き付けたネジリコイルバネ31として構成してある。
【0035】
かかるバネ31の一端は、前記アーム20の突部28に対し当該アーム20の移動先側24と反対の側25で当該突部28に引っ掛けたられており、一方、かかるバネ31の他端はかかる移動先側24と反対の側25にある前記ケース構成板100の板面100aに突き当てられている。そして、この状態において、前記バネ31の巻回部31aが弾性変形された構成としてある。
【0036】
したがって、かかるバネ31により、前記アーム20は前記バネ31の他端が突き当てられているケース構成板100から前記自由端21側を離れ出させる向き、すなわち、前記切削空間10からこの自由端21側を逃げ出させる向きに常時付勢される。
【0037】
(増減機構Z/押圧体40)
押圧体40は、前記アーム20の自由端21側から回動中心22a側に向けて移動可能に、当該アーム20の前記付勢手段30の付勢による移動先側24にある前記ケース構成板100に組み付けてある。
【0038】
すなわち、この実施の形態にあっては、前記押圧体40を、前記ケース構成板100に設けられる前記アーム20の長さ方向に沿ったスリット101に差し込まれ、当該ケース構成板100の内側に突き出す突片41として構成してある。当該突片41は、前記ケース構成板100の外方に位置される略円形の操作頭部42の下面にこの操作頭部42の直径方向に沿うように設けてある。前記スリット101は、この突片41の長さ寸法よりも長く設けてあり、したがって、前記操作頭部42に指などを押し当ててこの操作頭部42を前記スリット101の長さ方向に向けて押圧することにより、当該スリット101に沿って突片41を移動させることができる。
【0039】
かかる突片41はまた、移動方向の前後端に、前記操作頭部42の周縁から側方に突き出す突き出し部43を備えている。この実施の形態にあっては、前記スリット101から内方に向けて突き出される前記突片41の突き出し部43と前記ケース構成板100の内面との間に、弾性変形可能なリング44を嵌め付けて、前記スリット101に突片41を差し入れた操作頭部42が脱落しないようにしてある。
【0040】
このように構成される押圧体40における前記突片41の前記アーム20の回動中心22a側に向けられた先端部が、当該アーム20の前記各押圧面27に当接して、このアーム20を前記バネ31による付勢に抗して押圧する押圧部41aとされる。
【0041】
(機能)
以上の構成から、この実施の形態にかかる鉛筆削りは、以下のように機能する。
【0042】
前記押圧体40を構成する突片41の押圧部41aが、前記バネ31によりこの押圧部41aに突き当たる向きに付勢されるアーム20に対し、当該アーム20の前記第三の押圧面27cに当接している状態においては、当該アーム20は前記切削空間10に自由端21を入り込ませない状態とされる。(図3)したがって、この状態において当該切削空間10に差し入れられた鉛筆Pは当該鉛筆Pを回転させてなす切削に伴なう移動の阻止を受けることがなく、鉛筆Pの先端Pa部をもっとも細く削ることができる。(最大切削位置Mx)
【0043】
次いで、前記押圧体40を構成する突片41を前記操作頭部42を押圧して前記スリット101に沿って前記アーム20の回動中心22a側に移動させると、かかる突片41の押圧部41aが、前記バネ31によりこの押圧部41aに突き当たる向きに付勢されるアーム20に対し、当該アーム20の前記第三の押圧面27cと第二の押圧面27bとの段差面27dを乗り越え、当該第二の押圧面27bに当接するに至り、かかる第三の押圧面27cと第二の押圧面27bとのレベルの差分、前記アーム20は前記切削空間10に向けて前記バネ31の付勢に抗して押し込まれる。この状態において、当該アーム20は前記切削空間10内に自由端21を入り込ませ、かつ、前記第一当接面23を差し入れられる鉛筆Pの先端Paに向き合わせる。(図4)したがって、この状態において当該切削空間10に差し入れられた鉛筆Pは、当該鉛筆Pの先端Paが前記第一の当接面23aに突き当たる位置で、当該鉛筆Pを回転させてなす切削に伴なう移動の阻止を受け、前記最大切削位置Mxにおける切削を施した鉛筆Pに比し、当該鉛筆Pの先端Pa部が太くなるように削ることができる。(中間切削位置N)
【0044】
次いで、前記押圧体40を構成する突片41を前記操作頭部42を押圧して前記スリット101に沿って前記アーム20の回動中心22a側にさらに移動させると、かかる突片41の押圧部41aが、前記バネ31によりこの押圧部41aに突き当たる向きに付勢されるアーム20に対し、当該アーム20の前記第二の押圧面27bと第一の押圧面27aとの段差面27dを乗り越え、当該第一の押圧面27aに当接するに至り、かかる第二の押圧面27bと第一の押圧面27aとのレベルの差分、前記アーム20は前記切削空間10に向けて前記バネ31の付勢に抗して押し込まれる。この状態において、当該アーム20は前記切削空間10内に自由端21をさらに入り込ませ、かつ、前記第二の当接面23bを差し入れられる鉛筆Pの先端Paに向き合わせる。(図5および図6)したがって、この状態において当該切削空間10に差し入れられた鉛筆Pは、当該鉛筆Pの先端Paが前記第二の当接面23bに突き当たる位置で、当該鉛筆Pを回転させてなす切削に伴なう移動の阻止を受け、前記中間切削位置Nにおける切削を施した鉛筆Pに比し、さらに当該鉛筆Pの先端Pa部が太くなるように削ることができる。(最小切削位置Mi)
【0045】
すなわち、この実施の形態にかかる鉛筆削りにあっては、前記最大切削位置Mx、中間切削位置Nおよび最小切削位置Miのいずれかの位置に、必要に応じて前記押圧体40を構成する突片41を移動操作することにより、鉛筆Pの先端Paを三種類の太さに切削することができる。
【0046】
なお、前記当接面23の数を三か所以上にし、これに対応して前記押圧面27の数を四か所以上とすることにより、鉛筆Pの先端Paを四種類以上の異なった太さに切削できるようにすることができる。
【0047】
(その他の特徴点など)
この実施の形態にあっては、前記各押圧面27間にある段差面27dが、前記アーム20の自由端21側から回動中心22a側に向けて高まる傾斜面Kとしてあると共に、前記押圧体40を構成する突片41の移動によりこの段差面27dに突き当たる当該突片41の端部にかかる段差面27dと逆向きにの傾斜面41bが設けてあることから、当該突片41のかかる段差面27dの乗り越えは円滑なものとされる。
【0048】
また、前記押圧体40の組み付け側にある前記ケース構成板100には、当該押圧体40の移動方向に沿って長くなるように形成された窓穴104が設けてあると共に、当該押圧体40を構成する突片41に嵌め付けられた前記リング44の一側部にこの窓穴104を前記ケース構成板100の内側で塞ぐ表示板部44aが設けてあり、この表示板部44aの一部が着色部44bとされている。そして、前記最大切削位置Mxでこの表示板部44aの着色部44bが窓穴全体に表れ、この最大切削位置Mxから中間切削位置N、さらに最小切削位置Miに前記押圧体40が移動されるにしたがって、窓穴に表れる前記着色部44bの面積が減少するようにしてある。この結果、前記押圧体40が前記各位置のいずれに移動されているかを、使用者に容易に認識させることができる。
【0049】
【発明の効果】
この発明にかかる鉛筆削りによれば、鉛筆Pの切削空間10に自由端21側を出し入れ可能に回動組み付けられるアーム20と、このアーム20を前記切削空間10から前記自由端21を逃げ出させる向きに付勢する付勢手段30と、このアーム20の自由端21側を前記付勢に抗して段階的に移動させる押圧体40との三つのパーツからなる簡易な構造をもって、鉛筆Pの先端Pa部を異なる複数の太さに選択的に切削することができ、また、選択された太さとなるように確実にかかる切削を施すことができる特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉛筆削りの分解斜視図
【図2】鉛筆削りの要部斜視図
【図3】鉛筆削りの使用状態を示す縦断面図および鉛筆Pの先端Pa部の側面図(最大切削位置Mx)
【図4】鉛筆削りの使用状態を示す縦断面図および鉛筆Pの先端Pa部の側面図(中間切削位置N)
【図5】鉛筆削りの使用状態を示す縦断面図および鉛筆Pの先端Pa部の側面図(最小切削位置Mi)
【図6】鉛筆削りの使用状態を示す縦断面図(最小切削位置Mi)
【符号の説明】
P 鉛筆
Pa 先端(鉛筆Pの)
10 切削空間
11 切削刃
12 内奥側
20 アーム
21 自由端(アーム20の)
22 他端(アーム20の)
22a 回動中心(アーム20の)
23 当接面
23 移動先側(アーム20の)
30 付勢手段
40 押圧体
Claims (1)
- 鉛筆の先端部が差入れられ、かつ、差入れられた鉛筆の回転操作に伴って当該鉛筆を削る切削刃を備えた切削空間と、
この切削空間に対し自由端側を出し入れ可能とするように他端側で回動可能に組み付けられるアームと、
前記アームを、当該アームにおける前記自由端側を前記切削空間から外方に逃げ出させる向きに常時付勢する付勢手段とを備えており、
前記アームには、このアームの自由端側を前記切削空間に入り込ませた状態において、当該切削空間に差入れられた鉛筆の先端に接して当該鉛筆の内奥側への移動を阻止する当接面が、当該アームの前記自由端と回動中心との間にあって位置を異にして複数個所形成してあると共に、
前記アームの自由端側を、前記付勢手段の付勢に抗して前記切削空間内へ向けて、又は、当該付勢手段による付勢により当該切削空間外に向けて、段階的に移動させるように、前記アームに前記付勢手段による移動先側で当接され、かつ、この当接位置を調整操作可能な押圧体を備えており、
前記押圧体による前記アームの段階的な移動により、当該アームが前記自由端側を前記切削空間に入り込ませた状態において、前記複数の当接面のいずれか一つを、前記切削空間に差入れられた鉛筆の先端に選択的に当接させる構成としてあることを特徴とする鉛筆削り。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13052097A JP3787217B2 (ja) | 1997-05-06 | 1997-05-06 | 鉛筆削り |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13052097A JP3787217B2 (ja) | 1997-05-06 | 1997-05-06 | 鉛筆削り |
Publications (2)
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JPH10305695A JPH10305695A (ja) | 1998-11-17 |
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ID=15036270
Family Applications (1)
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JP (1) | JP3787217B2 (ja) |
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CN102963195A (zh) * | 2012-12-11 | 2013-03-13 | 四川大学 | 一种同向双刀片铅笔刀 |
-
1997
- 1997-05-06 JP JP13052097A patent/JP3787217B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10305695A (ja) | 1998-11-17 |
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