JP3784904B2 - ドーム屋根 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば野球場やサッカースタジアム等の大規模施設に設けられるドーム状の屋根に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、この種の大規模施設には屋根が設けられないことが過去においては通常であったが、近年ではそれらの大規模施設にもその全体を覆うような屋根を設けることが普通に行われるようになってきている。そのような大規模施設に適用する屋根の構造としては、アーチ構造、シェル構造、立体トラス構造、吊り構造、空気膜構造等、種々のものが提案、実施されているが、その形態はドーム状のものが最も一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような施設を屋根により覆ってしまうと当然に自然光の採光ができなくなり、常時人工照明に頼らざるを得ない。そして、全面的に人工照明に頼ることは、必要な照度は確保できるものの内部の雰囲気が閉鎖的になってしまうことは否めず、開催される競技やイベントによっては好ましくない場合がある。また、全ての競技やイベントを人工照明で照度確保することは電気代等の維持管理費用が膨大なものとなり、このためこの種の施設に設ける屋根として自然光の採光が可能なものが望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記事情に鑑み、本発明は、アーチ状の構造体により屋根面が支持されてなるドーム屋根であって、前記構造体の上部を屋根面上に突出させ、該突出部に自然光を採光するためのトップライトを設けてなり、前記トップライトの下方に位置せしめて前記構造体の下部に半透光性材料からなる膜材を取り付けるとともに、少なくとも前記トップライトの近傍の天井面を光反射性の天井材により形成し、前記トップライトより採光した自然光の一部を前記膜材により天井面に向けて反射させかつ天井面により下方に向けて反射させる構成としたことを特徴とする。
本発明においては、前記構造体の横断面形状を三角形としてその頂部を屋根面上に突出させ、前記トップライトを該構造体の頂部の形状に沿う山形に形成することが好適である。さらに、前記トップライトの下方に開閉可能な遮光手段を設けることが好適であり、その遮光手段を下部が軸支されて上下方向に回動可能な遮光板を用いて構成し、それを上方に回動させて係止することにより開いた状態を保持するとともに、係止を解除することで自重により下方に回動させて閉じる構成のものが好適である。また、トップライトに換気や排煙用の開放可能な窓を設けることも可能である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本実施形態のドーム屋根1の要部拡大断面図、図2および図3はその屋根1を設けたスタジアム施設の全体立断面図である。本実施形態の屋根1は平面視円形ないし楕円形状をなすドーム状のもので、多数のアーチ状の構造体2を主体とする中央屋根部3と、平行弦トラス4を主体とする外周屋根部5と、それらの境界部に位置するリングトラス6により構成されたものである。
【0006】
上記構造体2は、その詳細を図1に示すように、2本のアーチ材7と、それらアーチ材7に対する補剛材として機能するトラス8と、それらアーチ材7とトラス8とを連結する束材9とにより構成されたものである。上記のトラス8は上弦材8a、2本の下弦材8b、それらを連結するラチス材8cにより構成された三角形断面のもので、各下弦材8bに対してアーチ材7が束材9により連結されることでこの構造体2全体が三角形状をなすものとされている。そして、互いに隣合う構造体2どうしの間にはトラス8の下弦材8bどうしを連結する連結材10が架設され、それら連結材10上に屋根材11が取り付けられて中央屋根部3の屋根面3aが形成されているとともに、その連結材10の下面側の位置には天井材12が取り付けられて天井面12aが形成されている。なお、上記の連結材10は構造体2の内側にも設けられているが、後述するトップライト14からの採光を可能とするべく、そこには天井材12は取り付けられていない。また、上記の天井材12の素材としては、トップライト14から採光した自然光を反射させることを目的として、少なくとも構造体2の近傍の範囲においては光反射性を有する素材たとえば鋼板が用いられている。
【0007】
上記のように、構造体2の高さ方向ほぼ中間位置に屋根面3aが形成されていることにより、上記の構造体2の頂部は屋根面3a上に突出することになり、その突出している頂部には屋根面3aに連続するように、かつ構造体2の頂部の形態に沿って山形をなすようにガラス13が装着されることにより、自然光を採光するための山形のトップライト14が形成されている。
【0008】
そして、構造体2を形成している2本のアーチ材7の間には、光透過率がたとえば40%程度(換言すれば光反射率が60%程度)の半透光性材料からなる膜材20が、その幅方向中央部を張設部材21によって上方へ引き上げられることで両側へ若干傾斜しかつ弛むことのないように張設されている。したがって、上記のトップライト14を通して入射した自然光は、図1中の矢印で示す如く、その一部が膜材20を透過して拡散されるが、他は膜材20により構造体2の外側に向けて反射され、さらに光反射性を有する天井材12によって形成されている天井面12aにより下方に向けて反射されるようになっている。これにより、トップライト14から自然光が施設内に有効に取り入れられて晴天時においてはそれのみで十分な照度を確保できるし、内部での競技等に支障を来す懸念のある直射光を膜材20により遮ることができるものとなっている。
【0009】
また、上記構造体2の内側の天井面12aの位置には、必要に応じてトップライト14からの採光を遮るための開閉可能な遮光手段30が設けられている。本例における遮光手段30は、下部が軸33により軸支されて上下方向に観音開き状に開閉する2枚の遮光板31が用いて構成されている。それら遮光板31は実線で示すごとく上方へ回動した状態で係止されて開状態を保持し、必要に応じて係止が解除されることにより自重により速やかに下方に回動して鎖線で示す如く水平姿勢となって閉状態となり、その閉状態ではトップライト14からの入射光を遮って施設内を暗転させることが可能なものである。本例における遮光板31の開閉機構は、遮光板31の上部に連結したワイヤ32をローラ33に巻回しておき、そのワイヤ32を遠方にて操作することで遮光板31の係止およびその解除を行うものとされ、簡便な機構でありながら特に遮光板31の係止を解除して閉じる動作を瞬時に行わしめることが可能なものである。
【0010】
上記のようなトップライト14を備えた屋根1にあっては、この屋根1により施設全体を覆いながらも中央屋根部3の全面にわたって設けた多数のトップライト14により十分な自然光の採光が可能なものであり、施設内部の雰囲気を開放的なものとできる。特に、トップライト14を屋根面3aを支持する構造体2に組み込むようにしたから、トップライト14を屋根面3a全体に支障なく分散配置することができ、かつ、構造体2の形態を有効に利用した無理のない構造のものとできる。また、本例ではトップライト14の形態が構造体2の頂部の形態に対応して山形とされているので、採光面積を大きく確保することが可能であるし、設置向きによっては両方向からの採光が可能である。
【0011】
なお、上記実施形態では、横断面形状が三角形をなす構造体2にトップライト14を組込んだ形態であるので、トップライト14は自ずと山形の形態をなすものとなっているが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、適宜の形態の構造体に対してそれに対応する適宜の形態のトップライトを設けることができる。
【0012】
また、上記の膜材20を巻き取りや折り畳み可能あるいは構造体2に対して着脱可能として必要なときのみ展開するように構成することも可能であるし、その膜材20に吸音材あるいは音響反射材としての機能を付加し、施設内部の音響特性の調整、改善に利用することも可能である。
【0013】
また、遮光手段30の構成も、上記のような遮光板31を回動させて開閉させる構成のものに限らず、たとえば巻取り式のロールスクリーンの如き形態の遮光手段を採用することも可能である。
【0014】
さらに、図1に鎖線で示すように、トップライト14の頂部に開放可能な窓40を設けて、それを換気あるいは排煙もしくはその双方の目的にために使用することも考えられる。
【0015】
さらになお、このような施設を寒冷地や多雪地域に設ける場合、冬季においてトップライト14を構成するガラス13に内面結露が生じたり、屋根面3a上に積った雪によりトップライト14が埋ってしまって採光の支障になることも想定されるので、それを防止するべく、たとえばトップライト14の内側をダクトとして温風を吹き出して結露を防止したり、トップライト14の周囲に融雪用のヒータを設けておくことが考えられる。
【0016】
【発明の効果】
以上のように、本発明のドーム屋根は、屋根面上に突出する構造体の上部に自然光を採光するためのトップライトを設けたものであるから、その屋根により施設全体を覆いながらもトップライトより十分な自然光の採光が可能であり、開放的な雰囲気が得られるとともに人工照明が節約できて電気代を含む維持管理費を軽減できるものである。また、そのトップライトを屋根面を支持する構造体に組み込むようにしたから、トップライトを屋根面全体に支障なく分散配置することができるとともに構造体の形態を有効に利用した無理のない構造のものとできる。
しかも、トップライトの下部に位置せしめて半透光性材料からなる膜材を取り付け、その近傍の天井面を光反射性の天井材により形成したので、トップライトからの採光の一部が膜材を透過して拡散され、かつ膜材および天井面を反射して間接的にも取り入れられ、十分かつ均一な照度を確保できるとともに直射光を膜材により遮ることもできる。
【0017】
また、構造体の横断面形状を三角形としてその頂部を屋根面上に突出させ、トップライトの形態を構造体の頂部に沿うような山形のものとすることにより、採光面積を大きく確保することが可能であるし、設置向きによっては両方向からの採光が可能である。さらに、トップライトの下方に開閉可能な遮光手段を設ければ必要に応じて施設内を暗転させることができ、その遮光手段として自重により回動して閉じる構成の遮光板を採用すれば簡単な機構で速やかに閉じることが可能である。また、トップライトに開放可能な窓を設ければそれを換気や排煙のために使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態である屋根の要部を示す断面図である。
【図2】 同屋根を備えた施設の全体立断面図である。
【図3】 同、他方向の全体立断面図である。
【符号の説明】
1 ドーム屋根
2 構造体
3 中央部屋根
3a 屋根面
11 屋根材
12 天井材
12a 天井面
14 トップライト
20 膜材
30 遮光手段
31 遮光板
40 窓
Claims (5)
- アーチ状の構造体により屋根面が支持されてなるドーム屋根であって、前記構造体の上部を屋根面上に突出させ、該突出部に自然光を採光するためのトップライトを設けてなり、
前記トップライトの下方に位置せしめて前記構造体の下部に半透光性材料からなる膜材を取り付けるとともに、少なくとも前記トップライトの近傍の天井面を光反射性の天井材により形成し、前記トップライトより採光した自然光の一部を前記膜材により天井面に向けて反射させかつ天井面により下方に向けて反射させる構成としたことを特徴とするドーム屋根。 - 請求項1記載のドーム屋根であって、前記構造体の横断面形状を三角形としてその頂部を屋根面上に突出させ、前記トップライトを該構造体の頂部の形状に沿う山形に形成してなることを特徴とするドーム屋根。
- 請求項1または2記載のドーム屋根であって、前記トップライトの下方に開閉可能な遮光手段を設けてなることを特徴とするドーム屋根。
- 請求項3記載のドーム屋根であって、前記遮光手段を、下部が軸支されて上下方向に回動可能な遮光板を用いて構成し、該遮光板を上方に回動させて係止することで開いた状態を保持させ、係止を解除することで自重により下方に回動せしめて閉じる構成としたことを特徴とするドーム屋根。
- 請求項1,2,3または4記載のドーム屋根であって、前記トップライトに換気や排煙用の開放可能な窓を設けたことを特徴とするドーム屋根。
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