JP3783401B2 - インキュベータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物や細胞の培養や抗原抗体反応などに用いられるインキュベータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
微生物や細胞などの培養や、物質の生化学的反応などの試験に用いられる装置として、インキュベータが知られている。インキュベータは、試験対象の試料を収納するチャンバに、このチャンバ内の温度や湿度などの環境条件を調整して保持する機能を備えたものである。一般に、同一環境条件下で多数の試料を対象として実験を行うため、インキュベータには多数の試料を収納するための試料収納部が設けられている。試料収納部は、一般に多段の棚より構成されており、これらの棚の各段にてマイクロプレートなどの試料を収納するための容器が格納される。そして、従来のインキュベータではこれらの多数の試料の環境条件を出来るだけ均一にするため、インキュベータ内部に空気循環用のファンが設けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インキュベータ内部の空気の循環は試料の数量や配置によって一定でなく、配置の密度や遍在状態によって異る。すなわち温度や湿度の環境条件の設定を同一にしていても、個々の試料について見た場合には、インキュベータ内に置かれる位置や同時に収納される試料の数量によって実際の環境条件はばらついていた。そして、この環境条件のばらつきが、試験結果の信頼性に悪影響を及ぼすという問題点があった。
【0004】
そこで本発明は、内部の環境条件のばらつきを抑制し、信頼性の高い試験を行うことができるインキュベータを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のインキュベータは、チャンバと、このチャンバ内の環境条件を調整する環境条件調整手段と、前記チャンバ内で昇降手段によって昇降する昇降プレートと、前記昇降プレートに回転自在に装着されたスプライン軸受けと、このスプライン軸受けを上下に挿通するスプライン軸と、このスプライン軸を回転させるモータと、試料を収納する容器を載置し前記スプライン軸受けと共に回転する複数の回転棚と、前記回転棚に所定パターンの回転動作と昇降動作を行わせることにより前記チャンバ内の空気を前記回転棚によって攪拌させるための制御部とを備える。
【0006】
本発明によれば、チャンバ内に設けられた試料収納用の回転棚を回転させる回転手段と、この回転棚を昇降させる昇降手段を備えることにより、チャンバ内の空気を攪拌して環境条件を均一にすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態のインキュベータの斜視図、図2は同インキュベータの試料収納部の正面図、図3は同インキュベータの回転棚の平面図である。
【0008】
まず図1を参照してインキュベータの全体構造を説明する。図1において、インキュベータ1の本体部は、チャンバ2、扉3およびチャンバ2内に設けられた試料収納部4より成る。チャンバ2は内外壁を有する2層構造のウォータジャケットとなっており、内壁と外壁の間には温度調節媒体である水が循環している。チャンバ2には水循環用の配管5が接続されており、ウォータジャケットから戻った水は循環ポンプ6によりヒータ7に送られ、加熱されて再びウォータジャケットに送られる。
【0009】
また、チャンバ2にはCO2配管10を介してCO2ボンベ8が接続されており、CO2配管10には調節弁9が設けられている。チャンバ2の側壁の内側にはセンサ11,12が備えられており、センサ11,12はチャンバ2内部の温度、CO2濃度を計測し、計測データを環境コントローラ13に送る。環境コントローラ13によってヒータ7および調節弁9を制御することにより、チャンバ2内の温度およびCO2濃度が調整され、チャンバ2内は所定の環境条件に保持される。したがって、環境コントローラ13、循環ポンプ6、ヒータ7、CO2ボンベ8および調節弁9は環境条件調整手段となっている。環境コントローラ13は制御部37によって制御され、キーボードなどの入力手段38から指令値を入力することにより、チャンバ2内の環境条件が設定されるようになっている。
【0010】
次に試料収納部4について説明する。図1、図2において、昇降プレート20の両端部にはナット25が配設され、ナット25には送りねじ24が螺入している。図1において、2本の送りねじ24の上端部にはプーリ26が、モータ29の回転軸にはプーリ27がそれぞれ結合されており、プーリ27および2個のプーリ26にはベルト28が調帯されている。
【0011】
図2において、昇降プレート20にはスプライン軸受け31が昇降プレート20に対して回転自在に装着されている。スプライン軸受け31には最上段の回転棚21が固着されており、その下方には複数の回転棚21が連結部材により懸吊されている。スプライン軸受け31にはスプライン軸30が挿通しており、図1に示すようにスプライン軸30の上端部にはプーリ32が結合されている。モータ35の回転軸にはプーリ33が結合され、プーリ33とプーリ32にはベルト34が調帯されている。モータ35を駆動することによりスプライン軸30は回転する。スプライン軸30によってスプライン軸受け31が回転することにより、回転棚21も共に回転する。したがってモータ35およびスプライン軸30は回転棚21の回転手段となっている。またモータ29を駆動することにより、送りねじ24が回転し、昇降プレート20と共に回転棚21は昇降する。すなわちモータ29および送りねじ24は回転棚21の昇降手段となっている。
【0012】
制御部37によってモータ駆動部36を制御することにより、全ての回転棚21を回転させ、また昇降させることができる。このとき、スプライン軸30およびスプライン軸受け31により、昇降プレート20の上下位置に関係なく回転棚21を回転させることができ、したがって昇降動作および回転動作を自由に組み合せて回転棚21の任意の動作パターンを設定することができる。
【0013】
図1,図3に示すように、回転棚21には円周方向の当配位置に、複数の切欠き部21aが設けられている。切欠き部21aには試料を収納する容器であるマイクロプレート22が載置される。また、回転棚21には複数の開口部21bが設けられており、これらの開口部21bを介して上下方向に空気が流通し、チャンバー2内の空気の循環がより良好に行われるようになっている。21cはスプライン軸30が貫通するための開口部である。
【0014】
培養時間中にこれらのマイクロプレート22をチャンバー2から出し入れするには、扉3の開口部3aが用いられる。すなわち、マイクロプレート22の出し入れ対象となる特定の回転棚21の特定の切り欠き部21aを、回転棚21の昇降動作、回転動作により開口部3aの位置まで移動させ、ロボットアームなどの搬送手段(図外)により開口部3aからマイクロプレート22を出し入れする。このように、回転棚21や回転手段、昇降手段がチャンバー2内部におけるマイクロプレート22の搬送手段を兼ねているので、マイクロプレート22の出し入れ用の開口部3aは一個設けるのみでよく、したがってマイクロプレート出し入れ時の外部空気の流入や内部空気の流出など、環境条件の外乱要素を最小限に抑制することができる。
【0015】
このインキュベータは上記のように構成され、以下動作を説明する。まず図1において、チャンバ2の扉3を閉鎖する。次いで入力手段38により制御部37を操作し、所定の環境条件を設定する。これにより、環境コントローラ13が作動し、循環ポンプ6およびヒータ7、ならびに調節弁9を駆動させてチャンバ2内の環境条件調節を行う。チャンバ2内が所定の環境条件になったならば、扉3の開口部3aの開閉蓋(図外)を開放して図示しない搬送手段により、マイクロプレート22を開口部3aを通して回転棚21の切欠き部21a上に載置する。
【0016】
全てのマイクロプレート22を所定の回転棚21上に載置したならば、モータ29、モータ35を駆動して回転棚21に所定パターンの回転動作、昇降動作を継続的に行わせる。これにより、チャンバ2内の空気は回転棚21によって攪拌され、温度やCO2濃度が均一化される。また、回転棚21の動作によってマイクロプレート22が培養時間中に同一の位置に停留することがなく、したがってチャンバ2内の位置に起因する局部的な環境条件のばらつきを排除して、全てのマイクロプレート22に対して同一の環境条件が実現される。
【0017】
そして所定時間が経過し、特定のマイクロプレート22を取り出すタイミングになったならば、そのマイクロプレート22が載置された回転棚21を扉3の開口部3aの高さに位置させる。次いでその特定のマイクロプレート22が開口部3aに位置するように回転棚21を回転させる。そして、図示しない搬送手段により、マイクロプレート21は取り出されて分析装置などの他装置へ搬送される。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、チャンバ内に設けられた試料収納用の回転棚を回転させる回転手段と、この回転棚を昇降させる昇降手段を備えることにより、チャンバ内の空気を攪拌して環境条件を均一にして、試験の信頼性を高めることができる。また、これらの回転手段、昇降手段により、特定位置の試料をチャンバ内の特定位置まで搬送することができるので、試料取り出し用の開口部は1箇所のみでよく、搬入・搬出時の外気流入や内部空気の流出などの環境条件の外乱要素を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のインキュベータの斜視図
【図2】本発明の一実施の形態のインキュベータの試料収納部の正面図
【図3】本発明の一実施の形態のインキュベータの回転棚の平面図
【符号の説明】
1 インキュベータ
2 チャンバ
4 試料収納部
13 環境コントローラ
20 昇降プレート
21 回転棚
22 マイクロプレート
24 送りねじ
29 モータ
30 スプライン軸
35 モータ
Claims (1)
- チャンバと、このチャンバ内の環境条件を調整する環境条件調整手段と、前記チャンバ内で昇降手段によって昇降する昇降プレートと、前記昇降プレートに回転自在に装着されたスプライン軸受けと、このスプライン軸受けを上下に挿通するスプライン軸と、このスプライン軸を回転させるモータと、試料を収納する容器を載置し前記スプライン軸受けと共に回転する複数の回転棚と、前記回転棚に所定パターンの回転動作と昇降動作を行わせることにより前記チャンバ内の空気を前記回転棚によって攪拌させるための制御部とを備えることを特徴とするインキュベータ。
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JP12570098A JP3783401B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | インキュベータ |
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JP12570098A JP3783401B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | インキュベータ |
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Family Applications (1)
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JP12570098A Expired - Fee Related JP3783401B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | インキュベータ |
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