JP3783123B2 - 大豆自動計量装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大豆を予め設定した重量ごとに自動計量する大豆計量装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動シャッタを備えたタンクと、このタンクから収納袋に充填される穀類の重量を計測する重量計を備え、重量計による風袋の検出時にタンクの自動シャッタを開き、かつ重量計による所定重量の計測時に自動シャッタを閉じる構成の穀類自動計量機は、特開平2−103420号公報に記載されている。
【0003】
この穀類自動計量機は、これを大豆の自動計量にもそのまま用いることができるので、従来から穀類自動計量機は大豆の自動計量機としても実用に供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特開平2−103420号公報に記載されている従来の穀類自動計量機は、主として玄米の自動計量に用いるものであるから、タンクの穀類流出口を開閉するシャッタが閉じたときのシャッタと穀類流出口の開口端との間隔は、玄米が漏出しない程度に狭い(約3mm)幅に設定されている。このため、玄米より粒径が著しく大であるうえ略球状である大豆の計量に用いる場合には、シャッタが閉じる過程で穀類流出口の開口端とシャッタとの間に大豆が挟まってシャッタが閉じきらずに、大豆が漏出し続けて計量誤差が生じることがあるうえ、このような場合には、穀類流出口の開口端とシャッタとの間に挟まった大豆が損傷することがある。
【0005】
また、穀類流出口を閉じているシャッタが開く方向の過程では、大豆が略球状であって転がりやすい性質を有するところから、シャッタの開く方向の動きにつられて大豆が穀類流出口の開口端からシャッタ上にはみ出すことがあり、このはみ出した大豆がシャッタを閉じる過程で逆に穀類流出口の開口端とシャッタとの間に挟まって、シャッタの動作を妨げることがあるうえ、挟まった大豆が損傷することがある。
【0006】
そこで、本発明は、従来の穀類自動計量機を大豆の計量に用いる場合の問題点に鑑み、シャッタの閉じた位置における大豆流出口の開口端との間隔を大豆の粒径よりともに大きくとることと、大豆流出口のシャッタが閉じ始める側と閉じ終わる側に、それぞれ大豆の粒径より小さい間隔でシャッタと対向する弾性板を設けることにより、大豆流出口の開口端とシャッタとの間に、シャッタの開閉方向に対して常に大豆の粒径より小さい間隔を保持することができて、シャッタが閉じ終わる際に弾性板の撓みによって大豆流出口のシャッタが閉じ終わる側の開口端とシャッタとの間に大豆が挟まるのを防止することができるとともに、シャッタが開く過程において大豆流出口のシャッタが閉じ始める側の開口端からシャッタ上に大豆がはみ出すことを防止することができ、シャッタの開閉に誤動作が生じることがなく、シャッタに開閉に伴って大豆が損傷することがない大豆自動計量装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、計量の終了間際に大豆の流出量を絞ることにより計量精度を高くする、いわゆる小量落ちの態様において、大豆流出口のシャッタが閉じ終わる側の開口端とシャッタとの間の開口度を弾性板の撓み復元作用により自動調整することができて、小量落ちのブリッジによる詰まり現象や停滞現象を解消して小量落ちを円滑かつ定量化し、計量精度の向上を図ることができる大豆自動計量装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明に係る大豆自動計量装置は、自動シャッタを備えたタンクと、このタンクから収納袋に充填される大豆の重量を計測する重量計を備え、重量計による所定重量の計量時にシャッタを閉じる構成の大豆自動計量装置において、タンクの下向きに開口した大豆流出口を上下方向に弧を描いて開閉するシャッタを備えており、シャッタの閉じた位置における大豆流出口の開口端との間隔を大豆の粒径より大きくとるとともに、大豆流出口のシャッタが閉じ始める側と閉じ終わる側に、それぞれ大豆の粒径より小さい間隔でシャッタと対向する弾性板を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る大豆自動計量装置においては、大豆流出口のシャッタが閉じ始める側はシャッタが閉じる方向に傾斜状に開口していて弾性板はその傾斜方向に、かつシャッタが閉じ終わる側は垂直状に開口していて弾性板はその垂直方向に設けた構成とすることが好適である。
【0010】
また、本発明に係る大豆自動計量装置においては、それぞれの弾性板は、大豆流出口を充満して流下する大豆によって拡開方向にやや撓むゴムまたはゴムを主体とする弾性板で成る構成とすることが好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る大豆計量装置の全体斜視図、図2はその大豆流出口とシャッタ部分の縦断側面図、図3は大豆流出口の底面図、図4は大豆流出口を全開した態様を示す大豆流出口とシャッタ部分の縦断側面図、第5図は大豆の流出量を絞った態様を示す大豆流出口とシャッタ部分の縦断側面図である。
【0012】
図1において、1は大豆供給ホッパ、2はバケットコンベア、3はタンクである。上記タンク3の下部には、下向きに開口する豆流出口4が設けられており、その大豆流出口4には、それを上下方向に弧を描いて開閉するシャッタ5が備えられている。6は流出大豆の飛散防止筒である。7は制御盤である。上記大豆流出口4の下方には重量計8を配置して、その上にセットした収納袋(図示せず)に大豆流出口4から流出される大豆を収納する。その収納制御は上記制御盤7によって自動制御されるようになっている。
【0013】
図2ないし図5は、タンク3の大豆流出口4とシャッタ5の構成を示している。これらの図に示すように、大豆流出口4は下向きに開口している。その開口端9のシャッタ5が閉じ始める側9aは、シャッタ5が閉じる方向に傾斜状に開口しており、シャッタ5が閉じ終わる側9bは、垂直状に開口している。上記開口端9のシャッタ5が閉じ始める側9aの傾斜度は、シャッタ5を全開した態様において大豆が滞り無く流出する角度に設定されており、開口端9とシャッタ5の閉じた位置における間隔は、大豆の粒径より十分大きくとられている。なお、ここにいう大豆の粒径とは、計量する大豆の最も大きいものの長さとする。
【0014】
大豆流出口4の開口端9には、そのシャッタ5が閉じ始める側9aと、閉じ終わる側9bに、それぞれ弾性板10,11が取り付けられている。上記それぞれの弾性板10,11は、大豆流出口4を充満して流下する大豆によって拡開方向にやや撓むゴムまたはゴムを主体とする弾性板で成るものであって、弾性板10は、大豆流出口4のシャッタが閉じ始める側9aの傾斜方向に設けられており、かつ弾性板11は、シャッタ5が閉じ終わる側9bを下方に延長する方向には垂直状に設けられている。弾性板10,11とシャッタ5の閉じた位置における間隔は、大豆の粒径より小さくとられている。なお、ここにいう大豆の粒径とは、計量する大豆の最も小さいものの長さとするが、その大豆の粒径の半分未満の長さであることが好ましい。
【0015】
図示の実施の形態では、大豆流出口4の開口端9のシャッタ5が閉じ終わる側8bに設ける弾性板11を、前後の側面に少しかかるように平面視でコ字状に形成している。弾性板11をこのように形成することにより、大豆流出口4を充満して流下する大豆によって適度に拡開方向に撓み、かつ復元させることができ、大豆の流出自動調整作用を良好に保持することができるようになる。
【0016】
大豆供給ホッパ1からバケットコンベア2を経てタンク3に貯留される大豆は、シャッタ5を全開することにより(図4参照)、大豆流出口4から流出し、重量計8上にセットした収納袋(図示せず)に収納される。そして、制御盤7において予め設定した重量値が計測されると、シャッタ5が大豆流出口4を小さく絞る位置までに閉じて、大豆の流出量を絞った、いわゆる小量落ちにして大豆の収納を続け(図5参照)、計量設定値が計測された際にシャッタ5を全閉する。このように、計量の終了間際に小量落ちにするのは、重量計8において計量設定値が計測された時点でシャッタ5が閉じた際に、すでに大豆流出口4から流出した分による計量誤差を小さくし、計量精度を高くするためである。
【0017】
図5に示すように、小量落ちの場合においては、大豆流出口4の開口端9のシャッタ5が閉じ終わる側9bとシャッタ5との間の開口度が小さく絞られるが、このような小量落ちの態様にあって、大豆流出口4は大豆が小量ずつであっても滞り無く流出するように、その開口度が弾性板11の撓みおよび復元作用により適度に自動調整される。このため、玄米に比べて著しく大粒で略球状を呈する大豆であっても、ブリッジを生じて詰まったり、また、なだれ現象を起こすことがなく、適切な小量落ちの態様が保持されることになる(図5参照)。
【0018】
さらに、小量落ちの後、シャッタ5を全閉する過程において、大豆がシャッタ5と弾性板11との間に挟まることがあっても、その大豆は弾性板11の撓みによって損傷することはなく、しかもシャッタ5の閉動作も妨げられることがない(図2参照)。
【0019】
また、図4に示すシャッタ5の全開態様から図5に示す小量落ちとする絞り動作過程においては、大豆流出口4の開口端9のシャッタ5が閉じ始める側9aで、弾性板10が流出する大豆に押されて外方に撓んでいるので、閉じる方向に動作するシャッタ5は、弾性板10を少し押し上げたうえ閉じる方向に移動する。このため、シャッタ5の閉じる方向の動作が円滑で、大粒で略球状の大豆であってもシャッタ5が誤動作を起こすことはない。
【0020】
なお、本発明は大豆自動計量装置に係るものであるが、大豆の計量のほかにも、例えば小豆その他の豆類の計量にそのまま、あるは若干の機能調整を施することにより用いることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、シャッタの閉じた位置における大豆流出口の開口端との間隔を大豆の粒径よりともに大きくとることと、大豆流出口のシャッタが閉じ始める側と閉じ終わる側に、それぞれ大豆の粒径より小さい間隔でシャッタと対向する弾性板を設けることにより、大豆流出口の開口端とシャッタとの間に、シャッタの開閉方向に対して常に大豆の粒径より小さい間隔を保持することができて、シャッタが閉じ終わる際に弾性板の撓みによって大豆流出口のシャッタが閉じ終わる側の開口端とシャッタとの間に大豆が挟まるのを防止することができるとともに、シャッタが開く過程において大豆流出口のシャッタが閉じ始める側の開口端からシャッタ上に大豆がはみ出すことを防止することができ、シャッタの開閉に誤動作が生じることがなく、シャッタの開閉に伴って大豆が損傷することがない大豆自動計量装置を得ることができる。
【0022】
また、本発明によれば、計量の終了間際に大豆の流出量を絞ることにより計量精度を高くする、いわゆる小量落ちの態様において、大豆流出口のシャッタが閉じ終わる側の開口端とシャッタとの間の開口度を弾性板の撓み復元作用により自動調整することができて、小量落ちのブリッジによる詰まり現象や停滞現象を解消して小量落ちを円滑定量化し、計量精度の向上を図ることができる大豆自動計量装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る大豆計量装置の全体斜視図である。
【図2】図1に示す大豆計量装置の大豆流出口とシャッタ部分の縦断側面図である。
【図3】大豆流出口の底面図である。
【図4】大豆流出口を全開した態様を示す大豆流出口とシャッタ部分の縦断側面図である。
【図5】大豆の流出量を絞った態様を示す大豆流出口とシャッタ部分の縦断側面図である。
【符号の説明】
1 大豆供給ホッパ
2 バケットコンベア
3 タンク
4 大豆流出口
5 シャッタ
6 飛散防止筒
7 制御盤
8 重量計
9 開口端
9a 開口端9のシャッタ5が閉じ始める側
9b 開口端9のシャッタ5が閉じ終わる側
10 弾性板
11 弾性板
Claims (3)
- 自動シャッタを備えたタンクと、このタンクから収納袋に充填される大豆の重量を計測する重量計を備え、重量計による所定重量の計量時にシャッタを閉じる構成の大豆自動計量装置において、タンクの下向きに開口した大豆流出口を上下方向に弧を描いて開閉するシャッタを備えており、シャッタの閉じた位置における大豆流出口の開口端との間隔を大豆の粒径より大きくとるとともに、大豆流出口のシャッタが閉じ始める側と閉じ終わる側に、それぞれ大豆の粒径より小さい間隔でシャッタと対向する弾性板を設けたことを特徴とする大豆自動計量装置。
- 大豆流出口のシャッタが閉じ始める側はシャッタが閉じる方向に傾斜状に開口していて弾性板はその傾斜方向に、かつシャッタが閉じ終わる側は垂直状に開口していて弾性板はその垂直方向に設けたことを特徴とする請求項1記載の大豆自動計量装置。
- それぞれの弾性板は、大豆流出口を充満して流下する大豆によって拡開方向にやや撓むゴムまたはゴムを主体とする弾性板で成ることを特徴とする請求項1または2記載の大豆自動計量装置。
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1998
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