JP3783048B2 - 電池用セパレータ及びこれを用いたアルカリ二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池用セパレータ及びこれを用いたアルカリ二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ニッケル−カドミウム、ニッケル−水素等のアルカリ二次電池用のセパレータには、高温における耐アルカリ性や耐酸化性等の化学的安定性、電解液保持性、通気性等の諸性能が要求されるため、セパレータの構成基材としては、オレフィン系繊維が主として用いられている。
しかし、オレフィン系繊維セパレータは、化学的安定性の点で非常に優れているが、疎水性が大きく、電解液との親和性が劣り、電解液保持性も悪く、長期間の充放電の繰り返し使用により電解液がドライアウトし易い傾向にある。
そこで、オレフィン系繊維の問題点を解決するために、不織布シートに種々の親水性処理を施したものとして、a.水溶性湿潤性付与剤として界面活性剤で後処理したもの、b.アクリル酸、アクリル酸エステル等のアクリル樹脂系のモノマーやポリマーを、紫外線や電子線によってグラフト重合したもの、c.不活性ガス中で、酸素ガスやフッ素ガスで酸化処理したもの、d.発煙硫酸、濃硫酸、クロル硫酸、亜硫酸ガス等でスルフォン化処理したもの、が提案されている。
また、アルカリ二次電池の放電特性等を向上するため、耐アルカリ性合成繊維から成るセパレータ表層部に、金属イオン吸着性を有する無機微粉体(マグネシュウムシリケート)を結着剤により固着して電解液中への離脱を防いで金属イオンを吸着せしめて反対極性への移行をなくしたものも提案されている(特公昭52−37574号公報)。
さらに、オレフィン系樹脂繊維より構成される多孔質シートに、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体を基体とし、金属カチオン(特に亜鉛イオン)を添加・溶融混合して得られたアイオノマー樹脂を付与したものも提案されている(特開平4−233158号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のうち、親水性処理を施したセパレータは、次の問題がある。即ち、上記a,cのものは、電池の長期保存や充放電の繰り返しによって界面活性剤や酸化物(−COOH,−OH等)がオレフィン系繊維から簡単に脱落するため、セパレータ中の電解液が徐々に枯渇し、内部抵抗の上昇を惹起し、放電容量が低下する。
上記bのセパレータは、アクリル系樹脂が耐熱性、耐酸化性に乏しいため、電池の高温での寿命が短い。また、グラフト反応に紫外線や電子線を使うため、オレフィン系繊維の劣化を惹起して、微少短絡の危険が生じる。さらに、グラフト重合時に生じる副生物(ホモポリマー)の洗浄工程が必要であり、製造コストが高いという問題がある。
上記dのセパレータは、耐熱性、耐アルカリ性、耐酸化性に優れているが、電解液保持性に乏しく、この電解液保持性を改善するためにスルフォン化率を増加させると、発煙硫酸等の強酸によってオレフィン系繊維の劣化を生じ、微小短絡の危険が生じる。また、スルフォン化処理後に、未反応硫酸物の洗浄工程が必要であり、製造コストが高くつくという問題がある。
また、無機微粉体を結着剤で固着したセパレータは、結着剤が水系樹脂であり、かつ耐アルカリ性繊維が疎水性であるため、結着剤と耐アルカリ性繊維との接着力が弱く、無機微粉体が容易に脱落し易いばかりか、大量の結着剤を用いると、無機微粉体の表面が完全に結着剤によって被覆され、金属イオンの吸着性能が十分に発揮し難く、また水系分散樹脂(エマルジョン)を使用すると、その乳化剤が電解液中に溶解して、電池性能に悪影響を及ぼすという問題がある。
ところで、近年アルカリ二次電池を使用する製品(携帯電話・ノート型パソコン等のポータブル電子機器)の高性能化に伴って、電池の性能(長寿命・高容量化・小型化等)のより一層の向上が益々要求されているが、上記従来技術では、十分に対応できていないのが実情である。
【0004】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、電解液保持性、イオン交換容量及び強度が高く、耐アルカリ性や耐酸化性も良く、自己放電の抑制及び電池の長寿命化を図ることができ、かつ安価に提供できる電池用セパレータ及びこれを用いたアルカリ二次電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の電池用セパレータは、多孔性シートを構成する有機系繊維の表面部に形成された微細な空隙又は細溝に浸透して封着した有機溶媒に可溶なバインダー樹脂を用いて、有機系繊維表面及び繊維交絡部の少なくとも一部にイオン交換性微粉体を固着したことを特徴とする。この構成により、有機系繊維、バインダー樹脂、イオン交換性微粉体が全て耐アルカリ性、耐酸化性に優れ、かつそれぞれの材料がアンカー効果により強固に固着されているため、イオン交換性微粉体の物理的脱落や化学的分解を全く生じることがなく、電解液保持性やイオン交換能力を長く発揮することができる。また、イオン交換樹脂の付着量をコントロールするだけで、従来のスルフォン化やアクリル酸グラフト重合処理等の親水化処理に比べて、イオン交換容量を大幅に高め、かつ電解液保持性向上の機能を発揮することができる。また、このように構成されたセパレータをアルカリ二次電池に使用すると、電解液中の有害イオンの吸着能力が高まり、シャトル効果による自己放電を抑制することができると共に、電解液枯れがし難いので、電池の長寿命化を図ることができる。
また、上記のように固着したバインダー樹脂はセパレータの構成基材繊維同士の結合も大にする補強効果を発揮して、電池組み込み時の切断事故や長期充放電サイクルによる短絡を防止することができる。
【0006】
前記した本発明の電池用セパレータにおいては、バインダー樹脂とイオン交換性微粉体との混合重量比が、バインダー樹脂:イオン交換性微粉体=1:0.3〜1:10の範囲であることが好適であり、より好ましくはバインダー樹脂:イオン交換性微粉体=1:0.5〜1:6の範囲である。
【0007】
また前記した本発明の電池用セパレータにおいては、イオン交換性微粉体が、電解液中の有害イオンを吸着・捕獲すると共に、アルカリ電解液を保持する機能を発揮するように固着されていることが好ましい。すなわち、イオン交換性微粉体は、その表面がバインダー樹脂によって完全に被覆されるのではなく、表面の一部分を露出して被覆されるか、バインダー樹脂が微多孔部を有して略くもの巣状に被覆されて、イオン交換性微粉体のイオン交換能を十分に発揮することができる。ここで、電解液中の有害イオンとは、電解液中に出てくるアンモニウムイオン、塩素イオン、硝酸イオン等の化学イオンの他、マンガンイオン、鉄イオン、アルミニウムイオン等が正極上に析出して、電池性能を劣化する金属イオンである。
【0008】
また前記した本発明の電池用セパレータにおいては、バインダー樹脂が、耐アルカリ性、耐酸化性を有するスチレン系熱可塑性重合体、オレフィン系のポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂、ハロゲン化ポリオレフィン系のポリテトラフルオロエチレン樹脂から選ばれる少なくとも一つの樹脂であることが好ましい。スチレン系熱可塑性重合体としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBSと略す)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPSと略す)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SISと略す)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)等を用いることができる。
また前記したバインダー樹脂の一部又は全部が、スチレン系のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン系(SEBS)熱可塑性共重合体であることが特に好ましい。
【0009】
また前記した本発明の電池用セパレータにおいては、イオン交換性微粉体が、スチレン系又はアクリル系の陽イオン交換樹脂、スチレン系、アクリル系又はフェノール系の陰イオン交換樹脂、スチレン系又はピリジン系のキレート樹脂から選ばれる少なくとも一つの樹脂であることが好ましい。また、イオン交換性微粉体のイオン交換基は、電解液保持性を向上する点で、スルフォン酸基又はカルボン酸基から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
【0010】
また前記した本発明の電池用セパレータにおいては、イオン交換性微粉体が、耐アルカリ性を有し、かつアルカリ電解液中でイオン交換性を発現する金属酸化物、水酸化物及びその無機塩から選ばれる少なくとも一つを含むことが好ましい。
また前記した本発明の電池用セパレータにおいては、イオン交換性微粉体が、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、チタン酸カリウム、酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも一つを含むことが好ましい。
また前記した本発明の電池用セパレータにおいては、イオン交換性微粉体が、表面に微細な空隙を有する粒状、フレーク状、ウィスカ状又は鱗片状であることが好ましい。このイオン交換性微粉体は、冷凍粉砕法、機械粉砕法、アトマイズ法から選ばれる少なくとも一つの方法で得られ、より好ましくは冷凍粉砕法によるものであり、さらに、イオン交換性微粉体の平均粒径は、100μmパス、より好ましくは50μmパスであるものが好ましい。
【0011】
また前記した本発明の電池用セパレータにおいては、有機系繊維が、耐アルカリ性及び耐酸化性を有するポリマー系繊維であることが好ましい。
また前記した本発明の電池用セパレータにおいては、有機系繊維の一部又は全部が、オレフィン系繊維であることが好ましい。
【0012】
また前記した本発明の電池用セパレータにおいては、電池用セパレータがアルカリ二次電池用セパレータであることが好ましい。
次に本発明の電池用セパレータは、前記のセパレータを用いたアルカリ二次電池であるという構成を備えたものである。この構成により、電解液保持性、イオン交換容量及び強度が非常に優れ、耐アルカリ性や耐酸化性も良く、自己放電の抑制及び電池の長寿命化を図ることができ、かつ安価に提供できる電池用セパレータ及びこれを用いたアルカリ二次電池を提供することができる。
【0013】
以上の通り本発明は、オレフィン系繊維表面部(繊維表面から繊維内部にいたる表層部分)を有機溶媒でエッチングして多孔化せしめて、これに耐アルカリ性、耐酸化性を有する有機溶媒に可溶なバインダー樹脂がアンカー効果により強固に固着し、この強固に固着したバインダー樹脂によって、電解液中の有害イオンを吸着・捕獲すると共に、アルカリ電解液を保持する機能を有するイオン交換性微粉体を、アンカー効果を有して強固に固着している。このようにしたイオン交換性微粉体は、セパレータ製造工程中や電池組み込み時等において物理的に脱落することがなく、電解液保持性に優れ、長期間にわたってイオン交換能を発揮することができる。また、上記のように固着したバインダー樹脂はセパレータの構成基材繊維間同士の結合も大にしてセパレータ自体の強度を向上するという補強効果を発揮して、電池組み込み時の切断事故や長期充放電サイクルによる短絡を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて説明する。図1は本発明の電池用セパレータの一実施形態を示す模型的拡大図である。図1において、1は基体であるオレフィン系繊維である。前記オレフィン系繊維1の表面部は、微細な空隙2又は細溝が存在している。前記微細な空隙2又は細溝は、前記オレフィン系繊維を有機溶媒でエッチングすることにより形成される。この微細な空隙2又は細溝に一部浸入する形でバインダー樹脂3が外部に突出した構造で固着され、その突出部の先端の部分にイオン交換性微粉体4が固定されている。また前記イオン交換性微粉体4の一部は、露出部5が存在している。
図2は本発明の異なる実施形態を示す模型的拡大図であり、基体であるオレフィン系繊維1の表面部は、有機溶媒でエッチングされた微細な空隙2又は細溝が存在し、この微細な空隙2又は細溝に一部浸入する形でバインダー樹脂3が固着すると共に、イオン交換性微粉体4をその表面に多数の微多孔部6を有して固着している。
【0015】
本発明は、耐アルカリ性、耐酸化性を有する有機溶媒に可溶なバインダー樹脂を、多孔性シートを構成する有機系繊維の表面部に形成された無数の微細な空隙又は細溝に浸透、封着し、この浸透、封着したバインダー樹脂で以て有機系繊維表面及び繊維交絡部の少なくとも一部にイオン交換性微粉体を、このイオン交換性微粉体の大部分がその表面の一部を露出して固着したものである。
【0016】
上記バインダー樹脂とイオン交換性微粉体との混合重量比は1:0.3〜1:10、好ましくは1:0.5〜1:6の範囲であり、この混合重量比が1:0.3より小さすぎると、イオン交換性微粉体の表面がバインダー樹脂に完全に被覆されてしまって十分な電解液保持量とイオン交換容量が得られず、また上記混合比が1:10より大きすぎると、バインダー樹脂によるイオン交換性微粉体の保持力が不足して、セパレータ製造工程中、電池組み込み中においてイオン交換性微粉体の物理的な脱落が生じる。
【0017】
上記の点を確認するために、ポリプロピレン繊維製不織布に、バインダー樹脂(SEBS)とイオン交換性微粉体(スチレンスルフォン酸型強酸性陽イオン交換樹脂微粉体)との混合重量比を1:0.2〜1:12に変化させた溶液(有機溶媒:キシロール)を用いて試験片を作成して、この試験片を用いて後述の試験方法にて、混合重量比とイオン交換容量の関係を測定したところ、図3の結果を得た。また、混合重量比と電解液保持率の関係を測定したところ、図4の結果を得た。この結果から明らかなように、バインダー樹脂とイオン交換性微粉体との混合重量比が1:0.3未満になると、イオン交換容量及び電解液保持率が不十分であり、1:10を越えると、イオン交換性微粉体の脱落が生じて、イオン交換容量及び電解液保持率が低下することが確認することができた。
【0018】
有機溶媒に可溶なバインダー樹脂としては、耐アルカリ性、耐酸化性に優れるスチレン系熱可塑性共重合体、オレフィン系のポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂、ハロゲン化ポリオレフィン系のポリテトラフルオロエチレン樹脂のいずれか一種以上を用いることができ、特にスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)系共重合体を一部又は全部に用いると、オレフィン系繊維及びイオン交換性微粉体との接着性の点で好ましい。
【0019】
イオン交換性微粉体としては、含水時のイオン交換容量が0.5〜4.5meq/lのスチレン系、アクリル系、フェノール系又はピリジン系樹脂を基体とする陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂又はキレート樹脂や、イオン交換容量が0.4〜10.0meq/gのジルコニウム系、チタン系、アルミニウム系又はアンチモン系の金属酸化物、水酸化物又はその無機塩で、特に酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化アンチモン、酸化アルミニウム又は酸化ジルコニウムが適当である。
【0020】
有機系のイオン交換性樹脂としては、ジビニルベンゼンで三次元架橋されたポリスチレン樹脂をスルフォン化した強酸型陽イオン交換樹脂又はその金属塩か、ジビニルベンゼンで三次元架橋されたポリアクリル酸エステル樹脂を加水分解した弱酸型陽イオン交換樹脂又はその金属塩か、またはこれらを適当に組み合わせたものが好適である。
上記イオン交換性微粉体とは、その形状が粒状(球状、微多孔性粒状又は微粒状のものを含む)、フレーク状、ウィスカ状又は鱗片状のものをいい、これらのものを単独又は混合して用いることができる。特に、表面に微細な多孔(空隙)を有する形状のものを用いるときは、バインダー樹脂とアンカー効果を有して固着されると共に、表面積の増大に伴ってアルカリ電解液中においてイオン交換能を十分に発揮することができるので好ましい。
【0021】
また、上記イオン交換性微粉体の平均粒径は、100μmパス,好ましくは50μmパスであると、樹脂表面積が大きく、樹脂の有するイオン交換容量を十分に発揮できるため、電解液保持性を向上させると共に、膜抵抗(内部抵抗)を低くすることができる。
ところで、上記金属塩は、カリウム型やナトリウム型の塩にした状態で機械的に粉砕すると、容易に微粉体を得ることができる。
また、イオン交換性の樹脂粉体は、含水率が35〜75%、粒度分布が0.3〜1.2mmの球状又は破砕状のイオン交換樹脂を乾燥処理して水分を飛ばした後、液体窒素で冷凍粉砕して作製することもできる。
【0022】
市販のイオン交換樹脂としては、ローム・アンド・ハース製”デュオライト(登録商標)”、三菱化学製”ダイヤイオン(登録商標)”、ローム・アンド・ハース製”アンバーライト(登録商標)”、ダウケミカル製”ダウエックス(登録商標)”等を用いることができる。
【0023】
また、イオン交換性のある多孔性の無機粉体としては、耐アルカリ性がある、ジルコニウム系、アンチモン系又はアルミニウム系の各種金属酸化物、水酸化物又はその金属塩を用いることができ、特に酸化チタンやチタン酸カリウム、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等を用いることができる。
ところで、これらの溶剤系バインダー樹脂とイオン交換性微粉体のうち、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン系熱可塑性共重合体と、強酸型陽イオン交換性又はその金属塩との組合せがアルカリ二次電池用セパレータとして特に好ましい。
【0024】
本発明に用いる有機系繊維としては、耐アルカリ性、耐酸化性を有するポリマー系繊維であり、好ましくはオレフィン系繊維を一部又は全部に用いると好適であり、オレフィン系繊維としては、ポリプロピレンとポリエチレンやポリメチルペンテンとポリエチレンとから成る分割型繊維の他、オレフィン系のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン繊維や芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレンである芯鞘型のポリオレフィン繊維や多孔質型のポリエチレン又はポリプロピレン繊維が使用できる。
【0025】
次に、上記構成のアルカリ電池用セパレータの製造方法の一例としては、オレフィン系繊維を膨潤してその表面部に多数の空隙又は細溝を形成するための芳香族炭化水素系の溶剤に、バインダー樹脂を溶解し、かつイオン交換性微粉体を分散したスラリーを、オレフィン系繊維から成る不織布シートに含浸、散布又は塗布した後、熱風乾燥して溶剤を蒸発する製造方法がある。
ところで、上記方法において、スラリーの付着方法を、含浸、散布又は塗布に変えることにより、イオン交換性微粉体を不織布シートの内部に略均一に分散したり、または表面部から内部に又は逆に、比較的微細な粒径のイオン交換性微粉体が分散した高密度域を形成し、比較的大なる粒径のイオン交換性微粉体が分散した低密度域を形成する密度勾配型にすることができる。そして、この密度勾配型にしたときは、セパレータを電池に組み込むとき、高密度側を負極に、低密度側を正極に配置することにより、ガス透過性をより一層向上することができる。
【0026】
上記製造方法に用いる有機溶剤としては、キシレン、トルエン、メチルシクロヘキサン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレンのいずれか一種以上が適当である。
ところで、蒸発速度の早いベンゼンやシクロヘキサンのような芳香族系炭化水素の溶剤を使用したり、加熱温度が高すぎると、溶剤の溶解作用によって繊維表面部に空隙又は細溝が形成される前に、溶剤が蒸発してしまうため、オレフィン系繊維とバインダー樹脂との接着力が不十分となり、また、イオン交換性微粉体の脱落が生じ易くなって好ましくない。
【0027】
本発明によるときは、加温によって溶解作用を生じる溶剤によって形成されたオレフィン系繊維表面部の無数の微細な空隙又は細溝に、バインダー樹脂が潜入して強固に固着し、イオン交換性微粉体がこの一種のアンカー効果を有するバインダー樹脂で以て、多孔性シートの繊維表面又は繊維交絡部の少なくともその一部に、大部分のイオン交換性微粉体がその表面の一部に露出部を有して強固に固着される。
ここで、大部分のイオン交換性微粉体がその表面の一部に露出部を有しているとは、分散したイオン交換性微粉体の全部がその全表面をバインダー樹脂で完全に被覆された状態ではなく、完全に被覆されたものや一部被覆されたものが混在して、一部被覆されたものが過半数を占めている状態をいうものである。
【0028】
また、一部被覆されたものとは、露出部が各イオン交換性微粉体の表面の一部に存在している状態をいうが、イオン交換性微粉体の表面積の少なくとも3分の1以上の割合で多数の微多孔部を有するくもの巣状に占める状態を呈する方がより好ましい。
また、バインダー樹脂とイオン交換性微粉体との混合重量比、付着量をコントロールしたり、イオン交換性微粉体をカチオン交換性微粉体とアニオン交換性微粉体とを併用することによって、電解液保持性やイオン交換性能等を要求される電池性能に応じて自由にコントロールすることができる。
【0029】
【実施例】
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
ポリエチレンとポリプロピレンとから成る分割型ポリオレフィン繊維(大和紡績製 商品名DF−72,繊度2d,分割後繊度0.2d)を用いて通常の抄造法でシート化した後、ウオータジェット加工し、熱カレンダー加工して、目付30g/m2 ,厚み100μmの不織布シートを作製した。
次に、上記不織布シートを、下記配合条件のスラリー(溶媒:キシロール、固形分濃度10%)に含浸した後、80℃×5分間熱風乾燥処理して溶剤を蒸発し、続いて厚み調整のために、熱ロール(温度125℃)によるカレンダー加工をして、付着量6g/m2 ,目付36g/m2 ,厚み100μmのセパレータaを作製した。
【0030】
(実施例2)
実施例1の不織布シートを用いて、下記配合条件2のスラリー(溶媒及び固形分濃度は実施例1と同じ)に含浸して実施例1と同様の方法で、付着量6g/m2,目付36g/m2 ,厚み100μmのセパレータbを作製した。
【0031】
(実施例3)
実施例1と同様の不織布シートを用いて、下記配合条件3のスラリー(溶媒及び固形分濃度は実施例1と同じ)に含浸して、実施例1と同様の方法で、付着量6g/m2 ,目付36g/m2 ,厚み100μmのセパレータcを作製した。
上記実施例1,2,3の各セパレータの構成は、模型的拡大図である図1に示すように、オレフィン系繊維1の表面部に無数の空隙2を有し、この空隙2内に溶剤系バインダー樹脂3が浸透して封着して強固に固着するとともに、この溶剤系バインダー樹脂3が繊維表面及び繊維交絡部の少なくとも一部にイオン交換性微粉体4を、その大部分の表面に露出部5を有して強固に固着していた。
【0032】
(実施例4)
芯部がポリプロピレン、鞘部がポリエチレンから成る芯鞘型ポリオレフィン繊維(大和紡績 商品名NBF,繊度0.9d/1.5d,混合比率1:1)を用いて通常のカード法でクロスウェブをシート化した後、熱カレンダー加工をして、目付50g/m2 ,厚み170μmの不織布シートを作製した。
次に、上記不織布シートの内部に、下記配合条件4のスラリー(溶媒及び固形分濃度は実施例1と同じ)が浸透するように塗布加工を施した後、100℃×5分間熱風乾燥処理をして溶剤を蒸発して、付着量6g/m2 ,目付56g/m2 ,厚み170μmの電池用セパレータdを作製した。
【0033】
(実施例5)
実施例4と同様の不織布シートを用いて、下記配合条件5のスラリー(溶媒及び固形分濃度は実施例1と同じ)がシート内部に浸透するように実施例4と同様の方法で、付着量6g/m2 ,目付56g/m2 ,厚み170μmの電池用セパレータeを作製した。
【0034】
(実施例6)
実施例4と同様の不織布シートを用いて、下記配合条件6のスラリー(溶媒及び固形分濃度は実施例1と同じ)がシート内部に浸透するように実施例4と同様の方法で、付着量6g/m2 ,目付56g/m2 ,厚み170μmの電池用セパレータfを作製した。
【0035】
(実施例7)
実施例4と同様の不織布シートを用いて、下記配合条件7のスラリー(溶媒及び固形分濃度は実施例1と同じ)がシート内部に浸透するように実施例4と同様の方法で、付着量6g/m2 ,目付56g/m2 ,厚み170μmの電池用セパレータgを作製した。
【0036】
上記実施例4,5.6,7の各セパレータの構成は、模型的拡大図である図2に示すように、基体であるオレフィン系繊維1の表面部に、有機溶媒でエッチングされた微細な空隙又は細溝を有し、この微細な空隙又は細溝に浸入する形でバインダー樹脂3が固着すると共に、イオン交換性微粉体4をその表面に有して強固に固着していた。また前記バインダー樹脂3には多数の微多孔部6を有し、イオン交換性微粉体4が外部の液体と直接接触できる状態を示していた。
【0037】
(比較例1)
下記配合条件8のスラリー(溶媒:水、固形分濃度10%)を用いて、実施例1と同様の方法で、付着量6g/m2 ,目付36g/m2 ,厚み100μmのセパレータhを作製した。
【0038】
(比較例2)
実施例1の不織布シートに、SEBS樹脂とイオン交換樹脂粉体の重量比100:20にしたスラリーを用いて、付着量10g/m2 ,目付40g/m2 、厚み170μmのセパレータiを作製した。
【0039】
(比較例3)
実施例4の不織布シートに、SEBS樹脂とイオン交換樹脂粉体の重量比100:1200にしたスラリーを用いて、付着量6g/m2,目付56g/m2、厚み100μmのセパレータjを作製した。
【0040】
(従来例1)
実施例1と同様の方法で作製した目付30g/m2,厚さ100μmの不織布シートと、実施例4と同様の方法で作製した目付50g/m2,厚さ170μmの不織布シートとに、公知の方法で発煙硫酸及び濃硫酸を用いてスルフォン化処理したセパレータk,lを作製した。
【0041】
(従来例2)
実施例1、実施例4と同様の方法で作製した目付30g/m2,厚さ100μmと目付50g/m2,厚さ170μmの各不織布シートに、公知の方法でアクリル酸をグラフト重合したセパレータm,nを作製した。
次に、上記実施例1,2,3,4,5,6,7と比較例1,2,3と従来例1,2の各セパレータa,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,nの14種類を用いて、下記試験方法で、耐アルカリ性、耐酸化性、電解液保持率、イオン交換容量、強度を測定したところ表1の結果を得た。
【0042】
【表1】
【0043】
実施例、比較例及び従来例における物性値の試験方法は次の通りである。
強度試験:引張試験機を用いて、チャック間距離10cmで両端を把持した試験片(巾2cm)を引っ張り、破断したときの強度を測定し、次式に基づき算出した。
強度比(%)=処理後の試験片強度/処理前の試験片強度×100
【0044】
耐アルカリ性:試験片を水分平衡状態に至らせてその重量(W)を測定した後、比重1.30の水酸化カリウム溶液中に浸し、100℃で1時間浸漬する。その後水洗・乾燥して水分平衡状態に至らせたときの重量(W1 )を測定し、次式より耐アルカリ性を求めた。
耐アルカリ性(%)=(W−W1 )/W×100
【0045】
耐酸化性:試験片を水分平衡状態に至らせてその重量(W)を測定した後、1%の過マンガン酸カリウム溶液250ccに30%の水酸化カリウム溶液500ccを加えた混合溶液中に浸し、50℃で1時間浸漬する。その後水洗・乾燥して水分平衡状態にに至らせたときの重量(W1 )を測定し、次式より耐酸化性を求めた。
耐酸化性(%)=(W−W1 )/W×100(%)
【0046】
電解液保持率:試験片(5cm角)を水分平衡状態に至らせてその重量(W)を測定した後、試験片中の空気を比重1.30の水酸化カリウム0.025g/cm2 で置換し、水酸化カリウム溶液を保持させる。その後、この試験片を上下2枚のろ紙(直径20cm)で挟み、上部より10分間、5kgの加重をした後、試験片の重量(W1 )を測定し、次式により電解液保持率を求めた。
電解液保持率(%)=(W−W1 )/W×100
【0047】
イオン交換容量:試験片を水分平衡状態に至らせてその重量(W)を測定する。この試験片を5Nの塩酸200cc中に3時間浸積した後、取り出して蒸留水で十分に洗浄し、100℃で1時間乾燥する。その後、この試験片を0.05Nの水酸化カリウム50cc中に60℃で5時間浸漬後、上澄み10ccを精取し、ブロムクレゾールグリーン指示薬を加え0.05Nの塩酸(力価fcl)を用いて滴定する。このときの0.05N塩酸の消費量をXccとして、次式よりイオン交換容量を求めた。
イオン交換容量(meq/m2 )=(10fk −fCl×X)/4W
【0048】
次に、上記14種類のセパレータa,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,nと、正極にペースト式Ni極、負極にペースト式MH極及びアルカリ電解液を用いて、電気容量2.1〜2.5A(0.1時間率で充放電)のサブCサイズの密閉型ニッケル水素電池A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,L,M,Nを作製し、これらの電池の高率放電時の利用率、自己放電後の容量保持率及び充放電サイクル寿命を測定し、各セパレータの性能評価を行った。その測定結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
実施例、比較例及び従来例における物性値の試験方法は次の通りである。
初期活性化条件:温度30℃、充電0.1C率(290mA)×12時間、休止0.5時間、放電0.1C率(終止電圧1.0V)で10サイクル行った。
高率放電試験:温度30℃、充電0.2C率(290mA)×6時間、休止0.5時間、放電0.1C率(終止電圧0.8V)した時の放電容量に対する、同条件で充電後、2.0C率(終止電圧0.8V)で放電した時の放電容量の比を測定して求め、その値を高率放電時の利用率(%)とした。
自己放電試験:温度30℃、充電0.1C率×12時間、休止0.5時間、放電0.1C率(終止電圧1.0V)した時の放電容量に対し、同条件で充電後、45℃下で2週間放置した時の残存容量(0.1C率放電、終止電圧1.0V)の比を自己放電後の容量保持率(%)とした。
サイクル寿命特性:温度30℃、充電0.2C率×5時間、休止時間0.5時間、放電0.2C率(終止電圧1.0V)で500サイクル後の容量保持率を測定して求めた。
なお、比較例Jはイオン交換樹脂粉体が脱落して電池の組み込みができなかった。
【0051】
上記表1の加圧時の電解液保持率の比較をグラフにまとめると図5のようになる。また同表のイオン交換容量の比較をグラフにまとめると図6のようになる。次に上記表2の高率放電時の利用率の比較をグラフにまとめると図7のようになる。また同表の自己放電後の容量保持率の比較をグラフにまとめると図8のようになる。さらに同表の電池容量のサイクル変化の比較をグラフにまとめると図9のようになる。
上記表1〜2、及び図5〜9から明らかなように、本発明の実施例のセパレータa〜g及び密閉型ニッケル水素電池A〜Gは、従来例のセパレータk〜n及び密閉型ニッケル水素電池K〜Nに比較して、それぞれ電解液保持率、イオン交換容量及び強度において大幅に向上し、また電池の性能試験においても特に自己放電後の容量保持率及び500サイクル後の容量保持率において飛躍的に向上することが確認できた。
【0052】
上記実施例において、オレフィン系繊維としてポリエチレンとポリプロピレンとから成る分割型繊維を用いて抄造法でシート化し、また芯鞘型繊維を用いて通常のカード法でシート化したが、他の上述した繊維以外の有機系繊維を用いてシート化することも可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、オレフィン系繊維表面部に形成された無数の微細な空隙又は細溝内に浸透して密着したバインダー樹脂を用いて、オレフィン系繊維表面及び繊維交絡部の少なくとも一部にイオン交換性微粉体がアンカー効果で強固に固着されているため、電解液保持性、イオン交換容量及び強度が非常に優れ、耐アルカリ性や耐酸化性も非常に良く、自己放電の制御及び電池の長寿命化を図ることができる。
【0054】
また、バインダー樹脂がオレフィン系繊維表面部にアンカー効果を有して固着しているため、繊維間同士の接着力を補強するよう作用して、細デニールの繊維を使用しても繊維強度の低下をきたさず、電池組み込み時の切断事故や、繰り返し充放電による繊維劣化が生ぜず、微小短絡が生じることがなく、電池用セパレータの薄膜化を図ることができ、電池の高容量化に対応できる。
【0055】
さらに、従来技術のアクリル酸グラフト重合やスルフォン化処理のような、未反応物の洗浄工程が必要でないため、安価に製造することができる。また、紫外線や電子線、あるいは強酸を使用しないため、セパレータの構成繊維基材であるオレフィン系繊維が劣化せず、微小短絡の危険を生じることがない。
【0056】
また、バインダー樹脂とイオン交換性微粉体との混合重量比や付着量を変化することによって、電解液保持性やイオン交換性能等を簡単に調整することができる。
このセパレータを用いたアルカリ二次電池は放電特性に優れ、充放電を繰り返し行っても高い容量保持率を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池用セパレータの一実施例を示す模型的拡大図である。
【図2】本発明の電池用セパレータの他の実施例を示す模型的拡大図である。
【図3】本発明の一実施例のバインダー樹脂とイオン交換性微粉体との混合重量比とイオン交換容量の関係図である。
【図4】本発明の一実施例のバインダー樹脂とイオン交換性微粉体との混合重量比と電解液保持率の関係図である。
【図5】本発明の実施例と比較例と従来例のセパレータの加圧時の電解液保持率の比較を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例と比較例と従来例のイオン交換容量の比較を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例と従来例のセパレータを用いた密閉型ニッケル水素電池において、高率放電時の利用率の比較を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例と従来例のセパレータを用いた密閉型ニッケル水素電池において、充電後、45℃で2週間保存した場合の容量保持率の比較を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例と従来例のセパレータを用いた密閉型ニッケル水素電池において、電池容量のサイクル変化の比較を示すグラフである。
【符号の説明】
1 オレフィン系繊維
2 空隙又は細溝
3 バインダー樹脂
4 イオン交換性微粉体
5 露出部
6 微多孔部
Claims (15)
- 多孔性シートを構成する有機系繊維の表面部に形成された微細な空隙又は細溝に浸透して封着した有機溶媒可溶性バインダー樹脂を用いて、有機系繊維表面及び繊維交絡部の少なくとも一部にイオン交換性微粉体を固着してなり、かつバインダー樹脂とイオン交換性微粉体との混合重量比が、バインダー樹脂:イオン交換性微粉体=1:0.3〜1:10の範囲であることを特徴とするアルカリ二次電池用セパレータ。
- バインダー樹脂とイオン交換性微粉体との混合重量比が、バインダー樹脂:イオン交換性微粉体=1:0.5〜1:6の範囲である請求項1に記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
- イオン交換性微粉体が、電解液中の有害イオンを吸着・捕獲すると共に、アルカリ電解液を保持する機能を有する請求項1に記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
- バインダー樹脂が、耐アルカリ性、耐酸化性を有するスチレン系熱可塑性重合体、オレフィン系のポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂、ハロゲン化ポリオレフィン系のポリテトラフルオロエチレン樹脂から選ばれる少なくとも一つの樹脂である請求項1に記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
- バインダー樹脂の一部又は全部が、スチレン系のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン系(SEBS)熱可塑性重合体である請求項1又は4に記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
- イオン交換性微粉体が、スチレン系又はアクリル系の陽イオン交換樹脂、スチレン系、アクリル系又はフェノール系の陰イオン交換樹脂、スチレン系又はピリジン系のキレート樹脂から選ばれる少なくとも一つを含む請求項1に記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
- イオン交換性微粉体のイオン交換基が、スルフォン酸基又はカルボン酸基から選ばれる少なくとも一つである請求項5又は6に記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
- イオン交換性微粉体が、耐アルカリ性を有し、かつアルカリ電解液中でイオン交換性を発現する金属酸化物、水酸化物及びその無機塩から選ばれる少なくとも一つを含む請求項1又は3に記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
- イオン交換性微粉体が、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、チタン酸カリウム、酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも一つを含む請求項8に記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
- イオン交換性微粉体が、表面に微細な空隙を有する粒状、フレーク状、ウィスカ状又は鱗片状である請求項1又は4に記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
- イオン交換性微粉体の平均粒径が、100μmパスである請求項1又は4に記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
- イオン交換性微粉体の平均粒径が、50μmパスである請求項11に記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
- 有機系繊維が、耐アルカリ性及び耐酸化性を有するポリマー系繊維である請求項1に記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
- 有機系繊維の一部又は全部が、オレフィン系繊維である請求項1又は13に記載のアルカリ二次電池用セパレータ。
- 請求項1〜14のいずれかに記載のセパレータを用いたアルカリ二次電池。
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