JP3782151B2 - エキシマレーザー発振装置のガス供給装置 - Google Patents

エキシマレーザー発振装置のガス供給装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、金属、樹脂、ガラス、セラミックス、半導体等の加工や化学反応等に利用されるエキシマレーザー発振装置のガス供給装置及びガス供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エキシマレーザーは、紫外域で発振する唯一の高出力レーザーとして注目されており、電子産業や化学産業やエネルギー産業において応用が期待されている。
【0003】
エキシマレーザー光を発生する装置はエキシマレーザー発振装置として知られている。マニホルド内に充填されたAr,Kr,Xe,KrF,ArF等のレーザーガスを電子ビーム照射や放電等により励起状態にする。すると、励起された原子は基底状態の原子と結合して励起状態でのみ存在する分子を生成する。この分子がエキシマと呼ばれるものである。エキシマは不安定な為、直ちに紫外光を放出して基底状態に落ちる。これをボンドフリー遷移というが、この遷移よってえられた紫外光を一対のミラーで構成される光共振器内で増倍してレーザー光として取り出すものがエキシマレーザー発振装置である。
【0004】
とくに、フォトリソグラフィ用の露光装置の光源としてエキシマレーザー発振装置を用いる場合には、半導体製造装置を収容するクリーンルームの中にエキシマレーザー発振装置を設置しなければならない。しかも、デバイスの量産装置として用いる場合には露光装置を複数配置しなければならなくなってくる。
【0005】
一方、エキシマレーザー装置を長期間作動させる為には、マニホルド内のレーザーガスを適宜新しいレーザーガスと置換しなければならない。しかしながら、マニホルドを交換する作業は効率的ではないし、クリーンルーム内にレーザーガスのボンベを持ちこんで、マニホルドにガスを充填することは好ましくない。
【0006】
そこで、本発明者は、まず第1に、クリーンルーム内あるいは近傍にガスボンベ室を設置して、そこから、ガス管(ガスライン)を通して、各装置のマニホルドにレーザーガスを供給するシステムを考え出した。
【0007】
図5は、KrFエキシマレーザー発振装置用のガス供給装置の配管の様子を示す模式図である。ガス供給系は4本のメインライン11、12、13、14からなり、ガス排気系は一本のメインライン15からなる。各メインラインは、エキシマレーザー発振装置31に対して分岐ライン21、22、23、24、25を介して連通している。He,Kr,F2,N2などの各ガスはバルブV1,V2,V3,V4を開くとボンベT1,T2,T3,T4からメインライン11、12、13、14を通り、続いて分岐ライン21、22、23、24を通って装置31に供給される。排ガスは分岐ライン25を通ってメインライン15から排出される。
【0008】
そして、メインライン11、12、13、14のガス管としては、ステンレスの光輝度焼鈍管や電解研磨管を用いていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
(ガス管内の表面に係る技術課題)
しかしながら、ステンレスの光輝度焼鈍管や電解研磨管の内面(ガス管内の表面)では、フッ素がステンレス表面と反応する為、反応が平衡状態に達するまで、予め規定した濃度のフッ素ガスを安定して得ることが難しくなる。
【0010】
又、フッ素以外のガスを供給するガス管においては、ガス管内面に吸着している不純物を除去しなければならないが、ステンレスの光輝度焼鈍管や電解研磨管を用いた場合には、実用レベルまで吸着分子を除去するには、極めて長い時間のパージとベーキングとを行わねばならなかった。
【0011】
(配管に係る技術課題)
更に配管自体にも解決すべき点があった。図1のシステムで、装置31を作動させていない場合には、メインラインの末端VEは閉じられ、分岐ラインの末端も閉じられている為に、メインライン及び分岐ライン内のガスは管内に閉じ込められ滞留している状態になる。すると、ガス管の内表面からの放出ガスにより、メインライン及び分岐ライン内のガスが劣化して、ガスの純度が低下することがあった。特に、こうした問題は光輝度焼鈍管や電解研磨管を使用した場合に顕著である。
【0012】
加えて、VEに示すように、メインライン11、12、13、14のガス出口は複数あるので、メインラインのパージを行う場合、パージガス使用量が増えてしまう。また、ある一つのラインで大量にガスを使用すると、メインライン毎の圧力の偏りが大きくなる。
【0013】
本発明は、上述した技術的課題に鑑みなされたものであり、エキシマレーザーの発振安定性を高め、取扱の容易なエキシマレーザー発振装置のガス供給装置を提供することを主たる目的とする。
【0014】
本発明の別の目的は、供給ガスの濃度が低下し難いエキシマレーザー発振装置のガス供給装置を提供することにある。
【0015】
本発明の更に別の目的は、簡単なパージのみでガス管内面に吸着している不純物の除去が行えるエキシマレーザー発振装置のガス供給装置を提供することにある。
【0016】
加えて、本発明の他の目的は、非作動期間にガス純度が低下し難いエキシマレーザー発振装置用のガス供給装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明のガス供給装置は、複数のエキシマレーザー発振装置にガスを供給する為のガス供給装置において、ガス源に連通する供給端と排気手段に連通する末端とを有する複数のメインラインと、該メインラインより分岐し各エキシマレーザー発振装置に連通する複数の分岐ラインと、を有し、該複数のメインラインの供給端及び末端はそれぞれ共通ラインに連通していることを特徴とする。
【0019】
本発明のガス供給装置は、メインライン及び分岐ラインのガス管における、該フッ素を含むガスが接する表面にフッ化不働態膜が設けられていることを特徴とする。
【0020】
本発明のガス供給装置は、ガス供給装置は、更に、不活性ガスのガス源に連通する供給端と排気手段に連通する末端とを有する複数の不活性ガス用メインラインと、該メインラインより分岐し各エキシマレーザー発振装置に連通する複数の不活性ガス用分岐ラインと、該複数のメインラインの供給端及び末端にそれぞれ連通する不活性ガス用共通ラインと、を有しており、末活性ガス用メインラインと不活性ガス用分岐ラインと不活性ガス用分岐ラインのガス管における不活性ガスに接する表面は、酸化クロム不働態膜が設けられたステンレス鋼の表面であることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
(ガス管の構成)
・フッ化不働態膜
図4は、本発明の好適な実施の形態によるエキシマレーザー発振装置用のガス供給装置に用いられるガス管を示す模式図である。
【0023】
ガス管10は通常、中空の円筒状のパイプであり、その内面は被膜SF1によって覆われている。
【0024】
この被膜SF1は、ガス管10内に流すガスの種類に応じて選ばれた適切な材料で構成される。具体的には。フッ化鉄や酸化クロム等の不働態膜である。
【0025】
まず、フッ素を含むガスのラインに図2のガス管が適用される場合について述べる。
【0026】
そして、ガス管10自体は、ステンレス鋼が好ましく用いられる。具体的にはFeを主成分とし、Crを15〜29重量%、Niを1.0〜15重量%、その他の成分を1重量%以下の割合で含むアロイが好ましい。
【0027】
被膜SF1としては、フッ化鉄、フッ化クロムを主成分とするフッ化不働態膜が好ましく用いられる。フッ化鉄としてはFeF3よりFeF2を用いることが望ましい。そしてフッ化不働態膜の表面側をCrF2にするとより好ましい。
【0028】
フッ化不働態膜は以下のようにして作成できる。ステンレス鋼表面を充分にベーキングして、付着水分を除去した後フッ素化を行う。次に不活性ガス中で熱処理を行う。
【0029】
上記フッ素化の際には、被処理部材を常圧又は加圧下のフッ素含有雰囲気下に置いて、200℃以上より好ましくは300℃以上に1〜6時間保持する。フッ素含有雰囲気としては純フッ素やフッ素を不活性ガスであるN2,Ar,He等で希釈したものがよい。その際、10ppb以上のフッ素ガス濃度とすることが好ましい。10ppb未満では膜形成に時間を要する。
【0030】
フッ素化終了後の熱処理温度は、200℃以上好ましくは300℃〜600℃であり、不活性ガス中に被処理部材を置き1〜24時間熱処理を行うとよい。
【0031】
以上の方法により得られた膜は、緻密で下地との密着性もよく、耐食性並びにガス離脱性の点で優れたフッ化不働態膜となっている。この膜はしばしば化学量諭比でフッ化鉄が主成分になりがちであるが、以下の工程付加により、フッ化クロムを主成分とする膜になる。
【0032】
本発明は更に改良を加え、フッ化不働態膜の少なくとも表面部分がより耐食性に優れたフッ化クロム主体のフッ化不働態膜に改善されている。改善の方法は一例として、フッ化不働態膜を水と接触せしめることにより、水溶性のフッ化鉄が溶解すると同時に、ステンレス鋼基盤中のクロムがフッ化不働態膜中へ拡散しフッ化クロムリッチのフッ化不働態膜が形成される。水と接触する手段の代表例は水中に浸漬する手段が最も簡単で好ましいが、その他水と接触する限りどの様な手段でも良い。例えば水蒸気と接触させても良く、また水を噴霧しても良い。温度は室温でも良く、また100℃でも良く、通常5〜50℃程度で良い。接触時間は温度により異なるが、例えば室温の場合は1〜100時間程度である。
【0033】
また他の改善方法は、水素存在下に熱処理する方法である。この方法の代表例は例えば水素気流中で熱処理する方法である。この方法における水素濃度は数ppm〜10%程度に不活性ガスで希釈するだけでよく、熱処理温度は300℃〜500℃で数10分から数時間で良い。水素処理の方は水分処理に比べ連続工程が可能となり、より優れた処理方法である。
【0034】
かくして形成される不働態膜は、その表面はフッ化クロムを主体とする層が形成されており、通常不働態膜の表面付近程度の組成はフッ化クロムが少なくとも95%以上となっている。上記方法で形成されたフッ化クロムの主体のフッ化不働態膜は更に機能性の向上した不働態膜となっている。
【0035】
本発明に於いては上記フッ素化を行うに際しては、ステンレス鋼の表面を予め平滑にすることが好ましい。この際の平滑度としてはRmax=0.03〜1.0μm(表面の凸凹の差の最大値)程度が好ましく、これにより大きく耐食性が向上する。この際の鏡面化処理手段自体は何ら限定されず、適宜な手段が広い範囲で選択され、その代表的な一例として電解研磨、複合電解研磨する手段を例示出来る。
【0036】
かくして形成されるフッ化不働態膜は通常40nm以上、好ましくは50nm程度以上の膜厚で形成され、基材たるステンレス鋼に十分なる強度をもって形成されるために容易には剥離せず、また亀裂等も殆ど生じない不働態膜となっている。
【0037】
こうして得られたフッ化不働態膜は他の方法により形成したフッ化不働態膜(例えば、化学気相成長法、スパッタリング法)よりも略々化学量論比を満たす、緻密で耐食性に優れている。さらにガス離脱性にも優れてているため簡単なパージで吸着ガス(不純物ガス)の除去が可能である。従って、かかるフッ化不働態膜を有するガス管を用いることが高純度のハロゲンガス(フッ素ガス)の導入、維持が可能である好ましい。
【0038】
・酸化クロム不働態膜
次に、本発明の別の実施の形態によるガス管についてのべる。フッ素ガス以外のガスの専用ラインには、ステンレス鋼を基材として内面が酸化クロム不働態膜で覆われたガス管を用いるとよい。酸化クロム不働態膜は、最表面に鉄酸化物を含まずクロム酸化物を主成分とする不働態膜である。
【0039】
本発明に用いられるステンレス鋼基材としては、Mn含有量0.03重量%以下、S含有量0.001重量%以下、Cu含有量0.05重量%以下、C含有量0.01重量%以下、Al含有量0.01重量%以下のフェライト系ステンレス鋼が好ましく用いられる。
【0040】
他の必須成分としてはCrがあげられるが、13重量%〜35重量%が好ましい。25重量%〜35重量%がより好ましく、29重量%〜35重量%がさらに好ましい。13重量%未満では、耐食性に優れた酸化不動態膜の形成が難しくなる。25重量%以上とすることにより耐食性により優れ、かつ、ガスがより吸着しがたく、吸着したガスの脱離性がより良好な緻密な酸化不動態膜の形成が可能となる。29重量%以上がさらに好ましいことについては後述する。
【0041】
なお、35重量%を超えると加工性が劣化するため上限は35重量%とする。
【0042】
なお、耐食性を高めるためにMoを含有せしめてもよい。
【0043】
Niはオーステナイト生成元素であるためフェライト系ステンレス鋼では含有を回避する。しかるに、本発明では、フェライト組織が維持される範囲で含有せしめることが好ましい。フェライト組織が維持される量は、実験により求めてもよいが、シェフラーの組織図に沿って計算により求めてもよい。特に、本発明では、他のオーステナイト生成元素であるMn,Cを極力低減してあるため、Crの含有量にもよるが、1〜5重量%(好ましくは、2重量%を超え5重量以下)含有せしめることも可能である。
【0044】
Niを含有せしめた場合には、より緻密で耐食性の優れた酸化不動態膜の形成が可能となる。すなわち、本発明方法では、熱処理を行う雰囲気ガス中に水素を添加することが望ましい。その理由は、水素は鉄酸化物の還元に寄与する。すなわち、鉄酸化物を還元するが、クロム酸化物は還元しない。そのため、水素を添加した場合には、より緻密なクロム酸化物膜の形成が可能となる。しかるに、Niを含有せしめた場合には、鏡面仕上げした(表面粗さRmax=1μm以下)ステンレス鋼表面のNiが水素ガスを水素ラジカル(H*)に分解する触媒として働く。水素となる。このラジカル化した水素は鉄酸化物をよりよく還元するため、クロム酸化物のみからなる層がより形成されやすくなる。
【0045】
かかる触媒機能をステンレス表面にもたせるためには、1重量%以上含有せしめることが好ましい。ただ、5重量%を超えるとオーステナイト組織になってしまう場合もあるため5重量%以下とすることが好ましい。
【0046】
(Cr29重量%以上、CとNの合計0.01重量%以下)
Cr29重量%以上とし、かつ、CとNの合計量を0.01重量以下とすることが好ましい。従来、SUSU304に代表されるオーステナイト系ステンレスにおいては、溶接を行った場合、溶接部(溶接ビード部)におけるCr濃度は著しく低下し、12重量%以下になることもある。その結果、溶接部における耐食性の劣化を招き、また、酸化不動態処理を行ってもクロムを主成分とする酸化不動態膜が必ずしも形成されなくなるという問題がある。
【0047】
(電解研磨)
本発明では電解研磨を行う。ただし、電解複合研磨等により加工変質層の形成を行う必要はない。従って、例えば、1/4インチより細い径を有する管の内面にも最表面がクロム酸化物からなる層を有する不動態膜を確実に形成することが可能となる。
【0048】
電解研磨による表面粗さは、Rmax=1μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.1μm以下が最も好ましい。
【0049】
(ベーキング)
本発明では、電解研磨後、不活性ガス中においてベーキングを行うことによりステンレス鋼の表面から水分を除去する。ベーキング温度、時間としては、付着水分の除去が可能な温度であれば特に限定されないが、例えば、少なくとも150℃から200℃あるいはそれより高い400℃〜500℃の温度で行えばよい。ただ、フェライト系ステンレス鋼の場合は、475℃になると脆性が生じるためこの温度への加熱は避けてベーキングを行うことが好ましい。なお、ベーキングは、水分含有量が数ppm以下(より好ましくは数ppb以下)の不活性ガス(例えば、Arガス、N2ガス)雰囲気中で行うことが好ましい。
【0050】
(熱処理雰囲気)
次いで、
不活性ガスと、
500ppb〜2%のH2Oガスと、
の混合ガスの弱酸化性雰囲気中において、300℃〜600℃の温度で熱処理を行う。あるいは、
不活性ガスと、
4ppm〜1%の酸素ガスと、
の混合ガスの弱酸化性雰囲気中において、300℃〜600℃の温度で熱処理を行う。
【0051】
不活性ガスとしては例えば、アルゴンガス、窒素ガス等を用いればよい。
【0052】
2Oガスは、500ppb〜2%とするが、500ppb未満では、酸化クロムのみからなる層を表面に形成することはできず、表面が鉄酸化物とクロム酸化物との混合組成となってしまう。
【0053】
一方、2%を越えると鉄酸化物を主成分とし、しかもポーラスな不動態膜が形成されてしまい、ガスの吸着が多く、吸着したガスの離脱性も悪く、さらに、耐食性が悪くなる。
【0054】
なお、不活性ガスと500ppb〜2%のH2Oガスとの混合ガス雰囲気とするためには、一般的には、不活性ガスと500ppb〜2%のH2Oガスとを予め混合した状態で、不動態膜を形成するステンレス鋼表面に供給するが、不活性ガスと250ppb〜1%の酸素ガスと500ppb〜2%の水素ガスとの混合ガスを、不動態膜を形成するステンレス鋼表面に供給してもよい。後者の場合、ステンレス鋼中のNiが触媒となり、水素ラジカルを発生するとともにこの水素ラジカルが酸素と反応してH2Oガスが生成し、所望の弱酸化性雰囲気が得られることになる。
【0055】
(水素ガスの添加)
上記雰囲気ガス中に水素を10%以下添加することが好ましい。水素ガス添加の効果は前述した通りである。すなわち、鉄酸化物を還元する作用を担っている。特に、ラジカル化した水素はその作用が顕著である。
【0056】
ただ、10%を超えると、不動態膜の緻密さが減少し始めるため10%以下が好ましい。また、0.1ppm以上が好ましい。0.1ppm未満では上記作用を十分発揮し得ないことがある。
【0057】
(温度)
熱処理温度は、300℃〜600℃である。300℃未満では、熱処理時間を長くしてもクロム酸化物のみからなる層の厚さを厚く形成することはできない。逆に600℃を越えると、鉄酸化物を偏析した状態で含む層が表面に形成されるとともに、不動態膜全体としても不均一な組成となり、表面荒れが生じ、実効面積が増大しガス放出特性も悪く、耐食性の悪い不動態膜が形成されてしまう。これは、C量を減少させたとはいえ、600℃を超えると母材においてクロムカーバイト(例えば、Cr236等)が析出し、この析出物のためにCrがとられてしまうため不動態膜の組成に偏りが生じてしまうためと考えられる。また、Cr236が粒界に析出すると粒界が腐食されやすくなり好ましくない。
【0058】
(時間)
なお、熱処理時間は、温度にも依存するが、0.5時間以上が好ましい。熱処理時間を増加させるにつれクロム酸化物層の厚さは増加する。
【0059】
なお、本発明に係るステンレス鋼は、特に、溶接用材料に用いた場合にその顕著な特性を発揮する。すなわち、配管を例にとると、配管同士を溶接した場合、溶接放し(as weld)の状態であっても超高純度のガスを供給することができる。それは、溶接を行っても腐食の原因となるMn等のヒュームの発生は皆無に近いためである。
【0060】
(ガス供給装置の構成)
次に、本発明の好適な実施形態によるガス供給装置について述べる。図1はそのガス供給装置を模式的に示す。T1,T2はガス源としてのボンベであり、少なくとも一方はフッ素含有ガスを蓄えている。以下、ボンベT1を不活性ガスを蓄えるボンベ、ボンベT2をフッ素含有ガスを蓄えるボンベとして説明する。
【0061】
111aは不活性ガスのメインライン、112aはフッ素含有ガスのメインラインである。各メインラインには分岐ライン21、22が複数接続されていてエキシマレーザー発振装置31に接続されている。115は排気のメインラインであり、必要に応じて除害装置などを通して排気手段としての真空ポンプPによって排気される。
【0062】
これらのメインラインはその供給端で一本の共通ライン111b、112bに接続されている。メインラインの末端はそれぞれ一本の共通排気ライン111c、112cに接続されている。こうして、ボンベから供給されたガスは共通ラインから2つの(2系統の)メインラインに別れ共通排気ラインにおいて合流する。図1では、メインラインを2系統としたが、もちろん使用するエキシマレーザー発振装置の数に応じて3本以上として、一本の共通ラインから3本以上のメインラインに振り分けると共に、共通排気ラインにおいて再び合流させてもよい。
【0063】
(ガス供給装置のパージ)
本発明においては、エキシマレーザー発振装置の不使用時に、ガス供給装置のパージを行うことが望ましい。以下、図1に示したガス供給装置を用いたパージ法を例に挙げて、本発明の好適な実施形態によるガス供給装置のパージについて説明する。
【0064】
装置31の不使用時に、全メインラインにパージガスとしての不活性ガスが流れるように、不活性ガス源(T2)にメインライン111aを連通させるように各バルブの開閉状態を設定する。バルブ41開、バルブ45閉、バルブ46開。このような系の状態において、真空ポンプPを動作させて共通排気ライン111c、112cを排気する。こうして、ガス供給装置内においてパージガスの流通経路が形成される。
【0065】
このとき共通排気ライン111c、112cを流れるガスの流量を常時制御すれば、常時メインラインの末端でパージが行われるので、メインラインでのガスの滞留がなくなり、ガス純度の劣化がないガスを装置31の使用再開時に即座に供給できる。
【0066】
このパージの際におけるメインライン末端即ち共通排気ライン111c、112cにおける流量は好ましくは1cc/min以上、より好ましくは10cc/min以上であり、好適な上限値は90cc/minである。
【0067】
(ガス供給)
ガス源側の各バルブの開閉状態を設定して、供給側共通ラインを所定のボンベにつなぐ。ポンプPを動作させて共通排気ライン111c、112cを排気する。こうして、所定のガスがメインライン、分岐ラインを介して装置31に供給される。ガスの供給量は各バルブや不図示マスフローコントローラを用いて調整する。
【0068】
一方排気ライン115も排気されているので装置31からの放出されたガスは分岐排気ライン25、メイン排気ライン115を介して排気される。
【0069】
このようにメインラインに対するガスの入口と出口が対象になっているので、ガスが均等に流れやすくなっている。そして、ガスの出口が一か所なので、メインラインを常時パージしても流量を多くしないですむ。また、配管がループになっているので、大量にパージを行ったとしてもメインライン毎の圧力の偏りが小さい。
【0070】
ガス供給の際にも、メインライン末端即ち共通排気ライン111c、112cにおける流量を1cc/min以上として、使用ガスによるメインラインのパージを行うことが望ましい。より好ましくは10cc/min以上の流量でパージするとよい。
【0071】
そして、フッ素含有ガスを流すメインライン、共通供給ライン、分岐ライン、共通排気ラインには、上述したフッ化不働態膜を有するステンレス鋼のガス管を用いるとよい。より好ましくは、溶接部を含めて配管を設置した後に、窒素ガス又はアルゴンガスを流して配管内面に吸着している水分子を脱離させた後にフッ素ガスを流して熱処理することで、溶接部を含めた配管全体の内面にフッ化不働態膜を形成するとよい。フッ化不働態膜については、特開平5−33115号公報に記載されている。
【0072】
一方、フッ素以外のガスを流すメインライン、共通供給ライン、分岐ラインには、上述した酸化クロム不働態膜を有するガス管を用いるとよい。配管の溶接部に酸化クロムの不働態膜を形成する場合には、電解研磨したステンレスチューブ内にバックシールドガスとして5000ppmの水分を含有したガス(10体積%のH2を含むArガス)を用いて、溶接するとよい。こうした溶接法は特開平7−60446号公報や特開平6−210483号公報に記載されている。
【0073】
(ガス供給装置の構成)
図2は、本発明の好適な実施形態によるガス供給装置の別の例について述べる。
【0074】
T1はフッ素、クリプトン、ネオンの混合ガスを供給するガス源、T2は高純度の窒素ガスを供給するガス源である。
【0075】
混合ガスの主たる供給排気系は以下のように構成されている。
【0076】
211bは共通供給ライン、211aはメインライン、211c、211dは共通排気ラインである。231は各エキシマレーザー発振装置にガスを供給するための分岐バルブである。
【0077】
一方、窒素ガスの主たる供給排気系は以下のように構成されている。
【0078】
212bは共通供給ライン、212aはメインライン、212cは共通排気ラインである。
【0079】
V1,V5’は2連3方バルブであり、V2,V5,V6,V7,V8は分流バルブである。これらのバルブは、単弁とティー字形配管との組み合わせで構成することもできるが、バルブを閉じたときのガス溜りのスペースができるだけ小さくなるように、上述した2連3方バルブ又は分流バルブを用いたほうがよい。
【0080】
241、242は逆止弁であり、排気側となるラインの圧力が上昇又はメインラインの圧力が減少した場合に、図中の矢印と逆方向にガスが流れるのを防ぐ。
【0081】
243は除害装置を備えた排気手段である。例えば、β−Al23の吸着材にフッ素をトラップさせるタイプの除害装置を好ましく用いることができる。
【0082】
(パージ)
以上のガス供給装置のメインライン211aのパージ動作について説明する。
【0083】
バルブV2を開、バルブV1,V8を閉めて、バルブV7を開けて、バルブV5を閉めて、バルブV6を開ける。そうすると、窒素ガスはライン212b、バルブV2、バルブV7、図中一番上のライン211a、バルブV6、逆止弁241、ライン215a、215b、211dを通って装置243に達する。こうして、5本あるメインライン211aのうち図中一番上のライン211aのパージがなされる。
【0084】
同様に図中上から2番目のメインライン211aのパージを行う場合には、窒素ガスが、バルブV2、ライン212a図中一番上のバルブV8、図中上から2番目のメインライン211a、上から2番目のバルブV6、逆止弁241、ライン215aを介してパージされる。5本のメインライン211aのうちパージすべきラインに応じて、4つのバルブV7,V8は選択的に開閉される。
【0085】
このパージの際には、メインライン末端即ち共通排気ライン211cにおける流量をマスフローコントローラーMFCにて調整し、流量を1cc/min以上、より好ましくは10cc/min〜90cc/minにするとよい。
【0086】
次に、窒素ガスによるパージを止めて、使用ガスであるレーザーガスでレーザーガス系ラインのパージを行う。
【0087】
レーザーガスは、共通ライン211bよりバルブV1を介して5本のメインライン211bに供給される。5本のメインライン211bを通過したガスはバルブV5を介して一本の共通排気ライン211cに合流して流れ込む。共通排気ライン211cにおける流量はマスフローコントローラMFCによって調整される。混合ガスは共通排気ライン211c、211dを介して除害装置243に流れ込む。
【0088】
この使用ガスによるレーザーガス系ラインのパージの際にも、メインライン末端即ち共通排気ライン211cにおける流量をマスフローコントローラーMFCにて調整し、流量を1cc/min以上、より好ましくは10cc/min〜90cc/minにするとよい。
【0089】
(ガス供給)
フッ素含有混合ガスのエキシマレーザー装置への供給について説明する。
【0090】
使用ガスによるパージ動作を行っている状態で、バルブ231を開けて混合ガスを各装置に供給する。このときも、共通排気ライン211cにおける流量をマスフローコントローラMFCによって調整し、常時、流量を1cc/min以上、より好ましくは10cc/min〜90cc/minにしておく。
【0091】
他にHeガスや、Kr/Neの混合ガスを併用する場合には、フッ素含有混合ガスの供給系と同じように構成された配管を設置する。
【0092】
(エキシマレーザー発振装置)
図3は本発明に用いられるエキシマレーザー発振装置を用いたフォトリソグラフィ用の露光装置の構成を説明する為の図である。
【0093】
図3の装置は、窒素、Kr/Ne,F2/Kr/Ne,Heの4つのガスを用いるように構成されている為に、本発明のガス供給装置を用いて図3の装置にガスを供給する場合には、図2のガス供給装置の配管に加え、F2/Kr/Neガスと同じラインを更に2つ追加して、Kr/Ne,Heの2種のガスを供給する。
【0094】
301は露光装置としてのステッパー、302はパーソナルコンピュータ314やコントロールパネル313の入力を受けてステッパーの動作を制御するコントロールユニット、303はレーザーの照射状態と非照射状態とを切り換えるシャッター、304は光学モニターモジュール、305は出力ミラー、306はレーザーを発振する為のガスチャンバであるレーザー管、307はレーザー発振の為のパルスパワーモジュール、308はパルスドライバ、309は高圧電源、310は狭帯域化モジュール、311はレーザー管306へのガスの供給を制御するガス制御ユニット、312は排気モジュールである。
【0095】
上述したラインのうち、F2/Kr/Neの3つのラインには、前述したフッ化不働態膜が設けられたパイプを用いるとよい。さらには、その外表面を樹脂で覆って大気の影響による変色を防ぐとよい。
【0096】
一方、窒素、Kr/Ne,Heの3つのガスラインは、上述した酸化クロム不働態膜を有するステンレス鋼のガスパイプを用いるとよい。
【0097】
【実施例】
(実施例1)
2SO4,H3PO4水溶液を用いて電解研磨したステンレス鋼(SUS316L)のパイプに10ppbの弗素ガスを流して熱処理した。こうして得られたパイプを用いて、図1に示したガス供給装置のレーザーガスの配管を作製した。
【0098】
弗素ガスラインの配管後は、フッ素ガスを流して、溶接部を含めたライン全体の内面にフッ化不働態膜を形成した。
【0099】
ガスボンベT2として、高純度窒素を収容するボンベを接続した。レーザーガスのメインライン111aとレーザーガスの共通ライン111bにもパージガスとしての窒素ガスが流れるように、ボンベT2に全メインラインを連通させるように各バルブの開閉状態を設定した。バルブ41開、バルブ46開である。このような系の状態において、真空ポンプPを動作させて共通排気ライン112c、111cを排気した。このとき共通排気ライン112c、111cを流れるガスの流量を1cc/minとした。以上の様にして、ラインのパージを行った。
【0100】
ガスボンベT1として、F2/Kr/Neレーザーガスを収容するボンベを接続した。共通ライン111bと112bとを連通させるバルブ41を閉じて、窒素のラインとレーザーガスのラインとを分離した。4台のエキシマレーザー発振装置31のガスマニホルドを分岐ライン21、22に接続した。一方、排気ライン115を排気した。このライン115は装置31に接続されている。
【0101】
T2のF2/Kr/N2レーザーガスをメインライン111a、分岐ライン21を通して装置31のマニホルドに供給した。このとき、共通排気ライン111cは常時流量が50cc/minとなるようにマスフローコントローラで制御しながら排気を行った。
【0102】
こうして、各装置31のレーザーガスの交換を個別に行いながら、装置31を作動させてレーザー発振を繰り返した。つまり、一つの装置のガスの交換中に別の装置ではレーザー発振を継続させた。このように4つの装置31を動作させても、各装置において長時間安定したエキシマレーザー光が得られた。
【0103】
(実施例2)
電解研磨したステンレス鋼のパイプに10ppbの弗素ガスを流して熱処理して得られたパイプを用いて、図1に示したガス供給装置のレーザーガスの配管を作製した。一方で、電解研磨したステンレス鋼のパイプに酸化クロム膜を設けたパイプを用いて、図1の窒素ガスの配管を作製した。溶接部も上述した溶接方法により溶接した。
【0104】
このようなガス供給装置をパージを以下のように行った。
【0105】
ガスボンベT2として、高純度窒素を収容するボンベを接続した。レーザーガスのメインライン111aとレーザーガスの共通ライン111bにもパージガスとしての窒素ガスが流れるように、ボンベT2に全メインラインを連通させるように各バルブの開閉状態を設定した。このような系の状態において、真空ポンプを動作させて共通排気ライン112c、111cを排気した。
【0106】
このとき共通排気ライン112c、111cを流れるガスの流量を1cc/minとした。
【0107】
ガスボンベT1として、F2/Kr/Neレーザーガスを収容するボンベを接続した。共通ライン111bと112bとを連通させる弁を閉じて、窒素のラインとレーザーガスのラインとを分離した。エキシマレーザー発振装置31のガスマニホルドを分岐ライン21、22に接続した。一方、排気ライン15を排気した。このライン15は装置31に接続されている。
【0108】
レーザーガスをメインライン111a、分岐ライン21を通して装置31のマニホルドに供給した。このとき、排気ライン111cは常時50cc/minで排気を行い続けた。
【0109】
こうして、装置を作動させてレーザー発振を繰り返したところ、長時間安定したエキシマレーザー光が得られた。
【0110】
(実施例3)
この実施例では、メインライン末端即ち共通排気ライン111c,112cにおけるガス流量を0.5cc/min〜100cc/minの範囲から選択して、パージを行いながら4台のエキシマレーザー装置にガスを供給し、そのガスを用いてレーザーを発振させた。その他の条件は実施例2のとおりである。
【0111】
その結果は以下の通りである。フッ素ガスの処理やコストを考えるとパージ流量の上限は90cc/min程度が好ましい。
【0112】
【表1】
Figure 0003782151
【0113】
レーザー発振特性は、108ショットパルス発振を繰り返した時の再現性を評価し、従来の装置において、初期の特性が維持できたショット数(ガスの寿命)を1として、その1.0〜1.1をC、1.2〜1、3倍をb、1.4倍以上をAとした。
【0114】
装置毎のバラツキは、108ショットパルス発振を繰り返した時、初期の特性が維持できたショット数(ガスの寿命)を測定し、その装置毎のバラツキを評価した。
【0115】
(実施例4)
電解研磨したステンレス鋼のパイプに15ppbの弗素ガスを流して熱処理して得られたパイプを用いて、図2に示したガス供給装置のレーザーガスの配管を作製した。一方で、電解研磨したステンレス鋼のパイプに酸化クロム膜を設けたパイプを用いて、図2の窒素ガスの配管を作製した。溶接部も上述した溶接方法により溶接した。
【0116】
このようなガス供給装置をパージを以下のように行った。
【0117】
ガスボンベT2として、高純度窒素を収容するボンベを接続した。レーザーガスのメインライン211aとレーザーガスの共通ライン211bにもパージガスとしての窒素ガスが流れるように、ボンベT2に全メインラインを連通させるように各バルブの開閉状態を設定した。このような系の状態において、真空ポンプを動作させて共通排気ライン212c、211cを排気した。
【0118】
ガスボンベT1として、F2/Kr/Neレーザーガスを収容するボンベを接続した。共通ライン111bと112bとを連通させる弁を閉じて、窒素のラインとレーザーガスのラインとを分離した。こうして使用ガスによるパージを行った。
【0119】
多数のエキシマレーザー発振装置31を分岐ライン21、22に接続した。そして、マスフローコントローラMFCを調整して、50cc/minの流量で常時、使用ガスのパージを行いながら、分流弁231を開けて、各エキシマレーザー発振装置に各ガスを供給した。
【0120】
こうして、装置を作動させてレーザー発振を繰り返したところ、いずれの装置においても長時間安定したエキシマレーザー光が得られた。
【0121】
【発明の効果】
(請求項1)
請求項1に係る発明においては、不純物の混入が極めて低く、従って、極めて発振安定性に優れたエキシマ発振装置を提供することができる。また、極めて簡単にパージが可能である。
【0122】
(請求項2)
請求項2に係る発明においては、ガス管内面の耐食性(耐フッ化ガス性)に優れているため、腐食による不純物の混入が極めて少ない。また、表面からのガス離脱性が優れているため簡単なパージで吸着不純物の除去が可能である。超高純度のフッ素ガスの導入が可能であり、発振安定性に優れたエキシマ発振装置を提供することができる。
【0123】
(請求項3)
複数のエキシマ発振装置に対して、不純物濃度の低いガスの滞留による内表面からの放出ガスの混入を防止することができ、純度の高いガスの導入が可能となる。また、常時パージを行ったとしても流量が少なくてすみ、また、大量にパージを行ったとしてもメインライン毎の圧力の隔たりが小さい。
【0124】
(請求項4)
請求項4に係る発明によれば、フッ化不働態膜は他のフッ化不働態膜より耐食性に優れたおり、発振安定性により優れたエキシマ発振装置を提供することができる。
【0125】
(請求項5)
請求項5に係る発明によればより一層発振安定性に優れたエキシマ発振装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態によるエキシマレーザー発振装置用のガス供給装置を示す模式図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態によるガス供給装置の別の例を示す模式図である。
【図3】本発明のエキシマレーザー発振装置を用いたフォトリソグラフィ用の露光装置の構成を示す模式図である。
【図4】本発明の好適な実施の形態によるエキシマレーザー発振装置用のガス供給装置に用いられるガス管を示す模式図である。
【図5】KrFエキシマレーザー発振装置用のガス供給装置の配管の様子を示す模式図である。
【符号の説明】
10 ガス管、
11、12、13、14 メインライン、
15 ガス排気系のメインライン、
21、22、23、24 分岐ライン、
25 分岐排気ライン、
31 エキシマレーザー発振装置、
41、45、46 バルブ、
V1、V2、V3、V4 バルブ、
T1、T2、T3、T4 ボンベ、
SF1 被膜、
T1、T2 ガス源(ボンベ)、
111a 不活性ガスのメインライン、
112a フッ素含有ガスのメインライン、
111b、112b 共通ライン、
111c、112c 共通排気ライン、
115 メイン排気ライン、
P 排気手段(真空ポンプ)、
211a メインライン、
211b 共通供給ライン、
211c、211d 共通排気ライン
212a メインライン、
212b 共通供給ライン、
212c 共通排気ライン、
215a,215b,211d ライン、
231 分流弁、
241、242 逆止弁、
243 排気手段(除外装置)、
V1,V5’ 2連3方バルブ、
V2,V5,V6,V7,V8 分流バルブ、
301 露光装置(ステッパー)、
302 コントロールユニット、
303 シャッター、
304 光学モニターモジュール、
305 出力ミラー、
306 レーザー管、
307 パルスパワーモジュール、
308 パルスドライバ、
309 高圧電源、
310 狭帯域化モジュール、
311 ガス制御ユニット、
312 排気モジュール、
313 コントロールパネル、
314 パーソナルコンピュータ、
MFC マスフローコントローラ。

Claims (5)

  1. 複数のエキシマレーザー発振装置にガスを供給する為のガス供給装置において、
    ガス源に連通する供給端と排気手段に連通する末端とを有する複数のメインラインと、該メインラインより分岐し各エキシマレーザー発振装置に連通する複数の分岐ラインと、を有し、該複数のメインラインの供給端及び末端はそれぞれ共通ラインに連通していることを特徴とするガス供給装置。
  2. 前記メインライン及び分岐ラインのガス管における、該フッ素を含むガスが接する表面にフッ化不働態膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガス供給装置。
  3. 前記ガス供給装置は、更に、不活性ガスのガス源に連通する供給端と排気手段に連通する末端とを有する複数の不活性ガス用メインラインと、該メインラインより分岐し各エキシマレーザー発振装置に連通する複数の不活性ガス用分岐ラインと、該複数のメインラインの供給端及び末端にそれぞれ連通する不活性ガス用共通ラインと、を有しており、
    前記末活性ガス用メインラインと前記不活性ガス用分岐ラインと前記不活性ガス用分岐ラインのガス管における不活性ガスに接する表面は、酸化クロム不働態膜が設けられたステンレス鋼の表面であることを特徴とする請求項1に記載のガス供給装置。
  4. 該フッ化不働態膜は、10ppb以上のフッ素ガスを含む雰囲気中においてガス管の表面を熱処理して得られた膜である請求項2に記載のガス供給装置。
  5. 該フッ化不働態膜は、電解研磨されたステンレス鋼からなる表面上に形成された膜である請求項2に記載のガス供給装置。
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