JP3781091B2 - ビーム整形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、照射光を所定のビーム形状で対象面に入射させるためのビーム整形装置及び方法に関するものであり、特にレーザーを利用したアニーリング装置、表面改質装置等の加工装置に応用可能なビーム整形装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばアモルファスSi膜を多結晶化するレーザーアニーリング装置は、アモルファスSi膜を形成した基板上にアニーリング光を照射させるためのビーム整形装置として、ホモジナイザーと呼ばれる光学系を備える。特に、レーザーアニーリング装置が線状のレーザービームを基板上で短軸方向に1軸スキャン照射するスキャンタイプのものである場合、矩形ビームから線条ビームを形成する線条ビームホモジナイザーが用られる。
【0003】
上記のようなレーザーアニーリング装置では、線条ビームホモジナイザーによって形成される短軸方向のビーム断面形状(特に、エッジ部のスロープおよびピークエネルギー密度)に依存してアニーリングのプロセス結果が異なるものとなるため、照射中のビーム断面形状を一定に保つことが重要となる。
【0004】
また、ビーム断面形状を意図的に変更して照射させることができれば、アニーリングプロセスの条件出し等が容易になる。特に、短辺エッジ部のスロープを様々に変化させて照射させることができれば、基板上で多結晶化されるシリコン層の状態を自在に制御できる可能性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の装置では、アニール用のレーザーを連続照射しているとレーザー光源内部の何らかの原因によって出射ビームの拡がり角が徐々に変化していく現象が発生し、ホモジナイザーを経て基板に照射されるビーム断面形状(特にビームスロープ)も変化してしまう。
【0006】
この点についてもう少し簡単に説明する。拡がり角θを持ったレーザービームは、理想的なレンズ(焦点距離f)を用いてもfθのスポットにしか絞れない。つまり、照射途中にアニール用のレーザーの拡がり角が変化した場合、レーザービームのエッジのスロープが拡がり角θに比例して緩やかになってしまうという問題が生じる。また、緩やかになったビームスロープ部に中央のトップフラット部のビーム成分がまわり込んでピークエネルギー密度が下がるという問題も生じる。このような現象は、一連のアニーリングプロセスを比較した場合に照射状態が異なることを意味し、安定した品質を得ることが困難である。
【0007】
また、従来のビーム整形装置では、ビーム断面形状を積極的に制御する簡易な方法がなくプロセスの条件出し等が容易でなかった。ここで、ビーム断面形状を調節するには、以下のような方法が考えられる。
(a)ホモジナイザーを光軸上で移動させてデフォーカスさせる
(b)別のビーム形状を形成させる別のホモジナイザーに交換する
(c)ホモジナイザーの構成レンズの一部を交換する
上記(a)の方法に関しては、デフォーカスによって、短辺エッジ部スロープのみならずビーム全体が予期せぬ形状に変形してしまう問題がある。(b)及び(c)の方法に関しては、光学設計が複雑となり、交換の機構や動作も複雑となって実用的ではない。
【0008】
そこで、本発明は、ビーム形状等を簡易に制御することができるビーム整形装置および方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るビーム整形装置は、光源からの照射光を所定の断面形状及び強度で所定面上に入射させるホモジナイザーと、前記光源と前記ホモジナイザーとの間に配置されてホモジナイザーに入射する前記照射光の拡がり角を調節するアフォーカルズーム光学系とを備える。
【0010】
本発明の上記ビーム整形装置では、アフォーカルズーム光学系が前記光源と前記ホモジナイザーとの間に配置されてホモジナイザーに入射する前記照射光の広がり角を調節するので、ホモジナイザー自体の設定を変更することなく、ホモジナイザーから出射して所定面上に入射する照射光の断面形状等を簡易に調節することができる。つまり、光源から出射する照射光の拡がり角が徐々に変化しても、アフォーカルズーム光学系の調整のみによって、所定面上に入射する照明光の断面形状を一定に保つことができる。また、アフォーカルズーム光学系によって前記照射光の拡がり角を適宜調節することで、ビーム断面形状を積極的に制御することもできる。なお、前者のように光源からの照射光の拡がり角が徐々に変化する現象をアフォーカルズーム光学系によって相殺する場合、アフォーカルズーム光学系による拡がり角の調節は連続的なものとする必要がある。
【0012】
また、本発明の上記ビーム整形装置では、アフォーカルズーム光学系を用いているので、ホモジナイザーに入射する前記照射光がほぼ平行光線である場合、アフォーカルズーム光学系の角倍率を適宜変化させるだけで、簡易に前記照射光の拡がり角を調節することができる。
【0013】
また、上記装置の好ましい態様では、前記照射光の拡がり角を検出する検出手段と、当該検出手段の検出値に基づいて前記アフォーカルズーム光学系の角倍率を制御する制御手段とをさらに備える。
【0014】
この場合、制御手段が検出手段の検出値に基づいて前記アフォーカルズーム光学系の角倍率を制御するので、照射光の拡がり角の変化を簡易・迅速に補償して安定した断面形状及び強度の照射光を所定面上に入射させることができる。
【0015】
また、本発明に係るビーム整形方法は、光源からの照射光をホモジナイザーによって所定の断面形状及び強度分布で所定面上に入射させるビーム整形方法であって、前記ホモジナイザーに入射する前記照射光の拡がり角を、アフォーカルズーム光学系で調節する。
【0016】
上記ビーム整形方法では、前記ホモジナイザーに入射する前記照射光の拡がり角をアフォーカルズーム光学系で調節することによって、ホモジナイザー自体の設定を変更することなく、ホモジナイザーから出射して所定面上に入射する照射光の断面形状等を簡易に調節することができるのみならず、ホモジナイザーに入射する前記照射光がほぼ平行光線である場合、アフォーカルズーム光学系の角倍率を適宜変化させるだけで、簡易に前記照射光の拡がり角を調節することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係る第1実施形態のビーム整形装置を組み込んだ照射光学系の構造を説明する図である。
【0018】
この照射光学系は、照射光である光ビームを発生するレーザー光源10と、このレーザー光源10からの光ビームを所定の断面形状及び強度で所定の被照射面IS上に入射させるホモジナイザー20と、レーザー光源10とホモジナイザー20との間に配置されてホモジナイザー20に入射する光ビームの広がり角を調節する角度調節光学系であるアフォーカルズーム光学系30とを備える。ここで、ホモジナイザー20とアフォーカルズーム光学系30とは、ビーム整形装置を構成する。なお、レーザー光源10からアフォーカルズーム光学系30及びホモジナイザー20まで光ビームを導くためのビームデリバリー(ミラー等)は示していない。また、被照射面IS上には、例えばガラス基板上にアモルファスSi膜を堆積したものを配置する。
【0019】
アフォーカルズーム光学系30では、これを通過する光ビームの入射前後の光軸からの高さをh0、h’とし、入射前後の光軸との交わり角をu0、u’とすると、角倍率γが、
γ=h0/h’=u’/u0=γ0〜γ’
で与えられ可変となっている。つまり、このアフォーカルズーム光学系30を通すことで、ホモジナイザー20に入射する光ビームの広がり角を一定の範囲で簡単に調節することができる。
【0020】
全体の動作について説明する。まず、レーザー光源10からは、ほぼ平行な照射光の光ビームが出射し、ホモジナイザー20に入射する前に、角倍率可変のアフォーカルズーム光学系30に入射する。このアフォーカルズーム光学系30を経た光ビームは、ホモジナイザー20に入射するが、アフォーカルズーム光学系30によって角倍率を制御することにより、ホモジナイザー20に入射する光ビームの広がり角を調節することができる。これにより、ホモジナイザー20を通過した光ビームを線条ビームとして被照射面IS上に所望の断面形状及び強度分布で入射させることができる。
【0021】
なお、被照射面IS上にアモルファスSi膜を配置した場合、アモルファスSi膜の表面を上記のような所望の断面形状の線条ビームで走査することになり、ガラス基板上に所望の条件で一様にアニールされたポリシリコン膜が形成される。
【0022】
図2は、ホモジナイザーの構造を説明する図である。図2(a)は、線条ビームの長軸方向に関する図であり、図2(b)は、線条ビームの短軸方向に関する図であり、図2(c)は、ホモジナイザーの一部品であるシリンドリカルレンズアレイの構造を説明する斜視図である。
【0023】
ホモジナイザー20は、第1〜第4シリンドリカルレンズアレイCA1〜CA4と、凸レンズのコンデンサレンズ21とからなる。ここで、第1及び第3シリンドリカルレンズアレイCA1、CA3は、短軸断面に曲率を有し、第2及び第4シリンドリカルレンズアレイCA2、CA4は、長軸断面に曲率を有する。
【0024】
ホモジナイザー20に入射した光ビームは、第1〜第4シリンドリカルレンズアレイCA1〜CA4によって、短軸及び長軸の両方向に関し、シリンドリカルレンズを構成するセグメント数に分割された2次光源を形成する。分割された2次光源からの光ビームは、第1及び第3アレイCA1、CA3の合成焦点距離fawと、第2及び第4アレイCA2、CA4の合成焦点距離falと、セグメント幅dとによって決定される異なった出射NAでコンデンサレンズ21に入射する。コンデンサレンズ21に入射した各2次光源からの光ビームは、コンデンサレンズ21のバックフォーカス位置に配置された被照射面ISで重ね合わされて均一な線条ビームを形成する。なお、合成焦点距離faw、falを適宜設定することにより、被照射面ISに投影される線条ビームの線幅Wと長さLとを所望の値に調節することができる。
【0025】
図3は、アフォーカルズーム光学系30の構成の一例を示す図であり、図3(a)〜図3(c)は、角倍率γの変化を説明する図である。
【0026】
図からも明らかなように、このアフォーカルズーム光学系30は、凸凹凸の3レンズ31、32、33からなる3群系で構成され、レンズ32、33の光軸上の配置を相対的に変更することにより、同じ角度で入射した光ビームを異なる角度で出射させることができる。
【0027】
図3(a)、3(b)、3(c)では、レンズデータの詳細は省略するが、同じ角度uでアフォーカルズーム光学系30に光ビームが入射しているにも拘わらず、それぞれu1’、u2’、u3’の異なる角度で出射しており、
u1’<u2’<u3’
の関係がある。つまり、このアフォーカルズーム光学系30の角倍率γは、
γ1<γ2<γ3
となっている。この際、レンズの曲率及び配置を適宜調節して、例えばγ1<1、γ2=1、1<γ3という条件に設定することができ、可変範囲γ1〜γ3も、目的に合わせてある程度自由に設計することができる。
【0028】
ここで、レーザー光源10から出射するレーザー光の拡がり角をθとすると、アフォーカルズーム光学系をビームが通った後の光ビームの拡がり角はγ・θとなる。角倍率γは、上記のようにγ1〜γ3まで可変であるため、ホモジナイザー20に入射する光ビームの拡がり角をγ1・θ〜γ3・θ範囲でコントロールすることができることになる。そして、アフォーカルズーム光学系を通った後のレーザーの拡がり角γ・θが、
γ1・θ<γ2・θ<γ3・θ
であるため、ホモジナイザー20によって被照射面IS上に形成される線条ビーム像のスロープ幅は、γ1・θ、γ2・θ、γ3・θの順に狭い、すなわち急峻である。
【0029】
図4は、ホモジナイザー20によって被照射面IS上に投射される線条ビーム像のスロープ幅を示すグラフである。図4(a)は、比較的大きな拡がり角γ3・θのときのプロファイルを示し、図4(b)は、比較的小さな拡がり角γ1・θのときのプロファイルを示す。グラフにおいて、横軸は短軸方向の距離を示し、縦軸は光ビームのパワーを示す。線条ビーム像のスロープ幅SWは、アフォーカルズーム光学系30を適当な角倍率γに設定してやることにより、各グラフに示す2つ状態間で連続的に変化させるものとできる。なお、アフォーカルズーム光学系30のズーム動作は、手動で行っても良いが、通常はモーターを用いてレンズの配置を変えて行う。
【0030】
以上の説明から明らかなように、第1実施形態のビーム整形装置では、アフォーカルズーム光学系30によってホモジナイザー20に入射する光ビームの広がり角を調節することができるので、スロープ幅等のビーム断面形状を積極的に制御することができる。具体的に説明すると、第1実施形態のビーム整形装置は、レーザー加工のプロセスの条件出しに使用することができる。一般に、採用するプロセスによって最適なビームのスロープ幅は異なるので、これを見つけ出す必要があるが、このビーム整形装置を利用すれば、ホモジナイザー20を通過して加工面である被照射面ISに投射される投射像につき、所定の可変範囲で連続的にスロープを変えることができるため、プロセス上最適な条件を簡易に探し出すことができる。
【0031】
なお、アフォーカルズーム光学系30は、拡がり角の変換に関して上記の特性を持っているが、アフォーカルズーム光学系30によるビームサイズの変換に関しては注意が必要である。つまり、アフォーカルズーム光学系30の前後で、ビームサイズは角倍率に応じて1/γになるので、ホモジナイザー20のビーム開口は、最もビームサイズが大きくなる角倍率γ1のときにあわせて大きくしておく必要がある。
〔第2実施形態〕
図5は、第2実施形態のビーム整形装置を組み込んだ照射光学系の構造を説明する図である。この照射光学系は、図1に示すビーム整形装置の部分を変形した照射光学系であり、光ビームを発生するレーザー光源10と、光ビームを所定の断面形状及び強度で所定の被照射面IS上に入射させるホモジナイザー20と、ホモジナイザー20に入射する光ビームの広がり角を調節するアフォーカルズーム光学系30と、レーザー光源10からの光ビームをアフォーカルズーム光学系30及びホモジナイザー20に導くためのビームデリバリー40とを備える。第2実施形態の装置では、レーザー光源10からの光ビームの拡がり角の経時変化を補正してホモジナイザー20に入射する光ビームの拡がり角を一定に保つ。このため、ホモジナイザー20とアフォーカルズーム光学系30との間に配置されて光ビームを一部分岐するビームスプリッター51と、ビームスプリッター51からの分岐光の広がり角を検出する広がり角検出器52と、広がり角検出器52の検出結果に基づいてアフォーカルズーム光学系30を駆動するズームコントローラー55とをさらに備える。
【0032】
レーザー光源10から出射された光ビームは、ビームデリバリー40を経てアフォーカルズーム光学系20に入射する。アフォーカルズーム光学系30に入射した光ビームは、拡がり角がθからγθに変換されてホモジナイザー20に入射する。ビームスプリッター51は、ホモジナイザー20に入射する直前の光ビームの1%程度分岐して広がり角検出器52に供給する。広がり角検出器52は、例えば焦点距離fのレンズとCCDカメラで構成され、このレンズで絞られた集光点のビームの幅をCCDカメラで検出する。CCDカメラで検出されるビーム幅cdは、cd=fθで与えられるため、θ=cd/fとして拡がり角を求めることができる。このようにして得た拡がり角の検出値を元に、ズームコントローラー55でアフォーカルズーム光学系30の角倍率をコントロールすれば、ホモジナイザー20に入射する光ビームの拡がり角が常に一定値になるような制御が可能になる。拡がり角が一定値に制御されていれば、ホモジナイザー20から出射して被照射面IS上に投射される光ビームのビーム形状等も安定するので、プロセス結果として得られる製品も品質にぱらつきのない良好なものとなる。
【0033】
拡がり角の検出位置に関しては、もしレーザー光源10の出口における拡がり角と、アフォーカルズーム光学系30の角倍率及びズーム後の拡がり角との対応がとれていれば、レーザー光源10の出口で拡がり角を検出してもよい。この場合、レーザー光源10の出口における拡がり角の値を用いて、ホモジナイザー20に入射する光ビームの拡がり角を間接的にコントロールすることになる。具体的には、図5に示すように、ビームスプリッター51の代わりに、レーザー光源10とビームデリバリー40との間にビームスプリッター151を配置する。ビームスプリッター151からの分岐光は、広がり角検出器152によって検出される。ズームコントローラー55は、広がり角検出器152の検出結果に基づいてアフォーカルズーム光学系30を駆動して、最終的にアフォーカルズーム光学系30を出射する光ビームの拡がり角を一定にする。
〔第3実施形態〕
図6は、第2実施形態と同様のビーム整形装置を組み込んだレーザーアニール装置の構造を説明する図である。
【0034】
このレーザーアニール装置は、アモルファス状Si等の半導体薄膜を表面上に形成したガラス板であるワークWOを載置して3次元的に滑らかに移動可能なステージ70と、ワークWO上の半導体薄膜を加熱するためのエキシマレーザーその他のレーザービームLBを発生するレーザー光源110と、このレーザービームLBを線条にして所定の照度でワークWO上に入射させる照射光学系80と、ワークWOを載置したステージ70を照射光学系80等に対して必要量だけ相対的に移動させる駆動手段であるステージ駆動装置90と、レーザーアニール装置全体の各部の動作を統括的に制御する主制御装置100とを備える。
【0035】
照射光学系80は、レーザービームLBをY軸方向に延びる所定断面形状及び強度の線条ビーム像としてワークWO上に入射させるホモジナイザー20と、ホモジナイザー20に入射するレーザービームLBの広がり角を調節するアフォーカルズーム光学系30とを備える。レーザー光源110と照射光学系80との間に配置したミラー251の一部透過光は、広がり角検出器152によって検出される。主制御装置100は、広がり角検出器152の検出結果に基づいてズームドライバ155を駆動し、アフォーカルズーム光学系30の角倍率を調節する。
【0036】
以下、図6の装置の動作について説明する。まず、レーザーアニール装置のステージ70上にワークWOを搬送して載置する。次に、照射光学系80に対してステージ70をX軸方向に移動させながら、照射光学系80からのレーザービームLBをY方向に延びる線条ビーム像としてワークWO上に入射させる。これにより、レーザービームLBによるワークWO全面の走査が行われることになる。
【0037】
レーザービームLBの走査に際しては、広がり角検出器152によってミラー251からの分岐光を検出する。主制御装置100は、広がり角検出器152の検出結果に基づいてズームドライバ155を介してアフォーカルズーム光学系30を駆動し、アフォーカルズーム光学系30を出射する光ビームの拡がり角を一定にする。これにより、レーザー光源10からの光ビームの拡がり角の経時変化を補正してワークWOに投射される光ビームの拡がり角を一定に保つ。
【0038】
なお、主制御装置100は、ズームドライバ155を介してアフォーカルズーム光学系30を適宜駆動し、ホモジナイザー20に入射する光ビームの広がり角を意図的に変更することもできる。これにより、アモルファス状Si等の半導体薄膜のポリ化プロセスの条件出しが可能になる。例えば、アモルファスSiのポリ化工程では、スロープ幅が広く緩やかな方が溶融固化時の温度勾配が小さくストレスを発生させないため表面荒れを抑える効果があり高品質のものがえられるという報告がある。逆に、極端にスロープ幅を広く緩やかにするとスロープ部にフラット部のビームが回り込んでトップフラット領域のエネルギー密度が上がらない。アフォーカルズーム光学系30の角倍率を変更しつつ行う条件出しの実験により、両条件を配慮しつつ、最適なビームスロープを探し出すことができる。なお、アモルファスSiのポリ化工程ではプロセスの評価手段としてラマン分光器を用いた結晶化度や、TEMを用いた結晶粒径等が利用されている。
【0039】
以上、実施形態に即してこの発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、アフォーカルズーム光学系30を連続的に角倍率が変化するものとしているが、プロセスの条件出しを行う場合には、角倍率が不連続で多段階変化するものとすることができる。また、角倍率が変化する範囲も、条件出し等の目的と用途に応じて適宜変更可能である。また、アフォーカルズーム光学系30のレンズ構成は、凸凹凸の3群構成に限られるものではなく、凹凸凹、4群構成以上と様々な変形が可能である。
【0040】
【発明の効果】
本願発明のビーム整形装置によれば、アフォーカルズーム光学系が光源とホモジナイザーとの間に配置されてホモジナイザーに入射する照射光の拡がり角を調節するので、ホモジナイザーから出射して所定面上に入射する照射光の断面形状等を調節することができる。つまり、光源から出射する照射光の拡がり角が徐々に変化しても、ホモジナイザーの設定を変えることなく、ホモジナイザーを経て所定面上に入射する照明光の断面形状を一定に保つことができる。また、アフォーカルズーム光学系によって前記照射光の拡がり角を調節することで、ビーム断面形状を積極的に制御することもできる。
【0041】
また、本発明のビーム整形方法によれば、前記ホモジナイザーに入射する前記照射光の拡がり角を調節することによって、ホモジナイザーから出射して所定面上に入射する照射光の断面形状等を簡易に調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のビーム整形装置を組み込んだ照射光学系の構造を示す図である。
【図2】ホモジナイザーの構造を説明する図であり、(a)は、線条ビームの長軸方向に関する図であり、(b)は、線条ビームの短軸方向に関する図であり、(c)は、ホモジナイザーの一部を構成する一シリンドリカルレンズアレイの構造を説明する斜視図である。
【図3】アフォーカルズーム光学系の構成の一例を示す図であり、(a)〜(c)は、角倍率γの変化を説明する図である。
【図4】ホモジナイザーによって形成される線条ビーム像のスロープ幅を示すグラフである。(a)は、比較的大きな拡がり角のプロファイルを示し、(b)は、比較的小さな拡がりのプロファイルを示す。
【図5】第2実施形態のビーム整形装置を組み込んだ照射光学系の構造を説明する図である。
【図6】第2実施形態のビーム整形装置を組み込んだレーザーアニール装置の構造を説明する図である。
【符号の説明】
10 レーザー光源
20 アフォーカルズーム光学系
20 ホモジナイザー
30 アフォーカルズーム光学系
31,32,33 レンズ
51 ビームスプリッター
52 広がり角検出器
55 ズームコントローラー
Claims (3)
- 光源からの照射光を所定の断面形状及び強度で所定面上に入射させるホモジナイザーと、
前記光源と前記ホモジナイザーとの間に配置されてホモジナイザーに入射する前記照射光の広がり角を調節するアフォーカルズーム光学系と
を備えることを特徴とするビーム整形装置。 - 前記照射光の拡がり角を検出する検出手段と、当該検出手段の検出値に基づいて前記アフォーカルズーム光学系の角倍率を制御する制御手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1記載のビーム整形装置。
- 光源からの照射光をホモジナイザーによって所定の断面形状及び強度分布で所定面上に入射させるビーム整形方法であって、
前記ホモジナイザーに入射する前記照射光の拡がり角を、アフォーカルズーム光学系で調節することを特徴とするビーム整形方法。
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