本発明の実施の一形態について図1ないし図15に基づいて説明すると以下の通りである。本実施の形態では、家屋のセキュリティを監視する、いわゆるホームセキュリティシステムを本発明の通信システムの一例として挙げ、このセキュリティシステムの構成について説明する。
なお、本実施の形態にかかるセキュリティシステム内の監視システム(管理システム)は、固有ネットワークであるVPN(Virtual Private Network)と接続されている。そのため、本実施の形態では、通信プロトコルHTTPを用いてインターネットと接続する携帯電話機(通信端末)が、上記監視システムと情報通信を行うために、外部ネットワークには、プロトコル変換およびVPNにおける専用アドレスを持つ通信先の特定を行うプロトコル変換装置(通信中継装置)が設けられている。本実施の形態では、このようなプロトコル変換装置についても詳しく説明する。
〔A:セキュリティシステムの構成〕
まず、セキュリティシステムの全体構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るセキュリティシステムの概略構成を示す模式図である。図2に示すように、セキュリティシステム(通信システム)1は、監視システム(管理システム)11と携帯電話機(通信端末)12とを備えており、この監視システム11と携帯電話機12とが、外部ネットワーク13(インターネット)を介して互いに通信可能に接続されている。そして、本実施の形態では、監視システム11は、インターネット内において、VPN(固有ネットワーク)と接続し、このVPN内で情報通信が行われる構成になっている。つまり、監視システム11は、固有ネットワークに属する固有ネットワーク端末と言える。
監視システム11は、家屋内外のセキュリティを行う領域(セキュリティ領域)における種々の状態を監視するものである。また、携帯電話機12は、監視システムのユーザによって予め登録された携帯電話機である。すなわち、上記セキュリティシステム1は、監視システム11がセキュリティ領域に何らかの異常が発生したと判断した場合に、外部ネットワーク13を介して、ユーザによって予め登録された携帯電話機12にその旨を通知するものである。これにより、ユーザは、セキュリティ領域に異常が発生したことを知ることができることとなっている。以下、具体的に説明する。
〔A−1:監視システム〕
図3は、上記セキュリティシステム(通信システム)1における監視システム(管理システム)11の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、監視システム11は、センサ部21、アクチュエータ部22、カメラ部23、家電制御部24、メインコントローラ25(主制御装置)を備えている。
(センサ部)
センサ部21は、侵入等の異常状態を検知し、警報を発する機器である。具体的には、センサ部21は、セキュリティ領域の状態を監視して、その状態の変化を検知する。また、センサ部21は、状態の変化を検知して、異常状態であるか否かを判断し、異常状態である場合には、その旨をメインコントローラ25に通知する。なお、異常とは、災害や侵入等のセンサ部21で検知した異常状態を総称したものとする。
図4は、センサ部21の概略構成を示すブロック図である。図4に示すように、センサ部21は、センサ51、センサ制御部52、センサ通信部53、センサ電源部54、センサ電源監視部55を備えている。
センサ51は、セキュリティ領域の状態の変化を識別するものである。センサ51としては、状態の変化を識別できるものであればよいが、例えば、振動センサ、焦電センサ、リードSW、ドップラーセンサ、MIR(Micro Impulse Radar)センサ等を用いることができる。
振動センサは、振動や音を検知するものである。振動センサは、例えばドアに設置することにより、ドアの振動を検知することや、ピッキング等の鍵を触る際の音や振動を検知することができる。また、焦電センサやドップラーセンサを設置することにより、人の存在や物体移動を検知することができる。また、リードSWやMIRセンサをドアや窓に設置することによって、ドアや窓の開閉を検知したり、窓ガラスが割られたこと等を検知したりすることができる。なお、MIRセンサとは、反射を見て物体を検知するものである。
本実施の形態にかかるセンサ部21には、上記各種センサのうち、ドップラーセンサ51がセンサ51として取り付けられている。
なお、用いることができるセンサとしては上述のものに限定されるものではない。また、セキュリティシステムの仕様等によって、使用するセンサの数や種類、それらの組み合わせを適宜変えてもよい。通常、セキュリティシステムにおいては、管理領域内の各ドア、各窓に、上記のようなセンサ部21がそれぞれ取り付けられていることが好ましい。
上記ドップラーセンサ51は、センサ制御部52と接続されており、当該センサにて検知した変化に関する情報(変化情報)はセンサ制御部52へと送信される。なお、センサ51にて検知した変化情報とは、センサ51が検知した状態の変化の程度(状態の変化のレベル)に関する情報である。
センサ制御部52は、センサ部21全体を制御するものであり、例えば、異常の判定、異常の通知、センサ電源部として電池を使用した場合の電池残量監視等を行っている。具体的には、センサ制御部52は、センサ51にて検知した変化情報を受信すると、当該センサ51が検知した状態変化のレベルが異常なレベル(異常状態)であるか否かの判断を行う。センサ制御部52には、予め、センサ51にて検知した変化情報が異常を示すものであるか否かを判定するための閾値が記憶されている。このため、センサ制御部52は、センサ51から送信された変化情報を閾値と比較して、閾値を超えている場合に異常であると判定する。センサ制御部52は、異常であると判定した場合には、その旨をメインコントローラ25に通知する。センサ制御部52からの異常の通知はセンサ通信部53を介して行われる。
センサ通信部53は、センサ部21がメインコントローラ25と通信を行うためのインターフェースである。センサ部21は、メインコントローラ25と無線接続されており、無線通信を行うようになっている。本実施の形態では、センサ部21とメインコントローラ25とは、特定小電力を用いた無線通信を行っている。このため、センサ通信部53は、特定小電力用のRFIC(無線タグ)を備えた構成を有している。センサ制御部52からの異常通知は、センサ通信部53からメインコントローラ25へと送信される。
なお、本実施の形態におけるセンサ部21とメインコントローラ25との通信は、センサ部21からメインコントローラ25への単方向通信となっている。これらの間の通信は、単方向通信としてもよく、双方向通信としてもよい。ただし、双方向通信とする場合には、常に相手装置からの信号を受信できるように待機状態にしておく必要がある。このため、消費電力が大きくなる。これに対して、単方向通信では、本実施の形態のように各センサにて異常を検知した際にメインコントローラ25にその旨を通知することができればよく、消費電力を小さくすることができる。
また、センサ電源部54は、センサ部21の各部材を駆動させるための電源である。センサ電源部54は、AC電源や電池とすることができる。ただし、センサ部21の設置箇所はドアや窓等であることが多いため、電池を用いることが好ましい。この場合、センサ部は、通信用の線および電源用の線の双方共に不要となり、フルワイヤレスとすることができる。電池としては、一次電池、二次電池、太陽電池等を用いることができる。
センサ電源部54に電池を使用する場合、電池が全て消費され、センサ部21が駆動しなくならないように電池残量を監視する必要がある。センサ電源監視部55は、電池残量を監視するものである。センサ電源監視部55は、電池の残量を定期的に監視しており、その監視結果をセンサ制御部52に送信する。センサ制御部52は、監視結果に基づいて電池残量が所定値以下であるか否かを判断する。センサ部21は、センサ制御部52によって電池残量が所定値以下であると判断された場合には、センサ通信部53を介してメインコントローラ25にその旨を送信する。
(カメラ部)
カメラ部23は、セキュリティ領域の状態を撮影するものである。図5は、カメラ部23の概略構成を示すブロック図である。図5に示すように、カメラ部23は、カメラ第1通信部61、カメラ第2通信部62、カメラ制御部63、カメラモジュール64、カメラ電源部65、カメラ電源監視部66、LED67を備えている。
カメラ第1通信部61およびカメラ第2通信部62は、カメラ部23がメインコントローラ25と通信を行うためのインターフェースである。カメラ部23とメインコントローラ25との通信は、有線でも無線でもよく、本実施の形態では無線通信が用いられている。また、カメラ第1通信部61を介して行われる通信と、カメラ第2通信部62を介して行われる通信とは、互いに異なる通信方式が採用されている。具体的には、カメラ第1通信部61を介して行われる無線通信には、特定小電力が用いられ、カメラ第2通信部62を介して行われる無線通信には、IEEE802.11b規格に準拠した無線通信(以下「無線LAN」と称する)が用いられている。特定小電力の通信方式は低消費電力であり、無線LANは消費電力が大きいため、通信するデータの種類に応じて無線LANによる通信を最小限に抑えることが、異なる通信方式を採用するねらいである。
カメラ制御部63は、カメラ部23全体を制御するものであり、カメラ通信制御部68を備えている。例えば、カメラ制御部63は、カメラモジュールに対する撮影指示や撮影した画像データの受信制御、後述するLEDの点灯制御や電池残量監視等を行うものである。
カメラ通信制御部68は、カメラ第1通信部61およびカメラ第2通信部62を制御して、カメラ部23からメインコントローラ25への通信を制御するものである。カメラ制御部63は、カメラ部23からメインコントローラ25に対して送信するデータの種類に応じて、カメラ第1通信部61またはカメラ第2通信部62のいずれを介して通信を行うか判断する。すなわち、カメラ通信制御部68は、通信を行うデータの種類に応じて、特定小電力を用いた通信と無線LANを用いた通信とのいずれが適しているかについて判定する機能を有している。特定小電力を用いた通信を行う場合には、カメラ通信制御部68は、カメラ第1通信部61を制御して通信を行う。また、無線LANを用いた通信を行う場合には、カメラ通信制御部68は、カメラ第2通信部62を制御して通信を行う。
カメラモジュール64は、カメラ制御部63の指示に基づいて所定の画像を撮影するものである。カメラモジュール64は、CCD等の撮像装置を備えており、例えば、異常が発生した場合に、その異常の状態を撮影したり、ユーザの指示により画像を撮影したりする。また、カメラモジュール64は、パン/チルト機能を有していることが好ましい。この場合、定点画像ではなく、ある程度の範囲を含む空間を撮影することができる。
また、カメラモジュール64で撮影する画像は、静止画でもよく動画でもよい。カメラモジュールで撮影された画像データは、カメラ制御部63へと送られる。そして、この画像データはカメラ制御部63の制御によって、カメラ第2通信部62を介してメインコントローラ25に送信される。
カメラ電源部65は、カメラ部23の各部材を駆動させるための電源である。カメラ電源部65としては、電池を用いることができる。この場合、カメラ部は通信用の線および電源用の線の双方共に不要となるため、カメラ部23の取り付け位置に制限がなくなる。なお、使用する電池は、一次電池でも二次電池でもよい。
また、カメラ電源監視部66は、電源として用いた電池の残量を監視するものである。カメラ電源監視部66による監視結果は、カメラ制御部63に送られる。カメラ制御部63は、電池の残量が所定値以下であるか否かを判断し、所定値以下であると判断した場合に、その旨をメインコントローラ25に通知する。
なお、カメラ電源部65としては、電池を用いることに限定されるものではなく、AC電源を用いることもできる。この場合には、電池残量を監視するカメラ電源監視部66は不要となる。また、AC電源を用いた場合には、消費電力が大きい動画の撮影や動画の画像データの送信を容易に行うことが可能となる。
LED67は、照明用のライトである。LED67は、撮影の際に、カメラ設置箇所の明るさが十分でない場合に点灯する。カメラ制御部63が、カメラ設置箇所の明るさを検知し、カメラ判定部(図示せず)が、撮影可能な明るさであるか否かを判定し、撮影可能な明るさでないと判定した場合にはLED67を点灯させる。また、携帯電話機を見ている人が暗いと感じたら手動でLED67をつけることもできる。
なお、本実施の形態では、カメラ部23は異常が発生した際の状況を撮影するためのものであり、異常を検知するためのセンサとしての機能は有していない。しかしながら、カメラ部23をセンサ部21と同様に異常検知用として使用することも可能である。この場合、カメラ部23の撮影機能を常に稼動させておき、一定時間毎に自動的に撮影を行うように設定しておく。
そして、撮影した画像データに基づいて、異常の有無を判断する。異常の有無は、一定時間毎に撮影した画像データを比較し、状態に変化が生じていると判断した場合には異常が発生したと判断する。異常の有無の判断はカメラ部23にて行ってもよく、メインコントローラ25にて行ってもよい。
異常の有無の判断をカメラ部23にて行う場合には、カメラ制御部63に閾値を記憶させておく。そして、カメラ制御部63が、画像データに基づく変化の度合いと閾値とを比較して、変化の度合いが閾値を超えている場合には異常が発生したと判断することもできる。
異常の有無の判断をメインコントローラ25にて行う場合には、カメラ部23は、一定時間毎に撮影した画像データをその都度メインコントローラ25に送信する。そして、メインコントローラ25がそれら各画像データに基づいて異常の有無を判断する。
上述のように、カメラ部23とメインコントローラ25との通信は、カメラ第1通信部61およびカメラ第2通信部62を介した無線通信によって行われる。また、カメラ第1通信部61とメインコントローラ25との通信は特定小電力が用いられ、カメラ第2通信部62とメインコントローラ25との通信は無線LANが用いられている。
(アクチュエータ部)
アクチュエータ部22は、異常が発生した際に、外部に向けて異常を知らせたり、不審者等を威嚇したりするものである。アクチュエータ部22は、メインコントローラ25と通信可能に接続されており、メインコントローラ25からの指示に基づいて異常の通報や威嚇を行っている。図6は、アクチュエータ部22の概略構成を示すブロック図である。図6に示すように、アクチュエータ部22は、アクチュエータ通信部71、アクチュエータ制御部72、通報・威嚇部73、アクチュエータ電源部74、アクチュエータ電源監視部75を備えている。
アクチュエータ通信部71は、アクチュエータ部22がメインコントローラ25と通信を行うためのインターフェースである。アクチュエータ部22とメインコントローラ25との通信は、無線でも有線でもよい。ただし、アクチュエータ部22の設置箇所に制限がなくなるという点から無線通信を用いることが好ましい。本実施の形態では、無線通信方式として特定小電力を用いている。
異常が発生した場合、アクチュエータ通信部71は、メインコントローラ25から送信された異常の発生に関する信号(異常信号)を受信する。アクチュエータ通信部71にて受信した異常信号は、アクチュエータ制御部72に送られる。
アクチュエータ制御部72は、アクチュエータ部22全体を制御するものである。すなわち、アクチュエータ制御部72は、上記アクチュエータ通信部71を制御して、メインコントローラ25との通信を行う。また、アクチュエータ制御部72は、メインコントローラ25から異常信号を受信すると、その信号に応じて通報・威嚇部73を駆動する。
通報・威嚇部73は、異常があったことを「音」や「光」等で外部に知らせると共に、侵入者等を威嚇するものである。通報・威嚇部73としては、具体的には、例えばベル、ブザー、サイレン、照明等を用いることができる。
なお、アクチュエータ部22は、メインコントローラ25から異常信号を受信できるものであればよく、本実施の形態におけるアクチュエータ部22とメインコントローラ25との通信は、メインコントローラ25からアクチュエータ部22への単方向通信となっている。しかしながら、本発明は、アクチュエータ部22とメインコントローラ25との通信は、単方向通信に限定されることなく、双方向通信であってもよい。なお、双方向通信である場合には、アクチュエータ部22からメインコントローラ25へは、アクチュエータ部22の電池残量に関する情報を送信することが好ましい。
なお、アクチュエータ部22を駆動させるアクチュエータ電源部74としては、AC電源や電池を用いることができるが、電池を用いることが好ましい。この場合、アクチュエータ部22は、通信用の線および電源用の線の双方共に不要となり、フルワイヤレスとすることができる。電池としては、一次電池、二次電池、太陽電池等を用いることができる。
また、アクチュエータ電源部74として電池を用いる場合には、電池残量を監視するアクチュエータ電源監視部75を備えていることが好ましい。アクチュエータ電源監視部75は、電池の残量を定期的に監視しており、その監視結果をアクチュエータ制御部72に送信する。アクチュエータ制御部72は、監視結果に基づいて電池残量が所定値以下であるか否かを判断する。アクチュエータ部22は、アクチュエータ制御部72によって電池残量が所定値以下であると判断された場合には、アクチュエータ通信部71を介してメインコントローラ25にその旨を送信する。
(メインコントローラ)
メインコントローラ25は、上記センサ部21、アクチュエータ部22、カメラ部23、および家電制御部24を制御することにより、監視システム11全体を制御するものである。図7は、メインコントローラ25の概略構成を示すブロック図である。
図7に示すように、メインコントローラ25は、第1通信部81、第2通信部82、外部通信部83、制御部84、電源監視部85、記憶装置86、時計部87を備えている。
第1通信部81および第2通信部82は、メインコントローラ25が、センサ部21、アクチュエータ部22、カメラ部23、および家電制御部24と通信を行うためのインターフェースである。すなわち、メインコントローラ25は、第1通信部81および第2通信部82を介して、センサ部21、アクチュエータ部22、カメラ部23、および家電制御部24と通信を行っている。
また、第1通信部81を介して行われる通信と、第2通信部82を介して行われる通信とは、互いに異なる通信方式が採用されている。具体的には、第1通信部81を介して行われる通信には特定小電力が用いられ、第2通信部82を介して行われる通信には無線LANが用いられている。
外部通信部83は、メインコントローラ25が、外部ネットワーク13と通信を行うためのインターフェースである。メインコントローラ25は、外部通信部83を介してイーサネット(登録商標)等と接続されている。すなわち、監視システム11は、イーサネット(登録商標)を介して外部ネットワーク13と接続されている。
このように、メインコントローラ25は、センサ部21、アクチュエータ部22、カメラ部23、および家電制御部24と通信可能に接続されていると共に、外部ネットワーク13と通信可能に接続されている。
制御部84は、メインコントローラ25全体を制御するものであり、通信制御部88とセキュリティ管理制御部89とを備えている。
通信制御部88は、第1通信部81、第2通信部82および外部通信部83を制御するものである。すなわち、通信制御部88は、センサ部21、アクチュエータ部22、カメラ部23、家電制御部24、および外部ネットワーク13との通信を制御している。
通信制御部84は、通信を行うデータの種類に応じて第1通信部81または第2通信部82のいずれを介して通信を行うかを判断する。すなわち、通信制御部84は、通信を行うデータの種類に応じて、特定小電力を用いた通信と無線LANを用いた通信とのいずれが適しているかについて判定する機能を有している。特定小電力を用いた通信を行う場合には、通信制御部84は、第1通信部81を制御して通信を行う。また、無線LANを用いた通信を行う場合には、通信制御部84は、第2通信部82を制御して通信を行う。
セキュリティ管理制御部89は、セキュリティシステムの警戒状態設定を含む各種設定を行うための制御や、センサ部21やカメラ部23から送信されたデータに基づいて、異常である旨をユーザに通知するための制御を行ったり、家電機器のON/OFFを制御したりするものである。
また、セキュリティ管理制御部89は、カメラ部23から送信された画像データに対して、所定の処理を施すものであってもよい。所定の処理とは、例えば、カメラ部23で撮影した異常の状態のうち、特定の部分のみを拡大して表示する場合に、拡大する部分を画像の中から切り出すといった処理がある。この特定の部分とは、例えば、異常が不審者の侵入である場合における侵入者の顔等である。
電源監視部85は、メインコントローラ25を駆動させるための電源を監視するものである。メインコントローラ25を駆動させるための電源としては、一次電池、二次電池、太陽電池やAC電源のいずれを用いてもよい。メインコントローラ25の電源が一次電池または二次電池である場合(メインコントローラの電源がAC電源または太陽電池といった交換不要な(永久的な)電源でない場合)には、電源監視部85は電池の残量を監視する。
この場合、電源監視部85による監視結果が制御部84に送られ、制御部84は、電池残量が所定値以下であるか否かを判断する。判断の結果、電池残量が所定値以下である場合には、メインコントローラ25は、外部通信部83を介してユーザの携帯電話機12にその旨のメールを送信する。
また、電源監視部85は、使用する電源が電池であるかAC電源等であるかに関わらず、電源遮断を検知する機能を有していてもよい。この場合、電源監視部85は、何らかの原因で電源が遮断された場合に、それを検知することができる。そして、メインコントローラ25は、ユーザの携帯電話機12にその旨を通知するメールを送信してもよい。これにより、例えば、侵入者による電源遮断や停電といった不測事態による警戒状態中断をユーザに知らせることが可能となる。
また、メインコントローラ25は、電源が遮断された場合に、この電源が遮断されたという事実を記憶装置86に記憶させてもよい。さらに、メインコントローラ25は、時計部の時間情報に基づいて、遮断された時間を併せて記憶させてもよい。
なお、記憶装置86には、電源遮断に関する情報の他に、発生した異常履歴や、カメラ部にて撮影した画像データ等を記憶させてもよい。
また、メインコントローラ25に複数の異なる色のLED67等を設け、セキュリティシステム1が有している複数の警戒状態に応じて点灯させるLED67を変えてもよい。これにより、セキュリティシステム1が現時点でどの警戒状態にあるのかを簡単に判別することができる。例えば、セキュリティシステム1が外出モードの場合には赤色のLEDを点灯させ、在宅モードの場合には緑色のLEDを点灯させ、非警戒モードの場合にはLEDを消灯させることができる。
(家電制御部)
家電制御部24は、メインコントローラ25からの指示に基づいて、エアコン41a、照明41b、テレビ41cなどの各種家電機器41を操作する家電コントローラ31と、上記各種家電機器41とから構成される。この家電コントローラ31は、メインコントローラ25と上記各種家電機器41との情報通信を特定小電力による無線通信によって仲介する機器である。
つまり、本発明の電気機器制御装置は、外部ネットワークを介して通信端末と通信可能なメインコントローラと、所定の管理領域内に配置されたセンサと、当該メインコントローラによって管理される少なくとも1つの電気機器とが無線接続されており、上記センサにおける検知結果あるいは上記通信端末から入力された操作情報に基づいて、上記メインコントローラが上記電気機器の動作を制御することが可能な管理システムにおいて利用されるものである。そして、この電気機器制御装置は、上記主制御装置と上記電気機器との情報通信を仲介する。
図8は、家電制御部の概略構成をブロック図である。図8に示すように、家電制御部24は、家電コントローラ31と複数の家電機器41…とから構成されている。上記家電機器41は、一般的に家電機器と呼ばれるものであれば特に限定はされないが、本実施の形態では、上記家電機器としてエアコン41a、照明41b、テレビ41cが備えられている。
家電コントローラ31は、特定小電力通信部32、内部制御部33、赤外線照射部34、温度センサ35、照度センサ36、操作部37、家電コントローラ電源部39、および家電コントローラ電源制御部40を備えている。
特定小電力通信部32は、メインコントローラ25との情報の送受信を行うためのインターフェースである。特定小電力通信部32は、メインコントローラ25と無線接続されている。本実施の形態では、特定小電力通信部32とメインコントローラ25とは、特定小電力を用いた無線通信を行っている。このため、特定小電力通信部32は、特定小電力用のRFIC(無線タグ)を備えた構成を有している。特定小電力通信部32は、主として、メインコントローラ25から送信された家電機器制御コマンドを受信する機能を有している。また、上記の機能以外に、温度センサ35あるいは照度センサ36によって検知した温度変化あるいは照度変化を基に、各種家電機器41が正常に動作している旨の信号(フィードバック信号)をメインコントローラ25に対して送信するという機能も有している。
内部制御部33は、家電コントローラ31全体を制御するものであり、例えば、メインコントローラ25から送信された家電機器制御コマンドに基づいて、該当する家電機器に対して目的とする動作を行わせるように赤外線照射部34に対して指示を出したり、操作部37によって入力されたユーザからの指示に基づいて、該当する家電機器に対して目的とする動作を行わせるように赤外線照射部34に対して指示を出したりする。内部制御部33は、赤外線照射部34に対して上述のような指示を出す赤外線照射指示部38(指示手段)を備えている。
赤外線照射部34は、赤外線照射指示部38からの指示内容に基づいて、当該家電コントローラ31によってリモコン制御可能な複数の家電機器のうち、該当する家電機器に対して目的とする動作を行わせるために、赤外線を照射する。なお、この赤外線照射指示部38における赤外線照射の方法ついては、従来公知の赤外線を用いたリモコン操作の方法を採用することができる。
温度センサ35は、家電コントローラ31が設置されている室内の温度を検知する。照度センサ36は、家電コントローラ31が設置されている室内の照度を検知する。つまり、上記温度センサ35および照度センサ36は、内部制御部33からの指示によって、各種家電機器41a〜41cなどがON/OFFされた結果起こり得る室内の温度あるいは照度の変化を検知することができる。
そして、温度センサ35あるいは照度センサ36による温度(あるいは照度)検知結果は、内部制御部33に送信され、内部制御部33は上記温度(あるいは照度)検知結果に基づいて、各種家電機器41a〜41cが正常に動作しているか否かを判別する。そして、内部制御部33は、この判別結果に基づいて、各種家電機器41a〜41cが正常に動作しているという信号(あるいは、正常に動作していないという信号)を作成し、特定小電力通信部32を介してメインコントローラ25へ送信することができる。
操作部37は、複数の操作キーを備えている。そして、ユーザが上記操作キーから入力を行うことによって、内部制御部33から赤外線照射部34へと入力されら情報が送信され、該当する家電機器に対して目的とする動作を行わせることができる。つまり、ユーザは、上記操作キーを用いて各種家電機器41a〜41cのリモコン操作を行うことができる。操作部37のより具体的な構成については後述する。
また、家電コントローラ電源部39は、家電コントローラ31の各部材を駆動させるための電源である。家電コントローラ電源部39は、AC電源や電池とすることができる。ただし、家電コントローラ39は利便性の観点から管理領域内の種々の場所へ移動可能とすることが好ましく、この点からすれば電池を用いることが好ましい。この場合、センサ部は、通信用の線および電源用の線の双方共に不要となり、フルワイヤレスとすることができる。電池としては、一次電池、二次電池、太陽電池等を用いることができる。
家電コントローラ電源部39に電池を使用する場合、電池が全て消費され、家電コントローラ31が駆動しなくならないように電池残量を監視する必要がある。家電コントローラ電源監視部40は、電池残量を監視するものである。家電コントローラ電源監視部40は、電池の残量を定期的に監視しており、その監視結果を内部制御部33に送信する。内部制御部33は、監視結果に基づいて電池残量が所定値以下であるか否かを判断する。家電コントローラ31は、内部制御部31によって電池残量が所定値以下であると判断された場合には、特定小電力通信部32を介してメインコントローラ25にその旨を送信する。
〔A−2:外部ネットワーク〕
上記監視システム11は、外部ネットワーク13を介して携帯電話機12と通信可能に接続されている。この外部ネットワーク13とは、いわゆるインターネットである。ただし、本発明では、監視システム11がVPNと接続しているため、携帯電話機12の基地局14と外部ネットワーク13とは、プロトコル変換装置(通信中継装置)100を介して通信を行っている。これによって、携帯電話機13はVPNと接続可能となり、VPNを介して監視システム11と情報通信を行うことができる。
図1には、本実施の形態にかかるプロトコル変換装置100の概略構成を示す。図1に示すように、プロトコル変換装置100は、データ通信部(通信手段)101、Webサーバ102、データ変換部(通信中継処理手段)103、VPN接続部(ネットワーク接続手段・VPN接続手段)104を備えている。そして、データ変換部103の内部には、データ取得部111、データ作成部112、記憶装置(記憶部)113が備えられている。
データ通信部101は、携帯電話機12から送信された情報を受信したり、プロトコル変換装置100内でデータ変換された情報を携帯電話機12へ送信したりする。プロトコル変換装置100内でデータ変換された情報とは、監視システム11内のメインコントローラ25からVPNを介して送信され、データ変換部103において携帯電話機12が受信できるようにプロトコル変換された情報のことである。一方、携帯電話機12から送信される情報とは、例えば、セキュリティシステム1にログインするための、該当する監視システム11のアドレス情報およびパスワード情報、あるいは、監視システム11の管理領域内に配置された各種家電機器41の電源をON/OFFする旨の指示情報などである。
Webサーバ102は、携帯電話機12がインターネット接続された各サイトに接続することのできるインターフェースとして機能する。つまり、携帯電話機12がWebサーバ102と情報を送受信している状態とは、携帯電話機12がインターネットに接続していることを意味する。携帯電話機12は、通信プロトコルとしてHTTP(第1の通信プロトコル)を用いて、データ通信部101を介してWebサーバ102とデータ通信を行っている。
VPN接続部104は、プロトコル変換装置100がVPVに接続し、他のVPN接続機器(システム)と情報の送受信を行うものである。監視システム11のメインコントローラ25は、ルーター26を介してVPNと接続されており、メインコントローラ25から送信された情報は、このVPN接続部104を介してプロトコル変換装置100に送信される。なお、ここで用いられる通信プロトコル(第2の通信プロトコル)は、例えば、SSLなどである。
以上のように、プロトコル変換装置100では、携帯電話機12とHTTP(第1の通信プロトコル)を用いてデータ通信を行うとともに、VPNに接続したメインコントローラ25とSSL(第2の通信プロトコル)を用いて情報の送受信を行っている。そして、携帯電話機12とメインコントローラ12とが、互いに情報をやり取りすることができるように、受信データを送信データ用に変換するためのデータ変換部103を備えている。
データ変換部103は、携帯電話機12から受信したHTTP形式のデータをSSL形式のデータに変換するとともに、この変換したデータにVPNにおいて割り当てられた接続先監視システムの専用アドレスを特定する。データ変換部103は、Webサーバ102およびVPN接続部104が受信したデータをそれぞれ取得するデータ取得部111、データ取得部111が取得したデータに基づいて送信先に応じたデータを作成するデータ作成部112、および、セキュリティシステム1に登録されている各監視システム11の所有者、アドレス、ID(識別情報)などが格納されている記憶装置113を備えている。
図9には、記憶装置113が格納しているデータテーブルの一例を示す。図9に示すように、データテーブルには、監視システム11の所有者と、その監視システムのVPN専用アドレス、IPアドレス、パスワード、ID、および、接続可能な携帯電話のIPアドレス(識別情報)とが、対応付けて格納されている。
また、データ作成部112の内部には、プロトコル変換部(プロトコル変換手段)114とアドレス認証特定部115とが備えられている。プロトコル変換部114は、携帯電話機12から受信したHTTP形式のデータを、SSL形式のデータに変換する。アドレス認証特定部115は、携帯電話機12のID番号(識別番号)、および、携帯電話12から送信された接続先の監視システム11のIPアドレス、パスワードの認証を行い、上記のプロトコル変換されたデータにVPNにおいて割り当てられた接続先の専用アドレスを特定する。
なお、データ変換部103は、メインコントローラ25から受信したSSL形式のデータを該当する携帯電話機12へ送信するために、受信したSSL形式のデータをHTTP形式へプロトコル変換するという機能も有している。
以上のような構成を有していることによって、プロトコル変換装置100は、監視システム等のローカルネットワークにおける障壁(例えばルーター等)を超えて、監視システム11と携帯電話機12との間における双方向通信を可能とすることができる。
また、プロトコル変換装置100を利用して携帯電話機12が通信を行うことにより、トンネリング接続と、VPN専用アドレスとによってNAT配下の監視システム11へダイレクトに接続することが可能となり、いわゆる「NAT越え」が可能となる。これにより、監視システム11と携帯電話機12との間でのメールの送受信が可能となる。
なお、VPNを用いた通信では、通信パケットを暗号化した通信が行われている。例えば、監視システム11と携帯電話機12間の通信は、SSLにより暗号化される。これにより、安全な通信を確立することができる。また、管理上好ましくないアクセスを直ちにシャットダウンすることも可能である。
さらに、例えば、グローバルIPをVPNのIPとして端末に付与することにより、VPNのネットワークに接続されていない、一般のインターネット上の端末からもダイレクトに接続できる。
なお、本実施の形態に係るセキュリティシステム1では、セキュリティシステム1の設定や異常が発生した場合の異常通知等、監視システム11と携帯電話機12との通信をメールにて行っているが、これに限定されるものではない。例えば、オリジナルの通信を使用し、設定や異常通知を行うことができるアプリケーションを用いて、設定の確認・変更や、異常が発生した際の通知を、このアプリケーションを用いて行ってもよい。
さらに、上記アプリケーションには、携帯電話機12に対して異常が通知された場合に、異常が伝えられたという確認を行う機能を付与してもよく、この場合、異常通知がユーザに届いたことを確認することができる。また、上記アプリケーションを用いた場合には、オリジナルの通信を使用しており、監視システム11のメインコントローラ25と携帯電話機12とが常時接続された状態となっているため、携帯電話機12が通信可能な状態であるか否かを確認する機能としても使用することができる。
さらに、本実施の形態にかかるセキュリティシステム1では、携帯電話機12から、当該セキュリティシステム1に接続された管理領域内の各種家電機器41…を遠隔操作することができる。すなわち、携帯電話機12を用いて、エアコン41aなどの電源をON/OFFすることができる。
〔A−3:携帯電話機〕
上記携帯電話機12は、外部ネットワーク13にケーブル等で接続された基地局14に対して電波の送受信により通信している。すなわち、携帯電話機12は、基地局14を介して外部ネットワーク13に接続されており、これにより監視システム13と通信可能に接続されている。
なお、本発明のセキュリティシステム1に用いられる携帯電話機12としては、インターネットに接続可能であり、メール機能を有している携帯電話機12であればよい。また、監視システム11と通信をアプリケーションにて行う場合には、対応するアプリケーションソフトが格納されている携帯電話機12であればよい。
〔B:セキュリティシステムの設定〕
次に、上記セキュリティシステム1の設定・登録について図9ないし図15に基づいて説明する。図9には、プロトコル変換装置100内の記憶装置113に格納されているデータテーブルの一例を示す。また、図10ないし図15は、セキュリティシステム1の各種設定・登録を行う際の流れ(データの送受信)を示すブロック図である。
先ず、セキュリティシステム1を利用するユーザは、本システムの契約時に、メインコントローラ25、センサ部21、アクチュエータ部22などの各種機器を購入する。そして、この契約者が、監視システム所有者となり、システム管理者によってプロトコル変換装置100の記憶装置113内のデータテーブルに監視システムの所有者および当該監視システムのアドレスなどが登録される。
上述のような登録を予め行っておいた後、上記セキュリティシステムの使用開始時にはメインコントローラ25の初期設定を行う。図10に示すように、この初期設定は、携帯電話機12を用いて行うことができる。
まず、携帯電話機12のユーザは、セキュリティシステム購入時に添付されているマニュアルに記載されたアドレスにアクセスする(設定(1))。すると、携帯電話機12は、プロトコル変換装置100内のWebサーバ102に接続される。ここで、携帯電話機12には、マニュアルに記載された監視システム11を管理するためのメインコントローラのIDおよびパスワードを入力する画面が表示される。
そして、ユーザが、マニュアルに記載された監視システム11のIDおよびパスワードを入力する。ここで、プロトコル変換部100内のアドレス認証特定部115は、記憶装置113に格納されているテーブルから入力されたIDおよびパスワードを探し出し、該当する監視システム11が存在する場合には、携帯電話機12のシステムへのログインを受け付ける(設定(2))。
ログインすると、携帯電話機12には、新しいパスワードとメールアドレスを登録する画面が表示される。この画面にて新しいパスワードとメールアドレスを入力し設定ボタンを押すと、パスワードおよびメールアドレスに関するデータがメインコントローラ25に送信され、これらパスワードおよびメールアドレスが登録される(設定(3))。これにより、メインコントローラ25の初期設定が完了する。また、メインコントローラ25の初期設定が完了すると、メインコントローラ25から携帯電話機12に対して、初期設定が完了した旨の通知が行われる(通知(4))。なお、上記IDやパスワードの入力に誤りがある場合には、エラーが表示され、再入力するための画面を選択するメニューを表示させてもよい。
上記の操作によって、携帯電話機12がVPNを介して監視システム11とデータ通信を行うことが可能となる。
次に、各センサ21やカメラ23をメインコントローラ25に認識させるための登録を行う。各センサ21、カメラ23、メインコントローラ25には登録ボタンが設けられており、この登録ボタンを用いて登録が行われる。
具体的には、上記にて初期設定が完了したメインコントローラ25の登録ボタンを押すと、メインコントローラ25は一定時間(例えば30秒間)登録モード状態になる。一方、カメラ23やセンサ21に設けられた登録ボタンを押すと、登録ボタンを押したカメラ23やセンサ21から登録コマンドが送信される。
ここで、センサ21の登録について図11に基づいて説明する。まず、メインコントローラ25の初期設定を行った後に、メインコントローラ25を登録モード状態にする(設定(5))。そして、メインコントローラ25が登録モード状態の間に、センサ21の登録ボタンを押す。すると、登録ボタンを押したセンサ21に関する登録コマンドがメインコントローラ25に送信される(登録(6))。メインコントローラ25は、登録モード状態の間に登録コマンドを受信すると、対応するセンサ21を登録する。そして、メインコントローラ25は、センサ21を登録すると、その旨を示すデータを携帯電話機12に送信する。携帯電話機12は、センサ21の登録が完了した旨を表示することによりユーザに通知する(通知(7))。
なお、家電コントローラ31についても、上述のセンサ21の登録と同様の操作を行うことによって登録を行うことができる。
次に、カメラ23の登録について図12に基づいて説明する。まず、メインコントローラ25の初期設定を行った後に、メインコントローラ25を登録モード状態にする(設定(8))。そして、メインコントローラ25が登録モード状態の間に、カメラ23の登録ボタンを押す。すると、カメラ23からメインコントローラ25に対して特定小電力無線によって登録コマンドが送信される(登録(9))。メインコントローラ25は、登録モード状態の間にカメラ23の登録コマンドを受信すると、無線LANの設定に必要なデータを特定小電力無線によってカメラ23に送信する(設定(10))。
カメラ23は、無線LANの設定に必要なデータを受信すると、自装置の無線LANの設定を行う。そして、カメラ23は、無線LANの設定を完了すると、無線LANの設定が完了した旨の通知を特定小電力無線によってメインコントローラ25に送信する(通知(11))。メインコントローラ25は、カメラ23から設定完了の通知を受信すると、無線LANによって通信が正常に行われているか否かを確認する通信(PING)を行う(確認(12))。メインコントローラ25は、カメラ23との通信が正常に行われていることを確認すると、このカメラ23を登録する。そして、メインコントローラ25は、カメラ23の登録が完了した旨を示すデータを携帯電話機12に送信する。携帯電話機12は、カメラ23の登録が完了した旨を表示することによりユーザに通知する(通知(13))。
なお、本実施の形態では、メインコントローラ25を登録モード状態にするために、メインコントローラ25に設けられた登録ボタンを押しているが、これに限定されるものではない。例えば、携帯電話機12から、メインコントローラ25に対して、登録モード状態に移行させるためのコマンドを送信し、メインコントローラ25はこのコマンドを受信することで登録モード状態に移行するようになっていてもよい。
また、メインコントローラ25が通常モード状態(登録モード状態でない場合)で、カメラ23やセンサ21の登録ボタンを押した場合においても、メインコントローラ25には登録コマンドが送信される。ただし、この場合には、メインコントローラ25は、カメラ23やセンサ21の登録を行うのではなく、受信した登録コマンドに基づいて、カメラ23やセンサ21からメインコントローラ25に対する無線通信が正常に行われているかを確認するようになっている。すなわち、メインコントローラ25は、無線受信確認機能を有している。メインコントローラ25は、無線通信が正常に行われていることを確認すると、登録されたメールアドレスに対してその旨の通知メールを送信する。
次に、セキュリティシステム1の各種設定を行う。この各種設定は、登録した携帯電話機12を用いて、予め決められたアドレスにアクセスして、本セキュリティシステム1に係るメニューを表示させて行われる。上記メニューには、例えばセキュリティ設定、登録情報設定等がある。
〔B−1:セキュリティ設定〕
セキュリティ設定は、ホームセキュリティの具体的な設定に関するものであり、例えば、警戒状態の設定、アクチュエータやカメラの設定に関するものである。
(警戒設定)
警戒設定は、セキュリティシステムの警戒状態を設定するメニューである。本実施の形態では、警戒状態を示すモードとして、警戒モードおよび非警戒モードがあり、警戒モードには外出モードおよび在宅モードがある。
非警戒モードとは、セキュリティシステムを非警戒の状態にするモードである。非警戒の状態とは、セキュリティシステムが警戒を解除した状態を指し、センサが状態の変化を検知しても警報として出力されることのない状態を指す。
また、警戒モードとは、セキュリティシステムを警戒の状態にするモードである。警戒の状態とは、セキュリティシステムが警戒に入った状態を指し、センサが状態の変化(異常)を検知すると警報を出力できる状態を指す。
また、外出モードとは、全てのセンサを警戒の状態にするモードである。また、在宅モードとは、家屋内に人が存在するものの、不審者等が家屋内部へ侵入することを検知したい場合に用いられるモードである。すなわち、在宅モードは、非警戒モードと外出モードとの中間のセキュリティ状態である。すなわち、在宅モードまたは外出モードを選択した場合には、セキュリティシステムは警戒の状態となる。
次に、セキュリティシステム1の警戒設定を行う方法について図13に基づいて説明する。まず、登録された携帯電話機12を用いてメインコントローラ25にアクセスする(設定(14))。すると、IDおよび初期設定で登録したパスワードを入力するログイン画面が表示される。なお、システムメンテナンスメッセージ等の通知がある場合には、その旨の通知をログイン画面に表示させてもよい。
そして、IDおよびパスワードを入力してログインする(設定(15))と、メインメニューの画面が表示される。なお、登録したパスワードを忘れてしまった場合を考慮して、パスワードを通知するメニューを設けてもよい。この場合には、パスワードを通知するメニューを選択すると、IDを入力する画面が表示され、正しいIDを入力した場合には、登録したメールアドレスに登録したパスワードを通知するようにすればよい。そして、その後にログイン画面を表示させればよい。
メインメニューには、ホームセキュリティにアクセスするためのメニューと、登録された設定の変更・追加メニューにアクセスするためのメニュー(登録情報設定)とが表示される。また、セキュリティシステム1のユーザに対して必ず知らせる必要のある情報(例えば、電池残量の低下警告等)がある場合には、メインメニューに表示させることが好ましい。
メインメニューにて、ホームセキュリティにアクセスするためのメニューを選択すると、ホームセキュリティに関する設定メニューの画面が表示される。設定メニューの画面には、現在の警戒状態が表示される。警戒モードを変更する場合には、メインメニューにて他の警戒モード(「外出モード」「在宅モード」「警戒解除」のうち、現在設定されていない警戒モードの何れか)を選択する(設定(16))。これにより、変更後の警戒状態を選択した旨の表示がされると共に、設定メニュー画面には、新たな設定が現在の警戒状態として表示される(通知(17))。このようにして、警戒状態を変更・設定することができる。
なお、警戒状態を変更した場合には、変更後の警戒状態について携帯電話機12に表示されるようになっているが、警戒状態が変更された旨のメールをメインコントローラ25から携帯電話機12に送信してもよい。
また、メインメニューにて、アクチュエータ22の設定画面にアクセスするためのメニューを選択すると、アクチュエータ設定画面が表示される。また、メインメニューにて、カメラ23の設定画面にアクセスするためのメニューを選択すると、カメラの設定画面や、カメラにて撮影した画像を表示させる画面が表示される。さらに、メインメニューにて家電コントローラ31の設定画面にアクセスするためのメニューを選択すると、家電コントローラおよび家電機器の設定画面が表示される。
なお、携帯電話機12に表示される上記の各画面は、メインコントローラ25から送信されたデータを、プロトコル変換装置100が受信し、当該装置内のデータ変換部によってプロトコル変換した後に、データ通信部101から携帯電話機12へ送信されるデータに基づいて表示されるものである。
〔B−2:登録情報設定〕
登録情報設定は、セキュリティシステム1の登録情報の設定変更に関するものである。設定変更について図14に基づいて説明する。まず、ログイン画面にてIDおよびパスワードを入力してメインメニューを表示させる(設定(18)(19))。そして、メインメニューにて登録情報設定を表示させるメニューを選択することにより登録情報設定のメニューが表示される(設定(20))。登録情報設定のメニューから設定できる内容としては、例えば、センサの動作履歴、時刻合わせ、メールアドレスの設定、ソフトウエアの更新、ユニットの管理、パスワードの変更、アクチュエータの設定等がある。また、上記各種設定や設定変更が完了した場合には、メインコントローラ25から携帯電話機12に対して設定(変更)完了が通知される(通知(21))。
登録情報設定のメニューにおいて、センサ21の動作履歴に関するメニューを選択すると、センサ21の動作履歴が表示される。このように、本実施の形態におけるセキュリティシステム1は、メインコントローラ25の記憶装置に過去のセンサ21の動作履歴(異常の履歴)に関する情報(異常履歴情報)を記憶していてもよい。表示されるセンサ21の動作履歴としては、例えば、動作した日時、動作したセンサ、検知内容等である。また、表示するセンサ21の動作履歴の件数は適宜設定できる。さらに、最新の動作履歴から表示したり、古い動作履歴から表示したりしてもよい。また、センサ21の動作と共にカメラ23による撮影が行われた場合には、対応する画像データを確認することができるようになっていてもよい。
登録情報設定のメニューにおいて、時刻合わせに関するメニューを選択すると、時刻設定の画面が表示される。また、この画面では、現在の自動更新に関する情報を表示することもでき、自動更新のON/OFFを変更することもできる。また、この時刻設定の画面において、自動的に時刻を設定するメニューを選択すると、ネットワーク上の時計サーバや他のデータに付加された時計を参照して自動的に時刻を設定するようになっている。さらに、時刻設定の画面において、手動で時刻を設定するメニューを選択すると、時刻設定用の画面が表示され、手動で時刻を設定することができる。
登録情報設定のメニューにおいて、メールアドレスの設定に関するメニューを選択すると、メールアドレスの各種設定を変更可能なメニューが表示される。このメールアドレス設定のメニューでは、メールアドレスの追加・削除・変更を行うことができる。メールアドレス設定のメニューにて「追加」を選択することにより、追加するメールアドレスを登録することができる。また、メールアドレス設定のメニューにて「変更」を選択すると、登録されているメールアドレスが表示される。この中から変更するメールアドレスを選択してメールアドレスを変更することができる。また、メールアドレス設定のメニューにて「削除」を選択すると、登録されているメールアドレスが表示される。この登録されているメールアドレスの中から削除するメールアドレスを選択し削除することができる。
登録情報設定のメニューにおいて、ソフトウエア更新に関するメニューを選択すると、ソフトウエアを更新可能な画面が表示される。この画面にて「更新する」旨のメニューを選択すると、インターネットに接続してソフトウエアを更新する。ソフトウエアの更新が完了すると、ソフトウエアの更新が完了した旨を通知するための画面が表示される。なお、ソフトウエアの更新の必要がない場合には、「更新する」旨のメニューを選択しても、更新すべきソフトウエアがない旨表示され、更新は行われない。
登録情報設定のメニューにおいて、ユニットの管理に関するメニューを選択すると、ユニットを管理するためのメニューが表示される。このユニットを管理するためのメニューでは、例えば、登録されているユニット(センサ21、カメラ23、アクチュエータ22、家電コントローラ31等)の一覧を表示させる。また、ユニットの一覧を表示させ、その中でセキュリティシステム1として登録するユニットを適宜選択することもできる。また、ユニットの一覧から、任意のユニットを選択し、このユニットの名称を変更することもできる。また、ユニットの一覧から、任意のユニットを選択して、ユニットから削除することもできる。
登録情報設定のメニューにおいて、パスワード変更に関するメニューを選択すると、パスワードの変更メニューが表示される。この変更メニューの画面にて、現在のパスワードと新しいパスワードとを入力することによりパスワードを変更することができる。また、パスワードが変更されると、パスワードが変更された旨の画面が携帯電話機12に表示され確認できる。
また、登録情報設定のメニューにおいて、アクチュエータの設定に関するメニューを選択すると、登録されているアクチュエータ22の駆動設定(ON/OFF)および駆動時間を設定する画面が表示され、適宜設定することができる。
なお、上記各操作中に何らかのエラーが発生した場合には、エラーを示す画面が携帯電話に表示される。また、セキュリティシステム1のサービス利用を停止する際には、サービス利用停止用の画面にてパスワードを入力すればよい。
なお、携帯電話機12に表示される上記の各画面は、メインコントローラ25から送信されたデータを、プロトコル変換装置100が受信し、当該装置内のデータ変換部によってプロトコル変換した後に、データ通信部101から携帯電話機12へ送信されるデータに基づいて表示されるものである。
〔C:携帯電話機から家電機器を制御する方法〕
続いて、本実施の形態にかかるセキュリティシステム1において、携帯電話機12からの遠隔操作によって各種家電機器41…を制御する方法について、図15を用いて説明する。
まず、携帯電話機12の表示部に表示されるメニュー画面において、家電機器の制御を行うための設定画面にアクセスするためのメニューを選択すると、携帯電話機12にこの設定画面が表示される。ここで、例えば、エアコンの電源をONする場合には、上記設定画面において表示される、「エアコンを [4]ONにする」旨のボタンを選択する。
これによって、携帯電話機12からプロトコル変換装置100(図17では図示せず)へは、エアコン41aの識別情報と、エアコン41aの電源をONするという内容の情報とを含む指示情報が送信される。プロトコル変換装置100内のデータ作成部112では、プロトコル変換部114が、上記識別情報および指示情報をHTTP形式のデータからSSL形式のデータへ変換するとともに、アドレス認証特定部115が、該当する監視システム11のVPN専用アドレスを選択し、SSL形式に変換されたデータの送信先アドレスを特定する。
このようにして作成されたデータは、データ取得部111からVPN接続部104へと送信された後、該当する監視システム11のメインコントローラ25へと送信される(制御(22))。メインコントローラ25は、受信した指示情報を家電コントローラ31へ送信する(電源ON(23))。
家電コントローラ31では、特定小電力通信部32が上記指示情報を受信すると、内部制御部33へ送信する。内部制御部33内の赤外線照射指示部38は、この指示情報に基づいて、該当する家電機器(この場合は、エアコン41a)の識別情報と、その動作内容に関する情報(この場合は、電源をONする旨の情報)とを含む指示情報を赤外線照射部34へ送信する。赤外線照射部34では、この指示情報に基づいて、該当する家電機器(この場合は、エアコン41a)に対して赤外線を照射して、これらの電源をONする。
その後、エアコン41aの電源がONすることによって室内の温度が変化すると、家電コントローラ31は、温度センサ35が検知した温度変化を基に、各種家電機器41が正常に動作している旨の信号(フィードバック信号)をメインコントローラ25に対して送信する(フィードバック(24))。メインコントローラ25は、受信したフィードバック信号に基づいて、携帯電話機12にエアコン41aが正常に動作した旨の通知を行う(通知(25))。なお、上記フィードバック信号は、単に、赤外線照射部34が該当する家電機器に対して正常に赤外線を照射したことを示す信号であってもよい。
上述のように、本実施の形態にかかるセキュリティシステム1においては、監視システム11と携帯電話機12とのデータ通信を可能にするプロトコル変換装置100が設けられていることによって、インターネット上のサーバにデータを一旦記憶するデータの量を減らすことができる。そのため、通信システムの維持管理を行う場合には、データ通信にかかる費用を安くすることができ、システムのランニングコストを低減させることができる。
さらに、監視システム11内のメインコントローラ25にてデータの管理を一括して行うような構成にすれば、インターネット上のサーバにデータを一旦記憶させる必要がなく、直接データの送受信を行うことができる。それゆえ、セキュリティシステム1の維持管理を行う場合には、本システムの購入・設定に必要な初期費用を支払うのみでよく、別途、サーバ使用料金などを月単位で支払う必要がなくなる。つまり、上記セキュリティシステム1によれば、データ通信にかかる費用を無料にすることができ、システムのランニングコストを低減させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、プロトコル変換装置100の各部、特にデータ変換部103(記憶装置113を除く)は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、プロトコル変換装置100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるプロトコル変換装置100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記プロトコル変換装置100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、プロトコル変換装置100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。