JP3776417B2 - 整流子式交流電動機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、固定子に巻かれた界磁巻線をブラシおよび整流子を介して回転子に巻かれた回転子巻線と結線し、界磁巻線および回転子巻線に交流電源を接続した整流子式交流電動機に関し、さらに詳しくは電動機の回転子を停止状態に保持するための構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動機においては、外力が働いた場合に、電動機の回転子を停止状態に維持するためにパーキングブレーキのような停止状態維持機能が必要である。従来、電動機の回転子を停止状態に保持するために、電動機の出力軸をメカニカルに拘束するロック機構を付加したもの(例えば特許文献1)、あるいは位置センサの出力に基づき逆トルクを発生させて電気的に回転子を停止状態に保持するものなどがある。
【0003】
例えば、サーボモータの場合は、回転子の位置を検出し、その検出位置をフィードバックさせて界磁巻線の電圧や電流を変化させたりあるいは、電源の極性を切替える必要があり、このためには、外部に抵抗やPWM等による大きな電力を制御できる装置が必要となる。また、位置センサを使用しないで停止状態を維持させるためには、停止位置を保持するために常に大きな制御電流(電力)が必要となる。一方、誘導電動機の場合は、回転磁界を固定することで同様の停止状態保持機能を得ようとしても、すべりがあるため時間の経過と共に位置ずれが生じてしまうという問題がある。さらに、ステッピングモータの場合は、その特性上、停止後に位置がずれても修復ができないとか、大容量のものがないという問題がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−277157号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の電動機にあっては、回転子の停止状態を保持するために、メカニカルなロック機構であるとか、あるいは回転子の位置を検出しその検出位置をフィードバックさせて界磁巻線の電圧や電流を変化させたりするサーボ制御回路が必要となり、装置構成が複雑、大規模、高価となり、電力消費量も多くなるという問題がある。また、サーボ制御回路を用いて停止状態を保持する場合には、大電力を制御できる構成が必要となり、大電力の大型機に簡単に対処し難いという問題もある。
【0006】
この発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、簡単且つ安価な構成によって回転子の確実な停止状態を維持することができる整流子式交流電動機を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、この発明では、固定子及び該固定子に巻かれた界磁巻線と、回転子及び該回転子に巻かれた回転子巻線と、該回転子巻線に接続された整流子に交流電源を給電するブラシとを備え、前記ブラシを前記整流子の周方向に回動可能に構成するとともに、前記ブラシが前記整流子の回転により連れ回り可能な摩擦力が該ブラシと該整流子との間で得られるように該ブラシに所定の接触圧を付与するブラシ付勢手段を備え、前記ブラシが基点位置に位置しかつ該ブラシに交流電源が印加されているとき、前記固定子及び前記回転子が発生する磁束により該固定子と該回転子が吸引し合い、該回転子が外力を受けて回転しようとするとき該ブラシが前記ブラシ付勢手段の作用により該整流子と連れ回ることにより、前記固定子及び前記回転子間に発生する磁束により該回転子に前記外力から受ける回転トルクに抗する反対方向の制動トルクを発生することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、ブラシ付勢手段によってブラシが回転子及び整流子と連れ回る摩擦力がブラシと整流子との間で得られるようにブラシに所定の接触圧が付与されている。ブラシが基点位置に位置している回転子の停止時において、回転子に外力が働いて回転子が正転方向に回転するとこれに伴いブラシも基点位置から正転方向に連れ回る。このブラシの移動によって回転子には逆転方向のトルクが発生し、回転子は元の位置まで逆転する。この回転子の逆転の際、ブラシも回転子に連れ回る。回転子に外力が働いて回転子が逆転方向に回転した場合も、上記同様であり、回転子の逆転に伴いブラシも逆転方向に連れ回る。このブラシの移動によって回転子には正転方向のトルクが発生し、回転子はブラシと共に元の位置まで戻る。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照してこの発明にかかる整流子式交流電動機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、この発明の実施形態を説明するための交流整流子電動機の概念的な分解構成図を示すものである。交流整流子電動機は、誘導電動機の固定子と直流電動機の回転子を組み合わせた構造を有し、交流機でありながら整流子とブラシを持っている。図1の場合は、界磁巻線1と回転子巻線4とが直列接続された直巻電動機を示している。
【0011】
図1において、界磁巻線1が巻かれた固定子鉄心2を有する固定子3に対して、回転子巻線4が巻かれた回転子鉄心5を有する回転子6が回転自在に配置されている。回転子6には整流子7および一対のブラシ8が備えられており、整流子7および一対のブラシ8は回転子巻線4と結線されている。整流子7は複数の整流子片71を有する。界磁巻線1はその一端が交流電源(図示省略)に接続され、他端は一方のブラシ8に接続されている。他方のブラシ8は交流電源に接続されている。
【0012】
ここで、図1に示す交流整流子電動機においては、ブラシ8は、整流子7に所定の接触圧で当接されるとともに整流子7の周方向に回動(移動)可能な構造となっている。すなわち、一対のブラシ8は、ブラシ相互の位置関係を保ったままで、整流子7の回転または停止に関係なく、整流子7の周方向に回動できるように構成されている。
【0013】
図2を用いてブラシ8の回動位置と発生トルクとの関係について説明する。図2では、固定子鉄心2の界磁極をN,Sの2極とする。回転子鉄心5には2層巻きのコイル辺41を有する4本の回転子巻線4が備えられ、この回転子巻線4から引き出し線42を介して4本の整流子片71が接続されている。図2(a)では、図中左右の整流子片a,a’にブラシ8が接触している状態(90度のブラシ位置という)を示し、図2(b)では、図中上下の整流子片b,b’にブラシ8が接触している状態(0度のブラシ位置という)を示す。したがって、図2(a)と図2(b)とのブラシ位置は、90度異なる位置関係となり、2極の界磁極では90度の電気角の変異となっている。
【0014】
ここで、電気角0度のブラシ位置とは、請求の範囲でいうところの基点位置に対応し、界磁巻線1によって作られる磁束と、回転子巻線4によって作られる磁束との相互角度が略平行であり、かつ界磁巻線1によって作られる磁束によって発生する磁極と回転子巻線4によって作られる磁束によって発生する磁極とが吸引関係にある状態をいう。電気角90度のブラシ位置とは、界磁巻線1によって作られる磁束と、回転子巻線4によって作られる磁束との相互角度が略垂直である状態をいう。
【0015】
このような構成において、ブラシ8によって接続された回転子巻線4間には、電機子電流(回転子電流)が流れる結果、コイル辺41上での電機子電流の方向を示す二種の記号、すなわち図面の表面から裏面に向かう方向の記号と、図面の裏面から表面に向かう方向の記号とによって定まる電機子電流と界磁極による磁束とによりトルクを発生する。
【0016】
図2(a)に示す90度のブラシ位置において、左右の二層をなす2本のコイル辺41には、それぞれ同じ方向の電流が流れ、上下の二層をなす2本のコイル辺41には、それぞれ反対方向の電流が流れる。したがって、この場合は、界磁磁束の磁極直近の左右のコイル辺41に流れる電流によって回転子6には矢印Kで示すように、反時計方向のトルクが発生する。
【0017】
一方、図2(b)に示す0度のブラシ位置において、左右の二層をなす2本のコイル辺41には、それぞれ反対方向の電流が流れ、上下の二層をなす2本のコイル辺41には、それぞれ同じ方向の電流が流れる。したがって、この場合には、界磁磁束および磁極直近の左右のコイル辺41に流れる電流によって発生するトルクは相殺し回転は生じない。
【0018】
このように、図2(a)に示す90度のブラシ位置では、回転力が発生し、図2(b)に示す0度のブラシ位置では、回転力は発生しない。また、ブラシ8が0度位置と90度位置との間に位置する場合は、ブラシ8が90度位置に近づくに従い回転力が大きくなり、ブラシ8が0度位置に近づくに従い回転力は0に近くなる。さらに、実際上は、ブラシ位置を90度以上の120度〜150度の角度位置にしたときに、回転子6に最大トルクが発生する。90度をどのくらい過ぎた位置にて最大トルクが得られるかは、界磁巻線1のインダクタンスなどに依存する。
【0019】
また、図2では図示していないが、ブラシ8を図2(b)の0度の状態から図2(a)と逆の反時計方向に動かしてブラシを−90度位置に位置させるとき、回転子6には矢印Kとは逆の時計方向の回転力が生じる。
【0020】
このように、ブラシ8の回動位置を変化させることにより、回転子をトルクなしの状態、正転状態、あるいは逆転状態のいずれかに制御することができる。すなわち、ブラシ位置0度においては回転子6に回転力が発生せず、ブラシを0度位置からプラス90度さらには120度や150度に回動するに従い正転方向のトルクが増大し、ブラシを0度位置から−90度さらには−120度や−150度に回動するに従い逆転方向のトルクが増大する。
【0021】
つぎに、ブラシを90度以上の所定角度(例えば150度)に位置させたときに最大トルクが発生する原因について図3を用いて説明する。図3(a)〜(d)は、ブラシを各種角度位置(0度、90度、120度、−90度)に位置させたときの回転子の状態を示すものである。
【0022】
電動機においては、周知のとおり、ブラシの電気角90度は効率上、最大の回転トルク(以下単にトルクという。)を発生する電気角である。しかしながら、ブラシの電気角を90度を超えて進めると、電気角90度の場合に比較し、更にトルクが増大し、回転速度が上昇する。この原因は、以下のとおりである。
【0023】
第1の原因;
電気角を90°を超えて進めることは、図3(c)に示すように、S極対S極、あるいはN極対N極と云うように、同極性の磁極を接近させることとなり、この結果、コイルのリアクタンスが大幅に減少する。すなわち、ブラシの電気角を90°を超えて進めると、電気角に相関して、コイルのリアクタンスが減少し(電気角180°の場合は極端に)、コイルに流れる電流が増大する。したがって、電気角を90°を超えてブラシを進めることは、電気角90°以外を選択することによって理論上のトルク効率は低下するものの、コイルの電流が増大することにより、トルク自体が増大し、回転速度が上昇することになる。
【0024】
第2の原因;
電動機の低速回転域では顕在化されなかった回転子コイルのリアクタンスが、高速回転域では無視できなくなり、このリアクタンスの増大により電流が遅れ、有効実効磁束が遅れる。したがって、理論上効率が最大の電気角90°でブラシが回転子コイルに電流を供給していても、発生する磁束が遅れるため、トルクに寄与する有効実効磁束は、電気角90°に満たない状態で回転子コイルに給電されて発生する磁束に相当することになる。このためトルクが減少し、回転が上昇しない。
【0025】
これを解決するため、電気角を90°を超えて給電する。これにより、遅れて発生する有効実効磁束は、トルク効率の良い電気角で回転子コイルに給電したものと同等になり、トルク効率の低下を防止できる。したがって、トルクが増大し、回転速度が上昇する。
【0026】
以上、第2の原因において、電気角を進めて磁束の遅れを相殺するかたちで給電することができる別側面からの理由は、ブラシにおける整流子の回転方向に対する幅が、ある程度確保できていることで、回転する整流子片に一定時間給電を継続できるからである。したがって、進めた電気角により回転子コイルに給電し、遅れて発生する磁束が有効実効磁束に成長する時間を確保できるためである。
【0027】
なお、実際に実験した一例では、電気角を90°から進めて行くと、電気角に比例して回転速度が上昇し、電気角150°近傍まで回転が上昇した。この、電気角を90°を進めて、回転が上昇する原因は、第1の原因による寄与が大きく、トルク効率を犠牲にしても、電気角を進めることによるコイルのリアクタンスの大幅減少に伴うコイルの電流の大幅増に起因し、極めて大きなトルクが発生するためである。
【0028】
つぎに、図4及び図5を用いて本発明の要部である回転子の停止保持のための構成、例えば電動機車両のパーキングブレーキのための構成について説明する。
【0029】
図4に示すように、ブラシ8(1個のブラシのみを示している)は、ブラシ付勢手段としての押圧ばね10によって、複数の(この場合8個)の整流子片71を有する整流子7に対して適度な摩擦抵抗(接触圧)を持って接触している。この摩擦抵抗は、整流子7が回動した場合、ブラシ8が整流子7と一緒に回る(以下連れ回るという)ことができる程度のものである。ただし、ブラシは整流子7の周方向への動きに関しては、ストッパ12a,12bの間の可動範囲内において全く規制されておらずフリーである。ストッパ12a,12bは、ブラシ8を例えば150度〜−150度の範囲内で自由に動けるようにしており、これらストッパ12a,12bの位置は可変することができる。
【0030】
図4に黒塗りで示すブラシ位置は、先の図2(b)に示す0度位置に対応しており、この状態で回転子6すなわち整流子7が停止しているとする。ブラシ8を矢印E1方向に任意角度θ1だけ回動させてブラシ8を破線で示す位置に位置させた場合は、回転子6すなわち整流子7には矢印D1で示す正転方向のトルクが発生する。同様に、ブラシ8を矢印E2方向に任意角度θ2だけ回動させてブラシ8を一点鎖線で示す位置に位置させた場合は、回転子6すなわち整流子7には矢印D2で示す逆転方向のトルクが発生する。
【0031】
ブラシ8は押圧ばね10によって適度な摩擦抵抗(接触圧)を持って整流子7に接触しているので、外力が働いて回転子6ひいては整流子7が回転した場合、ブラシ8は整流子7と共に連れ回る。
【0032】
例えば、整流子7が外力によって矢印D1で示す正転方向に角度θ2だけ回転すると、ブラシ8も一点鎖線で示す位置まで角度θ2だけ回転する。ブラシ8が一点鎖線で示す位置に位置したときは、前述したように、回転子6すなわち整流子7には矢印D2で示す逆転方向のトルクが発生する。この逆転方向のトルクによって整流子7は元の位置まで角度θ2だけ回転する。ブラシ8は、整流子7の回転に連れ回って、元の0度位置に復帰する。
【0033】
一方、整流子7が外力によって矢印D2で示す逆転方向に角度θ1だけ回転すると、ブラシ8も破線で示す位置まで角度θ1だけ回転する。ブラシ8が破線で示す位置に位置したときは、前述したように、回転子6すなわち整流子7には矢印D1で示す正転方向のトルクが発生する。この正転方向のトルクによって整流子7は元の位置まで角度θ1だけ回転する。ブラシ8は、整流子7の回転に連れ回って、元の0度位置に復帰する。以上が回転子の停止保持の構成の原理である。
【0034】
つぎに、図5を用いて上述した停止保持のための構成について別の観点から説明する。
【0035】
界磁巻線1に通電することで固定子3に磁束が生じ、同様に回転子巻線4に通電することにより回転子6に電磁石が生ずる。ブラシ位置が0度の場合は、図5(a)に示すように固定子3と回転子6からなる磁気回路は安定した吸引状態を保つ。このとき、磁気回路の吸引安定状態のためにトルクを発生させる電流値は極めて少ない。
【0036】
ところが、図5(b)、(c)に示すように、ブラシが正転あるいは逆転のある位置にあるときには、磁気回路が開き界磁極と電磁石とが引き合い、これによりブラシは0度位置の安定状態に戻ろうとする。このときには、磁気回路の磁気ギャップに応じた電流が流れその電流に応じたトルクが発生することになる。
【0037】
つぎに、図6を用いて、本発明にかかる電動機を駆動源とする車両の走行、制動およびパーキングブレーキ機構について説明する。
【0038】
図6において、ブラシ8は、押圧ばね10によって複数の整流子片71を有する整流子7に対して整流子7と連れ回りが可能な摩擦抵抗をもって接触している。
【0039】
図6に示すブラシ位置は、先の図2(b)に示した0度位置に対応しており、このブラシ位置では回転子にトルクは発生しない。ブラシ8は、図示しない適宜の機構によってアクセルペダル14およびブレーキペダル13に接続されている。ブラシ8は、アクセルペダル14の踏み込み量に応じて0度のブラシ位置からストッパ12aに当接する90度のブラシ位置まで回動することができる。90度のブラシ位置では、この場合の最大駆動トルクを得ることができる。
【0040】
また、ブラシ8は、ブレーキペダル13の踏み込み量に応じて0度のブラシ位置からストッパ12bに当接する−90度のブラシ位置まで回動することができる。−90度のブラシ位置では、この場合の最大制動トルクを得ることができる。なお、図6では、±90度のブラシ位置にストッパ12a,12bを備えているが、前述したように、実質的な最大トルクが得られる90度〜150度、−90度〜−150度の位置にストッパ12a,12bを備えるようにしても良い。
【0041】
車両走行中にアクセルペダル14の操作を解除したとき、あるいは車両制動中にブレーキペダル13の操作を解除したときに、ブラシ8が0度位置に復帰できるように、例えばブラシ8とストッパ12aとの間およびブラシ8とストッパ12bの間に復帰バネ11a,11bが設けられている。ただし、この復帰バネ11a,11bは、車両が停止してパーキングブレーキを働かせるときは、その機能が解除され、復帰バネとして機能しない。すなわち、パーキングブレーキを働かせるときは、復帰バネ11a,11bを機能させておらず、ブラシ8は整流子7の周方向へは、ストッパ12a,12bとの間で自由に移動することができる。パーキングブレーキを働かせるときは、ブラシ8は、前述したように、押圧ばね10によって整流子7と連れ回りが可能な摩擦抵抗をもって接触しているだけである。
【0042】
かかる図6に示す構成において、電動機の電源投入によってブラシ8は0度の角度位置(基点位置)に位置される。アクセルペダル14の操作によってブラシ8をストッパ12aに当接するまでの間の任意の角度だけ回動させ、これにより回転子6にブラシ角度に応じた矢印D1方向への駆動トルクを生じさせて車両を走行させる。
【0043】
車両走行状態で、アクセルペダル14の踏み込みを解除した場合は、ブラシ8は復帰バネ11aの力によって0度の角度位置(基点位置)に復帰される。この基点位置では、回転子6にはトルクが発生しないので、車両は慣性運転状態におかれる。
【0044】
車両走行中に、アクセルペダル14の踏み込みを解除した後、ブレーキペダル13の操作によってブラシ8を0度位置からストッパ12bに当接するまでの間の任意の角度だけ回動させることで、回転子6にブラシ角度に応じた矢印D2方向への制動トルクを生じさせて、車両を減速または停止させる。
【0045】
車両が停止した後、車両にパーキングブレーキを掛けるときは、前述したように、復帰バネ11a,11bの機能を解除し、ブラシ8をストッパ12a,12bとの間で整流子7の周方向へ自由に移動することができるようにする。すなわち、パーキングブレーキを働かせるとき、ブラシ8は、押圧ばね10によって整流子7と連れ回りが可能な摩擦抵抗をもって接触しているだけである。
【0046】
このようにして、車両の停止時ブラシ位置を0度位置として、ブラシ8を回転子6に対してフリーにしておけば、先の図4を用いて説明したように、外力が加わって回転子6が正転方向および逆転方向の何れに回転しても、ブラシ8が回転子6と連れ回ることで、回転子6に回転方向と逆方向のトルクを作用させることができる。したがって、回転子6はブラシ8とともに元の位置に収束することになる。
【0047】
例えば下り坂道で、パーキングブレーキを掛けるときには、回転子6には外力によって矢印D1方向への正転トルクが常時かかり、これにより回転子6も矢印D1方向に回動する。この回転子6の回転とともにブラシ8も矢印D1方向に連れ回る。そして、外力による正転トルクと釣り合う逆転トルク(制動トルク)を発生させることができるブラシ角度位置までブラシ8は連れ回って、この角度位置でブラシ8は停止する。このようにして、坂道でも回転子を停止状態に保つことができる。
【0048】
このようにこの実施の形態によれば、ブラシ8が整流子7と連れ回る摩擦力が得られるようにブラシ8に所定の接触圧を付与するだけで回転子の停止状態を保持するようにしたので、メカニカルなロック機構あるいはサーボ制御回路が不要となり、装置構成を簡単且つ安価なものとすることができる。また、サーボ機構が不要であるため、大電力の大型機にも容易に対応可能である。さらに、ブラシは基本的には0度位置近辺に位置しているので、電流消費も少なくて済む。
【0049】
なお、上記実施の形態では、直巻の電動機について説明したが、本発明は界磁巻線1と回転子巻線4とが並列接続された分巻の電動機にも適用することができる。また上記実施の形態では、ブラシを整流子の周りに回動させる場合について説明をしたが、ブラシの代わりに界磁極を構成する固定子を回転子の周りに回動させても同様の電動機の駆動制御が可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、ブラシが整流子と連れ回る摩擦力がブラシと整流子との間で得られるようにブラシに所定の接触圧を付与することで回転子を停止状態に保持するようにしたので、メカニカルなロック機構あるいはサーボ制御回路が不要となり、装置構成を簡単かつ安価なものとすることができる。また、サーボ機構が不要であるため、大電力の大型機にも容易に対応可能である。さらに、ブラシは基本的には0度位置近辺に位置しているので、電流消費も少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかる整流子式交流電動機の実施の形態を示す概念的な分解構成図である。
【図2】この発明の実施の形態の前提となるブラシ回動の原理説明図である。
【図3】ブラシの各角度位置における回転子の状態を示す概念図である。
【図4】回転子の停止保持のための構成を説明する概念図である。
【図5】回転子の停止保持のための構成を説明する概念図である。
【図6】この発明にかかる電動機を駆動源とする車両の走行、制動およびパーキングブレーキ機構を示す図である。
【符号の説明】
1 界磁巻線
2 固定子鉄心
3 固定子
4 回転子巻線
5 回転子鉄心
6 回転子
7 整流子
8 ブラシ
11a,11b 復帰バネ
12a,12b ストッパ
13 ブレーキペダル
14 アクセルペダル

Claims (3)

  1. 固定子及び該固定子に巻かれた界磁巻線と、回転子及び該回転子に巻かれた回転子巻線と、該回転子巻線に接続された整流子に交流電源を給電するブラシとを備え、
    前記ブラシを前記整流子の周方向に回動可能に構成するとともに、
    前記ブラシが前記整流子の回転により連れ回り可能な摩擦力が該ブラシと該整流子との間で得られるように該ブラシに所定の接触圧を付与するブラシ付勢手段を備え、
    前記ブラシが基点位置に位置しかつ該ブラシに交流電源が印加されているとき、前記固定子及び前記回転子が発生する磁束により該固定子と該回転子が吸引し合い、該回転子が外力を受けて回転しようとするとき該ブラシが前記ブラシ付勢手段の作用により該整流子と連れ回ることにより、前記固定子及び前記回転子間に発生する磁束により該回転子に前記外力から受ける回転トルクに抗する反対方向の制動トルクを発生することを特徴とする整流子式交流電動機。
  2. 前記ブラシは第1の操作にて前記基点位置から一方の方向に回動して前記回転子に該一方の方向とは逆の方向の回転トルクを発生させ、前記ブラシは第2の操作にて前記基点位置から他方方向に回動して前記回転子に該一方の方向の回転トルクを発生させ、前記ブラシは前記第1または第2の操作の解除によって前記基点位置に復帰するよう動作することを特徴とする請求項1に記載の整流子式交流電動機。
  3. 前記基点位置は電気角略0度に対応する位置であることを特徴とする請求項1または2に記載の整流子式交流電動機。
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