JP3776211B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用感に優れるとともに、中性領域においても乾燥後の毛髪に柔軟性を付与することができる毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、毛髪化粧料には毛髪の感触を良好にする目的で、モノ又はジ直鎖型長鎖アルキル第4級アンモニウム塩やモノ又はジ分岐型長鎖アルキル第4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤が配合されている。
【0003】
しかしながら、これら従来の毛髪化粧料は、毛髪の感触、すなわちコンディショニング効果であるしっとり感、平滑性等は優れるものの、柔軟性に関しては不充分であるという欠点があった。すなわち、濡れている状態では柔らかさを感じることができても、乾燥した状態ではその効果感はほとんど失われてしまっていた。そこで、かかる欠点を解決する目的で、高級アルコール、グリセライド、流動パラフィン等の油脂類などを併用することが行われてきた。これらの方法は、毛髪表面に疎水性分子を残留させることにより、表面張力を下げて感触的に柔軟感を付与するもので、これら毛髪表面に残留した物質は、日常生活において経時的に接触、あるいは洗髪等の作用により脱落してしまうため、柔軟性に於いては、その効果を持続的に維持することは困難であった。また硬い髪は、毛髪の弾性が大きいためにまとまりも悪いことが多く、従来の表面的な対応では、消費者の要求を満たすことは困難であった。
また、最近毛髪の柔軟性を向上させる手段として、炭素数6以上の2−ヒドロキシ脂肪酸をコンディショニング成分として使用する毛髪コンディショニング組成物が提案されている(例えば、特開平3−48607号公報、特開平3−48609号公報)。しかし、この方法でも柔軟性を持続的に維持する点においては、未だ充分な効果は得られなかった。
更に、中性領域においては、乾燥後の毛髪に柔軟性を付与することは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、良好な使用感を有すると共に、優れた柔軟性、特に中性領域においても乾燥後の毛髪に柔軟性を付与することができる毛髪化粧料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
斯かる実情において、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定のグアニジン誘導体又はその酸付加塩を用いれば、使用感に優れるとともに、柔軟性、特に中性領域においても乾燥後の毛髪に柔軟性を付与することができる毛髪化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の一般式(1);
【0007】
【化3】
【0008】
〔式中、X及びYは同一又は異なって、水素原子又はカルボキシル基が置換していてもよいフェニル基又は−(AO)m−D−E(Aは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、Dは炭素数2〜8のアルキレン基を示し、Eはヒドロキシル基を示し、mは1を示す)を示し、Z1及びZ2は水素原子又は−(AO)m−D−E(A、D、E、m及びnは前記と同じ意味を示す)を示す。ただし、X、Y、Z1及びZ2が同時に水素原子となることはなく、またZ1及びZ2が水素原子のときX又はYが−(AO)m−D−Eとなることはない〕
で表わされるグアニジン誘導体又はその酸付加塩を含有し、5%水溶液とした場合のpHが5〜8であることを特徴とする毛髪化粧料を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるグアニジン誘導体は前記一般式(1)で表わされるものである。式中、X、Y、Z1及びZ2で示されるもののうち、−(AO) m −D−Eにおいて、Aで示される炭素数2〜6のアルキレン基としては、直鎖及び分岐鎖のいずれでもよく、特に炭素数2〜4のものが好ましい。具体的には、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロピレン基等が挙げられるが、この中でもエチレン基、トリメチレン基、プロピレン基が特に好ましい。
【0017】
Dで示される炭素数2〜8のアルキレン基としては、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよく、特に炭素数4〜6のものが好ましく、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロピレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。
【0019】
かかるグアニジン誘導体の具体例としては、例えば、フェニルグアニジン、o−、m−又はp−グアニジノ安息香酸、1,3−ビス〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル〕グアニジン等が挙げられる。
【0031】
また、グアニジン誘導体(1)は、任意の酸と塩を形成してもよい。酸付加塩とする際の酸としては有機酸又は無機酸のいずれでも良く、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、安息香酸、ソルビン酸、ニコチン酸、ウロカニン酸、ピロリドンカルボン酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、o,m,p−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシ酸;グリシン、アラニン、β−アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、セリン、トレオニン、メチオニン、システイン、シスチン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ピペコリン酸、トリプトファン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、アルギニン、アミノ安息香酸等のアミノ酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の低級アルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のアリールスルホン酸;フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸、重炭酸等の無機酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
これらのグアニジン誘導体又はその酸付加塩は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、全組成中に0.001〜50重量%(以下、単に%で示す)配合するのが好ましく、特に0.001〜30%、更に0.01〜20%配合すると、中性領域での柔軟化効果が増すとともに、他の成分との相溶性にも優れるので好ましい。
【0033】
本発明の毛髪化粧料には、更に界面活性剤を配合することができる。かかる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等のいずれをも用いることができ、例えば以下のものが挙げられる。
【0034】
〔アニオン性界面活性剤〕
(1)平均炭素数10〜16のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩。
(2)平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、1分子内に平均0.5〜8モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比で、あるいはエチレンオキサイドとブチレンオキサイドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加したアルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩。
(3)平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニル硫酸塩。
(4)平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するオレフィンスルホン酸塩。
(5)平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するアルカンスルホン酸塩。
(6)平均10〜24の炭素原子を1分子中に有する飽和又は不飽和脂肪酸塩。
(7)平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有し、1分子中に平均0.5〜8モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比で、あるいはエチレンオキサイドとブチレンオキサイドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加したアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩。
(8)平均10〜20の炭素原子から成るアルキル基又はアルケニル基を有するα−スルホン脂肪酸塩又はエステル。
(9)炭素数8〜24のアシル基、及び遊離カルボン酸残基又はスルホン酸残基を有するN−アシルアミノ酸型界面活性剤。
(10)炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基又はそれらのエトキシレートを有するリン酸モノ又はジエステル型界面活性剤。
(11)炭素数8〜22の高級アルコール若しくはそのエトキシレートなどのスルホコハク酸エステル又は高級脂肪酸アミド由来のスルホコハク酸エステル。
(12)炭素数8〜20の高級脂肪酸モノエタノールアミド又は、ジエタノールアミド又は、それらのエトキシレートなどのスルホン酸塩。
(13)炭素数8〜20のモノグリセライドのスルホン酸塩。
(14)炭素数8〜20の高級脂肪酸とイセチオン酸との縮合物の塩。
【0035】
〔両性界面活性剤〕
(15)炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基若しくはアシル基を有するα位付加型、2級アミド、若しくは3級アミド型のイミダゾリン系両性界面活性剤。
(16)炭素数6〜24のアルキル基、アルケニル基若しくはアシル基を有するカルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、若しくはアミドスルホベタイン系両性界面活性剤。
【0036】
〔非イオン性界面活性剤〕
(17)平均炭素数10〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル。
(18)炭素数8〜20のモノグリセライドのエトキシレート。
(19)炭素数8〜20の高級脂肪酸ショ糖エステル。
(20)炭素数8〜20のアシル基を有するポリグリセリン脂肪酸エステル。
(21)炭素数8〜20の高級脂肪酸モノエタノールアミド又は、ジエタノールアミド又はそれらのエトキシレート。
(22)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(23)炭素数8〜20のアシル基を有するポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(24)炭素数8〜20のアシル基を有するポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(25)炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基を有するアルキルサッカライド系界面活性剤。
(26)炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基を有するアルキルアミンオキサイド、又はアルキルアミドアミンオキサイド。
(27)炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する多価アルコールのエーテル化合物又はエステル化合物。
【0037】
〔カチオン性界面活性剤〕
(28)炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基を有するイミダゾリン開環型4級アンモニウム塩。
(29)炭素数8〜24の、場合によっては酸素原子若しくは酸アミド基によって中断されているか、又は水酸基に置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するモノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩。
(30)炭素数8〜24の、場合によっては酸素原子若しくは酸アミド基によって中断されているか、又は水酸基に置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩。
(31)分岐鎖を有する総炭素数8〜28の、場合によっては酸素原子若しくは酸アミド基によって中断されているか又は水酸基に置換されていてもよいアルキル基と、直鎖の炭素数8〜22の場合によっては酸素原子若しくは酸アミド基によって中断されているか又は水酸基に置換されていてもよいアルキル基又はアルケニル基とを同一分子内に有する、非対称型のジ長鎖アルキル基若しくはアルケニル基を有する4級アンモニウム塩。
【0038】
これらの界面活性剤のアニオン性残基の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、炭素数2又は3のアルカノール基を1〜3個有するアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)を挙げることができる。またカチオン性残基の対イオンとしては、塩素、臭素、沃素等のハロゲンイオン及びメトサルフェート、サッカリネートイオンを挙げることができる。
【0039】
これらの界面活性剤のうち、特に(2)アルキルエーテル硫酸塩、(3)アルキル硫酸塩、(6)飽和又は不飽和脂肪酸塩、(9)N−アシル化アミノ酸型界面活性剤、(10)リン酸モノエステル型界面活性剤、(11)スルホコハク酸エステル、(12)アミドエーテルサルフェート、(15)2級アミド型イミダゾリン系両性界面活性剤、特に脱塩してポリマーの溶解性を向上させたアミドアミノ酸型両性界面活性剤(特開昭63−128100号)、(16)アミドベタイン又はヒドロキシスルホベタイン系両性界面活性剤、(17)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、(25)アルキルサッカライド系界面活性剤、(26)アルキルアミンオキサイド、(27)分岐鎖アルキルグリシジルエーテルと多価アルコールの付加反応で得られる付加物、(28)アルキルイミダゾリン開環型4級アンモニウム塩、(29)モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、(30)ジアルキルジメチルアンモニウム塩又は(31)非対称型ジアルキルジメチルアンモニウム塩が主活性剤として好ましい。
【0040】
これらの界面活性剤のうち、更に好適なものの具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エチレンオキサイド平均2〜3モル付加)、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸のナトリウム塩、ヤシ油脂肪酸アマイドエーテルサルフェート、ラウロイル−N−メチルタウリン、ラウロイル−N−メチル−β−アラニン、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリルジナトリウム(3〜7E.O.)、ラウリルリン酸、N−ラウロイル−N′−カルボキシメチル−N′−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリエタノールアミン塩、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N′,N′−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミンナトリウム塩、デシルポリグルコシド、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオキシエチレン(20)ラウリルエーテル、ラウリルアミンオキサイド、2−ヒドロキシ−3−〔(2−ヒドロキシエチル)〔2−〔(1−オキソテトラデシル)アミノ〕エチル〕アミノ〕プロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジセチルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、2−ドデシルヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、炭素数12〜15の市販オキソ法合成アルコール(ドバノール23と45の等量混合物,三菱油化(株)製)に由来する分岐率20%の分岐ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、N−2−(3−メチルヘキシル)−7−メチルデシル−N−ドデシル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド、N−2−(3−メチルヘキシル)−7−メチルデシル−N−オクチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド、N−2−ヘキシルデシル−N−ドデシル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド、ペンタエリスリトールグリセリルイソステアリルエーテルのモノエーテル体等が挙げられる。
【0041】
これらの界面活性剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、全組成中に0.1〜50%、特に1〜40%配合するのが好ましい。
【0042】
本発明の毛髪化粧料には、更に一般式(2)
【0043】
【化4】
【0044】
〔式中、R1 は水素原子、メチル基又はメトキシ基を示し、R2 は単結合又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基若しくはアルケニレン基を示し、R3 は水素原子又は水酸基を示し、p及びqはそれぞれ0〜5の数を示す〕
で表わされる芳香族アルコール類を配合することができ、多成分系での相溶性をより向上させるという効果を得ることができる。
【0045】
かかる芳香族アルコール類(2)としては、具体的には、例えばベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p−アニシルアルコール、p−メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール等が挙げられ、これらのうち、特に2−ベンジルオキシエタノールが好ましい。
【0046】
これらの芳香族アルコール類は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、全組成中に0.1〜30%、特に1〜15%配合するのが好ましい。
【0047】
本発明の毛髪化粧料には、更にグリコール酸を配合することができ、十分な効果が得られるpH領域を拡大することができる。かかるグリコール酸は、全組成中に0.1〜20%、特に5〜20%配合するのが好ましい。
【0048】
本発明の毛髪化粧料には、更に高級アルコールを配合することにより、更に前記グアニジン誘導体の毛髪柔軟化作用を向上させ、更に他の成分の毛髪への残留性を向上させることができる。かかる高級アルコールとしては、炭素数10〜26の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和アルコールが挙げられる。具体例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、ヘプタデカノール、ベヘニルアルコール及びこれらの混合物が挙げられる。かかる高級アルコールの配合量は、組成物全体の0.1〜20%、特に1〜10%とすることが好ましい。
【0049】
更に、本発明の毛髪化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、ヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤、香料、パール化剤、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等を配合することができる。また、毛髪の感触を更に向上させるために、カチオン化セルロースなどのカチオン性ポリマーや、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどのシリコーン誘導体等を配合することもできる。
【0050】
また、本発明の毛髪化粧料は、必要に応じてリン酸、塩酸等の無機酸;水酸化ナトリウム等の無機アルカリ;トリエタノールアミン等の有機アルカリによりpH調整を行うことができ、この場合のpHは、5%水溶液のpHが3〜11、特にpH5〜8となるようにするのが好ましい。
【0051】
本発明の毛髪化粧料は常法に従って製造することができる。また、その剤型は特に限定されず、用途に応じて、エマルジョン、サスペンジョン、ゲル、透明溶液、エアゾール等各種剤型とすることができる。更に、用途としては毛髪化粧料一般、すなわちプレシャンプー剤、シャンプー、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、コンディショニングブロー剤等とすることができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の毛髪化粧料は、使用感に優れると共に、柔軟性、特に中性領域においても乾燥後の毛髪に柔軟性を付与することができるものである。
【0053】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において行った毛髪化粧料の評価方法は以下のとおりである。
【0054】
(1)シャンプーの場合:
コールドパーマ等の美容処理を施したことのない日本人女性の毛髪20g(長さ15cm)を束ね、この毛髪束にシャンプー1gを塗布して1分間泡立てた時の泡立ちと、その後、30秒間流水ですすいだ後の柔軟性、更に乾燥後の柔軟性について、以下の基準に従って評価した。
【0055】
(泡立ち)
○:泡立ちがよい。
△:泡立ちが不充分。
×:泡立ちが不良。
(すすぎ時の柔軟性)
○:柔らかい。
△:柔軟感が不充分。
×:柔軟感が感じられない。
(乾燥後の柔軟性)
○:柔らかい。
△:柔らかさが不充分。
×:柔らかくない。
【0056】
(2)ヘアリンス等のアフターシャンプー剤の場合:
コールドパーマ等の美容処理を施したことのない日本人女性の毛髪20g(長さ15cm)を束ね、シャンプーで洗浄した後、すすぎ流すタイプのアフターシャンプー剤についてはこの毛髪束に2gの剤を均一に塗布し、次いで30秒間流水ですすぎ、タオルドライを行った後、ドライヤーにて乾燥した。また、すすがないタイプのアフターシャンプー剤の場合については、この毛髪束に所定量の剤を塗布した後、風乾した。これらの毛髪束について、その柔軟性、平滑性、油性感の少なさを、以下の基準に従って評価した。
【0057】
(柔軟性)
○:柔らかい。
△:柔らかさが不充分。
×:柔らかくない。
(平滑性)
○:滑りがよい。
△:滑り感が不充分。
×:滑り感が無い。
(油性感の少なさ)
○:油性感が少ない。
△:油性感がやや多い。
×:油性感が多い。
【0058】
参考例1(ヘアコンディショナー)
表1に示す組成のヘアコンディショナーを常法により製造し、毛髪処理後の柔軟性を評価した。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
実施例1(シャンプー)
表2に示す組成のシャンプーを常法により製造し、泡立ち、すすぎ時及び乾燥後の柔軟性について評価した。結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】
参考例2(シャンプー)
下記に示す組成のシャンプーを常法により製造した。
【0063】
【表3】
【0064】
得られたシャンプーは、洗髪時の泡立ちが良く、すすぎ時及び乾燥時の感触に優れ、乾燥後の毛髪に十分な柔軟性を付与した。
【0065】
参考例3(抗フケシャンプー)
下記に示す組成の抗フケシャンプーを常法により製造した。
【0066】
【表4】
【0067】
得られたシャンプーは洗髪時の泡立ちが良く、すすぎ時及び乾燥時の感触に優れ、乾燥後の毛髪に十分な柔軟性を付与した。また、抗フケ効果も良好であった。
【0068】
実施例2(ヘアリンス)
表5に示す組成のヘアリンスを常法により製造し、毛髪処理後の柔軟性、平滑性及び油性感の少なさを評価した。結果を表5に示す。
【0069】
【表5】
【0070】
実施例3(ヘアトリートメント)
下記に示す組成のヘアトリートメントを常法により製造した。
【0071】
【表6】
【0072】
得られたトリートメントは、使用感に優れ、毛髪の乾燥後も十分な柔軟性を示した。
【0073】
参考例4(ヘアトリートメント)
表7に示す組成のヘアトリートメントを常法により製造した。
【0074】
【表7】
【0075】
得られたヘアトリートメントはいずれも、使用感に優れ、乾燥後の毛髪に十分な柔軟性を付与した。
【0076】
参考例5(ヘアコンディショニングブロー剤)
下記に示す組成のヘアコンディショニングブロー剤を常法により製造した。
【0077】
【表8】
【0078】
得られたブロー剤は使用感に優れ、乾燥後の毛髪に十分な柔軟性を付与した。
Claims (4)
- 次の一般式(1);
で表わされるグアニジン誘導体又はその酸付加塩を含有し、5%水溶液とした場合のpHが5〜8であることを特徴とする毛髪化粧料。 - 更に、界面活性剤を含有する請求項1記載の毛髪化粧料。
- 更に、グリコール酸を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の毛髪化粧料。
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