JP3774897B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自発光型の薄型平面ディスプレイ等に用いて好適な有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディア指向の商品を初めとして、マン−マシンインターフェースの重要性が高まっている。人間がより快適に効率良く機械操作するためには、操作される機械から、充分な量の情報を、正確、簡潔且つ瞬時に取り出す必要が有る。このため、ディスプレイ用の様々な表示素子について研究が行われている。
【0003】
また、機械の小型化、薄型化に伴い、表示素子の小型化、薄型化に対する要求も日々高まっている。
【0004】
例えば、液晶ディスプレイは、様々な製品の表示用インターフェースとして用いられており、ラップトップ型情報処理機器は勿論のこと、小型テレビや時計、電卓等、我々の日常使用する製品に多く用いられている。
【0005】
これらの液晶ディスプレイは、液晶の低電圧駆動、低消費電力という特徴を活かし、小型から大容量表示デバイスに至るまで、表示素子の中心として研究されてきた。
【0006】
しかし、液晶ディスプレイは、自発光性でないために、バックライトを必要とし、このバックライトの駆動に、液晶を駆動するよりも大きな電力を必要とするため、結果的に、内蔵電池等では使用時間が短くなって、使用上の制限が出るという欠点が有った。
【0007】
また、液晶ディスプレイは、視野角が狭いため、大型ディスプレイ等の表示素子には適していないことも問題であった。
【0008】
更に、液晶ディスプレイは、液晶分子の配向状態による表示方法なので、視野角の範囲でも、角度によりコントラストが変化してしまうという問題も有った。
【0009】
また、駆動方式から考えると、液晶ディスプレイの駆動方式の一つであるアクティブマトリクス方式は、動画を扱うに充分な応答速度を示すが、TFT(薄膜トランジスタ)駆動回路を用いる必要が有るため、画素欠陥の発生により画面サイズの大型化が困難であった。また、TFT駆動回路を用いることは、コストの点から考えても、あまり好ましいものではなかった。
【0010】
一方、液晶ディスプレイの別の駆動方式である単純マトリクス方式は、低コストである上に画面サイズの大型化が比較的容易であるという特長を持つ反面、動画を扱うに充分な応答速度を有していないという欠点が有った。
【0011】
これに対し、自発光性表示素子は、プラズマ表示素子、無機電界発光素子、有機電界発光素子等が研究されている。
【0012】
プラズマ表示素子は、低圧ガス中でのプラズマ発光を表示に用いたもので、大型化、大容量化に適しているものの、薄型化やコストの面での問題を抱えている。また、駆動に高電圧の交流バイアスを必要とするため、携帯用デバイス等には適していない。
【0013】
無機電界発光素子は、当初、緑色発光ディスプレイ等が商品化されたが、プラズマ表示素子と同様、交流バイアス駆動であり、駆動に数百V必要だったため、殆ど受け入れられなかった。技術的な発展により、今日では、カラーディスプレイ表示に必要なR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色の発光に成功はしているが、無機材料であるために、例えば、分子設計による発光波長等の制御は困難であり、フルカラー化は困難であると思われる。
【0014】
一方、有機化合物による電界発光現象は、1960年代前半に、強く蛍光を発するアントラセン単結晶へのキャリア注入による発光現象が発見されて以来、長い期間、研究されてきたが、低輝度、単色で、しかも単結晶であったため、有機材料へのキャリア注入という基礎的研究の段階でしかなかった。
【0015】
しかし、1987年に Eastman Kodak社の Tang らが、低電圧駆動、高輝度発光が可能なアモルファス発光層を有する積層構造の有機薄膜電界発光素子を発表して以来、各方面で、RGB三原色の発光、安定性、輝度上昇、積層構造、作製法等の研究開発が盛んに行われるようになった。
【0016】
更に、有機材料の特長である分子設計等により様々な新規材料が発明され、直流低電圧駆動、薄型、自発光性等の優れた特徴を有する有機電界発光素子のカラーディスプレイへの応用研究も盛んに行われている。
【0017】
図5に、従来の有機電界発光素子の一例を示す。
【0018】
この有機電界発光素子10は、透明ガラス基板6上に、ITO(Indium Tin Oxide) 透明電極5、ホール輸送層4、発光層3、電子輸送層2及び陰極1を、例えば、真空蒸着法で順次成膜したものである。
【0019】
この有機電界発光素子10において、陽極であるITO透明電極5と陰極1との間に直流電圧7を印加すると、ITO透明電極5から注入されたキャリアとしてのホール(正孔)がホール輸送層4を経て、一方、陰極1から注入された電子が電子輸送層2を経て夫々移動し、発光層3において、それら電子−正孔対の再結合が生じ、そこから所定波長の発光8が生じて、それを透明ガラス基板6の側から観察できる。
【0020】
発光層3には、例えば、アントラセン、ナフタリン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、ブタジエン、クマリン、アクリジン、スチルベン等の発光物質を用いることができる。
【0021】
図6に、従来の別の有機電界発光素子を示すが、この有機電界発光素子20では、電子輸送層2が発光層を兼ねている。
【0022】
図7に、図6の有機電界発光素子20を用いた平面ディスプレイの構成例を示す。
【0023】
図示の如く、電子輸送層2とホール輸送層4とからなる有機積層構造が、陰極1と陽極5の間に配される。陰極1及び陽極5は、互いに交差するストライプ状に設けられ、夫々、輝度信号回路34及びシフトレジスタ内蔵の制御回路35により選択されて信号電圧が印加される。これにより、選択された陰極1及び陽極5が交差する位置(画素)の有機積層構造が発光する。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような有機電界発光素子のカラーディスプレイへの応用を行う上で、RGB三原色の安定した発光は必要不可欠な条件である。
【0025】
ところが、有機電界発光素子を長時間駆動すると、ダークスポットと呼ばれる非発光点が発生し、このダークスポットの成長が、有機電界発光素子の寿命を短くしている原因の一つであった。
【0026】
ダークスポットは、一般に、駆動直後は肉眼では見えない程度の大きさで発生し、これを核として、連続駆動により成長していくことが知られている。
【0027】
また、ダークスポットは、駆動を行わない保存状態でも発生し、経時的に成長することが知られている。
【0028】
そこで、本発明の目的は、駆動状態及び長期保存状態におけるダークスポットの発生を極力抑え、長期保存可能で且つ長時間の安定した発光が得られる有機電界発光素子を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決すべく、本発明は、発光領域を含む有機積層構造が陽極と陰極との間に設けられた有機電界発光素子において、
少なくとも前記陰極が、アルミニウムと、アルミニウムの仕事関数よりも大きい仕事 関数を有する少なくとも1種の材料とを含有した陰極封止層により外部から保護され
前記陰極封止層が、ゲルマニウム酸化物又は金−ゲルマニウムからなる保護層によっ て覆われていること、
を特徴とする
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を好ましい実施の形態に従い説明する。
【0031】
〔第1の実施の形態〕
図1に、本発明の第1の実施の形態による有機電界発光素子の構成を模式的に示す。
【0032】
この第1の実施の形態による有機電界発光素子30では、透明ガラス基板6上に、ITO透明電極5をスパッタ法により形成し、その上に、順次、ホール輸送層4、発光層3及び電子輸送層2を真空蒸着法により積層して有機積層構造Aを形成し、更に、その上に、陰極1を真空蒸着法により形成する。そして、それらの上に、陰極1の外部からの保護及び外部への電極取り出しを兼ねた陰極封止層9を、やはり、真空蒸着法により形成する。
【0033】
この時、陰極1及び陰極封止層9には、アルミニウム(Al)系の材料を用いるのが好ましい。その理由は、有機電界発光素子の整流性には陰極材料が関与し、Alは、逆バイアスにおいて殆ど電流を通すことなく、整流性が良いからである。
【0034】
有機電界発光素子の整流性は、表示デバイスを作製する際には重要で、特に、単純マトリクス駆動型表示素子を作製するには、良い整流性を得ることが必要不可欠な条件となる。
【0035】
ところが、陰極1又は陰極封止層9に、Alの単体を用いると、ダークスポットの発生、成長が顕著に現れる。
【0036】
これは、ダークスポットの発生要因が、有機層と接している陰極の剥離や酸化、有機層を形成している分子のコンフォメーションの変化、更に、発光に伴う熱緩和過程での有機層の劣化等によるものだけではなく、特に、陰極材料によるヒロック(陰極材料がスパイク状に結晶成長して、有機層中に侵入すること)によるところが大きいからだと考えられる。
【0037】
陰極1をAl単体で構成すると、陰極1と電子輸送層2との界面にヒロックが発生する。また、これを防止するために、陰極1を、Alよりも仕事関数が小さい材料で構成すると、今度は、外部からの酸素や水分等の侵入により、陰極1と電子輸送層2との界面にヒロックが発生する。この時、陰極1を保護する陰極封止層9をAl単体で構成していると、この外部からの酸素や水分等の侵入を殆ど防げない。
【0038】
そこで、本実施の形態では、陰極1を、Alよりも仕事関数が小さい材料で構成すると同時に、陰極封止層9を、Alを主成分とし、且つ、Alの仕事関数よりも大きな仕事関数を有する少なくとも1種の材料を含有した材料で構成する。
【0039】
この時、陰極1を構成する、Alよりも仕事関数が小さい材料としては、例えば、リチウム(Li)、インジウム(In)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、バリウム(Ba)等を単独、若しくは、他の金属(特に、Al)との合金として用いることができる。
【0040】
また、陰極封止層9に用いる、Alの仕事関数よりも大きな仕事関数を有する材料としては、Alの仕事関数φ≒4.19〔eV〕よりも0.02eV以上大きい仕事関数を有する材料で、且つ、Alと合金化し得る材料を用いるのが好ましく、例えば、シリコン(Si:φ≒4.40〔eV〕)、銅(Cu:φ≒4.51〔eV〕)、クロム(Cr:φ≒4.44〔eV〕)、ニッケル(Ni:φ≒5.25〔eV〕)、ガリウム(Ga:φ≒4.45〔eV〕)、モリブデン(Mo:φ≒4.21〔eV〕)、白金(Pt:φ≒5.63〔eV〕)、金(Au:φ≒5.32〔eV〕)、銀(Ag:φ≒4.34〔eV〕)、炭素(C:φ≒4.81〔eV〕)、鉄(Fe:φ≒4.24〔eV〕)、アンチモン(Sb:φ≒4.56〔eV〕)、錫(Sn:φ≒4.42〔eV〕)、タングステン(W:φ≒4.55〔eV〕)、亜鉛(Zn:φ≒4.33〔eV〕)、ルテニウム(Ru:φ≒4.86〔eV〕)、カドミウム(Cd:φ≒4.22〔eV〕)、タンタル(Ta:φ≒4.22〔eV〕)、コバルト(Co:φ≒4.97〔eV〕)、ヒ素(As:φ≒4.79〔eV〕)、ニオブ(Nb:φ≒4.66〔eV〕)、パラジウム(Pd:φ≒4.95〔eV〕)、ビスマス(Bi:φ≒4.26〔eV〕)等を用いることができる。
【0041】
これらの材料は、陰極封止層9中に少なくとも1種類存在すれば良く、複数種類存在しても良い。
【0042】
この時、陰極封止層9におけるこれらの材料の含有量は、1種類につき0.05重量%(以下、wt%と記す。)以上、5wt%未満であるのが好ましい。従って、例えば、2種類又はそれ以上の材料を用いる場合には、合計で、10wt%未満まで含有させることができる。但し、これらの材料の含有量が多過ぎると、Alの整流性が低下し過ぎる虞が有り、また、ダークスポットの発生量も却って増加する虞が有るので、これらの材料全体の含有量は、0.05wt%以上、5wt%未満であるのがより好ましい。
【0043】
本実施の形態では、陰極1及び陰極封止層9を、夫々、上述の材料で構成することにより、駆動時及び長期保存後の駆動時、有機電界発光素子のダークスポットの発生及び成長を大幅に抑制することができる。
【0044】
なお、安定性を更に高めるために、ゲルマニウム(Ge)酸化物、AuGe等で陰極封止層9を更に覆って保護し、これにより、大気中の酸素等の影響を更に排除するのが好ましい。また、真空に引いた状態で素子を駆動するようにしても良い。
【0045】
また、陽極の透明電極5には、上述したITO(In2 3 +5〜10wt%SnO2 )の他に、NESA(商品名:SnO2 +Sb2 3 )やZAO(商品名:ZnO+1〜2wt%Al2 3 )等を用いることができる。或いは、これらの積層膜で構成しても良い。更に、陽極には、真空準位からの仕事関数が大きいAu等を用いることもできる。
【0046】
更に、上記有機電界発光層を有する素子において、アノード電極、ホール輸送層、発光層、電子輸送層の材料に特に限定要件は無い(以下の実施の形態でも同様)。例えば、ホール輸送性発光層であるならば、ベンジジン誘導体、スチリルアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体等のホール輸送性発光材料を用いてもよい。同様に、電子輸送層には、ペリレン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体等の電子輸送性有機物質を用いてもよい。
【0047】
また、アノード電極、ホール輸送層、発光層、電子輸送層は、それぞれが複数層からなる積層構造であってももちろんよい。
【0048】
また、本実施の形態における各有機層は、蒸着以外にも、昇華又は気化を伴う他の成膜方法でも形成可能である。
【0049】
なお、モノカラー用の有機EL素子は勿論、発光材料を選択することによって、R、G、Bの三色を発光するフルカラー用、又はマルチカラー用の有機EL素子を作製することができる。その他、ディスプレイ用としてだけでなく、光源用としても使用可能な有機EL素子に適用できるとともに、他の光学的用途にも適用することができる。
【0050】
〔第2の実施の形態〕
図2に、本発明の第2の実施の形態による有機電界発光素子の構成を模式的に示す。
【0051】
この第2の実施の形態による有機電界発光素子40では、電子輸送層2を、発光層を兼ねた電子輸送性発光材料で構成し、上述した第1の実施の形態における発光層3を省略している。これ以外の構成は、上述した第1の実施の形態と実質的に同じである。
【0052】
このような電子輸送性発光材料としては、例えば、下記〔化1〕に構造式を示すアルミキノリン錯体Alq3 (8-hydroxy quinorine aluminum) を用いることができる。
【0053】
【化1】
Figure 0003774897
【0054】
〔第3の実施の形態〕
図3に、本発明の第3の実施の形態による有機電界発光素子の構成を模式的に示す。
【0055】
この第3の実施の形態による有機電界発光素子50では、陽極であるITO透明電極5とホール輸送層4との間に、ホール注入効率を高めるためのホール注入層12を設けている。これ以外の構成は、上述した第2の実施の形態と実質的に同じである。
【0056】
このようなホール注入層12は、例えば、下記〔化2〕に構造式を示すm−MTDATA(4,4',4"-tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamine)で構成することができる。
【0057】
【化2】
Figure 0003774897
【0058】
〔第4の実施の形態〕
図4に、本発明の第4の実施の形態による有機電界発光素子の構成を模式的に示す。
【0059】
この第4の実施の形態による有機電界発光素子60では、ホール輸送層4を、発光層を兼ねたホール輸送性発光材料で構成し、上述した第1の実施の形態における発光層3を省略している。また、ITO透明電極5とホール輸送層4との間に、上述した第3の実施の形態と同様のホール注入層12を設け、更に、ホール輸送層4と電子輸送層2との間に、電子−正孔の再結合によるエキシトン(exciton : 励起子)の生成を促進するためのエキシトン生成促進層13を設けている。これ以外の構成は、上述した第1の実施の形態と実質的に同じである。
【0060】
ホール輸送性発光材料としては、例えば、ベンジジン誘導体、スチリルアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体等を用いることができる。具体的には、例えば、下記〔化3〕に構造式を示すTPD(N,N’−diphenyl−N,N’−bis(3-methylphenyl)-1,1'-biphenyl-4,4'-diamine) や、
【0061】
【化3】
Figure 0003774897
【0062】
下記〔化4〕に構造式を示すα−NPD(α-naphtyl phenyl diamine)等を用いることができる。
【0063】
【化4】
Figure 0003774897
【0064】
また、エキシトン生成促進層13は、例えば、下記〔化5〕に構造式を示すバソクプロイン(2,9-dimethyl-4,7-diphenyl-1,10-penanthroline) で構成することができる。
【0065】
【化5】
Figure 0003774897
【0066】
なお、以上に説明した各実施の形態において、陰極1、電子輸送層2、発光層3、ホール輸送層4、陽極5、陰極封止層9等は、各々が複数の層からなる積層構造であっても良い。
【0067】
また、陰極封止層9は、陰極1を外部から保護するように覆っていれば充分であり、他の部分は必ずしも覆っていなくても良い。
【0068】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0069】
実施例1
30mm×30mmの透明ガラス基板上に膜厚約100nmのITO膜が設けられたITO基板を用い、その上に、SiO2 膜を蒸着して、2mm×2mmの発光領域以外をSiO2 膜によりマスクした有機電界発光素子用基板を作製した。
【0070】
次に、その有機電界発光素子用基板上に、ホール輸送層としてTPDを、真空蒸着法により、真空下で約50nmの膜厚に蒸着(蒸着速度約0.2〜0.4nm/sec )し、更に、そのTPDの上に、電子輸送性を持った発光材料であるAlq3 を電子輸送性発光層として約50nmの膜厚に蒸着(蒸着速度約0.2〜0.4nm/sec )した。
【0071】
しかる後、その上に、陰極としてLiを約2nmの膜厚に蒸着(蒸着速度〜0.3nm/sec )し、更に、その上に、陰極封止層としてAlSiCu(Si:約1wt%、Cu:約0.5wt%)を約200nmの膜厚に蒸着した。更に、封止を完全に行うために、AuGe電極を約200nmの膜厚に蒸着し、有機電界発光素子を作製した。
【0072】
こうして作製した有機電界発光素子の特性を測定したところ、最大発光波長は約520nm、CIE色度座標上での座標は(0.32,0.54)であり、良好な緑色発光を呈した。また、電流密度100mA/cm2 での輝度は約6400cd/m2 であった。発光スペクトルの形状から、Alq3 からの発光であることは明らかであった。
【0073】
この有機電界発光素子を、気温約20℃、相対湿度約30%の大気中で、5mA/cm2 の電流密度で定電流駆動したところ(初期輝度約200cd/m2 )、駆動後1時間では、発光面に、肉眼で観察できるダークスポットは無く、倍率10倍のファインダーを通して観察しても、ダークスポットは認められなかった。
【0074】
実施例2
実施例1と同様の有機電界発光素子用基板を用い、その上に、ホール注入層としてm−MTDATAを、真空蒸着法により、真空下で約30nmの膜厚に蒸着(蒸着速度約0.2〜0.4nm/sec )し、その上に、ホール輸送層としてα−NPDを、真空蒸着法により、真空下で約30nmの膜厚に蒸着(蒸着速度約0.2〜0.4nm/sec )し、更に、その上に、電子輸送性発光層としてAlq3 を約50nmの膜厚に蒸着した。
【0075】
しかる後、その上に、陰極としてLiを約2nmの膜厚に蒸着(蒸着速度〜0.3nm/sec )し、更に、その上に、陰極封止層としてAlCu(Cu:約1wt%)を約200nmの膜厚に蒸着した。更に、封止を完全に行うために、AuGe電極を約200nmの膜厚に蒸着し、有機電界発光素子を作製した。
【0076】
こうして作製した有機電界発光素子の特性を測定したところ、最大発光波長は約520nm、CIE色度座標上での座標は(0.32,0.55)であり、良好な緑色発光を呈した。また、電流密度400mA/cm2 での輝度は約26000cd/m2 であった。発光スペクトルの形状から、Alq3 からの発光であることは明らかであった。
【0077】
この有機電界発光素子を、気温約20℃、相対湿度約30%の大気中で、5mA/cm2 の電流密度で定電流駆動したところ(初期輝度約230cd/m2 )、駆動後1時間では、発光面に、肉眼で観察できるダークスポットは無く、倍率10倍のファインダーを通して観察しても、ダークスポットは認められなかった。
【0078】
実施例3
実施例2と同様の条件で、有機電界発光素子用基板上に、ホール注入層であるm−MTDATA、ホール輸送層であるα−NPD、及び、電子輸送性発光層であるAlq3 を夫々形成した後、その上に、陰極としてLiを約2nmの膜厚に蒸着(蒸着速度〜0.3nm/sec )し、更に、その上に、陰極封止層としてAlSiCu(Si:約1wt%、Cu:約0.5wt%)を約200nmの膜厚に蒸着した。更に、封止を完全に行うために、AuGe電極を約200nmの膜厚に蒸着し、有機電界発光素子を作製した。
【0079】
こうして作製した有機電界発光素子の特性を測定したところ、最大発光波長は約520nm、CIE色度座標上での座標は(0.32,0.55)であり、良好な緑色発光を呈した。また、電流密度400mA/cm2 での輝度は約27000cd/m2 であった。発光スペクトルの形状から、Alq3 からの発光であることは明らかであった。
【0080】
この有機電界発光素子を、気温約20℃、相対湿度約30%の大気中で、5mA/cm2 の電流密度で定電流駆動したところ(初期輝度約230cd/m2 )、駆動後1時間では、発光面に、肉眼で観察できるダークスポットは無く、倍率10倍のファインダーを通して観察しても、ダークスポットは認められなかった。
【0081】
実施例4
実施例1と同様の有機電界発光素子用基板を用い、その上に、ホール注入層としてm−MTDATAを、真空蒸着法により、真空下で約30nmの膜厚に蒸着(蒸着速度約0.2〜0.4nm/sec )し、その上に、ホール輸送性発光層としてα−NPDを、真空蒸着法により、真空下で約50nmの膜厚に蒸着(蒸着速度約0.2〜0.4nm/sec )し、更に、その上に、エキシトン生成促進層としてバソクプロインを約20nmの膜厚に蒸着(蒸着速度約0.2〜0.4nm/sec )し、更に、その上に、電子輸送層としてAlq3 を約20nmの膜厚に蒸着した。
【0082】
しかる後、その上に、陰極としてLiを約2nmの膜厚に蒸着(蒸着速度〜0.3nm/sec )し、更に、その上に、陰極封止層としてAlSiCu(Si:約1wt%、Cu:約1wt%)を約200nmの膜厚に蒸着した。更に、封止を完全に行うために、AuGe電極を約200nmの膜厚に蒸着し、有機電界発光素子を作製した。
【0083】
こうして作製した有機電界発光素子の特性を測定したところ、最大発光波長は約460nm、CIE色度座標上での座標は(0.160,0.140)であり、良好な青色発光を呈した。また、電流密度200mA/cm2 での輝度は約1500cd/m2 であった。発光スペクトルの形状から、α−NPDからの発光であることは明らかであった。
【0084】
この有機電界発光素子を、気温約20℃、相対湿度約30%の大気中で、12mA/cm2 の電流密度で定電流駆動したところ(初期輝度約140cd/m2 )、駆動後1時間では、発光面に、肉眼で観察できるダークスポットは無く、倍率10倍のファインダーを通して観察しても、ダークスポットは認められなかった。
【0085】
実施例5
実施例2と同様の条件で、有機電界発光素子用基板上に、ホール注入層であるm−MTDATA、ホール輸送層であるα−NPD、電子輸送性発光層であるAlq3 、陰極であるLi、陰極封止層であるAlCu、及び、AuGe電極を夫々形成し、有機電界発光素子を作製した。但し、陰極封止層のAlCu中のCuの含有量を約0.5wt%とした。
【0086】
こうして作製した有機電界発光素子の特性を測定したところ、最大発光波長は約520nm、CIE色度座標上での座標は(0.32,0.55)であり、良好な緑色発光を呈した。また、電流密度400mA/cm2 での輝度は約27000cd/m2 であった。発光スペクトルの形状から、Alq3 からの発光であることは明らかであった。
【0087】
この有機電界発光素子を、気温約20℃、相対湿度0%以下(露点約−47℃以下)の乾燥窒素雰囲気中で30日間保管した後、未発光面を、大気中で、5mA/cm2 の電流密度で定電流駆動したところ(初期輝度約230cd/m2 )、駆動直後のダークスポットは観察されず、また、駆動後1時間でも、発光面に、肉眼で観察できるダークスポットは無かった。更に、倍率10倍のファインダーを通して観察しても、ダークスポットは認められなかった。
【0088】
実施例6
実施例1と同様の有機電界発光素子用基板を用い、その上に、ホール輸送層としてTPDを、真空蒸着法により、真空下で約50nmの膜厚に蒸着(蒸着速度約0.2〜0.4nm/sec )し、更に、その上に、電子輸送性発光層としてAlq3 を約50nmの膜厚に蒸着(蒸着速度約0.2〜0.4nm/sec )した。
【0089】
しかる後、その上に、陰極としてAlLi(Li:約1wt%)を約2nmの膜厚に蒸着(蒸着速度〜0.3nm/sec )し、更に、その上に、陰極封止層としてAlSiCu(Si:約1.5wt%、Cu:約0.5wt%)を約200nmの膜厚に蒸着した。更に、封止を完全に行うために、AuGe電極を約200nmの膜厚に蒸着し、有機電界発光素子を作製した。
【0090】
こうして作製した有機電界発光素子の特性を測定したところ、最大発光波長は約520nm、CIE色度座標上での座標は(0.33,0.54)であり、良好な緑色発光を呈した。また、電流密度100mA/cm2 での輝度は約6600cd/m2 であった。発光スペクトルの形状から、Alq3 からの発光であることは明らかであった。
【0091】
この有機電界発光素子を、気温約20℃、相対湿度約30%の大気中で、5mA/cm2 の電流密度で定電流駆動したところ(初期輝度約200cd/m2 )、駆動後1時間では、発光面に、肉眼で観察できるダークスポットは無く、倍率10倍のファインダーを通して観察しても、ダークスポットは認められなかった。
【0092】
実施例7
実施例6と同様の条件で、有機電界発光素子用基板上に、ホール輸送層であるTPD、及び、電子輸送性発光層であるAlq3 を夫々形成した後、その上に、陰極としてAlLiCuMg(Li:約1wt%、Cu:約0.5wt%、Mg:約2.0wt%)を約2nmの膜厚に蒸着(蒸着速度〜0.3nm/sec )し、更に、その上に、陰極封止層としてAlSiCu(Si:約1wt%、Cu:約0.5wt%)を約200nmの膜厚に蒸着した。更に、封止を完全に行うために、AuGe電極を約200nmの膜厚に蒸着し、有機電界発光素子を作製した。
【0093】
こうして作製した有機電界発光素子の特性を測定したところ、最大発光波長は約520nm、CIE色度座標上での座標は(0.32,0.54)であり、良好な緑色発光を呈した。また、電流密度100mA/cm2 での輝度は約6400cd/m2 であった。発光スペクトルの形状から、Alq3 からの発光であることは明らかであった。
【0094】
この有機電界発光素子を、気温約20℃、相対湿度約30%の大気中で、5mA/cm2 の電流密度で定電流駆動したところ(初期輝度約200cd/m2 )、駆動後1時間では、発光面に、肉眼で観察できるダークスポットは無く、倍率10倍のファインダーを通して観察しても、ダークスポットは認められなかった。
【0095】
実施例8
実施例6と同様の条件で、有機電界発光素子用基板上に、ホール輸送層であるTPD、及び、電子輸送性発光層であるAlq3 を夫々形成した後、その上に、陰極としてLiを約2nmの膜厚に蒸着(蒸着速度〜0.3nm/sec )し、更に、その上に、陰極封止層としてAlCuを約200nmの膜厚に蒸着した。更に、封止を完全に行うために、AuGe電極を約200nmの膜厚に蒸着し、有機電界発光素子を作製した。
【0096】
この実施例では、陰極封止層のAlCu中のCu含有量を、0.05wt%、0.5wt%、1.0wt%、5.0wt%、及び、10.0wt%として、夫々の試料におけるダークスポットの発生数を調べた。
【0097】
こうして作製した有機電界発光素子の特性を測定したところ、いずれの試料においても、最大発光波長は約520nm、CIE色度座標上での座標は(0.31,0.54)であり、良好な緑色発光を呈した。また、発光スペクトルの形状から、いずれの試料においても、Alq3 からの発光であることは明らかであった。
【0098】
これらの有機電界発光素子を、気温約20℃、相対湿度約30%の大気中で、5mA/cm2 の電流密度で定電流駆動したところ(初期輝度約200cd/m2 )、駆動後1時間での発光面におけるダークスポットの数は、倍率10倍のファインダーを通して観察すると、以下の〔表1〕のようになった。
【0099】
【表1】
Figure 0003774897
【0100】
この〔表1〕の結果から、陰極封止層にCuを含有させることにより、Al単体の場合に比較して、ダークスポットの発生を大幅に抑制できることが分かる。但し、Cuの含有量が5.0wt%以上になると、再び、ダークスポットの発生数が増え始めるので、Cuの含有量は、0.05wt%以上、5.0wt%未満であるのが好ましい。
【0101】
比較例1
実施例2と同様の条件で、有機電界発光素子用基板上に、ホール注入層であるm−MTDATA、ホール輸送層であるα−NPD、電子輸送性発光層であるAlq3 、及び、陰極であるLiを夫々形成した後、陰極封止層としてAlを約200nmの膜厚に蒸着した。更に、封止を完全に行うために、AuGe電極を約200nmの膜厚に蒸着し、有機電界発光素子を作製した。
【0102】
こうして作製した有機電界発光素子の特性を測定したところ、最大発光波長は約520nm、CIE色度座標上での座標は(0.32,0.55)であり、良好な緑色発光を呈した。また、電流密度400mA/cm2 での輝度は約25500cd/m2 であった。発光スペクトルの形状から、Alq3 からの発光であることは明らかであった。
【0103】
この有機電界発光素子を、気温約20℃、相対湿度約30%の大気中で、5mA/cm2 の電流密度で定電流駆動したところ(初期輝度約220cd/m2 )、駆動後10分程度で、発光面には、肉眼で観察できる細かなダークスポットが発生し、駆動後1時間では、全発光面積に占めるダークスポットの割合は約3%になった。
【0104】
比較例2
実施例2と同様の条件で、有機電界発光素子用基板上に、ホール注入層であるm−MTDATA、ホール輸送層であるα−NPD、及び、電子輸送性発光層であるAlq3 を夫々形成した後、その上に、陰極としてAlLi(Li:約1wt%)を約2nmの膜厚に蒸着(蒸着速度〜0.3nm/sec )し、更に、その上に、陰極封止層としてAlを約200nmの膜厚に蒸着した。更に、封止を完全に行うために、AuGe電極を約200nmの膜厚に蒸着し、有機電界発光素子を作製した。
【0105】
こうして作製した有機電界発光素子の特性を測定したところ、最大発光波長は約520nm、CIE色度座標上での座標は(0.32,0.55)であり、良好な緑色発光を呈した。また、発光スペクトルの形状から、Alq3 からの発光であることは明らかであった。
【0106】
この有機電界発光素子を、気温約20℃、相対湿度約30%の大気中で、5mA/cm2 の電流密度で定電流駆動したところ(初期輝度約230cd/m2 )、駆動後10分程度で、発光面には、肉眼で観察できる細かなダークスポットが発生し、駆動後1時間では、全発光面積に占めるダークスポットの割合は約4.5%になった。
【0107】
比較例3
比較例1と同様の条件で、有機電界発光素子用基板上に、ホール注入層であるm−MTDATA、ホール輸送層であるα−NPD、電子輸送性発光層であるAlq3 、陰極であるLi、陰極封止層であるAl、及び、AuGe電極を夫々形成し、有機電界発光素子を作製した。
【0108】
こうして作製した有機電界発光素子の特性を測定したところ、最大発光波長は約520nm、CIE色度座標上での座標は(0.32,0.55)であり、良好な緑色発光を呈した。また、電流密度400mA/cm2 での輝度は約25000cd/m2 であった。発光スペクトルの形状から、Alq3 からの発光であることは明らかであった。
【0109】
この有機電界発光素子を、気温約20℃、相対湿度0%以下(露点約−47℃以下)の乾燥窒素雰囲気中で30日間保管した後、未発光面を、大気中で、5mA/cm2 の電流密度で定電流駆動したところ(初期輝度約230cd/m2 )、駆動直後からダークスポットが観察され、また、駆動後1時間では、発光面全体に、肉眼で観察できるダークスポットが存在した。更に、駆動後1時間では、全発光面積に占めるダークスポットの割合は約10%になった。
【0110】
比較例4
実施例2と同様の条件で、有機電界発光素子用基板上に、ホール注入層であるm−MTDATA、ホール輸送層であるα−NPD、電子輸送性発光層であるAlq3 、及び、陰極であるLiを夫々形成した後、陰極封止層としてAlTi(Ti:約2.0wt%、Tiの仕事関数φ≒3.57〔eV〕)を約200nmの膜厚に蒸着した。更に、封止を完全に行うために、AuGe電極を約200nmの膜厚に蒸着し、有機電界発光素子を作製した。
【0111】
こうして作製した有機電界発光素子の特性を測定したところ、最大発光波長は約520nm、CIE色度座標上での座標は(0.32,0.55)であり、良好な緑色発光を呈した。また、電流密度400mA/cm2 での輝度は約23000cd/m2 であった。発光スペクトルの形状から、Alq3 からの発光であることは明らかであった。
【0112】
この有機電界発光素子を、気温約20℃、相対湿度約30%の大気中で、5mA/cm2 の電流密度で定電流駆動したところ(初期輝度約250cd/m2 )、駆動後10分程度で、発光面には、肉眼で観察できる細かなダークスポットが発生し、駆動後1時間では、全発光面積に占めるダークスポットの割合は約20%になった。
【0113】
この結果から、陰極封止層のAlに含有させる材料は、Alの仕事関数φ≒4.19〔eV〕よりも大きな仕事関数を有する材料でなければならないことが分かる。
【0114】
【発明の効果】
本発明では、発光領域を含む有機積層構造が陽極と陰極との間に設けられた有機電界発光素子において、少なくとも陰極を、アルミニウム及びアルミニウムの仕事関数よりも大きい仕事関数を有する少なくとも1種の材料を含有した陰極封止層により外部から保護している。
【0115】
従って、駆動時及び長期保存後の駆動時、有機電界発光素子におけるダークスポットの発生及び成長を大幅に抑制することができ、有機電界発光素子の特性の安定化及び長寿命化を達成することができる。
しかも、陰極封止層が、ゲルマニウム酸化物又は金−ゲルマニウムからなる保護層によって覆われているので、陰極封止層を保護して、大気中の酸素等の影響を更に排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による有機電界発光素子の構成を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による有機電界発光素子の構成を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態による有機電界発光素子の構成を示す模式的な断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態による有機電界発光素子の構成を示す模式的な断面図である。
【図5】従来の有機電界発光素子の構成を示す模式的な断面図である。
【図6】従来の別の有機電界発光素子の構成を示す模式的な断面図である。
【図7】有機電界発光素子を用いた平面ディスプレイの構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1…陰極、2…電子輸送層、3…発光層、4…ホール輸送層、5…ITO透明電極、6…透明ガラス基板、9…陰極封止層、10、20、30、40、50、60…有機電界発光素子、11…電気絶縁体、12…ホール注入層、13…エキシトン生成促進層、A…有機積層構造

Claims (18)

  1. 発光領域を含む有機積層構造が陽極と陰極との間に設けられた有機電界発光素子において、
    少なくとも前記陰極が、アルミニウムと、アルミニウムの仕事関数よりも大きい仕事 関数を有する少なくとも1種の材料とを含有した陰極封止層により外部から保護され
    前記陰極封止層が、ゲルマニウム酸化物又は金−ゲルマニウムからなる保護層によっ て覆われていること、
    を特徴とする、有機電界発光素子。
  2. 前記陰極封止層が、前記陰極の取り出し電極である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記陰極封止層における、アルミニウムの仕事関数よりも大きい仕事関数を有する前記材料の含有量が、0.05重量%以上、5重量%未満である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記陰極封止層における、アルミニウムの仕事関数よりも大きい仕事関数を有する前記材料が少なくとも1種からなり、複数種からなるときには前記材料全体の含有量が、0.05重量%以上、5重量%未満である、請求項3に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記材料の仕事関数が、アルミニウムの仕事関数よりも0.02eV以上大きい、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  6. アルミニウムの仕事関数よりも大きい仕事関数を有する前記材料が、シリコン及び銅からなる群より選ばれた材料である、請求項5に記載の有機電界発光素子。
  7. アルミニウムの仕事関数よりも大きい仕事関数を有する前記材料が、クロム、ニッケル、ガリウム、モリブデン、白金、金、銀、炭素、鉄、アンチモン、錫、タングステン、亜鉛、ルテニウム、カドミウム、タンタル、コバルト、ヒ素、ニオブ、パラジウム、及び、ビスマスからなる群より選ばれた材料である、請求項5に記載の有機電界発光素子。
  8. 前記陰極が、リチウム、インジウム、マグネシウム、ストロンチウム、カルシウム、カリウム、ナトリウム、及び、バリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有している、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  9. 前記陽極が、透明電極で構成されている、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  10. 前記陽極が、酸化スズを含有する酸化インジウムを主成分とする膜、、酸化アンチモンを含有する酸化スズを主成分とする膜、及び、酸化アルミニウムを含有する酸化亜鉛を主成分とする膜からなる群より選ばれた少なくとも1種で構成されている、請求項9に記載の有機電界発光素子。
  11. 前記陽極が金で構成されている、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  12. 透明基板の上に、前記陽極、前記有機積層構造及び前記陰極が順に積層され、この積層構造の上に、前記陽極とは電気的に絶縁された状態で、前記陰極封止層が設けられている、請求項9に記載の有機電界発光素子。
  13. 前記有機積層構造が、前記陽極側にホール輸送層、前記陰極側に電子輸送層を夫々有する、請求項1に記載の有機電界発光素子。
  14. 前記有機積層構造が、前記陽極と前記ホール輸送層との間にホール注入層を有する、請求項13に記載の有機電界発光素子。
  15. 前記有機積層構造が、前記ホール輸送層と前記電子輸送層との間に発光層を有する、請求項13に記載の有機電界発光素子。
  16. 前記ホール輸送層が発光層である、請求項13に記載の有機電界発光素子。
  17. 前記有機積層構造が、前記ホール輸送層と前記電子輸送層との間にエキシトン生成促進層を有する、請求項16に記載の有機電界発光素子。
  18. 前記電子輸送層が発光層である、請求項13に記載の有機電界発光素子。
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