JP3774842B2 - 採血装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は血球分離装置に係り、特に、全血から血球等有形成分と血漿等溶液とを分離する構造を備えた採血装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血液の諸成分を検査することによって得られる知見は幅広く、受診時や手術中における血液成分検査は必須となっている。
【0003】
この血液検査においては、赤血球や白血球等の有形成分と血漿の混ざり合った全血と呼ばれるものを患者から採取して、遠心分離装置や多孔フィルタ、または繊維フィルタを用いて血漿を取り出し、検査機器に投入している。
【0004】
後者の繊維フィルタを用いる装置としては、特開平5−196620号公報に、極細繊維の集合体が装着されたフィルタを用いる血清または血漿成分の分離回収装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように生体から採血する装置には、兵庫県南部地震や高齢者在宅介護に適応するように、いわゆるポイントオブケアを目的とした小型化と高性能化が望まれている。
【0006】
しかし、上述の遠心分離装置は小型化が難しく、その分離作業には電力が必要であり、ポイントオブケアに適用することは困難であった。また、遠心分離後に、血漿と血球等有形成分とを分けて採取する作業を、現場で短時間に精度良く行うことが難しいという問題もあった。
【0007】
また、上述のフィルタを用いる分離については、フィルタの孔の直径を小さくして分離精度を高めようとすると分離時間が長くなり、さらに、有形成分による孔の目詰まりによって、多量の分離液を採取することが難しかった。繊維フィルタを用いる分離については、赤血球が破壊して溶血し、以後の検査結果に誤差が生じる問題があった。
【0008】
本発明の課題は、これらの問題を解決するために、全血から赤血球を分離するにあたり、小型で電力消費量が少なく、短時間に赤血球を精度よく分離し、その分離液量を多く採取でき、しかも溶血しにくい採血装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、人体から血液を直接採取する採血装置において、採血針と採血管との間に、採取した全血から血球等有形成分と血漿等溶液とを分離する手段を備え、さらに、分離された血漿等溶液を保持する血漿採取管を備えた。
【0010】
そして、全血から血球等有効成分を分離する構造として、前記血漿採取の内部に配置され、一端は前記採血針に他端は前記全血採取管に連結され、全血と接する面に血液が流れる方向に沿って複数の突起条列が密に配置され、前記突起条列同士の間で、その底に小孔が設置された血球分離パイプを備えた。
【0011】
さらに、血漿等溶液を入れる容器内を全血よりも負圧にして、血液流路に比較して分岐流路の圧力を低くすることにより、採血針を通過した血液から血漿等溶液を効率よく多量に採取することが可能となる。
【0012】
血管内を流れる血液を観察すると、血球等の有形成分は血管のほぼ中心部を流れ、周辺の壁際は赤血球などの有形成分を含まない血漿等の溶液層が形成されている。本発明者らはこの知見に基づいて、血液流路の壁に設けた小孔から、流路壁に沿った溶液層から血漿等溶液のみを取りだすことにより、血球等有形成分と血漿等溶液とを分離する工夫を創案した。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の一実施形態の概略構成を説明する。なお、本発明による採血装置が対象とする全血とは、人体等の生体から採取したものであって、抗凝固剤または凝固促進剤が含有されているか否かは特定しない。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の採血装置は、人体に射し込む採血針10と採取した血液を溜める全血採取管30との間に、血球を分離した血漿等の溶液を採取する血漿等採取管20を介在させ、この血漿等採取管20の内部を通る血球分離パイプ50が、血球と血漿等の溶液とを分離する構造を備えている。
【0015】
このパイプ50の血球分離構造は、図3のパイプ断面図に示すように、パイプ壁に多数の小孔70を形成したものである。血球80はパイプ50の中心部をもっぱら流れ、内壁付近には血球を含まない血漿90等の溶液が流れている。この血球を含まない血漿等がパイプ壁の小孔70から漏出する。
【0016】
全血採取管30は内部が真空状態になっており、同様に、血漿等採取管20も内部を真空状態にすると、パイプ50からの血漿等の採取を効率的に実施することができる。
【0017】
図2は、図1における採血装置を構成する主要な部品を別々に表示したものであり、これを用いて、本実施形態のさらに詳細な構成と、採血および分離する手順を説明する。
【0018】
血漿等採取管20は血球分離パイプ50を内部に有し、パイプ50の一端は真空封止膜40を介して採血針10に連結され、パイプ50の他端は連結針21となって、全血採取管30に連結されるようになっている。
【0019】
また、採血針10と連結針21は、被採血者と反対側(図中右側)の、それぞれの連結部101と102に、血液と外気の移動を防ぐ膜が装着されており、連結によって膜が破られ血液が通過する。この膜は、例えば、フッ素ゴムやシリコーンゴムの薄膜を塗布することで形成できる。
【0020】
血漿等採取管20には真空封止膜110が設けられ、この膜110を介して注射針で内部の血漿等溶液を吸い出せるようになっている。なお、採血針10と全血採取管30は、血漿等採取管20を介在させずに、直接連結して使用することも可能となっており、この場合は、全血のみを採血することができる。
【0021】
このような構成で、▲1▼まず、血漿等採取管20の連結針21を全血採取管30の真空封止膜31に差し込み、全血採取管30と血漿等採取管20とを連結する。▲2▼次に、被採血者に採血針10の先端を装着する。▲3▼次いで、採血針10の後端を血漿等採取管20の真空封止膜40に差し込み、採血針10とパイプ50とを連結する。
【0022】
被採血者の血液(全血)は、採血針10から、さらに血漿等採取管20の中にあって、血液から血漿等の赤血球以外の血液成分を抽出するパイプ50を通過し、全血採血管30に流入する。このとき、血球分離パイプ50では、血液から赤血球以外のものが抽出され、血漿等採血管20の中に貯蔵される。
【0023】
また、パイプ50の外側に白血球や血小板を濾過するフィルタも備えれば、血漿のみが血漿等採血管20の中に貯蔵される。この際、白血球や血小板は赤血球に比べてその体積量が非常に少ないので、フィルタが詰まることはない。
【0024】
血漿等採血管20に蓄えられた血漿等赤血球以外の血液成分または血漿は、全血採取管30との分離面に設けられた真空封止膜110を介し、注射針で吸い出して検査機器等に投入することができる。
【0025】
なお、真空封止膜110を採血針側に設置すると、全血採取管30を分離することなく、血漿等赤血球以外の血液成分または血漿を取り出すことができる。この場合、採血針10を真空封止膜110に間違って装着することがないように、血液と外気の移動を防ぐ膜101と真空封止膜40の色が、真空封止膜110とは異なるようにするのが好ましい。
【0026】
図3および図4は、血球分離パイプ50の一実施形態の断面を模式的に示したもので、図4は図3の一部拡大図である。これらの図に示すように、およそ人間の腸壁のような突起条列60が全血と接する面に、血液が流れる方向に沿って設置されている。なお、図3における断面形状は円形であるが、矩形でも同様の効果を得ることができる。
【0027】
図3に示すように、赤血球80はパイプ50の中心部を移動し、赤血球とパイプ壁との間には、パイプ壁に沿って、血漿層とよばれる赤血球80が存在しない血漿90の層が形成されている。
【0028】
次に、図4を用いて全血から血漿等赤血球以外の血液成分を分離する方法について説明する。突起条列60は、およそ三角形断面を形成し、その幅は赤血球の直径である8μmよりも大きく40μm以下であることが望ましい。また、突起条列60の高さは、その幅以上であることが望ましい。
【0029】
突起条列60同士の間で、その底には、血漿等赤血球以外の血液成分を選択的に透過する小孔70が設置されている。小孔70の直径は3μm以下であることが望ましいが、分離速度と分離精度を考慮して決められるべきである。
【0030】
血液(全血)がパイプ50の内部を通過するときには、赤血球80が突起条列60の斜面におよそ数μmまで接近したり、また、偶然にも斜面に接することもある。本例では、赤血球80が偶然にも斜面に接することがあっても、これが小孔70を透過することがないよう、小孔70を突起条列60同士の間で、その底に設置することにした。
【0031】
このように、突起条列60の間に入ってきた赤血球80が、突起条列60に沿って移動するときには、赤血球80と突起状列60の斜面の間に、上述のように、血漿層とよばれる赤血球80が存在しない層が形成される。本例の血漿等赤血球以外の血液成分を抽出するパイプ50は、この現象に着目して考案されたものである。
【0032】
このような構成により、血漿等赤血球以外の血液成分が小孔70を選択的に透過することになり、本発明が目的とする赤血球を精度良く分離することが可能となる。さらに、赤血球80は、偶然に突起条列60の斜面に接すること以外に、物理的な外力が及ぶことがないため、赤血球80の薄い膜が破れてその内容成分が出る溶血が発生しないという効果も得ることができる。
【0033】
さらに、本実施形態では、小孔70について、全血側に対して血漿等赤血球以外の血液成分側を負圧にすることにした。この負圧は、赤血球80の移動速度と小孔70の直径に依存するが、移動速度が15mm毎秒〜10mm毎秒で、小孔70の直径が3μm以下では、おおよそ、負圧で400mmHg以下に設定すると、血漿等赤血球以外の血液成分を効率よく分離することができ、一定量の採取であれば分離時間を短くすることができる。
【0034】
この負圧は、血漿等採取管20がプラスチック製であれば容易に実現でき、その状態の保持も容易なため、負圧を保持するための設備を別に必要としない。また、赤血球80の移動速度が1mm毎秒〜10mm毎秒であれば、被採血者からの全血が採血針10を通過するときの速度とほぼ同一であるため、別途この流速を出すための設備を必要としない。これらから、本実施形態では、電力を用いないで血漿等赤血球以外の血液成分を分離することができる。
【0035】
このパイプ50の壁面は、血漿等赤血球以外の血液成分を抽出する小孔70が、血漿層のみを形成する突起条列60の間に存在し、赤血球80が接近しないことが望ましい。本例では、突起条列60の先端部付近が、その間の谷間よりも壁面の影響が少ないので流速が速く、赤血球80がこの流れに引っ張られて突起条列の谷間に近づくことが防止される。
【0036】
図5は、この壁面の製作方法の一例を示したものである。これ以外にも、前記条件を充たす壁であって、円筒状への加工ができる柔軟な材料ならば、それを利用して血球分離構造を構成できる。
【0037】
図5において、図(a)から図(c)は、突起条列60の製作方法を段階的に示したもので、図(a)はポリカーボネートの薄膜61であって、その厚さが8μmから10μmのものである。この薄膜を図(b)に示すように、波板状に整形する。
【0038】
この整形には、雄型としてシリコンウェハ上にフォトリソグラフィ技術を用いて形成した、その断面形状が三角形である凸凹面を用いる。例えば、その山の頂点間隔は赤血球の直径である8μmよりも大きく40μm以下、また、山の高さはその頂点間隔以上であることが望ましい。
【0039】
次に、図(c)に示すように、凸凹面の山の稜線の一部分を削除し、血漿等赤血球以外の血液成分が透過する孔71を開ける。この孔71は、円形状でも、稜線に沿った長孔状でも本発明の目的を達成することができるが、その大きさは小孔70よりも大きくするのが良い。
【0040】
孔の開いたポリカーボネートの薄膜61の波板は、図(d)に示すように、その谷部分に接着剤72を満たし、血漿等赤血球以外の血液成分を抽出する小孔70の開いたポリカーボネートまたはポリエステルの薄膜73に接着する。
【0041】
小孔70は、薄膜に中性子を照射した後に薬品でエッチングするトラックエッチング法によって作成する。中性子の照射時間やエッチング時間によって、小孔の大きさやその数(単位面積辺りの孔密度)を制御することができる。
【0042】
この接着では、図(c)に示す孔71に接着剤が漏洩しないように、凸凹面の山の稜線に孔が存在しない谷部分に、選択的に接着剤を満たすようにする。この壁面を長さ50mmで直径3mmの円筒状にしたものは、図(b)に示した波板の周期が20μm幅の場合で、図(c)に示した孔71は、その直径または長孔の幅が3μmから5μmである。
【0043】
血漿等赤血球以外の血液成分を抽出する小孔70が開いた薄膜の孔密度が1個毎20μmのとき、血漿等赤血球以外の血液成分が透過する孔70の総数は45万個、孔の総面積は3.2平方mmとなり、血漿等採取管20の内部に密封できる小さな大きさでも、血漿等赤血球以外の血液成分を十分な液量採取することができる。
【0044】
図6は、血漿等採取管20の構造を、その断面で示したものでり、同図を用いて血漿等採取管20の構成と内部を真空状態にする方法を述べる。血漿等採取管20は、ポリカーボネート等の樹脂で形成した血漿等採取管本体201と、アルミニウムのキャップ120、真空封止膜40と110、連結針21、血球分離パイプ50で構成されている。
【0045】
アルミニウムのキャップ120には連結針21が取り付けられ、この針の一端と真空封止膜40の間を血球分離パイプ50で連結する。なお、連結針21は前述のように、血液と外気の移動を防ぐ、例えば、フッ素ゴムやシリコーンゴム膜102が装着されている。
【0046】
アルミニウムのキャップ120は、血漿等採取管本体201のリング状くぼみ121に合わせて取り付ける。この血漿等採取管20の内部を真空状態にするには、連結針21が外気を通過させる状態において血漿等採取管20全体を真空状態にする。そして、この状態を保持したまま、連結針21に血液と外気の移動を防ぐ膜102を塗布することで達成できる。
【0047】
図7は、血漿等赤血球以外の血液成分を抽出する分離構造の別の実施形態を示したものである。本実施形態では、前述の血球分離パイプ50と同等の機能を備えるとともに、特にコストの低減を目的としている。
【0048】
図7において、血漿等赤血球以外の血液成分を抽出する血球分離器200は、血漿等採取管20の中に備えられるもので、採血針10の真空封止膜101が被さった部分が導入口202に連結される。
【0049】
そして、血球を多く含む血液が排出口203から排出されて連結針21に送られる。このとき、血球分離器200の胴体側部214から血漿等赤血球以外の血液成分がしみ出して、血漿等採取管20に溜まる。
【0050】
血球分離器200の詳細構造を、図8〜図10を参照して説明する。図8は、血球分離器200を構成する薄膜204を抜き出して表示したもので、全血から血漿等赤血球以外の血液成分を抽出する機能を備えている。血球分離器200はこの薄膜204が2枚以上の複数枚重ね合わされて構成されている。
【0051】
図9は、薄膜204について、その表面の全血から血漿等赤血球以外の血液成分を抽出する流路300を表示したものであり、図10は、全血から血漿等赤血球以外の血液成分を抽出する流路300の詳細を表示したものである。
【0052】
これらの図に示すように、薄膜204の円形の辺303には全血の入口305があり、ここから入った全血は、薄膜204の表面に設けられた全血から血漿等赤血球以外の血液成分を抽出する分離流路300に入り、全血と血漿等赤血球以外の血液成分に分離され、血漿等赤血球以外の血液成分は円形の辺303にある出口306からしみ出して血漿等採取管20に溜まる。
【0053】
薄膜204は、図8に示すような、いわゆるカルデラ火山形もしくは傘形に整形する前は、図9に示すように平板形状である。図8の薄膜204のような形状にするためには、辺301と辺302を接着する。
【0054】
薄膜204に設ける分離流路300は、切削または型押しで製作する。型押しの雄型は、光リソグラフィで流路に相当する凸凹を成形する。薄膜204の材質としては、ポリ塩化ビニルやポリプロピレン、ポリエステル等、通常血液検査用機器に用いられるプラスチック材料を用いることができる。
【0055】
次に、図10を用いて、全血から血漿等赤血球以外の血液成分を抽出する分離流路300の詳細を説明する。入口305から入った全血は、再び全血の流れに戻る孔307に向かって流路321を流れていく。
【0056】
途中、この流れの方向に対して図示するように90度よりも小さな角度αで流路306が分岐する。分岐する流路306は流路321より流路幅(流路径)あるいは断面積が小さくなっており、この分岐部分で、主に血漿等赤血球以外の血液成分が流路306の方へ分岐していく。
【0057】
これは、岡小天著「バイオレオロジー」(裳華房発行、1984年)143ページ記載の血漿分離とよばれる現象の応用である。流路321から流路306へ分岐するときには、赤血球の30%が流路306へと流入するが、この比は、流路321と流路306の幅の比と、流路306の幅によって変化する。
【0058】
流路306の幅(径)がほぼ赤血球の大きさである10μm以下になると、流路306に流入する赤血球の比は、30%以下になることが実験的に確かめられている。図10では、この30%の赤血球が分岐する流路に流入するよう、例えば、流路321の幅は50μm、流路306の幅は16μm、流路308の幅は10μm、流路309の幅は7μm、流路310の幅は4μmとしている。
【0059】
このとき、流路321から流路306への分岐において流路306への赤血球の流入は30%、流路306から流路308への分岐において流路308への赤血球の流入は30%、流路308から流路309への分岐において流路309への赤血球の流入は30%、流路309から流路310への分岐において流路310への赤血球の流入は30%であり、入口305に入る全血の赤血球のうち、99.2%が除去され、極微量の赤血球が含まれた溶液が血漿等採取管20に溜まる。
【0060】
このような極微量の赤血球については、この後、分離器200の外側に設置する白血球や血小板を濾過するフィルタでこれらと同時に除去することが可能で、赤血球や白血球や血小板等血球成分はその体積量が非常に少ないので、フィルタが詰まることはなく、詰まることによる圧力変化が小さいので血球が破壊する溶血現象は発生しない。
【0061】
なお、流路321や306、308、309で、それぞれ流路308、309、310に分岐しなかった全血は、それぞれ再び全血の流れに戻る孔311、312、313を通過して、図7に示す排出口203に向かう。図10に示した例は、分岐を繰り返すことにより、分離精度を上げて行くものである。
【0062】
図7から図10で示した実施形態によれば、血漿等赤血球以外の血液成分を抽出する分離器をブラスチックの表面加工で製作することが可能で、製造コストを下げることができる特徴がある。また、分離器200を構成する薄膜204の枚数を多くすることで、時間あたりの抽出量を向上させることができ、薄膜204上の流路の分岐数を増やすことで、赤血球の除去率を向上させることができる効果もある。
【0063】
なお、前述の血球分離パイプ50または分離器200で説明した分離構造は、採血装置の他に、処理対象となる全血の全量が大幅に変化する装置への適用においても効果がある。
【0064】
例えば、血漿中の血液成分を交換する処理装置に適用すれば、装置の小型化を図ることができ、さらに、溶血による血液成分検出誤差を小さくするという効果がある。
【0065】
また、遺伝子を分析して感染症を診断する装置へ適用すれば、装置の小型化が図られ、さらに、赤血球に含まれるDNAceやRNAceによる検出対象となるDNAやRNAへの阻害を低減できる効果がある。
【0066】
以上述べたように、本発明の実施形態によれば、採血した全血が壁面付近に形成する血漿層から血漿等赤血球以外の血液成分を選択的に採取するので、赤血球を精度良く分離することができる。
【0067】
さらに、赤血球は血漿等赤血球以外の血液成分を選択的に採取する孔と接触することはないので、赤血球が破壊して溶血することはない。これは、赤血球が血漿等赤血球以外の血液成分を選択的に採取する孔を塞ぐことがないことを意味する。
【0068】
したがって、赤血球が血漿等赤血球以外の血液成分を選択的に採取する孔の数を増やすことによって、短時間に赤血球を分離することができる。また、血漿等赤血球以外の血液成分を選択的に採取する孔付近を通過する全血量を増大させると、分離液量をさらに多くすることができる。
【0069】
本発明の実施形態のように、採血針と採血管の間の全血が通過する部分にあって、その周辺の雰囲気を負圧にすることによって、血漿層から血漿等赤血球以外の血液成分を選択的に採取する方法によれば、小型化を図ることができ、この方式では電力を必要としない特徴がある。さらに、白血球や血小板を濾過するフィルタも備えれば、血漿のみを採ることができる。
【0070】
この他、赤血球は血漿等赤血球以外の血液成分を選択的に採取する孔を塞ぐことがないので、分離装置としてのパイプ50または分離器200は、同一の全血については、採血時だけではなく、採決後に繰り返し赤血球を血漿等赤血球以外の血液成分に分離することができる。
【0071】
さらに、パイプ50または分離器200を洗浄することで、被採血者が異なる全血についても、同様に分離することができ、装置のランニングコストを低く押さえることができる特徴もある。
【0072】
【発明の効果】
上述のとおり、本発明によれば、生体から採取した血液から赤血球を分離するにあたり、流路壁付近の血球を含まない血漿層から、血漿等の溶液を採取するようにしたので、小型で電力消費量が少なく、短時間に赤血球を精度よく分離し、その分離液量を多く採取でき、しかも溶血しにくい採血装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の採血装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の実施形態を説明するための斜視図である。
【図3】本発明における血球分離構造の一実施形態を示す断面図である。
【図4】図3の一部拡大図である。
【図5】本発明における血球分離構造の製造方法を説明する斜視図である。
【図6】本発明における赤血分離パイプを備えた容器の構造を示す断面図である。
【図7】本発明の別の実施形態における血球分離器を説明するための斜視図である。
【図8】図7の分離器の構造の一部を説明するための斜視図である。
【図9】図7の分離器の構造の一部を説明するための図である。
【図10】図7の分離器の構造の一部を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
10 採血針
20 血漿等採取管
21 連結針
30 全血採取管
31、40 真空封止膜
50 血球分離パイプ
60 突起上列
61 薄膜
70 小孔
71 孔
73 薄膜
80 赤血球
90 血漿
101、102、110 真空封止膜
200 血球分離器
201 血漿等採取管本体
202 導入口
203 排出口
204 薄膜
300、306、308、309、310、321 流路
307、311、312、313 孔

Claims (4)

  1. 生体から全血を採取する採血針と、前記全血を貯留する全血採取と、前記採血針と前記全血採取との間に保持され、血漿を貯留する血漿採取管と、前記血漿採取の内部に配置され、一端は前記採血針に他端は前記全血採取管に連結され、全血と接する面に血液が流れる方向に沿って複数の突起条列が密に配置され、前記突起条列同士の間で、その底に小孔が設置された血球分離パイプとを備えたことを特徴とする採血装置。
  2. 前記血漿採取は、前記全血の圧力に対して負圧である請求項に記載の採血装置。
  3. 前記血漿採取は、内部が真空状態である請求項に記載の採血装置。
  4. 前記血漿採取は、前記全血採取から脱着可能である請求項に記載の採血装置。
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