JP3773202B2 - 端子台 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、端子台に関し、より詳細には電気自動車のモータ電源が接続される部品等に用いて好適な端子台に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車のモータに大電流を供給するため、モータと電源装置との接続にバスバーを用いた端子台がある。例えば、図6は、モータハウジング内に配置された端子台によってインバータとモータとを電気的に接続したモータの要部拡大縦断面図である。図6に示すように、端子台1は、合成樹脂により射出成形さた本体部2の互いに直交する面に、夫々3個ずつ一列に配置されたナット3,4がインサート成形されて、合計6ヶ所(3対)の接続部が設けられている。以下、図に示す一対の接続部について説明するが、他の接続部も同様の構造となっている。夫々のナット3,4には、略L字形のバスバー5の両端部5a,5bが対向して配置され、更にカバー6で覆われて電気的に絶縁されている。端子台1は、ボルト7によりモータハウジング8の内部に固定されている。
【0003】
3相インバータ・モータのステータ9に3相に分かれて巻かれた夫々の電線10の端部には、接続端子11が固定されており、該接続端子11は、バスバー5の垂直面である一端5aと重ね合わされ、ボルト12とナット4とで締め付けられて電気的に接続されている。また、インバータ・ボックス13に接続された3相のインバータ・ケーブル14の先端には、接続端子15が固定されている。接続端子15の外周は、略円筒形に樹脂モールドされて絶縁部材16が形成されている。絶縁部材16の外周面には、Oリング等のパッキン18が装着されており、モータハウジング8に設けられた挿通穴8aに嵌着してシールするようになっている。
【0004】
接続端子15は、バスバー5の水平面である他端5bと重ね合わされ、ボルト19とナット3とで締め付けられて電気的に接続されている。即ち、インバータ・ケーブル14は、バスバー5を介してステータ9の電線10に電気的に接続されている。図示しない他の2本についても同様であり、バスバー5を介して電気的に接続されている。
【0005】
インバータ・ボックス13とモータのステータ9との接続作業手順は、モータハウジング8の内部に端子台1をボルト7で固定した後、ステータ9の接続端子11をボルト12とナット4とでバスバー5の一端5aに締め付けて固定し、カバー20を取り付ける。次いで、インバータ・ケーブル14の一端を接続端子15と共にモータハウジング8の挿通穴8aから挿入して、接続端子15をバスバー5の他端5bと重ね合わせ、ボルト19とナット3とで締め付けて固定し、カバー21を取り付けて接続作業を終了する。
【0006】
また、自動車に搭載される油圧制御ユニットのモータに大電流の電力を供給する大電流回路にバスバーを用い、他の機器と接続して装置の小型化を図ったものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、特許文献1に開示されたバスバーは、油圧制御ユニットの小型化を目的として用いられており、本発明とは全く異なるものである。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−122105号公報(第4−8頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示すように、ステータ9の電線10は、ある程度の可撓性を有しており、バスバー5との接続位置が多少変更されても、これに追従することができる。一方、インバータ・ケーブル14の端部は、絶縁部材16が樹脂モールドによって形成されているので、高い剛性を有している。また、シールのためにパッキン18がモータハウジング8に設けられた挿通穴8aに嵌着しているので、接続端子15の位置(特に高さ方向)は、固定されたものとなっている。
【0009】
また、端子台1のナット3(ナット4も同様)は、インサート成形、圧入、熱溶着、超音波溶着、或いは加締め、等によって本体部2に固定されている。従って、端子台1をモータハウジング8に固定したとき、端子台1の高さ寸法のばらつき、挿通穴8aの加工位置のばらつき、等によってバスバー5の他端5bと、接続端子15との相対位置、特に高さがばらつくことがある。
【0010】
端子台1のナット3(バスバー5の他端5bの上面)の高さが、挿通穴8aから挿入されるインバータ・ケーブル14の接続端子15より高いと、接続端子15がバスバー5の側面に干渉して組付けの作業性が悪くなったり、或いは組み付けが困難となる問題があった。また、極端な場合には、接続端子15やバスバー5が変形したり損傷を受ける虞があった。
【0011】
上述した問題を避けるため、バスバー5の他端5bの上面と接続端子15との間に隙間を設けるようにすると、ボルト19によって接続端子15を締め付けたとき、接続端子15及び絶縁部材16が斜めになってパッキン18と挿通穴8aの間に隙間が生じて防水性が損なわれる虞があった。また、発生する歪みにより、構成部材の破壊や締結部の緩み等の障害が発生する場合もあった。これらの問題を防止するためには、端子台1に固定されるナット3の高さや挿通穴8aの高さを精度よく加工する必要があり、多くの作製費用を要する問題があった。また、ナット3は、インサート成形、圧入、熱溶着、超音波溶着、或いは加締め、等によって本体部2に固定されるので、製作には専用装置や専用工具が必要である。また、組付けに多くの工数を要し、製作コストが高くなる問題があった。
【0012】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、端子台(バスバー)の高さと接続端子の高さに差があっても、該高さの差を吸収して接続端子、絶縁部材、あるいは端子台に歪みを生じさせることなく固定できるようにして、歪みによる防水性等の性能劣化や構成部材の破壊を防止すると共に、組付け作業性を向上させる端子台を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の端子台は、導電路に配設された接続端子と電気的に接続される接続部が少なくとも2ヶ所設けられたバスバーと、前記接続端子を前記バスバーの前記接続部に締め付けて電気的に接続させる第1締付け部材を保持する端子台本体と、前記第1締付け部材に締結される第2締付け部材とからなる端子台であって、
前記バスバーは、前記接続端子と接触する前記接続部の接触面が互いに交差する面に形成されており、前記端子台本体は、前記バスバーを所定の方向に移動可能に保持するとともに、前記バスバーの前記接続部に対応させて、その締付け方向を互いに異ならせて配置された第1締付け部材を、夫々前記締付け方向又は前記締付け方向と交差する方向に移動可能に収容する締付け部材収容室を備えるとともに、前記端子台本体は、前記バスバーの一面を開放させた状態で収容する収容溝が形成された本体部と、前記本体部に装着されて前記バスバーの前記開放面を覆うと共に前記バスバーを移動可能に保持するカバーとから構成されていることを特徴としている。
【0014】
前記構成の端子台によれば、少なくとも2ヶ所設けられた接続部の接触面が互いに交差するように配置されたバスバーを、所定の方向に移動可能となるように端子台本体に保持させるとともに、該接続部に対応させて、その締付け方向を互いに異ならせて配置させた第1締付け部材を、締付け方向又は締付け方向と交差する方向に移動可能に端子台本体の締付け部材収容室に収容したので、バスバーの高さと接続端子の高さが異なっていても、バスバー及び第1締付け部材が締付け方向に移動する。これによって、高さの差を吸収し、バスバーと接続端子とを確実に接触させた状態で締め付けることができる。尚、このとき、他方の第1締付け部材は、該第1締付け部材の締付け方向と交差する方向に移動可能に締付け部材収容室に収容されているので、バスバーの移動の障害とはならない。
【0015】
従って、バスバーの高さが、接続端子の高さより低くなるように設定しておくことにより、組付け時に接続端子の側面がバスバーに干渉することが回避され、組付けの作業性を大幅に向上させることができる。また、締付けによってバスバーや接続端子等に歪みが生じたり、無理な力が作用することがないので、防水性能等の性能を劣化させずに接続端子をバスバーに電気的に接続させて端子台に固定することができる。また、端子台や接続端子等に無理な力が作用しないので、接続端子やバスバーの変形や損傷を防止することができる。
【0016】
また、第1締付け部材は、単に締付け部材収容室に挿入されているだけなので、手作業で挿入して端子台を組付けることも可能である。従って、第1締付け部材がインサート成形、圧入、熱溶着、超音波溶着、或いは加締め、等によって本体部に固定される場合と比較すると、特別の加工装置、機器、等は不要であり、製造コストの削減を図ることができる。
また、端子台本体を、本体部とカバーとから構成したので、簡単な形状の部品によりバスバーを移動可能に保持することができ、構成部品を安価に製作することができる。
【0017】
また、本発明に係る請求項2に記載の端子台は、請求項1に記載の端子台において、前記締付け部材による締付け方向と交差する方向に移動可能に収容された前記第1締付け部材に対向して配置された前記バスバーの接続部には、前記第1締付け部材を保持して前記バスバーの移動に伴って前記第1締付け部材を前記締付け方向と交差する方向に移動させる保持手段が設けられたことを特徴としている。
【0018】
前記構成の端子台によれば、締付け方向と交差する方向に移動可能な第1締付け部材に対向して配置されたバスバーの接続部に、第1締付け部材を保持する保持手段を設け、保持手段により保持された第1締付け部材を、バスバーの移動と共に締付け方向と交差する方向に移動させるようにしたので、バスバーが移動しても接続部と第1締付け部材の相対位置は変化しない。従って、バスバーの位置に係わらず第1締付け部材に第2締付け部材を締結させて接続部に接続端子を締め付けることができる。即ち、2ヶ所以上配設された接続部への接続手順は限定されず、どちらからも組付けが可能となり、接続作業効率を大幅に向上させることができ、メンテナンスも容易となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る端子台の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施形態である端子台の斜視図、図2は端子台の分解斜視図、図3はバスバーが下方位置にある端子台の縦断面図、図4はバスバーが上方位置にある端子台の縦断面図、図5はバスバーの接続部に設けられた保持手段の一例である突起部により第1締付け部材が保持されて締付け方向と交差する方向に移動する状態を示す要部拡大縦断面図である。
【0023】
図1及び図2に示すように、端子台50は、バスバー51と、本体部52及びカバー53とから構成された端子台本体56と、第1締付け部材の一例である四角ナット54と、第2締付け部材の一例であるボルト55とを備えている。バスバー51は、例えば厚さ2mm、幅10mmの導電性金属板を略L字形に折り曲げ加工して製作されており、その両端は、更に直角に折り曲げられて互いに直交する面とされ、水平方向に接触面51eを有する接続部51aと,垂直方向に接触面51fを有する接続部51bが形成されている。
【0024】
夫々の接続部51a,51bには、ボルト55を挿通させるためのボルト穴51c,51dが設けられている。図2において垂直面として形成された接続部51bの裏面には、保持手段の一例である突起部51gが上下に2個、導電性金属板を半抜き加工して形成されている。該突起部51gは、図5に示すように、2個の突起部51g間に四角ナット54Bを狭持するようになっている。
【0025】
本体部52は、電気的絶縁性能を有する合成樹脂を射出成形して略L字形に製作されており、表面側にL字形の3本の収容溝52aが互いに平行に形成されている。収容溝52aの幅はバスバー51の幅よりわずかに広く、例えば10.5mmであり、深さはバスバー51の厚さよりわずかに深く、例えは2.5mmとなっている。そして、夫々の収容溝52aには、溝形状に沿わせてバスバー51を収容するようになっている。
【0026】
夫々の収容溝52aの上端に対応する裏面側には、上方に開放面が設けられた矩形箱状の締付け部材収容室52bが形成されている。締付け部材収容室52bは、収容溝52aにバスバー51を収容したとき、接続部51aに対向するように配置されている。締付け部材収容室52bの穴寸法は、四角ナット54Aの大きさよりわずかに大きく、深さは四角ナット54Aの厚さより、例えば2mm程度深くなっており、雌ねじ54aを上方に向けて四角ナット54Aを収容できるように構成されている。即ち、四角ナット54Aは、締付け部材収容室52b内で回転はできないが、上下方向(四角ナット54Aの締付け方向)には移動可能に収容される。
【0027】
また、夫々の収容溝52aの下端には、水平方向前方に開放面が設けられた矩形箱状の締付け部材収容室52cが形成されている。締付け部材収容室52cは、収容溝52aにバスバー51を収容したとき、接続部51bに対向するように配置されている。締付け部材収容室52cの穴寸法は、幅及び深さは四角ナット54Bの幅及び厚さと略同一であるが、高さは四角ナット54Bの高さより、例えば2mm程度大きく形成されており、雌ねじ54aを前方に向けて四角ナット54Bを収容できるように構成されている。
【0028】
即ち、四角ナット54Bは、締付け部材収容室52b内で回転及び前後方向の移動はできないが、上下方向(四角ナット54Bの締付け方向と交差する方向)には移動可能に収容される。また、夫々の締付け部材収容室52c間には、隔壁52gが前方に突出して設けられ、各締付け部材収容室52c間を電気的に絶縁しながら隔離するように構成されている。
【0029】
本体部52の3本の収容溝52aの間には、収容溝52aと平行に2本のT字溝52dが垂直方向に設けられている。また、本体部52の両側面には、後方から前方に向かって突出する側壁52eが形成されており、該側壁52eには、下方に開放された係止溝52fが夫々形成されている。更に、本体部52の裏面には、後方に突出する取付けアーム52hが形成されており、該取付けアーム52hには、カラー(図示せず)が挿入された2つの取付けボルト穴(図示せず)及び位置決め穴52iが設けられている。そして、後述するモータハウジング8に形成されたボスに位置決め穴52iを嵌合させて位置決めし、2本のボルトを取付けボルト穴に挿通させてモータハウジング8に固定するようになっている。
【0030】
図1及び図2に示すように、カバー53は、本体部52の表面側に装着されて、収容溝52aに収容されたバスバー51の開放面を覆って電気的に絶縁するためのものであって、本体部52の形状に沿った縦壁53a及び水平壁53bからなる断面略L字形に、電気的絶縁性能を有する合成樹脂を射出成形して形成されている。縦壁53aの裏面には、2本のT字形リブ53cが本体部52のT字溝52dに対向する位置に形成されており、本体部52のT字溝52dに嵌合するようになっている。
【0031】
縦壁53aの両側から後方に曲げられて形成された側壁には、下方から上方に延びる可撓性を有する片持ちアーム53dが設けられている。片持ちアーム53dには、下方から上方に向かうに従って次第に外方に向かうテーパ面と、該テーパ面に連続して形成された水平面と、からなる係止突起53eが設けられている。
カバー53の水平壁53bの両側は、下方に垂下された絶縁壁53fが形成されており、水平壁53b、本体部52の隔壁52gと共に、締付け部材収容室52cに収容された四角ナット54B、ボルト55等を覆うように構成されている。
【0032】
四角ナット54(54A,54B)及びボルト55は、公知のナット及びボルトを用いることができ、ナットは四角ナット54に限定されるものではなく、例えば6角ナット等であってもよい。この場合には、締付け部材収容室52b,52cの形状は、6角ナット等の形状に合わせて、適宜変形される。
【0033】
本実施形態の作用を説明する。図1〜図3に示すように、本発明の実施形態である端子台50は、6ヶ所の締付け部材収容室52b,52cに夫々、四角ナット54(54A,54B)を挿入した後、バスバー51を収容溝52aの溝形状に沿わせて載せる。次いで、カバー53のT字形リブ53cを本体52のT字溝52dに嵌合させ、下方にスライドさせて本体52に被せる。係止突起53eのテーパ面が側壁52eの上端に接触すると、片持ちアーム53dは該テーパ面に従って内側に弾性変形する。やがて係止突起53eの水平面が係止溝52fに達すると、片持ちアーム53dは弾性力によって復帰し、係止突起53eの水平面と係止溝52fの下面とが係合してカバー53の装着が完了し、端子台50が完成する。
【0034】
図4に示すように、端子台50のバスバー51は、どこにも拘束されておらず、上下方向に2mm程度自由に移動可能である。また、図5に示すように、締付け部材収容室52cに収容され、締付け方向が水平方向に向けられた四角ナット54Bは、その上下面が2個の突起部51g間に狭持されているので、バスバー51の上下移動に伴って、四角ナット54Bの締付け方向と交差する方向(上下方向)に移動する。従って、バスバー51のボルト穴51dと四角ナット54Bの雌ねじ54aの中心とは、常に一致している。
【0035】
次に、上述した端子台50を用いて、インバータとモータとを接続する例について、従来例を示す図6を利用して説明する。尚、図6に示される従来例の端子台1及びその関連部品は、本実施形態の端子台50及びその関連部品に置き換えられたものとして説明する。端子台50は、モータハウジング8に形成されたボス(図示せず)に位置決め穴52iを嵌合させて位置決めし、2本のボルト7を取付けボルト穴に挿通させてモータハウジング8に固定する。
【0036】
3相インバータ・モータのステータ9の接続端子11をバスバー51の接続部51bの接触面51fに重ね合わせてボルト55を四角ナット54Bに螺合させて締め付け、接触面51fと接続端子11を電気的に接続させて固定し、カバー20を取り付ける。
【0037】
次いで、導電路の一例であるインバータ・ケーブル14の一端を、接続端子15と共にモータハウジング8の挿通穴8aから挿入して、接続端子15をバスバー51の接続部51aに臨ませる。このとき、バスバー51の接続部51aの上面の高さは、接続端子15の下面の高さより低くなるように、即ち、接続部51aと接続端子15との間には、例えば1mm程度の隙間ができるように設定されているので、接続端子15が接続部51aと干渉することはなく、容易に組付けが可能である。
【0038】
ボルト55を、接続端子15、接続部51aのボルト穴51cを介して四角ナット54Aに螺合させて回転させると、該回転に伴って四角ナット54Aがバスバー51と共に引き上げられ(図4参照)、接続部51aの接触面51eと接続端子15とが確実に接触し、締め付けらて電気的に接続する。このとき、バスバー51は、端子台本体56によって移動可能に保持されており、下方に配置された接続部51bにはステータ9の接続端子11が接続されているだけなので、バスバー51の移動を阻害するものはなく、容易に引き上げられる。そして、カバー21を取り付けて接続作業を終了する。
【0039】
上述したように、接続端子15とバスバー51との接続は、バスバー51及び四角ナット54Aが四角ナット54Aの締付け方向に移動して行われるので、接続端子15や絶縁部材16に無理な力は作用せず、従って、パッキン18によるシール性能が劣化したり、接続端子15や端子台50が変形や損傷を受けることもない。
【0040】
尚、上述した接続作業手順は、逆であってもよい。即ち、先ず接続端子15と接続部51aとをボルト55で固定する。ボルト55の回転に伴ってバスバー51が四角ナット54Aと共に接続端子15に接触する位置まで引き上げられるので、接続部51bも上昇する。このとき、四角ナット54Bは、2個の突起部51g間に狭持されているので、バスバー51の移動に伴って四角ナット54Bの締付け方向と交差する方向(上下方向)に締付け部材収容室52c内で移動する。従って、バスバー51のボルト穴51dと四角ナット54Bの雌ねじ54aの中心とは、常に一致しており、接続端子11を接続部51bに容易に取り付けることができる。
【0041】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0042】
また、本発明においては、保持手段はバスバーに形成された2個の突起部とし、これによって四角ナットを狭持するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば加締め加工、溶接、圧着等により四角ナットをバスバーに固定してもよく、バスバーにバーリング加工を施してバスバーに直接雌ねじを加工するようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に記載の端子台によれば、少なくとも2ヶ所設けられた接続部の接触面が互いに交差するように配置されたバスバーを、所定の方向に移動可能となるように端子台本体に保持させるとともに、該接続部に対応させて、その締付け方向を互いに異ならせて配置させた第1締付け部材を、締付け方向又は締付け方向と交差する方向に移動可能に端子台本体の締付け部材収容室に収容した。これによって、バスバーの高さと接続端子の高さが異なっていても、バスバー及び第1締付け部材が締付け方向に移動することによって、該高さの差を吸収し、バスバーと接続端子とを確実に接触させた状態で締め付けることができる。尚、このとき、他方の第1締付け部材は、該第1締付け部材の締付け方向と交差する方向に移動可能に締付け部材収容室に収容されているので、バスバーの移動の障害とはならない。
【0044】
従って、バスバーの高さが、接続端子の高さより低くなるように設定したおくことにより、組付け時に接続端子の側面がバスバーに干渉することが回避され、組付けの作業性を大幅に向上させることができる。また、締付けによってバスバーや接続端子等に歪みが生じたり、無理な力が作用することがないので、防水性能等の性能を劣化させずに接続端子をバスバーに電気的に接続させて端子台に固定することができる。また、端子台や接続端子等に無理な力が作用しないので、接続端子やバスバーの変形や損傷を防止することができる。
【0045】
また、第1締付け部材は、単に締付け部材収容室に挿入されているだけなので、手作業で挿入して端子台を組付けることも可能である。従って、第1締付け部材がインサート成形、圧入、熱溶着、超音波溶着、或いは加締め、等によって本体部に固定される場合と比較すると、特別の加工装置、機器、等は不要であり、製造コストの削減を図ることができる。
また、端子台本体を、本体部とカバーとから構成したので、簡単な形状の部品によりバスバーを移動可能に保持することができ、構成部品を安価に製作することができる。
【0046】
また、本発明の請求項2に記載の端子台によれば、締付け方向と交差する方向に移動可能な第1締付け部材に対向して配置されたバスバーの接続部に、第1締付け部材を保持する保持手段を設け、保持手段により保持された第1締付け部材を、バスバーの移動と共に締付け方向と交差する方向に移動させるようにしたので、バスバーが移動しても接続部と第1締付け部材の相対位置は変化しない。従って、バスバーの位置に係わらず第1締付け部材に第2締付け部材を締結させて接続部に接続端子を締め付けることができる。即ち、2ヶ所以上配設された接続部への接続手順は限定されず、どちらからも組付けが可能となり、接続作業効率を大幅に向上させることができ、メンテナンスも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る端子台の斜視図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】バスバーが下方位置にある端子台の縦断面図である。
【図4】バスバーが上方位置にある端子台の縦断面図である。
【図5】バスバーの接続部に設けられた保持手段の一例である突起部により第1締付け部材が保持されて締付け方向と交差する方向に移動する状態を示す要部拡大縦断面図である。
【図6】従来の端子台によってインバータとモータとを電気的に接続したモータの要部拡大縦断面図である。
【符号の説明】
50 端子台
51 バスバー
51a、51b 接続部
51e,51f 接続部の接触面
51g 突起部(保持手段)
52 本体部
52a 収容溝
52b、52c 締付け部材収容室
53 カバー
54(54A,54B) 四角ナット(第1締付け部材)
55 ボルト(第2締付け部材)
56 端子台本体
Claims (2)
- 導電路に配設された接続端子と電気的に接続される接続部が少なくとも2ヶ所設けられたバスバーと、前記接続端子を前記バスバーの前記接続部に締め付けて電気的に接続させる第1締付け部材を保持する端子台本体と、前記第1締付け部材に締結される第2締付け部材とからなる端子台であって、
前記バスバーは、前記接続端子と接触する前記接続部の接触面が互いに交差する面に形成されており、
前記端子台本体は、前記バスバーを所定の方向に移動可能に保持するとともに、前記バスバーの前記接続部に対応させて、その締付け方向を互いに異ならせて配置された第1締付け部材を、夫々前記締付け方向又は前記締付け方向と交差する方向に移動可能に収容する締付け部材収容室を備えるとともに、
前記端子台本体は、前記バスバーの一面を開放させた状態で収容する収容溝が形成された本体部と、前記本体部に装着されて前記バスバーの前記開放面を覆うと共に前記バスバーを移動可能に保持するカバーとから構成されていることを特徴とする端子台。 - 前記締付け部材による締付け方向と交差する方向に移動可能に収容された前記第1締付け部材に対向して配置された前記バスバーの接続部には、前記第1締付け部材を保持して前記バスバーの移動に伴って前記第1締付け部材を前記締付け方向と交差する方向に移動させる保持手段が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の端子台。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003118948A JP3773202B2 (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 端子台 |
Applications Claiming Priority (1)
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