JP3771686B2 - ウエハ支持部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置や液晶表示装置の製造工程において、半導体ウエハや液晶用ガラス基板等のウエハを保持するウエハ支持部材に関するものであり、特に繰り返し熱応力が加わっても安定して通電することが可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の製造工程において、半導体ウエハ(以下、ウエハと称す。)に成膜を施すPVD装置やCVD装置などの成膜装置や、ウエハに微細加工を施すドライエッチング装置においては、ウエハを保持するためにサセプターや静電チャックなどのウエハ支持部材が用いられている。
【0003】
例えば、図4に示すウエハ支持部材10は、サセプターと呼ばれるもので、円盤状をしたセラミック基体11からなり、その上面をウエハ30の保持面11aとするとともに、内部にヒータ電極12を埋設してなり、このヒータ電極12と電気的に接続される金属製の外部端子21を前記セラミック基体11の下面に開口する下穴11bにロウ付けしたものがあった。なお、上記外部端子21は、ロウ付け時の残留応力を緩和するために、外径が2〜15mm程度の中実の円柱状をしたものが使用されていた。
【0004】
また、セラミック基体11の下面には、前記外部端子21を包囲するように筒体13がロウ付けにより接合してあり、Oリング17を介してチャンバー18に設置することで筒体13の内側をチャンバー18内と気密にシールするようになっていた。
【0005】
なお、セラミック基体11の下面には、外部端子21以外にセラミック基体11の温度を測定する熱電対22やウエハ30の温度を測定する測温用光ファイバー23も設置されており、これらのリード線は筒体13の内側を通ってチャンバー18外へ取り出されるようになっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】
ところで、成膜装置やドライエッチング装置では、上記ウエハ支持部材10のヒータ電極12に通電し、100〜300℃、さらには600℃程度の高温にウエハ30を加熱して加工することが多く、ウエハ支持部材10には常温から上記加工温度の範囲での熱サイクルが加わることになる。
【0007】
ところが、このような温度範囲での熱サイクルが加わると、外部端子21とセラミック基体11の熱膨張差に伴う熱応力が接合部に集中し、セラミック基体11にクラックが発生して破損するとい問題点があった。
【0008】
そこで、本件出願人は、図5に示すような外部端子21の接合側の端面に中空部21aを設けることで、外部端子21の膨張に伴う熱応力を緩和してセラミック基体11の破損を防ぐことを先に提案した。
【0009】
しかしながら、外部端子21に中空部21aを設けたとしても、熱応力が、外部端子21とセラミック基体11の下穴11bとの接合部に集中して発生することから、図6(a)に示すような外部端子21の外周壁21bがクリープ変形して接合部に隙間が生じて通電不良となったり、あるいは図6(b)に示すようなロウ材が外部端子21の中空部21aの一部埋める結果、セラミック基体11にクラックが発生して破壊するといった問題点があった。
【0010】
また、このような問題点を少しでも緩和するために、外部端子21としてセラミック基体11との熱膨張差が近似した金属を用いるなどの対策が提案されているが、低熱膨張金属のタングステンやモリブデンからなる外部端子21では、上記加工温度に曝されると酸化されるといった問題点もあった。
【0011】
さらに、このような問題点は、ヒータ電極12と電気的に接続される外部端子21だけでなく、熱サイクルが加わるような時には、ウエハ支持部材に内蔵される静電吸着用やプラズマ発生用の電極と電気的に接続される外部端子にもあった。
【0012】
【問題点を解決するための手段】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、一主面をウエハの保持面とするセラミック基体の内部にヒータ用、静電吸着用、プラズマ発生用の少なくとも一種の電極を備えてなり、該電極を導出する外部端子を上記セラミック基体に設けた下穴にロウ付けしてなるウエハ支持部材において、上記セラミック基体と外部端子との熱膨張差を6.0×10-6/℃以下とするとともに、上記外部端子の接合側の端面に中空部を設け、該中空部に前記セラミック基体と同程度の熱膨張係数を有する応力緩和材を挿嵌せしめたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記外部端子を耐酸化性に優れるFe−Ni−Co合金又はFe−Ni合金にて形成したものである。
【0014】
【作用】
本発明のウエハ支持部材によれば、外部端子の接合側の端面に中空部を設けるとともに、この中空部に前記セラミック基体と同程度の熱膨張係数を有する応力緩和材を挿嵌せしめたことにより、ウエハ支持部材が加熱されたり、あるいは発熱してセラミック基体と外部端子との接合部に熱応力が加わったとしても、この熱応力を上記外部端子に設けた中空部により緩和することができるため、セラミック基体の割れを防ぐことができるとともに、外部端子の外周壁が内側に変形して導通不良を起こすのを、前記セラミック基体と外部端子の中空部に挿嵌した応力緩和材とで挟持し、外部端子が変形することによる導通不良を防ぐことができるため、常に安定した導通を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1はサセプタと呼ばれる本発明のウエハ支持部材を成膜装置のチャンバー内に設置した状態を示す概略断面図である。なお、従来と同一部分については同一符号で示す。
【0017】
1はウエハ支持部材で、円板状をしたセラミック基体11からなり、その上面をウエハ30の保持面11aとするとともに、その内部にはヒータ電極12を埋設してあり、該ヒータ電極12と電気的に接続される略円柱状をした外部端子2を、上記セラミック基体11の下面に設けた下穴11bにロウ付け固定してある。
【0018】
このようなウエハ支持部材1を構成するセラミック基体11の材質としては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素のいずれか一種を主成分とするセラミックスを用いることができ、これらの中でも特に、99重量%以上のアルミナ(Al2 O3 )を主成分としシリカ(SiO2 )、マグネシア(MgO)、カルシア(CaO)等の焼結助剤を含有するアルミナセラミックスや、窒化アルミニウム(AlN)を主成分とし周期律表第2a族、第3a族元素の酸化物を0.5〜20重量%の範囲で含有する窒化アルミニウム質セラミックス、あるいは99.8重量%以上の窒化アルミニウム(AlN)を主成分とする高純度の窒化アルミニウム質セラミックスは、成膜装置やエッチング装置等において雰囲気ガスとして使用されるフッ素系や塩素系の腐食性ガスに対して優れた耐蝕性と耐プラズマ性を有することから好適である。
【0019】
また、セラミック基体11の下面には、前記外部端子2を包囲するように筒体13を接合してあり、Oリング17を介してチャンバー18に設置することで筒体13の内部を気密にシールし、外部端子2がチャンバー18内に導入された腐食性ガスに曝されるのを防止するようにしてある。
【0020】
なお、セラミック基体11の下面には外部端子2以外に、セラミック基体11の温度を測定する熱電対22やウエハ30の温度を測定する測温用光ファイバー23も設置してあり、これらのリード線は筒体13の内側を通って外側へ導出するようにしてある。
【0021】
また、図2及び図3に示すように、本発明のウエハ支持部材1によれば、上記円柱状をした外部端子2の接合側の端面に、断面形状が円形をした中空部2aを形成するとともに、この中空部2aには前記セラミック基体11と同程度の熱膨張係数を有する応力緩和材3を挿嵌し、ロウ付け固定してある。
【0022】
即ち、ウエハ支持部材1に熱サイクルが加わると、セラミック基体11と外部端子2との接合部には熱応力が加わるのであるが、本発明は外部端子2の接合側の端面に中空部2aを形成してあることから、外部端子2が外側へ膨張しようとするのを抑え、セラミック基体11にクラックが生じることを防ぐことができる。ただし、外部端子2に中空部2aを形成しただけでは、ヤング率の低い外部端子2の外周壁2bが中空部2a側に変形する結果、セラミック基体11との間に隙間ができるために導通不良を生じる恐れがあるが、本発明では外部端子2の中空部2aに応力緩和材3を挿嵌して外周壁2bが変形しようとするのをセラミック基体11と応力緩和材3とで拘束するようにしてあることから、導通不良の発生を防ぎ、常に安定した導通を図ることができる。しかも、外部端子2の中空部2aに応力緩和材3を挿嵌することで、中空部2aに接合材であるロウ材が充填されることによるセラミック基体11の割れも防ぐことができる。
【0023】
ところで、このような応力緩和材3の材質としては、セラミック基体11との熱膨張差が2×10-6/℃以下のものが良い。これは、応力緩和材3の熱膨張係数が、セラミック基体11との熱膨張差である2×10-6/℃より大きいと、外部端子2が外側へ膨張しようとするのを抑える効果が小さく、セラミック基体11を破損させる恐れがあるからであり、逆に、応力緩和材3の熱膨張係数が、セラミック基体11との熱膨張差である2×10-6/℃より小さいと、外部端子2の外周壁2bが内側へ変形しようとするのを拘束する効果が小さいために、導通不良を生じる恐れがあるからである。
【0024】
なお、具体的には熱膨張差が2×10-6/℃以下となるように、セラミック基体11と同様にアルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素のいずれか一種を主成分とするセラミックスを用いれば良く、好ましくはセラミック基体11と同じ主成分を有するセラミックス、さらに好ましくはセラミック基体11と同組成のセラミックスにより形成すれば良い。
【0025】
また、外部端子2の外周壁2bの厚みtと応力緩和材3の直径Lとの比率が1:2未満では、接合部に発生する熱応力を緩和する効果が乏しいため、比率は1:2以上と厚みtをできるだけ薄くすることが好ましい。
【0026】
さらに、外部端子2の材質としては耐酸化性が高く、上記セラミック基体11との熱膨張差が6×10-6/℃以下の金属を用いることが必要である。これは、熱膨張差が6×10-6/℃を越えると、外部端子2に中空部2aを設け、該中空部2aに応力緩和材3を挿嵌したとしても、セラミック基体11と外部端子2との熱膨張差が大きすぎるためにロウ付け直後にセラミック基体11の下穴11bにクラックが発生するからである。
【0027】
具体的には、Fe−Ni−Co合金、Fe−Ni合金等を用いることができる。これらの合金は、Fe−Ni−Co合金の熱膨張係数が8×10-6Ω・cm、Fe−Ni合金の熱膨張係数が11×10-6Ω・cmと、表1にセラミック基体11を構成するセラミックスの熱膨張係数を示すように、両者の熱膨張差を6×10-6/℃以下とすることができるとともに、耐酸化性に優れるため、外部端子2の材質として好適である。
【0028】
また、セラミック気体11と外部端子2とを接合するロウ材14、及び外部端子2と応力緩和材3を接合するロウ材15の材質としては、高温中で溶融、液化を生じないものを用いる必要があり、具体的にはAg−Cu系、Ti−Cu−Ag系等のロウを用いれば良い。
【0029】
【表1】
【0030】
以上のように、本実施形態では、ヒータ電極12を埋設したウエハ支持部材1を例にとって説明したが、本発明はヒータ電極12と電気的に接続される外部端子2だけに適用されるものではなく、例えば、静電吸着用やプラズマ発生用の電極を備えたウエハ支持部材であって、熱サイクルが加わる時には上記静電吸着用電極やプラズマ発生用電極と電気的に接続される外部端子にも好適なものである。
【0031】
(実施例1)
外部端子2の材質を変えるとともに、外部端子2の中空部2aに応力緩和材3を設けたものと設けていないウエハ支持部材1をそれぞれ用意し、熱サイクル試験を行ったあとの外部端子2の接合状態について測定した。
【0032】
本実験ではウエハ支持部材1を構成するセラミック基体11として、AlN含有量が99.9重量%以上の窒化アルミニウム質セラミックスを用いた。
【0033】
この窒化アルミニウム質セラミックスからなるウエハ支持部材1は、一次原料であるAlN粉末をメタノールに混合して平均粒径1μm程度に粉砕した後、10%の有機バインダーを添加することにより泥漿を得た。そして、この泥漿をドクターブレード法により複数枚のグリーンシートを形成し、そのうち数枚積層したグリーンシート上にWCのペーストを印刷して配線パターンを敷設したあと、残りのグリーンシートを積層してグリーンシート積層体を製作した。しかるのち、円板状に切削加工を施したあと、窒素雰囲気にて2000℃、5時間程度の条件で焼成することで直径200mm程度のセラミック基体11を得た。
【0034】
なお、得られたセラミック基体11は比重が3.26g/cm3 と理論密度に対して十分な焼結密度を有しており、その熱膨張係数は5×10-6/℃であった。
【0035】
次に、上記セラミック基体11の上面に研磨加工を施して保持面11aを形成するとともに、下面に下穴11bを穿孔し、該下穴11bに外部端子2をCu−Ag−Ti系のロウ材を用いてロウ付け固定した。
【0036】
外部端子2の寸法は、外径6mm、長さ15mm、中空部2aの内径3mm、深さ8mmとし、材質として以下に示す4種類の金属を用いた。
【0037】
Fe−Ni−Co合金 熱膨張率 8 ×10-6/℃
Fe−Ni合金 熱膨張率11 ×10-6/℃
ステンレス(SUS304)熱膨張率13.5×10-6/℃
タングステン(W) 熱膨張率 5.2×10-6/℃
また、応力緩和材3には、上記セラミック基体11と同じ窒化アルミニウム質セラミックスからなり、長さ8mm、外径3mmのものを使用した。
【0038】
そして、これらのウエハ支持部材1を用いて、PVD装置中で、常温から550℃の熱サイクルを50回加えた後の接合部における通電不良の有無とセラミック基体11の破損の有無を測定した。
【0039】
それぞれの結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
この結果、表2より判るように、応力緩和材3のないものは、外部端子2の外周壁2bが中空部2a側に変形して接合部に隙間が発生して通電不良を生じた。また、応力緩和材3の有るものでも、外部端子2とセラミック基体11との熱膨張差が6×10-6/℃より大きいものでは、外部端子2の接合時にセラミック基体11にクラックが発生した。
【0042】
さらに、外部端子2としてタングステンを用いたものでは、耐酸化性が悪く実用上使用不可能であった。
【0043】
これに対し、外部端子2とセラミック基体11との熱膨張差が6×10-6/℃以下であり、かつ応力緩和材3を備えたものは、いずれもセラミック基体11にクラックを生じたり、導通不良を生じることがなく、安定した通電が可能であった。
【0044】
(実施例2)
次に、外部端子2の材質をFe-Ni-Co合金とし、外部端子2の中空部2aに直径Lの異なる応力緩和材3を挿嵌した図1のウエハ支持部材1を用意し、PVD装置中で、常温から550℃の熱サイクルを加えた時の耐久性について測定を行った。なお、セラミック基体11及び応力緩和材3には実施例1と同じ窒化アルミニウム質セラミックスを用いた。
【0045】
結果は表3に示すように、外部端子2の外周壁2bの厚みtが応力緩和材3の直径Lに対して薄くなるにつれて、耐久性を高められることが判る。そして、外部端子2の外周壁2bの厚みtと応力緩和材3の直径Lとの比率が1:1以上あれば50サイクル以上の耐久性があり、1:2以上あれば200サイクル以上の熱サイクルにも耐え得るものとできることが判った。
【0046】
【表3】
【0047】
(実施例3)
次に、セラミック基板11と応力緩和材3をアルミナセラミックスで形成し、その他は実施例1と同様にしてウエハ支持部材1を試作した。
【0048】
本実験ではウエハ支持部材1を構成するセラミック基体11として、Al2 O3 含有量が99.9重量%のアルミナセラミックスを用いた。
【0049】
このアルミナセラミックスからなるウエハ支持部材1は、一次原料であるAl2 O3 粉末を水に混合して平均粒径0.5μm程度に粉砕した後、10%の有機バインダーを添加することにより泥漿を得た。そして、この泥漿をドクターブレード法により複数枚のグリーンシートを形成し、そのうち数枚積層したグリーンシート上にWCのペーストを印刷して配線パターンを敷設したあと、残りのグリーンシートを積層してグリーンシート積層体を製作した。しかるのち、円板状に切削加工を施したあと、大気雰囲気にて1680℃、5時間程度の条件で焼成することで直径200mm程度のセラミック基体11を得た。
【0050】
なお、得られたセラミック基体11は比重が3.9g/cm3 と理論密度に対して十分な焼結密度を有しており、その熱膨張係数は7.1×10-6/℃であった。
【0051】
次に、上記セラミック基体11の上面に研磨加工を施して保持面11aを形成するとともに、下面に下穴11bを穿孔し、該下穴11bに外部端子2をCu−Ag−Ti系のロウ材を用いてロウ付け固定した。
【0052】
外部端子2の寸法は、外径6mm、長さ15mm、中空部2aの内径3mm、深さ8mmとし、材質として以下に示す4種類の金属を用いた。
【0053】
Fe−Ni−Co合金 熱膨張率 8 ×10-6/℃
Fe−Ni合金 熱膨張率11 ×10-6/℃
ステンレス(SUS304)熱膨張率13.5×10-6/℃
モリブデン(Mo) 熱膨張率 5.8×10-6/℃
また、応力緩和材3には、上記セラミック基体11と同じアルミナセラミックスからなり、長さ8mm、外径3mmのものを使用した。
【0054】
そして、これらのウエハ支持部材1を用いて、PVD装置中で、常温から550℃の熱サイクルを50回加えた後の接合部における通電不良の有無とセラミック基体11の破損の有無を測定した。
【0055】
それぞれの結果を表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】
この結果、実施例1と同様に、応力緩和材3を持たないものは、外部端子2の外周壁2bが中空部2a側に変形して接合部に隙間が発生して通電不良が発生し、応力緩和材3を備えたものでも、外部端子2とセラミック基体11との熱膨張差が6×10-6/℃より大きいものでは、外部端子2の接合時にセラミック基体11にクラックが発生した。
【0058】
さらに、外部端子2としてモリブデンを用いたものでは、耐酸化性が悪く実用上使用不可能であった。
【0059】
これに対し、外部端子2とセラミック基体11との熱膨張差が6×10-6/℃以下であり、かつ応力緩和材3を備えたものは、いずれもセラミック基体11にクラックを生じたり、導通不良を生じることがなかった。
【0060】
(実施例4)
さらに、外部端子2の材質をFe-Ni-Co合金とし、外部端子2の中空部2aに直径Lの異なる応力緩和材3を挿嵌した図1のウエハ支持部材1を用意し、PVD装置中で、常温から550℃の熱サイクルを加えた時の耐久性について測定を行った。なお、セラミック基体11及び応力緩和材3には実施例3と同じアルミナセラミックスを用いた。
【0061】
結果は表5に示すように、外部端子2の外周壁2bの厚みtが応力緩和材3の直径Lに対して薄くなるにつれて、耐久性を高められることが判る。そして、外部端子2の外周壁2bの厚みtと応力緩和材3の直径Lとの比率が1:1以上あれば50サイクル以上の耐久性があり、1:2以上あれば200サイクル以上の熱サイクルにも耐え得るものとできることが判った。
【0062】
【表5】
【0063】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、一主面をウエハの保持面とするセラミック基体の内部に電極を備えてなり、該電極を導出する金属製の外部端子を上記セラミック基体に設けた下穴にロウ付けしてなるウエハ支持部材において、上記セラミック基体と外部端子との熱膨張差を6.0×10-6/℃以下とするとともに、上記外部端子の接合側の端面に中空部を設け、該中空部に前記セラミック基体と同程度の熱膨張係数を有する応力緩和材を挿嵌せしめたことにより、熱サイクルが加わってもセラミック基体を破損させたり、通電不良を生じることがない。
【0064】
また、本発明によれば、外部端子を耐酸化性に優れたFe−Ni−Co合金又はFe−Ni合金により形成してあることから、高温に曝されたとしても腐食することがない。
【0065】
その為、長期間わたって安定した通電が可能なウエハ支持部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サセプタと呼ばれる本発明のウエハ支持部材を成膜装置のチャンバー内に設置した状態を示す概略断面図である。
【図2】本発明のウエハ支持部材における外部端子の接合部を拡大した断面図である。
【図3】本発明のウエハ支持部材における外部端子と応力緩和材を示す斜視図である。
【図4】サセプタと呼ばれる従来のウエハ支持部材を成膜装置のチャンバー内に設置した状態を示す概略断面図である。
【図5】従来のウエハ支持部材における外部端子の接合部を拡大した断面図である。
【図6】(a)(b)は従来のウエハ支持部材における外部端子の接合部における不良の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・ウエハ支持部材、2・・・外部端子、2a・・・中空部、
2b・・・外周壁、3・・・応力緩和材、11・・・セラミック基体、
11a・・・保持面、11b・・・下穴、12・・・ヒータ電極、
13・・・筒体、17・・・Oリング、18・・・チャンバー、
22・・・熱電対、23・・・測温用光ファイバー23、30・・・ウエハ
Claims (2)
- 一主面をウエハの保持面とするセラミック基体の内部に電極を備えてなり、該電極を導出する金属製の外部端子を上記セラミック基体に設けた下穴にロウ付けしてなるウエハ支持部材において、上記セラミック基体と外部端子との熱膨張差を6.0×10-6/℃以下とするとともに、上記外部端子の接合側の端面に中空部を設け、該中空部に前記セラミック基体と同程度の熱膨張係数を有する応力緩和材を挿嵌せしめたことを特徴とするウエハ支持部材。
- 上記外部端子の材質が、Fe−Ni−Co合金又はFe−Ni合金であることを特徴とする請求項1に記載のウエハ支持部材。
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