JP3771636B2 - 光伝送体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光集束性光ファイバ、光集束性棒状レンズ、光センサー等種々の光伝送路として利用できるプラスチック光伝送体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
内部に連続的な屈折率分布を有する光伝送体は既に特公昭47ー816号においてガラス製のものが提案されている。また、合成樹脂体のものは特公昭47ー28059号において提案されている。その後様々な手法によりガラス製及び合成樹脂製の光伝送体が提案されている。この屈折率分布型光伝送体は一般的には、その両端面を中心軸に垂直な平行平面に鏡面研磨し、単体で微小レンズとして使用されている。またその多数を密接配列して接着一体化してレンズアレイの形態として複写機、ファクシミリ、スキャナ等のラインセンサ部品として、またLEDプリンタの書き込みデバイス等に広く用いられている。また、特定の用途においては片端面または両端面を若干の曲率の球面にして使用される。そして画像伝送に用いられる屈折率分布型レンズ及びレンズアレイにおいては高い解像力を持つ光学特性に優れたレンズが求められており、高い解像力及び良好な画像コントラストを得る上でいわゆるフレア光が問題となる。
【0003】
屈折率分布型レンズでは、一方の端面から入射した光線はレンズ体内をサインカーブを描いて進行し他端面から出射して結像するのであるが、一般にレンズ体内の屈折率分布は必ずしも理想的な分布に一致しているわけではない。特に外周部付近で理想分布から外れており、この外周部付近での屈折率分布の歪みとレンズ側周面を通してレンズ内に入る外光に起因してレンズ周辺にフレア光と呼ばれる結像に寄与しないぼやけた光が発生する。このフレア光がレンズの解像力及び画像のコントラストに悪影響を及ぼすのである。
【0004】
上記のようなフレア光の発生防止のため、従来はレンズアレイに使用する屈折率分布型レンズ素子の外周面を化学的エッチング等により微細な凹凸の粗面とし、これによりレンズ内で最外層に向かう光線を粗面での乱反射で外部へ逃がすとともに外周面に入射する外光を乱反射させてレンズ内への透光を抑制するようにしている。また、レンズ素子同志を結合する接着剤として黒色樹脂を使用している。これらのような対策を行ってもレンズ素子間を結合する接着剤中の黒色顔料が均一分散されず、隣接するレンズ素子間に局部的に透明な部分ができたり、あるいはレンズアレイ組立時において上記接着剤の粘性が大きいため、樹脂がレンズ外周面の凹凸に十分になじまず、局部的に未含浸部を生じ、これに起因して光の漏れが発生して充分な光学性能が得られないと言う問題点があった。また、粗面としたレンズ外周面は微視的に見て鋭利な凹凸となっているために応力集中を生じやすく更に平均的な凹凸とは別に比較的深いクラックを伴っているために相対的に強度が弱く、レンズアレイの組立時にしばしば破損を生じるという問題があった。
【0005】
合成樹脂製レンズの処理方法としては特開平6−222218号公報等においてフレア光を生じる原因となる外周部の屈折率分布の不整な部分を溶剤や刃物を用いて削除した光伝送体及び削除する方法が提案されている。このように削除する方法は非常に効果的な手法であるが、削除した後のごみの処理、溶剤の回収、切削刃が非常に寿命が短い等の問題があった。
【0006】
また、特開平7−120604号公報,特開平7−146436号公報においてフレア光を生じる原因となる外周部の屈折率分布の不整な部分を溶剤や刃物を用いて削除した後に、溶剤に光吸収剤を溶解した溶液中に光伝送体を浸漬し、その外側から光吸収剤を拡散させて光伝送体中に光吸収剤を導入する技術が提案されている。これらの方法を取ることによって光伝送体の光学特性は著しく高いものになるものの先に説明しているように、削除した後のごみの処理、溶剤の回収、切削刃が非常に寿命が短い等の問題があった。
【0007】
特開平1−105202号公報においては、光伝送体の外周部であって光伝送体を構成する組成物中に光吸収剤が存在する光伝送体、光伝送体アレイ、及びその製造方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの発明は溶剤に溶かした光吸収剤を光伝送体の外周部から吸収させる方法で製造されるので、光吸収剤の濃度分布が避けられず、光伝送体の横断面の半径方向における光吸収剤の濃度分布は外周部程高く中心側程低いものである。
【0009】
ところで中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少してなる円柱状の光伝送体(以下適宜「レンズ」という)中を走行する光は、レンズの横断面内の外周面の位置で最も少なく、より中心部側の位置であるほど多くなっている。また屈折率分布の不整部分がレンズの外周部の所定範囲に存在する場合、この不整部分の全体に亘って光吸収剤を混在させる必要がある。しかしながら、この先行技術の方法による光吸収剤濃度分布では、光の走行量が多い中心部側程光吸収剤の濃度が低いので、この不整に起因するフレア光を効率的に除去することが難しい。そして不整部分の最も内側(中心部側)の位置に十分な濃度の光吸収剤を含浸させようとすると、それより中心部側の不整部分でない所にも光吸収剤が含浸されてしまい、その結果光伝送量が減少するという問題が生じる。
【0010】
またこれらの光伝送体を単レンズとして用いる場合はレンズを他の部材と固着するために接着剤が用いられ、光伝送体アレイとする場合にはレンズ同士及びレンズと基板を固着させるために接着剤が用いられる。しかしながらこのように光伝送体の外周面にまで光吸収剤が存在しており且つ外周部側にいくにつれて光吸収剤の量が多く存在している場合には、接着剤によって光吸収剤が接着剤層に拡散する、接着剤と光吸収剤が反応して相互作用を起こす、光吸収剤の光線吸収ピークがシフトする、接着剤の硬化が阻害される等の弊害が起こり易い点が問題である。
【0011】
更に、特開平1−105202号公報の方法では溶剤を用いるために光伝送体内部に溶剤が残留して、この溶剤によってレンズ性能が経時変化する点が問題である。また、溶剤処理によって光伝送体の外形寸法が変化し寸法斑が生じやすい点も問題である。
【0012】
特開平6−51141号公報には、光ファイバの保護層(最外層)に着色剤を添加したマルチフィラメント型光ファイバが開示されている。しかしながらこの発明は外部から光ファイバ内に入る光を遮断するための技術であって、着色剤が混入される部分は光伝送体の外側であって光ファイバの損傷を防ぐための保護層部分である。
【0013】
また、この光ファイバの製法においては最外層の光遮断性保護層として熱可塑性樹脂が使用されているが、未硬化状の樹脂組成物を多層紡糸して製造するプラスチック製屈折率分布型光伝送体の製造技術には、最外層に熱可塑性樹脂を配置する手法を適用することは実質的に不可能である。
【0014】
特開平4−251805号公報には、染料濃度が異なる複数の紡糸原液を多層紡糸した屈折率分布型光伝送体が開示されている。しかしながらこの発明は、光伝送体の出射光の光量分布の均一化を目的とするものであって、染料は光伝送体内部の全体に亘って存在している。即ちこの先行技術は、光伝送体の屈折率分布の不整部分にのみ染料等を存在させ、光伝送体の光伝送部には染料等を実質的に存在させない構造の本願発明とは技術思想が全く異なっている。
【0015】
また、このような光重合法による製法では光重合用の光を外周部から中心部まで透過させる必要があることから混在させる光吸収剤の濃度は著しく低くせざるをえない。
即ちこれらの従来技術では、光伝送部の光伝送性が良好で且つフレア光が少ない光伝送体は得られておらず、またこのような性能を発現する光伝送体のを効率的な製法は得られていない。
【0016】
本発明の目的は、光伝送部の光伝送性が良好で且つフレア光が少ない光伝送体、解像度の高いレンズ、レンズアレイを提供することにある。
【0017】
また本発明の目的は、前記性能を発現する光伝送体またはレンズ外周部にフレア光抑制用の均一濃度の光吸収剤等を効率的且つ容易に混在させる方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少してなる円柱状の光伝送体であって、外周表面の位置から中心方向に向かう1μm以上100μm以内の所定範囲の部分のみに光吸収剤または光散乱剤の濃度が均一な層が形成されてなる光伝送体にある。
【0019】
また本発明の要旨は外周表面の位置から中心方向に向かう5μm以内の部分には光吸収剤及び光散乱剤を含有しない、前記光伝送体にある。
【0020】
また本発明の要旨は前記光伝送体において、中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少してなる円柱状の光伝送体であって、外周表面の位置から中心方向に向かう100μm以内の所定範囲の部分に光吸収剤または光散乱剤の濃度が均一な層が2層以上形成されてなる光伝送体にある。
【0021】
更に本発明の要旨は、硬化させた後に得られる硬化物の屈折率がn、n、・・、n(Nは3以上の整数)であるN個の未硬化状物を同心円状に積層して、中心部から外周部に向かって屈折率が順次減少したファイバ状の未硬化物積層体を形成し、この積層体の各層間の屈折率分布が連続的に変化するように隣接層間の成分の相互拡散処理を行いながら、または相互拡散処理を行った後、積層体を硬化処理して、屈折率分布型ファイバを製造する方法において、中心部からN/2番目以上の未硬化状物層の少なくとも一つの層に光吸収剤または光散乱剤を混入させた状態で前記の積層体を形成することにある。
【0022】
また本発明の要旨は前記光伝送体の製法において、硬化後における光伝送体の外周表面の位置から中心方向に向かう1μm以上100μm以内の所定範囲に対応する未硬化状物層の少なくとも一つの層に光吸収剤または光散乱剤を混入させた状態で積層体を形成することにある。
【0023】
また本発明の要旨は前記のいずれかの光伝送体の製法において、少なくともN−1番目の未硬化状物層中に光吸収剤または光散乱剤を混入させることにある。
【0024】
また本発明の要旨は前記のいずれかの光伝送体の製法において、隣接する2つ以上の未硬化状物層中に光吸収剤または光散乱剤を混入させることにある。
【0025】
また本発明の要旨は前記のいずれかの光伝送体の製法において、光重合法により硬化処理を行うことにあり、更に、400〜750nmの特定波長域の吸光度が、300〜370nmにおける吸光度の、2倍以上である光吸収剤を用いて、300〜370nmの発光波長を有する紫外線を用いた光重合法により硬化処理を行うことにある。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光伝送体及びその製造方法について詳細に説明する。
図1及び図2はそれぞれ本発明の光伝送体の一例である屈折率分布型レンズの縦断面図、横断面図である。また、図3及び図4は最外周部に光吸収剤または光散乱剤が存在しない場合の光伝送体の縦断面図、横断面図である。それぞれレンズ素材1は、中心軸4上の屈折率をN0、屈折率分布定数をAとすれば、中心軸から半径方向に距離r離れた点での屈折率N(r)がほぼ次式の関係で表される屈折率分布を持つ透明な円柱体である。
N(r)=N0(1−Ar2) ・・・・(1)
本発明の光伝送体は外周部の屈折率が不整な部分に光吸収剤または光散乱剤がほぼ均一に混在していることを特徴としている。外周部に光吸収剤または光散乱剤が分散されているためにその近傍付近で発生するフレア光は界面反射することなしに光吸収剤によって完全に吸収され、または光散乱剤によって散乱される。つまり、光伝送体を構成する組成物中にある厚み方向に光吸収剤または光散乱剤が均一に存在するために、フレア光はより効果的に光吸収剤によりレンズ内部で吸収され、または光散乱剤によりレンズ内部で散乱されるのである。
【0027】
本発明の円柱状の光伝送体において、光吸収剤または光散乱剤はその外周表面の位置から100μm以内の所定範囲の部分に混在されている。この光吸収剤または光散乱剤が存在する層(以下適宜「遮光層」という)の厚さは、屈折率分布の不整部分の幅や光吸収剤もしくは光散乱剤の濃度等によって適宜決定されるが、通常は5〜70μm程度である。
【0028】
この遮光層の厚さは屈折率分布の不整な部分全体であってもよくまたはその一部であってもよい。但し後者の場合は、最も内側の不整部分を含む部分を遮光層として、フレア光を十分に吸収または散乱可能な濃度に光吸収剤等を混在させることが必要である。更にクロストーク防止効果の観点も考慮して光伝送体外部からの光の入射を防止することを目的として、遮光層中の光吸収剤等の濃度や遮光層の厚みを決めることが好ましい。
【0029】
即ち、遮光層は、1)外周表面から中心部に向かう100μm以下の所定の位置から外周表面迄の間に形成させることができ、また2)外周表面から中心部に向かう100μm以下の所定の2つ位置の間に形成させることができる。具体的には外周表面の位置から中心方向に向かう1μm以上100μm以内の位置の所定範囲の部分に遮光層を存在させることができる。
【0030】
尚、遮光層を2以上の層に分割して各層中の濃度を変更したものとすることもできる。例えば光伝送体外部からの光の入射を防止することを目的とする場合は、遮光層を2層以上とし、外側の遮光層中の濃度を高くすることができる。
【0031】
具体的には例えば、N番目の層(最外層)のみ、N−1番目の層のみ、N番目の層とN−1番目の層の2層、N−1番目とN−2番目の層の2層、N番目、N−1番目とN−2番目の層の3層を遮光層とすることができる。尚、製造時において隣接する2層に同一濃度の光吸収剤等を配合した場合は、得られる光伝送体において遮光層は1層と見なされる。
【0032】
本発明において光吸収剤としては、光伝送体が用いられる光学系の発光波長にあった種々の染料、顔料、色素が使用できる。可視光領域のすべての光を吸収することを目的とする場合には、多種の染料、顔料、色素を混合した黒色のものが選択できる。また、カーボンブラック、グラファイトカーボン、等の光吸収剤も当然用いることができる。その他光を吸収する物質であれば特に限定されることはない。本発明においては、光吸収剤が光伝送体を構成する組成物中に分散されて存在するのが好ましい。有機高分子体中に染料分子、顔料分子が物理的あるいは化学的親和力の場で分散あるいは結合している状態である。
【0033】
未硬化状物中に含有される光吸収剤の濃度は0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範囲である。濃度が低すぎるとフレア光防止の効果がない。
【0034】
本発明において光散乱剤としては、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン樹脂等の樹脂系微粒子、酸化チタン、シリカ、アルミナ等の無機系微粒子、炭酸カルシウム、セルロース、粘土、小麦粉、水溶性でんぷん等の微粉末が挙げられる。またその他、光伝送体の原料となる単量体に不溶な微粉末を使用することができる。本発明においては、光散乱剤添加の効果を上げるためには光散乱剤が均一に分散していることが望ましい。これらの点から微粉末(光散乱剤)の粒径は小さくしかも粒径が揃っていることが好ましい。
【0035】
未硬化状物中に含有される光散乱剤の濃度は0.2〜10重量%、好ましくは0.25〜5重量%の範囲である。濃度が低すぎるとフレア光防止の効果がない。
【0036】
本発明の光伝送体は例えば次のようにして製造できる。
硬化させた後に得られる硬化物の屈折率がn1、n2、・・・、nN(Nは3以上の整数)であるN個の未硬化状物のうち中心部からN/2番目以上の未硬化状物層の少なくとも一方に光吸収剤または光散乱剤を混入させておき、それらの未硬化状物を中心から外周面に向かって順次屈折率が低くなるような配置で、かつ、同心円状に複層積層した未硬化状物の積層体(以下適宜「糸状体」と称する)に賦形し、糸状体の各層間の屈折率分布が連続的分布となるように隣接層間の物質の相互拡散処理を行いながら、または相互拡散処理を行った後、糸状体を硬化処理することにより製造される。
【0037】
また、硬化後における光伝送体の外周表面の位置から中心方向に向かう100μm以内の所定範囲に対応する未硬化状物層の少なくとも一つの層に光吸収剤または光散乱剤を混入させた状態で糸状体に賦形することもできる。
【0038】
得られる光伝送体の屈折率分布を理想的な分布に近づけるために、Nは少なくとも4以上であることが好ましい。また製造の容易さを考慮するとNは6以下程度であることが好ましい。しかしながら高性能の光伝送体を得るためにはNを10以上にすることも可能である。各層の厚みは異なっていてもよく同程度であってもよい。
【0039】
本発明に用いられる未硬化状物質は、粘度が103〜108ポイズで硬化性のものであることが好ましい。粘度が小さすぎると賦形に際し糸切れが生じるようになり糸状物の形成が困難である。また粘度が大きすぎると賦形時に操作性が不良となり各層の同心円性が損なわれたり、太さ斑の大きな糸状体となりやすいので好ましくない。
【0040】
この未硬化状物を構成する物質としてはラジカル重合性ビニル単量体または該単量体と該単量体に可溶な重合体とからなる組成物等を用いることができる。
【0041】
ラジカル重合性ビニル単量体の具体例としてはメチルメタクリレート(n=1.49)、スチレン(n=1.59)、クロルスチレン(n=1.61)、酢酸ビニル(n=1.47)、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、等のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート(n=1.37〜1.44)、屈折率1.43〜1.62の(メタ)アクリレート類たとえばエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ又はトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、などの他のジエチレングリコールビスアリルカーボネート、フッ素化アルキレングリコールポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0042】
これら未硬化状物から糸状体を形成する際の未硬化状物の粘度調整を容易にするため、及び糸状体の中心から外周へ向かい連続的な屈折率分布を持たせるため、前記の未硬化状物はビニル系単量体と可溶性ポリマーとで構成されていることが好ましい。
【0043】
ここに用いうるポリマーとしては、前記のラジカル重合性ビニル単量体から生成するポリマーと相溶性が良いことが必要であり、例えばポリメチルメタクリレート(n=1.49)、ポリメチルメタクリレート系コポリマー(n=1.47〜1.50)、ポリ4ーメチルペンテンー1(n=1.46)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(n=1.46〜1.50)、ポリカーボネート(n=1.50〜1.57)、ポリフッ化ビニリデン(n=1.42)、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体(n=1.42〜1.46)、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン共重合体(n=1.40〜1.46)、ポリフッ化アルキル(メタ)アクリレートポリマー等が挙げられる。
【0044】
粘度を調整するため、各層に同一の屈折率を有するポリマーを用いた場合には中心から外周に向かって連続的な屈折率分布を有するプラスチック光伝送体が得られるので好ましい。特に、ポリメチルメタクリレートは透明性に優れ及びそれ自体の屈折率も高いので本発明の屈折率分布型光伝送体を作成するに際して用いるポリマーとしては好適なものである。
【0045】
前記未硬化状物より形成した糸状体を硬化するには未硬化物中に熱硬化触媒あるいは光硬化触媒を添加しておくことが好ましい。熱硬化触媒としては普通パーオキサイド系又はアゾ系の触媒が用いられる。光硬化触媒としてはベンゾフェノン、ベンゾインアルキルエーテル、4'ーイソプロピルー2ーヒドロキシー2ーメチルプロピオフェノン、1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルメチルケタール、2,2-ジエトキシアセトフェノン、クロロチオキサントン、チオキサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N−メチルジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
【0046】
次いで未硬化状物を硬化させるには、硬化部において好ましくは紫外線を周囲から作用させ、熱硬化触媒及び/又は光硬化触媒を含有する糸状体を熱処理ないし光硬化処理する。
【0047】
本発明の製法において、光吸収剤と単量体の分子量の大小関係は特に限定されないが、未硬化状物として前記単量体と重合体との混合物を使用し、光吸収剤として前記染料等を使用する場合は、光吸収剤の方が、単量体よりも分子量がはるかに大きいので未硬化状物中における拡散速度がはるかに遅い。従って光吸収剤を実質的に拡散させることなく、未硬化状物層相互間において単量体を拡散させることができる。
【0048】
尚、重合硬化に長時間を要する熱重合の場合は、光吸収剤が拡散して、遮光層内の濃度が不均一となり、また、屈折率分布が正常な部分にまで染料等が移動して光伝送体の透光機能が損なわれるおそれがある。このため短時間で重合可能な光重合によって硬化させることが望ましい。
【0049】
ところで光重合法により重合硬化させるためには、未硬化状物層中を光重合用の光を透過させることが必要である。しかしながら、光吸収剤の種類は多くあり、光吸収の波長依存性は様々である。即ち、光伝送体の伝送光を吸収するとともに重合用の光をそれと同等以上に吸収する光吸収剤も存在する。従って光重合法により重合硬化処理する場合は、光伝送体の伝送光を吸収するが、重合用の光を吸収せず透過させる特性を有する光吸収剤を用いることが望ましい。
【0050】
光伝送体の伝送光として実際に用いられる光は通常波長が400〜750nmの可視光から近赤外光の範囲のものである。一方、光重合に用いる光の発光波長は通常300〜370nmの紫外線である。よって400〜750nmの特定波長域の吸光度が、300〜370nmにおける吸光度の、2倍以上である光吸収剤を用いることが好ましい。
【0051】
このような光吸収剤の代表的な例として以下のものがあげられる。LEDプリンタ用のLED光の発光波長である740nmをカバーするものとして、700nm以上に吸収のある日本化薬製Kayasorb CYー10が挙げられる。また、ファクシミリ等のイメージスキャナのLEDの発光波長である570nmをカバーするものとして、550〜670nmに吸収のある日本化薬製Kayaset Blue ACRや同業他社の同等品が挙げられる。その他の波長領域に対して有効な光吸収剤としては、400〜500nmに吸収のあるものとして、日本化薬製Kayasorb Yellow 2G、Orange G、Yellow A−G、Yellow E−Gとそのそれぞれの同業他社の同等品、三井東圧染料のMS Yellow HDー180とその同業他社の同等品があげられる。500〜600nmに吸収のあるものとして、日本化薬製Kayasorb Red G、Red 130、Red Bとその同業他社の同等品及び三井東圧染料MS Magenta HMー1450とその同業他社同等品があげられる。これらの染料は単独で用いることも可能であり、また、複数を組み合わせて用いることになる。
【0052】
図8及び図9は本発明において用いられる代表的な染料であるCYー10とBlue ACRの吸収スペクトルを示す図であって、横軸は波長(nm)、縦軸は紫外可視スペクトル測定装置でセンサーにより実測した電流値(アンペア)であり、この電流値は、吸光度に比例するものである。それぞれ紫外線域(300〜370nm)の吸収が少なく、そこでの吸光度は光伝送体の実使用波長域740nmあるいは570nmのそれぞれの波長での吸光度の1/2以下であることがわかる。このような光吸収剤を使用すると、未硬化状物層中を紫外線が透過し、光重合が効率的に進行する。
【0053】
本発明の光伝送体は例えば図5の糸状体成形装置を用いて製造することができる。図5は糸状体成形装置を図式的に示す工程図であり、相互拡散部12及び硬化処理部13の部分だけを縦断面図で示してある。図中の記号10は同心円状複合ノズル、11は押し出された未硬化の糸状体、12は糸状体の各層の単量体を相互に拡散させて屈折率分布を与えるための相互拡散部、13は未硬化状物を硬化させるための硬化処理部、14は引き取りローラー、15は製造された光伝送体、16は巻き取り部、17は不活性ガス導入口、18は不活性ガス排出口である。糸状体11から遊離する揮発性物質を相互拡散部12及び硬化処理部13から除去するため、不活性ガス導入口17から不活性ガス例えば窒素ガスが導入される。
【0054】
光重合に用いる光源としては150〜600nmの波長の光を発生する炭素アーク灯、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、レーザー光等が挙げられる。
【0055】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明する。尚、実施例及び比較例において屈折率分布及びレンズ性能(MTF)の測定は下記の方法により行った。
【0056】
(1)屈折率分布の測定
カールツアイス社製インターファコ干渉顕微鏡を用いて公知の方法により測定した。
【0057】
(2)レンズ性能(MTF)の測定
光伝送体の解像度を示すMTFは、空間周波数4(ラインペア/mm,Lp/mm)を有する格子、光軸に垂直な両端面を研磨した単レンズあるいは図6の23に示すような光伝送体を複数本並べたアレイ、及び光源を図6に示すように配列し、結像面に設置したCCDラインセンサーにより格子画像を読みとり、その測定光量の最大値(iMAX)と最小値(iMIN)を図7に示すごとく測定し、次式により求めた。
【0058】
MTF(%)=(iMAX−iMIN)/(iMAX+iMIN)×100・・・(2)ここで空間周波数とは、図6の格子に示すごとく、白ラインと黒ラインとの組み合わせを1ラインとし、このラインの組み合わせが1mmの幅の中に何組設けてあるかを示すものである。
【0059】
比較例1
ポリメチルメタクリレート(〔η〕=0.40,MEK中,25℃にて測定)50重量部、ベンジルメタクリレート36重量部、メチルメタクリレート14重量部、1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部及びハイドロキノン0.1重量部を70℃に加熱混練して第1層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート(〔η〕=0.40,MEK中,25℃にて測定)51重量部、メチルメタクリレート49重量部、1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部、ハイドロキノン0.1重量部を70℃に加熱混練して第2層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート(〔η〕=0.40,MEK中,25℃にて測定)48重量部、メチルメタクリレート37重量部、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルメタクリレート15重量部、1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部、ハイドロキノン0.1重量部を70℃に加熱混練して第3層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート(〔η〕=0.40,MEK中,25℃にて測定)45重量部、メチルメタクリレート25重量部、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルメタクリレート30重量部、1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部、ハイドロキノン0.1重量部を70℃に加熱混練して第4層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート(〔η〕=0.40,MEK中,25℃にて測定)42重量部、メチルメタクリレート15重量部、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルメタクリレート43重量部、1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部、ハイドロキノン0.1重量部を70℃に加熱混練して第5層形成用原液とした。この5種類の原液を同心円状5層複合ノズルを用い中心から順次未硬化物の屈折率が低くなるように配列し同時に押し出した。
【0060】
複合紡糸ノズルの温度は55℃であった。押し出し時の粘度は第1層の成分が4.5×104ポイズ、第2層が3.8×104ポイズ、第3層が3.5×104ポイズ、第4層が2.9×104ポイズ、第5層が3.2×104ポイズであった。第1層から第5層の吐出比は半径の比で35/38/20/6/1であった。
ついで長さ55cmの各層相互拡散処理部を通しその後長さ120cm、40Wのケミカルランプ12本を円状に等間隔に配設された光照射部の中心にストランドファイバを通過させて、70cm/minの速度でニップローラーで引き取った。
【0061】
得られた光伝送体は半径(r0)が0.47mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であった。この光伝送体の両端面を研磨してレンズ長6.6mmとし、4Lp/mmの格子を用いてこの単レンズの特性を測定したところ、570nmの波長の光に対する共役長は14.4mmであり共役長におけるMTFは65%であった。また740nmの波長に対する共役長は15.4mmであり共役長におけるMTFは61%であった。
【0062】
更にこの光伝送体複数本を用い、側板にはフェノール樹脂(厚さ1.2mm)2枚を用い、接着剤にはカーボンブラックを2wt%添加したエピフォーム(ソマール社製)を用い、側板の間に光伝送体を1列に配列し接着剤を充填し、接着剤を硬化し、その後両端面を切断して研磨し、レンズ長6.6mmのレンズアレイを製作した。4Lp/mmの格子を用いてこのレンズアレイの特性を測定したところ、570nmの波長の光に対する共役長は14.4mmであり共役長におけるMTFは63%であった。
【0063】
この光伝送体アレイを用いて570nmの発光波長を有するLEDを光源とし、CCDを受光素子としたイメージスキャナを組み立てた。このイメージスキャナはフレア光による影響で解像度が若干低く画像をクリアに伝送することが困難であった。
【0064】
比較例2
比較例1で作成した光伝送体を温度35℃のクロロホルム中に1分間浸漬して膨潤させた。次いでこの光伝送体を半径0.25mmの穴をあけたシリコーンゴムの穴の中を強制的に通過させた。光伝送体の外周部から半径方向の35μmの深さの部分が削除された。
【0065】
得られた光伝送体は半径(r0)が0.435mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.470であった。
この光伝送体を用いて比較例1と同様にして単レンズ、レンズアレイを製作し、単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。
【0066】
この光伝送体アレイを70℃に設定した熱風乾燥機中に24時間放置したところレンズ特性の変化が起きた。レンズ特性を測定したところMTFが約10%低下し、共役長が約1mm長くなっていた。これは、レンズ中に残存するクロロホルムの拡散によるものと推定された。
【0067】
比較例3
比較例1で作成した光伝送体をオリエント化学(株)製の染料バリファストブラック0.5wt%を溶解したクロロホルム溶液中に温度25℃で1分間浸漬した後70℃の乾燥炉にて3分間処理した。光伝送体の外周部から35μmの範囲で外周部ほど濃く染色されているのを確認した。
【0068】
この光伝送体を用いて比較例1と同様にして単レンズ、レンズアレイを製作し、単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。
レンズアレイのMTFは単レンズの性能から想定されるものよりかなり性能の低いものであった。レンズアレイ中の染料の濃度を確認すると光伝送体外周部にあった染料が接着剤層に拡散して、光伝送体から抜けていることが確認できた。
【0069】
実施例1
第1層目〜第5層目の原液を比較例1と同様とし、更に4層目の原液中に日本化薬(株)製赤外線吸収染料CY−10を0.04wt%添加して比較例1と同様にして70℃にて加熱混練し、4層目の原液とした。紡糸時の粘度は比較例1と同様であった。複合紡糸時の吐出比、各層相互拡散処理部の通過条件、光照射条件、ニップローラーの引き取り条件を比較例1と同様にして光伝送体を得た。尚、この実施例で使用したCYー10は紫外線を吸収しないものである。
【0070】
この光伝送体の半径は0.47mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であった。光伝送体の外周部から5μmの部分は染色されていない層でありその内側に28μmの染色層が形成されており、染料の濃度はほぼ均一であった。
【0071】
レンズ長を6.6mmとし570nmの波長の光を用いレンズ特性を比較例1と同様にして測定したところ、共役長は14.4mmであり共役長におけるMTFは65%であった。一方、740nmの光源に対しては、共役長は15.4mmであり共役長におけるMTFは77%であり比較例1のものより高い値を示した。染料の吸収波長領域に発光波長を有するLED光に対してはレンズの解像力が向上することが確認された。
【0072】
この光伝送体を用い、側板にはフェノール樹脂(厚さ1.2mm)2枚を用い、接着剤にはカーボンブラックを2wt%添加したエピフォーム(ソマール社製)を用い、側板の間に光伝送体を1列に配列し接着剤を充填し、接着剤を硬化し、その後両端面を切断して研磨し、レンズ長6.6mmのアレイを作製した。このアレイの570nmの波長の光に対する共役長は14.4mmであり共役長におけるMTFは63%であった。また、、740nmの波長の光に対する共役長は15.4mmであり共役長におけるMTFは75%であった。このMTFは単レンズの性能から想定されるものであり、染料の接着剤層への拡散も認められなかった。
【0073】
実施例2
実施例1において、第4層目に添加する染料として、CY−10の代わりに日本化薬(株)製染料Blue ACR(0.02wt%)を用い、また、紫外線照射量を1.1倍とし、それ以外の条件は実施例1と同様にして光伝送体を得た。尚、この実施例で用いたBlue ACRは紫外線領域に吸収が存在するので透過光量を調節するために紫外線光量を1.1倍としたものである。
【0074】
この光伝送体の半径は0.47mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であった。光伝送体の外周部から5μmの部分は染色されていない層でありその内側に28μmの染色層が形成されており、染料の濃度はほぼ均一であった。
【0075】
この光伝送体を用いて実施例1と同様にして単レンズ、レンズアレイを製作し、単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。レンズアレイのMTFは単レンズの性能から想定されるものであり、染料の接着剤層への拡散も認められなかった。
【0076】
この光伝送体アレイを用いて570nmの発光波長を有するLEDを光源とし、CCDを受光素子としたイメージスキャナを組み立てた。このイメージスキャナはフレア光による影響がほとんど無く解像度が高く画像をクリアに伝送することができた。
【0077】
実施例3
実施例1において、4層目の原液中に添加する染料をBlue ACR(0.03wt%)及びCY−10(0.03wt%)とし、光照射部における紫外線光量を1.2倍とし、それ以外は実施例1と同様にして光伝送体を得た。
【0078】
この光伝送体の半径は0.47mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であった。光伝送体の外周部から5μmの部分は染色されていない層でありその内側に28μmの染色層が形成されており、染料の濃度はほぼ均一であった。
【0079】
この光伝送体を用いて実施例1と同様にして単レンズ、レンズアレイを製作し、単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。レンズアレイのMTFは単レンズの性能から想定されるものであり、染料の接着剤層への拡散も認められなかった。また実施例2と同様にして組み立て評価したイメージスキャナはフレア光による影響がほとんど無く解像度が高く画像をクリアに伝送することができた。
【0080】
実施例4
第1層〜第5層の原液を比較例1と同様とし、更に第4層及び第5層の原液中にCY−10を0.04wt%添加して比較例1と同様にして光伝送体を得た。
この光伝送体の半径は0.47mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であった。光伝送体の外周部表面から中心部に向かって35μmの染色層が形成されており、染料の濃度はほぼ均一であった。
【0081】
この光伝送体を用いて実施例1と同様にして単レンズ、レンズアレイを製作し、単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。
【0082】
実施例5
実施例4において、第4層及び第5層に添加する染料として、CY−10の代わりにBlue ACR(0.02wt%)を用い、また、紫外線照射量を1.1倍とし、それ以外の条件は実施例4と同様にして同様にして光伝送体を得た。
この光伝送体の半径は0.47mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であった。光伝送体の外周部表面から中心部に向かって35μmの染色層が形成されており、染料の濃度はほぼ均一であった。
【0083】
この光伝送体を用いて実施例1と同様にして単レンズ、レンズアレイを製作し、単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。レンズアレイのMTFは単レンズの性能から想定されるものであり、染料の接着剤層への拡散も認められなかった。また実施例2と同様にして組み立て評価したイメージスキャナはフレア光による影響がほとんど無く解像度が高く画像をクリアに伝送することができた。
【0084】
実施例6
実施例4において、第4層及び第5層の原液中に添加する染料をBlue ACR(0.03wt%)及びCY−10(0.03wt%)とし、光照射部における紫外線光量を1.2倍とし、それ以外は実施例4と同様にして光伝送体を得た。
【0085】
この光伝送体の半径は0.47mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であった。光伝送体の外周部から35μmの染色層が形成されており、染料の濃度はほぼ均一であった。
【0086】
この光伝送体を用いて実施例1と同様にして単レンズ、レンズアレイを製作し、単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。レンズアレイのMTFは単レンズの性能から想定されるものであり、染料の接着剤層への拡散も認められなかった。また実施例2と同様にして組み立て評価したイメージスキャナはフレア光による影響がほとんど無く解像度が高く画像をクリアに伝送することができた。
【0087】
実施例7
ポリメチルメタクリレート(〔η〕=0.40,MEK中,25℃にて測定)52重量部、ベンジルメタクリレート32重量部、メチルメタクリレート16重量部、1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部及びハイドロキノン0.1重量部を70℃に加熱混練して第1層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート(〔η〕=0.40,MEK中,25℃にて測定)51重量部、メチルメタクリレート35重量部、ベンジルメタクリレート7重量部、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレート7重量部、1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部、ハイドロキノン0.1重量部を70℃に加熱混練して第2層形成用原液とした。ポリメチルメタクリレート(〔η〕=0.40,MEK中,25℃にて測定)48重量部、メチルメタクリレート37重量部、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレート15重量部、1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部、ハイドロキノン0.1重量部を70℃に加熱混練して第3層形成用原液とした。
【0088】
ポリメチルメタクリレート(〔η〕=0.40,MEK中,25℃にて測定)43重量部、メチルメタクリレート20重量部、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレート37重量部、1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25重量部、ハイドロキノン0.1重量部、及びBlue ACR 0.05重量部を70℃に加熱混練して第4層形成用原液とした。
この4種類の原液を同心円状4層複合ノズルを用い中心から順次未硬化物の屈折率が低くなるように配列し同時に押し出した。
複合紡糸ノズルの温度は50℃であった。押し出し時の粘度は第1層の成分が5.7×104ポイズ、第2層が3.9×104ポイズ、第3層が3.2×104ポイズ、第4層が3.3×104ポイズであった。第1層から第4層の吐出比は半径の比で37/36/21/8であった。
ついで長さ55cmの各層相互拡散処理部を通しその後長さ120cm、40Wのケミカルランプ12本を円状に等間隔に配設された光照射部の中心にストランドファイバを通過させて、60cm/minの速度でニップローラーで引き取った。
【0089】
得られた光伝送体は半径(r0)が0.45mmであり、屈折率分布は中心部が1.510、外周部が1.470であった。光伝送体の外周部表面から中心部に向かって36μmの染色層が形成されており、染料の濃度はほぼ均一であった。 この光伝送体を用いて実施例1と同様にして単レンズ、レンズアレイを製作し、単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。レンズアレイのMTFは単レンズの性能から想定されるものであり、染料の接着剤層への拡散も認められなかった。また実施例2と同様にして組み立て評価したイメージスキャナはフレア光による影響がほとんど無く解像度が高く画像をクリアに伝送することができた。
【0090】
実施例8
この実施例は6層の複合紡糸に関するものであり、第4層及び第5層に染料を混在させた。第1層、第2層、3層、第4層、第5層及び第6層の原液は、それぞれ比較例1の第1層、第2層、3層、第3層、第4層及び第5層と同様のものであって、第4層と第5層の原液にはBlue ACR(0.03wt%)及びCY−10(0.03wt%)を添加した。複合紡糸における各層の吐出半径比は35/38/15/5/6/1で、また、紫外線光量を1.3倍としそれ以外は実施例4と同様にして光伝送体を得た。
【0091】
この光伝送体の半径は0.47mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であった。光伝送体の外周部から60μmの染色層が形成されており、染料の濃度はほぼ均一であった。
【0092】
この光伝送体を用いて実施例1と同様にして単レンズ、レンズアレイを製作し、単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。レンズアレイのMTFは単レンズの性能から想定されるものであり、染料の接着剤層への拡散も認められなかった。また実施例2と同様にして組み立て評価したイメージスキャナはフレア光による影響がほとんど無く解像度が高く画像をクリアに伝送することができた。
【0093】
実施例9
第1層目〜第5層目の原液を比較例1と同様とし、更に4層目の原液中にCY−10を0.04wt%、Blue ACRを0.14wt%、三井東圧染料のMS Yellow HDー180 0.10wt%、及び三井東圧染料MS Magenta HMー1450 0.08wt%を添加し、比較例1と同様にして70℃にて加熱混練した。
【0094】
紡糸時の粘度は比較例1と同様であった。複合紡糸時の吐出比、各層相互拡散処理部の通過条件、ニップローラーの引き取り条件を比較例1と同様にして光伝送体を得た。尚、この実施例で使用したCYー10は紫外線を吸収しないものであり、Blue ACR,HDー180,HMー1450は紫外線も吸収するために紫外線光量は比較例1の1.5倍で光重合を行った。
【0095】
この光伝送体の半径は0.47mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であった。光伝送体の外周部から5μmの部分は染色されていない層でありその内側に28μmの染色層が形成されており、染料の濃度はほぼ均一であった。
【0096】
この光伝送体を用いて実施例1と同様にして単レンズ、レンズアレイを製作し、単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。この単レンズは可視光域全波長領域においてMTFの向上が確認できた。これらの染料の組み合わせによって可視光域全波長領域の光に対してレンズの解像力が向上することが確認された。またレンズアレイのMTFは単レンズの性能から想定されるものであり、染料の接着剤層への拡散も認められなかった。
【0097】
この光伝送体アレイを用いて570nmの発光波長を有するLEDを光源とし、CCDを受光素子としたイメージスキャナを組み立てた。このイメージスキャナはフレア光による影響がほとんど無く解像度が高く画像をクリアに伝送することができた。同様に450nm付近の波長を有する青色の光源を用いてイメージスキャナを組み立てた場合も、611nm付近の波長を有する赤色の光源を用いてイメージスキャナを組み立てた場合も、フレア光による影響がほとんどなく解像度が高く画像をクリアに伝送することができた。
【0098】
実施例10
実施例1において、4層目の原液中に添加する染料として、CY−10を0.04wt%、Blue ACRを0.14wt%、MS Yellow HDー180を0.08wt%、及びMS Magenta HMー1450を0.08wt%添加し、また5層目の原液中に添加する染料として、CYー10を0.02wt%,Blue ACRを0.60wt%、MS Yellow HDー180を0.18wt%、及びMS Magenta HMー1450を0.20wt%添加して比較例1と同様にして70℃にて加熱混練した。
【0099】
紡糸時の粘度は染料添加前の原液とほぼ同じであった。また、光照射部における紫外線光量を1.4倍とした以外は実施例1と同様にして光伝送体を得た。
【0100】
この光伝送体の半径は0.47mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であった。光伝送体の外周部から5μmの部分は特にBlue ACR、HDー180、HMー1450が高濃度で存在する層で、その内側にそれらの染料が最外層部よりも低濃度で存在する28μmの染色層が形成されており、2つの染色層の中の染料の濃度はほぼ均一であった。
【0101】
この光伝送体を用いて実施例1と同様にして単レンズ、レンズアレイを製作し、単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。この単レンズは可視光域全波長領域においてMTFの向上が確認できた。これらの染料の組み合わせによって可視光域全波長領域の光に対してレンズの解像力が向上することが確認された。またレンズアレイのMTFは単レンズの性能から想定されるものであり、染料の接着剤層への拡散も認められなかった。
【0102】
また実施例9と同様に各波長に対応して組み立てたイメージスキャナはフレア光による影響がほとんど無く解像度が高く画像をクリアに伝送することができた。
【0103】
実施例11
第1層〜第5層の原液を比較例1と同様とし、更に4層と5層の原液中に平均粒径0.5μmのシリカ系微粒子(東レシリコ−ン(株)製 トスパ−ル105)を0.5重量%添加して比較例1と同様にして70℃にて加熱混練し、第4層及び第5層の原液とした。比較例1に対して4層及び5層の原液の紡糸時の粘度は増加し、第4層が3.2×104ポイズ、第5層が4.0×104ポイズであった。
【0104】
シリカ系微粒子の添加によって、紫外線の遮光がわずかながら起きるので、透過光量を調節するために比較例1に対して紫外線光量を1.05倍とした。その他の条件、即ち、複合紡糸時の吐出比、各層相互拡散処理部の通過条件、光照射条件、ニップローラーの引き取り条件は比較例1と同様にして光伝送体を得た。
【0105】
この光伝送体の半径は0.47mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であった。光伝送体の外周部から35μmの部分にはほぼ均一な濃度の微粒子層が形成されていた。
【0106】
この光伝送体を用いて実施例1と同様にして単レンズ、レンズアレイを製作し、単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。レンズアレイのMTFは単レンズの性能から想定されるものであり、染料の接着剤層への拡散も認められなかった。また実施例2と同様にして組み立て評価したイメージスキャナはフレア光による影響がほとんど無く解像度が高く画像をクリアに伝送することができた。
【0107】
このように光伝送体の外周部に光散乱体を混在させることによって、比較例2のような後工程なしに、比較例2の場合と同等以上の光学性能の向上が図れることを確認した。尚、比較例2では残存溶剤によりレンズ性能が劣化する点を考慮すると、この実施例のレンズの性能が優れていることが分かる。
【0108】
実施例12
第1層〜第5層の原液を比較例1と同様とし、更に第4層の原液中に粒径5〜30μmのポリスチレン系微粒子(綜研化学(株)製 SGP−70C)を1.0重量%添加して比較例1と同様にして70℃にて加熱混練し、第4層の原液とした。比較例1に対して第4層の原液の紡糸時の粘度は増加し、4.1×104ポイズであった。
【0109】
比較例1に対して紫外線光量を1.05倍とし、その他の条件、即ち、複合紡糸時の吐出比、各層相互拡散処理部の通過条件、光照射条件、ニップローラーの引き取り条件は比較例1と同様にして光伝送体を得た。
【0110】
この光伝送体の半径は0.47mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であった。光伝送体の外周部から5μmの部分は微粒子が存在しない層であり、その内側に30μmの微粒子層が形成されており、微粒子層中の微粒子の濃度はほぼ均一であった。
【0111】
この光伝送体を用いて実施例1と同様にして単レンズ、レンズアレイを製作し、単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。第5層の部分には微粒子(光散乱剤)が存在しないにも拘わらず光伝送体の光学性能は実施例11とほぼ程度であった。レンズアレイのMTFは単レンズの性能から想定されるものであり、染料の接着剤層への拡散も認められなかった。また実施例2と同様にして組み立て評価したイメージスキャナはフレア光による影響がほとんど無く解像度が高く画像をクリアに伝送することができた。
【0112】
実施例13
第1層〜第5層の原液を比較例1と同様とし、更に第5層の原液中に平均粒径6μmのポリスチレン系微粒子(住友精化(株)製 フロ−ビ−ズLE−1080)を2.0重量%添加して比較例1と同様にして70℃にて加熱混練し、第5層の原液とした。比較例1に対して第5層の原液の紡糸時の粘度は増加し、5.5×104ポイズであった。
【0113】
比較例1に対して紫外線光量を1.02倍とし、その他の条件、即ち、複合紡糸時の吐出比、各層相互拡散処理部の通過条件、光照射条件、ニップローラーの引き取り条件は比較例1と同様にして光伝送体を得た。
【0114】
この光伝送体の半径は0.47mmであり、屈折率分布は中心部が1.512、外周部が1.468であった。光伝送体の外周部から5μmの部分にはほぼ均一濃度の微粒子層が形成されていた。
【0115】
実施例1と同様にして単レンズ特性、レンズアレイ特性を評価し表1の結果を得た。第4層の部分には微粒子(光散乱剤)が存在しないにも拘わらず光伝送体の光学性能は実施例1とほぼ程度であった。
【0116】
実施例1と同様にしてイメージスキャナを組み立てた。このイメージスキャナはフレア光による影響がまだ若干残っていたが、比較例1と比べると解像度が高く画像をクリアに伝送することができた。光伝送体の外周部のわずかな部分にでも光拡散剤を混在させることによりMTFが向上できることを確認した。
【0117】
【表1】
Figure 0003771636
【0118】
【発明の効果】
本発明の光伝送体は外周部の屈折率分布が不整な部分に光吸収剤または光散乱剤がほぼ均一な濃度で存在するためにフレア光を効率的且つ簡単に抑制することができ、解像度の高いレンズ、レンズアレイを提供することができる。
【0119】
また、本発明の製法によれば光伝送体中に光吸収剤または光散乱剤を容易に混在させることができる。また、この製法は溶剤を用いないので、光伝送体内部に溶剤が残留してレンズ性能が経時変化するという問題も生じさせない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光伝送体の縦断面図である。
【図2】図1の光伝送体の横断面図である。
【図3】本発明の他の態様の光伝送体の縦断面図である。
【図4】図3の光伝送体の横断面図である。
【図5】本発明の光伝送体を製造するための製造装置の概略図である。
【図6】光伝送体の解像度(MTF)測定装置の概略を示す図である。
【図7】CCDセンサーにより解像度を測定した図である。
【図8】本発明で用いるCYー10の吸収特性を示す図である。
【図9】本発明で用いるBlue ACRの吸収特性を示す図である。
【符号の説明】
1 レンズ素材
2 光吸収剤または光拡散剤
3 光吸収剤または光拡散剤が存在しない最外周部
10 同心円状複合ノズル
11 未硬化の糸状体
12 相互拡散部
13 硬化処理部
14 引き取りローラー
15 光伝送体
16 巻き取り部
17 不活性ガス導入口
18 不活性ガス排出口

Claims (4)

  1. 中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少してなる円柱状の光伝送体であって、外周表面の位置から中心方向に向かう1μm以上100μm以内の所定範囲の部分のみに光吸収剤または光散乱剤の濃度が均一な層が形成されてなる光伝送体。
  2. 外周表面の位置から中心方向に向かう5μm以内の部分には光吸収剤及び光散乱剤を含有しない、請求項1記載の光伝送体。
  3. 硬化させた後に得られる硬化物の屈折率がn、n、・・・、n(Nは3以上の整数)であるN個の未硬化状物を同心円状に積層して、中心部から外周部に向かって屈折率が順次減少したファイバ状の未硬化物積層体を形成し、この積層体の各層間の屈折率分布が連続的に変化するように隣接層間の成分の相互拡散処理を行いながら、または相互拡散処理を行った後、積層体を硬化処理して屈折率分布型ファイバを製造する方法において、中心部からN/2番目以上の未硬化状物層の少なくとも一つの層に光吸収剤または光散乱剤を混入させた状態で積層体を形成することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の光伝送体の製造方法。
  4. 硬化させた後に得られる硬化物の屈折率がn、n、・・・、n(Nは3以上の整数)であるN個の未硬化状物を同心円状に積層して、中心部から外周部に向かって屈折率が順次減少したファイバ状の未硬化物積層体を形成し、この積層体の各層間の屈折率分布が連続的に変化するように隣接層間の成分の相互拡散処理を行いながら、または相互拡散処理を行った後、積層体を硬化処理して半径Rの屈折率分布型ファイバを製造する方法において、硬化後における光伝送体の外周表面の位置から中心方向に向かう1μm以上100μm以内の所定範囲に対応する未硬化状物層の少なくとも一つの層に光吸収剤または光散乱剤を混入させた状態で積層体を形成することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の光伝送体の製造方法。
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