JP3771451B2 - 2次電池ユニット及び残容量表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばリチウムポリマー電池等の充電可能な電池セルを含む2次電池ユニットおよびその電池残容量の表示に用いて好適な残容量表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、携帯電話、小型ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯音響機器、携帯パソコン等の2次電池を使用した機器においては、2次電池の充電時期、充電状態または交換時期を表示する等の目的から、2次電池の電気容量、すなわち、残容量を計測することが要求される。2次電池の残容量を計測する1つの手法としては、電池電圧と残容量との相関を一義的に定義し、電池セルの電圧を検出して残容量を推定する手法や、二次電池の充放電電流を積算して残容量を算出する手法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、残容量と電池電圧とは必ずしも常に1対1で対応しないので、上述した電池セルの電圧を検出して残容量を算出する手法では、電池セルの残容量を正確に測定することが困難であるという課題がある。一方、二次電池の充放電電流を積算して残容量を算出する手法では、電池セルの残容量を高い精度で算出できる反面、電流積算回路として多数の部品や回路を必要とするため、残容量の測定に要するコストが高くなるという課題がある。
【0004】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、低コストで構成でき、しかも、電池セルの残容量を高精度に検出することができる2次電池ユニット及び残容量表示装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の2次電池ユニットは、充電可能な電池セル及びメモリ素子をそなえて構成された2次電池ユニットであって、該電池セルが、リチウム2次電池であり、該メモリ素子が、該電池セルに流れる種々の電流値に対応する複数の電流値データを定義する電流値データ格納部と、該電池セルの種々の電圧に対応する複数の電圧データを定義する電圧データ格納部と、前記複数の電流値データと前記複数の電圧データとの各組み合わせについて、それぞれ対応する残容量データを定義する残容量データ格納部と、該電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化補正データを格納する劣化補正データ格納部と、前記電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化状態データを定義する劣化状態データ格納部とを有し、該複数の劣化状態データのそれぞれと該複数の劣化補正データのそれぞれとが対応づけられており、前記劣化状態データが、充電時において、一旦、所定電圧になった後に所定時間放電させ、その所定時間経過後の電圧値を測定することにより算出される電圧ドロップ値より定義されることを特徴としている(請求項1)。
【0006】
なお、該メモリ素子が、該2次電池ユニットの所定位置における種々の温度に対応する複数の温度補正データを格納する温度補正データ格納部を有してもよく(請求項2)、更に、該メモリ素子が、該2次電池ユニットの所定位置における種々の温度に対応する複数の温度データを定義する温度データ格納部をそなえ、該温度補正データ格納部が、該複数の温度データ毎にそれぞれ対応する該温度補正データを格納してもよい(請求項3)。
【0008】
また、本発明の残容量表示装置は、2次電池ユニットにおける該電池セルの残容量を表示部に表示する残容量表示装置であって、該電池セルに流れる電流値を測定する電流値測定部と、該電池セルの電圧を測定する電圧測定部と、前記電圧測定部によって測定された電圧と、前記電流値測定部によって測定された電流値とに基づいて、該残容量データ格納部から対応する該残容量データを取得する残容量データ取得部と、該残容量データ取得部が取得した該残容量データに基づいて該電池セルの残容量を演算する演算部と、該演算部によって算出された該電池セルの残容量を該表示部に表示させる表示制御部とをそなえ、該電池セルが、リチウム2次電池であり、前記2次電池ユニットのメモリ素子が、該電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化補正データを格納する劣化補正データ格納部と、該電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化状態データを定義する劣化状態データ格納部とをそなえ、該複数の劣化状態データのそれぞれと該複数の劣化補正データのそれぞれとが対応づけられており、前記劣化状態データが、充電時において、一旦、所定電圧になった後に所定時間放電させ、その所定時間経過後の電圧値を測定することにより算出される電圧ドロップ値によって定義され、該演算部が、該劣化状態データに対応する該劣化補正データを用いて該電池セルの残容量を演算することを特徴としている(請求項4)。
【0009】
さらに、本発明の残容量表示装置は、2次電池ユニットにおける該電池セルの残容量を表示部に表示する残容量表示装置であって、該電池セルに流れる電流値を測定する電流値測定部と、該電池セルの電圧を測定する電圧測定部と、前記電圧測定部によって測定された電圧と、前記電流値測定部によって測定された電流値とに基づいて、該残容量データ格納部から対応する該残容量データを取得する残容量データ取得部と、該残容量データ取得部が取得した該残容量データに基づいて該電池セルの残容量を演算する演算部と、該演算部によって算出された該電池セルの残容量を該表示部に表示させる表示制御部とをそなえ、該電池セルが、リチウム2次電池であり、前記2次電池ユニットのメモリ素子が、該電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化補正データを格納する劣化補正データ格納部と、該電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化状態データを定義する劣化状態データ格納部とをそなえ、該複数の劣化状態データのそれぞれと該複数の劣化補正データのそれぞれとが対応づけられており、前記劣化状態データが、充電時において、一旦、所定電圧になった後に所定時間放電させ、その所定時間経過後の電圧値を測定することにより算出される電圧ドロップ値によって定義され、該演算部が、該劣化状態データに対応する該劣化補正データと該温度補正データ格納部に格納された該温度補正データとを用いて該電池セルの残容量を演算することを特徴としている(請求項5)。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態としての2次電池ユニットの構成を示すブロック図であり、その回路構成の一例を単純化して示す図である。
本発明の一実施形態としての2次電池ユニット(以下、電池ユニットと称する場合もある)1は、外観上はいわゆる電池パック等の2次電池と略同様であり、携帯電話、小型ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯音響機器、携帯パソコン等の電力を消費する外部機器(以下、「電力消費機器」と言う。)の駆動電源として使用される。かかる電池ユニット1は、図1に示す様に、充電可能な電池セル11及び回路部12をそなえて構成されている。
【0014】
電池セル11は、リチウムポリマー電池やリチウムイオン電池などの2次電池によって構成されている。リチウムポリマー電池およびリチウムイオン電池としては、正極としてリチウムコバルト複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物を用い、負極としてグラファイト等の炭素材料を用いたものを例示できる。なお、この電池セル11は、なんらの演算機能を有していない。
【0015】
回路部12は、EEPROM(メモリ素子)13,保護回路14,フューズ(FUSE)15,サーミスタ(温度測定部)16,ローパスフィルタ(LPF)17,18および抵抗19をそなえて構成されている。
これらの回路部12を構成するメモリ素子13,保護回路14,サーミスタ16,LPF17,18および抵抗19はプリント基板上に設けられ、フューズ15は、このプリント基板と電池セル11との間の配線途中に設けられている。
【0016】
保護回路14は電池セル11の過充電や過放電を防止するためのものであり、FUSE15は過電流から回路を保護するためのものである。サーミスタ16は、電池ユニット1内の所定位置における温度を測定するためのものであって、例えば、電池セル11の端子に接続した配線途上に配置され、その測定結果をT端子に出力するようになっている。そして、このサーミスタ16が、電池ユニット1の所定位置における温度を測定する温度測定部として機能するようになっている。
【0017】
LPF17,18は、ノイズによる誤動作を防止したり、EMI(Electro Magnetic Interference:電磁障害雑音)やESD(Electro Static Discharge:静電気放電)等からEEPROM13を保護するためのフィルタ回路である。
メモリ素子13は、例えば、EEPROM等の不揮発性メモリによって構成される。なお、本実施形態中においては、メモリ素子としてEEPROMを用いる場合について示し、以下、符号13を付してEEPROM13と示すものとする。
【0018】
このEEPROM13は、電池セル11の電力を消費させない様に、電池セル11とは電気的に分離されており、これらの電池セル11とEEPROM13とは、互いに独立した回路として構成されている。すなわち、電池ユニット1においては、上記の様な電力消費機器に電力を供給するための電池セル11の出力端子(図1中の「+端子」及び「−端子」を参照)の他に、EEPROM13に対して情報を読み書きするためのDI/O端子やEEPROM13に対して駆動電力を供給するVcc端子がそれぞれ別個に設けられている。なお、本発明において、「電気的に分離される」とは、グランド(GND)が共通化されることまで否定するものではない。
【0019】
EEPROM13はVcc端子に接続されており、電力消費機器や充電器2(後述)および残容量表示装置4(後述)に接続された時に、このVcc端子を介して、これらの電力消費機器や充電器2および残容量表示装置4から電力が供給されるようになっている。
また、EEPROM13とサーミスタ16とはそれぞれシグナルグランド(Signal Grand)用としてG端子に接続されている。S端子(センス端子)は、抵抗19を介して電池セル11の電圧を測定するための端子であって、後述する充電器2に接続された際に、+端子との電圧を測定するために用いられるようになっている。なお、電池セル11の電圧を測定に、−端子の代わりにS端子を用いる理由は、+端子と−端子との間では回路の内部抵抗が大きいので、電池セル11の電圧を正確に測定することが困難だからである。
【0020】
さらに、EEPROM13は、LPF18を介してDI/O端子に接続されており、このDI/O端子を介して、電力消費機器や充電器2および残容量表示装置4との間で種々のデータを授受するようになっている。又、SK端子は、電力消費機器や充電器2および残容量表示装置4からEEPROM13にクロックを供給するためのものである。
【0021】
また、EEPROM13は、図1に示すように、電流値データ格納部31,電圧データ格納部32,残容量データ格納部33,温度データ格納部34,温度補正データ格納部35,劣化状態データ格納部36および劣化補正データ格納部37として機能するようになっている。
電流値データ格納部31は、電池セル11に流れる種々の電流値に対応する複数の電流値データを定義するものであり、電圧データ格納部32は、電池セル11の種々の電圧に対応する複数の電圧データを定義するものであり、残容量データ格納部33は、複数の電流値データと複数の電圧データとの各組み合わせについて、それぞれ対応する残容量データを定義するものである。
【0022】
また、温度データ格納部34は、電池ユニット1内の所定位置(サーミスタ16の取付位置)における種々の温度に対応する複数の温度データを定義するものであり、温度補正データ格納部35は、複数の温度データ毎にそれぞれ対応する温度補正データを格納するものであり、劣化状態データ格納部36は、電池セル11の種々の劣化状態に対応する複数の劣化状態データを定義するものであり、劣化補正データ格納部37は、複数の劣化状態データ毎にそれぞれ対応する劣化補正データを格納するものである。
【0023】
図2は本発明の一実施形態としての2次電池ユニットにおけるEEPROMのデータ構成の例を部分的に示す図であり、この図2に示すように、EEPROM13における所定位置には、それぞれ電流レートデータ(電流値データ),劣化状態データ,劣化補正データ,温度データ,温度補正データ,電圧データおよび残容量データが格納されている。
【0024】
電流レートデータは、電流レートの計測が所定の範囲で実行される場合に、この範囲を代表するn種類(nは自然数;本実施形態ではn=4)の電流値データとしての電流レート値(単位:0.01C)をテーブルとして定義するものであって、電池セル11の電流レートの実測値として可能性がある範囲内で予め設定されるようになっている。例えば、電流レートの計測が0.2〜2Cの範囲で実行されるような場合には{20,50,100,200}というデータ列が、電流レート(電流値)としてとりうる種々の値の代表値として予め記録されるようになっている。これにより、EEPROM13が電流値データ格納部31として機能するようになっている。
【0025】
なお、図2に示す例においては、電流レートデータは、16bitの符号なし整数(以下、このようなデータ形式を「A型」という)として登録されている。劣化状態データは、充電器2による電池セル11の充電時に行なう放電試験結果(詳細は後述)により特定されるものである。電池セル11の劣化状態は、電池セル11の充電時の方法を工夫することにより判断する。具体的には、充電時において、一旦、所定電圧(例えば満充電の状態)になった後に所定時間(例えば1秒間)放電させ、その所定時間経過後の電圧値を測定することにより電圧ドロップ値を算出する。
【0026】
劣化状態データは、IRドロップ値の計測が所定の範囲で実行される場合に、この範囲を代表するq種類(qは自然数;本実施形態ではq=4)のIRドロップ値(単位:mV)をテーブルとして定義するものである。ここで、IRドロップとは電池セル11の内部抵抗による電圧ドロップを示すものである。電圧ドロップ(内部抵抗)は、電池セル11の劣化具合に応じて大きくなるものであるが、電圧降下後の電池電圧の最小値から最大値までの間においてq個の値を定義する。
【0027】
例えば、4.1V(=4100mV)の満充電電圧の電池セル11の場合には、{3600,3700,3800,3950}というデータ列が、電圧ドロップ値としてとりうる種々の値の代表値として予め記録されるようになっている。これにより、EEPROM13が劣化状態データ格納部36として機能するようになっている。なお、図2に示す例においては、劣化状態データは、A型として登録されている。
【0028】
劣化補正データは、劣化状態データを定義したテーブルのIRドロップデータ列(本実施形態では4個)に対応する、不可逆的な電池劣化容量の割合(0〜100%)をテーブルとして定義するものである。なお、この劣化補正データに格納される値は、温度による補正のない場合の値である。
この劣化補正データとしては、例えば、{10,50,75,100}のようなデータ列が記録され、劣化状態データ列が{3600,3700,3800,3950}の場合には、IRドロップ電圧が3.6Vの時には初期容量の10%が劣化後の電池容量であることを示す。
【0029】
同様に、IRドロップ電圧が3.7Vの時には初期容量の50%,IRドロップ電圧が3.8Vの時には初期容量の75%がそれぞれ劣化後の電池容量であることを示す。又、IRドロップ電圧が3.95Vの時には初期容量の100%が劣化後の電池容量であり、電池セル11が劣化していなことを示す。これにより、EEPROM13が劣化補正データ格納部37として機能するようになっている。なお、図2に示す例においては、劣化状態データは、8bitの符号なし整数(以下、このようなデータ形式を「B型」という)として登録されている。
【0030】
そして、後述する充電器2による電池セル11の充電時に、IRドロップ値の測定が行なわれるようになっており、更に、その測定結果が充電器2によってEEPROM13の所定位置(図示省略)に記録されるようになっている。
そして、電力消費機器による電池ユニット1の使用時に、電力消費機器が、充電器2によって書き込まれたIRドロップ値に基づいて、この劣化補正データ格納部33に格納されている劣化補正データを用いて、電池セル11の残容量の補正演算を行なうのである。
【0031】
温度データは、所定の温度範囲において、この範囲を代表するp種類(pは自然数;本実施形態ではp=16)の温度をテーブルとして定義するものであって、例えば、電池セル11の動作範囲が0℃〜80℃の場合には、{0,1,2,4,6,8,10,15,20,25,30,40,50,60,70,80}のようなデータ列が、検出される温度としてとりうる種々の値の代表値として予め定義されるようになっている。
【0032】
これにより、EEPROM13が温度データ格納部34として機能するようになっている。なお、温度データとして定義されるこれらの温度値は、0以上の整数に限定されるものではない。又、図2に示す例においては、温度データは、B型として登録されている。
温度補正データは、温度データを定義したテーブルの温度データ列(本実施形態では16個)に対応する、可逆的な電池劣化容量の割合(0〜100%)を定義するものである。なお、この温度補正データに格納される値は、電池セル11の使用による劣化がない場合の値である。
【0033】
この温度補正データとしては、例えば、{5,10,20,40,50,60,70,80,90,95,100,95,90,80,60,40}のようなデータ列が記録され、温度データ列が{0,1,2,4,6,8,10,15,20,25,30,40,50,60,70,80}の場合には、電池セル11の温度が0℃の時には初期容量の5%が温度による劣化後の電池容量であることを示す。
【0034】
同様に、電池セル11の温度が1℃の時には初期容量の10%,電池セル11の温度が2℃の時には初期容量の20%,・・・(途中、省略)・・・,電池セル11の温度が10℃の時には初期容量の70%,・・・(途中、省略)・・・,電池セル11の温度が80℃の時には初期容量の40%がそれぞれ温度による劣化後の電池容量であることを示す。これにより、EEPROM13が温度補正データ格納部35として機能するようになっている。なお、図2に示す例においては、温度補正データは、B型として登録されている。
【0035】
電圧データは、電圧の計測が所定の範囲で実行される場合に、この範囲を代表するm種類(mは自然数;本実施形態ではm=16)の電圧範囲を定義するものであって、例えば、電池セル11の電圧の範囲が2.7V〜4.2Vの場合には、{2700,2800,2900,3000,3100,3200,3300,3400,3500,3600,3700,3800,3900,4000,4100,4200}のようなデータ列が、電圧値としてとりうる種々の値の代表値として予め定義されるようになっている。これにより、EEPROM13が電圧データ格納部32として機能するようになっている。なお、図2に示す例においては、電圧データは、A型として登録されている。
【0036】
残容量データは、電流レートデータを定義したテーブルの電流レートデータ列(本実施形態では4個)と、電圧データを定義したテーブルの電圧データ列(本実施形態では16個)との各組み合わせに対して、それぞれ、電池セル11の残容量の割合(0〜100%)を定義するものである。これにより、EEPROM13が残容量データ格納部33として機能するようになっている。図3は残容量データの例を示す図であって、電流値データと電圧データと残容量データとの関係をマトリクスとして示すものである。
【0037】
なお、図3に示すマトリクス中においては、残容量データが記載されていないが、実際にはこのマトリクス内に残容量が%値(0〜100)として格納されるものである。又、この残容量データは%値に限定されるものではなく、例えば割合(0〜1)として格納されても良い。
また、これらの残容量は、温度による残容量の見かけ上の変化や電池セル11の使用による劣化を考慮しない場合の値である。又、リチウムポリマー電池やリチウムイオン電池などの2次電池は、材料構成、電極構造、最大充電容量、発生電圧などの設計仕様によって電気的特性が個々に相違するので、個々の電池セル11の残容量を正確に演算するため、EEPROM13には、電池セル11の特性に応じた個々の値を格納することが望ましい。なお、図2に示す例においては、残容量データは、B型として登録されている。
【0038】
図4は、本発明の一実施形態としての2次電池ユニットの充電器の構成を示すブロック図であり、その回路構成の一例を単純化して示すものである。
充電器2は、図4に示すように、充電制御回路21,定電流放電回路22,MPU23,A/D変換器24および電源回路25をそなえて構成されており、電池ユニット1と各端子(図4中「+端子」,「−端子」および「CM端子」参照)を介して接続されるようになっている。
【0039】
充電制御回路21は、電池ユニット1の電池セル11へ所定電圧を印加するものである。MPU23は、演算素子およびROMやRAM等の記憶素子をそなえ、充電制御回路21を制御するものである。又、電池ユニット1のEEPROM13は、CM端子を介してMPU23と通信可能に接続されている。
なお、CM端子は前述したDI/O端子,S端子,SK端子,T端子,G端子およびVcc端子を便宜上まとめて構成するものである。
【0040】
A/D変換器24は、電池セル11の出力電圧を検出し、MPU23へ検出信号を出力するものであり、充電制御回路21の陽極出力側に接続されている。
定電流放電回路22は、一定の電流負荷を生じさせるためのものであり、充電制御回路21の出力側に、充電制御回路21と並列に接続されている。
また、充電器2の各素子や回路等には、電源回路25から電力が供給されるようになっている。なお、定電流放電回路22は、より高精度の測定を可能にするために複数の定電流切換機構をそなえていてもよい。
【0041】
次に、本発明の一実施形態としての2次電池ユニットに対して充電器が充電を行なう処理を、図5に示すフローチャート(ステップA10〜A90)に従って説明する。
電池ユニット1を充電器2に接続し充電を開始すると、充電器2は、先ず、電池セル11を所定の電圧(例えば、4.00V)値になるまで充電する(ステップA10)。そして、充電器2は、一旦、Timer=0にセットした後(ステップA20)、定電流放電回路22又は定抵抗電圧回路(図示省略)を用いて放電を開始する(ステップA30)。
【0042】
そして、この放電を所定時間(例えば1秒)行なった後(ステップA40)、電池セル11の電圧値を測定し(ステップA50)、放電を停止する(ステップA60)。MPU23は、測定結果に基づいてIRドロップ値を算出し、電池ユニット1の所定位置(図示省略)に、このIRドロップ値を書き込む(ステップA70)。
【0043】
その後、充電器2は充電を再開して(ステップA80)、電池セル11が満充電状態になるまで充電を行なう(ステップA90)。
図6は本発明の一実施形態としての残容量表示装置の構成を示すブロック図であり、その回路構成の一例を単純化して示す図である。
残容量表示装置4は、電池ユニット1における電池セル11の残容量を残容量表示部(表示部)41に表示するものであって、図6に示すように、D/IO端子,SK端子,T端子,G端子,+端子,−端子およびVcc端子を介して電池ユニット1が接続されるようになっている。
【0044】
この残容量表示装置4には、図6に示すように、残容量表示部(表示部)41,マイクロコンピュータ42(以下、マイコン42といい、このマイコン42は、残容量データ取得部,演算部,表示制御部の各機能を有する),A/Dコンバータ43,A/Dコンバータ(電圧測定部)44,差動増幅器及びA/Dコンバータ(電流値測定部)45,電圧レギュレータ46および駆動部47をそなえて構成されている。
【0045】
なお、残容量表示装置4は、上述した電力消費機器に組み込まれて使用されることも多く、例えば、携帯電話や小型ビデオカメラ等に組み込まれ、バッテリ(2次電池)の残容量を装置の表示ディスプレイ(残容量表示部41)等に種々の形態で表示するようになっている。
残容量表示部41は、マイコン42に通信可能に接続され、マイコン42によって得た情報や電池セル11の残容量を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイへの表示やLEDの点灯等によって電池セル11の残容量を表示するようになっている。
【0046】
電圧レギュレータ46は、電池ユニット1の電池セル11から供給される電力を所定電圧に変換するものであり、例えば、電池セル11から入力された3〜4Vの電池電圧を3.3Vに安定化して出力するようになっている。
A/Dコンバータ44は、電圧レギュレータ46の入力側に配置され、電池セル11の出力電圧を検出し、マイコン42へ検出信号を出力するものであり、電池セル11の電圧を測定する電圧測定部として機能するようになっている。そして、このA/Dコンバータ44からの電力は、Vcc端子を介して電池ユニット1のEEPROM13に供給されるようになっている。
【0047】
差動増幅器及びA/Dコンバータ45は、電圧レギュレータ46の入力側に配置され、抵抗48の両端での電位差から電池セル11の出力電流を検出し、マイコン42へ検出信号を出力するものであり、電池セル11に流れる電流値を測定する電流値測定部として機能するようになっている。なお、電位差測定のための抵抗48の抵抗値は、電圧降下を抑えるためにできるだけ小さく設定されている。従って、このA/Dコンバータ45には信号増幅を行なうための差動増幅器が設けられている。
【0048】
A/Dコンバータ43は、電池ユニット1のサーミスタ16によって測定された温度情報(アナログ信号)をデジタル信号に変換してマイコン42へ出力するものである。
マイコン42は、図示しない記憶素子や演算素子,クロック発振部等をそなえ、回路全体を制御するものである。そして、電池ユニット1のEEPROM13は、DI/O端子を介してこのマイコン42に通信可能に接続されるようになっており、EEPROM13における、残容量データ格納部31,温度補正データ格納部32および劣化補正データ格納部33にそれぞれ格納されている、残容量データ,温度補正データおよび劣化補正データが、マイコン42に送信されるようになっている。
【0049】
また、マイコン42は、A/Dコンバータ(電流値測定部)45によって測定された電流レート(電流値)の実測値に基づいて、電池ユニット1におけるEEPROM13の電流値データ格納部31に予め定義されている複数の電流値データの中から、電流値の実測値に対応する電流レート(電流値データ)を選択するようになっている。
【0050】
さらに、マイコン42は、A/Dコンバータ(電圧測定部)44によって測定された電圧の実測値に基づいて、電池ユニット1におけるEEPROM13の電圧データ格納部32に予め定義されている複数の電圧データの中から、電圧の実測値に対応する電圧データを選択するようになっている。
またさらに、マイコン42は、電池ユニット1におけるサーミスタ16の測定結果に基づいて、電池ユニット1におけるEEPROM13の温度データ格納部34に予め定義されている複数の温度データの中から、その実測値に対応する温度データを選択するようになっている。
【0051】
さらにまた、マイコン42は、電池ユニット1におけるEEPROM13に格納されているIRドロップ値に基づいて、電池ユニット1におけるEEPROM13の劣化状態データ格納部36に予め定義されている複数の劣化状態データの中から、そのIRドロップ値に対応する劣化状態データを選択するようになっている。
【0052】
なお、マイコン42が、電流値データ,電圧データ,温度データおよび劣化状態データをそれぞれ選択する手法としては、例えば、実測値に最も近似する各値を選択して取得してもよく、又、その他、電流値データ,電圧データ,温度データおよび劣化状態データを、予め各値の所定の範囲毎の代表値としてそれぞれ対応付けておき、実測値に応じて、これらの代表値(電流値データ,電圧データ,温度データおよび劣化状態データ)を選択するようにしてもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0053】
そして、マイコン42は、A/Dコンバータ44によって測定された電圧から求めた電圧データと、A/Dコンバータ45によって測定された電流レートから求めた電流レートデータとに基づいて、かかる電圧値と電流レートとの組み合わせに対応する残容量データを、DI/O端子を介して電池ユニット1のEEPROM13(残容量データ格納部35)から取得するようになっており、残容量データ取得部として機能するようになっている。
【0054】
さらに、マイコン42は、取得した残容量データに基づいて電池セル11の残容量を演算するようになっており、演算部としても機能するようになっている。更に、マイコン42は、この算出した電池セル11の残容量を残量表示部(表示部)41に表示させる表示制御部としても機能するようになっている。
また、マイコン42からは、電池ユニット1のEEPROM13を駆動するためのクロックがSK端子に出力されるようになっている。
【0055】
駆動部47は、残容量の表示以外の種々の機能を実現するためのものであって、例えば、本残容量表示装置4が携帯電話に組み込まれている場合には、電話器としての機能を実現させるための回路等がこの駆動部47に相当するものである。
上述のごとく構成された残容量表示装置4によって、本発明の一実施形態としての二次電池ユニットにおける電池セルの残容量を表示させる手法を、図7に示すフローチャート(ステップB10〜B130)に従って説明する。
【0056】
電池ユニット1が残容量表示装置4に接続されると、マイコン42は、A/Dコンバータ44によって電池セル11の電圧を測定する(ステップB10)。そして、マイコン42は、電池ユニット1におけるEEPROM13の電圧データ格納部32を参照して、この電圧の実測値(例えば3680mV)に基づいて電圧データ(例えば3700mV)を取得する(ステップB20)。
【0057】
また、マイコン42は、A/Dコンバータ45によって電池セル11の電流レートを測定する(ステップB30)。そして、マイコン42は、電池ユニット1におけるEEPROM13の電流値データ格納部31を参照して、この電流レートの実測値(例えば45C/100)に基づいて電流レートデータ(例えば50C/100)を取得する(ステップB40)。
【0058】
マイコン42は、電池ユニット1におけるEEPROM13の残容量データ格納部33を参照して、上述のごとく選択した電圧データ(3700mV)と電流レートデータ(50C/100)との組み合わせに対応する残容量データ(70%)を取得する(ステップB50)。
また、マイコン42は、電池ユニット1のサーミスタ16から電池セル11の所定位置の温度を取得し(ステップB60)、電池ユニット1におけるEEPROM13の温度データ格納部34を参照して、この電池セル11の温度の実測値(例えば12℃)に基づいて温度データ(例えば10℃)を取得する(ステップB70)。
【0059】
そして、マイコン42は、電池ユニット1におけるEEPROM13の温度補正データ格納部35を参照して、温度補正データ(例えば70%すなわち0.7)を取得する(ステップB80)。
さらに、マイコン42は、充電器2によってEEPROM13に記録されたIRドロップ値を取得し(ステップB90)、電池ユニット1におけるEEPROM13の劣化状態データ格納部36を参照して、この電池セル11のIRドロップ値に基づいて劣化状態データ(例えば3800mV)を取得する(ステップB100)。
【0060】
そして、マイコン42は、電池ユニット1におけるEEPROM13の劣化補正データ格納部37を参照して、劣化補正データ(例えば75%すなわち0.75)を取得する(ステップB110)。
マイコン42は、ステップB50において取得した残容量データ(70%)に対して、ステップB80において取得した温度補正データ(0.7)およびステップB110で取得した劣化補正データ(0.75)を用いて、補正(例えば、70%×0.7×0.75≒40%)を行ない(ステップB120)、マイコン42は、このようにして算出した残容量データを残量表示部41に表示させる(ステップB130)。
【0061】
このように、本発明の一実施形態としての2次電池ユニットおよび残容量表示装置によれば、電池ユニット1におけるEEPROM13が、電流値データ格納部31や電圧データ格納部32をそなえているので、A/Dコンバータ45,44によって測定された電流値や電圧を直接的に用いる代りに、これらの電流値データ格納部31や電圧データ格納部32に予め設定された電流レートデータや電圧データに基づいて残容量を取得でき、電池セル11の残容量を迅速に取得することができる。
【0062】
また、残容量データ格納部33を有するので、電流レートデータと電圧データとに基づいて残容量データを取得することができ、電池セルの残容量の表示を高速化することできる。又、残容量の取得に際して、演算を行なう必要がないので、装置構成を簡素化することができ製造コストを低減することができる。
特に、残容量データをEEPROM13にテーブルとして記録しているので、メモリ素子としてEEPROMのような小容量かつ廉価なものを用いて構成することができる。
【0063】
また、電流レートと電圧との関係が非線形である場合においても、電流レートデータと電圧データとの組み合わせに対応する残容量データを用いることにより、電池セル11の残容量を正確に算出することができる。
本発明においては、計測値への影響が最も大きいとされている電流レートと、電圧との関係テーブルに基づいて残容量を求めるようになっているので、電池セル11の残容量を簡便に高い精度で測定することができる。
【0064】
また、本発明においては、残容量データは、予め誤差要因として最も大きいとされている電流レートによって補正されていると言うことができ、その残容量の精度は高いものであると言うことができる。
従って、必ずしも温度や劣化状態に基づく補正を行なう必要がなく、温度や劣化状態に基づく補正を行なうか否かの判断を、本電池ユニット1(残容量表示装置4)の使用者に委ねることができ、使用者の自由度を向上させることもできる。
【0065】
すなわち、上述した実施形態においては、残容量データ格納部33から取得した残容量データに対して温度や劣化状態に基づく補正を行なっているが、それに限定されるものではなく、例えば、温度に基づく補正のみや劣化状態に基づく補正のみを行なったり、又、これらの補正を行なわなずに、残容量データ格納部33から取得した残容量データを直接使用してもよい。
【0066】
また、電流値データ,電圧データ,残容量データ等を格納するメモリ素子(EEPROM等)は安価であるので、本発明の一実施形態としての二次電池ユニットの実施に際して、従来の二次電池ユニットと比較しても製造コストが大きく増大することはない。
さらに、一般に、電池電圧と残容量との相関関係は、その際に流れる電流レートによって変化するものであるが、本発明においては、残容量データを、電池電圧だけでなく複数の電流レートデータ毎にも定義しているので、電池セル11の残容量をより正確に測定することができる。
【0067】
また、EEPROM13が、電池ユニット1の所定位置における種々の温度に対応する複数の温度補正データを定義する温度補正データを格納しているので、温度による影響をふまえた電池セル11の残容量を求めることができ、残容量の精度を向上させることができる。
さらに、温度データ格納部34と温度補正データ格納部35とを有するので、測定された温度を直接用いて演算処理を行なう必要がなく、予め設定された温度データに基づいて残容量を補正するので、高精度な残容量を迅速に取得することができ、又、残容量表示装置4の負担を減らすことができ装置構成を簡素化することもできる。
【0068】
また、EEPROM13が、電池セル11の種々の劣化状態に対応する複数の劣化補正データを格納しているので、この劣化補正データを用いて補正を行なうことにより、電池セル11の劣化による影響をふまえた電池セル11の残容量を求めることができ、残容量の精度を向上させることができる。
さらに、劣化状態データ格納部36と劣化補正データ格納部37とを有するので、測定された劣化状態(電圧ドロップ値)を直接用いて演算処理を行なう必要がなく、予め設定された劣化状態データに基づいて残容量を補正するので、高精度な残容量を迅速に取得することができ、又、残容量表示装置の負担を減らすことができ装置構成を簡素化することもできる
また、本発明においては、残容量についての温度や劣化による補正を、残容量表示装置や電力消費機器等の電池ユニット1が装着される側のマイクロプロセッサの演算処理によって行なうことができ、電池ユニット1の構造を簡素化することができる。
【0069】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述した実施形態においては、A/Dコンバータ44によって測定された電圧やA/Dコンバータ45によって測定された電流レートが、予めEEPROM13に格納されている電圧データや電流レートデータと一致しない場合に、強制的にこれらの予め登録された電圧データや電流レートデータに近似させて、これらの電圧データと電流レートデータとの組み合わせに対応する残容量データを用いているが、これに限定するものではない。
【0070】
例えば、測定された電流レートが、予めEEPROM13に格納されている電圧データや電流レートデータと一致しない場合に、残容量データについて線形補正を行なってもよい。例えば、電圧データが{2700,・・・,3600,3700,・・・,4200}というデータ列として定義されている場合に、電圧の実測値が3650mVであった場合に、3600mVにおける残容量データと3700mVにおける残容量データとの中間値をこの実測値に対応する残容量データとしてもよい。
【0071】
すなわち、A/Dコンバータ(電圧測定部)44による電圧の測定結果がEEPROM13(電圧データ格納部32)に格納されていない場合や、A/Dコンバータ(電流値測定部)45による電流レート(電流値)の測定結果がEEPROM13(電流値データ格納部31)に格納されていない場合に、マイコン(残容量データ取得部)42が、EEPROM13に登録されている、電圧データ,電流値データおよびこれらに対応する残容量データを用いて線形補正を行なうことによって、測定結果に対応する残容量データを取得してもよい。
【0072】
また、電池セル11の劣化状態の検出手法は、上述のごとく一定時間放電させた後の電池セル11の電圧によって規定されるIRドロップ値を利用する手法に限定するものではなく、例えば、一定電圧まで放電させた場合の放電時間の相違によって電池セル11の劣化状態を検出してもよい。
さらに、上述した各態様の本発明の電池ユニット1において、EEPROM13へのIRドロップ値の書込や残容量の算出は、充電器や電力消費機器に限られるものではなく、電池ユニット1が接続可能な機器であれば何れの機器で行ってもよい。
【0073】
また、上述した実施形態においては、電池ユニット1のEEPROM13に電流値データ格納部31,電圧データ格納部32,残容量データ格納部33,温度データ格納部34,温度補正データ格納部35,劣化状態データ格納部36および劣化補正データ格納部37をそなえて構成しているが、これに限定されるものではなく、これらの全てもしくは少なくともこれらの一部を残容量表示装置4側にそなえてもよい。
【0074】
さらに、上述した実施形態においては、残容量表示装置4に電流値測定部(A/Dコンバータ45)および電圧測定部(A/Dコンバータ44)をそなえて構成しているが、それに限定されるものではなく、これらを電池ユニット1に有するような構成にしてもよい。
なお、本発明の各実施形態が開示されていれば、当業者によって製造することが可能である。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の二次電池ユニットおよび残容量表示装置によれば、以下の効果ないし利点がある。
(1)二次電池ユニットにおけるメモリ素子が、電池セルに流れる種々の電流値に対応する複数の電流値データを定義する電流値データ格納部や、電池セルの種々の電圧に対応する複数の電圧データを定義する電圧データ格納部をそなえているので、測定された電流値や電圧を直接的に用いる代りに、予め設定された電流値データや電圧データに基づいて残容量を取得でき、電池セルの残容量を迅速に取得することができる(請求項1,請求項4,請求項5)。
【0076】
(2)複数の電流値データと複数の電圧データとの各組み合わせについて、それぞれ対応する残容量データを定義する残容量データ格納部を有するので、電流値データと電圧データとに基づいて残容量データを取得することができ、電池セルの残容量の表示を高速化することできる。更に、残容量の取得に際して、演算を行なう必要がないので、装置構成を簡素化することができ製造コストを低減することができる(請求項1,請求項4,請求項5)。
【0077】
(3)メモリ素子が、2次電池ユニットの所定位置における種々の温度に対応する複数の温度補正データを格納する温度補正データ格納部を有するので、温度による影響をふまえた電池セルの残容量を求めることができ、残容量の精度を向上させることができる(請求項2,請求項5)。
(4)電池セルの所定位置における種々の温度に対応する複数の温度データを定義する温度データ格納部と、複数の温度データ毎にそれぞれ対応する温度補正データを格納する温度補正データ格納部とを有するので、測定された温度を直接用いて演算処理を行なう必要がなく、予め設定された温度データに基づいて残容量を補正するので、高精度な残容量を迅速に取得することができ、又、残容量表示装置の負担を減らすことができ装置構成を簡素化することもできる(請求項3,請求項5)。
【0078】
(5)電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化補正データを格納する劣化補正データ格納部を有するので、電池セルの劣化による影響をふまえた電池セルの残容量を求めることができ、残容量の精度を向上させることができる(請求項1,請求項4,請求項5)。
(6)電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化状態データを定義する劣化状態データ格納部と、複数の劣化状態データ毎にそれぞれ対応する劣化補正データを格納する劣化補正データ格納部とを有するので、測定された劣化状態(電圧ドロップ値)を直接用いて演算処理を行なう必要がなく、予め設定された劣化状態データに基づいて残容量を補正するので、高精度な残容量を迅速に取得することができ、又、残容量表示装置の負担を減らすことができ装置構成を簡素化することもできる(請求項1,請求項4,請求項5)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての2次電池ユニットの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態としての2次電池ユニットにおけるEEPROMのデータ構成の例を部分的に示す図である。
【図3】残容量データの例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態としての2次電池ユニット1の充電器の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態としての2次電池ユニットに対して充電器が充電を行なう処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態としての残容量表示装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態としての二次電池ユニットにおける電池セルの残容量を、残容量表示装置によって表示させる手法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 2次電池ユニット
2 充電器
4 残容量表示装置
11 電池セル
12 回路部
13 EEPROM(メモリ素子)
14 保護回路
15 FUSE
16 サーミスタ(温度測定部)
17,18 LPF
19 抵抗
21 充電制御回路
22 定電流放電回路
23 MPU
24 A/D変換器
25 電源回路
31 電流値データ格納部
32 電圧データ格納部
33 残容量データ格納部
34 温度データ格納部
35 温度補正データ格納部
36 劣化状態データ格納部
37 劣化補正データ格納部
41 残量表示部
42 マイコン(残容量データ取得部,演算部,表示制御部)
43 A/Dコンバータ
44 A/Dコンバータ(電圧測定部)
45 A/Dコンバータ(電流値測定部)
46 電圧レギュレータ
47 駆動部
48 抵抗
Claims (5)
- 充電可能な電池セル及びメモリ素子をそなえて構成された2次電池ユニットであって、
該電池セルが、リチウム2次電池であり、
該メモリ素子が、
該電池セルに流れる種々の電流値に対応する複数の電流値データを定義する電流値データ格納部と、
該電池セルの種々の電圧に対応する複数の電圧データを定義する電圧データ格納部と、
前記複数の電流値データと前記複数の電圧データとの各組み合わせについて、それぞれ対応する残容量データを定義する残容量データ格納部と、
該電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化補正データを格納する劣化補正データ格納部と、
前記電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化状態データを定義する劣化状態データ格納部とを有し、
該複数の劣化状態データのそれぞれと該複数の劣化補正データのそれぞれとが対応づけられており、
前記劣化状態データが、充電時において、一旦、所定電圧になった後に所定時間放電させ、その所定時間経過後の電圧値を測定することにより算出される電圧ドロップ値より定義されることを特徴とする、2次電池ユニット。 - 該メモリ素子が、
該2次電池ユニットの所定位置における種々の温度に対応する複数の温度補正データを格納する温度補正データ格納部を有することを特徴とする、請求項1記載の2次電池ユニット。 - 該メモリ素子が、
該2次電池ユニットの所定位置における種々の温度に対応する複数の温度データを定義する温度データ格納部をそなえ、
該温度補正データ格納部が、該複数の温度データ毎にそれぞれ対応する該温度補正データを格納することを特徴とする、請求項2記載の2次電池ユニット。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の2次電池ユニットにおける該電池セルの残容量を表示部に表示する残容量表示装置であって、
該電池セルに流れる電流値を測定する電流値測定部と、
該電池セルの電圧を測定する電圧測定部と、
前記電圧測定部によって測定された電圧と、前記電流値測定部によって測定された電流値とに基づいて、該残容量データ格納部から対応する該残容量データを取得する残容量データ取得部と、
該残容量データ取得部が取得した該残容量データに基づいて該電池セルの残容量を演算する演算部と、
該演算部によって算出された該電池セルの残容量を該表示部に表示させる表示制御部とをそなえ、
該電池セルが、リチウム2次電池であり、
前記2次電池ユニットのメモリ素子が、該電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化補正データを格納する劣化補正データ格納部と、該電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化状態データを定義する劣化状態データ格納部とをそなえ、
該複数の劣化状態データのそれぞれと該複数の劣化補正データのそれぞれとが対応づけられており、
前記劣化状態データが、充電時において、一旦、所定電圧になった後に所定時間放電させ、その所定時間経過後の電圧値を測定することにより算出される電圧ドロップ値によって定義され、
該演算部が、該劣化状態データに対応する該劣化補正データを用いて該電池セルの残容量を演算することを特徴とする、残容量表示装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の2次電池ユニットにおける該電池セルの残容量を表示部に表示する残容量表示装置であって、
該電池セルに流れる電流値を測定する電流値測定部と、
該電池セルの電圧を測定する電圧測定部と、
前記電圧測定部によって測定された電圧と、前記電流値測定部によって測定された電流値とに基づいて、該残容量データ格納部から対応する該残容量データを取得する残容量データ取得部と、
該残容量データ取得部が取得した該残容量データに基づいて該電池セルの残容量を演算する演算部と、
該演算部によって算出された該電池セルの残容量を該表示部に表示させる表示制御部とをそなえ、
該電池セルが、リチウム2次電池であり、
前記2次電池ユニットのメモリ素子が、該電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化補正データを格納する劣化補正データ格納部と、該電池セルの種々の劣化状態に対応する複数の劣化状態データを定義する劣化状態データ格納部とをそなえ、
該複数の劣化状態データのそれぞれと該複数の劣化補正データのそれぞれとが対応づけられており、
前記劣化状態データが、充電時において、一旦、所定電圧になった後に所定時間放電させ、その所定時間経過後の電圧値を測定することにより算出される電圧ドロップ値によって定義され、
該演算部が、該劣化状態データに対応する該劣化補正データと該温度補正データ格納部に格納された該温度補正データとを用いて該電池セルの残容量を演算することを特徴とする、残容量表示装置。
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