JP3769512B2 - 動力伝達装置及びそれを用いた模型自動車の駆動装置等 - Google Patents

動力伝達装置及びそれを用いた模型自動車の駆動装置等 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷に応じて減速比が自動的に変化するようにした動力伝達装置、及びそれを用いた模型自動車の駆動装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動変速機には、自動車のオートマチックトランスミッションを始めとする複雑な構造のものが多く、模型自動車の駆動装置や、自転車用アシスト装置等に適用できるような、構造が簡単で、小型軽量化が可能なようなものはほとんどないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような模型自動車の駆動装置等においては、上記のような構造の簡素化、小型軽量化だけでなく、さらに操作性の良さ、すなわち、複雑な操作や制御が必要ないこと、安価に製造できること等が要求される。
【0004】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、構造が簡単で、安価に製造でき、小型軽量化が可能であり、しかも複雑な操作や制御を行うことなく、出力軸側の負荷に応じて減速比が自動的に増大するようにした動力伝達装置、及びそれを用いた模型自動車の駆動装置等を提供することを目的としている。
さらに、トルク伝達率を変化させることができるとともに、出力軸を逆転させることもできるようにした動力伝達装置を提供することをも目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(1)動力伝達装置において、遊星歯車装置における太陽歯車を入力軸に連結し、前記太陽歯車に噛合する遊星歯車の軸を支持し、かつ前記太陽歯車と同一軸線回りに回転自在に設けられたキヤリヤを出力軸に連結し、前記遊星歯車と噛合する内歯車を前記太陽歯車と同一軸線回りに回転自在に設け、前記入力軸と内歯車とを、互いに対向する回転体の対向面の一方に永久磁石を設け、かつ他方を前記永久磁石によりつれ回されるようにした従動板により形成した磁石式継手を介して互いに連係し、さらに、前記各回転体の対向面を、その軸と直交するように設け、かつ一方の回転板の軸を、他方の回転板の軸に対して直交する方向に移動可能とする。
【0006】
(2)動力伝達装置において、遊星歯車装置における太陽歯車を入力軸に連結し、前記太陽歯車に噛合する遊星歯車の軸を支持し、かつ前記太陽歯車と同一軸線回りに回転自在に設けられたキヤリヤと前記入力軸とを、互いに対向する回転体の対向面の一方に永久磁石を設け、かつ他方を前記永久磁石によりつれ回されるようにした従動板により形成した磁石式継手を介して互いに連係し、かつ前記遊星歯車と同軸かつ一体の遊星副歯車と噛合する平歯車を、前記太陽歯車と同一軸線回りに回転自在に設けるとともに、出力軸に連結し、さらに、前記各回転体の対向面を、その軸と直交するように設け、かつ一方の回転板の軸を、他方の回転板の軸に対して直交する方向に移動可能とする。
【0007】
(3)上記(1)または(2)項において、磁石式継手を、遊星歯車装置における太陽歯車の軸線より側方に離間して設け、各回転体の軸と、入力軸及び内歯車またはキヤリヤとを連係手段をもって互いに連係する。
【0008】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、一方の回転板の軸の移動範囲を、永久磁石による従動板のつれ回り方向が反転する範囲を含むものとする。
【0009】
(5)上記(3)項、または上記(3)項に従属する(4)項において、一方の回転板の軸を、一端が入力軸に枢支され、かつ他端に操作部が設けられた回動レバーの中間部に枢支する。
【0010】
(6)模型自動車の駆動装置において、上記(1)〜(5)項のいずれかに記載の動力伝達装置における入力軸をモータに連結し、かつ出力軸を車輪駆動軸に連結する。
【0011】
(7)自転車用アシスト装置において、上記(1)〜(5)項のいずれかに記載の動力伝達装置における入力軸をモータに連結し、かつ出力軸を自転車の車輪に圧接して回転する摩擦車の軸に連係する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の動力伝達装置の基本的な原理を説明するための第1の概略骨組み構成図である。
この動力伝達装置(1)は、中空箱状のケース(2)と、その左右の両側壁(2a)(2a)に、互いに左右方向を向く一直線状をなしてケース(2)の中央で対向するようにして回転自在に枢支された右方の入力軸(3)と左方の出力軸(4)とを備えている。
【0013】
ケース(2)内には、遊星歯車装置(5)が配設されている。
この遊星歯車装置(5)は、入力軸(3)の左端部に固嵌された太陽歯車(6)と、出力軸(4)の右端部に固嵌された円板状(または放射方向を向く腕木状)のキヤリヤ(7)と、キヤリヤ(7)の右側面の外周部に、左右方向を向く軸(8)をもってそれぞれ枢支され、かつ太陽歯車(6)と噛合する複数(好ましくは3個)の遊星歯車(9)と、太陽歯車(6)の中心軸線と同一の軸線回りに回転可能として入力軸(3)及び出力軸(4)に枢支され、かつ全遊星歯車(9)の外周部と噛合する内歯車(10)とを備えている。
【0014】
内歯車(10)と入力軸(3)とは、磁石式継手(11)を介して互いに連結されている。
磁石式継手(11)は、内歯車(10)の右端部に一体的に形成された回転板(回転体)(12)と、その右端面に対向するように、入力軸(3)における太陽歯車(6)より右方の部分に固嵌された回転板(回転体)(13)とを備え、その一方の回転板(13)に永久磁石(14)を設け、かつ他方の回転板(12)に、永久磁石(14)によりつれ回されるようにした従動板(15)を設けたものよりなっている。
【0015】
永久磁石(14)は、複数の棒状のものを、従動板(15)に対向する端面に現れる極性が交互に異なるようにして、回転板(13)の円周方向に等間隔に設けるのが好ましい。
また、従動板(15)は、永久磁石(14)により渦電流が発生するような、例えば銅、アルミニウム合金、その他の材質製の渦電流発生板とするのがよい。
【0016】
または、従動板(15)に、複数の鉄芯または永久磁石等の磁性体を、円周方向に互いに離間させて、等間隔で配置し、永久磁石(14)の磁力による吸着力により、従動板(15)をつれ回すようにしてもよい。
【0017】
なお、図1に示す例において、回転板(13)に左方を向く円筒部(図示略)を形成し、その円筒部の内面と、それに対向する内歯車(10)の外周面との対向面のいずれか一方に永久磁石を設け、かつ他方を従動板として実施してもよい。
【0018】
図2及び図3は、図1に示した動力伝達装置(1)を、模型自動車(20)の駆動装置(21)に適用した具体例を示す。図2において、図1におけるのと同一の符号は同一の部材を示す。
【0019】
この例では、動力伝達装置(1)における入力軸(3)は、モータ(22)の回転軸(23)に連結され、出力軸(4)は、車輪駆動軸(24)に連結されている。車輪駆動軸(24)は、公知のデファレンシャルギヤ装置(25)を介して、後輪軸(26)に連結され、左右の後輪(27)を駆動するようになっている。
【0020】
モータ(22)は、コントロールボックス(28)に、電気的に接続され、コントロールボックス(28)の制御により適時にバッテリ(29)から給電されるようになっている。
(30)は前輪、(31)は、公知の前輪操縦機構である。
【0021】
次に、図1〜図3に示す装置の作用について説明する。
モータ(22)の回転軸(23)が、図1〜図3に矢印で示す方向に回転(以下正転という)すると、出力軸(4)側の負荷が小さい場合(例えば平坦地、または下り坂走行時)は、永久磁石(14)により従動板(15)がほぼ一体となってつれ回され、それに伴って、入力軸(3)、回転板(13)(12)、太陽歯車(6)、遊星歯車(9)、内歯車(10)、キャリヤ(7)、出力軸(4)のすべてが、いわゆるのり付けされたように一体となって正転させられ、その回転力がデファレンシャルギヤ(25)及び後輪軸(26)を介して左右の後輪(27)に伝達され、模型自動車(20)は軽快に前進させられる。
【0022】
出力軸(4)側の負荷が大きい場合(例えば登り坂走行時)は、永久磁石(14)によるつれ回り力では従動板(15)を同期回転させることができなくなり、従動板(15)の回転が遅れる。
【0023】
出力軸(4)側の負荷が最大(例えば急な登り坂走行時)で、従動板(15)が完全に停止した状態を想定すると、停止している従動板(15)、回転板(12)及び内歯車(10)に対して、入力軸(3)及び太陽歯車(6)が正転を続け、その太陽歯車(6)の正転により、それと噛合する遊星歯車(9)は、停止している内歯車(10)の内歯に沿って、内サイコロイド運動、すなわち逆転方向に自転しつつ、正転方向に公転(図3における矢印参照)する。
【0024】
このときの正転方向の公転により、キャリヤ(7)及び出力軸(4)は、内歯車(10)と太陽歯車(6)との歯数により定められる減速比をもって減速させられて正転させられる。
【0025】
磁石式継手(11)においては、永久磁石(14)による従動板(15)のつれ回り力は、それらの差動、すなわち、相対回転数に比例して大となるので、上述のような最大負荷となることは希であり、従動板(15)は、出力軸(4)側の負荷に反比例する関係で、わずかずつではあっても永久磁石(14)によりつれ回される。
【0026】
最小負荷から最大負荷までの中間では、出力軸(4)は、永久磁石(14)によりつれ回される従動板(15)の回転数(減速比1)(N1)と、永久磁石(14)と従動板(15)との差動による上記のような減速比で減速された回転数(N2)とが、加算された回転数(N3=N1+N2)で正転させられる。
【0027】
したがって、出力側の負荷の大小に応じて、出力軸(4)側の回転数が自動的に変化し、模型自動車(20)を、平坦地や下り坂では高速で、また急な登り坂では低速ではあるが大きなトルクをもって走行させることができる。
【0028】
図4は、本発明の動力伝達装置の基本的な原理を説明するための第2の概略骨組み構成を示す。
なお、図1に示すものと同一の部材には同一の符号を付して図示し、それらについての詳細な説明は省略する(後述する第3以降の実施形態においても同様とする)。
【0029】
この例では、遊星歯車装置(5)を多段としてある。
すなわち、図1に示すものと同一の遊星歯車装置(5)における太陽歯車(6)、キャリヤ(7)、遊星歯車(9)及び内歯車(10)を第1段目の遊星歯車機構(5a)とし、上記キャリヤ(7)と一体的に設けた太陽歯車(40)、それに噛合する複数(通常3個)の遊星歯車(41)、各遊星歯車(41)の軸(42)を支持するとともに出力軸(4)に連結されたキャリヤ(43)、及び遊星歯車(41)と噛合するとともに、内歯車(10)と一体的に形成された内歯車(44)とを、第2段目の遊星歯車機構(5b)としてある。
【0030】
このように、遊星歯車装置(5)を多段とすることにより、1段のものより大きい減速比を得ることができる。
【0031】
図5〜図8は、本発明の動力伝達装置の実施形態を示す。
この例では、磁石式継手(11)を遊星歯車装置(5)より側方(上下方向を含む)に離間して設けるとともに、磁石式継手(11)における互いに対向する回転板(回転体)(50)(51)の一方の軸(52)を、他方の軸(53)に対して直交する方向に移動可能としている。
【0032】
すなわち、この例では、磁石式継手(11)における両回転板(50)(51)を、それらの軸(52)(53)と直交するように設け、その一方の軸(52)を、遊星歯車装置(5)における太陽歯車(6)(及び出力軸(4)等)の中心軸線より上方に離間しかつ平行をなすようにしてケース(2)に枢支し、かつ他方の軸(53)を、下端が入力軸(3)に枢支され、かつケース(2)の上面に設けた長孔(2b)を通って、ケース(2)より上方に突出した上端部を操作部(54a)とした回動レバー(54)の中間部に枢支してある。
【0033】
軸(52)と内歯車(10)、及び軸(53)と入力軸(3)は、互いに噛合する2個ずつの平歯車(55)(56)(57)(58)をもって、互いに連係されている。
【0034】
なお、平歯車(55)(56)(57)(58)に代えて、ベルトとプーリまたはチェーンとチェーンスプロケット等からなる巻掛連動手段(図示略)をもって、それらの相互の間を連係させてもよい。
【0035】
回転板(50)の右側面には、複数(この例では6個)の棒状の永久磁石(14)が、回転板(51)に対向する端面に現れる極性が交互に異なるようにして、円周方向に等間隔で埋設されている。
【0036】
回転板(51)は、渦電流発生体である銅板により形成されている。
この例においては、図5及び図6に示すように、両回転板(50)(51)の軸(52)(53)同士が互いに一直線線上に整合しているときは、回転板(51)に対する回転板(50)のつれ回り力、換言するとトルク伝達力は最大となり、図7に示すように、回動レバー(54)の操作部(54a)を、同図における右方に回動し、軸(53)を軸(52)に対して、直角方向にずらして行くと、つれ回り力が漸次小となり、回動レバー(54)が入力軸(3)を中心としてある角度まで回動すると、つれ回り力がゼロとなる。
【0037】
このときの軸(53)の位置をアイドリング位置とし、回動レバー(54)をそのアイドリング位置を越えて図8に示すようにさらに右方に回動させると、回転板(50)は、回転板(51)に対して逆方向につれ回されるようになる。
【0038】
この回転板(50)の逆方向への回転により、内歯車(10)は逆転され、その回転数が入力軸(3)の回転数に対して、太陽歯車(6)と内歯車(10)との歯数比により定まる値を超えると、出力軸(4)は逆転させられる。
【0039】
回転板(50)の逆方向のつれ回り力が最大となった後、回動レバー(54)をさらに右方に回動させると、逆方向のつれ回り力は、漸次小さくなり、最後にゼロとなる。
【0040】
この例においては、回動レバー(54)を回動させるだけで、磁石式継手(11)のトルク伝達率を自由にかつ簡単に変更することができるたけでなく、入力軸(3)を同一方向に回転させたままで、出力軸(4)を、アイドリングさせたり、逆転させたりすることができる。したがって、入力軸(3)をエンジンの出力軸に連結し、かつ出力軸(4)を車輪駆動軸に連結して、本装置を自動車の変速機として用いると最適である。
【0041】
図9は、本発明の動力伝達装置の基本的な原理を説明するための第3の概略骨組み構成図である。
この例では、第1の概略骨組み構成図における内歯車(10)に代えて、平歯車(60)を用い、これを出力軸(4)の軸端に同軸として固着してある。
【0042】
また、キャリヤ(7)と、入力軸(3)との間に磁石式継手(11)を設け、キャリヤ(7)に軸着された各遊星歯車(9)の一側面に、遊星副歯車(61)をそれぞれ同軸かつ一体に設け、各遊星副歯車(61)を上記平歯車(60)に噛合させてある。
【0043】
このように、内歯車を全く用いることなく、第1の概略骨組み構成図におけるのと同様の作用及び効果を奏することのできる動力伝達装置(1)を形成することもできる。
【0044】
図10及び図11は、本発明の動力伝達装置を用いた自転車用アシスト装置の一例を示す。
【0045】
この自転車用アシスト装置(70)は、自転車(71)のサドル支持軸(72)に着脱自在に設けたケース(73)と、このケース(73)内に設けたバッテリ(74)、モータ(75)、動力伝達装置(1)、及び自転車(71)の後輪(76)の外周面に摩擦圧接して回転する摩擦車(77)とを主要部品として備えている。
【0046】
モータ(75)は、適宜のスイッチ(図示略)を介してバッテリ(74)に接続され、モータ(75)の回転軸(78)は、そこに固嵌されたプーリ(79)と、動力伝達装置(1)の入力軸(3)に固嵌されたプーリ(80)とに掛け回されたベルト(81)により、入力軸(3)に連係されている。
【0047】
動力伝達装置(1)は、上述の第1〜第3のいずれの概略骨組み構成図、及び図5〜図8に示す本発明の実施形態のいずれの構成のものをも用いることができるが、ここでは、内歯車(10)の側面に、筒状の回転体(82)を固着し、その内面に永久磁石(83)を設け、それと対向するように、入力軸(3)に筒状の回転体(84)を、軸線方向に摺動可能かつ回転自在として設け、この回転体(84)を、操作レバー(85)により、入力軸(3)の軸線方向に移動させることができるようにしてある。
【0048】
回転体(84)の筒部(84a)は、渦電流発生体により形成され、かつその肉厚は、内歯車(10)から離れるにつれて漸増するように形成されている。
したがって、操作レバー(85)により、回転体(84)を内歯車(10)に最も近接させたとき、回転体(82)のつれ回り力が最大となり、その位置から回転体(84)を内歯車(10)から離間させるにつれて、つれ回り力が急激に低下するようになっている。すなわち、筒部(84a)の肉厚を上記のように定めたことにより、回転体(84)の軸線方向のわずかの移動で、つれ回り力の変動を大とすることができる。
【0049】
動力伝達装置(1)における出力軸(4)と、摩擦車(77)の軸(86)とは、それらに固嵌したプーリ(87)(88)と、両プーリ(87)(88)に掛け回されたベルト(89)とにより互いに連係されている。
【0050】
この自転車用アシスト装置(70)は、操作レバー(85)により、回転体(84)を、内歯車(10)に近接させた状態で、モータ(75)に通電すると、その回転力がベルト(81)、動力伝達装置(1)、ベルト(89)及び摩擦車(77)を順次介して、後輪(76)に伝達され、後輪(76)の人力による回転を助長したり、時には、自転車用アシスト装置(70)の回転力のみで、後輪(76)を回転させたりすることができる。
【0051】
このとき、動力伝達装置(1)において、後輪(76)の負荷に応じて減速比が自動的に変動するので、モータ(75)の回転力を効率よく後輪(76)に伝えることができる。
【0052】
下り坂走行時等において、自動車用アシスト装置(70)のアシスト力を低減させたい場合は、操作レバー(85)により、回転体(84)を内歯車(10)から離れる方向に移動させればよい。また、下り坂走行時等において、回転体(84)を内歯車(10)に近接させた状態で、モータ(75)の作動を停止すれば、後輪(76)に制動力を付与することができる。
なお、ベルト(81)(89)及びプーリ(79)(80)(87)(88)の連係手段に代えて、互いに噛合する平歯車よりなる連係手段を用いてもよい。
【0053】
また、動力伝達装置(1)の用途としては、上述したものの他にも、自動車のエンジンの出力軸から車輪までの動力伝達系路の途中に設けたり、その他の出力軸側の負荷の変動に応じて減速比を変化させたいあらゆる動力伝達系路の途中に設けることが考えられる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、出力軸側の負荷が増大すると、磁石式継手における入力側と出力側との回転体の回転方向のずれが大となり、入力軸から磁石式継手を介して直接出力軸に伝達される回転量が低下し、逆に、両回転体の差動により、入力軸から遊星歯車装置を介して減速されて出力軸に伝達される回転量が増大して、それらを合成した出力軸の入力軸に対する減速比が漸次増大し、入力軸側の回転力を出力軸に効率よく伝達することができる。
しかも、遊星歯車装置と磁石式継手のみからなる簡単な構造で、装置全体を安価に製造できるとともに、装置全体の小型軽量化を図ることができ、しかも、複雑な操作や制御を行う必要性をなくすことができ、模型自動車の駆動装置や自転車用アシスト装置等に用いるのに最適である。
さらに、磁石式継手における一方の回転板の軸を、他方の回転板の軸に対して直交する方向に移動させることにより、磁石式継手によるトルク伝達率を自由に変更することができる。
【0055】
請求項2記載の発明によると、加工が面倒な内歯車に代えて、単純な平歯車のみにより遊星歯車装置を形成することができるので、装置の製造コストを低減することができるとともに、装置全体をより小型化することができる。
さらに、磁石式継手における一方の回転板の軸を、他方の回転板の軸に対して直交する方向に移動させることにより、磁石式継手によるトルク伝達率を自由に変更することができる。
【0056】
請求項3記載の発明によると、磁石式継手を、遊星歯車装置から側方に離して設けることができるので、部品のレイアウトに自由度を持たせることができるとともに、装置全体の入力軸方向の長さを短くすることができ、部品のレイアウト上の制約が厳しい模型自動車の駆動装置等に最適である。
【0057】
請求項4記載の発明によると、一方の回転板の軸を移動させるだけで、モータの回転方向を変えることなく、出力軸を逆転させることができる。
【0058】
請求項5記載の発明によると、一方の回転板の軸を、1個の回動レバーのみの簡単な構造で、移動可能に安定して支持することができる。
【0059】
請求項6記載の発明によると、例えば平坦地や下り坂の走行時は、減速比がほぼ1の状態で、高速で軽快に走行することができ、走行抵抗の大きい草地や登り坂走行時には、高減速比かつ高トルクの状態で、低速ではあるが力強く走行することができ、しかも構造が簡単で、安価に製造でき、小型軽量化が可能であり、さらに複雑な操作や制御を行う必要をなくした模型自動車の駆動装置を提供することができる。
【0060】
請求項7記載の発明によると、車輪にかかる負荷が大きいときは、高減速比かつ高トルクで、また車輪にかかる負荷が小さいときは、低減速比かつ低トルクで、効率よく車輪をアシスト回転させることができるようにした、小型で高性能の自転車用アシスト装置を提供することができる。また、この場合に、モータの作動を停止させれば、車輪に制動力を付与することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の動力伝達装置の基本的な原理を説明するための第1の概略骨組み構成図である。
【図2】 図1に示す動力伝達装置を備えた模型自動車の概略横断平面図である。
【図3】 同じく、図1のIII−III線に沿う拡大縦断正面図である。
【図4】 本発明の動力伝達装置の基本的な原理を説明するための第2の概略骨組み構成図である。
【図5】 本発明の動力伝達装置の実施形態を模式的に示す概略縦断正面図である。
【図6】 同じく、図5のVI−VI線に沿う縦断側面図である。
【図7】 同じく、図6に示す状態から、回動レバーを時計回りに若干回動させた状態を示す、図6と同様の部分の縦断側面図である。
【図8】 同じく、図7に示す状態から、回動レバーをさらに時計回りに若干回動させた状態を示す、図6と同様の部分の縦断側面図である。
【図9】 本発明の動力伝達装置の基本的な原理を説明するための第3の概略骨組み構成図である。
【図10】 本発明の動力伝達装置を備えたアシスト装置付き自転車の概略側面図である。
【図11】 同じく、アシスト装置の駆動系統を模式的に示す概略縦断正面図である。
【符号の説明】
(1)動力伝達装置
(2)ケース
(2a)側壁
(2b)長孔
(3)入力軸
(4)出力軸
(5)遊星歯車装置
(5a)第1段目の遊星歯車機構
(5b)第2段目の遊星歯車機構
(6)太陽歯車
(7)キャリヤ
(8)軸
(9)遊星歯車
(10)内歯車
(11)磁石式継手
(12)(13)回転板(回転体)
(14)永久磁石
(15)従動板
(20)模型自動車
(21)駆動装置
(22)モータ
(23)回転軸
(24)車輪駆動軸
(25)デファレンシャルギヤ装置
(26)後輪軸
(27)後輪
(28)コントロールボックス
(29)バッテリ
(30)前輪
(31)前輪操縦機構
(40)太陽歯車
(41)遊星歯車
(42)軸
(43)キャリヤ
(44)内歯車
(50)(51)回転板(回転体)
(52)(53)軸
(54)回転レバー
(54a)操作部
(55)(56)(57)(58)平歯車
(60)平歯車
(61)遊星副歯車
(70)自転車用アシスト装置
(71)自転車
(72)サドル支持軸
(73)ケース
(74)バッテリ
(75)モータ
(76)後輪
(77)摩擦車
(78)回転軸
(79)(80)プーリ
(81)ベルト
(82)回転体
(83)永久磁石
(84)回転体
(84a)筒部
(85)操作レバー
(86)軸
(87)(88)プーリ
(89)ベルト

Claims (7)

  1. 遊星歯車装置における太陽歯車を入力軸に連結し、前記太陽歯車に噛合する遊星歯車の軸を支持し、かつ前記太陽歯車と同一軸線回りに回転自在に設けられたキヤリヤを出力軸に連結し、前記遊星歯車と噛合する内歯車を前記太陽歯車と同一軸線回りに回転自在に設け、前記入力軸と内歯車とを、互いに対向する回転体の対向面の一方に永久磁石を設け、かつ他方を前記永久磁石によりつれ回されるようにした従動板により形成した磁石式継手を介して互いに連係し、さらに、前記各回転体の対向面を、その軸と直交するように設け、かつ一方の回転板の軸を、他方の回転板の軸に対して直交する方向に移動可能としたことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 遊星歯車装置における太陽歯車を入力軸に連結し、前記太陽歯車に噛合する遊星歯車の軸を支持し、かつ前記太陽歯車と同一軸線回りに回転自在に設けられたキヤリヤと前記入力軸とを、互いに対向する回転体の対向面の一方に永久磁石を設け、かつ他方を前記永久磁石によりつれ回されるようにした従動板により形成した磁石式継手を介して互いに連係し、かつ前記遊星歯車と同軸かつ一体の遊星副歯車と噛合する平歯車を、前記太陽歯車と同一軸線回りに回転自在に設けるとともに、出力軸に連結し、さらに、前記各回転体の対向面を、その軸と直交するように設け、かつ一方の回転板の軸を、他方の回転板の軸に対して直交する方向に移動可能としたことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 磁石式継手を、遊星歯車装置における太陽歯車の軸線より側方に離間して設け、各回転体の軸と、入力軸及び内歯車またはキヤリヤとを連係手段をもって互いに連係した請求項1または2記載の動力伝達装置。
  4. 一方の回転板の軸の移動範囲を、永久磁石による従動板のつれ回り方向が反転する範囲を含むものとした請求項1〜3のいずれかに記載の動力伝達装置。
  5. 一方の回転板の軸を、一端が入力軸に枢支され、かつ他端に操作部が設けられた回動レバーの中間部に枢支した請求項3、または請求項3に従属する請求項4記載の動力伝達装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の動力伝達装置における入力軸をモータに連結し、かつ出力軸を車輪駆動軸に連結したことを特徴とする模型自動車の駆動装置。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の動力伝達装置における入力軸をモータに連結し、かつ出力軸を自転車の車輪に圧接して回転する摩擦車の軸に連係したことを特徴とする自転車用アシスト装置。
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