JP3769444B2 - イオン注入装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン注入装置及びイオン注入方法に関するものである。特には、イオン発生源からイオンを引き出す経路に汚れが付着するのを抑制することにより装置稼働率を向上させたイオン注入装置及びイオン注入方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来のイオン注入装置を示す模式図である。このイオン注入装置は、イオン化が行われるイオンソース31及びボンベボックス35等から構成されている。イオンソース31の内側にはアークチャンバー32とベーパーライザー33が設けられており、イオンソース31外側のボンベボックス35の内側にはAr等の不活性ガスボンベ82及び原料ガスボンベ81が設置されている。
【0003】
次に動作について説明する。
【0004】
アークチャンバー32内へのガスの供給方法としては、2つの方法が主に用いられている。1つは、イオンソース31内に設置したベーパーライザー33の内部に充填した固体原料をヒーター(図示せず)によって気化させてアークチャンバー32に供給する方法である。他の1つは、外部のボンベボックス35内に設置した原料ガスボンベ81をガス導入管34に接続された電磁弁63、64、マスフローコントローラー(流量調節器)72を介してアークチャンバー32内に供給する方法である。
【0005】
このようにしてアークチャンバー32内に供給されたイオンソースガスは、アークチャンバー32内のフィラメント(図示せず)から発生した電子の衝突によりイオン化される。このイオンは引き出し電極(図示せず)により引出され、加速電極(図示せず)にてイオンが加速され、次いで質量分析器(図示せず)で所望のイオンが選択され、そのイオンがウェーハに注入される。
【0006】
ところで、上記イオン注入装置では、定期的にアークチャンバー32をはじめとしてイオン注入装置内部のイオンビーム軌道の真空チャンバー内壁をクリーニングして装置内部の導電性の固体(汚れ)を取り除く必要がある。この具体的な方法としては、イオン注入の生産作業を一旦中止し、専用に設けたアルゴンガス導入系統(不活性ガスボンベ82、電磁弁61,62、マスフローコントローラー71)からイオン発生源にアルゴンガスを導入し、それをイオン化して付着物をスパッタリングにより除去する方法がある。また、別の方法には、イオン注入装置の真空を破り長時間かけて分解クリーニングをして除去する方法がある。
【0007】
このようにクリーニングをしなければならない理由は以下の通りである。
【0008】
イオン注入装置における高電圧印加部位での放電を防ぎ、装置故障を事前に防ぐためである。また、ベーパーライザー33で固体原料を気化させて使用する場合にアークチャンバー32内にアークを発生し易くするためである。また、アークチャンバー32、アークチャンバー内のフィラメント、引き出し電極を中空に浮かせるための絶縁碍子に導電性の被膜が付着してしまう。すると、フィラメントが絶縁破壊を起し不安定になり更に異常放電に至り、希望するイオンの加速ができなくなる。その結果、イオン注入が中断したり、適切なイオン注入が行われないことによって半導体装置の特性を変化させることとなる。したがって、イオン注入装置内部におけるイオンビーム軌道の真空チャンバー内壁を定期的にクリーニングする必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のイオン注入装置では、上述したようにイオン注入の生産作業の合間に一旦作業を中止し、メンテナンス作業として不活性ガスイオンによるクリーニングを行う必要がある。このため、クリーニング作業時間により装置稼働率が低下し、生産効率が著しく低下するという問題がある。
【0010】
一方、特開平3−163735号公報のように、O,C,COのイオンソースガスによってイオン導入経路の内壁が酸化されることや炭素で汚染されることを防止するため、このイオンソースガスに20〜80vol%の不活性なアルゴンを混合することによりイオン注入を行いながら装置内部をクリーニングする方法がある。しかし、上記従来のイオン注入方法には、この特開平3−163735号公報に記載されているアルゴンを混合する方法が以下の理由により適用できない。
【0011】
上記従来のイオン注入方法では、不純物のイオンソースガスとして三弗化ホウ素BF3、ホスフィンPH3、アルシンAsH3などを水素などの活性なガスで希釈したガスを使用している。このガスを用いるイオン注入の場合に、該ガスに20〜80vol%のアルゴンを混合するのは、アルゴンの混合割合が大きすぎる。このため、三弗化ホウ素、ホスフィン、アルシンなどのイオン注入では、目的のイオンの集率が減少しイオン注入の処理能力を著しく低下させてしまうからである。
【0012】
このような事情から、ホウ素、ホスフィン、アルシンなどの所望する不純物のイオン注入を行うと同時に、イオン注入経路の内壁に導電性被膜が付着するのを防止、除去することができ、更に目的のイオン電流の集率を向上させることができるイオン注入方法が求められている。また、高電圧印可部位での放電要因を減少させることで半導体装置の特性を安定させること、イオン注入を停止させて行なう導電性の付着物除去作業の頻度を減少させることにより、半導体装置の品質の安定と生産性の向上を実現することが求められている。
【0013】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、イオン発生源からイオンを引き出す経路に汚れが付着するのを抑制することにより装置稼働率を向上させたイオン注入装置及びイオン注入方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるイオン注入装置は、半導体装置の基板に注入するイオンを発生させるイオン発生源と、前記イオン発生源に原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、前記イオン発生源によって発生したイオンのうち所定のイオンを分離する質量分析器と、を備え、BF 、PH 、AsH 、GeF 、及びSiF のいずれかを含む前記原料ガスは、0Vol%よりも多く、10Vol%以下の不活性ガスが予め添加されている混合ガスであることを特徴とする。
【0015】
上記イオン注入装置では、原料ガスに、0Vol%より多く、10Vol%以下の不活性ガスが予め添加されている混合ガスを用いることにより、イオン発生源において不活性ガスも熱電子の衝突によりプラズマ状態となり、原料ガスとともにイオンがされる。その結果、イオン発生源で発生したイオンを基板に注入するためのイオンの経路に付着した付着物(導電性の固体)を、スパッタリングによるクリーニング効果によって除去し、抑制することができる。
【0016】
また、原料ガスに、0Vol%より多く、10Vol%以下の不活性ガスが予め添加されている混合ガスを用いることにより、イオン発生源にガスを導入ガスする導入経路を簡略化することができる。
【0017】
また、本発明のイオン注入装置は、半導体装置の基板に注入するイオンを発生 させるイオン発生源と、前記イオン発生源に原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、前記イオン発生源によって発生したイオンのうち所定のイオンを分離する質量分析器と、前記イオン発生源に、前記原料ガスに対して0Vol%よりも多く、10Vol%以下の不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段とを備え、前記所定のイオンは前記不活性ガスのイオンであり、前記原料ガスはBF 、PH 、AsH 、GeF 、及びSiF のいずれかを含むことを特徴とする。
【0018】
上記イオン注入装置では、該装置を頻繁に停止して個別に実施していたアルゴンガスによるクリーニングとイオン発生源および引き出し電極周辺の分解クリーニング頻度を軽減することができる。このため、半導体装置の生産能力を容易に飛躍的に向上させることができる。
【0019】
また、原料ガスと不活性ガスを別系統から流入させて混合させることにより、原料ガスまたは不活性ガスを供給する量を調整することにより混合濃度を0Vol%より多く10Vol%以下の範囲で任意に変化させることが可能となる。
【0020】
また、本発明に係るイオン注入装置は、前記原料ガス供給手段は、原料ガスが充填された原料ガスボンベを有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係るイオン注入装置は、前記原料ガス供給手段は、前記原料ガスボンベを複数種類有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係るイオン注入装置は、前記原料ガス供給手段は、原料ガス生成用の固体原料が充填されたベーパーライザーを有することを特徴とする。
【0023】
上記イオン注入装置は、固体原料を気化させて使用する場合においても同様の効果を得るため、アークチャンバー内に固体原料からの気化ガスとともに所定量の不活性ガスを導入するようにしたものである。
【0024】
また、上記記載のイオン注入装置のいずれかにおいて、前記不活性ガスはアルゴンガスであることを特徴とする。
【0026】
また、固体原料を気化させて使用する場合においても同様の効果を得るため、アークチャンバー内に固体原料からの気化ガスとともに所定量の不活性ガスを導入するようにしたものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるイオン注入装置を示す模式図である。
【0029】
図1に示すように、このイオン注入装置は、アークチャンバー5内に電界及び磁界をかけ、フィラメント7より発生する熱電子とガス導入管4より導入するイオンソースガスにより、プラズマを生成している。
【0030】
アルゴン等の不活性ガスボンベ2は電磁弁16、マスフローコントローラー3を介してガス導入管4に接続されている。三弗化ホウ素(BF3)のイオンソースガスボンベ1aは電磁弁16、マスフローコントローラー3を介してガス導入管4に接続されている。水素ベースのホスフィンのイオンソースガスボンベ(PH3/H2)1bは電磁弁16、マスフローコントローラー3を介してガス導入管4に接続されている。このときのイオンソースガスボンベ1bにおけるPH3の混合比は15〜50%である。アルシンのイオンソースガスボンベ(AsH3/H2)1cは電磁弁16、マスフローコントローラー3を介してガス導入管4に接続されている。このときのイオンソースガスボンベ1cにおけるAsH3の混合比は約15%である。ガス導入管4はアークチャンバー5に接続されている。つまり、三弗化ホウ素に20Vo1%以下のアルゴンを混合した混合ガス、ホスフィンに20Vo1%以下のアルゴンを混合した混合ガス、又は、アルシンに20Vo1%以下のアルゴンを混合した混合ガスそれぞれが、ガス導入管4を通してアークチャンバー5に導入される構成になっている。また、ガス導入管4内において三弗化ホウ素、ホスフィン又はアルシンにアルゴンを混合する際は、マスフローコントローラー16によりアルゴンの流量が20Vo1%以下となるように調節される。
【0031】
アークチャンバー5内にはフィラメント7が配置されており、アークチャンバー5の外側には電磁石6が配置されている。したがって、アークチャンバー5内に導入されたイオンソースガスは、真空中で電流を流したフィラメント7から発生する熱電子と、電磁石6の磁場と、アークチャンバー5とフィラメント7にかけられた電界によりプラズマ状態8となりイオン化する。
【0032】
アークチャンバー5から発生したイオンが引き出されたイオン電流10が通過する軌道に沿って順に引き出し電極9、質量分析器11、イオン加速器13、イオン走査部14、半導体基板15が配置されている。
【0033】
すなわち、発生したイオンを引き出すための引き出し電極9はアークチャンバー5のスリットに対向する位置に設置されている。この引き出し電極9に負の電位を印加することにより該スリットを介して発生した全てのイオン電流10が引き出される。
【0034】
このように引き出されたイオン電流10から所定のイオンのみを抽出するための磁場による質量分析器11が引き出し電極9に対向する位置に設置されている。この質量分析器11の中をイオン電流10が通過することにより、所定のイオンのみが注出され、アルゴンイオンを含む分離されたその他のイオン12は質量分析器11内で消滅する。
【0035】
質量分析器11における抽出されたイオンの出口に対向する位置にイオン加速部13が配置されており、その隣りにはイオン走査部14が配置されている。イオン走査部14におけるイオンの出口に対向する位置には半導体基板15が載置されている。したがって、質量分析器11で抽出されたイオンは、イオン加速部13において所定の加速エネルギーを与えられ、イオン走査部14を経て半導体基板15へ均一に注入される。
【0036】
上記第1の実施の形態によれば、三弗化ホウ素、ホスフィン及びアルシンのうちのいずれかにアルゴンの体積比が20Vo1%以下になるようにマスフローコントローラーを制御し、得られた混合ガスをアークチャンバー5に導入してイオン注入を行う。このため、このようにイオンソースガスに混合したアルゴンは、イオン発生源で所定のイオンやその他のイオンと同時にイオン化され、引き出し電極9によって引き出される。その過程で、イオンソースガス又はそれがイオン化されたイオンが堆積することによってアークチャンバー5や引き出し電極9周辺のスリット、絶縁物などに付着している導電膜を、アルゴンでスパッタリングしながら他のイオンの付着防止と除去を行なう。このようにイオン注入を行うと同時に不活性ガスイオンによるクリーニングも行うことができるため、従来のイオン注入装置のようにイオン注入作業を一旦停止してクリーニング作業を行わなくても、イオンを引き出す引き出し電極9での異常放電の発生がなくなり、安定した電圧でイオンを供給できる。更にイオンの加速エネルギーが安定するため、半導体装置の特性も安定させることができる。その結果、半導体装置の品質も向上させることができる。したがって、クリーニング作業時間による装置稼働率の低下を防止でき、従来のイオン注入装置に比べて生産効率を向上させることができる。なお、アークチャンバー5で発生したアルゴンイオンは、その後質量分析器11内で分離されるため、半導体基板15に導入されるのは所定のイオンだけとなりアルゴンは半導体装置の基板には到達しない。従って、従来の半導体装置の特性が変化することなく、同じ特性を維持できる。
【0037】
また、三弗化ホウ素等のイオンソースガスに混合するアルゴンなどの不活性ガスの比率を20Vo1%以下としているのは、20Vo1%以下で十分クリーニング効果を有することを確認したからである。
【0038】
図2は、三弗化ホウ素BF3にアルゴンを混合した混合ガスをイオンソースガスとして図1に示すイオン注入装置に用いた場合、及び、ホスフィンにアルゴンを混合した混合ガスをイオンソースガスとして図1に示すイオン注入装置に用いた場合それぞれにおけるアルゴン混合割合とイオン電流量との関係を示すグラフである。この図において縦軸は、アルゴンを含まないイオンソースガスにより得られるイオン電流量を1とした場合、それと比較した混合ガスにより得られる電流量の割合である。
【0039】
図2に示す通り、アルゴン混合割合が20Vo1%を超える混合ガスでは、所定のイオンの集率が混合しない場合(混合割合0Vo1%)と比較して約半分以下となってしまう。このため、アルゴン混合割合が20Vo1%を超える混合ガスを用いると、アルゴンイオンによるクリーニングを行うことはできるが、イオン注入時間が増大し逆に生産効率を低下させてしまうことになる。したがって、アルゴン混合割合が20Vo1%以下であれば、十分に所定イオンの集率を確保しながらアルゴンのクリーニング効果を発揮させることができる。また、より好ましくは、アルゴンの混合割合が10Vo1%以下である。
【0040】
尚、上記第1の実施の形態では、アルゴンなどの不活性ガスを用いているが、必ずしも不活性ガスに限らず、スパッタリング効果が期待できる元素であれば他の元素を用いることも可能である。
【0041】
また、イオンソースガスとしてBF3、PH3又はAsH3を用いているが、他のイオンソースガスを用いることも可能であり、例えばGeF4又はSiF4を用いることも可能である。
【0042】
また、本実施の形態では、イオン注入装置においてアルゴン等の不活性ガスボンベ2及びイオンソースガスボンベ1a〜1cを別々に準備し、不活性ガスボンベ2から単独のアルゴンガスをマスフローコントローラー3により流量を制御しながら引き出すと共に、イオンソースガスボンベから単独のイオンソースガスをマスフローコントローラー3により流量を制御しながら引き出し、両者をアークチャンバー5直前のガス導入管4内で混合させているが、これに限らず他の混合方法によって混合することも可能である。例えば、あらかじめアルゴンガスを20Vo1%以下で混合させたイオンソースガスを入れたガスボンベを準備し、このガスボンベをイオン注入装置に配置することも可能である。この場合は、本実施の形態のように単独での不活性ガスの導入系統を必要とせずガス経路を簡略化できるため、容易に安定した混合比のイオンソースガスを提供することができる。一方、本実施の形態のように別系統からアルゴンガスを混合する場合は20Vo1%以下でアルゴン濃度を任意に変更することが容易であるため、イオン電流の集率とクリーニング効果を適宜制御でき、イオン注入条件や装置の状況に対応した最適なアルゴン混合比を容易に選択できる。
【0043】
図3は、本発明の第2の実施の形態によるイオン注入装置を示す模式図であり、主にイオンソースとボンベボックス内を示した構成図である。このイオン注入装置は、ボンベボックス35内には図5に示す原料ガスボンベ81に代り、クリーニング効果をもつ不活性ガス(アルゴンガス)を所定量添加した原料ガスボンベ83を取り付けた構造になっている。
【0044】
このように構成されたイオン注入装置では、従来と同様にイオン注入作業が可能であり、不活性ガス添加原料ガスボンベ83からの所定量のガスは電磁弁63,64、マスフローコントローラー72を介しガス導入管34によりアークチャンバー32内に供給される。このアークチャンバー32内では、イオン注入を行う所望の原料ガスと同時に、あらかじめ20Vol%以下に添加されたクリーニング用の不活性ガス(アルゴンガス)の双方がフィラメント(図示せず)から発生した電子との衝突によりイオン化される。
【0045】
これらのイオンは、引出し電極(図示せず)で加速され、次いで、質量分析器(図示せず)により所望のイオンのみに分離選択される。このため、クリーニング用に添加してあったガスによるイオンはここで分離除去され、ウェーハ(半導体基板)へは注入されない。したがって、アルゴンイオンは、アークチャンバー32から質量分析器までのイオンビーム軌道のクリーニング効果のみを発揮する。そして、質量分析器で選択された所望のイオンはウェーハに注入される。
【0046】
図4は、質量分析器により分離された不活性ガス添加原料ガスのイオンビームスペクトラムの一例を示す図である。ここでは、原料ガスであるPH3に所定量の不活性ガスArを添加した例を示しているが、ここでの所望イオン31+とクリーニング用イオン40Ar+は磁界により分離されているためクリーニング用イオンである40Ar+がウェーハに注入されることは無い。
【0047】
また、同様に固体原料からの気化ガスを使用する場合においても、図3に示すアークチャンバー32内には、ベーパーライザー33からの気化ガスとともに所定量の不活性ガスを不活性ガスボンベ82より電磁弁61、62、およびマスフローコントローラー71、ガス導入管4を介して供給される。このため、この場合にも同様の作用をする。
【0048】
また、ガスボンベ、ベーパーライザーのいずれの使用においても不活性ガスArを添加した例においてはアークチャンバー32内でのアーク発生を起こし易くする効果がある。
【0049】
このように本実施の形態によれば不活性ガス添加原料ガスボンベ83を使用することにより、所望のイオンでのイオン注入作業と同時に装置内部のクリーニングが行われ、これまで生産作業とは別に行っていた不活性イオンによるクリーニング作業時間が不要となり装置稼動率を向上させることができる。
【0050】
また、ベーパーライザー33等の固体原料を使用の場合は、不活性ガスボンベ82から所定量のアルゴンガスをアークチャンバー32内に供給することにより、同様の作用効果が得られる。また、ガスボンベ、固体原料のいずれの使用においても不活性ガスにArを使用した場合は、アークチャンバー内でアークを起こし易い効果もある。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、イオンソースガスに20Vo1%以下のアルゴンガスを混合した混合ガスをイオン発生源に供給する。したがって、イオン発生源からイオンを引き出す経路に汚れが付着するのを抑制することにより装置稼働率を向上させたイオン注入装置及びイオン注入方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるイオン注入装置を示す模式図である。
【図2】図1に示すイオン注入装置に用いたイオンソースガスのアルゴン混合割合とイオン電流の集率を示すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施の形態によるイオン注入装置を示す模式図である。
【図4】質量分析器により分離された不活性ガス添加原料ガスのイオンビームスペクトラムの一例を示す図である。
【図5】従来のイオン注入装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1a〜1cイオンソースガスボンベ
2 アルゴン等の不活性ガスボンベ
3 マスフローコントローラー
4 ガス導入管
5 アークチャンバー
6 電磁石
7 フィラメント
8 プラズマ領域
9 引き出し電極
10 引き出されたイオン電流
11 質量分析器
12 アルゴンイオンを含む分離されたその他のイオン
13 イオン加速器
14 イオン走査部
15 半導体基板
16 電磁弁
31 イオンソース
32 アークチャンバー
33 ベーパーライザー
34 ガス導入管
35 ボンベボックス
61〜64 電磁弁
71,72 マスフローコントローラー
81 原料ガスボンベ
82 不活性ガスボンベ
83 不活性ガス添加原料ガスボンベ

Claims (6)

  1. 半導体装置の基板に注入するイオンを発生させるイオン発生源と、
    前記イオン発生源に原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    前記イオン発生源によって発生したイオンのうち所定のイオンを分離する質量分析器と、を備え、
    BF 、PH 、AsH 、GeF 、及びSiF のいずれかを含む前記原料ガスは、0Vol%よりも多く、10Vol%以下の不活性ガスが予め添加されており、前記所定のイオンは前記不活性ガスのイオンであることを特徴とするイオン注入装置。
  2. 半導体装置の基板に注入するイオンを発生させるイオン発生源と、
    前記イオン発生源に原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    前記イオン発生源によって発生したイオンのうち所定のイオンを分離する質量分析器と、
    前記イオン発生源に、前記原料ガスに対して0Vol%よりも多く、10Vol%以下の不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段とを備え、
    前記所定のイオンは前記不活性ガスのイオンであり、前記原料ガスはBF 、PH 、AsH 、GeF 、及びSiF のいずれかを含むことを特徴とするイオン注入装置。
  3. 請求項2において、前記原料ガス供給手段は、前記原料ガスが充填された原料ガスボンベを有することを特徴とするイオン注入装置。
  4. 請求項3において、前記原料ガス供給手段は、前記原料ガスボンベを複数種類有することを特徴とするイオン注入装置。
  5. 請求項2において、前記原料ガス供給手段は、原料ガス生成用の固体原料が充填されたベーパーライザーを有することを特徴とするイオン注入装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記不活性ガスはアルゴンガスであることを特徴とするイオン注入装置。
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