JP3768212B2 - 検査装置および検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固浸レンズを応用して半導体集積回路などの微細な構造を観察するために用いる検査装置および検査方法に関する。
半導体集積回路の開発をするにあたっては、半導体集積回路の不良や故障が生じた場合にその位置と原因とを調べる故障解析が開発の速度の鍵を握っている。半導体集積回路の故障解析は、回路が形成されているウェハの表面側から行われるのみではなく、ウェハの裏面側からも行われる。これは、半導体集積回路の多層配線化、フリップチップ化により表面から観察できない箇所が増大していて裏面からの検査・解析の必要性が大きくなっているからである。このウェハ裏面からの検査・解析には、Siを透過する赤外線が用いられる。
近年、半導体集積回路の集積度が高まり、配線等のパターンがより微細になってきており、また一つの回路内により多くのトランジスタやダイオードなどの回路素子が形成されるようになってきている。このように半導体集積回路の集積度が高まると、故障箇所も微細になって回路全体に占める面積比も非常に小さなものとなるため、故障解析に当たって最初に行う故障箇所の絞り込みが困難になってくる。
微細な故障箇所を見つけ出して観察するためには、高い分解能(光学解像度)を有する光学装置が必要となる。一般に、光学解像度R(μm)は、光の波長をλ(μm)、入射角をθ(度)、屈折率をnとしたとき、下記の式(1)により表される。
R=λ/2nsinθ (1)
観察に用いる赤外線の波長は決まっているので、高分解能を得る、即ちRを小さくするためにはnおよびsinθの少なくとも一方を大きくする必要がある。しかしθは物理的に90度を超えることができず、空気中ではn=1なので、原理的にはλ/2がRの最小値となる。
光学解像度Rを小さくする手段として、媒質の屈折率nを大きくする油浸レンズが広く使われている。油浸レンズでは、高屈折率の液体(可視光において約1.52)を試料とレンズとの間に満たすことで光学解像度を小さくして高分解能を得ている。さらに高分解能とするために、最近では液体よりもずっと高屈折率の固体を利用した固浸レンズが使われるようになってきている。
図6は固浸レンズを応用した半導体検査装置の構造を示すものであり、固浸レンズとしてはシリコン球面固浸レンズ101を用いている(例えば、非特許文献1参照)。
この半導体検査装置ではシリコン球面固浸レンズ101をLSIパターン103が形成されたシリコン基板102の裏面(LSIパターン103が形成されていない側の面)に一体的に形成しており、シリコン球面固浸レンズ101との間の関係においてLSIパターン103がアプラナティックポイントとなるような位置関係にしている。アプラナティックポイントというのはレンズからの光が一点に収束する点である。顕微鏡の対物レンズ104を適当な位置に設定すると、対物レンズ104から照射される赤外レーザ光105はシリコン球面固浸レンズ101で屈折して入射角を増大し、そのまま、シリコン基板102を通過して、LSIパターン103に収束して到達する。逆にLSIパターン103おいて反射された赤外レーザ光105も逆の光路をたどって対物レンズ104に入射する。
ここで、シリコンの屈折率は、波長1.3μmではおよそ3.5であるので、θを限りなく90度に近づけると、式(1)より理想的な光学解像度は0.186μmとなり、おなじ波長で大気中で観察する場合の0.65μmと比べてはるかに高い解像度が得られる。
従って、この半導体検査装置では、大きな入射角θで高い屈折率のシリコン中で目的物の観察が出るため、通常の空気中の観察に比べ、高屈折率の利点を生かした高い光学解像度でLSIパターン103を観察することが出来る。
特開平10−227993号公報 LSIテスティングシンポジウム/2002会議録(H14.11.7-8)p143-147.
しかしながら、従来の方法では実際の試料を観察しようとした場合に深刻な問題を有していた。
すなわち、高い解像度を得るには、シリコン固浸レンズの球面に対して観察したいLSIパターンが存する表面をアプラナティックポイントと呼ばれる位置に一致させる必要があるが、その位置精度は焦点深度以内であることが要求される。固浸レンズの焦点深度DOF(μm)は次の式(2)によって表される。
DOF=λ/(nsinθ)2 (2)
例えば、理想的な光学解像度0.186μmに対する焦点深度は0.106μmと非常に小さな値になり、LSIパターンをこの焦点深度と同じ精度でアプラナティックポイントに一致させることは極めて困難である。
この問題を回避するため、シリコン基板そのものを加工し、シリコン基板と完全に一体のレンズを形成する方法が非特許文献1では試みられているが、極めて高精度の加工が必要である上に、加工してしまった後は修正が出来ないので、経済性や解析所要時間などの問題が大きい。また、視野範囲も限られていて、広範囲の観察は非常に困難である。
観察しようとするシリコン基板とは別のシリコン板を加工して球面レンズのみを高精度で作製したとしても、その球面レンズをシリコン基板に載せた際にシリコン基板表面に微小なゴミが付着していると、焦点距離が変わってしまい、位置精度を高度に保つことは困難である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光軸方向の位置精度が低くても高い解像度が得られる、固浸レンズを用いた検査装置及び検査方法を提供することにある。
本発明の検査装置は、試料に向けて単色光を放射し、当該試料からの光を解析して当該試料の検査を行う検査装置であって、前記単色光の光源と、前記試料に密着させた光学素子と、前記試料からの前記光を検出する光検出器とを備え、前記光学素子は、前記単色光からベッセルビームを生成させて前記試料に照射する。
ある実施形態において、前記光学素子は回折レンズまたはフレネルレンズである。
ある実施形態において、前記光学素子はアキシコンレンズである。
ある実施形態において、前記光学素子は球面レンズあるいは球面レンズ群である。
前記単色光はレーザ光であることが好ましい。
ある実施形態において、前記試料からの前記光は、当該試料から反射された光である。
ある実施形態において、前記試料からの前記光は、当該試料の発光である。
前記光学素子の表面の一部に、または前記単色光の光路上において当該表面の一部と等価な位置に遮光部を有することが好ましい。
ある実施形態において、前記光学素子及び前記試料の少なくとも一方を移動させて当該光学素子と当該試料との相対位置を変更させる移動手段をさらに備えている。
ある実施形態において、前記光学素子に入射する前記単色光の向きを偏向させて走査する手段をさらに備えている。
ある実施形態において、前記光学素子及び前記試料の少なくとも一方を移動させて当該光学素子と当該試料との相対位置を変更させる移動手段と、前記光学素子に入射する前記単色光の向きを偏向させて走査する手段とをさらに備えている。
ある実施形態において、前記試料に電流を流す電源装置をさらに備えている。
本発明の検査方法は、単色光を光学素子に入射させる工程と、前記光学素子により単色光をベッセルビームとする工程と、前記ベッセルビームを試料に照射する工程と、前記試料からの光を検出する工程とを備える。
前記試料は半導体装置である。
以上のように本発明は、ベッセルビームを発生する固浸レンズにより、これまで不可能であった高分解能と充分な焦点深度を併せ持つ検査装置を実現できるものである。
本発明の実施形態を説明する前に、まず本願発明者らが本発明に想到した実験について説明をする。
本願発明者らは、図5に示すように高屈折率ガラスからなる球面レンズ201を固浸レンズとして用いて、シリコン基板202のLSIパターン203形成面とは反対面側からLSIパターン203を観察する実験を行った。
光学系204から照射された赤外レーザ光205は、球面レンズ201に入射した後シリコン基板202上のLSIパターン203に収束して反射され、入射したのとは逆の経路で光学系204に入った。この反射光を検出して解析を行った。
この実験装置では、既に説明したしたように、球面レンズ201とLSIパターン203との間の距離を非常に厳密に調整しないと解像度が上がらないと予想されたが、実際には予想に反して高解像度のデータを得ることができた。このように解像度が高いデータを得ることができた理由をシミュレーションによって検討したところ、球面レンズ201とシリコン基板202との屈折率の差違に起因する球面レンズ201の収差によってベッセルビームが発生していると推定すると、実験結果がうまく説明できることが判ったのである。
ベッセルビームとは非回折性ビームの一種であり、特許文献1に記載されているように極めて焦点深度が深く且つスポット径が比較的小さいビームである。従ってベッセルビームが発生していれば、球面レンズ201とLSIパターン203との間の光軸方向の距離が多少変化しても焦点が合ったままとなり、高解像度が得られる範囲が広く存在すると考えられるのである。
上記の推定より、固浸レンズを用いてベッセルビームを発生させてそのベッセルビームで検査を行うことができれば、試料と固浸レンズとの光軸方向の相対位置を精度よく合わせなくても高解像度の検査ができるとの発想を得て、固浸レンズによってベッセルビームを発生させる検討を種々行った結果本願発明に至った。
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は実施形態1に係る半導体の検査装置の構成を示す模式的な図である。本実施形態の検査装置は、赤外レーザ光(単色光)12のレーザ光源1と、赤外レーザ光12をベッセルビーム13にする回折レンズ(光学素子)4と、試料7に照射されたベッセルビーム13が試料7の観察面で反射された反射光14を検出する光検出器11とを備えている。試料7はLSIパターンが形成されたシリコンウェハである。図1では、ベッセルビーム13は焦点が合っている範囲を模式的に線として表している。ここでいうベッセルビーム13は、厳密には近似的な非回折性のビームであって、LSIパターンが存在する近傍においてベッセルビームの機能を果たすものである。さらに別の言い方をすれば、LSIパターンが存在する近傍に有効な強度のベッセルビーム成分が含まれていることが重要である。なお、完全な非回折性ビーム(ベッセルビーム)は無限に大きな電力が必要となるため実現不可能である。この検査装置について、以下その動作を説明する。
レーザ光源1から発生した赤外レーザ光12はハーフミラー2を通過してさらに走査光学系3に入る。走査光学系3を通過した赤外レーザ光12はさらに回折レンズ4に入射する。赤外レーザ光12の一部は回折レンズ4の表面の一部に設けられた遮光マスク(遮光部)5によって遮断される。回折レンズ4に入射したレーザ光12は回折して、試料7の観察面(LSIパターン形成面)付近でベッセルビーム13を生成させて、このベッセルビーム13が試料7に照射される。そして試料7に形成されているLSIパターンでベッセルビーム13は反射され、この反射光14は回折レンズ4から走査光学系3を経てハーフミラー2へと光路を逆行し、ハーフミラー2で進路を曲げられ、光検出器11で検出される。この検出光を解析して試料7の検査を行う。
本実施形態の検査装置から回折レンズ4と試料7とを取り出したものを図2に示す。図2(a)は走査光学系3から見た図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図である。回折レンズ4は、シリコン基板である試料7と同様にシリコンからなっている。回折レンズ4は、赤外レーザ光12の波長と同程度の精度で同心円状に加工を行って作製する必要があるが、この回折レンズ4はシリコン板から作られているので、半導体回路を作成する技術を用いて容易に高精度に加工を行うことができる。
本実施形態では、回折レンズ4は試料7に密着している。密着していなければ固浸レンズとしての機能を果たさないからである。なお、ここでいう密着とは、回折レンズ4と試料7との距離が真空における赤外レーザ光12の波長よりも短い状態になっていることをいう。
また、回折レンズ4の同心円の中心部分と同心円の外側部分とを遮光マスク5により覆っている。遮光マスク5は省略しても通常は高分解能を維持できるが、試料母体にキズなどがあると、場合によっては不要な部分(キズ)からの反射を検出する可能性があるので、遮光マスク5を設けることで、安定して高SN比での観察が実現できる。つまり、遮光マスク5を設けることにより試料7の回折レンズ4が接しているのとは反対側の面の近傍でのみベッセルビームの強度が他の部分よりも極めて大きくなって、この範囲でのみ焦点が合うようにすることができるのである。このように遮光マスク5を設けることにより、ベッセルビーム13の発生位置を試料7の観察したい位置近傍に限定できるので、試料7の構造のうち視野に入れたくない部分の像が混入するのを防止することができる。
本実施形態の検査装置では、走査光学系3が回折レンズ4への赤外レーザ光12の入射方向を偏向させて、ベッセルビーム13の発生する方向を変化させる。このようにしてベッセルビーム13の発生位置を試料7の観察面上で観察面と平行に走査することが出来る。走査光学系3による赤外レーザ光12の偏向は高速で行うことができるので、高速の走査像観察が可能になる。なお、走査光学系3は公知の走査光学装置を用いればよい。
また、回折レンズ4はXY微動装置(移動手段)6に接続されており、回折レンズ4をXY微動装置6で走査することによっても、ベッセルビーム13の発生位置を試料7の観察面上で走査することが出来る。つまり、回折レンズ4をXY微動装置6を用いて試料7の表面上を移動させることによって、回折レンズ4と試料7との相対位置を変更することができるのである。このことにより、赤外レーザ光12の回折レンズ4への入射角は一定のまま走査ができるので、レンズの収差に関わらず歪の無い走査像取得が可能になる。
走査光学系3で赤外レーザ光12を偏向することによってベッセルビーム13を走査する方法は、高速の走査が可能で広い視野で目的物(故障箇所など)を探すのに有利である。一方、XY微動装置6で回折レンズ4を移動させることによってベッセルビーム13を走査する方法は、直線性が良いため像の歪が無く、位置を正確に読み取りたい場合に有利となる。従って、両方の機能を併せ持つことで、高速性と高位置精度の両方を実現可能である。
本検査装置では、試料7はステージ8に固定されており、ステージ8はXY駆動機構9で移動が可能であるので、試料7はXY微動装置6によるよりもさらに広い範囲を移動することができ広範囲での観察が可能である。XY駆動機構9も移動手段ということができる。なお、XY駆動機構9にZ軸方向の駆動機構も備えられていると、試料7の取り外しや設置が容易に行えるので好ましい。
さらに本実施形態の検査装置は電流導入機構(電源装置)10を備えており、試料7のステージ8に接している面側に形成されているLSIパターンにプローブを接触させて電流を流すことが可能である。このことにより、極めて高分解能な光ビーム誘起抵抗変化(OBIRCH)解析や発光解析などの電流導入を必要とする解析も実現できる。
本実施形態では、試料7であるシリコン基板の厚みを約350μmとしたときに、回折レンズ4の厚みも同程度の厚みとして回折レンズ4の同心円の直径を約1〜5mmに設定している。従って、回折レンズ4の口径を十分に取って且つ固浸レンズとして機能させているので、発生するベッセルビーム13を極めて小さなスポットに絞られたものとすることができる。さらに、ベッセルビーム13は光軸上の広い範囲で発生する性質があるので、焦点深度が浅くなる欠点も無い。
以上のように本実施の形態によれば、固浸レンズの特徴を最大限に引き出すことが可能で、さまざまな試料にたいして高解像かつ充分な焦点深度の観察を実現するものである。また、広範囲のLSIパターンを高速に且つ位置精度よく観察することができる。
(実施形態2)
実施形態2の検査装置は、赤外レーザ光をベッセルビームにする光学素子としてアキシコンレンズを用いていること以外は実施形態1の検査装置と同じであるので、実施形態1と異なっているところを以下に説明する。
図3に本実施形態で用いられる光学素子としてのアキシコンレンズ41を示す。図3(a)は試料7にアキシコンレンズ41を密着させて載せたものを走査光学系3から見た図であり、図3(b)は図3(a)のA−A線断面図である。
アキシコンレンズ41とは円錐形状のレンズ(円錐レンズ)のことであり、本実施形態では円錐の一部を切り取って円錐台の形状としている。また本実施形態では、この円錐を切り取った円錐台の上面に遮光マスク5を設けている。
アキシコンレンズ41はベッセルビームを生成させる光学素子として一般に用いられているものであり、本実施形態では固浸レンズとして用いるためシリコンを材料として形成している。本実施形態においてもアキシコンレンズ41により赤外レーザ光がベッセルビームとなるので、アキシコンレンズ41と試料7の観察面との距離を高精度に調整しなくても高い解像度が得られる。また、円錐の角度さえ決めれば観察条件が一義的に決定するので、光学系の設計が極めて容易である。
(実施形態3)
実施形態3の検査装置は、赤外レーザ光をベッセルビームにする光学素子として球面レンズを用いていること以外は実施形態1の検査装置と同じであるので、実施形態1と異なっているところを以下に説明する。
図4に本実施形態で用いられる光学素子としての球面レンズ42を示す。図4(a)は試料7に球面レンズ42を密着させて載せたものを走査光学系3から見た図であり、図4(b)は図4(a)のA−A線断面図である。
球面レンズ42は高屈折率ガラスから作られているが、試料7を構成する物質であるシリコンよりは屈折率が低いのでこの屈折率差のためにベッセルビームが生じる。別の言葉でいうと、球面レンズ42の収差を利用してベッセルビームを生成させている。従って、本実施形態においても球面レンズ42により赤外レーザ光がベッセルビームとなるので、球面レンズ42と試料7の観察面との距離を高精度に調整しなくても高い解像度が得られる。なお、ベッセルビームを生じさせる光学素子としては、一つの球面レンズ42のみを用いるのではなく、複数の球面レンズを組み合わせもの、即ち球面レンズ群を用いてもよい。本実施形態の場合は、高精度の球面レンズを入手することは容易であるので安価に検査装置を実現できる。
(その他の実施形態)
以上の実施形態は本発明の例であり、本発明はこれらの実施形態に限定されることはない。例えば、上記実施形態では赤外レーザ光12がハーフミラー2を直進し、反射光14がハーフミラー2で進路を曲げられるとしたが、これを赤外レーザ光12がハーフミラー2で進路を曲げられ、反射光14がハーフミラー2を直進するとしても良い。
上記の実施形態においては、ベッセルビーム13は厳密な意味での非回折性ビームではなく、いずれも近似的な非回折性ビームである。即ち試料7の観察面(LSIパターン形成面)の近傍においてベッセルビームとしての機能を果たしているビームである。また、上記実施形態において各レンズが試料7に密着しているというのは、レンズと試料7との距離が真空における赤外レーザ光12の波長よりも短い状態になっていることをいう。なお、試料7と各レンズ(光学素子)との間に液体を介入させてもよい。液体を介入させると、各レンズをXY微動装置6で移動させるときに抵抗が小さくなり好ましい。また通常、液体の屈折率は1よりも大きいのでレンズとの屈折率差は液体がない場合よりも小さくすることができる。従って、屈折率差によって全反射が生じるようになる入射角を、液体がない場合よりも大きくできて、式(1)のθが小さくなることを防止する効果もある。
検査に用いる光はレーザ光でなくても単色光であれば波長の違いによる収差が生じないので使用することができる。なお、単色光とは波長分布の幅が十分に小さく、目的とする光学解像度に対して収差が無視できる光のみから構成されている光である。単色光は例えば発光ダイオードとフィルターの組み合わせにより得ることができる。
また、ベッセルビーム13を発生させる光学素子をフレネルレンズとしてもよい。フレネルレンズであれば、シリコン板を材料としてLSIパターンを形成するのと同じ工程で容易に作製することができる。
試料7からの反射光14を検出する代わりに試料7の発光を検出して解析を行ってもよい。例えば、電流導入機構10によりLSIパターンに電流を流すようにすると、pn接合において電子とホールとが結合して発光するので、この光を検出して発光の位置を決定するとともにこの発光位置が回路のどの部分に該当するのかを上述の方法で解析するのである。また、このときに落射照明を用いてもよい。
また、図1ではレーザ光12を平行光線のように表現したが、対物レンズなどによって集光されていても良い。ただし、その場合は、回折レンズ4の設計を集光の影響を考慮して行う。アキシコンレンズ41、球面レンズ42またはフレネルレンズなどを用いる場合も同様である。
さらに、ベッセルビーム13の走査方法として走査光学系3による方法と、XY微動装置6による方法とを併せ持つことにしたが、どちらか片方のみでも良い。
また、遮光マスク5は回折レンズ4上に形成したが、これを光路(光源から回折レンズまでの間)上の等価な位置、例えば瞳面などに置いても良い。もちろん、回折レンズ以外のレンズを用いた場合でも同じ事がいえる。
検査の対象とする試料はシリコン半導体装置に限られず、化合物半導体装置、光学部品やマイクロマシーンなどでもよい。
以上説明したように、本発明は、シリコン半導体装置等の検査装置として高い解像度を簡単に得られる点で有用であり、産業上の利用可能性は高い。
本発明の実施形態1に係る半導体検査装置の模式的な構成図である。 (a)は実施形態1に係る光学素子と試料とを上から見た図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 (a)は実施形態2に係る光学素子と試料とを上から見た図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 (a)は実施形態3に係る光学素子と試料とを上から見た図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 固浸レンズによる観察実験に用いた装置を示す模式図である。 従来の球面固浸レンズを用いた検査装置の模式的な構成図である。
符号の説明
1 レーザ光源
2 ハーフミラー
3 走査光学系
4 回折レンズ
5 遮光マスク
6 XY微動装置
7 試料
8 ステージ
9 XY駆動装置
10 電流導入機構
11 光検出器
12 赤外レーザ光
13 ベッセルビーム
14 反射光
41 アキシコンレンズ
42 球面レンズ

Claims (12)

  1. LSIパターンが形成された試料からの応答を解析して当該試料の検査を行う検査装置であって、
    単色光の光源と、前記試料におけるLSIパターン非形成面に密着され固浸レンズとなるベッセルビーム発生素子と、前記試料からの前記応答である光を検出する光検出器とを備え、
    前記ベッセルビーム発生素子は、前記光源から入射された前記単色光からベッセルビームを前記試料におけるLSIパターン形成面付近で生成させ、前記ベッセルビームを前記試料に照射する、検査装置。
  2. 前記ベッセルビーム発生素子は回折レンズまたはフレネルレンズである、請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記ベッセルビーム発生素子はアキシコンレンズである、請求項1に記載の検査装置。
  4. 前記ベッセルビーム発生素子は球面レンズあるいは球面レンズ群である、請求項1に記載の検査装置。
  5. 前記単色光はレーザ光である、請求項1から4の何れか一つに記載の検査装置。
  6. 前記試料からの前記応答は、当該試料のLSIパターンから反射した前記ベッセルビームである、請求項1から5の何れか一つに記載の検査装置。
  7. 前記ベッセルビーム発生素子の表面の一部に、または前記単色光の光路上において当該表面の一部と等価な位置に遮光部を有する、請求項1から6の何れか一つに記載の検査装置。
  8. 前記ベッセルビーム発生素子及び前記試料の少なくとも一方を移動させて当該ベッセルビーム発生素子と当該試料との相対位置を変更させる移動手段をさらに備えている、請求項1から7の何れか一つに記載の検査装置。
  9. 前記ベッセルビーム発生素子に入射する前記単色光の向きを偏向させて走査する手段をさらに備えている、請求項1から8の何れか一つに記載の検査装置。
  10. 前記試料に電流を流す電源装置をさらに備えている、請求項1から9のいずれか一つに記載の検査装置。
  11. LSIパターンが形成された試料のLSIパターン非形成面に密着され固浸レンズとなるベッセルビーム発生素子を用いた当該試料の検査方法であって、
    単色光をベッセルビーム発生素子に入射させる工程と、
    前記ベッセルビーム発生素子により前記試料におけるLSIパターン形成面付近で前記単色光をベッセルビームとする工程と、
    前記ベッセルビームを前記試料に照射する工程と、
    前記試料からの光を検出する工程と
    を備える、検査方法。
  12. 前記試料は半導体装置である、請求項11に記載の検査方法。
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