JP3767986B2 - ブロックヒータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば半導体の製造等においてチップを接着剤によってリードフレームにボンディングするときの加熱に用いられるブロックヒータに係り、特に加熱対象に対して一様な伝熱による均等加熱を可能としたブロックヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、半導体の製造プロセスには、フレームの素材として供給する金属ストリップに対して、リードフレームのパターンを順送り金型等によって多数配列して形成し、金属ストリップの一定長さに対してこれを加熱してチップをリードフレームパターンの搭載面に金属ペースト剤によってボンディングする工程が含まれる。このボンディング工程では、金属ストリップの一定長さ及び幅方向の全域に対して均等に加熱することが必要とされ、この均等加熱に好適なブロックヒータが広く利用されている。そして、この半導体の製造におけるチップのボンディング工程では、金属ストリップを間欠送りしてブロックヒータの加熱面に接触させるか間隔をおいて、金属ストリップを加熱する操作が行われる。
【0003】
ブロックヒータは、耐熱性に優れたステンレス鋼などをたとえば直方体形状のブロック本体とし、このブロック本体の内部に加熱用のヒータを熱源として埋め込んだものである。そして、ヒータに外部から通電してブロック本体の全体を加熱し、このブロック本体からの伝熱によってたとえばボンディングの場合では金属ペースト等の接着剤を硬化させる。
【0004】
このようなボンディング工程において特に重要となるのは、加熱対象すなわちリードフレームの全面を精度良く均一に加熱することである。たとえば、ブロック本体の表面の全体または一部をリードフレームに対する伝熱面とするとき、この伝熱面の全面の温度分布が一様化されていないと、リードフレームの全面に対する熱伝達量が不均一となる。この熱伝達量の不均一性は、金属ペーストの硬化度にむらを引き起こすことになり、最終的にはリードフレームの歪みとなって現れる。そして、このような歪みによってチップにクラックが発生したりして、製品の品質や性能に大きな影響を及ぼすことになる。
【0005】
ところが、ブロックヒータの場合では、ブロック本体の中にヒータを封入して配置するので、その伝熱面の温度分布を一様化することはかなり困難であり、先のような熱伝達量の不均一性は避けられない。
【0006】
たとえば、図10の(a)に示すように、ブロック本体51が直方体状の単純な形状であってヒータ52はその製造の上で最も簡単とされている円形断面の棒状としたときには、ブロック本体51の上端面を伝熱面51aとした場合の温度分布は同図の(b)のようになる。すなわち、ブロック本体51はヒータ52からの伝熱によって加熱されて伝熱面51aから放熱するので、ヒータ52の軸線方向の端部付近では中央部に比べて伝熱量が小さくなる傾向にあることと、ブロック本体51の端面を含んでいてこれが放熱面となることから、ブロック本体51の両端部側が低くなるような温度分布となってしまう。
【0007】
ここで、ブロックヒータにおいてその伝熱面の全体に一様な温度分布が得られない大きな原因として、熱応力の繰返し負荷による劣化を防止するため、耐熱性に優れた熱伝導率の低いものにその素材が限られることが挙げられる。たとえば、ステンレス鋼が好適な材料として選択されることが殆どであり、熱伝導率に優れる銅や銀などを利用しようとしても熱応力の負荷に対する耐用度が低いため、寿命が短くなり実用上には適さない。また、このような熱応力の負荷のほかに、加熱されることによる酸化や磨耗が避けられないことも、素材の選択に際しての重要な因子であり、酸化及び磨耗に対する耐用性を向上させるために、ステンレス鋼が多用されている。
【0008】
これに対し、本願出願人は、ブロックヒータの以上のような問題を解消して、加熱対象に対して一様な加熱を実現できるブロックヒータを提案し、特開平8−335490号として出願公開した。このブロックヒータは、金属製のブロック本体の中に組み込むヒータに加えて、ブロック本体よりも熱伝導率が高い均等加熱用の封入体を備えたものであり、ヒータからの熱伝達をこの封入体によってブロック本体の伝熱面の全体に拡散させることで、加熱対象に対する一様な加熱を可能としたものである。
【0009】
このような封入体を備えるヒータブロックであれば、ブロック本体自身の熱伝導率が低くても、ヒータからの熱を受けた封入体が高い熱伝導率を持つことから、伝熱面側に対して熱伝達量を均一に分散させることができ、伝熱面の温度分布を一様化することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、封入体はブロック本体の中に組み込むとともにブロック本体との間で熱伝達面を持つように組み立てる必要がある。このため、既製品のブロックヒータに対して封入体を新たにブロック本体に加えるように加工することは非常に難しく、既製品への対応ができない。
【0011】
また、封入体はヒータからの熱をブロック本体の伝熱面側に拡散させる機能を持つが、熱伝導率が高い素材を用いるので、封入体自身からの放熱も大きい。このため、先の公報に記載のように封入体の全体がブロック本体で封止されるようにする必要がある。たとえば、封入体の一部がブロック本体の外に曝されるような構成であれば、ヒータからの熱がこの外に曝された部分から多量に放熱されることになり、効率が大きく損なわれてしまう。
【0012】
このように封入体をブロック本体の中に埋め込むように配置するのでは、たとえばブロック本体の一面を伝熱面とした場合、封入体が占める領域はこの伝熱面の広さよりも狭くなる。このため、ヒータからの熱を伝熱面の全体に拡散させようとしても、封入体からずれた位置にある部分の伝熱面に対しての拡散度は低くなり、伝熱面の全体を一様な温度分布に設定できなくなる。したがって、加熱対象よりもブロック本体を大きくしておき、封入体による熱の拡散が加熱対象を十分に捉える範囲とすることができれば、加熱対象に対して均一に加熱できるが、ブロック本体の寸法形状に制約を受けてしまう。
【0013】
以上のように、従来のブロックヒータは、ヒータから伝熱面への熱拡散のために封入体をブロック本体の中に組み込むことがその基本構成なので、既製品のブロックヒータへの対応ができないほか、加熱対象に対する高精度の均一加熱についても改善すべき問題が残っている。
【0014】
本発明において解決すべき課題は、ブロックヒータの伝熱面の全体からの一様な発熱によって加熱対象に対してより一層均一な加熱操作を可能とすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のブロックヒータは、耐熱性の金属を素材としたブロック本体の内部にヒータを組み込み、前記ブロック本体の少なくとも一面を加熱対象に対する伝熱面としたブロックヒータにおいて、前記ブロック本体よりも熱伝導率が高い熱拡散プレートをクランプアームを用いて前記伝熱面のほぼ全面に接合してなることを特徴とする。
【0016】
この構成において、ブロック本体の素材をステンレス鋼またはセラミックとするとともに、熱拡散プレートを銅,銀,アルミニウム,金のいずれかとすることができる。
【0017】
また、本発明においては、ブロック本体よりも熱伝導度が高い高熱伝導材をほぼ全面に展開させて内蔵した熱拡散プレートを備え、この熱拡散プレートをクランプアームを用いて前記伝熱面のほぼ全面に接合したブロックヒータとすることもできる。
【0018】
この場合、ブロック本体の素材をステンレス鋼またはセラミックとするとともに、高熱伝導材を銅,銀,アルミニウム,金のいずれかとすることができる。また、高熱伝導材を熱拡散プレートの内部に形成した中空部に差し込み配置するとともに、高熱伝導材の外表面と中空部の内表面との間に、粘性を有する熱伝達剤を封入したものとしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のブロックヒータの一例を示す斜視図、図2は切欠正面図、図3は図2のA−A線矢視による縦断面図である。
【0020】
図において、ブロックヒータは、その上端面の平面積をたとえばリードフレームの所定長さの加熱処理が可能な程度の大きさとしたブロック本体1によってその基材を構成したものである。このブロック本体1は、酸化や磨耗及び熱応力の繰返し負荷に対する耐用性を持たせるため、耐熱性に優れたステンレス鋼を素材としたものである。図示の例では、ブロック本体は直方体形状の外郭を持ち、その内部にはヒータ2を備えるとともに、これに通電用のリード2a,2bを接続している。
【0021】
ヒータ2は、図3に示すように円形断面を持つ一様な外径の棒状体であり、図2に示すようにブロック本体1の長手方向の全長に及ぶ長さを持つ。ヒータ2をブロック本体1に組み込むため、ブロック本体1にはヒータ2との間の寸法公差を小さくしてこれをきっちりと嵌め合わせる内径とした装着孔1aを設ける。そして、図3に示すように、ヒータ2を装着孔1aの中に差し込んだときには、ヒータ2の外周面と装着孔1aの内周面とが整合して一様に接触する伝熱面が形成され、ヒータ2からの発熱はこの伝熱面を通してブロック本体1の断面全体に伝達される。
【0022】
ブロック本体1の上面には、加熱対象に対して均一に加熱するための熱拡散プレート3を一体に接合する。この熱拡散プレート3は、ブロック本体1の素材よりも高い熱伝導率を持つものであって、たとえば銅などが好適に利用できる。そして、熱拡散プレート3は、ブロック本体1の上面ときっちり整合する平面形状を持ち、ブロック本体1から熱伝達された熱を或る程度蓄熱してアキュムレータとしての機能を持てるような厚さとする。たとえば、ブロック本体1の厚さ(図2において上下方向の長さ)を40mm〜50mmとしたとき、熱拡散プレート3の厚さは3mm〜8mm程度とすることが好ましい。
【0023】
熱拡散プレート3を銅とした場合にはその高い熱伝導率を有効に利用できるが、ブロック本体1と一体化したときには下面を除く全体が外郭材となるので、熱伝達の抵抗とならないような材質のコーティング材によって被覆することにより、表面疵や磨耗の発生を防ぐようにする。また、銅に代えて、ハステロイCやチタン等の金属を利用すれば、その機械的強度が高くまた耐磨耗性も良好なので、コーティングを施さないでそのまま使うことができる。
【0024】
また、熱拡散プレート3をブロック本体1に対して交換できるような組立て構造とすれば、既製品のブロック本体に対しても取り付けて使えるようにすることができる。そして、ブロック本体1への熱拡散プレート3への固定構造としては各種のものが考えられるが、熱拡散プレート3の全域から一様な熱伝達量が得られるようにすることが肝要である。
【0025】
このことから、たとえば最も簡単な固定構造として、ビスを熱拡散プレート3に通してブロック本体1にねじ込む組立て構造とするとき、ビスの本数が多すぎるとこれらのビス部分が熱拡散プレート3の中でスポット的に温度分布が変化するので好ましくない。また、ブロック本体1からの伝熱量は、その平面視で外周縁とくに長手方向の両端(図2において左右方向の両端)の領域が中央域に比べると減衰する傾向にある。このため、このように伝熱量が減衰する領域にビスを通すためのビス孔を開けると、この領域部分の熱拡散プレート3の断面積も減ってしまい、外部への熱伝達量及び蓄熱量も減少する結果となり、加熱対象に対する一様加熱を乱す原因となる。
【0026】
したがって、ビスを用いる固定構造とする場合では、図1に示すように高張力ボルトを利用した4本のビス4をほぼ千鳥状の配列とするとともに熱拡散プレート3の縁から或る程度離れた位置とすれば、熱拡散プレー3の温度分布に対する影響を小さく抑えることができる。たとえば、熱拡散プレート3の長辺が200mm〜300mm程度であって短辺が100mm程度であれば、外周縁からビス4までの距離は15mm程度とすればよい。
【0027】
ビスによる固定構造では、図4に示すように、熱拡散プレート3には座ぐりしたビス孔3bを開けるとともに、ブロック本体1の上面にはタップ穴1bを設ければよい。したがって、ブロック本体1が既製品であっても、このタップ穴1bを開けるだけで熱拡散プレート3を装着したブロックヒータとすることができる。なお、使用するビス4は、高張力ボルトとすることが好ましい。
【0028】
更に、熱拡散プレート3には、サーモカップル等を利用した温度センサ3aを側面から差し込んで固定し、この温度センサ3aからの信号を制御部に入力することにより、ヒータ2への通電量を制御する。
【0029】
以上の構成において、ヒータ2へ通電されたときの熱はブロック本体1の上面から熱拡散プレート3に伝達され、この熱拡散プレート3から放熱される。このとき、熱拡散プレート3はブロック本体1よりも熱伝導率が高いので、ブロック本体1から直接放熱する場合に比べると、熱拡散プレート3の全体が一様な温度分布となるように加熱される。
【0030】
ここで、ヒータ2をブロック本体1に埋め込む配置とすることで、ブロック本体1の外郭の縁部とくに長手方向の両端部では外部への放熱量も多いので、熱拡散プレート3に対する伝熱量は中央部に比べると下がってしまうことは既に述べた。このようなブロック本体1側では表面温度分布の一様さが得られなくても、熱拡散プレート3はその高熱伝導率によってその全体が一様に加熱され、中央部と縁部との間の温度差を極力抑えることができる。また、ビス4によって熱拡散プレート3を固定していても、先に説明したように、温度分布に影響を及ぼすことはなく、温度差の発生と無縁とすることができる。
【0031】
このように、ブロック本体1の表面に高熱伝導率の熱拡散プレート3を備えるだけの簡単な構成で、加熱対象をむらなく一様に加熱する操作が可能となり、半導体の製造におけるチップのボンディング工程等の設備に好適に利用できる。また、熱拡散プレート3は加熱によって酸化して機械的強度等が劣化していくほか、外力による表面磨耗を発生するが、定期的にこれを交換するだけの作業で、熱拡散プレート3による均等加熱が常に維持される。
【0032】
図5はブロックヒータの別の例を示す切欠斜視図、図6は要部の断面図である。
【0033】
この例では、ブロック本体1やヒータ2等については先の例と同様であり、熱拡散プレートの構成を変えた点のみが相違する。すなわち、ブロック本体1の上面に固定する熱拡散プレート5は、内部を切削加工により中空部5aとして形成し、この中空部5aの中に高熱伝導材6を組み込んだ構成であり、この高熱伝導材6によって熱拡散プレート5全体の一様な温度分布化を図る。
【0034】
熱拡散プレート5は、高熱伝導率のものが好ましいが、これよりもむしろその機械的強度及び耐磨耗性を優先させた材料とするため、たとえばステンレス鋼が利用できる。そして、中空部5aの内周面には、熱拡散プレート5と高熱伝導材6の間の熱伝達の促進を図るための熱伝達剤7を塗布する。この熱伝達剤7は、伝熱性を高くするために金属酸化物を配合したグリースとすることができ、含有した金酸化物による伝熱性だけでなく、グリースの潤滑性と粘性とにより高熱伝導材6の中空部5aへの差し込みが容易になり寸法公差を吸収して安定した組込みが可能となる。
【0035】
なお、高熱伝導材6を中空部5aに差し込んだ後には、中空部5aの開放端側をたとえばタングステンイナートガス溶接法によって封止する。また、熱拡散プレート5の温度検出するための温度センサ5bを設けることは先の例と同様である。
【0036】
高熱伝導材6は、たとえば先の例で示した熱拡散プレート3と同様に銅を用いることができ、熱拡散プレート5の厚さを8mm〜10mm程度としたときには4mm〜6mm程度の厚さとすることが好ましい。
【0037】
また、熱拡散プレート5をブロック本体1に固定するための部材として、先の例におけるビスに代えてバネ材などの弾性材を用いたクランプアーム8をブロック本体1の長手方向の両端に設ける。
【0038】
図7はクランプア−ム8の3種類の例の概要を示す図であって、同図の(a)は図5に示した例のクランプア−ム8に相当する。このクランプア−ム8はその基端側をビス8aによってブロック本体1の端面に固定され、基端側から上に向けて緩やかに曲がった形状としてその上端をプルフック8bとしたものである。プルフック8bは、図示のように熱拡散プレート5の上面に被さってこれを押圧するようにして拘束し、熱拡散プレート5の下面をブロック本体1の上面にきっちりと一体化させる。そして、プルフック8bを上に引くとクランプアーム8を上に開くように弾性変形させることができ、これにより熱拡散プレート5をブロック本体1から取り外すことができる。
【0039】
図7の(b)は熱拡散プレート5の端面を傾斜面5cとし、クランプア−ム8のプルフック8bがこの傾斜面5cに当たって熱拡散プレート5の上面よりも上に突き出さないようにしたものである。また、図7の(c)は熱拡散プレート5の端部を階段状の段差部5dとしたもので、この段差部5dにクランプア−ム8のプルフック8bが当たるようにして、同図(b)の例と同様に熱拡散プレート5の上側へのクランプア−ム8の突き出しを防止している。このような突き出しがない構成とすることで、熱拡散プレート5の上面にリードフレーム等を載せて直に加熱するような場合でも、クランプア−ム8がリードフレームに干渉することはなく、連続処理ラインでの加熱操作にも対応できる。
【0040】
また、クランプア−ム8はブロック本体1及び熱拡散プレート5の長手方向の両端部において上面の一部を押圧するだけなので、先の例におけるビスを用いる場合に比べると、ブロック本体1から熱拡散プレート5への熱伝達量を少なくすることができ、この熱拡散プレート5の全体の温度分布をより一層均一化することが可能となる。
【0041】
このような高熱伝導材6を封止した熱拡散プレート5を備えるものでは、熱拡散プレート5自身が高熱伝導性でなくても、これに内蔵された高熱伝導材6が介在することによって、ブロック本体1からの熱を熱拡散プレート5の全体に一様に分布させることができる。したがって、熱拡散プレート5によって加熱対象を均一に加熱する操作が可能となるほか、熱拡散プレート5の材質を機械的強度が高くしかも耐磨耗性も高いものとすることによって、外郭材としても支障なく使うことができる。
【0042】
なお、高熱伝導材6を封止した熱拡散プレート5を備えた場合、たとえば加熱温度が300℃程度であれば、加熱対象に対する加熱の誤差は1〜2℃程度の範囲に抑えられることを、本発明者等は実験により確認した。
【0043】
また、高熱伝導材6を内蔵した熱拡散プレート5は、図示のようにブロック本体1に固定して使用するだけでなく、バーナ等の加熱手段によって加熱して使用することもできる。すなわち、バーナで加熱対象を直に加熱する場合では、火炎のゆらぎや方向性及び燃焼率等の影響を受けて、均一加熱が比較的難しいが、熱拡散プレート5を加熱対象に臨む部分に適切な治具を用いて保持することによりバーナからの熱を受け、これを均一化して加熱対象を加熱することができる。
【0044】
図8は図5に示したブロックヒータを複数配列した加熱ユニットとした例である。
【0045】
この加熱ユニットは、3個のブロックヒータを全て同じ姿勢として一定の間隔をおいて配列したものである。このような加熱ユニットでは、それぞれの熱拡散プレート5に全て一様な温度分布を持たせることができるので、ヒータ2への通電量を同じにして熱拡散プレート5からの加熱温度を等しくしたときでも、各ブロックヒータどうしの熱的な干渉がない。
【0046】
すなわち、熱拡散プレート5の温度分布が一様でない場合、隣接しているものどうしの熱拡散プレート5の一方の温度が高くて他方が低いときには、低い温度の熱拡散プレート5側へ熱伝達されて全体の熱拡散プレート5の温度が定常化していく。このため、加熱ユニット自体からみれば放熱量の全体が設定値に対して変動することになり、加熱温度を高精度で厳しく管理しなければならない。
【0047】
これに対し、高熱伝導材6を内蔵した熱拡散プレート5ではその温度分布を一様化できるので、これを複数配列した加熱ユニットとしていても、相互の熱的な干渉がない。したがって、加熱ユニットからの放熱量の総量の変動を抑えることができ、加熱対象に必要な最適温度での加熱操作が可能となる。また、ヒータブロックどうしを近接配列したユニットとした場合でも、熱拡散プレート5どうしの間の熱干渉は同様に生じないので、大きな加熱量を必要とする場合や加熱対象の加熱面積が広い場合にも十分対応できる。
【0048】
図9は加熱面積を広くした場合のヒータブロックであって、従来構造と合わせて示す概略斜視図である。
【0049】
同図の(a)は従来構造を適用したものであり、ブロック本体55には4本のヒータ56が備えられ、ブロック本体55を加熱対象に対する伝熱面としている。このような構成では、伝熱面が4本のヒータ56による発熱の合成によって加熱されるが、ブロック本体55がステンレス鋼などのように熱伝導率が比較的低いものでは、伝熱面の温度分布の一様化は難しい。このため、伝熱面側の温度検知をより確実にするためには、図示のように各ヒータ56に対応するように4本の温度センサ57を組み込み、これらの温度センサ57によって得られる温度を伝熱面の温度分布として捉えることになる。
【0050】
同図の(b)は図5で示したブロック本体の幅を長くして伝熱面を大きくしたものである。この例では、ブロック本体11の中に4本のヒータ12がそれぞれ平行間隔をおいて配列され、これらのヒータ12と上端の伝熱面との間に1枚の熱拡散プレート13を配置している。この熱拡散プレート13はその内部に先の例と同様に高熱伝導材13aを備えたもので、4本のヒータ12の全域を覆うように展開して配置することにより、各ヒータ12からの熱を受けてその高熱伝導材13aによって伝熱面側に一様に熱を伝達する。このため、熱拡散プレート13から伝熱面にかけての全体が一様の温度分布となるように加熱される。
【0051】
なお、熱拡散プレート13は図5に示したものと同様なクランプアームによってブロック本体11に接合することができ、幅を広くしたクランプアームとすれば、接合力も十分なものとすることができる。
【0052】
このように複数のヒータ12を配列していても1枚の熱拡散プレート13による温度分布の一様化が可能なので、1個の温度センサ14をたとえば幅方向の中央部に対応させて組み込めば、ブロック本体11の伝熱面の温度を確実に捉えることができる。したがって、同図の(a)に示した従来構造に比べると、1の温度センサ14で対応できるので、温度制御のための回路が簡単になり、コストの低減も可能となる。
【0053】
なお、以上の各例においては、ブロック本体をステンレス鋼として説明したが、これに代えてセラミックを素材としたものでも同様の作用効果が得られる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1の発明では、ブロック本体よりも熱伝導率が高い熱拡散プレートを伝熱面のほぼ全面に接合することによって、ブロック本体の全体の嵩に比べてヒータが小さいような場合でも、熱拡散プレートによってブロック本体の伝熱面の全体に相当する領域を一様な温度分布とすることができるので、加熱むらを生じることなく安定した加熱操作が可能となる。
【0055】
請求項2の発明では、ブロック本体と熱拡散プレートのそれぞれの素材をマッチングさせることによって、ブロック本体の耐熱強度が維持できるとともに、伝熱面側の温度分布の一様化も最適化される。
【0056】
請求項3の発明では、熱拡散プレートの中に高熱伝導材を備えるので、この高熱伝導材によって速やかに熱を拡散させて伝熱面の全体に相当する領域を一様な温度分布とすることができ、加熱むらがより一層確実に防止できる。また、ヒータだけを内蔵した従来のブロックヒータの既製品に対しても後付けで組み立てることができるので、汎用性も向上する。
【0057】
請求項4の発明では、高熱伝導材とは無関係に、熱拡散プレートとして機械的強度や耐磨耗性も高い金属材料を選択することによって、熱拡散プレートを外郭材としてそのまま利用でき、ブロック本体と熱拡散プレートとにおる簡単な2層構造の製品が得られる。
【0058】
請求項5の発明では、熱伝達剤によって熱拡散プレートと高熱伝導材との間の熱伝達が促進されるので、熱拡散プレートの温度分布の一様化がより確実に行なわれ、加熱むらをより効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブロック本体に一枚の金属板で形成した熱拡散プレートを備えたブロックヒータの概略斜視図である。
【図2】 図1のブロックヒータの一部切欠正面図である。
【図3】 図2のA−A線矢視による縦断面図である。
【図4】 ビスによる熱拡散プレートの固定構造の要部を示す縦断面図である。
【図5】 高熱伝導材を内蔵した熱拡散プレートをブロック本体に備えたブロックヒータの概略斜視図である。
【図6】 図5のB−B線矢視による縦断面図である。
【図7】 クランプアームによる熱拡散プレートのブロック本体への固定を示す要部の概略図である。
【図8】 図5のブロックヒータを3個近接配置して加熱ユニットとした例を示す概略斜視図である。
【図9】 複数のヒータを内蔵する例であって、(a)は従来構造を適用した例を示す概略斜視図、(b)は熱拡散プレートの中に高熱伝導材を内蔵した例を示す斜視図である。
【図10】 従来例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ブロック本体
1a 装着孔
1b タップ穴
2 ヒータ
2a,2b リード線
3 熱拡散プレート
3a 温度センサ
3b ビス孔
4 ビス
5 熱拡散プレート
5a 中空部
5b 温度センサ
6 高熱伝導材
7 熱伝達剤
8 クランプア−ム
11 ブロック本体
12 ヒータ
13 熱拡散プレート
14 温度センサ

Claims (5)

  1. 耐熱性の金属を素材としたブロック本体の内部にヒータを組み込み、前記ブロック本体の少なくとも一面を加熱対象に対する伝熱面としたブロックヒータにおいて、前記ブロック本体よりも熱伝導率が高い熱拡散プレートをクランプアームを用いて前記伝熱面のほぼ全面に接合してなるブロックヒータ。
  2. 前記ブロック本体の素材をステンレス鋼またはセラミックとするとともに、前記熱拡散プレートを銅,銀,アルミニウム,金のいずれかとしてなる請求項1記載のブロックヒータ。
  3. 耐熱性の金属を素材としたブロック本体の内部にヒータを組み込み、前記ブロック本体の少なくとも一面を加熱対象に対する伝熱面としたブロックヒータにおいて、前記ブロック本体よりも熱伝導度が高い高熱伝導材をほぼ全面に展開させて内蔵した熱拡散プレートを備え、この熱拡散プレートをクランプアームを用いて前記伝熱面のほぼ全面に接合してなるブロックヒータ。
  4. 前記ブロック本体の素材をステンレス鋼またはセラミックとするとともに、前記高熱伝導材を銅,銀,アルミニウム,金のいずれかとしてなる請求項3記載のブロックヒータ。
  5. 前記高熱伝導材を前記熱拡散プレートの内部に形成した中空部に差し込み配置するとともに、前記高熱伝導材の外表面と前記中空部に内表面との間に、粘性を有する熱伝導剤を封入してなる請求項3または4記載のブロックヒータ。
JP31246197A 1997-11-13 1997-11-13 ブロックヒータ Expired - Lifetime JP3767986B2 (ja)

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