JP3766814B2 - 触媒燃焼装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気化した燃料を空気と混合して触媒層で触媒燃焼する触媒燃焼装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
火炎燃焼に比べて燃焼温度が低く、無炎で燃焼する触媒燃焼が知られている。触媒燃焼は、NOxなどの燃焼排ガス中の有害成分が少ないクリーンな燃焼方法である。また、燃焼音が小さいので静かであり、さらに、炎が出ないので安全性の高い燃焼方法でもある。また、触媒燃焼層から放出される大量の赤外線を活かすことができるなどの様々なメリットがあるので、暖房用あるいは乾燥用の機器などとして開発が進められている。
【0003】
前方にプレート状の触媒層が配置され、この触媒層の後方に、気化された燃料と空気とを混合して前方の触媒プレートに供給する供給室が設けられた触媒燃焼装置は、前面の触媒プレートから放出される赤外線を暖房用などとして効率良く用いることができるものである。このタイプの触媒燃焼装置は、触媒プレートから供給室内に放射される赤外線により供給室内が加熱されるので、触媒燃焼による熱によって燃料と空気とを余熱することができ、簡易な構成で安定した触媒燃焼を実現できる。さらに、燃料としては、ガスなどの気体はもちろん、軽油などの液体燃料を気化させた燃料を用いることができるが、供給室内において触媒燃焼の熱により液体燃料を気化することも可能であり、このような触媒燃焼装置においては、供給室は気化室と呼ばれることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
触媒燃焼装置では、触媒燃焼中に、供給室の温度が上がり過ぎると、供給室内において燃料が有炎燃焼する、いわゆる逆火現象(バック燃焼)が生じる。火炎燃焼が生ずると、無炎燃焼を特徴とする触媒燃焼の効果が得られない。一方、供給室の温度が低すぎると、触媒プレートの温度が低下してしまい、燃焼効率が低下し、最悪の場合、燃焼が継続しなくなる。また、液体燃料を気化するタイプの燃焼装置であると、供給室の温度が低下すると気化効率が低下したり、再液化の現象が発生して燃焼効率が低下する。したがって、供給室の温度は、バック燃焼が発生しない程度の高温に保持することが望ましい。
【0005】
しかしながら、供給室の温度は、様々な要因によって変化する。たとえば、供給室に供給される外気の温度(外気温)が上昇すれば、供給室の温度は上昇するのでバック燃焼は発生しやすくなる。触媒燃焼装置の出力を上げたタイミングでは、燃料と空気の供給量が増すので供給室の温度は低下し、逆に出力が下がるタイミングでは供給室の温度は上昇する傾向となる。さらに、供給室の容量が大きければ、様々な要因による温度変化は比較的小さなものとなるが、供給室の容量をできるだけ小さくしてコンパクトな触媒燃焼装置を提供しようとすると温度変化は大きくなり易く、バック燃焼が発生する可能性も高くなる。
【0006】
バック燃焼そのものは、発生したときに短期間、燃料の供給を遮断することにより容易に消すことができるので、火炎が発生したことにより危険な状態になることはない。しかしながら、断続的に燃料を遮断する状態が継続することは、不安定な状態とユーザに判断されやすく、好ましい燃焼状態とは言えない。また、火炎の発生と停止とを繰り返すことにより、振動や急激な温度変化が触媒プレートに加わるので、耐久性が劣化する要因にもなる。一方、バック燃焼が発生しないような設計を採用すると、供給室の温度が下がり気味になり、燃焼効率が低下したり、不完全燃焼を起こす要因になる。また、供給室を大きくするような設計は経済的な設計とは言えない。
【0007】
そこで、本発明においては、触媒燃焼装置の様々な環境が変化しても、バック燃焼が発生しない程度の高温で供給室の温度を維持することができる触媒燃焼装置およびその制御方法を提供する。そして、コンパクトで、燃焼効率が良く、さらに、低騒音、クリーンな排ガスなどの触媒燃焼のメリットを享受することができる触媒燃焼装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の触媒燃焼装置においては、触媒燃焼中に、火炎が検出されたと判断すると、供給室に供給される外気量を上げるという制御を採用する。供給室に供給される外気量を上げることにより、供給室の温度が低下するので、バック燃焼を防止できる。また、外気量を上げてバック燃焼を防止することにより、燃料量を低下させないので、触媒燃焼装置の出力は、ユーザが要望する目標の出力に保持できる。さらに、供給室の温度を一定にするような間接的な制御ではなく、直に火炎の有無を見て制御するので、上述した通りに、バック燃焼が発生しない程度に供給室を高温に維持することが可能となり、最も燃焼効率の良く、安定した状態に触媒燃焼装置を維持することができる。
【0009】
すなわち、本発明の触媒燃焼装置は、気化した燃料を触媒燃焼する触媒プレートと、触媒プレートに燃料と外気を混合して供給する供給室と、この供給室に供給される外気の量を、目標値に基づき制御する制御手段と、供給室で発生した火炎を検出する手段と、供給室の温度を測定する手段と、外気温度を測定する手段とを有し、制御手段は、触媒燃焼中に、火炎が検出されたと判断すると、目標値を上げ、供給室の温度が低下したと判断すると、目標値を下げ、さらに、外気温度が所定の範囲を超えて変動したと判断すると、それ以前の目標値を一旦キャンセルし、その外気温度において基本的に安定した触媒燃焼が得られるように予め外気温度に関連付けされた値に目標値を設定する。したがって、本発明の触媒燃焼装置を制御する方法は、供給室に供給される外気の量を、目標値に基づき制御する工程と、触媒燃焼中に、火炎が検出されたと判断すると、目標値を上げる工程と、供給室の温度が低下したと判断すると、目標値を下げる工程と、外気温度が所定の範囲を超えて変動したと判断すると、それ以前の目標値を一旦キャンセルし、その外気温度において基本的に安定した触媒燃焼が得られるように予め外気温度に関連付けされた値に目標値を設定する工程とを有する。この制御方法は、シーケンサで実現することも可能である。また、マイクロコンピュータなどのプログラム制御装置を搭載している触媒燃焼装置においては、プログラム制御装置により、供給室に外気を供給するブロワの回転数の目標値を、触媒燃焼中に、供給室で発生した火炎を検出する手段により火炎が検出されたと判断すると、上げ、供給室の温度を測定する手段により供給室の温度が低下したと判断すると、下げ、さらに、外気温度を測定する手段により外気温度が所定の範囲を超えて変動したと判断すると、それ以前の目標値を一旦キャンセルし、その外気温度において基本的に安定した触媒燃焼が得られるように予め外気温度に関連付けされた値に設定する、制御を行うためのプログラムあるいは制御プログラム製品を、適当な記録媒体に記録して提供したり、コンピュータネットワークを介して提供することにより実現できる。
【0010】
火炎が検出されたことにより風量を上げてバック燃焼が発生しない程度に供給室の温度を制御したときに、燃焼条件などが変わってバック燃焼が再び発生したときは再び風量を上げることで対処できる。しかしながら、バック燃焼が発生しない場合は、供給室の温度が下がりすぎる可能性が残る。そこで、供給室の温度を測定する手段を設け、制御手段は、供給室の温度、たとえば、供給室の外殻の温度が低下したと判断すると、目標値を下げることが望ましい。すなわち、制御方法においては、供給室の温度が低下したと判断すると、目標値を下げる工程を設けておくことが望ましい。この工程により、風量を下げて供給室の温度を上げることができる。風量を下げたことによりバック燃焼が生ずると、それにより風量が上がるので、バック燃焼が発生しない程度に供給室の温度を高くした状態にできる。
【0011】
触媒燃焼装置の環境が変わったときに、バック燃焼が発生しない程度に供給室の温度を高くするには、その環境にあった状態で触媒燃焼させた後に、火炎の検出による風量調整が最終的に行われるようにすることが望ましい。したがって、外気温度については、外気温度を測定する手段を設け、制御手段は、外気温度が所定の範囲を超えて変動したと判断すると、それ以前の目標値を一旦キャンセルし、その外気温度に予め関連付けされたに目標値を設定、その後、火炎が検出されると、目標値に加算することが望ましい。その外気温度に予め関連付けされた値(外気温要因値)は、外気温度を変数とする関数で求めても良いし、外気温度に対して予め設定されたルックアップテーブルから求めても良い。もちろん、気圧などの他の影響を加味した関数やルックアップテーブルにすることも可能である。
【0012】
また、供給室の温度が設定値より低いと判断されたときも、それに予め関連付けされた室温要因値を外気温要因値から引いた値に目標値を一旦リセットし、その後、火炎が検出された回数に関連した火炎要因値を目標値に加算することが望ましい。火炎が検出されたことによる風量増加により供給室の温度が低下して風量を減少することが必要となるような制御を繰り返さないためには、火炎要因値による変動幅を、室温要因値による変動幅より小さくすることが望ましい。
【0013】
本発明の触媒燃焼装置およびその制御方法においては、環境が変化しても、バック燃焼が発生しない程度の高温で供給室の温度を維持することができる。このため、燃焼効率が良く、さらに、低騒音、クリーンな排ガスなどの触媒燃焼のメリットを最大限に活かすことができるコンパクトで低コストな触媒燃焼装置と制御方法を提供できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1に、本発明に係る触媒燃焼装置の概略構成を示してある。本例の触媒燃焼装置1は、灯油などの液体燃料70を気化室(供給室)12で気化させた後、気化室12の前面に配置された触媒プレート20で燃焼させるものである。触媒プレート20は、金属製、または、セラミック製の部材であり、例えば、ハニカム構造の金属、あるいは、アルミン酸石灰−溶解シリカ−酸化チタンなどが用いられる。金属あるいはセラミックが触媒であったり、それらが白金などの燃焼用の触媒の担体となり、所定の温度で気化された燃料が酸素(空気)と共に供給されると触媒燃焼が行われる。触媒燃焼により触媒プレート20は高温になり、セラミック製または金属製の触媒プレートから赤外線が放出される。触媒プレート20の前面21から放出された赤外線は暖房などの目的で利用できる。一方、後面22から放出された赤外線は、気化室12を加熱して気化室12に放出された液体燃料70を気化するために用いられる。
【0015】
気化室12は、SUS430およびアルミ含有のフェライト系などの耐熱性の材料により外殻(シェル)11が形成された中空のスペースである。気化室12の後方には、燃料ポンプ7から供給された液体燃料70を噴霧する燃料噴霧部13、燃焼用空気71として外気を供給するブロワ(送風機)15、およびブロワ15を駆動するブロワモータ15aが配置されている。本例の燃料噴霧部13は、バーナーとしての機能も備えており、気化室12および触媒層20を予熱するときはこのバーナー13から噴霧された液体燃料にイグナイター14で点火し火炎を形成する。一方、触媒燃焼中は、バーナー13から液体燃料を着火せずに噴霧することにより、気化室12でガス化した燃料70と外気71を混合した混合気体72を生成して触媒プレート20に供給する。
【0016】
気化室12には、さらに、触媒層20に面し、これとほぼ平行に対峙するようにSUS製で多孔性の輻射板30が配置されている。この輻射板30は、触媒層20の後面22からの輻射熱を直に受ける。したがって、触媒燃焼が開始すると、その熱を受けて高温となり、気化室12の後方から供給される液体燃料70と接触し、その気化を促進する。輻射板30はSUSの表面にセラミックを溶射したもの、または、セラミック製であっても良い。
【0017】
本例の触媒燃焼装置1は、気化室12の火炎を検出する火炎センサ40を備えている。火炎センサ40としては火炎の発する波長の光を検出する光センサを用いることができ、本例ではCdS(カドミウムセル)を採用している。この火炎センサ40は、予備燃焼中は、バーナー13から火炎が正常に生成されているかを監視し、触媒燃焼中は、逆火(バック燃焼)が発生したか否かを検出するために用いられる。
【0018】
また、気化室12のシェル11には、気化室温度センサ41が取り付けられている。この温度センサ41は、接触型の測温抵抗体などが用いられており、気化室12の室内温度の代表値として検出および利用される。さらに、外気温度を検出する温度センサ42が設けられており、気化室12に供給される燃焼用空気の温度を計測できるようになっている。
【0019】
本例の触媒燃焼装置1の制御装置50は、これらセンサ40〜42からの出力を利用して予備燃焼および触媒燃焼を制御する。本例の制御装置50は、マイクロコンピュータであり、予備燃焼および触媒燃焼のシーケンスを制御するシーケンス制御部51と、燃料ポンプ7の動作を制御するポンプ制御部52と、ブロワモータ15aを制御するブロワ制御部53と、火炎センサ40からの出力により火炎の有無を判断する火炎検出部54と、ブロワ制御部53に対して目標となる回転数を供給する目標値設定部55と、目標値設定部55において参照されるルックアップテーブル56を備えている。
【0020】
目標値設定部55は、外気温度センサ42の出力により第1の目標値57tを設定する第1の設定機能57と、気化室温度センサ41の出力により第1の目標値から第2の目標値58tを設定する第2の設定機能58と、火炎検出部54の出力により第2の目標値から第3の目標値59tを設定する第3の設定機能59を備えている。そして、第3の目標値59tがブロワ制御部53の目標値Tbとなり、この目標値Tbの回転数となるようにブロワモータ15aが制御され、その結果、気化室12に供給される外気の量が制御される。
【0021】
図2に、目標値設定部55において参照されるルックアップテーブル56の一例を示してある。本例のルックアップテーブル56は、レンジR1〜R8へ50または100ピッチで数値が増加する5つのパターンP1〜P5の値が設定されている。まず、第1の設定機能57により、外気温度センサ42の測定温度θ1によりレンジR1〜R8のいずれかが選択される。さらに、制御装置50にはディップスイッチ45が接続されており、ディップスイッチ45の値によりパターンP1〜P5のいずれか選択されている。したがって、外気温度センサ42の出力により第1の目標値57tが決まる。
【0022】
ディップスイッチ45は、触媒燃焼装置1をある場所に設置したときにマニュアルで設定されるものであり、たとえば、触媒燃焼装置1が設置された標高により値が変えられる。標高が高いと空気の密度が小さくなるので、全体として回転数の高いパターンP5に近い適当なパターンが選択される。また、外気温度θ1が高くなると空気の密度は小さくなる。したがって、外気温度θ1が大きくなると、選択されたパターンの中で回転数の高いレンジR8に近い、予め外気温度θ1と関連付けられたレンジの値が第1の目標値57tとして設定される。
【0023】
第2の設定機能58においては、気化室温度センサ41の値が、予め設定された設定値S1以下になると、第1の目標値57tとして選択されたパターンPをひとつ下げた同じレンジRの値が第2の目標値58tとして設定される。同じレンジRであっても、パターンPをひとつ小さくすることにより回転数は100から200rpm程度減少するように本例のルックアップテーブル56は作られている。したがって、気化室12に供給される外気の量は減少し、気化室12の温度が高くなる方向に条件が変えられる。一方、気化室温度センサ41の値が、設定値S1より大きければ、第1の目標値57tがそのまま第2の目標値58tとして設定される。設定値S1は、気化室12の大きさ、シェル11の厚み、気化室12の温度の代表として測定している位置などによって大きく変わる。本例においては、気化室12の温度が低下して再液化したときに温度変化が現れやすいシェル11の下面の温度を気化室12の代表値として測定しており、200℃前後の値を設定値S1として採用している。
【0024】
第3の設定機能59においては、火炎検出機能54により火炎が検出されると、第2の目標値58tと同じパターンPの中でレンジRが1つ大きな値が第3の目標値59tとして設定される。同じパターンPの中ではレンジRを大きくすることにより、回転数は50から100rpm程度増加するように本例のルックアップテーブル56は作られている。したがって、気化室12に供給される外気の量は増加し、気化室12の温度が低くなる方向に条件が変えられ、バック燃焼が発生し難くなる。本例のルックアップテーブル56は、第1の目標値57tが決まったときに、第2の設定機能58および第3の設定機能59で選択されうる範囲では、パターンPの間の回転数の差が、レンジRの間の回転数の差より大きくなるように作られている。したがって、第1の状態から、第2の設定機能58によりパターンPが1つ小さくなって風量が減少して気化室12の温度が上昇しバック燃焼が発生したときに、次に第3の設定機能59でレンジRが1つ大きくなって風量が増加しても、第1の状態に戻ることはなく、同じ状態をサイクリックに繰り返して不安定になることはないようにしている。
【0025】
図3に、触媒燃焼装置1の動作の概要をフローチャートにより示してある。ステップ81で予備燃焼用を開始するためにブロワ15をスタートする。ブロワモータ15aの回転数は、ルックアップテーブル56に類似したテーブルが用意されており、予め設定されたパターン内で外気温度に応じて選択される。次にステップ82でバーナー13から燃料70を噴霧してイグナイタ14で着火し、予備燃焼を開始する。気化室12の温度が所定の温度に達すると、ステップ83で一旦燃料ポンプ7を停止して火炎を消し触媒燃焼(本燃焼)へ移行する準備が整う。
【0026】
本燃焼では、ステップ84で、目標値設定部55により風量の目標値Tbがセットされ、ステップ85で、ブロワ制御部53がその目標値Tbとなるようにブロワモータ15aを駆動して所望の空気が気化室12に供給されるようにする。次に、ステップ86で、燃料ポンプ制御部52が燃料ポンプ7を起動する条件が整っていれば燃料ポンプ7を起動して触媒燃料を開始する。予備燃焼が終了するために燃料ポンプ7を停止した後や、バック燃焼により一旦燃料ポンプ7を止めた後に、条件が整っていれば、ステプ88で触媒燃焼を開始または再開する。一方、条件が整っていないときはステップ84に戻って、再開できる条件が成立するまで待つ。この際、エラーや停止信号により燃料ポンプ7を停止する場合は、ステップ87で判断して燃料ポンプ7を停止し、触媒燃焼装置1を停止するシーケンスに入る。また、触媒燃焼中に、火炎検出部54が火炎センサ40により火炎が検出されたと判断されると、ステップ89でバック燃焼が発生したと判断し、ステップ90で燃料ポンプ7を一時的に停止する。
【0027】
図4に、ステップ84において風量の目標値を設定する処理をさらに詳しく示してある。ステップ91で外気温度センサ42から外気温度θ1を取得し、ステップ92で気化室温度センサ41から気化室温度θ2を取得する。次に、ステップ93において、本燃焼の開始時(初期)または外気温度θ1が図2に示したルックアップテーブル56の範囲以上に変動したときは、ステップ94において、第1の設定機能57により、それ以前に設定されていた目標値Tbを一旦キャンセルして、外気温度θ1とディップスイッチ45から選択される第1の目標値57tを目標値Tbとして設定する。したがって、外気温度θ1が変動すると、以下で説明する気化室温度θ2およびバック燃焼を反映した目標値Tbはクリアされ、外気温度θ1に対応した新たにパターンPおよびレンジRの値が目標値Tbとしてセットされる。外気温度θ1に対応した目標値Tbが基本的には安定した触媒燃焼が得られる風量であり、外気温度θ1が変動すると、基本的な設定に戻ることにより、基本的な設定から離れた状態で本燃焼が継続されるのを防止できる(メインループ)。
【0028】
また、ステップ95において、気化室温度θ2が設定値S1以下に低下すると、ステップ96において、第2の設定機能58により、それ以前に設定されていた目標値Tbを一旦キャンセルして、気化室温度θ2が設定値S1以下になったときの第2の目標値58tが目標値Tbとして設定される。したがって、気化室温度θ2が低下すると、以下で説明するバック燃焼を反映した目標値Tbはクリアされ、外気温度θ1に対応したパターンPより1つ小さなパターンPで同じレンジRの値が目標値Tbとしてセットされる。このため、風量が低下して、気化室温度θ2が上昇する方向の制御となる(低温ループ)。
【0029】
さらに、ステップ97において、火炎検出部54により火炎が発生したと判断されると、ステップ98において、第3の設定機能59により、目標値Tbは、それ以前に選択されているパターンPの中で、それ以前に選択されているレンジRより1つ大きなレンジRの値が目標値Tbとしてセットされる。このため、風量が増加して、気化室温度θ2が低下し、バック燃焼が発生しにくい条件となる(高温ループ)。
【0030】
このように、本例の触媒燃焼装置1の制御方法であると、バック燃焼が生ずると、燃料ポンプ7を一時停止してバック燃焼を速やかに解消すると共に、気化室12に供給される風量を上げることによりバック燃焼が継続して発生することを防止できる。その条件で外気温度θ1が上昇し、レンジRを1つ大きくすると、バック燃焼は発生しないかもしれないが、適正な触媒燃焼に対して風量が多すぎて気化室12の温度が低下したり、ブロワ15を駆動するための消費電力が必要以上に多くなりすぎる可能性がある。これに対し、本例では、外気温度θ1が変動すると、一旦、バック燃焼により増加した目標値Tbを、外気温度θ1で選択される値にリセットしている。その後、バック燃焼が発生すると、自動的にレンジRの大きな値が目標値Tbとしてセットされ、バック燃焼が発生しない程度の風量が選択される。したがって、風量の目標値Tbとしては常にバック燃焼が発生しない程度の最小限の値が選択され、気化室12の温度は、バック燃焼が発生しない程度に高い、理想的な状態に保持される。また、その条件でブロワ15により消費される電力も最小になるので、補機動力として消費される電力も抑えることができる。
【0031】
このように、本例の触媒燃焼装置1は、制御部50を介して、気化室12の状態に基づいて、ブロワモータ15aの回転数を変動させ、ブロワ15の出力を補正することにより気化室12の温度を最適に維持できる。すなわち、本例の触媒燃焼装置1においては、上記のフローチャートに基づき説明した制御方法あるいは燃焼方法にしたがい風量を制御することにより、触媒層の輻射熱により加温されるタイプの気化室の条件を最適な状態に自動制御することが可能である。したがって、気化室における液体燃料70の気化不足や逆火が未然に防止されており、安全で効率の良い触媒燃焼を安定して維持できる触媒燃焼装置を提供できる。このため、無炎で、窒素酸化物などの有害物質の生成割合が低く、さらに匂いや騒音も少ないという数多くの触媒燃焼のメリットを最大限に生かすことができる触媒燃焼装置を提供できる。
【0032】
なお、上記においては、ルックアップテーブル56を参照して目標値を設定するプログラムによる制御方法の例を説明している。しかしながら、外気温度θ1、気化室温度θ2あるいはバック燃焼の回数などを変数とした関数から目標値を算出するようにプログラムを組むことも可能であり、そのようなプログラムも本発明の範囲に含まれる。また、制御装置50は、マイクロコンピュータをベースとしたものに限らず、ワイヤードロジックタイプのシーケンサであっても本発明の制御方法を実現できる。
【0033】
さらに、上記では、触媒プレートに燃料を供給する供給室を、液体燃料を気化する気化室として利用している触媒燃焼装置を例に本発明を説明している。しかしながら、予めガス化された燃料を供給室で空気と混合して触媒プレートに供給する触媒燃焼装置においても本発明を適用することにより、バック燃焼の発生を防止しながら、効率の良い状態で触媒燃焼を安定して継続できる触媒燃焼装置を提供できる。
【0034】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の触媒燃焼装置およびその制御方法においては、バック燃焼(逆火現象)の有無を監視し、バック燃焼があると風量を上げて供給室内の温度を下げて、供給室が、バック燃焼が発生しない程度の高い温度で維持されるようにしている。したがって、実際に発生したバック燃焼を検出することにより、供給室に供給される風量を制御するので、より確実に、バック燃焼が発生しない程度に供給室の温度を高温に維持することができる。触媒燃焼中に、供給室の温度が上がり過ぎてバック燃焼(逆火現象)が発生するのを回避できる。
【0035】
また、供給室の温度が下がり過ぎり、液体燃料を気化するときに気化不足などにより触媒燃焼が不安定になるのも防止できる。このため、ガス化燃料を触媒燃焼する装置にはもちろん、上述した触媒層あるいは触媒プレートからの輻射熱により液体燃料を気化する気化室として供給室を利用する触媒燃焼装置において、高効率で安全な触媒燃焼を安定して維持できる触媒燃焼装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る触媒燃焼装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示す触媒燃焼装置の制御に用いられるルックアップテーブルの一例を示す図である。
【図3】図1に示す触媒燃焼装置の制御を示すフローチャートである。
【図4】風量の目標値を設定する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 触媒燃焼装置
7 燃料ポンプ
11 気化室のシェル
12 気化室
13 噴霧装置(バーナー)
14 イグナイタ
15 ブロワ
15a ブロワモータ
20 触媒層(触媒プレート)
30 輻射板
40 火炎センサ
41 気化室の温度センサ
42 外気温度センサ
50 制御部(制御装置)
70 液体燃料(灯油)

Claims (7)

  1. 気化した燃料を触媒燃焼する触媒プレートと、
    前記触媒プレートに燃料と外気を混合して供給する供給室と、
    この供給室に供給される外気の量を、目標値に基づき制御する制御手段と、
    前記供給室で発生した火炎を検出する手段と
    前記供給室の温度を測定する手段と、
    外気温度を測定する手段とを有し、
    前記制御手段は、触媒燃焼中に、火炎が検出されたと判断すると、前記目標値を上げ
    前記供給室の温度が低下したと判断すると、前記目標値を下げ、
    さらに、
    外気温度が所定の範囲を超えて変動したと判断すると、それ以前の目標値を一旦キャンセルし、その外気温度において基本的に安定した触媒燃焼が得られるように予め外気温度に関連付けされた値に前記目標値を設定する、触媒燃焼装置。
  2. 請求項1において、前記制御手段は、予め外気温度に関連付けされる値を含むルックアップテーブルを参照し、前記供給室の温度が設定値より低いと、前記予め外気温度に関連付けされた値に対して引いた値を前記目標値として設定し、
    火炎が検出されると、前記予め外気温度に関連付けされた値に対して加算された値を前記目標値として設定する、触媒燃焼装置。
  3. 請求項2において、前記ルックアップテーブルは、予め外気温度に関連付けされる値のパターンを複数有し、
    さらに、それらのパターンのいずれかを選択するためのスイッチを有する、触媒燃焼装置。
  4. 気化した燃料と外気を供給室で混合して触媒層に供給し、触媒燃焼させる触媒燃焼装置制御する方法であって、
    この供給室に供給される外気の量を、目標値に基づき制御する工程と、
    触媒燃焼中に、火炎が検出されたと判断すると、前記目標値を上げる工程と
    前記供給室の温度が低下したと判断すると、前記目標値を下げる工程と、
    外気温度が所定の範囲を超えて変動したと判断すると、それ以前の目標値を一旦キャンセルし、その外気温度において基本的に安定した触媒燃焼が得られるように予め外気温度に関連付けされた値に前記目標値を設定する工程とを有する方法。
  5. 請求項4において、前記目標値を下げる工程では、予め外気温度に関連付けされる値を含むルックアップテーブルを参照し、前記供給室の温度が設定値より低いと、前記予め外気温度に関連付けされた値に対して引いた値を前記目標値として設定し、
    前記目標値を上げる工程では、前記ルックアップテーブルを参照し、火炎が検出されると、前記予め外気温度に関連付けされた値に対して加算された値を前記目標値として設定する、方法。
  6. 気化した燃料と外気を供給室で混合して触媒層に供給し、触媒燃焼させる触媒燃焼装置を制御するプログラム制御装置のプログラムであって、
    前記プログラム制御装置により、前記供給室に外気を供給するブロワの回転数の目標値を、
    触媒燃焼中に、前記供給室で発生した火炎を検出する手段により火炎が検出されたと判断すると、上げ、
    前記供給室の温度を測定する手段により前記供給室の温度が低下したと判断すると、下げ、
    外気温度を測定する手段により外気温度が所定の範囲を超えて変動したと判断すると、それ以前の目標値を一旦キャンセルし、その外気温度において基本的に安定した触媒燃焼が得られるように予め外気温度に関連付けされた値に設定する、制御を行うためのプログラム。
  7. 請求項6において、前記プログラム制御装置により、予め外気温度に関連付けされる値を含むルックアップテーブルを参照し、前記供給室の温度が設定値より低いと前記予め外気温度に関連付けされた値に対して引いた値を前記目標値として設定し、火炎が検出されると、前記予め外気温度に関連付けされた値に対して加算された値を前記目標値として設定するための、プログラム。
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