JP3763448B2 - 始動電動機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンを始動する始動電動機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来の始動電動機を示す部分断面図である。
図2において、始動電動機は、回転力を発生する始動モータ3と、この始動モータ3の回転を減速して出力する遊星減速装置5、遊星減速装置5の出力軸4に嵌合するオーバーランニングクラッチ6、このオーバーランニングクラッチ6と一体に出力軸4上を摺動可能に設けられたピニオン7、始動モータ3への通電を制御するとともに、樹脂製のシフトレバー10を介してオーバーランニングクラッチ6と一体にピニオン7をエンジンのリングギヤ8側へ付勢する電磁スイッチ9等から構成されている。
【0003】
始動モータ3は、底部を有する円筒形状に形成され、外枠と磁気回路を兼ねるヨーク11、このヨーク11の内周面に周方向に等間隔で配設される永久磁石12、この永久磁石12の内周に配されるアマーチャ13、アマーチャ13の回転軸14に装着された整流子15、この整流子15に摺接するように配設されたブラシ17等から構成される。そして、リヤブラケット2がヨーク11の後端外周に嵌合されてヨーク11に結合されて、回転軸14の後端を支承している。また、フロントブラケット1がヨーク11の前端外周に嵌合されてヨーク11に結合されている。ブラシ17は、アマーチャ13の後端側に設けられた整流子15の径方向外側に配置され、ブラシホルダ16に摺動可能な状態で保持されて、ブラシスプリング18により常に整流子15に付勢されている。
【0004】
遊星減速装置5は、回転軸14の前端に装着され、その出力軸4がフロントブラケット1に支承されている。
遊星減速装置5は、回転軸14の前端外周に形成されたサンギヤ20、このサンギヤ20と噛み合う複数のプラネタリギヤ21、各プラネタリギヤ21と噛み合うインターナルギヤ22とから構成されている。サンギヤ20は、回転軸14と一体に回転することで回転軸14の回転を各プラネタリギヤ21に伝達する。プラネタリギヤ21は、出力軸4の後端に形成されたアウタ4aに固定されたピン4bを介してアウタ4aに回転自在に支持され、サンギヤ20の回転を受けてサンギヤ20の外周を自転しながら公転する。インターナルギヤ22は、フロントブラケット1に嵌着されて回転規制されている。出力軸4は、その後端が回転軸14の前端に回転自在に嵌合され、前端がフロントブラケット1に支承されている。
【0005】
オーバーランニングクラッチ6は、軸方向の移動が可能で、かつ、回転運動が伝達されるように出力軸4に装着されているスラストスプライン30と、クラッチインナ31と、スラストスプライン30の回転運動をクラッチインナ31に伝達するローラ32と、スラストスプライン30のリヤ側に固着され、シフトレバー10の一端10bに係合して、シフトレバー10の揺動力をスラストスプライン30に伝達するスペースカラー36となどから構成されている。
スラストスプライン30は、出力軸4にヘリカルスプライン結合されているボス部30a、カム底部30aおよびクラッチアウタ30cが一体に成形され、ピニオン側開放構造となっている。そして、クラッチアウタ30cは、周方向で一方向に漸次小さくなる楔状の周方向形状をなし、かつ、軸方向に一様な内径を有する複数の切り欠きが内周面に等角ピッチで軸方向に延設されてなる楔形状のポロフィールを有している。
クラッチインナ31は、その外周面が軸方向に一様な外径を有する円筒形状に形成され、そのフロント側にリングギヤ8に動力を伝達するピニオン7が一体に形成されている。そして、このクラッチインナ31は、出力軸4に回転自在に装着されており、そのリヤ側がクラッチアウタ30cの内側に配置されて、その外周面とクラッチアウタ30cの各切り欠きとの間で楔状空間を構成している。
クラッリアウタ30cとクラッチインナ31とで構成される各楔状空間内には、ローラ32が周方向に移動可能に収納され、さらに各ローラ32を該楔状空間の狭い方向に付勢する押圧ばね(図示せず)が収納されている。さらに、ワッシャ33がクラッチアウタ30cの開放側に固定され、ローラ32の軸方向の移動が規制されている。
また、ストッパ35が出力軸4のフロント側に装着され、クラッチインナ31のフロントブラケット1への接触を阻止している。
【0006】
シフトレバー10は、その中間の支点部10aを中心として回動可能に取り付けられ、その一端10bがオーバーランニングクラッチ6に係合され、他端10cが始動モータ3上方に取り付けられた電磁スイッチ9のプランジャ40に連結されている。また、パッキン19がシフトレバー10の支点部10aを支持するようにフロントブラケット1の切り欠きに嵌め込まれている。
【0007】
電磁スイッチ9は、始動モータ3および遊星減速装置5の外周に位置し、その中心軸が出力軸4と略平行に配されている。この電磁スイッチ9は、通電を受けて磁力を発生するスイッチコイル41、このスイッチコイル41の外周を覆って磁気回路の一部を構成するフレーム42、スイッチコイル41の内周の後端側に配されて磁気回路の一部を構成するコア43、スイッチコイル41の内周に軸方向に摺動自在に配されたプランジャ40、コア43とプランジャ40との間に配設されてプランジャ40を常時前方へ付勢するリターンスプリング44、プランジャ40の内周に軸方向に摺動自在に配されたフック45、コア43の軸心位置に軸方向に摺動自在に配されたコンタクトロッド46、コンタクトロッド46の後端に取り付けられて始動モータ3への通電回路を開閉する可動接点47、可動接点47に相対して配されて外部配線との接続を行う一対の固定接点48等により構成されている。
【0008】
フック45は、レバーばね49により常時後方に付勢されている。そして、フック45のプランジャ40からの延出端に設けられた係合部45aがシフトレバー10の他端10cに係合している。また、コンタクトロッド46は、スプリング50により常時前方に付勢されている。さらに、ストッパ51がプランジャ40の開放端に取り付けられてレバーばね49の抜けを阻止している。
【0009】
つぎに、このように構成された従来の始動電動機の動作について説明する。
キースイッチ(図示せず)を閉じると、電流がスイッチコイル41に流れ、プランジャ40がスイッチコイル41の発生する磁力を受けてコア43に吸引される。これにより、プランジャ40は、リターンスプリング44の付勢力に抗して後方(図2中矢印Aの方向)に移動する。このプランジャ40の移動に伴って、フック45が後方側に移動する。そして、係合部45aがシフトレバー10の他端10cに係合し、シフトレバー10が支点部10aを回動中心として図2中反時計回りに回動する。このシフトレバー10の回動によりその一端10bがオーバーランニングクラッチ6のリヤ側端面を当接し、オーバーランニングクラッチ6が前方に押圧されて、オーバーランニングクラッチ6とピニオン7とが一体となって出力軸4上を前方(図2中矢印Bの方向)に移動する。ピニオン7の端面がリングギヤ8の端面に当接した時点で、オーバーランニングクラッチ6とピニオン7との移動は止まるが、プランジャ40は、レバーばね49を圧縮させながらさらに吸引されて移動してコンタクトロッド46に当接する。その後、プランジャ40は、スプリング50を圧縮させながらコンタクトロッド46とともにさらに後方に移動する。そして、可動接点47が固定接点48に当接すると、プランジャ40は、スプリング52を圧縮させながらさらにコンタクトロッド46を押圧しつつ移動し、プランジャ40の端面がコア43の端面に到達した時点で移動を停止する。
【0010】
可動接点47が一対の固定接点48に当接すると、電流がリード線53、ブラシ17および整流子15を介してアマーチャ13に流れ、アマーチャ13が回転する。このアマーチャ13の回転トルクが遊星減速装置5を介して出力軸4に伝達され、出力軸4が回転する。この時、アマーチャ13の回転は、遊星減速装置5により減速さて出力軸4に伝達される。
この出力軸4の回転に伴ってピニオン7も回転し、ピニオン7のリングギヤ8に対する当接位置が噛み合い可能な位置までずれると、レバーばね49の蓄勢力が放勢されてオーバーランニングクラッチ6とピニオン7とが前方に押し出され、ピニオン7がリングギヤ8に噛み合う。この時、ピニオン7がストッパ35に当接して、フロントブラケット1との衝突が回避される。これにより、出力軸4の回転トルクがリングギヤ8に伝達され、エンジンが駆動される。
【0011】
エンジンが着火された後、キースイッチを切ると、スイッチコイル41への通電が停止される。そこで、磁気吸引力がプランジャ40に作用しなくなり、コンタクトロッド46がスプリング50、52の蓄勢力により前方に戻され、コア43の端面に当接して停止する。また、プランジャ40がリターンスプリング44の蓄勢力により前方に戻される。そして、フック45がプランジャ40の移動に伴って所定の位置まで前方に移動して停止する。この時、フック45の係合部45aがフロントブラケット1の内壁面に当接する場合もある。さらに、このプランジャ40の移動に伴ってシフトレバー10が支点部10aを回動中心として図2中時計回りに回動する。このシフトレバー10の回動により、その一端10bがオーバーランニングクラッチ6のスペースカラー36に当接し、オーバーランニングクラッチ6とピニオン7とが一体となって出力軸4上を後方に移動する。そして、スペースカラー36が遊星減速装置5のインターナルギヤ22のフロント側端面に当接して停止する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の始動電動機は、以上のように構成されているので、下記に記載されるように、動作時に各部品が衝突して衝撃音を発生し、乗り心地を悪化させてしまうという課題があった。特に、アイドルストップシステムを採用している車両においては、始動電動機の起動回数が著しく多くなり、即ち衝撃音の発生回数が著しく多くなり、益々乗り心地が悪化してしまっていた。
まず、始動電動機の始動動作、プランジャ40がコア43に磁気吸引されてコンタクトロッド43に衝突することになる。ここで、プランジャ40が鉄製であり、コンタクトロッド43が鉄等の金属製であるので、プランジャ40とコンタクトロッド43との衝突時に乗員に不快な金属音の衝撃音が発生してしまう。ついで、レバーばね49の蓄勢力の放勢により、ピニオン7がリングギヤ8に噛み合う際に、ピニオン7がストッパ35に衝突することになる。ここで、ピニオン7とストッパ35とがアルミ等の金属製であるので、ピニオン7とストッパ35との衝突時に乗員に不快な金属音の衝撃音が発生してしまう。
一方、エンジンが着火されてキースイッチが閉成されると、リターンスプリング44の蓄勢力の放勢により、スペースカラー36がインターナルギヤ22の端面に衝突することになる。ここで、スペースカラー36およびインターナルギヤ22がアルミなどの金属製であるので、スペースカラー36とインターナルギヤ22との衝突時に乗員に不快な金属音の衝撃音が発生してしまう。また、スプリング50、52の蓄勢力の放勢により、コンタクトロッド46がコア43のリヤ側端面に衝突することになる。ここで、コンタクトロッド46およびコア43が鉄製であるので、コンタクトロッド46とコア43との衝突時に乗員に不快な金属音の衝撃音が発生してしまう。さらに、プランジャ40が戻りきった時に、フック45の係合部45aがフロントブラケット1の内壁面に衝突することになる。ここで、係合部45aおよびフロントブラケット1がアルミなどの金属製であるので、係合部45aとフロントブラケット1との衝突時に乗員に不快な金属音の衝撃音が発生してしまう。
【0013】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、始動動作および戻り動作時に当接する部品間に衝撃緩衝部材を介装させ、金属同士の衝撃音の発生を抑えて、乗り心地のよい車両を実現できる始動電動機を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る始動電動機は、始動モータと、この始動モータにより回転駆動される出力軸と、この出力軸にスプライン結合されたオーバーランニングクラッチと、このオーバーランニングクラッチと一体に上記出力軸上を軸方向に摺動可能に設けられ、上記オーバーランニングクラッチを介して伝達された回転をエンジンのリングギヤに伝達するピニオンと、上記出力軸と平行に、かつ、軸方向に往復移動可能に配設されたプランジャ、軸方向に往復移動可能に配設され、上記プランジャの軸方向一側への移動時に、該プランジャに押圧されて軸方向一側に移動し、上記始動モータへの通電を行わせる接点を閉成するコンタクトロッド、上記プランジャを取り囲むように配設され、通電されて上記プランジャを軸方向一側に移動させる磁気吸引力を発生するスイッチコイル、および、上記コンタクトロッドが挿通されて上記スイッチコイルの内周一端側に配設され、磁気回路の一部を構成するとともに、上記プランジャの軸方向一端側の停止位置および上記コンタクトロッドの軸方向他端側の停止位置を規定するコアを有する電磁スイッチと、上記プランジャの往復移動力を上記オーバーランニングクラッチに伝達するシフトレバーと備えた始動電動機において、衝撃緩衝部材が上記プランジャと上記コンタクトロッドとの当接面の少なくとも一方に配設されているものである。
【0020】
また、上記始動モータの回転を減速して上記出力軸に伝達する遊星減速装置を備え、上記衝撃緩衝部材が上記遊星減速装置と上記オーバーランニングクラッチとの当接面の少なくとも一方に配設されているものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る始動電動機を示す部分断面図である。
図1において、凹部がプランジャ40のコンタクトロッド46に対向する端面にコンタクトロッド46の当接領域より大径に形成され、NBRゴムやCRゴムなどからなるシート状の弾性部材61が該凹部に収納固着されている。また、NBRゴムやCRゴムなどからなる環状の弾性部材62がストッパ62のピニオン7に対向する面にピニオン7側に突出するように嵌着されている。また、NBRゴムやCRゴムなどからなる環状の弾性部材63がインターナルギヤ22のフロント側端面のスペースカラー36に対向する部位に設けられた凹溝にフロント側に突出するように嵌着されている。また、NBRゴムやCRゴムなどからなる環状の弾性部材64がコア43のコンタクトロッド挿通孔のリヤ側に嵌着されている。この弾性部材64は、コンタクトロッド46が戻り切った時にコンタクトロッド46に当接してコンタクトロッド46の戻り位置を規定する内径形状に形成されている。さらに、NBRゴムやCRゴムなどからなるシート状の弾性部材65がフロントブラケット1の内壁面の結合部45aに対向する部位に設けられた凹部に係合部45a側に突出するように収納固着されている。ここで、弾性部材61〜65は衝撃緩衝部材を構成している。なお、他の構成は図2に示される従来の始動電動機と同様に構成されている。
【0022】
つぎに、このように構成された始動電動機の動作について説明する。
キースイッチ(図示せず)を閉じると、電流がスイッチコイル41に流れ、プランジャ40がスイッチコイル41の発生する磁力を受けてコア43に吸引される。これにより、プランジャ40は、リターンスプリング44の付勢力に抗して後方(リヤ側)に移動する。このプランジャ40の移動に伴って、フック45が後方側に移動する。そして、係合部45aがシフトレバー10の他端10cに係合し、シフトレバー10が支点部10aを回動中心として図1中反時計回りに回動する。このシフトレバー10の回動によりその一端10bがオーバーランニングクラッチ6のリヤ側端面を当接し、オーバーランニングクラッチ6が前方(フロント側)に押圧されて、オーバーランニングクラッチ6とピニオン7とが一体となって出力軸4上を前方に移動する。そして、ピニオン7の端面がリングギヤ8の端面に当接した時点で、オーバーランニングクラッチ6とピニオン7との移動は止まるが、プランジャ40は、レバーばね49を圧縮させながらさらに吸引されて移動して弾性部材61を介してコンタクトロッド46に押し当たる。その後、プランジャ40は、スプリング50を圧縮させながらコンタクトロッド46とともにさらに後方に移動する。そして、可動接点47が固定接点48に当接すると、プランジャ40は、スプリング52を圧縮させながらさらにコンタクトロッド46を押圧しつつ移動し、プランジャ40の端面がコア43の端面に到達した時点で移動を停止する。
【0023】
また、可動接点47が一対の固定接点48に当接すると、電流がリード線53、ブラシ17および整流子15を介してアマーチャ13に流れ、アマーチャ13が回転する。このアマーチャ13の回転トルクが遊星減速装置5を介して出力軸4に伝達され、出力軸4が回転する。この時、アマーチャ13の回転は、遊星減速装置5により減速さて出力軸4に伝達される。
この出力軸4の回転に伴ってピニオン7も回転し、ピニオン7のリングギヤ8に対する当接位置が噛み合い可能な位置までずれると、レバーばね49の蓄勢力が放勢されてオーバーランニングクラッチ6とピニオン7とが前方に押し出され、ピニオン7がリングギヤ8に噛み合う。この時、ピニオン7がストッパ35に嵌着された弾性部材62に当接し、それ以上の移動が阻止される。これにより、出力軸4の回転トルクがリングギヤ8に伝達され、エンジンが駆動される。
【0024】
そして、エンジンが着火された後、キースイッチを切ると、スイッチコイル41への通電が停止される。そこで、磁気吸引力がプランジャ40に作用しなくなり、コンタクトロッド46がスプリング50、52の蓄勢力により前方に戻され、コア43のリヤ側端面に配設された弾性部材64に当接して停止する。また、プランジャ40がリターンスプリング44の蓄勢力により前方に戻される。そして、フック45がプランジャ40の移動に伴って前方に移動し、フック45の係合部45aがフロントブラケット1の内壁面に配設された弾性部材65に当接して停止する。さらに、このプランジャ40の移動に伴ってシフトレバー10が支点部10aを回動中心として図1中時計回りに回動する。このシフトレバー10の回動により、その一端10bがオーバーランニングクラッチ6のスペースカラー36に当接し、オーバーランニングクラッチ6とピニオン7とが一体となって出力軸4上を後方に移動する。そして、スペースカラー36が遊星減速装置5のインターナルギヤ22のフロント側端面に配設された弾性部材63に当接して停止する。
【0025】
このように、この実施の形態1では、弾性部材61がプランジャ40のコンタクトロッド46に対向する端面に配設されているので、始動動作時に、プランジャ40は弾性部材61を介してコンタクトロッド46に衝突することになり、金属同士の直接的な衝突が回避される。
また、弾性部材62がストッパ62のピニオン7に対向する面に配設されているので、始動動作時に、レバーばね49の蓄勢力の放勢により、ピニオン7がリングギヤ8に噛み合う際に、ピニオン7は弾性部材62を介してストッパ35に衝突して停止することになり、金属同士の直接的な衝突が回避される。
また、弾性部材63がインターナルギヤ22のフロント側端面のスペースカラー36に対向する部位に配設されているので、戻り動作時に、リターンスプリング44の蓄勢力の放勢により、ピニオン7とリングギヤ8との噛み合いが解除される際に、スペースカラー36は弾性部材63を介してインターナルギヤ22の端面に衝突して停止することになり、金属同士の直接的な衝突が回避される。
また、弾性部材64がコア43のコンタクトロッド挿通孔のリヤ側に配設されているので、スプリング50、52の蓄勢力の放勢によるコンタクトロッド46の戻り動作時に、コンタクトロッド46が弾性部材64を介してコア43に衝突して停止することになり、金属同士の直接的な衝突が回避される。
さらに、弾性部材65がフロントブラケット1の内壁面の結合部45aに対向する部位に配設されているので、プランジャ40が戻りきった時に、フック45の係合部45aは弾性部材65を介してフロントブラケット1の内壁面に衝突して停止することになり、金属同士の直接的な衝突が回避される。
【0026】
このように、この実施の形態1では、始動電動機の始動動作や戻り動作において、金属部品同士の直接的な衝突が回避され、即ち金属部品同士が弾性部材61〜65を介して衝突するようになり、乗員に不快な金属音の衝撃音がなくなるので、この始動電動機を搭載することで乗り心地のよい車両が実現できる。
【0027】
なお、上記実施の形態1では、プランジャ40のコンタクトロッド46に対向する面に弾性部材61を配設するものとしているが、弾性部材61はコンタクトロッド46のプランジャ40に対向する面に配設してもよく、コンタクトロッド46およびプランジャ40の両方に配設してもよい。また、弾性部材62〜65についても、衝突する部品の少なくとも一方に配設すればよい。
また、上記実施の形態1では、プランジャ40とコンタクトロッド46との当接部、ピニオン7とストッパ35との当接部、インターナルギヤ22とスペースカラー36との当接部、コンタクトロッド46とコア43との当接部さらには係合部45aとフロントブラケット1との当接部に弾性部材を配設するものとしているが、他の金属部品同士の当接部に弾性部材を配設してもよいことはいうまでもないことである。
【0028】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、回転軸14の回転を出力軸4に伝達する遊星減速装置5を備えた始動電動機に適用するものとして説明しているが、この実施の形態2では、回転軸14のフロント側が延設されて出力軸と一体化された直動型の始動電動機に適用するものとしている。
この実施の形態2では、始動モータ3の外枠を構成するヨーク11のフロント側端面のスペースカラー36に対向する部位にNBRゴムやCRゴムなどからなる弾性部材を配設させている。そこで、戻り動作時に、リターンスプリング44の蓄勢力の放勢により、ピニオン7とリングギヤ8との噛み合いが解除される際に、スペースカラー36は弾性部材を介してヨーク11の端面に衝突して停止することになり、金属同士の直接的な衝突が回避される。
従って、この実施の形態2においても、乗員に不快な金属音の衝撃音がなくなるので、この始動電動機を搭載することで乗り心地のよい車両が実現できる。
【0029】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0030】
この発明によれば、始動モータと、この始動モータにより回転駆動される出力軸と、この出力軸にスプライン結合されたオーバーランニングクラッチと、このオーバーランニングクラッチと一体に上記出力軸上を軸方向に摺動可能に設けられ、上記オーバーランニングクラッチを介して伝達された回転をエンジンのリングギヤに伝達するピニオンと、上記出力軸と平行に、かつ、軸方向に往復移動可能に配設されたプランジャ、軸方向に往復移動可能に配設され、上記プランジャの軸方向一側への移動時に、該プランジャに押圧されて軸方向一側に移動し、上記始動モータへの通電を行わせる接点を閉成するコンタクトロッド、上記プランジャを取り囲むように配設され、通電されて上記プランジャを軸方向一側に移動させる磁気吸引力を発生するスイッチコイル、および、上記コンタクトロッドが挿通されて上記スイッチコイルの内周一端側に配設され、磁気回路の一部を構成するとともに、上記プランジャの軸方向一端側の停止位置および上記コンタクトロッドの軸方向他端側の停止位置を規定するコアを有する電磁スイッチと、上記プランジャの往復移動力を上記オーバーランニングクラッチに伝達するシフトレバーと備えた始動電動機において、衝撃緩衝部材が上記プランジャと上記コンタクトロッドとの当接面の少なくとも一方に配設されているので、スイッチコイルへの通電のON/OFFに起因するプランジャとコンタクトロッドとの衝突による衝撃音が低減され、乗り心地のよい車両が実現できる始動電動機が得られる。
【0032】
また、上記出力軸に配設されて、上記ピニオンの軸方向他端側の停止位置を規制するストッパを備え、上記衝撃緩衝部材が上記ピニオンと上記ストッパとの当接面の少なくとも一方に配設されているので、ピニオンとストッパとの衝突による不快な金属音がなくなる。
【0033】
また、上記衝撃緩衝部材が上記コンタクトロッドと上記コアとの当接面の少なくとも一方に配設されているので、コンタクトロッドとコアとの衝突による不快な金属音がなくなる。
【0034】
また、上記プランジャの軸方向他端側に延設され、該プランジャの往復移動力を上記シフトレバーに伝達するフックを備え、上記衝撃緩衝部材が上記フックとブラケットとの当接面の少なくとも一方に配設されているので、フックとブラケットとの衝突による不快な金属音がなくなる。
【0035】
また、上記衝撃緩衝部材が上記始動モータと上記オーバーランニングクラッチとの当接面の少なくとも一方に配設されているので、始動モータとオーバーランニングクラッチとの衝突による不快な金属音がなくなる。
【0036】
また、上記始動モータの回転を減速して上記出力軸に伝達する遊星減速装置を備え、上記衝撃緩衝部材が上記遊星減速装置と上記オーバーランニングクラッチとの当接面の少なくとも一方に配設されているので、遊星減速装置とオーバーランニングクラッチとの衝突による不快な金属音がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る始動電動機を示す部分断面図である。
【図2】 従来の始動電動機を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 フロントブラケット、3 始動モータ、4 出力軸、5 遊星減速装置、6 オーバーランニングクラッチ、7 ピニオン、8 リングギヤ、9 電磁スイッチ、10 シフトレバー、35 ストッパ、36 スペースカラー、40 プランジャ、41 スイッチコイル、43 コア、45 フック、46 コンタクトロッド、61〜65 弾性部材(衝撃緩衝部材)。

Claims (2)

  1. 始動モータと、この始動モータにより回転駆動される出力軸と、この出力軸にスプライン結合されたオーバーランニングクラッチと、このオーバーランニングクラッチと一体に上記出力軸上を軸方向に摺動可能に設けられ、上記オーバーランニングクラッチを介して伝達された回転をエンジンのリングギヤに伝達するピニオンと、上記出力軸と平行に、かつ、軸方向に往復移動可能に配設されたプランジャ、軸方向に往復移動可能に配設され、上記プランジャの軸方向一側への移動時に、該プランジャに押圧されて軸方向一側に移動し、上記始動モータへの通電を行わせる接点を閉成するコンタクトロッド、上記プランジャを取り囲むように配設され、通電されて上記プランジャを軸方向一側に移動させる磁気吸引力を発生するスイッチコイル、および、上記コンタクトロッドが挿通されて上記スイッチコイルの内周一端側に配設され、磁気回路の一部を構成するとともに、上記プランジャの軸方向一端側の停止位置および上記コンタクトロッドの軸方向他端側の停止位置を規定するコアを有する電磁スイッチと、上記プランジャの往復移動力を上記オーバーランニングクラッチに伝達するシフトレバーと備えた始動電動機において、
    衝撃緩衝部材が上記プランジャと上記コンタクトロッドとの当接面の少なくとも一方に配設されていることを特徴とする始動電動機。
  2. 始動モータと、この始動モータにより回転駆動される出力軸と、この出力軸にスプライン結合されたオーバーランニングクラッチと、このオーバーランニングクラッチと一体に上記出力軸上を軸方向に摺動可能に設けられ、上記オーバーランニングクラッチを介して伝達された回転をエンジンのリングギヤに伝達するピニオンと、上記出力軸と平行に、かつ、軸方向に往復移動可能に配設されたプランジャ、軸方向に往復移動可能に配設され、上記プランジャの軸方向一側への移動時に、該プランジャに押圧されて軸方向一側に移動し、上記始動モータへの通電を行わせる接点を閉成するコンタクトロッド、上記プランジャを取り囲むように配設され、通電されて上記プランジャを軸方向一側に移動させる磁気吸引力を発生するスイッチコイル、および、上記コンタクトロッドが挿通されて上記スイッチコイルの内周一端側に配設され、磁気回路の一部を構成するとともに、上記プランジャの軸方向一端側の停止位置および上記コンタクトロッドの軸方向他端側の停止位置を規定するコアを有する電磁スイッチと、上記プランジャの往復移動力を上記オーバーランニングクラッチに伝達するシフトレバーと備えた始動電動機において、
    上記始動モータの回転を減速して上記出力軸に伝達する遊星減速装置を備え、上記衝撃緩衝部材が上記遊星減速装置と上記オーバーランニングクラッチとの当接面の少なくとも一方に配設されていることを特徴とする始動電動機。
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