JP3759730B2 - 折りたたみ自転車 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、折りたたみ自転車に関するものである。不使用時に自転車のサイズを縮小するように自転車を折りたたむことを可能にして自転車の収納を容易にする多くの自転車構造が存在する。
【０００２】
全てのそのような自転車は、前部と後部と中央部とを有するフレームを具備しており、前記前部にはかじ取り柱が回動可能に取り付けられており、前記かじ取り柱は、第一車輪を備えた下端部とハンドルバーを備えた上端部とをもっており、前記後部には第二車輪が取り付けられており、そして前記中央部は、それに取り付けられた座席と、伝動手段によって後輪に接続されたペダルユニットとを有している。
【０００３】
非折りたたみ状態では、当該の自転車の構造に関係なく、座席、ペダルユニット、かじ取り柱、前輪、及び後輪は全て同一平面に含まれ、そして自転車は、それを輸送手段として使用するために必要な安定性を自転車が提供することができるほど十分長い軸距（つまり自転車の前輪と後輪との間の距離）をもたらす。
【０００４】
対照的に折りたたみ状態の場合は、自転車を構成する要素の配列は、検討される自転車構造によって異なる。
【０００５】
文献の欧州特許出願公開第０３２３９６４号明細書及び英国特許出願公開第２０２１０５５号明細書が、自転車が折りたたみ状態にあるとき、ほぼ並んで延在する車輪を有する自転車を開示している。その構成は、コンパクトであるため利点が多い。しかし、その構成は、そのような自転車の構造を作ることが比較的複雑であるように、平行ではない軸をもつヒンジによって互いに接続された要素をフレームが提供することを必要とする。自転車を折りたたむことと展開することは、特に実行が必要な操作の複雑さのために常に簡単であるとは限らない。更に、自転車がたたまれると通常は自転車を運ぶことが必要であり、そしてそのことが特に自転車の重量のために困難であることがある。
【０００６】
文献の欧州特許出願公開第０３８８５４０号明細書が、自転車が折りたたみ状態にあるとき、車輪がその一方を他方の背後に延在させるところの自転車を開示している。それでもなお、この場合も自転車の構造は比較的複雑である。さらに、自転車の構成要素の配置が一旦折りたたまれることを仮定すると、折りたたまれた自転車を運搬する唯一の方法は、それを運ぶことである。
【０００７】
このように公知の折りたたみ自転車では、歩行者ゾーン（歩行者道路もしくは店舗等の屋内に含まれる敷地）に入る使用者は、使用者の傍らで非折りたたみ状態の自転車を押すか、あるいは自転車を歩行者エリアの外に置いて行かねばならず、前記非折りたたみ状態の自転車を押す場合は、特に非常に混雑した地域では、自転車の全長と劣った操作性を仮定すると自転車は他の歩行者の進路の中に入り込むという危険を冒し、又、自転車を歩行者エリアの外に置いて行かねばならない場合は使用者は自転車が盗まれるという危険を冒し、そうでなければ自転車を折りたたみそして歩行者エリアに進入するために自転車を運ばなくてはならず、この場合は使用者は、あちこち動き回るのを妨害されておそらく直ぐに疲れるであろう。
【０００８】
前部と中央部と後部とをもつフレームを具備する折りたたみ自転車も知られており、前記前部にはかじ取り柱が取り付けられており、前記かじ取り柱が、第一車輪を備えた下端と、ハンドルバーを備えた上端とを有しており、前記中央部に座席とペダルユニットとが取り付けられており、前記後部が、第一端部と、反対側の第二端部とを有するアームを具備しており、前記第一端部に第二車輪が取り付けられていて、前記第二車輪が伝動手段によってペダルユニットに接続されており、後輪が、前輪に対して離間した位置と近接した位置との間で移動可能であるように、反対側の前記第二端部がヒンジによって中央部に接続されている。このように、前輪と後輪を自転車の平面に維持したまま自転車の軸距を短縮することが可能であり、その結果自転車は、なお走行可能であり、また使用者に横から押されることにより案内されることができる。そして使用者が、自転車の短い軸距の故に歩行者エリアにいる他の人に妨害されることなく自転車を押しながら歩行者エリアに入り込むことはより簡単である。それでもなお、様々な位置にある自転車を取り扱うこととロックすることが比較的複雑であることに成り行く。
【０００９】
本発明の目的は、構造がより単純で、折りたたみと展開の操作が簡単に速く実施できる、前述のタイプの折りたたみ自転車を提案することである。
【００１０】
この目的を達成するために、折りたたみ自転車は、使用中の位置と収容位置との間で滑動するために中央部に取り付けられた立パイプの中に滑動可能に収容された柱に固定された座席を具備しており、前記使用中の位置で、座席はペダルユニットから離れ、又、立パイプのショルダ面が中央部の下に当接しており、そして前記収容位置では、座席がペダルユニットに近接しており、さらに立パイプは離間位置にあるアームをロックするための手段を有しており、立パイプがその使用中の位置にあるとき、前記手段は、アームの第二端部と協働するように作られていて、立パイプの収容位置の方に向かう立パイプの運動を妨げる。
【００１１】
立パイプを取り扱うことが、車輪を離間された位置でロックすることを可能にして、ロックが簡単に素早く実行可能になる。ロック手段は、二つの機能、即ち後輪がその離間位置から離れることを防ぐことと、立パイプをその使用中の位置に維持することとを果たし、従って単純な構造を提供する。更に、座席柱のために滑動する立パイプを使用することは、折りたたみ状態にある自転車がコンパクトな構造を有することを可能にする。
【００１２】
アームの第二端が、中央部の対応する面に当接して後輪の離間位置を規定するために、ヒンジを越えたアーム当接面を有することが好ましく、自転車は、アームを離間位置でロックするための棒を含み、ロック棒は、立パイプがその使用中の位置にあるとき、ロック位置とロック解除位置との間で回動するように立パイプに取り付けられた一方の端を有しており、そして前記ロック位置では、ロック棒の反対側の端が当接面を中央部の対応する面に押し付けるためにアームの第二端に当接し、前記ロック解除位置では、ロック棒の他方の端がアームの第二端に対して引き込められる。
【００１３】
自転車が非折りたたみ状態にある間に、そのときロック棒は二つの機能、即ち、アームを離間位置にロックする機能、及び立パイプを使用中の位置に維持する機能を果たす。第一にアームの第二端を外すことによりアームが近接位置に戻る事を可能にするために、第二に立パイプが収容位置に移ることを可能にするために、ロック棒の自由端を引き込めることにより自転車は折りたたまれる。
【００１４】
ロック棒が、立パイプに取り付けられているその端部に止め部を備えることも有利であり、前記止め部は、立パイプがその収容位置にあってアームがその近接位置にあるときに、アームの離間位置に向かうアームの移動を妨げるためにアームの第二端部と協働するためのものである。
【００１５】
そしてアームをその二つの位置でロックすることは特に簡単である。
【００１６】
詳細な実施態様では、フレームの前部と中央部とが、前記平面にほぼ垂直な軸をもつヒンジを有する変形可能な平行四辺形部によって共に接続されており、後部が、前記平面にほぼ垂直な軸をもつヒンジによって中央部に取り付けられていて、車輪が、自転車がその非折りたたみ状態にあることに対応する離間位置と、自転車が折りたたみ状態にあることに対応する、ペダルユニットの下の近接位置との間で互いに移動可能なようになっている。
【００１７】
そして自転車は、車輪をペダルユニットの下に収めさせるためにフレームの中央部を持ち上げることにより簡単に素早く折りたたむことができる。
【００１８】
詳細な特徴によると、自転車は、前部及び後部の移動を同期させるための同期棒を含んでおり、同期棒は変形可能な平行四辺形部に固定された一端と、アームの第二端部に固定された一端とを有している。
【００１９】
このことが、前部及び後部の移動を調和させることによって操作を単純化する。
【００２０】
他の詳細な特徴によると、伝動手段が、フレームの後部と中央部との間のヒンジ軸を中心に回転するように取り付けられたチェーンホイール中間ペアを含んでおり、そして伝動手段が，ペダルユニットによって駆動されるためにペダルユニットと、後輪を駆動するために後輪との両方に接続されている。
【００２１】
伝動が、チェーン或いはベルト等の可撓性のある連結材を使って実現された場合、チェーンホイール中間ペア若しくは同等のものの使用は、接続長さを一定に維持することを可能にし、又自転車が小径の車輪を有する場合に特に有用であるギア比を獲得することにも任意選択的に役立つ。
【００２２】
本発明の他の特徴と利点は、本発明の詳細で限定されない実施態様の以下の説明を読むと明らかになる。
【００２３】
添付図への参照が為される。
【００２４】
図１から５を参照すると、本発明の自転車が、全体参照符号１を与えられたフレームを具備しており、前記フレームが、前部２と中央部３と後部４とを具備している。
【００２５】
中央部３は、ペダルユニット５及び座席６に対する支持部として機能している。
【００２６】
ペダルユニット５は、中央部３に従来からの方法で取り付けられていて、公知のタイプの持ち上げることができるペダルを有している。座席６は、立パイプ８の中に滑動可能に受け入れられている座席柱７の一方の端に固定されている。座席柱７を立パイプ８の中で滑動させることは、座席の高さを様々な身長の使用者に適合させる。立パイプ８の中の座席柱７の位置は、クランプ締めによる在来の方法で固定される。
【００２７】
立パイプ８は、当接ショルダを形作る下端８.１と、同様に当接ショルダを形作る上端８.２とを保有している。立パイプ８は、座席６がペダルユニット５から離間した状態でショルダ８.１が中央部３の底面１０と当接するようになるところの使用中の位置（図１、２、４及び５ａに示される）と、ショルダ８.２がソケット９の上端に当接して座席６がペダルユニット５に接近するところの収容位置（図３及び５.ｂに示される）との間で滑動可能であるように、中央部３に固定されたソケット９の中に取り付けられている。
【００２８】
前部２は、かじ取り柱１２を回動可能に収容しているガイド管１１を具備しており、前記かじ取り柱１２は、車輪１３が取り付けられるフォークを形作る下端１２.１と、全体参照符号１４が与えられたハンドルバーが取り付けられている上端８.２とを有している。この場合には、ハンドルバー１４は二本の柱１５を含んで成るものであり、前記二本の柱１５は、かじ取り柱１２の上端１２.２に取り付けられて回動する下端と、ハンドル１６を備えた上端とをもっている。柱１５は、クランプノブ１７を使って所定の位置でロックされる。ハンドル１６は、柱１５を中心に回動可能であるように好ましく柱１５に取り付けられている。ハンドルバー１４は、バッグが固定されることがあるフックも有している（図１参照）。
【００２９】
座席６、座席柱７、立パイプ８、ソケット９、ガイド管１１、かじ取り柱１２、車輪１３、及びハンドルバー１４が共通の平面Ｐに延在するように、前部２と中央部３とが互いに接続されている。前部２は、全体参照符号１８を与えられた変形可能な平行四辺形部を介して中央部３に接続されているように示されている。変形可能な平行四辺形部１８は、ガイド管１１に固定されていて平面Ｐに対して平行な二つの対向プレート１９と、中央部３に固定されていて平面Ｐに対して平行な二つの対向プレート２０と、平面Ｐ内で互いに平行に延在する二本の棒２１とを具備しており、前記棒２１は、平面Ｐに垂直に前記プレート間で延びるヒンジピン２２を介してプレート１９とプレート２０とに固定された対向する端部を有している。平行四辺形部１８は、車輪１３が離間位置にあって中央部３の一方の端を越えて延びるところの展開状態（図１）と、車輪１３がペダルユニット５のほぼ下に延在するところの薄い状態（図２及び３）との間でそのように変形可能である。
【００３０】
伸縮式リンク２３は、前記伸縮式リンク２３が、中央部３の近くで上棒２１に固定された一方の端と、前部２の近くで下棒２１に固定された他方の端とを有するような方式で、棒２１の間で対角線上に固定されている。伸縮式リンク２３は、圧縮状態で互いにもたれ掛かる当接手段を伸縮式リンク２３がもっていて且つ変形可能な平行四辺形部が展開状態にあるところの格納状態と、伸縮式リンク２３の当接手段が互いに離間する一方で変形可能な平行四辺形部１８がその薄い状態にあるところの伸張状態との間で伸縮自在である。
【００３１】
後部４は、二つの端部２４.１及び２４.２をもつアーム２４を具備しており、この場合には一組のアームがフォークを形作っていて、アーム２４は、端部２４.１が中央部３の一方の端から離間するところの離間位置（図１、４、及び５ａ）と、端部２４.１が中央部３の下に延在するところの近接位置（図２、３、及び５ｂ）との間を移動可能であるように、アーム２４の二つの端部の間において平面Ｐに垂直なヒンジピン２５を使って中央部３に固定されている。車輪２６が、端部２４.１に取り付けられており、また全体参照符号２７を与えられた伝動手段によってペダルユニット５に接続されている。端部２４.２は、ヒンジピン２５を越えて延在し、また中央部３の上当接面２９と協働するための下当接面２８を有して、アーム２４とそれゆえ車輪２６とのための離間位置を規定する。
【００３２】
伝動手段２７は、車輪２６に固定されたスプロケットの周囲に延在するチェーン３０と、ヒンジピン２５の軸に一致する軸を中心に回転するように取り付けられたチェーンホイール中間ペア３１の第一チェーンホイールとを具備している。チェーンホイール中間ペア３１の第二チェーンホイールは、第二チェーンホイールとペダルユニット５のチェーンホイールとを巡って延びている第二チェーン３２を介してペダルユニット５のチェーンホイールに接続されている。チェーンに換えてベルト若しくは他の伝動手段が使用可能である。
【００３３】
車輪１３及び２６の離間位置と近接位置との間のそれらの移動が協調されることができるように、（図４で見られる）同期棒３３が、アーム２４の端部２４.２と変形可能な平行四辺形部１８の下棒２１とに接続されている。
【００３４】
自転車は、端部３４.１を有するロック棒３４ももっており、前記端部３４.１は、ロック位置とロック解除位置との間で回動するために立パイプ８の上端８.２に取り付けられており、前記ロック位置では、アーム２４がその離間位置にあって立パイプ８がその使用中の位置にある状態で、アーム２４の第二端部２４.２に当接して当接面２８を当接面２９に押し付ける（図５ａ参照）ために立パイプ８から離間した他方の自由端部３４.２をロック棒３４が有しており、前記ロック解除位置では、自由端部が、立パイプ８に近付くように移動して、アーム２４の第二端部２４.２から引っ込められる（図２及び３）。
【００３５】
止め部３５が、端部２４.２の下面３６に当接するために、ロック棒３４の上端部３４.１の近くに固定され、そのためアーム２４がその近接位置にあって立パイプ８がその収容位置にあるとき、止め部３５は、アーム２４の離間位置の方に向かうアーム２４の運動を妨げる（図５ｂ参照）。
【００３６】
図１に示されるように、車輪１３及び２６がそれらの離間位置にあって立パイプ８がその使用中の位置にあるとき、立パイプ８がその収容位置の方に向かって下に移動できるように、ロック棒３４を立パイプ８のほうに回動させることにより自転車は折りたたまれて、ロック棒３４は立パイプ８と共に連れてゆかれる。アーム２４の端部２４.２は従って自由である。
【００３７】
その後、使用者が、中央部３に固定された例えば取手３７を使って中央部３を持ち上げることが、アーム２４を回動させて、車輪２６をその近接位置の方にもってゆき、変形可能な平行四辺形部１８を薄くし、従って車輪１３をその近接位置にもってくる。同期棒３３は、これら二つの動きを同期させるように働く。使用者が中央部３だけを持ち上げて、車輪１３及び２６が、中央部３と後部４とのための地面に対する支持点を提供し続けることが注目されるべきである。
【００３８】
使用者は、変形可能な平行四辺形部１８が完全に薄くなるまで、及び上端８．２がソケット９に当接するまで立パイプ８が中央部３に対して移動するまで、この上方移動を継続する。そして止め部３５は、アーム２４がその離間位置の方に回動することを妨げる当接部を構成するように、アーム２４の近接位置における端部２２の面３６と棒３４との間に延在する（図５ｂ）。自転車の折りたたみをより簡単にするために、ばねを伸縮式リンク２３に連合させることが、可能であって、伸縮式リンク２３を展開することと変形可能な平行四辺形部１８を薄くすることとに役立つ。
【００３９】
車輪１３及び２６は、そして互いに近付いてペダルユニット５の下に移動し、自転車のための地面上の支持点だけを構成する。自転車の他の部品のどれも地面と干渉したり自転車の走行を妨げたりすることがない。自転車はこのように図２に示される状態にあり、その状態で自転車は、歩行者エリアに入り込むために、使用者と並んで推し進められることができる。この方式で折りたたまれる自転車は短い軸距を有しているので、自転車により引き起こされる他の歩行者に対する迷惑を低く抑え、また自転車の取り扱いをより簡単にする。
【００４０】
例えば収納棚に自転車を片付ける目的のために、自転車を最もコンパクトに示す図３に示される構成を獲得するように、座席６を押し下げることと、ペダルユニット５のペダルを折りたたむことと、ハンドルバー１４の柱１５を前輪１３の方へもってゆき下げることとによって自転車の大きさを更に縮小することが可能である。
【００４１】
小さな径の車輪を使用することにより自転車の軸距を非常に顕著に縮小できることが認められるであろう。そのときチェーンホイール中間ペアは、後輪の小さな径を補償するように好ましく作られて、そのためペダルの一回転に対して、大きな車輪を使用した場合に生じるのとほとんど同じ距離だけ自転車を前進させる。
【００４２】
自転車は、立パイプ８をその使用中の位置に持ち込むように座席６を持ち上げるだけで展開される。そして止め部３５が、アーム２４の端部２４．２から離脱させられて、アーム２４が車輪２６をその離間位置に持ち込むように回動することができ、また同期棒３３のおかげで変形可能な平行四辺形部１８が、車輪１３をその離間位置に持ち込むように展開する。中央部３がその自重で下方に移動する傾向があり、そのことにより車輪が互いに離間するように移動し、従って自転車の展開をより簡単にすることが認められるに違いない。
【００４３】
ショルダ８.１が中央部３に当接するようになり、車輪２６がその離間位置に到達するのとともに、アーム２４の端部２４.２がロック棒３４の自由端部３４.２の下を通り過ぎ、前記ロック棒３４の自由端部３４.２が、立パイプ８から離間したそのロック位置に戻って、アーム２４をその離間位置で動かないようにする（図１参照）。
【００４４】
図６及び７は、折りたたみ状態が更にコンパクトな自転車の構成を獲得することを可能にする自転車の変形形態を示しており、変形可能な平行四辺形部１８が、全体参照符号３８を与えられたヒンジを介してガイド管１１に接続されており、前記ヒンジが、前部２が変形可能な平行四辺形部１８と後部４と一線になるところの使用中の位置と、前部２が後部４の傍らに戻されるところの収容位置との間で回動するように、平面Ｐからオフセットしたヒンジピンをもっている。
【００４５】
ヒンジ３８は、変形可能な平行四辺形部１８に固定されたプレート３９と（この場合プレート１９がプレート３９に垂直に固定されている）、ガイド管１１に固定されたプレート４０とを具備している。この場合、プレート３９及び４０は、山形断面のものであり、それらは隣接する二つの端部３９.１及び４０.１を有しており、前記二つの端部３９.１及び４０.１はほぼ鉛直でありそして互いに蝶番式に取り付けられている。
【００４６】
ヒンジは、使用中の位置と収容位置とに対応するヒンジ閉鎖位置とヒンジ開放位置の両方でヒンジがロックされること可能にする手段を有している。
【００４７】
ロック手段は、二つの平行な円弧部４２を具備する機構４１を具備しており、前記円弧部４２が第一端部４２.１と他方の端部４２.２とを有していて、前記第一端部４２.１が、プレート４０の回動可能に取り付けられた端部４０.１から離れたプレート４０の端部４０.２の対向する端面に固定されていて、前記他方の端部４２.２の間にロッド４３が回動可能に取り付けられてクランプカムを形作っており、ヒンジ３８がその閉鎖位置にあるときプレート３９及び４０を互いに当接させるように、前記クランプカムが、プレート３９の背面４５におけるセットバックと協働するためのスタッド４４を有している。
【００４８】
クランプカムを形作るロッド４３は、クランプカムを形作るロッドに固定されたＴ字形の脚の自由端４６.１と結合して、Ｔ字形駆動要素４６とも結合する。
【００４９】
閉鎖位置において、駆動要素４６は変形可能な平行四辺形部１８に沿って延在する。
【００５０】
開放位置において、プレート３９に固定されていてヒンジ軸３８にほぼ垂直に延びているプレート４８の端面に形成されたノッチ４７の中にＴ字形の横棒により構成される自由端４６.２が挿入され、その結果、円弧部４２、クランプカム４３、及び駆動要素４６が、トグル機構を形作り、前記トグル機構は、ひっくり返されてヒンジを開放位置で支えることができる。
【００５１】
もちろん、本発明は、説明された実施態様に限定されるものではなく、又変形形態の実施態様が、特許請求の範囲で規定された本発明の範囲から逸脱することなしに本発明に適用されることが可能である。
【００５２】
特に、軸距を縮小するための手段及び車輪を同一平面に維持するための手段、又特に滑動手段、或いは反転リンク関係の結果である手段を使用することができる。同様に、自転車をその展開状態、半折りたたみ状態、及び折りたたみ状態に維持するための他の当接手段若しくはロック手段を備えることができる。
【００５３】
更に、自転車が、例えば前輪用の伸縮式フォーク、あるいは後輪用のショックアブソーバのような懸架手段を取り付けられることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は、本発明による自転車の非折りたたみ状態における側面図である。
【図２】 図２は、半折りたたみ状態にある自転車を示した、図１に類似の図である。
【図３】 図３は、折りたたみ状態にある自転車を示した、図１に類似の図である。
【図４】 図４は、本発明による自転車を非折りたたみ状態で、図１とは反対側から示した部分側面図である。
【図５】 図５ａは、自転車をロックするための装置の、非折りたたみ状態における部分断面図である。
図５ｂは、自転車をロックするための装置の、半折りたたみ若しくは折りたたみ状態における部分断面図である。
【図６】 図６は、本自転車の変形実施態様における、閉鎖位置にあるフレームヒンジの部分斜視図である。
【図７】 図７は、本自転車の変形実施態様における、開放位置にあるフレームヒンジの部分斜視図である。

Claims (10)

1. 前部（２）と中央部（３）と後部（４）とを有するフレーム（１）を具備する折りたたみ自転車であって、前記前部（２）にかじ取り柱（１２）が取り付けられていて、かじ取り柱（１２）が、第一車輪（１３）を備えた下端とハンドルバー（１４）を備えた上端とを有しており、前記中央部（３）に座席（６）とペダルユニット（５）とが取り付けられていて、前記後部（４）がアーム（２４）を具備していて、前記アーム（２４）が、第一端部（２４.１）と、反対側の第二端部（２４.２）とを有していて、伝動手段（２７）によってペダルユニット（５）に接続された第二車輪（２６）が前記第一端部（２４.１）に取り付けられていて、後輪が、前輪に対する離間位置と近接位置との間で移動可能であるように、前記第二端部（２４.２）がヒンジ（２５）によって中央部に接続されている折りたたみ自転車において、座席が、立パイプ（８）に滑動可能に受け入れられた柱（７）に固定されていて、前記立パイプ（８）が、座席（６）がペダルユニット（５）から離れていて且つ立パイプ（８）のショルダ面（８.１）が中央部（３）の下に当接しているところの使用中の位置と、座席がペダルユニット（５）に隣接するところの収容位置との間を滑動するように中央部（３）に取り付けられていること、及び立パイプ（８）が、離間位置においてアーム（２４）をロックするための手段を有していて、立パイプ（８）がその使用中の位置にあるとき、前記手段が、アーム（２４）の第二端部（２４．２）と協働して立パイプ（８）の収容位置の方への立パイプ（８）の移動を妨げるように配置されていることを特徴とする折りたたみ自転車。
2. アーム（２４）の第二端部（２４．２）が、中央部（４）の対応する面（２９）に当接する状態になって後輪の離間位置を規定するために、ヒンジ（２５）を越えたアーム当接面（２８）を有していること、及び自転車が、アーム（２４）を離間位置でロックするための棒（３４）を含んでいて、立パイプ（８）がその使用中の位置にあるときに、ロック棒（３４）が、ロック棒（３４）の他方の端（３４.２）がアーム（２４）の第二端部（２４.２）に当接して当接面（２８）を中央部（３）の対応する面（２９）に押し付けるところのロック位置と、ロック棒の他方の端（３４.２）がアーム（２４）の第二端部（２４.２）から引き込められるところのロック解除位置との間で回動するために、立パイプ（８）に取り付けられた一方の端（３４.１）を有していることを特徴とする、請求項１に記載の折りたたみ自転車。
3. 立パイプ（８）がその収容位置にあってアーム（２４）がその近接位置にあるとき、ロック棒（３４）が、アーム（２４）の離間位置の方へのアーム（２４）の移動を妨げるために、立パイプ（８）に取り付けられたロック棒（３４）の端（３４.１）にアーム（２４）の第二端部（２４.２）と協働するための止め部（３５）を備えることを特徴とする、請求項２に記載の折りたたみ自転車。
4. フレーム（１）の前部（２）と中央部（３）とが、変形可能な平行四辺形部（１８）によって共に接続されていて、前記変形可能な平行四辺形部（１８）が、非折りたたみ状態における自転車を含む平面（Ｐ）にほぼ垂直な軸を持つヒンジ（２２）を有していて、車輪（１３、２６）が、自転車がその非折りたたみ状態にあることに対応する離間位置と、自転車がその折りたたみ状態にあることに対応する、ペダルユニット（５）の下の近接位置との間で互いに対して移動可能であるように、ヒンジ（２２）が、前記平面（Ｐ）にほぼ垂直な軸を有していることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一項に記載の折りたたみ自転車。
5. 折りたたみ自転車が、前部及び後部（２及び４）の運動を同期させるための同期棒（３３）を含んでいて、同期棒（３３）が、変形可能な平行四辺形部（１８）に固定された一つの端部と、アーム（２４）の第二端部（２４.２）に固定された一つの端部とを有していることを特徴とする、請求項４に記載の折りたたみ自転車。
6. 折りたたみ自転車が、変形可能な平行四辺形部（１８）の二つの対向する辺（２１）の間に延在するリンク（２３）を含んでいて、前輪（１３）がその離間位置にあることに対応する引き込み状態と、前輪がその近接位置にあることに対応する伸展状態との間でリンクが伸縮することを特徴とする、請求項４または５に記載の折りたたみ自転車。
7. 変形可能な平行四辺形部（１８）のリンク（２３）が、リンク（２３）の伸展を助けるばねと連合することを特徴とする、請求項６に記載の折りたたみ自転車。
8. 前部（２）が、ヒンジ（３８）によって変形可能な平行四辺形部（１８）に接続されていて、前記ヒンジ（３８）が、変形可能な平行四辺形部（１８）と前部が一列に並ぶところの使用中の位置と、後部（４）の傍らに前部（２）が戻されるところの折り曲げ位置との間で回動するように、前記平面（Ｐ）からオフセットしたほぼ鉛直な軸を有することと、ヒンジ（３８）が、ヒンジ（３８）の各々の位置でヒンジ（３８）をロックするための手段を含んでいることを特徴とする、請求項４〜７のいずれか一項に記載の折りたたみ自転車。
9. 互いに蝶番式に取り付けられた隣り合う端部（３９.１、４０.１）を有する第一及び第二プレート（３９、４０）をヒンジ（３８）が具備していて、一方のプレート（３９）が変形可能な平行四辺形部（１８）に固定されていて、他方のプレート（４０）が前部（２）に固定されていることと、ヒンジ（３８）がその使用中の位置にあるとき機構（４１）を第二プレートの背面（４５）に対してクランプするために、ロック手段が、第一プレート（４０）の蝶番式に取り付けられた端部（４０.１）とは反対側の自由端部（４０.２）に取り付けられて回動する一方の端部（４２.１）と、カム（４３）に接続された他方の端部（４２.２）とを有する機構（４１）を具備していることと、クランプカム（４３）が、駆動ロッド（４６）に一方の端部（４６.１）において結合されていて、ヒンジ（３８）がその折り曲げ位置にあるとき、機構（４１）とクランプカム駆動ロッド（４６）とが、ヒンジ（３８）をその収容位置で支えるためのオーバセンタトグル機構を形作るように、前記駆動ロッド（４６）が第二プレート（４０）と協働するように配置された他方の端部（４６.２）を有していることとを特徴とする、請求項８に記載の折りたたみ自転車。
10. 伝動手段が、フレーム（１）の後部（４）と中央部（３）との間のヒンジ軸（２５）を中心に回転するように取り付けられたチェーンホイール中間ペア（３１）を含んでおり、そして伝動手段が、ペダルユニット（５）によって駆動されるためにペダルユニット（５）と、後輪（２６）を駆動するために後輪（２６）との両方に接続されていることを特徴とする、請求項１〜９のいずれか一項に記載の折りたたみ自転車。

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