JP3759220B2 - 光走査装置用集光光学系 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光等を偏向して所定の面上に走査せしめる光走査装置に使用される集光光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリゴンミラー等の回転多面鏡やガルバノ式スキャナによって反射偏向される光ビームにより光走査を行う光走査装置がよく知られている。
【0003】
この種の光走査装置においては、上記回転多面鏡等における光ビームの反射面の変動により走査スポットの位置が、走査面内における光ビームの走査方向(以下、主走査方向という)に垂直な方向(以下、副走査方向という)に変動する現象が生じ、これが副走査方向のピッチすなわち走査線の間隔を不安点なものにするという問題が生じる。回転多面鏡の場合は製造精度に起因する各反射面の回転軸に対する平行度の誤差(面倒れという)が、ガルバノミラーの場合は運動中のふらつき(ウォブリングという)が原因となっているが、以下これを総称して「面倒れ」ということとする。
【0004】
そこでこの面倒れを補正するために、通常、前述の回転多面鏡等の偏向器と走査結像面との間の光路上に、副走査方向にのみ屈折力を有するシリンドリカルレンズ等の面倒れ補正光学系が配設されている。
【0005】
また、上述のように偏向された光ビームの焦点面は円弧状となり、平面上を走査する場合には、光ビームの走査面上のスポット径や走査速度が1回の走査中に変動する。そこで走査面を平面としたときに、光ビームのスポット径の変動を防止するとともに等速度走査させるために、偏向器と走査結像面との間の光路上にfθレンズ等を配設することがよく知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記fθレンズとしては、例えば特開平1-101510号に開示されているように、一般に軸対称の非球面の単レンズが使用されている。このような単レンズは、光ビームの主走査方向とこれに直交する副走査方向とについての屈折力は同一であり、その屈折力は主走査方向についての光ビームの等速度走査を実現するために設定されたものであるから、この単レンズにより副走査方向に特定の屈折力を必要とする面倒れ補正をすることはできず、面倒れについては別個にシリンドリカルレンズやシリンドリカルミラー等の面倒れ補正光学系を装備してこれらにより補正する必要がある。
【0007】
しかし近年、より高精度、高密度の走査が要求されており、このような観点から上記面倒れ補正もより高精度に行う必要があり、上記シリンドリカルレンズやシリンドリカルミラーだけで面倒れ補正を高精度に行うのは困難となってきている。
【0008】
一方、例えば特開昭64-35523号に開示されている技術では、走査集光光学系が面倒れ補正光学系としてのシリンドリカルレンズまたはトロイダルレンズと、上記単レンズとしてのトーリック面を有する結像レンズとから構成され、この単レンズが、主走査方向についてはfθレンズとしての作用をなす一方、副走査方向についてはシリンドリカルレンズとともに面倒れ補正の作用をなすものとして形成されている。この技術によれば、単にシリンドリカルレンズのみで面倒れ補正を行うよりも、高精度にその補正を行うことができる。しかし、光ビームを所定の走査面上に導光するには装置の設計上、通常、上記光学系の他にさらに光ビームの進行方向を変えるための長尺のミラーを具備する必要があり、上記の構成では部品点数の増大を招くこととなる。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、部品点数を抑制してコストアップの防止を図るとともに、高精度に面倒れ補正を行うことのできる光走査装置用集光光学系を提供することを目的とするものである。
【0010】
本発明の光走査装置用集光光学系は、偏向された光を所定の走査面上に結像するとともに該走査面上で等速度走査せしめるための単レンズと、面倒れ補正のための該走査方向に垂直な方向にのみ屈折力を有するシリンドリカルミラーとからなる光走査装置用集光光学系であって、前記単レンズの両面の前記主走査断面形状がともに非球面形状であり、該単レンズの偏向点側面が前記シリンドリカルミラーとともに前記面倒れを補正するようにトーリック面であるとともにその主走査断面形状が該偏向点側に向かって凸に形成されたことを特徴とするものである。
【0011】
ここで主走査断面とは、偏向された光が単レンズを通過した線の軌跡によって形成される面による断面をいう。
【0012】
また、本発明の光走査装置用集光光学系は、この単レンズの焦点距離をf、該単レンズの偏向点側面の主走査断面における光軸上の曲率半径をRX1 、前記偏向点から該単レンズまでの軸上面間隔をd1 、該単レンズの軸上の厚さをd2 、該単レンズの前記偏向点側面の非球面形状を下記式(1)
z=ch2 /[1+{1−(1+K)c2 h2 }1/2 ]
+a1 h4 +a2 h6 +a3 h8 +a4 h10 (1)
但し、z;光軸からの高さhの非球面上の点より、非球面頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ
h;光軸からの高さ
c;非球面頂点での曲率(曲率半径の逆数;=1/RXi )
K;円錐定数
a1 〜a4 ;第4次、第6次、第8次、第10次の非球面係数
で表すとき、下記式(2)から(5)を満足するように構成するのがより望ましい。
【0013】
0.3 ≦d2 /d1 ≦ 0.7 (2)
0.4 f≦RX1 ≦ 2.5f (3)
-3.0×10/f3 ≦a1 ≦-5.0/f3 (4)
7.0×10/f5 ≦a2 ≦6.0×102 /f5 (5)
すなわち、指標値d2 /d1 が式(2)の下限値を下回ると像面湾曲が正の方向に大きくなり(補正過剰)、上限値を上回ると負の方向に大きくなる(補正不足)とともに単レンズの肉厚も厚くなり過ぎて装置全体として大型化し好ましくない。
【0014】
また、指標値RX1 が式(3)の下限値を下回るとfθ特性が負の方向に大きくなり、上限値を上回ると正の方向に大きくなる。
【0015】
さらにまた、指標値a1 が式(4)の下限値を下回り、または指標値a2 が式(5)の下限値を下回ると像面湾曲およびfθ特性がともに正の方向に大きくなって補正困難となり、上限値を上回ると像面湾曲およびfθ特性がともに負の方向に大きくなって補正困難となる。
【0016】
なお、単レンズの偏向点側面の主走査断面において「偏向点側に向かって凸」とは光軸上(非球面の頂点)で凸であることを意味する。したがって光軸からずれた位置においては偏向点側に向かって部分的に凹となっている場合であっても光軸上で凸であればよい。
【0017】
また、上記単レンズやシリンドリカルミラーは、通常に用いられているガラス材料の他、プラスチック材料を用いることもできる。
【0018】
なお上記光の偏向角としては60°以上の値に設定することもできる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の光走査装置用集光光学系によれば、光走査装置の回転多面鏡やガルバノ式スキャナによって一定の方向(主走査方向)に繰返し偏向された光ビームは、fθレンズ等の単レンズにより所定の走査面上に結像されるとともにその走査面上において等速度で主走査せしめられるように変換される。またこの単レンズを通過したのちの光ビームは、走査面に到達する前にシリンドリカルミラーに入射することによりこのミラーにより進行方向を変えられて上記所定の走査面上に導光されるが、シリンドリカルミラーは副走査方向に関してのみ屈折力を有するため、主走査方向については何等の作用をなさず単に光ビームを反射せしめるに過ぎない。
【0020】
一方、上記回転多面鏡等の偏向器により偏向された光ビームは、偏向器の面倒れにより副走査方向に走査位置が変動することがある。この副走査方向に変動する光ビームは単レンズに入射するがそのトーリック面の面倒れ補正作用により、副走査方向への変動が補正される。さらにこの単レンズを出射した光ビームはシリンドリカルミラーに入射し、このミラーによりさらに面倒れの補正がなされるとともに上記所定の走査面上に反射、収束せしめられる。
【0021】
このように本発明の光走査装置用集光光学系によれば、単レンズの少なくとも1面をトーリック面として形成し、そのトーリック面の主走査断面形状を非球面形状にしたことにより、1枚のレンズで広範囲に亘って良好なfθ特性を得ることができ、副走査方向については、単レンズとシリンドリカルミラーとによって光ビームの面倒れを補正することにより、構成部品点数の増加を防止しつつ高精度な面倒れ補正を実現することができる。また部品点数の増加を防止することによってコストアップを防止することができ、さらに組立て工程において累積誤差が増大するのを防止することもできる。
【0022】
また、走査角(偏向角)を60°以上としても良好な光学性能を維持することができ、一方、このように走査角を大きくすることにより焦点距離を短縮すること、すなわちfθレンズ〜像面間の距離を短縮することができるため、光学系全体をコンパクトに構成することができ、より好適である。
【0023】
また上記単レンズについては、その両面の主走査断面形状をともに非球面形とし、その偏向点側面をトーリック面として形成し、さらにその偏向点側面の主走査断面形状を偏向点側に向かって凸に形成することにより、1枚のレンズで広範囲に亘ってより良好なfθ特性を得ることができる。
【0024】
さらに、この単レンズの焦点距離f、単レンズの偏向点側面の主走査断面における曲率半径R1 、偏向点から単レンズまでの軸状面間隔d0 、単レンズの軸上の厚さd1 、単レンズの偏向点側面の式(1)で表される非球面形状の第4次および第6次の非球面係数a1 、a2 について、式(2)から(5)を満たす構成とすることにより、像面湾曲、fθ性を適正に補正することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光走査装置用の集光光学系の具体的な実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明の集光光学系を使用した光走査装置の概略構成を示す斜視図、図2は図1に示した光走査装置のうち本発明の集光光学系だけを抜粋した構成図であり、(a)は図1の矢視Aを、(b)は図1の矢視Bをそれぞれ示すものである。
【0027】
図示の光走査装置は、レーザビームLを出射するレーザ光源11と、このレーザビームLを光偏向器であるポリゴンミラー13の反射面上に線像として結像せしめる、入射面が凸のシリンドリカルレンズ12と、図示しないモータにより軸回りに回転せしめられて反射面に入射したレーザビームLを所定の方向に偏向せしめるポリゴンミラー13と、偏向されたレーザビームLを所定の感材20上に結像するとともにその感材20上で主走査方向Xについて等速度走査せしめる、ポリメチルメタクリレート(PMMA)製のfθレンズ14と、fθレンズ14を通過したレーザビームLの進行方向を感材20に向けて変える(立ち下げる)とともに主走査方向Xに垂直な副走査方向Yについてのポリゴンミラー13の面倒れをfθレンズ14とともに補正するための屈折力を有するシリンドリカルミラー15とからなり、fθレンズ14の入射面と出射面とは少なくともそのいずれか一方が、fθレンズ14がシリンドリカルミラー15とともに上記面倒れを補正するように、トーリック面により形成されている。またこのトーリック面は、その主走査断面形状が非球面形状により形成されている(図2(a)参照)。
【0028】
なお被走査媒体である感材20は図示しない搬送手段によって矢印Y方向(副走査方向)に搬送される。
【0029】
図2に示した本実施形態の集光光学系において、fθレンズ14の各レンズ面およびシリンドリカルミラー15の反射面の曲率半径R[mm]と、反射面(偏向点)からfθレンズ14の入射面までの空気間隔、fθレンズ14の中心厚、fθレンズ14の出射面からシリンドリカルミラー15の反射面までの空気間隔、シリンドリカルミラー15の反射面から走査面までの空気間隔(以下、これら総称して軸上面間隔という)d[mm]、およびfθレンズ14の屈折率(d線;以下、同じ)との一覧を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
なお、表1中の曲率半径Rの欄において主走査方向の曲率半径RX1 〜RX3 とは、図1においてレーザビームLが偏向された軌跡を含む面による断面(主走査断面;図2(a)参照)におけるレンズ面等の曲率半径を意味し、一方、曲率半径RY1 ,RY2 ,RY3 とは図1において光軸Kを含み、主走査断面に垂直な面による断面(図2(b)参照)におけるレンズ面等の曲率半径を意味するものである。ただし、fθレンズ14の各面の主走査方向の曲率半径RX1 ,RX2 は非球面であることを表し、「*」印の付された数値は光軸上(非球面の頂点)での曲率半径を示し、その非球面は下記式(1)により算出される面形状であることを意味する。
【0032】
また、数値の符号は偏向器側に凸の場合を正、走査面側に凸の場合を負とする。
【0033】
但し、z;光軸からの高さhの非球面上の点より、非球面頂点の接平面
(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ
h;光軸からの高さ
c;非球面頂点での曲率(曲率半径の逆数;=1/RXi )
K;円錐定数
a1 〜a4 ;第4次、第6次、第8次、第10次の非球面係数
なお、図2に示した実施形態の集光光学系は下記式(2)〜(5)の条件をもさらに満たす構成である。
【0034】
0.3 ≦d2 /d1 ≦ 0.7 (2)
0.4 f≦RX1 ≦ 2.5f (3)
-3.0×10/f3 ≦a1 ≦-5.0/f3 (4)
7.0×10/f5 ≦a2 ≦6.0×102 /f5 (5)
ただし、fはfθレンズ14の焦点距離[mm]を表す。
【0035】
次に本実施形態の集光光学系の作用について説明する。
【0036】
レーザ光源11からレーザビームLが出射され、このレーザビームLはシリンドリカルレンズ12によりポリゴンミラー13の反射面上に線像として結像せしめられる。
【0037】
ポリゴンミラー13の反射面により反射せしめられたレーザビームLは、fθレンズ14を通過し、シリンドリカルミラー15により反射せしめられて感材20の面上に導光されるとともに走査スポットを形成する。ここでポリゴンミラー13は矢印R方向に高速回転されるため、この走査スポットは感材20の面上を矢印X方向に繰り返し主走査する。この間、感材20は矢印Y方向に副走査されるため、この主走査と副走査とにより走査スポットLが感材20の面上を全面に亘って走査する。
【0038】
さらに詳しくは、ポリゴンミラー13の反射面により反射せしめられたレーザビームLは、fθレンズ14により感材20の面上において等速度で主走査される一方、ポリゴンミラー13の反射面の面倒れにより副走査方向に走査位置が変動する。この副走査方向に変動するレーザビームLはfθレンズ14の副走査方向の面倒れ補正作用によりその変動の一部が補正される。さらにこのfθレンズ14を出射したレーザビームLはシリンドリカルミラー15に入射し、このミラー15によりさらに面倒れの補正がなされる。
【0039】
このように本実施形態の光走査装置用集光光学系によれば、fθレンズ14をトーリック面により形成し、fθレンズ14とシリンドリカルミラー15とによってレーザビームの面倒れを一部ずつ補正することにより、構成部品点数の増加を防止しつつ高精度な面倒れ補正を実現することができる。また部品点数の増加を防止することによってコストアップを防止することができ、さらに部品点数が増加すると組立て工程において累積誤差が増大することとなるが、本実施形態の光走査装置用集光光学系は従来の集光光学系と同等の部品点数で構成されるためそのような誤差が増大することもない。
【0040】
なお、図3(a)・(b)に、表1に示した本実施形態の集光光学系による像面湾曲図およびfθ特性図をそれぞれ示す。図示のグラフによれば本実施形態の光学系は良好に収差補正がなされているのが認められる。
【0041】
以下表2〜表9に、本発明の集光光学系の他の実施の形態を示す。これらの集光光学系の基本的な構成は、いずれも図2に示した集光光学系の構成と同様であるので図示を省略する。すなわち、これらの集光光学系は表1および図2に示した集光光学系と同様に、fθレンズ14については、その両面の主走査断面形状がともに式(1)で示される非球面形状であり、その偏向点側面(ポリゴンミラー13により偏向された光の入射面)がトーリック面であるとともにその主走査断面形状が偏向点(ポリゴンミラー13)側に向かって凸に形成されたものである。
【0042】
また、これらの各集光光学系も、上記式(2)〜(5)を満足するように構成されている。なお、各表中の符号の意味は図2および表1に示すものと同様である。
【0043】
表2は上記条件式(2)〜(5)によって規定される各要素の値をそれぞれ各条件式で示される範囲の任意の値となるように設定した第2の実施形態の集光光学系の、fθレンズ14の各レンズ面およびシリンドリカルミラー15の反射面の曲率半径R[mm]、軸上面間隔d[mm]、およびfθレンズ14の屈折率の一覧を示すものである。
【0044】
【表2】
【0045】
ここで図4に、表2に諸元を示した第2の実施形態の集光光学系の像面湾曲特性(主走査方向および副走査方向)およびfθ特性を表すグラフを示す。
【0046】
このグラフから、本実施形態の集光光学系は、良好に収差補正がなされているのが認められる。
【0047】
表3は上記条件式(2)〜(5)によって規定される各要素の値をそれぞれ各条件式で示される範囲の任意の値となるように設定した第3の実施形態の集光光学系の、fθレンズ14の各レンズ面およびシリンドリカルミラー15の反射面の曲率半径R[mm]、軸上面間隔d[mm]、およびfθレンズ14の屈折率の一覧を示すものである。
【0048】
【表3】
【0049】
ここで図5に、表3に諸元を示した第3の実施形態の集光光学系の像面湾曲特性(主走査方向および副走査方向)およびfθ特性を表すグラフを示す。
【0050】
このグラフから、本実施形態の集光光学系は、良好に収差補正がなされているのが認められる。
【0051】
表4は上記条件式(5)によって規定される要素の値を条件式(5)で示される範囲の略上限値となるように設定した第4の実施形態の集光光学系の、fθレンズ14の各レンズ面およびシリンドリカルミラー15の反射面の曲率半径R[mm]、軸上面間隔d[mm]、およびfθレンズ14の屈折率の一覧を示すものである。
【0052】
【表4】
【0053】
ここで図6に、表4に諸元を示した第4の実施形態の集光光学系の像面湾曲特性(主走査方向および副走査方向)およびfθ特性を表すグラフを示す。
【0054】
このグラフから、本実施形態の集光光学系は、良好に収差補正がなされているのが認められる。
【0055】
表5は上記条件式(2)〜(4)によって規定される各要素の値をそれぞれ各条件式で示される範囲の略上限値となるように設定した第5の実施形態の集光光学系の、fθレンズ14の各レンズ面およびシリンドリカルミラー15の反射面の曲率半径R[mm]、軸上面間隔d[mm]、およびfθレンズ14の屈折率の一覧を示すものである。
【0056】
【表5】
【0057】
ここで図7に、表5に諸元を示した第5の実施形態の集光光学系の像面湾曲特性(主走査方向および副走査方向)およびfθ特性を表すグラフを示す。
【0058】
このグラフから、本実施形態の集光光学系は、良好に収差補正がなされているのが認められる。
【0059】
表6は上記条件式(2)によって規定される要素の値を条件式(2)で示される範囲の略下限値となるように設定した第6の実施形態の集光光学系の、fθレンズ14の各レンズ面およびシリンドリカルミラー15の反射面の曲率半径R[mm]、軸上面間隔d[mm]、およびfθレンズ14の屈折率の一覧を示すものである。
【0060】
【表6】
【0061】
ここで図8に、表6に諸元を示した第6の実施形態の集光光学系の像面湾曲特性(主走査方向および副走査方向)およびfθ特性を表すグラフを示す。
【0062】
このグラフから、本実施形態の集光光学系は、良好に収差補正がなされているのが認められる。
【0063】
表7は上記条件式(3)によって規定される要素の値を条件式(3)で示される範囲の略下限値となるように設定した第7の実施形態の集光光学系の、fθレンズ14の各レンズ面およびシリンドリカルミラー15の反射面の曲率半径R[mm]、軸上面間隔d[mm]、およびfθレンズ14の屈折率の一覧を示すものである。
【0064】
【表7】
【0065】
ここで図9に、表7に諸元を示した第7の実施形態の集光光学系の像面湾曲特性(主走査方向および副走査方向)およびfθ特性を表すグラフを示す。
【0066】
このグラフから、本実施形態の集光光学系は、良好に収差補正がなされているのが認められる。
【0067】
表8は上記条件式(5)によって規定される要素の値を条件式(5)で示される範囲の略下限値となるように設定した第8の実施形態の集光光学系の、fθレンズ14の各レンズ面およびシリンドリカルミラー15の反射面の曲率半径R[mm]、軸上面間隔d[mm]、およびfθレンズ14の屈折率の一覧を示すものである。
【0068】
【表8】
【0069】
ここで図10に、表8に諸元を示した第8の実施形態の集光光学系の像面湾曲特性(主走査方向および副走査方向)およびfθ特性を表すグラフを示す。
【0070】
このグラフから、本実施形態の集光光学系は、良好に収差補正がなされているのが認められる。
【0071】
表9は上記条件式(4)によって規定される要素の値を条件式(4)で示される範囲の略下限値となるように設定した第9の実施形態の集光光学系の、fθレンズ14の各レンズ面およびシリンドリカルミラー15の反射面の曲率半径R[mm]、軸上面間隔d[mm]、およびfθレンズ14の屈折率の一覧を示すものである。
【0072】
【表9】
【0073】
ここで図11に、表9に諸元を示した第9の実施形態の集光光学系の像面湾曲特性(主走査方向および副走査方向)およびfθ特性を表すグラフを示す。
【0074】
このグラフから、本実施形態の集光光学系は、良好に収差補正がなされているのが認められる。
【0075】
なお、第2から第9の実施形態の集光光学系にそれぞれ対応した収差図(図4〜図11)は、簡便のため、ポリゴンミラー13の反射面の出入りを考慮しないものとして得た結果であり、したがって走査角が負の範囲についての収差は図示した各グラフの0度線に対して対称であり、図示を省略した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の集光光学系を使用した光走査装置の概略構成を示す斜視図
【図2】図1に示した光走査装置のうち本発明の集光光学系だけを抜粋した構成図であり、(a)は図1の矢視A、(b)は図1の矢視Bをそれぞれ示す
【図3】本実施形態の集光光学系による収差図であり、(a)は像面湾曲図、(b)はfθ特性図をそれぞれ示す。
【図4】第2の実施形態の集光光学系による収差図であり、(a)は像面湾曲図、(b)はfθ特性図をそれぞれ示す。
【図5】第3の実施形態の集光光学系による収差図であり、(a)は像面湾曲図、(b)はfθ特性図をそれぞれ示す。
【図6】第4の実施形態の集光光学系による収差図であり、(a)は像面湾曲図、(b)はfθ特性図をそれぞれ示す。
【図7】第5の実施形態の集光光学系による収差図であり、(a)は像面湾曲図、(b)はfθ特性図をそれぞれ示す。
【図8】第6の実施形態の集光光学系による収差図であり、(a)は像面湾曲図、(b)はfθ特性図をそれぞれ示す。
【図9】第7の実施形態の集光光学系による収差図であり、(a)は像面湾曲図、(b)はfθ特性図をそれぞれ示す。
【図10】第8の実施形態の集光光学系による収差図であり、(a)は像面湾曲図、(b)はfθ特性図をそれぞれ示す。
【図11】第9の実施形態の集光光学系による収差図であり、(a)は像面湾曲図、(b)はfθ特性図をそれぞれ示す。
【符号の説明】
11 レーザ光源
12 シリンドリカルレンズ
13 ポリゴンミラー
14 fθレンズ
15 シリンドリカルミラー
20 感材
L レーザビーム
K 光軸
Claims (4)
- 偏向された光を所定の走査面上に結像するとともに該走査面上で等速度走査せしめるための単レンズと、面倒れ補正のための該走査方向に垂直な方向にのみ屈折力を有するシリンドリカルミラーとからなる光走査装置用集光光学系であって、
前記単レンズの両面の主走査断面形状がともに非球面形状であり、該単レンズの偏向点側面が前記シリンドリカルミラーとともに前記面倒れを補正するようにトーリック面であるとともにその主走査断面形状が該偏向点側に向かって凸に形成され、
前記単レンズの焦点距離をf、該単レンズの偏向点側面の主走査断面における光軸上の曲率半径をRX1 、前記偏向点から該単レンズまでの軸上面間隔をd1 、該単レンズの軸上の厚さをd2 、該単レンズの前記偏向点側面の非球面形状を下記式(1)
z=ch2 /[1+{1-(1+K)c2 h2 }1/2 ]
+a1 h4 +a2 h6 +a3 h8 +a4 h10 (1)
但し、z;光軸からの高さhの非球面上の点より、非球面頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ
h;光軸からの高さ
c;非球面頂点での曲率(曲率半径の逆数;=1/RXi )
K;円錐定数
a1 〜a4 ;第4次、第6次、第8次、第10次の非球面係数
で表すとき、下記式(2)から(5)を満足することを特徴とする光走査装置用集光光学系。
0.3 ≦d2 /d1 ≦ 0.7 (2)
0.4 f≦RX1 ≦ 2.5f (3)
-3.0×10/f3 ≦a1 ≦-5.0/f3 (4)
7.0×10/f5 ≦a2 ≦6.0×102 /f5 (5) - 前記単レンズがプラスチック材料により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置用集光光学系。
- 前記シリンドリカルミラーがプラスチック材料により形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置用集光光学系。
- 前記光の偏向角が60°以上であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の光走査装置用集光光学系。
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