JP3759178B2 - トロカール管及びそれを備えたトロカール - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、体腔鏡下外科手術において、体腔内に内視鏡、鉗子、電気メス等を出し入れするのに用いられるトロカール(套管針)に関し、特にトロカール管(外套管)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、トロカール(套管針)を用いて、開腹せずに胆嚢摘出や腸吻合等を行う腹腔鏡下外科手術が行われている。この術式は、開腹しない低侵襲のもので、短期間の入院で済み、患者の負担は少ないものである。
【0003】
トロカールは、体壁を穿刺して、腹腔内へ内視鏡、鉗子、電気メス等の手術器具を挿入するのに用いられる外科用器具であり、一般に、管状のトロカール管(外套管)と、先端が鋭く尖ったブレード(栓子)とからなる。使用時には、ブレードをトロカール管に挿入した状態で、ブレードの先端により体壁を穿通して腹腔内に刺入し、その後トロカール管を残してブレードのみを抜去するものであり、残されたトロカール管により、腹腔内に内視鏡、鉗子、電気メス、ガス等を出し入れすることを可能とするものである。
【0004】
ここで、従来の腹腔鏡下外科手術を図9を用いて説明する。図9は、従来の腹腔鏡下外科手術の様子を示す断面図である。腹腔鏡下外科手術においては、腹壁7に気腹針の穿刺を行い、CO2 等のガスを注入して腹腔内を膨らませる気腹法、或いは体壁に針金を串刺して体壁を持ち上げる吊り上げ法により、腹腔内8に術空間を確保する。その後、腹壁7に小切開を加え、この部分よりトロカールの穿刺を行い、ブレード(図示せず)を抜去した後、トロカール管3にて確保された通路から軟性鏡や、硬性鏡のような内視鏡1を腹腔内8に挿入し、腹腔内8を内視鏡1で撮影したモニタ画面2を観察しながら、複数箇所にトロカールの穿刺を行い、同様にトロカール管3にて確保された通路から、鉗子4、把持鉗子5、電気メス6等の長尺の処置器具を挿入し、胆嚢摘出や腸吻合を行う。
【0005】
従来、この種のトロカール管は、ステンレス鋼等の金属や硬質プラスッチク樹脂のような硬度の高い材料により構成されていた。しかしながら、このような硬質材料で構成さらたトロカール管を通過できる器具は、トロカール管の内径寸法以下の径を持つ棒状の器具に限られてしまう。
【0006】
これに対して、可撓性を有する材料により構成することにより、湾曲した形状の器具等を通過可能とする軟質のトロカール管が、例えば、特開平5−200041号公報に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようなトロカール管は、湾曲した形状の器具等の通過を可能としたが、内径が固定されているので、処置器具の外径に適したトロカール管を用いなければならない。すなわち、予め術者は、手術の内容に応じて、手術に用いる処置器具に適した様々な径を持つ複数のトロカール管を腹腔内に刺入するが、術中にトロカール管の径が小さくて、処置器具が挿入できなかったり、腹腔内から臓器等を取り出すことができないということが生じる。また、そのような場合には、新たに大径のトロカール管を刺入しなければならないので、使用するトロカール管の数が多くなる、術時間が長くなる、手技が煩雑になるなどの問題点がある。
【0008】
さらに、上述のようなトロカール管は、先端の径が腹壁に穿刺する際においても、使用する処置器具等を挿入できる程度の径を有するため、腹壁に刺入する際にかなりの抵抗を受け穿刺の妨げとなる、トロカール管の径と同程度の瘡痕を残すという問題点がある。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、様々な径を持つ処置器具等に対応でき、刺入し易く、大きな瘡痕を残さない低侵襲であるトロカール管及びそれを備えたトロカールを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、本発明のトロカール管及びそれを備えたトロカールにより達成される。
【0011】
すなわち、本発明のトロカールは、管状部材と、該管状部材の基端部に接続されたグリップ部材とからなるトロカール管と、該トロカール管に挿入、抜去でき、該トロカール管に挿入されたとき、該トロカール管の先端部から突出する穿刺端を有するブレードと、該トロカール管に挿入、抜去できる拡張用トロカール管とからなる体壁に穿通して処置器具を挿入できるトロカールであって、該トロカール管の該管状部材は、環状に連結した4枚から50枚の板状体と、複数の該板状体の少なくとも外周面を覆う伸縮性を有するチューブとから構成され、通常は、該複数の板状体の側面が接していて基端部より先端部の径が小さく、また、該ブレードの抜去後に、該トロカール管の該管状部材の通常の先端部の内径より大きい外径を有する第2の管状部材及び該第2の管状部材の基端部に接続された第2のグリップ部材により構成される該拡張用トロカール管により、該トロカール管の先端部の径を拡張するものである。
【0012】
また、前記板状体は、先端側の幅より基端側の幅の方が大きい台形形状であることが好ましい。
【0013】
また、前記グリップ部材の係合軸に前記板状体の基端が巻きつけられるように固定されていることが好ましい。
【0014】
また、前記ブレードのシャフトは、前記トロカール管の通常における前記管状部材の内腔形状と略同形状である基端よりも先端の径の方が小さい略円錐形状であることが好ましい。
【0015】
また、前記チューブは、前記グリップ部材の外壁に接着されていることが好ましい。
【0016】
前記チューブの肉厚は、0.03mm〜2.0mm程度であることが好ましい。
【0018】
【作用】
本発明のトロカール管及びそれを備えたトロカールは、管状部材が通常は、基端部の径より先端部の径の方が小さいので、ブレードを挿入して体壁に穿刺するときの抵抗が小さい。また、ブレードのシャフトがトロカール管の管状部材の内腔と略同形状であるので、トロカール管が変形し刺入が困難になることを防止する。また、体壁への侵襲が小さく、トロカールを抜去した後には、瘡痕が小さい。さらに、処置器具等を挿入する際には、処置器具の外径に適した内径の拡張用トロカール管を挿入して、該トロカール管の先端部の径を拡張することができるので、術中においても、新たに別のトロカール管を腹腔内に刺入しなくても、処置器具等に適した内径を有するトロカール管を使用することができる。
【0019】
また、本発明のトロカール管及びそれを備えたトロカールは、複数の板状体が環状に連結した管状部材と、該複数の板状体の少なくとも外周面を覆う伸縮性を有するチューブとから構成されるので、トロカール管を腹腔内に穿刺する際に、体壁を損傷することがなく、刺入し易い。
【0020】
さらに、本発明のトロカール管及びそれを備えたトロカールは、管状部材の板状体が先端の幅より基端の幅が大きい細長い台形形状であるため、管状部材の先端部の外径が基端部の外径に比べて小さいので、トロカール管を腹腔内に穿刺する際の抵抗が小さい。
【0021】
【実施例】
<発明の構成>
以下、本発明のトロカール管を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施例に係るトロカール管の通常の状態を示す外観図である。図のように、本発明の構成例に係るトロカール管10は、管状部材20と、管状部材20の基端部21に接続されたグリップ部材30とからなるトロカール管であって、管状部材20は、通常は、基端部21の径よりも先端部22の径の方が小さい略円錐形状に構成されている。そして、トロカール管10の先端部22の内径は、後述する拡張用トロカール管の外径に合わせて拡張するように構成されている。また、例えば、クリップ鉗子のように処置部(クリップ部材)やシャフトが硬質材料からなり略均一な外径からなる処置器具等をトロカール管に挿入するときには、拡張用トロカール管を用いずにトロカール管10の先端部22の内径を拡張することができる。
【0023】
また、管状部材20は、環状に連結した複数の板状体23と、複数の板状体23の外周面を覆うチューブ24とから構成される。さらに、板状体23は、先端側の幅よりも基端側の幅の方が大きい台形形状であり、チューブ24は、伸縮性を有し、トロカール管10を腹腔内に穿刺するときに体壁を損傷することを防止すると共に、気密性を保つものである。
【0024】
板状体23を構成する材質としては、腹腔内に穿刺する際の衝撃、或いは体壁から受ける圧力に耐えられる程度の強度を有する材質であれば特に限定されないが、例えば、ステンレス綱、アルミ合金、超弾性金属、形状記憶合金などの金属材料およびポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン、アクリル樹脂などの合成樹脂材料等を挙げることができる。また、電気メス等の電気的器具を用いることがあることを考えれば、非導電性である上述の合成樹脂材料で構成されることが好ましく、特に、ポリカーボネート、ABS等で構成されることがより好ましい。
【0025】
板状体23の肉厚は、その材質にもよるが、0.05mm〜3.0mm程度、0.1mm〜1.5mm程度が好ましく、特に0.5mm程度がより好ましい。板状体23の肉厚が0.05mm以下であると、体壁から受ける圧力に耐えられない恐れがあり、3.0mm以上であると体壁に穿刺する際の抵抗が大きくなり穿刺することができない恐れがある。
【0026】
板状体23の先端側の幅は、管状部材20を構成する板状体23の枚数にもよるが、例えば、板状体23が6枚の場合は、6.0mm以下程度、特に、4.0mm以下程度が好ましく、特に1.5mm程度が好ましい。6.0mm以上であると、管状部材20の先端部22の内径および外径が大きくなり、体壁に穿刺する際の抵抗が大きくなり穿刺することができない恐れがある。4.0mm以下であれば、体壁に穿刺することが十分可能である。
【0027】
また、板状体23の基端側の幅は、管状部材20を構成する板状体23の枚数にもよるが、例えば、板状体23が6枚の場合は、3.0mm〜50mm程度、特に、5.0mm〜20mm程度が好ましく、特に6.0mm程度が好ましい。板状体23の基端側の幅が3.0mm以下であると、用いる材質にもよるが管状部材20の強度が弱くなり、体壁に刺入する際にトロカール管が変形し刺入することが困難になる恐れがある。50mm以上であると管状部材20の基端部21の外径が大きくなり、体壁に穿刺する際の抵抗が大きくなり穿刺しにくくなる。
【0028】
チューブ24を構成する材質としては、伸縮性、気密性、耐久性を有する材質であれば特に限定されないが、例えば、シリコーンゴム、ラテックスゴム、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体などを挙げることができるが、特に、シリコーンゴム等で構成されることが好ましい。
【0029】
チューブ24の肉厚は、その材質や形成する管状部材20の径にもよるが、0.03mm〜2.0mm程度、0.05mm〜0.5mm程度が好ましく、特に0.2mm程度であることがより好ましい。チューブ24の肉厚が0.03mm以下であると、管状部材20に処置器具等を挿入する際に破れる恐れがあり、2.0mm以上であると、腹腔内に穿刺する際の抵抗が大きくなり穿刺することができない恐れがある。
【0030】
上述の板状体23は、その材質や肉厚にもよるが、例えば、4枚〜50枚程度、好ましくは6〜12枚、特に好ましくは6枚〜8枚を用いられる。
【0031】
管状部材20の基端部21の内径は、使用する処置器具等の外径によるが、4.0mm〜50mm程度、4.5mm〜30mm程度が好ましく、特に5.0mm〜10mm程度がより好ましい。基端部21の内径が4.0mm以下であると、使用することのできる処置器具が限られてしまい、50mm以上であると、患者に与える侵襲が大きく、回復に時間を要する。
【0032】
管状部材20の先端部22の内径は、1.0mm程度以上、好ましくは2.0mm以上、特に、2.5mm程度に構成することがより好ましい。1.0mm以下であると、後述する拡張用トロカール管が挿入できない恐れがある。
【0033】
管状部材20の全長は、30mm〜250mm程度、特に、50mm〜200mm程度が好ましく、特に100mm程度が好ましい。管状部材20の全長が30mm以下であると、肥大した体壁を穿通できない恐れがあり、250mm以上であると、処置器具の操作が困難になる恐れがある。
【0034】
図2は、本発明の実施例に係るトロカール管の通常の状態を示す図1のA−A断面図である。図のように、通常の状態では、チューブ24が縮んだ状態であり、また、複数の板状体23の側面が互いに接した状態である。
【0035】
そして、チューブ24が管状部材20の内腔部25の気密性を保つと共に、板状体23が体壁などを傷つけるのを防止する。
【0036】
図3は、本発明の実施例に係るトロカール管のグリップ部材の構成を示す図1の部分断面図である。図のように、グリップ部材30は、主に、後述する拡張用トロカール管を挿入するための挿入口31と、気腹圧を低下させないために気密性を保つ逆止弁32と、管状部材20の基端部21を固定する係合部35と、管状部材20の内腔部25に連通する連通部36とからなる。 そして、逆止弁32は、トロカール管10を体壁に穿刺し後述するブレードを抜去した後に気密性を保つ開口弁33と、トロカール管10に後述する拡張用トロカール管を挿入したときに気密性を保つスリット弁34からなる。また、係合部35は、係合軸からなり、この係合軸に管状部材20の板状体23の基端が巻き付けられるように固定されている。なお、管状部材20のチューブ24は、グリップ部材30の外壁37に接着され、管状部材20の内腔部25および連通部36に気体および液体が侵入することを防止する。
【0037】
挿入口31の直径は、管状部材20の内径や開口弁33の材質にもよるが、1.0mm〜50mmが好ましく、特に1.5mm〜30mmがより好ましい。挿入口31の直径が1.0mm以下であると、使用することのできる処置器具が限られてしまい、50mm以上であると、管状部材20の内径も大きくなるため、患者に与える侵襲が大きく、回復に時間を要する。
【0038】
グリップ部材30の外壁37を構成する材質としては、例えば、ステンレス鋼、アルミ合金等の金属材料、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン、アクリル樹脂等の合成樹脂材料が好ましく、特に、ポリカーボネートにより構成されることがより好ましい。
【0039】
逆止弁32の開口弁33を構成する材質としては、例えば、シリコーンゴム、ラテックスゴム、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体等の伸縮性を有する材料が好ましく、特に、シリコーンゴムで構成されることがより好ましい。
【0040】
また、開口弁33の肉厚は、0.03mm〜2.0mm程度、0.05mm〜0.5mmが好ましく、特に、0.3mm程度がより好ましい。開口弁33の肉厚が0.03mm以下であると、後述する拡張用トロカール管を挿入する際に破れてしまう恐れがあり、2.0mm以上であると、後述する拡張用トロカール管を挿入することが困難である。
【0041】
逆止弁32のスリット弁34を構成する材質としては、開口弁33を構成する材料と同様、例えば、シリコーンゴム、ラテックスゴム、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体等の伸縮性を有する材料が好ましく、特に、シリコーンゴムで構成されることがより好ましい。
【0042】
また、スリット弁34の肉厚は、0.1mm〜3.0mm程度、0.2mm〜2.0mmが好ましく、特に、1.0mm程度がより好ましい。スリット弁34の肉厚が0.1mm以下であると、耐圧性が劣ることや後述する拡張用トロカール管を挿入する際に破れてしまうことが考えられる。また、3.0mm以上であると、後述する拡張用トロカール管を挿入することが困難である。
【0043】
図4は、本発明の実施例に係るトロカールを構成するブレードを示す外観図である。図のように、ブレード40は、シャフト41と、シャフト41の基端部42に接続されたグリップ44と、シャフト41の先端部43の先端側に一体成形された穿刺端45とを有するものである。
【0044】
そして、このブレード40を上述したグリップ部材30の挿入口31からトロカール管10の内腔部25に挿入すると、トロカール管10の先端部22から穿刺端45が突出した状態となる。この状態でブレード40の穿刺端45により体壁を穿通して腹腔内に刺入し、その後トロカール管10を残してブレード40のみを抜去するものであり、残されたトロカール管10に後述する拡張用トロカール管を挿入し、この拡張用トロカール管を介して、腹腔内に内視鏡、鉗子、電気メス等を出し入れする。
【0045】
このため、体壁を穿通する際に、ブレード40のみが腹腔内に貫通し、トロカール管10の管状部材20は体壁を穿通することができずに軸方向に縮んでしまう恐れがあるので、ブレード40の形状は、トロカール管10の通常の状態の内腔に適合する形状であることが好ましく、特にシャフト41の先端部43がトロカール管10の先端部22の内壁に接するように構成されている。図4においては、シャフト41の形状が基端よりも先端の径が小さい略円錐形状のものを挙げたが、シャフト41の形状は、体壁を穿刺する際の衝撃に耐えられる強度を有する形状であり、トロカール管10の通常における前記管状部材の内腔部25の形状と略同形状である基端よりも先端の径の方が小さい略多角錐形状、或いはその形状に近似する形状であってもよい。
【0046】
シャフト41を構成する材質としては、例えば、ステンレス鋼、アルミ合金、超弾性合金、形状記憶合金等の金属材料や、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリプロピレン、ポリエチレン、テフロン、PEK、PEEKが好ましく、特に、ステンレス鋼がより好ましい。
【0047】
シャフト41の全長は、40mm〜300mm程度、特に、60mm〜250mm程度が好ましく、特に150mm程度が好ましい。シャフト41の全長が40mm以下であると、穿刺端45がトロカール管10の先端から突出しない、また、300mm以上であると、ブレード40を必要以上に腹腔内に刺入することっとなり、腹腔内臓器等を傷つけてしまう恐れがある。
【0048】
シャフト41の基端部42の外径は、トロカール管10の基端部21の内径に適した大きさで、5.0mm〜50mm程度、6.0mm〜30mm程度が好ましく、特に7.5mm程度がより好ましい。
【0049】
また、シャフト41の先端部43の外径は、トロカール管10の先端部22の内径に適した大きさで、1.0mm〜15mm程度、2.0mm〜10mm程度が好ましく、特に2.0mm程度がより好ましい。
【0050】
グリップ44を構成する材質としては、例えば、ステンレス鋼、アルミ合金等の金属材料、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン、アクリル樹脂等の合成樹脂材料が好ましく、特に、ポリカーボネート等により構成されることがより好ましい。
【0051】
図5は、本発明の実施例に係るトロカール管を拡張するための拡張用トロカール管を示す外観図である。図のように、拡張用トロカール管50は、主に処置器具等を腹腔内に挿入するための管状部材51と、管状部材51の基端部52に接続されたグリップ部材54とからなるものである。
【0052】
そして、この拡張用トロカール50を上述したグリップ部材30の挿入口31から使用する処置器具(術具)等の外径に適した内径を有する拡張用トロカール管50をトロカール管10の内腔部25に挿入して、トロカール管10の管状部材20を拡張するものである。
【0053】
このため、手術の前には、予め複数の内径の異なる拡張用トロカール管50を用意し、術具等に適した内径の拡張用トロカール管50をトロカール管10に挿入し、管状部材20の先端部22を拡張して術具等を使用する。なお、拡張用トロカール管50として、従来より使用されているトロカール管(外套管)を用いることは可能である。
【0054】
また、例えば、クリップ鉗子のように処置部(クリップ部材)やシャフトが硬質材料からなり略均一な外径からなる処置器具等をトロカール管に挿入するときには、拡張用トロカール管50を用いずにトロカール管10の先端部22の内径を拡張することができるが、例えば、把持鉗子のように腹腔内から胆嚢等の任意の臓器或いは臓器の一部分を把持して腹腔外に取り出すことに用いる処置器具を用いるときには、トロカール管により一定内径を有する通路を確保する必要があるため、拡張用トロカール管50を用いることが有効である。
【0055】
拡張用トロカール管50の管状部材51を構成する材質としては、例えば、ステンレス綱、アルミ合金、超弾性金属、形状記憶合金などの金属材料およびポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン、アクリル樹脂などの合成樹脂材料等を挙げることができる。また、電気メス等の電気的器具を用いることがあることを考えれば、非導電性である上述の合成樹脂材料で構成されることが好ましく、特に、ポリカーボネート等で構成されることが好ましい。
【0056】
拡張用トロカール管50の管状部材51の全長は、40mm〜300mm程度、特に、60mm〜250mm程度が好ましく、特に130mm程度が好ましい。管状部材50の全長が40mm以下であると、肥大した体壁を穿通できない恐れがあり、300mm以上であると、処置器具の操作が困難になる恐れがある。
【0057】
拡張用トロカール管50の管状部材51の内径は、使用する処置器具等の外径により異なるが、2.0mm〜49mm程度、3.0mm〜30mm程度が好ましく、特に3.0〜20mm程度がより好ましい。管状部材51の内径が3.0mm以下であると、使用することのできる処置器具が限られてしまい、49mm以上であると、患者に与える侵襲が大きく、回復に時間を要する。
【0058】
また、拡張用トロカール管50の管状部材51の肉厚は、使用する処置器具等により異なるが、0.05mm〜2.0mm程度、0.1mm〜1.5mm程度が好ましく、特に、1.0mm程度がより好ましい。
【0059】
また、拡張用トロカール管50の管状部材51の外径は、管状部材51の肉厚や使用する処置器具等の外径により異なるが、3.0mm〜50mm程度、3.0mm〜31mm程度が好ましく、特に3.0mm〜21mm程度がより好ましい。
【0060】
図6は、本発明の実施例に係る拡張用トロカール管のグリップ部材の構成を示す図5の部分断面図である。図のように、グリップ部材54は、主に、処置器具(術具)等を挿入するための挿入口56と、気腹圧を低下させないために気密性を保つ逆止弁57と、管状部材50の内腔部55に連通する連通部55’とからなる。
【0061】
そして、逆止弁57は、処置器具等を挿入するための挿入口56に連通する開口を有し、処置器具等を抜去したときに気密性を保つ開口弁58と、処置器具等を挿入したときに気密性を保つスリット弁59からなる。
【0062】
グリップ部材54の外壁54’を構成する材質としては、例えば、ステンレス鋼、アルミ合金等の金属材料、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン、アクリル樹脂等の合成樹脂材料が好ましく、特に、ポリカーボネートにより構成されることがより好ましい。
【0063】
逆止弁57の開口弁58を構成する材質としては、トロカール管10の開口弁33と同様、例えば、シリコーンゴム、ラテックスゴム、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体等の伸縮性を有する材料が好ましく、特に、シリコーンゴムがより好ましい。
【0064】
また、開口弁58の肉厚は、トロカール管10の開口弁33と同様、0.03mm〜2.0mm程度、0.05mm〜0.5mmが好ましく、特に、0.3mm程度がより好ましい。開口弁33の肉厚が0.03mm以下であると、処置器具等を挿入する際に破れてしまう恐れがあり、2.0mm以上であると、処置器具等を挿入することが困難である。
【0065】
逆止弁57のスリット弁59を構成する材質としては、トロカール管10のスリット弁34と同様、開口弁57を構成する材料と同様、例えば、シリコーンゴム、ラテックスゴム、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体等の伸縮性を有する材料が好ましく、特に、シリコーンゴムがより好ましい。
【0066】
また、スリット弁59の肉厚は、0.1mm〜3.0mm程度、0.2mm〜2.0mmが好ましく、特に、1.0mm程度がより好ましい。スリット弁34の肉厚が0.1mm以下であると、耐圧性が劣ることや後述する処置器具等を挿入する際に破れてしまうことが考えられる。また、3.0mm以上であると、処置器具等を挿入することが困難である。
【0067】
以下、本発明のトロカールを添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0068】
図7は、本発明の実施例に係るトロカール管に拡張用トロカール管を挿入した状態を示す外観図である。また、図8は、本発明の実施例に係るトロカール管に拡張用トロカール管を挿入した状態を示す図7のB−B断面図である。
【0069】
本発明の構成例に係るトロカール60は、図1に示すトロカール管10と、図4に示すブレード40とから構成される。また、図7に示すように、本発明の構成例に係るトロカール60は、トロカール管10と、図4に示すブレード40および拡張用トロカール管50から構成されてもよい。
【0070】
また、図8に示すように、トロカール管10に拡張用トロカール管50を挿入した状態では、チューブ24が伸びた状態であり、また、複数の板状体23の間隔が広がった状態になる。
【0071】
そして、最初に、図1に示すトロカール管10に図4に示すブレード40を挿入することにより、トロカール管10の先端部22から穿刺端45が突出した状態となる。この状態でブレード40の穿刺端45により体壁を穿通して腹腔内に刺入し、その後トロカール管10を残してブレード40のみを抜去する。そして、残されたトロカール管10に図5に示す拡張用トロカール管50を挿入する(この状態を図7および図8に示す。)ことにより、トロカール管10の先端部22の径が拡張する。この状態で、拡張用トロカール管50を介して、腹腔内に内視鏡、鉗子、電気メス等の処置器具等を出し入れするように構成されている。
【0072】
また、体壁を穿通して腹腔内に刺入する際には、トロカール管10の管状部材20が基端部より先端部の径が小さい略円錐形状であり(通常の状態)、トロカール管10に挿入するブレード40のシャフト41の形状がトロカール管10の内腔部25の形状に近似するので、体壁に小さい穿刺口をつくり、穿刺口を拡張しながら(押し広げながら)、トロカール管10を腹腔内に刺入し、その後に拡張用トロカール管50を挿入する際においては、トロカール管10の先端部22を拡張させるため、体壁に残る瘡痕は従来のトロカールを用いた場合に比べて小さい。また、刺入抵抗が小さいので、誤って腹腔内臓器を傷つけてしまうことがない。
【0073】
さらに、拡張用トロカール管50は、使用する処置器具(術具)等の外径に適したものを用いることにより、術具等の操作が行い易いので、安全に手術を行うことができる。また、術中に異なる外径を有する術具等を使用する場合は、最初に挿入した拡張用トロカール管を抜去(取り外し)、再度使用する術具等の外径に適した拡張用トロカール管を挿入することができるので、術中に別のトロカールを腹腔内に刺入する必要がない。
【0074】
<実施例>
次に、本発明のトロカール管及びそれを備えたトロカールの具体的実施例について説明する。
【0075】
(実施例1)
図1〜図3に示す構造のトロカール管10を作成した。このトロカール管の諸条件は、次の通りである。
【0076】
[板状体]
材 質:ポリカーボネート
先端部の幅:1.5mm
基端部の幅:6.0mm
肉 厚:0.5mm
[チューブ]
材 質:シリコーンゴム
肉 厚:0.2mm
[管状部材]
上記板状体を6枚とチューブを用いて、次の通りに作成した。
【0077】
先端部内径:2.5mm
基端部内径:7.5mm
先端部外径:3.0mm
基端部外径:8.0mm
肉 厚:0.5mm
全 長:100mm
[グリップ部材の外壁]
材 質:ポリカーボネート
[開口弁]
材 質:シリコーンゴム
肉 厚:0.3mm
[スリット弁]
材 質:シリコーンゴム
肉 厚:1.0mm
次に、図4に示す構造のブレード40を製造した。このブレードの諸条件は、次の通りである。
【0078】
[シャフト]
材 質:SUS304
先端部外径:2.0mm
基端部外径:7.5mm
全 長:140mm
[グリップ]
材 質:ポリカーボネート
次に、図5および図6に示す構造の拡張用トロカール管50を作成した。なお、拡張用トロカール管50については、それぞれ管状部材の内径および外径が異なる以外は、違いのない3種類を作成した。この拡張用トロカール管の諸条件は、次の通りである。
【0079】
[管状部材]
材 質:ポリカーボネート
内 径:3.0mm
外 径:4.0mm
肉 厚:1.0mm
全 長:130mm
[グリップ部材の外壁]
材 質:ポリカーボネート
[開口弁]
材 質:シリコーンゴム
肉 厚:0.3mm
[スリット弁]
材 質:シリコーンゴム
肉 厚:1.0mm
(実施例2)
[管状部材]
材 質:実施例1と同様
内 径:4.5mm
外 径:5.5mm
肉 厚:1.0mm
全 長:実施例1と同様
(実施例3)
[管状部材]
材 質:実施例1と同様
内 径:6.0mm
外 径:7.0mm
肉 厚:1.0mm
全 長:実施例1と同様
(実験例)
上記の実施例1のトロカール管およびブレード、実施例1〜3の拡張用トロカール管を使用して、腸管吻合手術を行った。
【0080】
最初に、雑種成犬に全身麻酔を行った後、腹腔内にガス(CO2 )を注入し、気腹を行なった。そして、従来より用いられているトロカールを使って腹腔内にトロカール管を挿入した。そのトロカール管を用いて軟性内視鏡を挿入し、内視鏡の小型カメラで撮影した画像をモニタニングできるようにした。
【0081】
次に、実施例1のトロカール管に実施例1のブレードを挿入し、トロカール管の先端部からブレードの穿刺端が突出した状態で、穿刺端により体壁を穿通して腹腔内に刺入し、その後トロカール管を残してブレードのみを抜去した。そして、残されたトロカール管に、まず実施例1の拡張用トロカール管の先端部分を挿入し、この拡張用トロカール管のグリップ部材を押して、トロカール管の先端部を拡張しながら、腹腔内まで拡張用トロカール管を挿入した。そして、実施例1の拡張用トロカール管を介して外径2.0mmの小型ヘラ鉗子を腹腔内に挿入し使用した。その後、実施例1の拡張用トロカール管を抜去して、実施例2の拡張用トロカール管を腹腔内に挿入して外径4.0mmのレーザーメス等を使用し、そして、実施例3の拡張用トロカール管を腹腔内に挿入して外径5.0mmの把持鉗子、持針器等を使用した。
【0082】
トロカールを腹腔内に刺入する際には、体壁との摩擦により起こる刺入抵抗により、トロカール管が変形し刺入が困難になることはなく、容易に腹腔内に刺入することができた。また、刺入する際に、体壁が腹腔内臓器近傍まで押し下げられることがなかったので、誤って腹腔内臓器を傷つけてしまうことはなかった。さらに、径の異なる3種類の拡張用トロカール管を挿入した際においても、トロカール管内は気密性、液密性が保たれていた。また、処置器具等の外径に適した内径を有する拡張用トロカール管を用いることができたので、様々な径を持つ処置器具等に対応できた。さらに、拡張用トロカール管としては、従来より用いられていたトロカール管を使用することもできた。
【0083】
また、トロカールを腹腔内に刺入する際に体壁に小さい穿刺口をつくり、穿刺口を拡張しながら(押し広げながら)、腹腔内に刺入するため、従来より用いられている内径5.0mmの術具を腹腔内に挿入できるトロカール管を備えたトロカールを体壁に刺入したときに比べて、体壁に残った瘡痕は小さいものであった。
【0084】
本実施例においては、トロカール管の管状部材の肉厚が先端部と基端部とで同じものを用いたが、管状部材の肉厚が先端部と基端部とで異なるものを用いてもよく、先端部の肉厚が基端部に比べて小さいものを用いた場合には、より刺入抵抗が小さくなることが考えられる。
【0085】
上述した本実施例においては、主にトロカール管に拡張用トロカール管を挿入し、拡張用トロカール管を介して処置器具等を腹腔内から出し入れすることを述べたが、本発明のトロカール管及びそれを備えたトロカールは、操作部を除く処置部およびシャフトが略一定の外径を有し、処置部およびシャフトが硬質で軸方向に伸びない材質から構成される処置器具、例えば、ハサミ鉗子、クリップ鉗子、電気メス、硬性鏡等は、拡張用トロカール管を用いずに直接トロカール管を介して腹腔内から出し入れすることが可能である。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のトロカールによれば、管状部材と、該管状部材の基端部に接続されたグリップ部材とからなるトロカール管と、該トロカール管に挿入、抜去でき、該トロカール管に挿入されたとき、該トロカール管の先端部から突出する穿刺端を有するブレードと、該トロカール管に挿入、抜去できる拡張用トロカール管とからなる体壁に穿通して処置器具を挿入できるトロカールであって、該トロカール管の該管状部材は、環状に連結した4枚から50枚の板状体と、複数の該板状体の少なくとも外周面を覆う伸縮性を有するチューブとから構成され、通常は、該複数の板状体の側面が接していて基端部より先端部の径が小さく、また、該ブレードの抜去後に、該トロカール管の該管状部材の通常の先端部の内径より大きい外径を有する第2の管状部材及び該第2の管状部材の基端部に接続された第2のグリップ部材により構成される該拡張用トロカール管により、該トロカール管の先端部の径を拡張することを特徴とすることにより、様々な径を持つ処置器具等に対応することができる。また、腹腔内に刺入する際に、摩擦抵抗が小さいので、体壁に刺入することが容易で、誤って腹腔内臓器を傷つけることもなく、大きな瘡痕を残さない低侵襲のものである。さらに、気密性、液密性を保つことができると共に、トロカール管の先端部を拡張するとき、体壁を傷つけることを防止する。
【0087】
また、本発明のトロカールは、前記板状体は、先端側の幅より基端側の幅の方が大きい台形形状であることを特徴とすることにより、管状部材の先端部の外径が基端部の外径に比べて小さいため、トロカール管を腹腔内に穿刺する際の抵抗が小さいので、誤って腹腔内臓器を傷つけることがない。
【0088】
また、本発明のトロカールは、前記グリップ部材の係合軸に前記板状体の基端が巻きつけられるように固定されていることを特徴とすることにより、処置器具等を挿入する際には、先端部の径が拡張することにより、様々な径を持つ処置器具等に対応することができる。
【0089】
また、本発明のトロカールによれば、前記ブレードのシャフトは、前記トロカール管の通常における前記管状部材の内腔形状と略同形状である基端よりも先端の径の方が小さい略円錐形状であることを特徴とすることにより、体壁に刺入する際に、摩擦抵抗が小さいので、体壁に刺入することが容易なものである。また、トロカール管が変形し刺入が困難になることを防止する。さらに、大きな瘡痕を残さない低侵襲のものである。
【0090】
また、前記チューブは、前記グリップ部材の外壁に接着されていることを特徴とすることにより、トロカール管の内腔部及び連通部に気体及び液体が侵入することを防止する。
【0091】
前記チューブの肉厚は、0.03mm〜2.0mm程度であることを特徴とすることにより、チューブが破れることなく、また穿刺抵抗が小さく、体壁への刺入を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るトロカール管の通常の状態を示す外観図である。
【図2】本発明の実施例に係るトロカール管の通常の状態を示す図1のA−A’断面図である。
【図3】本発明の実施例に係るトロカール管のグリップ部材の構成を示す図1の部分断面図である。
【図4】本発明の実施例に係るトロカールを構成するブレードを示す外観図である。
【図5】本発明の実施例に係るトロカール管を拡張するための拡張用トロカール管を示す外観図である。
【図6】本発明の実施例に係る拡張用トロカール管のグリップ部材の構成を示す図5の部分断面図である。
【図7】本発明の実施例に係るトロカール管に拡張用トロカール管を挿入した状態を示す外観図である。
【図8】本発明の実施例に係るトロカール管に拡張用トロカール管を挿入した状態を示す図7のB−B’断面図である。
【図9】従来の腹腔鏡下外科手術の様子を示す断面図である。
【符号の説明】
10 トロカール管
20 管状部材
23 板状体
24 チューブ
30 グリップ部材
32 逆止弁
35 係合部
40 ブレード
41 シャフト
44 グリップ
50 拡張用トロカール管
51 管状部材
54 グリップ部材
60 トロカール
Claims (6)
- 管状部材と、該管状部材の基端部に接続されたグリップ部材とからなるトロカール管と、該トロカール管に挿入、抜去でき、該トロカール管に挿入されたとき、該トロカール管の先端部から突出する穿刺端を有するブレードと、該トロカール管に挿入、抜去できる拡張用トロカール管とからなる体壁に穿通して処置器具を挿入できるトロカールであって、該トロカール管の該管状部材は、環状に連結した4枚から50枚の板状体と、複数の該板状体の少なくとも外周面を覆う伸縮性を有するチューブとから構成され、通常は、該複数の板状体の側面が接していて基端部より先端部の径が小さく、また、該ブレードの抜去後に、該トロカール管の該管状部材の通常の先端部の内径より大きい外径を有する第2の管状部材及び該第2の管状部材の基端部に接続された第2のグリップ部材により構成される該拡張用トロカール管により、該トロカール管の先端部の径を拡張することを特徴とするトロカール。
- 前記板状体は、先端側の幅より基端側の幅の方が大きい台形形状であることを特徴とする請求項1に記載のトロカール。
- 前記グリップ部材の係合軸に前記板状体の基端が巻きつけられるように固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトロカール。
- 前記ブレードのシャフトは、前記トロカール管の通常における前記管状部材の内腔形状と略同形状である基端よりも先端の径の方が小さい略円錐形状であることを特徴とする請求項1乃至3に記載のトロカール。
- 前記チューブは、前記グリップ部材の外壁に接着されてい
ることを特徴とする請求項1乃至4に記載のトロカール。 - 前記チューブの肉厚は、0.03mm〜2.0mm程度であることを特徴とする請求項1乃至6に記載のトロカール。
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