JP3757694B2 - 表面欠陥検査方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面欠陥検査方法に関し、塗装欠陥の検出に利用することができる表面欠陥検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車の塗装中に塗装面にほこり、塗料かすなどが付着すると1〜2mm程度の径の盛り上がった、ブツと呼ばれる塗装欠陥が生じることがあり、手直しまたは再塗装される。そのために、塗装欠陥を検出することが必要となる。
従来、塗装欠陥検出は、実開昭62−28155号に開示されているように、スリットレーザ光を照射し、その途切れで欠陥を検出する方法がある。
また、特開平5−164696号に開示されているように、明暗模様の光を照射し、反射光を画像取込みして濃度ヒストグラムを作成し、その勾配から塗装面を評価する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実開昭62−28155号の方法では、検査面が曲面の場合レーザ光が歪んでしまい検査できないという問題がある。
また、特開平5−164696号の方法では、検査面全体としての評価であるため、欠陥自体を抽出することができず、欠陥手直し時に手直しすべき欠陥とその位置の特定が困難である。
本発明の目的は、検査面が湾曲していても検査が可能であり、かつ欠陥の特定が可能な、表面欠陥検査方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、つぎの通りである。
(1) 明暗パターンを有した光源を検査表面に写し出してカメラを介してコンピュータに画像取込みする工程と、
取り込んだ画像の濃度ヒストグラムを作成する工程と、
前記画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程と、
を有し、
前記画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程が、
前記画像の濃度ヒストグラムのうち欠陥が含まれる所定濃度域を決定する工程と、
前記所定濃度域以外の濃度のピクセルの濃度を真黒または真白に対応する濃度値として前記所定濃度域内の濃度をもつピクセルに基づいて欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像を作成する工程と、
を有する表面欠陥検査方法。
(2) 前記画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程が、
前記欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する工程を有する(1)記載の表面欠陥検査方法。
(3) 前記欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する工程が、
前記欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像で、欠陥およびゆず肌ノイズに順に番号を付すとともに濃度を1づつ上げてラベリングを施す工程と、
欠陥およびゆず肌ノイズの濃度ヒストグラムを作成する工程と、
前記濃度ヒストグラムで所定面積以上の面積をもつものを欠陥と判定して抽出する工程と、
を有する(2)記載の表面欠陥検査方法。
【0005】
上記(1)の表面欠陥検査方法では、明暗パターンをもつ光源を検査表面に写し出してそれを画像取込みするので、明暗パターンが歪んでも検査可能であり、スリットレーザ光の場合のように検査表面の湾曲に従ってレーザ光パターンが歪み検査が不能になるという問題はない。また、明暗パターン、欠陥、ゆず肌ノイズを含む濃度ヒストグラムから欠陥(およびゆず肌ノイズ)を抽出するので、欠陥とその位置を特定することができる。
上記(1)の表面欠陥検査方法では、明暗パターン、欠陥、ゆず肌ノイズを含む濃度ヒストグラムは暗の山部と明の山部とその中央の谷部とからなっており、明暗パターンの暗パターン中の欠陥は濃度ヒストグラムの暗の山部の谷部側に含まれ、明暗パターンの明パターン中の欠陥は濃度ヒストグラムの明の山部の谷部側に含まれることが見出された。この知見に基づき、濃度ヒストグラムが作成されると、暗の山部の谷部側の所定域と明の山部の谷部側の所定域とを欠陥が含まれる所定濃度域として決定する。ついで、この所定濃度域以外の濃度のピクセル(画素)の濃度を真黒に対応する濃度値(たとえば、0)または真白に対応する濃度値(たとえば、255)として、所定濃度域内の濃度をもつピクセルに基づいて欠陥および一部のゆず肌ノイズ(ゆず肌ノイズのうち明暗パターンの境界近傍にあるゆず肌ノイズ)のみからなる画像(明暗パターンを除去した画像)を作成することができる。これによって、欠陥(および一部のゆず肌ノイズ)を抽出することができ、欠陥とその位置を特定することができる。
上記(2)の表面欠陥検査方法では、画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程が、上記(1)に加えて、さらに、欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する工程を有するので、欠陥が小さな欠陥であっても、ゆず肌ノイズと区別して検出でき、手直しにかけることができる。
上記(3)の表面欠陥検査方法では、欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する方法として、ラベリング、濃度ヒストグラムの作成、濃度ヒストグラムで所定面積以上の面積をもつものを欠陥と判定する方法を提供している。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明実施例の表面欠陥検査方法を、図1〜図11を参照して、説明する。
本発明実施例の表面欠陥検査方法を実施する表面欠陥検査装置は、図1に示すように、明暗パターンを有する光源1と、検査表面(たとえば、車の塗装面)4に写し出された光源1からの光の明暗パターンを撮像するカメラ(たとえば、CCDカメラ)2と、カメラ2に接続されたコンピュータ3とを有する。
【0007】
光源1は、電球1aと明暗パターン1bとを有する。明暗パターン1bは、たとえば、光を拡散する白色プラスチック板に光を通さない黒色シートを貼付したものからなる。明暗パターンは、暗部と明部が規則性をもって交互に表れるパターンであれば如何なるパターンでもよいが、たとえば図4に示すような黒色菱形と白色菱形とを半ピッチずらして並べたパターンや、黒色帯と白色帯とを交互に並べたものなどを、用いることができる。
カメラ2は、光源1からの照射光の検査表面4での反射光を受光する。カメラ2の視野は、たとえば、検査表面4で約10cm四方である。検査物(たとえば、塗装した車)とカメラ2との何れか一方を他方に対して移動させることにより、検査物の全検査表面を検査することができる。
コンピュータ3は、カメラ2が撮像した画像を取込み、画面に表示するとともに、図2、図3に示すルーチンの演算を行うプログラムがインストールされている。
【0008】
図2のルーチンは、画像取込みステップ101、電気ノイズを除去する平滑化ステップ102、取り込んだ画像の濃度ヒストグラムの作成ステップ103、欠陥を含む濃度域を選定する欠陥抽出ステップ104、欠陥を含む濃度域以外の濃度域の濃度値を2値化する2値化ステップ105を有する。ステップ101〜105は欠陥およびゆず肌ノイズ(塗装面に必然的にあるゆず肌状の凹凸で欠陥に比べて小さい)を選択的に検出するルーチンである。
【0009】
図3のルーチンは、図2のステップ104、105をさらに詳細に示したもので、ヒストグラムの最大濃度値MAXと最小濃度値MINを算出するステップ104a、MAXとMINの平均から中心Rを算出するステップ104b、MAXとMINの差に比例させて欠陥を含む暗側、明側の濃度域の中心Rからの濃度距離N1、N2を算出するステップ104c、MAXとMINの差に比例させて欠陥を含む暗側の濃度域幅J1、欠陥を含む明側の濃度域幅J2を算出するステップ104d、J1以上N1以下およびN2以上J2以下の濃度値以外のピクセルの濃度を真黒に対応する濃度値(0)または真白に対応する濃度値(255)にする2値化ステップ105を有する。
【0010】
図2のルーチンは、ステップ101〜105に加えて、さらに、欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像で、欠陥およびゆず肌ノイズに順に番号を付すとともに濃度を1づつ上げてラベリングを施すステップ106、欠陥およびゆず肌ノイズの濃度ヒストグラムを作成するステップ107、濃度ヒストグラムで所定面積以上の面積をもつものを欠陥と判定して抽出するステップ108を、有していてもよい。ステップ106〜108は、ステップ101〜105により作成した欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から、欠陥のみを抽出するルーチンを構成する。
【0011】
つぎに、本発明実施例の表面欠陥検査方法を説明する。
本発明実施例の表面欠陥検査方法は、明暗パターン1bを有した光源1を検査表面(たとえば、車の塗装面)4に写し出してカメラ2を介してコンピュータ3に画像取込みする工程と(画像取込み中を図1に示し、取り込んだ画像を図4に示す)、取り込んだ画像の濃度ヒストグラム(図5、図6の示すもの)を作成する工程と、画像の濃度ヒストグラムにより欠陥(および一部のゆず肌ノイズ)を抽出する工程と(抽出した画像を図8に示す)を、有する。
【0012】
図2は、上記工程をさらに詳細に示している。
すなわち、画像取込みステップ101で検査表面4に写し出された明暗パターンをコンピュータ3に画像取込みする。コンピュータ3の画面には、図4に示すように、明暗パターン5、欠陥6、ゆず肌ノイズ7が表示される。明暗パターン5のうち暗部(黒い部分)の欠陥6は黒に近いグレーとなり、明部(白い部分)の欠陥6は白に近いグレー(灰色)となる。その理由は、検査表面の明暗パターンの黒色部は光源の明暗パターン1bの暗部を写しているが、そこに欠陥6があると、欠陥6は盛り上がっているため、反射角が変化して光源の明暗パターン1bの明部も一部写してしまい、白色の成分が混じって、グレーとなる。ただし、グレーでも、まわりがほとんど黒色のため黒に近いグレーである。反対に、検査表面の明暗パターンの白色部は光源の明暗パターン1bの明部を写しているが、そこに欠陥6があると、欠陥6は盛り上がっているため、反射角が変化して光源の明暗パターン1bの暗部も一部写してしまい、黒色の成分が混じって、グレーとなる。ただし、グレーでも、まわりがほとんど白色のため白に近いグレーである。
【0013】
ゆず肌ノイズも同様で、明暗パターンの黒色中のノイズは黒色に近いグレーとなり、明暗パターンの白色中のノイズは白色に近いグレーとなる。ただし、ゆず肌ノイズは微小の凹凸であるため、光の反射角の変化も小さいため、明暗パターンの黒色と白色の境界に近い部分のゆず肌ノイズのみが画面に表示される。明暗パターンの黒色部の中央にあるゆず肌ノイズは、そこの反射角が少し変わっても光源の明暗パターン1bの黒色部を見るので、グレーにはならず、黒のままであって、画面に表示されない。明暗パターンの白色部の中央にあるゆず肌ノイズは、そこの反射角が少し変わっても光源の明暗パターン1bの白色部を見るので、グレーにはならず、白のままであって、画面に表示されない。
かくして、コンピュータ3に取り込まれた画像は図4のようになる。
【0014】
ついで、ステップ102で画像の高周波成分をとって滑らかにし電気的ノイズを取る平滑化処理を施す。電気的ノイズの除去と同時に、小さなゆず肌ノイズが除去されるかもしれないが、ステップ102はゆず肌ノイズを除去することを主目的とするものではない。
【0015】
ステップ103で、ステップ101で取り込んだ画像の濃度ヒストグラムを作成する。濃度ヒストグラムの横軸は濃度(明るさ)を示し、0〜255に区分されている。0は真黒に対応し、255は真白に対応する。濃度ヒストグラムの縦軸は、対象とする濃度の、1画面(1画面には512×512の画素数がある)中のピクセル(画素)数である。濃度ヒストグラムの全濃度の全ピクセル数の総和は512×512である。
濃度ヒストグラムにおいて、濃度が小側の山は画像中、明暗パターンの暗部に対応する部分8であり、濃度が大側の山は画像中、明暗パターンの明部に対応する部分9である。図からわかるように、明暗パターンの暗部といっても真黒ではなく、明暗パターンの明部といっても真白ではない。
【0016】
濃度ヒストグラムにおいて、暗部の欠陥6および一部のゆず肌ノイズ7(ゆず肌ノイズのうち明暗パターンの黒中で明暗パターン5の境界近傍にあるゆず肌ノイズ)は明暗パターンの暗部に対応する部分8より濃度ヒストグラムの中央寄り側部分10に位置し、明部の欠陥6および一部のゆず肌ノイズ7(ゆず肌ノイズのうち明暗パターンの白中で明暗パターン5の境界近傍にあるゆず肌ノイズ)は明暗パターンの明部に対応する部分9より濃度ヒストグラムの中央寄り側部分11に位置することが、発明者によって見出された。この部分10、11だけの濃度のピクセルだけを抽出して画像に示せば、欠陥6と一部のゆず肌ノイズ7(ゆず肌ノイズのうち明暗パターン5の境界近傍にあるゆず肌ノイズ)だけを含む、図8に示すような画面が得られることになる。なお、埃などの異物の場合は濃度ヒストグラムに示された時に図6のN1〜N2の間の広い範囲に分布するので、欠陥と埃などの異物との区別が可能である。
【0017】
濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程は、濃度ヒストグラムのうち欠陥が含まれる所定濃度域10、11を決定するステップ104と、所定濃度域10、11以外の濃度のピクセルの濃度を真黒に対応する濃度値「0」または真白に対応する濃度値「255」とし、所定濃度域10、11内の濃度をもつピクセルに基づいて欠陥6および一部のゆず肌ノイズ7のみからなる画像を作成するステップ105(2値化ステップ)と、を有する。
【0018】
図3は、図2の欠陥が含まれる所定濃度域10、11を決定するステップ104と、2値化ステップ105をさらに詳細に示したものである。図3において、濃度ヒストグラムのうち欠陥が含まれる所定濃度域10、11を決定するに際し、ステップ104aで濃度ヒストグラムの最大濃度値MAXと最小濃度値MINを算出する。最大濃度値MAXは濃度ヒストグラムが濃度大側で横軸と交わる点の濃度値であり、最小濃度値MINは濃度ヒストグラムが濃度小側で横軸と交わる点の濃度値である。ついで、ステップ104bでMAXとMINの平均から濃度ヒストグラムの濃度値中心Rを算出する。MAXとMINが決定されれば濃度域10、11の中心Rからの濃度距離N1、N2、濃度域10、11の幅が、予め行ったテストから予想できる。したがって、ステップ104cで、MAXとMINの差に比例させて、欠陥を含む暗側、明側の濃度域10、11の中心Rからの濃度距離N1、N2を算出する。ついで、ステップ104dで、MAXとMINの差に比例させて、欠陥を含む暗側の濃度域10の幅J1、欠陥を含む明側の濃度域11の幅J2を算出する。ついで、ステップ105で、J1以上N1以下およびN2以上J2以下の濃度値以外のピクセルの濃度を真黒に対応する濃度値「0」または真白に対応する濃度値「255」にして2値化を実行する。
【0019】
J1以上N1以下およびN2以上J2以下の濃度値以外のピクセルの濃度を濃度値「0」とすると、濃度ヒストグラムは図7に示すようになり、J1以上N1以下およびN2以上J2以下の濃度値をそのまま、または「255」にし、画像に示して黒、白を反転させれば図8が得られる。
J1以上N1以下およびN2以上J2以下の濃度値以外のピクセルの濃度を濃度値「255」とすると、濃度ヒストグラムは図7の濃度値「0」の山が濃度値「255」に移動した濃度ヒストグラムとなり、J1以上N1以下およびN2以上J2以下の濃度値をそのまま、または「0」にし、画像に示せば図8が得られる。
かくして、欠陥6および一部のゆず肌ノイズ(明暗パターンの暗部と明部の境界近傍のゆず肌ノイズ)だけが抽出された画像(図8)が得られる。
【0020】
本発明実施例の表面欠陥抽出方法は、欠陥6および一部のゆず肌ノイズ7のみからなる画像(図8)から欠陥6のみを抽出する工程を含んでもよい。 欠陥6および一部のゆず肌ノイズ7のみからなる画像から欠陥6のみを抽出する工程は、図2において、ステップ105に続いて設けられ、欠陥6および一部のゆず肌ノイズ7のみからなる画像で、図9に示すように欠陥6およびゆず肌ノイズ7に順に番号を付すとともに濃度を1づつ上げてラベリングを施すステップ106と、欠陥6およびゆず肌ノイズ7のみを含む図10の濃度ヒストグラムを作成するステップ107と、該濃度ヒストグラムで所定面積以上の面積をもつものを欠陥6と判定して抽出し、その他をゆず肌ノイズ7と判定し、欠陥6のみの画像を作成するステップ108と、を有する。
【0021】
ステップ106では、図8で欠陥6(1つの欠陥の画素数がたとえば60〜90))およびゆず肌ノイズ7(1つのゆず肌ノイズの画素数がたとえば10〜20)がたとえば100個あったとすると、たとえば左上から右下方向に順に欠陥6、ゆず肌ノイズにNo.1、No.2、No.3、No.4、・・・・、No.100の番号を付し、No.1の欠陥またはゆず肌ノイズに濃度値「1」を付与し、No.2の欠陥またはゆず肌ノイズに濃度値「2」を付与し、No.nの欠陥またはゆず肌ノイズに濃度値「n」を付与し、No.100番目の欠陥またはゆず肌ノイズに濃度値「100」を付与する。ラベリング後、図9のようになる。
【0022】
濃度値「1」はゆず肌ノイズで画素数がたとえば10個、濃度値「2」はゆず肌ノイズで画素数がたとえば10個、濃度値「40」は欠陥で画素数がたとえば80個、濃度値「50」は欠陥で画素数がたとえば80個、濃度値「100」はゆず肌ノイズで画素数がたとえば10個、といった具合である。これをステップ107で、横軸に濃度値をとり、縦軸に画素数をとって、図9の画像の濃度ヒストグラムを作成したものが、図10の濃度ヒストグラムである。
【0023】
図10において、各濃度値の頻度で、画素数の多いもの、したがって面積の大なものが欠陥6であり、画素数の少ないもの、したがって面積の小なものがゆず肌ノイズ7である。したがって、ステップ108で、所定面積(たとえば、我素数「50」)以上のものを欠陥6として判別し、それ以外のものをゆず肌ノイズ7と判定する。そして、欠陥6のみを画像で示すと図11となる。
これによって、欠陥6を特定でき、その位置も特定できる。また、レーザ光をあてて欠陥を検出する場合に問題となっていた検査表面の湾曲も問題とならない。
【0024】
上記のルーチンにより抽出した欠陥6を、コンピュータ3に予め入力した検査表面(車の塗装面)の図に欠陥6とその位置をマーキングし、プリントアウトして塗装の手直し工程に送り、欠陥を手直しする。車の塗装面は多層塗装であるが、各層の塗装段階で欠陥検出、手直しを行ってもよいし、あるいはトップ層の塗装を終えた段階で欠陥検出、手直しを行ってもよい。
【0025】
【発明の効果】
請求項1の表面欠陥検査方法によれば、明暗パターンをもつ光源を検査表面に写し出してそれを画像取込みするので、明暗パターンが歪んでも検査可能であり、スリットレーザ光の場合のように検査表面の湾曲に従ってレーザ光パターンが歪み検査が不能になるという問題はない。また、明暗パターン、欠陥、ゆず肌ノイズを含む濃度ヒストグラムから欠陥(およびゆず肌ノイズ)を抽出するので、欠陥とその位置を特定することができる。
請求項1の表面欠陥検査方法によれば、画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程が、画像の濃度ヒストグラムのうち欠陥が含まれる所定濃度域を決定する工程と、所定濃度域以外の濃度のピクセルの濃度を真黒または真白に対応する濃度値として所定濃度域内の濃度をもつピクセルに基づいて欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像を作成する工程と、を有するので、欠陥(および一部のゆず肌ノイズ)を抽出することができ、欠陥とその位置を特定することができる。
請求項2の表面欠陥検査方法によれば、画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程が、請求項1の工程に加えて、さらに、欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する工程を有するので、欠陥をゆず肌ノイズと区別して検出でき、手直しにかけることができる。
請求項3の表面欠陥検査方法によれば、欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する方法として、ラベリング、濃度ヒストグラムの作成、濃度ヒストグラムで所定面積以上の面積をもつものを欠陥と判定するので、コンピュータで、欠陥のみを抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例の表面欠陥検査方法を実施する表面欠陥検査装置の概略側面図である。
【図2】 本発明実施例の表面欠陥検査方法を実行するルーチンのフローチャートである。
【図3】 本発明実施例の表面欠陥検査方法の欠陥抽出工程を実行するルーチンのフローチャートである。
【図4】 本発明実施例の表面欠陥検査方法で取込んだ画像である。
【図5】 本発明実施例の表面欠陥検査方法の途中の工程で作成された濃度ヒストグラムである。
【図6】 図5の濃度ヒストグラムで、欠陥を含む所定濃度域を決定する図である。
【図7】 図6の濃度ヒストグラムで、欠陥を含む所定濃度域を抽出する図である。
【図8】 図4の画像から欠陥および一部のゆず肌ノイズを抽出した画像である。
【図9】 図8の画像で、欠陥および一部のゆず肌ノイズにラベリングを施した画像である。
【図10】 図9の画像での欠陥および一部のゆず肌ノイズの濃度ヒストグラムである。
【図11】 図8の画像から欠陥のみを抽出した画像である。
【符号の説明】
1 光源
1a 電球
1b 明暗パターン
2 カメラ
3 コンピュータ
4 検査表面
5 明暗パターン
6 欠陥
7 ゆず肌ノイズ
8 濃度ヒストグラムで明暗パターンの暗部に対応する部分
9 濃度ヒストグラムで明暗パターンの明部に対応する部分
10 明暗パターンの暗部に対応する部分8より濃度ヒストグラムの中央寄り側部分
11 明暗パターンの明部に対応する部分9より濃度ヒストグラムの中央寄り側部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面欠陥検査方法に関し、塗装欠陥の検出に利用することができる表面欠陥検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車の塗装中に塗装面にほこり、塗料かすなどが付着すると1〜2mm程度の径の盛り上がった、ブツと呼ばれる塗装欠陥が生じることがあり、手直しまたは再塗装される。そのために、塗装欠陥を検出することが必要となる。
従来、塗装欠陥検出は、実開昭62−28155号に開示されているように、スリットレーザ光を照射し、その途切れで欠陥を検出する方法がある。
また、特開平5−164696号に開示されているように、明暗模様の光を照射し、反射光を画像取込みして濃度ヒストグラムを作成し、その勾配から塗装面を評価する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実開昭62−28155号の方法では、検査面が曲面の場合レーザ光が歪んでしまい検査できないという問題がある。
また、特開平5−164696号の方法では、検査面全体としての評価であるため、欠陥自体を抽出することができず、欠陥手直し時に手直しすべき欠陥とその位置の特定が困難である。
本発明の目的は、検査面が湾曲していても検査が可能であり、かつ欠陥の特定が可能な、表面欠陥検査方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、つぎの通りである。
(1) 明暗パターンを有した光源を検査表面に写し出してカメラを介してコンピュータに画像取込みする工程と、
取り込んだ画像の濃度ヒストグラムを作成する工程と、
前記画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程と、
を有し、
前記画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程が、
前記画像の濃度ヒストグラムのうち欠陥が含まれる所定濃度域を決定する工程と、
前記所定濃度域以外の濃度のピクセルの濃度を真黒または真白に対応する濃度値として前記所定濃度域内の濃度をもつピクセルに基づいて欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像を作成する工程と、
を有する表面欠陥検査方法。
(2) 前記画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程が、
前記欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する工程を有する(1)記載の表面欠陥検査方法。
(3) 前記欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する工程が、
前記欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像で、欠陥およびゆず肌ノイズに順に番号を付すとともに濃度を1づつ上げてラベリングを施す工程と、
欠陥およびゆず肌ノイズの濃度ヒストグラムを作成する工程と、
前記濃度ヒストグラムで所定面積以上の面積をもつものを欠陥と判定して抽出する工程と、
を有する(2)記載の表面欠陥検査方法。
【0005】
上記(1)の表面欠陥検査方法では、明暗パターンをもつ光源を検査表面に写し出してそれを画像取込みするので、明暗パターンが歪んでも検査可能であり、スリットレーザ光の場合のように検査表面の湾曲に従ってレーザ光パターンが歪み検査が不能になるという問題はない。また、明暗パターン、欠陥、ゆず肌ノイズを含む濃度ヒストグラムから欠陥(およびゆず肌ノイズ)を抽出するので、欠陥とその位置を特定することができる。
上記(1)の表面欠陥検査方法では、明暗パターン、欠陥、ゆず肌ノイズを含む濃度ヒストグラムは暗の山部と明の山部とその中央の谷部とからなっており、明暗パターンの暗パターン中の欠陥は濃度ヒストグラムの暗の山部の谷部側に含まれ、明暗パターンの明パターン中の欠陥は濃度ヒストグラムの明の山部の谷部側に含まれることが見出された。この知見に基づき、濃度ヒストグラムが作成されると、暗の山部の谷部側の所定域と明の山部の谷部側の所定域とを欠陥が含まれる所定濃度域として決定する。ついで、この所定濃度域以外の濃度のピクセル(画素)の濃度を真黒に対応する濃度値(たとえば、0)または真白に対応する濃度値(たとえば、255)として、所定濃度域内の濃度をもつピクセルに基づいて欠陥および一部のゆず肌ノイズ(ゆず肌ノイズのうち明暗パターンの境界近傍にあるゆず肌ノイズ)のみからなる画像(明暗パターンを除去した画像)を作成することができる。これによって、欠陥(および一部のゆず肌ノイズ)を抽出することができ、欠陥とその位置を特定することができる。
上記(2)の表面欠陥検査方法では、画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程が、上記(1)に加えて、さらに、欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する工程を有するので、欠陥が小さな欠陥であっても、ゆず肌ノイズと区別して検出でき、手直しにかけることができる。
上記(3)の表面欠陥検査方法では、欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する方法として、ラベリング、濃度ヒストグラムの作成、濃度ヒストグラムで所定面積以上の面積をもつものを欠陥と判定する方法を提供している。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明実施例の表面欠陥検査方法を、図1〜図11を参照して、説明する。
本発明実施例の表面欠陥検査方法を実施する表面欠陥検査装置は、図1に示すように、明暗パターンを有する光源1と、検査表面(たとえば、車の塗装面)4に写し出された光源1からの光の明暗パターンを撮像するカメラ(たとえば、CCDカメラ)2と、カメラ2に接続されたコンピュータ3とを有する。
【0007】
光源1は、電球1aと明暗パターン1bとを有する。明暗パターン1bは、たとえば、光を拡散する白色プラスチック板に光を通さない黒色シートを貼付したものからなる。明暗パターンは、暗部と明部が規則性をもって交互に表れるパターンであれば如何なるパターンでもよいが、たとえば図4に示すような黒色菱形と白色菱形とを半ピッチずらして並べたパターンや、黒色帯と白色帯とを交互に並べたものなどを、用いることができる。
カメラ2は、光源1からの照射光の検査表面4での反射光を受光する。カメラ2の視野は、たとえば、検査表面4で約10cm四方である。検査物(たとえば、塗装した車)とカメラ2との何れか一方を他方に対して移動させることにより、検査物の全検査表面を検査することができる。
コンピュータ3は、カメラ2が撮像した画像を取込み、画面に表示するとともに、図2、図3に示すルーチンの演算を行うプログラムがインストールされている。
【0008】
図2のルーチンは、画像取込みステップ101、電気ノイズを除去する平滑化ステップ102、取り込んだ画像の濃度ヒストグラムの作成ステップ103、欠陥を含む濃度域を選定する欠陥抽出ステップ104、欠陥を含む濃度域以外の濃度域の濃度値を2値化する2値化ステップ105を有する。ステップ101〜105は欠陥およびゆず肌ノイズ(塗装面に必然的にあるゆず肌状の凹凸で欠陥に比べて小さい)を選択的に検出するルーチンである。
【0009】
図3のルーチンは、図2のステップ104、105をさらに詳細に示したもので、ヒストグラムの最大濃度値MAXと最小濃度値MINを算出するステップ104a、MAXとMINの平均から中心Rを算出するステップ104b、MAXとMINの差に比例させて欠陥を含む暗側、明側の濃度域の中心Rからの濃度距離N1、N2を算出するステップ104c、MAXとMINの差に比例させて欠陥を含む暗側の濃度域幅J1、欠陥を含む明側の濃度域幅J2を算出するステップ104d、J1以上N1以下およびN2以上J2以下の濃度値以外のピクセルの濃度を真黒に対応する濃度値(0)または真白に対応する濃度値(255)にする2値化ステップ105を有する。
【0010】
図2のルーチンは、ステップ101〜105に加えて、さらに、欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像で、欠陥およびゆず肌ノイズに順に番号を付すとともに濃度を1づつ上げてラベリングを施すステップ106、欠陥およびゆず肌ノイズの濃度ヒストグラムを作成するステップ107、濃度ヒストグラムで所定面積以上の面積をもつものを欠陥と判定して抽出するステップ108を、有していてもよい。ステップ106〜108は、ステップ101〜105により作成した欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から、欠陥のみを抽出するルーチンを構成する。
【0011】
つぎに、本発明実施例の表面欠陥検査方法を説明する。
本発明実施例の表面欠陥検査方法は、明暗パターン1bを有した光源1を検査表面(たとえば、車の塗装面)4に写し出してカメラ2を介してコンピュータ3に画像取込みする工程と(画像取込み中を図1に示し、取り込んだ画像を図4に示す)、取り込んだ画像の濃度ヒストグラム(図5、図6の示すもの)を作成する工程と、画像の濃度ヒストグラムにより欠陥(および一部のゆず肌ノイズ)を抽出する工程と(抽出した画像を図8に示す)を、有する。
【0012】
図2は、上記工程をさらに詳細に示している。
すなわち、画像取込みステップ101で検査表面4に写し出された明暗パターンをコンピュータ3に画像取込みする。コンピュータ3の画面には、図4に示すように、明暗パターン5、欠陥6、ゆず肌ノイズ7が表示される。明暗パターン5のうち暗部(黒い部分)の欠陥6は黒に近いグレーとなり、明部(白い部分)の欠陥6は白に近いグレー(灰色)となる。その理由は、検査表面の明暗パターンの黒色部は光源の明暗パターン1bの暗部を写しているが、そこに欠陥6があると、欠陥6は盛り上がっているため、反射角が変化して光源の明暗パターン1bの明部も一部写してしまい、白色の成分が混じって、グレーとなる。ただし、グレーでも、まわりがほとんど黒色のため黒に近いグレーである。反対に、検査表面の明暗パターンの白色部は光源の明暗パターン1bの明部を写しているが、そこに欠陥6があると、欠陥6は盛り上がっているため、反射角が変化して光源の明暗パターン1bの暗部も一部写してしまい、黒色の成分が混じって、グレーとなる。ただし、グレーでも、まわりがほとんど白色のため白に近いグレーである。
【0013】
ゆず肌ノイズも同様で、明暗パターンの黒色中のノイズは黒色に近いグレーとなり、明暗パターンの白色中のノイズは白色に近いグレーとなる。ただし、ゆず肌ノイズは微小の凹凸であるため、光の反射角の変化も小さいため、明暗パターンの黒色と白色の境界に近い部分のゆず肌ノイズのみが画面に表示される。明暗パターンの黒色部の中央にあるゆず肌ノイズは、そこの反射角が少し変わっても光源の明暗パターン1bの黒色部を見るので、グレーにはならず、黒のままであって、画面に表示されない。明暗パターンの白色部の中央にあるゆず肌ノイズは、そこの反射角が少し変わっても光源の明暗パターン1bの白色部を見るので、グレーにはならず、白のままであって、画面に表示されない。
かくして、コンピュータ3に取り込まれた画像は図4のようになる。
【0014】
ついで、ステップ102で画像の高周波成分をとって滑らかにし電気的ノイズを取る平滑化処理を施す。電気的ノイズの除去と同時に、小さなゆず肌ノイズが除去されるかもしれないが、ステップ102はゆず肌ノイズを除去することを主目的とするものではない。
【0015】
ステップ103で、ステップ101で取り込んだ画像の濃度ヒストグラムを作成する。濃度ヒストグラムの横軸は濃度(明るさ)を示し、0〜255に区分されている。0は真黒に対応し、255は真白に対応する。濃度ヒストグラムの縦軸は、対象とする濃度の、1画面(1画面には512×512の画素数がある)中のピクセル(画素)数である。濃度ヒストグラムの全濃度の全ピクセル数の総和は512×512である。
濃度ヒストグラムにおいて、濃度が小側の山は画像中、明暗パターンの暗部に対応する部分8であり、濃度が大側の山は画像中、明暗パターンの明部に対応する部分9である。図からわかるように、明暗パターンの暗部といっても真黒ではなく、明暗パターンの明部といっても真白ではない。
【0016】
濃度ヒストグラムにおいて、暗部の欠陥6および一部のゆず肌ノイズ7(ゆず肌ノイズのうち明暗パターンの黒中で明暗パターン5の境界近傍にあるゆず肌ノイズ)は明暗パターンの暗部に対応する部分8より濃度ヒストグラムの中央寄り側部分10に位置し、明部の欠陥6および一部のゆず肌ノイズ7(ゆず肌ノイズのうち明暗パターンの白中で明暗パターン5の境界近傍にあるゆず肌ノイズ)は明暗パターンの明部に対応する部分9より濃度ヒストグラムの中央寄り側部分11に位置することが、発明者によって見出された。この部分10、11だけの濃度のピクセルだけを抽出して画像に示せば、欠陥6と一部のゆず肌ノイズ7(ゆず肌ノイズのうち明暗パターン5の境界近傍にあるゆず肌ノイズ)だけを含む、図8に示すような画面が得られることになる。なお、埃などの異物の場合は濃度ヒストグラムに示された時に図6のN1〜N2の間の広い範囲に分布するので、欠陥と埃などの異物との区別が可能である。
【0017】
濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程は、濃度ヒストグラムのうち欠陥が含まれる所定濃度域10、11を決定するステップ104と、所定濃度域10、11以外の濃度のピクセルの濃度を真黒に対応する濃度値「0」または真白に対応する濃度値「255」とし、所定濃度域10、11内の濃度をもつピクセルに基づいて欠陥6および一部のゆず肌ノイズ7のみからなる画像を作成するステップ105(2値化ステップ)と、を有する。
【0018】
図3は、図2の欠陥が含まれる所定濃度域10、11を決定するステップ104と、2値化ステップ105をさらに詳細に示したものである。図3において、濃度ヒストグラムのうち欠陥が含まれる所定濃度域10、11を決定するに際し、ステップ104aで濃度ヒストグラムの最大濃度値MAXと最小濃度値MINを算出する。最大濃度値MAXは濃度ヒストグラムが濃度大側で横軸と交わる点の濃度値であり、最小濃度値MINは濃度ヒストグラムが濃度小側で横軸と交わる点の濃度値である。ついで、ステップ104bでMAXとMINの平均から濃度ヒストグラムの濃度値中心Rを算出する。MAXとMINが決定されれば濃度域10、11の中心Rからの濃度距離N1、N2、濃度域10、11の幅が、予め行ったテストから予想できる。したがって、ステップ104cで、MAXとMINの差に比例させて、欠陥を含む暗側、明側の濃度域10、11の中心Rからの濃度距離N1、N2を算出する。ついで、ステップ104dで、MAXとMINの差に比例させて、欠陥を含む暗側の濃度域10の幅J1、欠陥を含む明側の濃度域11の幅J2を算出する。ついで、ステップ105で、J1以上N1以下およびN2以上J2以下の濃度値以外のピクセルの濃度を真黒に対応する濃度値「0」または真白に対応する濃度値「255」にして2値化を実行する。
【0019】
J1以上N1以下およびN2以上J2以下の濃度値以外のピクセルの濃度を濃度値「0」とすると、濃度ヒストグラムは図7に示すようになり、J1以上N1以下およびN2以上J2以下の濃度値をそのまま、または「255」にし、画像に示して黒、白を反転させれば図8が得られる。
J1以上N1以下およびN2以上J2以下の濃度値以外のピクセルの濃度を濃度値「255」とすると、濃度ヒストグラムは図7の濃度値「0」の山が濃度値「255」に移動した濃度ヒストグラムとなり、J1以上N1以下およびN2以上J2以下の濃度値をそのまま、または「0」にし、画像に示せば図8が得られる。
かくして、欠陥6および一部のゆず肌ノイズ(明暗パターンの暗部と明部の境界近傍のゆず肌ノイズ)だけが抽出された画像(図8)が得られる。
【0020】
本発明実施例の表面欠陥抽出方法は、欠陥6および一部のゆず肌ノイズ7のみからなる画像(図8)から欠陥6のみを抽出する工程を含んでもよい。 欠陥6および一部のゆず肌ノイズ7のみからなる画像から欠陥6のみを抽出する工程は、図2において、ステップ105に続いて設けられ、欠陥6および一部のゆず肌ノイズ7のみからなる画像で、図9に示すように欠陥6およびゆず肌ノイズ7に順に番号を付すとともに濃度を1づつ上げてラベリングを施すステップ106と、欠陥6およびゆず肌ノイズ7のみを含む図10の濃度ヒストグラムを作成するステップ107と、該濃度ヒストグラムで所定面積以上の面積をもつものを欠陥6と判定して抽出し、その他をゆず肌ノイズ7と判定し、欠陥6のみの画像を作成するステップ108と、を有する。
【0021】
ステップ106では、図8で欠陥6(1つの欠陥の画素数がたとえば60〜90))およびゆず肌ノイズ7(1つのゆず肌ノイズの画素数がたとえば10〜20)がたとえば100個あったとすると、たとえば左上から右下方向に順に欠陥6、ゆず肌ノイズにNo.1、No.2、No.3、No.4、・・・・、No.100の番号を付し、No.1の欠陥またはゆず肌ノイズに濃度値「1」を付与し、No.2の欠陥またはゆず肌ノイズに濃度値「2」を付与し、No.nの欠陥またはゆず肌ノイズに濃度値「n」を付与し、No.100番目の欠陥またはゆず肌ノイズに濃度値「100」を付与する。ラベリング後、図9のようになる。
【0022】
濃度値「1」はゆず肌ノイズで画素数がたとえば10個、濃度値「2」はゆず肌ノイズで画素数がたとえば10個、濃度値「40」は欠陥で画素数がたとえば80個、濃度値「50」は欠陥で画素数がたとえば80個、濃度値「100」はゆず肌ノイズで画素数がたとえば10個、といった具合である。これをステップ107で、横軸に濃度値をとり、縦軸に画素数をとって、図9の画像の濃度ヒストグラムを作成したものが、図10の濃度ヒストグラムである。
【0023】
図10において、各濃度値の頻度で、画素数の多いもの、したがって面積の大なものが欠陥6であり、画素数の少ないもの、したがって面積の小なものがゆず肌ノイズ7である。したがって、ステップ108で、所定面積(たとえば、我素数「50」)以上のものを欠陥6として判別し、それ以外のものをゆず肌ノイズ7と判定する。そして、欠陥6のみを画像で示すと図11となる。
これによって、欠陥6を特定でき、その位置も特定できる。また、レーザ光をあてて欠陥を検出する場合に問題となっていた検査表面の湾曲も問題とならない。
【0024】
上記のルーチンにより抽出した欠陥6を、コンピュータ3に予め入力した検査表面(車の塗装面)の図に欠陥6とその位置をマーキングし、プリントアウトして塗装の手直し工程に送り、欠陥を手直しする。車の塗装面は多層塗装であるが、各層の塗装段階で欠陥検出、手直しを行ってもよいし、あるいはトップ層の塗装を終えた段階で欠陥検出、手直しを行ってもよい。
【0025】
【発明の効果】
請求項1の表面欠陥検査方法によれば、明暗パターンをもつ光源を検査表面に写し出してそれを画像取込みするので、明暗パターンが歪んでも検査可能であり、スリットレーザ光の場合のように検査表面の湾曲に従ってレーザ光パターンが歪み検査が不能になるという問題はない。また、明暗パターン、欠陥、ゆず肌ノイズを含む濃度ヒストグラムから欠陥(およびゆず肌ノイズ)を抽出するので、欠陥とその位置を特定することができる。
請求項1の表面欠陥検査方法によれば、画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程が、画像の濃度ヒストグラムのうち欠陥が含まれる所定濃度域を決定する工程と、所定濃度域以外の濃度のピクセルの濃度を真黒または真白に対応する濃度値として所定濃度域内の濃度をもつピクセルに基づいて欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像を作成する工程と、を有するので、欠陥(および一部のゆず肌ノイズ)を抽出することができ、欠陥とその位置を特定することができる。
請求項2の表面欠陥検査方法によれば、画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程が、請求項1の工程に加えて、さらに、欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する工程を有するので、欠陥をゆず肌ノイズと区別して検出でき、手直しにかけることができる。
請求項3の表面欠陥検査方法によれば、欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する方法として、ラベリング、濃度ヒストグラムの作成、濃度ヒストグラムで所定面積以上の面積をもつものを欠陥と判定するので、コンピュータで、欠陥のみを抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施例の表面欠陥検査方法を実施する表面欠陥検査装置の概略側面図である。
【図2】 本発明実施例の表面欠陥検査方法を実行するルーチンのフローチャートである。
【図3】 本発明実施例の表面欠陥検査方法の欠陥抽出工程を実行するルーチンのフローチャートである。
【図4】 本発明実施例の表面欠陥検査方法で取込んだ画像である。
【図5】 本発明実施例の表面欠陥検査方法の途中の工程で作成された濃度ヒストグラムである。
【図6】 図5の濃度ヒストグラムで、欠陥を含む所定濃度域を決定する図である。
【図7】 図6の濃度ヒストグラムで、欠陥を含む所定濃度域を抽出する図である。
【図8】 図4の画像から欠陥および一部のゆず肌ノイズを抽出した画像である。
【図9】 図8の画像で、欠陥および一部のゆず肌ノイズにラベリングを施した画像である。
【図10】 図9の画像での欠陥および一部のゆず肌ノイズの濃度ヒストグラムである。
【図11】 図8の画像から欠陥のみを抽出した画像である。
【符号の説明】
1 光源
1a 電球
1b 明暗パターン
2 カメラ
3 コンピュータ
4 検査表面
5 明暗パターン
6 欠陥
7 ゆず肌ノイズ
8 濃度ヒストグラムで明暗パターンの暗部に対応する部分
9 濃度ヒストグラムで明暗パターンの明部に対応する部分
10 明暗パターンの暗部に対応する部分8より濃度ヒストグラムの中央寄り側部分
11 明暗パターンの明部に対応する部分9より濃度ヒストグラムの中央寄り側部分
Claims (3)
- 明暗パターンを有した光源を検査表面に写し出してカメラを介してコンピュータに画像取込みする工程と、
取り込んだ画像の濃度ヒストグラムを作成する工程と、
前記画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程と、
を有し、
前記画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程が、
前記画像の濃度ヒストグラムのうち欠陥が含まれる所定濃度域を決定する工程と、
前記所定濃度域以外の濃度のピクセルの濃度を真黒または真白に対応する濃度値として前記所定濃度域内の濃度をもつピクセルに基づいて欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像を作成する工程と、
を有する表面欠陥検査方法。 - 前記画像の濃度ヒストグラムにより欠陥を抽出する工程が、
前記欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する工程を有する請求項1記載の表面欠陥検査方法。 - 前記欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像から欠陥のみを抽出する工程が、
前記欠陥および一部のゆず肌ノイズのみからなる画像で、欠陥およびゆず肌ノイズに順に番号を付すとともに濃度を1づつ上げてラベリングを施す工程と、
欠陥およびゆず肌ノイズの濃度ヒストグラムを作成する工程と、
前記濃度ヒストグラムで所定面積以上の面積をもつものを欠陥と判定して抽出する工程と、
を有する請求項2記載の表面欠陥検査方法。
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