JP3757351B2 - 加入者端末装置、及びマルチキャストによる放送方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、IP(Internet Protocol )ネットワークを利用したマルチキャストに関し、特に、特定のユニキャストの音声パケットをマルチキャスト化するマルチキャストサーバをIPネットワーク上に具備し、該マルチキャストサーバから複数の加入者端末装置へ音声パケットを配信し、大規模集合住宅、病院、学校又は地方自治体等における定時放送や緊急放送等に好適に利用される加入者端末装置、及びマルチキャストによる放送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の放送システムは、例えば特開平11- 88547号公報等に開示されている。この放送システムは、CATV網を利用した音声/データ共有通信システムにおいて、加入者宅に端末装置を備え、センタ側にセンタ装置を備え、TDMA(Time Division Multiple Access )方式を用いて1対nの放送型通信を行うものである。
【0003】
このTDMA方式を用いた放送システムは、音声用の通信チャネルとデータ用の通信チャネルとを具備し、伝送帯域を有効利用して通信を行うシステムであるが、このシステムはTDMA方式を用いているため、既にLAN(Local Area Net Work )としてケーブルモデム等を用いてIPネットワークが構築されている場合には、この既設のIPネットワークとは別のシステムとして構築する必要がある。
【0004】
また、IPネットワーク上で音声を扱うシステムとして、ITU−TのH.323プロトコルとして勧告されたものがあるが、このシステムはテレビ会議システム等のグループウェアを主としたものであり、会議等に参加する加入者の端末装置は呼び出し可能なもので、且つ呼び出しに応答するものでなければならない。
【0005】
そのため、ITU−TのH.323プロトコルによるシステムは、放送のように受信者の意図によらずに一方的に複数の加入者に送信するシステムには不向きであり、IPネットワーク上で音声を放送のように送信するためのプロトコルは特に勧告されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のTDMA方式等による有線放送網システムは、その有線放送網固有の特定の技術体系により構築されるため、ネットワークシステムの汎用性、拡張性、柔軟性に乏しいという問題があった。
【0007】
本発明は、汎用のIPネットワーク環境下で音声を従来の放送システムと同様に放送するシステムを実現し、システム構築及び拡張の簡易化を図り、同じIPネットワーク上で音声パケット配信サービス(VoIPサービス)や他のIP通信サービスと併存させることができ、機能変更や機能追加を柔軟に行うことができるマルチキャストによる放送方法及びその方法の実施に使用する加入者端末装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、放送可能な発信者の資格をチェックし、放送システムの安全な運用管理を行い、複数の放送種別の放送を行うことができ、また受信対象加入者端末装置をマルチキャストサーバから一元管理することができ、また放送受信者は放送発信者を確認することができ、また放送発信者は放送を受信した加入者を確認することができ、また放送音声を必要に応じて録音し、同一放送を繰り返して放送することができ、また重複した放送の優先制御を行うことができるマルチキャストによる放送方法及びその方法の実施に使用する加入者端末装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の加入者端末装置は、(1)IPネットワークに接続される加入者端末装置において、マルチキャストIPアドレスを有する受信パケットの中から、放送用電話番号に対応し、自装置に予め格納されたマルチキャストIPアドレスを有する音声パケットの受信を判別する手段と、前記マルチキャストIPアドレスを有する音声パケットの受信を判別したときに、スピーカをオンにし、受信した前記音声パケットの音声を該スピーカより放音する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、(2)放音する前記音声パケットに含まれる放送用電話番号及び音声データを格納する音声データ蓄積手段を有することを特徴とする。
【0011】
また、(3)接続されるアナログ電話機から、蓄積された放送音声データの再生用電話番号を受信すると、対応する放送音声蓄積データを読み出し再生してスピーカから放音することを特徴とする。
【0012】
また、(4)マルチキャストによる放音の終了後にスピーカをオフとし、録音放送の有無を可視又は可聴表示することを特徴とする。
【0013】
また、(5)優先順位を付けたマルチキャストIPアドレス格納テーブルを設け、受信する複数のマルチキャストの中から優先順位に応じて放音するマルチキャストの音声パケットを選択することを特徴とする。
【0014】
また、(6)優先順位が低く選択されなかったマルチキャストの音声パケットを格納する音声データ蓄積手段を設け、要求に応じて格納された前記音声パケットを再生して放音することを特徴とする。
【0015】
また、(7)マルチキャストの受信中のときに、音声パケットの送信元であるマルチキャストサーバへ受信中である旨を示すメッセージを返信することを特徴とする。
【0016】
また、(8)マルチパケット受信状態の問い合わせパケットをマルチキャストサーバより受信した場合には、受信中である旨を示すメッセージを返信することを特徴とする。
【0017】
また、(9)前記マルチキャストIPアドレスを記憶するテーブルを設け、マルチキャストサーバからの自装置のIPアドレス宛へ送られてくる更新テーブルによって、前記テーブルを更新することを特徴とする。
【0018】
また、(10)自装置に接続された電話機から放送用電話番号がダイヤル送出されて送話中である場合には、IPネットワークから配信される前記マルチキャストIPアドレスによる音声パケットを受信しないように受信処理を中止する手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、(11)前記マルチキャストIPアドレスを有する音声パケットを受信する前に発信者の放送者識別情報を受信すると、前記放送者識別情報を表示する手段を設けたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明のマルチキャストによる放送方法は、(12)IPネットワークに接続される加入者端末装置へ音声パケットを配信するマルチキャストによる放送方法であって、放送用電話番号に対応したマルチキャストIPアドレス宛てに音声パケットをマルチキャストサーバから送信するステップと、加入者端末装置においてマルチキャストIPアドレスを有する受信パケットの中から、自装置に予め格納され、放送用電話番号に対応したマルチキャストIPアドレスを有する音声パケットの受信を判別するステップと、該マルチキャストIPアドレスを有する音声パケットの受信を判別したときに、スピーカをオンにし、受信した前記音声パケットの音声を該スピーカより放音するステップと、から成ることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のマルチキャストによる放送システムの構成図である。同図において、1−10は加入者端末装置、1−11は加入者端末装置にアナログ回線で接続された電話機(アナログ電話機)、1−12は加入者端末装置に備えられた放送用スピーカ、1−20はゲートキーパ(GK)、1−30はマルチキャストサーバ(MS)、1−40は加入者端末装置、ゲートキーパ(GK)及びマルチキャストサーバ(MS)を相互に接続するLAN等のIPネットワークである。
【0030】
TBL1はゲートキーパ(GK)に備えられた電話番号−IPアドレス対応テーブル、TBL2はマルチキャストサーバ(MS)に備えられた放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル、TBL3はマルチキャストIPアドレス格納テーブルである。
【0031】
加入者端末装置1−10は、マルチキャストサーバ(MS)1−30からIPネットワーク1−40を介して配信されるマルチキャストパケットの中から、自装置で受信するマルチキャストパケットのIPアドレスを格納したマルチキャストIPアドレス格納テーブルTBL3と、受信したマルチキャストパケットの音声信号を放音するスピーカ1−12と、放送音声信号を送出するアナログ電話機1−11とを具備する。
【0032】
ゲートキーパ(GK)1−20は、加入者の電話番号とIPアドレスとを対応付けた電話番号−IPアドレス対応テーブルTBL1を具備し、マルチキャストサーバ(MS)1−30は放送用電話番号毎にそれぞれ異なるマルチキャストIPアドレスを対応付けた放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブルTBL2を具備する。
【0033】
図2は本発明のマルチキャストによる放送システムの枢要部の動作説明図である。音声により告知放送を行おうとする発信者は、その加入者端末装置のアナログ電話機をオフフックし(2−1)、放送用電話番号をダイヤル信号により送出する(2−2)。
【0034】
該発信者の加入者端末装置は、アナログ電話機から送出された放送用電話番号を着アドレス情報とし、且つ該発信者の電話番号を発アドレス情報としたデータを含むIPパケットを、ゲートキーパ(GK)に送信する(2−3)。ゲートキーパ(GK)は、受信した該IPパケットに含まれる着アドレス情報としての放送用電話番号から、電話番号−IPアドレス対応テーブル(TBL1)により、マルチキャストサーバ(MS)のIPアドレスを取得し、該マルチキャストサーバ(MS)のIPアドレスを発信者の加入者端末装置に通知する(2−4)と共に、マルチキャストサーバ(MS)に前述の着アドレス情報(放送用電話番号)及び発アドレス情報(発信者の電話番号又はIPアドレス)をIPパケットにより通知する(2−5)。
【0035】
マルチキャストサーバ(MS)は、ゲートキーパ(GK)から通知された着アドレス情報(放送用電話番号)から、放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)により、該放送用電話番号に対応するマルチキャストIPアドレスを取得し(2−6)、ゲートキーパ(GK)に対して放送確認の応答パケットを送出する(2−7)。
【0036】
放送確認の応答パケットを受け取ったゲートキーパ(GK)は、加入者端末装置に対して同様に放送確認の応答パケットを送出し(2−8)、該放送確認の応答パケットを受け取った加入者端末装置は、発信者に対して放送開始の指示信号を送出する(2−9)。
【0037】
発信者の音声は、電話機からアナログ信号として加入者端末装置に送出され(2−10)、加入者端末装置は、該アナログ音声信号を音声パケットに変換し、該音声パケットをマルチキャストサーバ(MS)宛てにユニキャスト送信する(2−11)。マルチキャストサーバ(MS)は、加入者端末装置から受信した音声IPパケットを、当該放送用電話番号に対応したマルチキャストIPアドレス宛てにマルチキャスト送信する(2−12)。
【0038】
受信者側の加入者端末装置は、マルチキャストサーバ(MS)から送信されるマルチキャストIPパケットの中から、自装置のマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)に格納されているマルチキャストIPアドレス宛のパケットを受信し、該パケットの音声データをアナログ音声信号に変換し、スピーカをオンにして該音声をスピーカから放音する(2−13)。
【0039】
発信者が放送による告知を終え、アナログ電話機をオンフックすると(2−14)、加入者端末装置は放送終了メッセージをユニキャストによりゲートキーパ(GK)介してマルチキャストサーバ(MS)に通知する(2−15,2−16)。
【0040】
マルチキャストサーバ(MS)は、放送終了メッセージを当該マルチキャストIPアドレス宛てに送信し(2−17)、当該マルチキャストIPアドレスのパケットを受信中の加入者端末装置は、放送終了メッセージを受信するとスピーカをオフにし、これにより放送を終了する(2−18)。以上のシステム動作により、IPネットワーク上で1つの加入者端末装置のアナログ電話機から複数の加入者端末装置のスピーカヘ同時に音声信号を配信することができる。
【0041】
上述のマルチキャストによる放送シーケンスを実行するためのプロトコルメッセージの例を図3に示す。図3にはH.323のプロトコルによるメッセージを用いた場合の例を示しているが、本発明はこれに限られるものではない。
【0042】
H.323のプロトコルでは、ゲートキーパ(GK)とその配下の加入者端末装置との間でH.225.0RASプロトコルのメッセージによる登録、参加、帯域確保、H.225.0Q.931プロトコルのメッセージによる呼制御、H.245プロトコルのメッセージによる呼制御の制御(マスタ・スレーブ、通話能力交換、論理チャネル交換)、H.225.0RTP(Real Time Transport Protocol)プロトコルによる音声ストリームの送受を行う。
【0043】
図3に示すシーケンスにおいて、発信者電話機のオフフック信号が加入者端末装置に送出されると、加入者端末装置から該電話機にダイヤルトーン(DT)を送出し、発信者はダイヤルトーン(DT)を聴取した後、放送用電話番号をダイヤルすると、加入者端末装置からゲートキーパ(GK)にH.225.0RASメッセージであるARQ(Admission Request;参加要求)を送信(3−1)し、ゲートキーパ(GK)からACF(Admission Confirmation;参加許可確認)を返信(3−2)する。
【0044】
ACFを受信した加入者端末装置からH.225.0Q.931呼制御メッセージであるSETUPメッセージ(発アドレス情報/着アドレス情報)がゲートキーパ(GK)を経由してマルチキャストサーバ(MS)に送信される(3−3)。
【0045】
図3に示すように、以下H.225.0Q.931呼制御メッセージを用いて、CALLPROC、ALERT、CONNECTのメッセージがゲートキーパ(GK)を介して加入者端末装置とマルチキャストサーバ(MS)との間で送受され(3−4〜3−8)、加入者端末装置から発信者電話機にリングバックトーン(RBT)が送出される。
【0046】
H.245プロトコルにより加入者端末装置とマルチキャストサーバ(MS)との間でマスタ・スレーブ、通話能力交換、論理チャネル交換のネゴシエーションが確立されると(3−9)、加入者端末装置は発信者電話機に対するリングバックトーン(RBT)の送出を停止し、加入者端末装置からマルチキャストサーバ(MS)に対して、H.225.0RTPプロトコルにより音声ストリームを送出する(3−10)。
【0047】
マルチキャストサーバ(MS)は、加入者端末装置からユニキャストにより送信された音声ストリームを、H.225.0RTPプロトコルにより受信対象加入者端末装置のマルチキャストIPアドレス宛てへ送信し(3−11)、受信加入者端末装置は、スピーカをオンにして放送音声を流す。
【0048】
告知放送を終えて発信者が送受話器をオンフックすると、加入者端末装置からH.225.0Q.931呼制御メッセージである切断(DISC)メッセージがゲートキーパ(GK)を経由しマルチキャストサーバ(MS)に送信される(3−12)。
【0049】
マルチキャストサーバ(MS)は、H.225.0RTPプロトコルによる音声ストリームを受信している加入者端末装置に周期的に制御パケットを送ることができるRTCP(RTP制御プロトコル)を用いて、終了(BYE)メッセージを放送受信加入者端末装置に送信する(3−13)。
【0050】
終了(BYE)メッセージを受信した加入者端末装置は、スピーカをオフにし放送を終了する。また、マルチキャストサーバ(MS)と放送者の加入者端末装置と間でゲートキーパ(GK)を経由してH.225.0Q.931呼制御メッセージの解放(REL)メッセージ、解放完了(RELCOMP)メッセージが送受され、放送シーケンス終了となる(3−14〜3−15)。
【0051】
前述のマルチキャストによる放送システムの基本機能の構成に、更に以下に説明する機能構成を付加することにより、種々の変形又は改良を施した実施形態のマルチキャストによる放送システムを構成することができる。
【0052】
先ず、発信者の放送資格をチェックする実施形態として、前述のマルチキャストサーバ(MS)は、放送可否加入者番号テーブルを備え、マルチキャスト送信を行うに先立って、該テーブルにより発信者の放送資格をチェックし、発信者が放送有資格者である場合のみに、マルチキャスト送信を行う構成とすることができる。
【0053】
図4は放送可否加入者番号テーブルを具備したマルチキャストサーバ(MS)の構成図である。マルチキャストサーバ(MS)は、発アドレス情報と放送可否とを対応付けた放送可否加入者番号テーブル4−1を具備し、マルチキャストサーバ(MS)は、受信した発アドレス情報を放送可否加入者番号テーブル4−1によりチェックし、発信者が放送可能か否かを判別する手段を備える。
【0054】
この手段により、発信者が放送可能であると判別された場合に、前述したように、放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)を用いてマルチキャストIPアドレスを割り出し、放送確認の応答パケットを送出し、マルチキャスト送信を実行する。
【0055】
一方、発信者が放送不可能であると判別された場合には、発信者に対して音声パケット受信拒否のメッセージを送信し、マルチキャスト送信を行わないこととする。このようにして、発信者の加入者端末装置毎に放送資格を与える機能を備えることができる。
【0056】
放送資格判別を行うマルチキャストによる放送シーケンスのプロトコルメッセージの例を図5及び図6に示す。図5及び図6はH.323プロトコルを使用した場合の放送資格判別を含むシーケンスであり、図5は発信者に放送許可を与える場合のシーケンス、図6は発信者に放送許可を与えない場合のシーケンスである。
【0057】
図5及び図6において、マルチキャストサーバ(MS)は、SETUPメッセージを受信すると(5−1)、受信した発アドレス情報(発信者の電話番号)と放送可否情報とを対応付ける放送可否加入者番号テーブルから、発信者の放送資格をチェックする(5−2)。
【0058】
マルチキャストサーバ(MS)は、発信者の加入者端末装置が放送可であると判別した場合、図5に示すように、ゲートキーパ(GK)を経由して、H.323Q.931呼制御メッセージであるCALLPROC,ALERT,CONNECTのメッセージ及びH.225.0RASメッセージであるARQ,ACFのメッセージを発信者の加入者端末装置と送受し(5−3〜5−7)、発信者の加入者端末とマルチキャストサーバ(MS)との間の通信を確立する。
【0059】
マルチキャストサーバ(MS)は、発信者の加入者端末装置が放送不可であると判別した場合、図6に示すように、ゲートキーパ(GK)を経由して、H.323Q.931呼制御メッセージを用いてCALLPROC,DISC,REL,RELCOMPのメッセージ及びH.225.0RASメッセージであるARQ,ACFのメッセージを発信者の加入者端末装置と送受し(6−3〜6−8)、発信者の電話機には話中音(BT)が送出され、放送不可となる。
【0060】
次に、複数の放送種別を有する放送システムの実施形態として、前述の放送用電話番号に複数の電話番号を割り当て、各放送用電話番号毎に異なる放送種別及びマルチキャストIPアドレスを割り当てる構成とすることができる。図7は放送用電話番号毎に放送種別を割り当てるテーブルの構成を示している。
【0061】
ゲートキーパ(GK)は、図7の(a)に示すように、電話番号−IPアドレス対応テーブル(TBL1)に、複数の放送用電話番号#1〜#nをマルチキャストサーバ(MS)のIPアドレスに対応付けて格納する。また、マルチキャストサーバ(MS)は、図7の(b)に示すように、放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)に、それぞれの放送用電話番号#1〜#n毎に個別にマルチキャストIPアドレス及び放送種別情報を対応付けて格納する。
【0062】
ゲートキーパ(GK)は、複数の放送用電話番号#1〜#nをマルチキャストサーバ(MS)のIPアドレスに対応付けて格納することにより、複数の異なる放送用電話番号を発信者の加入者装置から着アドレス情報として受信し、それらをマルチキャストサーバ(MS)に送信することができる。
【0063】
マルチキャストサーバ(MS)は、それぞれ異なる放送用電話番号#1〜#nに個別にマルチキャストIPアドレス及び放送種別情報を対応付けることにより、該放送を受信する加入者端末装置のグループ(受信対象加入者端末装置)を、マルチキャストIPアドレス毎に切り分け、放送対象の加入者端末装置グループを放送用電話番号で選択して放送することが可能となる。
【0064】
また、マルチキャストサーバ(MS)において、各放送用電話番号#1〜#n毎に放送種別情報を対応付けることにより、発信者は希望する放送種別の放送用電話番号を送出し、マルチキャストサーバ(MS)は受信した放送用電話番号に応じて、種別の異なるマルチキャスト送信を行う構成とすることができる。
【0065】
放送種別情報として、放送音声データをマルチキャストサーバ(MS)で蓄積し、後に再生して放送する「録音有り」の放送か、放送音声データを蓄積することなく放送する「録音無し」の放送かの種別、又は放送の緊急性を示す「緊急性有り」、「緊急性無し」等の情報とすることができる。また、放送種別情報は付加番号により識別する構成とすることができる。
【0066】
複数の放送用電話番号を割り当てたマルチキャストによる放送シーケンスの例を図8に示す。図8はH.323プロトコルを使用した場合の複数の放送用電話番号による放送シーケンスである。同図において、SETUP(着アドレスとして放送用電話番号#1)を受信したマルチキャストサーバ(MS)は、図7の(b)に示す放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)から、マルチキャストIPアドレス#Aを引き出し(8−1)、マルチキャストIPアドレス#A宛てに該発信者からのパケット音声を送信する(8−2)。
【0067】
マルチキャストサーバ(MS)は、別の加入者端末装置からSETUPメッセージ(着アドレスとして放送用電話番号#2)を受信すると、図7の(b)に示す放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)から、マルチキャストIPアドレス#Bを引き出し(8−3)、マルチキャストIPアドレス#b宛てに該発信者からのパケット音声を送信する(8−4)。
【0068】
次に、加入者端末装置内のテーブルをマルチキャストサーバ(MS)から更新する実施形態について説明する。前述のマルチキャストサーバ(MS)に具備する放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)は、図9の(a)に示すように、マルチキャストIPアドレス毎に、該マルチキャストを受信する受信対象加入者端末装置のIPアドレスの全てを対応付けて格納する構成とする。
【0069】
この構成により、マルチキャストサーバ(MS)は、どのIPアドレスの加入者端末装置がどのマルチキャストIPアドレス宛てのパケットを受信するかを認識することができ、その情報を基に図9の(b)に示すような加入者端末装置のIPアドレス毎のマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を作成することができる。
【0070】
マルチキャストサーバ(MS)は、作成した加入者端末装置のIPアドレス毎のマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を、放送受信対象の各加入者端末装置のIPアドレス宛てに送信する。この構成により、放送受信対象の加入者端末装置に具備されたマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を、マルチキャストサーバ(MS)からIPネットワーク上で更新することができる。
【0071】
また、加入者端末装置内のテーブルをマルチキャストサーバ(MS)から更新する他の実施形態として、前述のマルチキャストサーバ(MS)に具備する放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)を、図10の(a)に示すように、マルチキャストIPアドレス毎に、該マルチキャストを受信する受信対象加入者端末装置の加入電話番号の全てを対応付けて格納する構成とすることができる。
【0072】
この構成により、マルチキャストサーバ(MS)は、どの電話番号の加入者端末装置がどのマルチキャストIPアドレス宛てのパケットを受信するかを認識することができ、その情報を基に図10の(b)に示すような加入者端末装置の電話番号毎のマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を作成することができる。
【0073】
マルチキャストサーバ(MS)は、作成した加入者端末装置の電話番号毎のマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を、放送受信対象の各加入者端末装置のIPアドレス宛てに送信する。この際、マルチキャストサーバ(MS)は、電話番号−IPアドレス対応テーブル(前述のゲートキーパ(GK)に具備したテーブルTBL1と同等のもの)を備え、該テーブルを用いて各加入者端末装置の電話番号をIPアドレスに変換して送信する。
【0074】
或いは、マルチキャストサーバ(MS)には、電話番号−IPアドレス対応テーブルを備えず、マルチキャストサーバ(MS)が加入者端末装置のマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を更新する際に、その都度ゲートキーパ(GK)に電話番号に対応するIPアドレスを問い合わせる手段を備え、ゲートキーパ(GK)に具備する電話番号−IPアドレス対応テーブル(TBL1)から最新の加入者端末情報を取得し、マルチキャストサーバ(MS)からIPネットワーク上で放送受信対象の加入者端末装置のマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を更新する構成とすることもできる。この場合、加入者端末装置のIPアドレス情報をゲートキーパ(GK)で一元管理することができ、加入者端末装置のテーブルとのアンマッチを防ぐことができる。
【0075】
図11はマルチキャストサーバ(MS)から加入者端末装置にテーブルを送信して更新する実施形態のシーケンスの例を示す。加入者端末装置の電源が投入されると、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol )サーバから、加入者端末装置IPアドレス、マルチキャストサーバ(MS)IPアドレス、その他の初期設定のファイルが送出される。
【0076】
初期設定ファイルを受信した加入者端末装置は、LAN上に存在するホストとして立ち上がり、マルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を、マルチキャストサーバ(MS)に要求する(TABLE REQUEST )。マルチキャストサーバ(MS)は、加入者端末装置毎の図9の(b)に示すマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を作成し、TABLE REQUEST の要求を発信した加入者端末装置に対して、該当のマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を送信する。
【0077】
該当のマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を受信した加入者端末装置は、H.323プロトコルの端末として立ち上がり、ゲートキーパ(GK)に対してH.225.0RASメッセージRRQ(Registration Request :登録要求)を送信し、ゲートキーパ(GK)は加入者端末装置にRCF(Registration Confirmation :登録確認)を送出する。RCFを受信した加入者端末装置は、IPマルチキャストによる放送サービスに参加できる放送端末となる。
【0078】
図12はマルチキャストサーバ(MS)から加入者端末装置にテーブルを送信して更新する他の実施形態のシーケンスの例を示す。加入者端末装置の電源が投入されると、DHCPサーバから加入者端末IPアドレス、マルチキャストサーバ(MS)IPアドレス、その他の初期設定のファイルが送出される。
【0079】
初期設定ファイルを受信した加入者端末装置は、LAN上に存在するホストとして立ち上がり、マルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を、マルチキャストサーバ(MS)に要求する(TABLE REQUEST )。マルチキャストサーバ(MS)は、加入者端末装置毎の図10の(b)に示すマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を作成し、宛て先IPアドレスをゲートキーパ(GK)にH.225.0RASメッセージLRQ(Location Request:位置情報要求)により加入者番号に対応するIPアドレスをゲートキーパ(GK)に問い合わせる。
【0080】
LRQを受信したゲートキーパ(GK)はLCF(Location Confirmation :位置情報確認)により加入者番号に対応するIPアドレスを通知する。LRQによりマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を送出する相手先IPアドレスを認識したマルチキャストサーバ(MS)は、該当の加入者端末装置に対してマルチキャストサーバ(MS)で作成したマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を送信する。
【0081】
マルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を受信した加入者端末装置はH.323プロトコル端末として立ち上がり、ゲートキーパ(GK)に対してH.225.0RASメッセージRRQ(Registration Request:登録要求)を送信し、ゲートキーパ(GK)は加入者端末装置にRCF(Registration Confirmation :登録確認)を送出する。RCFを受信した加入者端末装置はIP告知放送サービスに参加できる放送端末となる。
【0082】
次に、音声回り込みによる残響雑音の防止を図った実施形態について説明する。図13は加入者端末装置における放送中のマルチキャスト受信処理を示す。加入者端末装置は、マルチキャスト受信部13−1により、自装置のマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)に格納されたマルチキャストIPアドレスに該当するIPパケットを受信する。
【0083】
但し、放送音声送出中判別部13−2により、自装置のアナログ電話機から放送音声を送出している最中かどうかを判別し、放送音声の送出中でないと判別した場合に、マルチキャスト受信処理部13−3により、マルチキャスト音声パケットを受信してスピーカから放音する処理を実行する。
【0084】
他方、放送音声送出中判別部13−2により、自加入者端末装置から放送音声を送出中であると認識した場合、マルチキャスト受信処理中止部13−4により、マルチキャスト受信処理を中止する。この放送音声の送出中にマルチキャスト受信処理を中止する手段により、放送者の加入者端末装置のスピーカから自分の放送音声が放音されるのを防止し、スピーカから電話機への音声の回り込みによる残響音発生等の音声品質の劣化を防止する。
【0085】
図14に放送者の加入者端末装置でマルチキャスト受信処理を中止するシーケンス例を示す。図14はH.323のプロトコルを使用した場合のシーケンス例である。発信者からの音声は加入者端末装置にてパケット音声でマルチキャストサーバ(MS)に送信される(14−1)。
【0086】
マルチキャストサーバ(MS)は、着アドレスをマルチキャストIPアドレスに変換して発信加入者のパケット音声を送信する(14−2)。放送音声送出中の加入者端末装置は、自装置に接続された電話機から放送用電話番号がダイヤル送出され、かつ送話中であることから、IPネットワークから配信される当該マルチキャストを受信しないように受信処理を中止する(14−3)。
【0087】
次に、放送者の識別情報を報知する実施形態について説明する。マルチキャストサーバ(MS)は、放送要求した発信者の音声をマルチキャストする前に、受信した発アドレス情報を基に、発信者の加入者電話番号等の放送者識別情報をマルチキャストIPアドレス宛てに通知する手段を備える。この手段により、放送を受信する加入者端末装置では、放送者の加入者電話番号等の放送者識別情報を表示し、放送受信者は誰からの放送であるかを認識することができる。
【0088】
図15はH.323プロトコルを使用した場合の放送者識別情報通知シーケンスの例である。発信者からの放送用電話番号がダイヤル送出され、発信者の加入者端末装置とマルチキャストサーバ(MS)と間でH.245ネゴシエーションが確立されると(15−1)、マルチキャストサーバ(MS)はRTCP(Real Time Transport Protocol)による発信者の加入者端末装置情報(発アドレス情報)をマルチキャストすることにより、放送受信する全加入者端末装置に放送者識別情報を通知する(15−2)。
【0089】
マルチキャストの受信加入者端末装置は、通知された発信者の加入者端末装置情報(発アドレス情報)を自加入者端末装置に表示する。その後、放送者の加入者端末装置からマルチキャストサーバ(MS)にH.225.0RTPによる音声ストリームが送出され、マルチキャストサーバ(MS)は、該音声ストリームを受信してマルチキャストIPアドレス宛てへ送信する(15−3)。
【0090】
次に、加入者端末装置からマルチキャスト受信を通知する実施形態について説明する。各加入者端末装置は、マルチキャストサーバ(MS)からのマルチキャストパケットを受信すると、マルチキャストサーバ(MS)に対して、放送受信中である旨を通知する手段を備える。
【0091】
この手段により、マルチキャストサーバ(MS)は、放送受信対象の全加入者端末装置の放送受信状態を把握することができ、放送受信中の加入者端末装置をマルチキャストサーバ(MS)で確認することが可能となる。
【0092】
加入者端末装置からマルチキャスト受信中の旨を通知するの実施形態のシーケンスの例を図16に示す。発信者の加入者端末装置からマルチキャストサーバ(MS)にH.225.0RTPによる音声ストリームが送出され、マルチキャストサーバ(MS)から該音声ストリームがマルチキャスト送信(16−1)されているときに、マルチキャスト受信中の各加入者端末装置からマルチキャストサーバ(MS)に対して、マルチキャスト受信中の旨を示すRTCP(Receiver Report )メッセージを送信する(16−2)。
【0093】
前述の放送受信中の加入者端末装置の確認において、マルチキャストサーバ(MS)は、マルチキャスト送信中に該マルチキャストIPアドレス宛てに、放送受信状態問い合わせパケットを送信し、該放送受信状態問い合わせパケットを受信した加入者端末装置がマルチキャストサーバ(MS)宛てに、放送受信状態応答パケットを返信する構成とすることもできる。
【0094】
この実施形態のシーケンス例を図17に示す。発信者の加入者端末装置からマルチキャストサーバ(MS)にH.225.0RTPプロトコルによる音声ストリームが送出され、マルチキャストサーバ(MS)から該音声ストリームがマルチキャスト送信(17−1)されているときに、マルチキャストサーバ(MS)からマルチキャスト受信中の各加入者端末装置に対して、放送受信状態問い合わせパケットRTCP(Send Report) を発信し(17−2)、該パケットを受信した加入者端末装置は、マルチキャストサーバ(MS)へマルチキャスト受信中の旨を示すRTCP(Receiver Report )メッセージを返信する(17−3)。
【0095】
従来のTDMA方式による放送システムは、各加入者端末装置毎にパスを設定するマルチパス方式のものであり、各加入者端末装置毎に受信確認を行うには、ポーリング方式のように複雑で時間の掛かるシステム固有の問い合わせ手段を用いていたが、本発明はIPネットワークの汎用プロトコルにより容易に受信確認を行うことができる。
【0096】
次に、放送者に放送受信加入者装置の識別情報を通知する実施形態について説明する。前述の実施形態により、放送受信中の加入者端末装置を確認したマルチキャストサーバ(MS)は、マルチキャスト送信終了時に、放送要求した発信者の加入者端末装置に、放送受信を確認した加入者端末装置の識別情報を通知する手段を備える。この手段により、放送者は放送を受信した加入者端末装置がどれであったかを確認することができる。
【0097】
図18に放送者に放送受信加入者装置の識別情報を通知するシーケンスの例を示す。発信加入者端末装置からマルチキャストサーバ(MS)にH.225.0RTPプロトコルによる音声ストリームが送出され、該音声ストリームがマルチキャストサーバ(MS)からマルチキャスト送信(18−1)されているときに、加入者端末装置からのマルチキャスト受信中の旨を示すRTCP(Receiver Report )メッセージを受信すると(18−2)、マルチキャストサーバ(MS)は、放送受信中の加入者端末装置を認識し、該加入者端末装置の識別情報を保持する。
【0098】
その後、発信者が放送を終了し、発信者の加入者端末装置からH.323Q.931呼制御メッセージによる切断(DISC)メッセージがゲートキーパ(GK)を経由してマルチキャストサーバ(MS)に送信される(18−3)と、マルチキャストサーバ(MS)は、受信加入者端末装置に終了(Bye)メッセージを送信(18−4)するとともに、発信加入者端末装置に送信する解放(REL)メッセージに、マルチキャストサーバ(MS)が認識した放送受信加入者端末装置の識別情報を載せて通知し(18−5)、発信者(放送者)は該識別情報により、放送を受信した加入者を認識することができる(18−6)。
【0099】
次に、音声蓄積機能を備えた実施形態について説明する。図19はマルチキャストサーバ(MS)に音声データ蓄積手段を備えた第1の実施形態の説明図である。マルチキャストサーバ(MS)は、放送用電話番号及び放送音声を含むユニキャストIPパケットを受信すると、放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)を参照し、受信した放送用電話番号に対応したマルチキャストIPアドレス宛てに、放送音声のIPパケットをマルチキャスト送信するとともに、音声データ蓄積部19−1に該放送用電話番号及び放送音声データを蓄積する。
【0100】
その後、放送音声データの再生用電話番号をゲートキーパ(GK)から受信すると、マルチキャストサーバ(MS)は、蓄積データ検索部19−2により、受信した再生用電話番号に対応する放送音声蓄積データを検索し、その蓄積データが存在すれば、再生要求した発信者ヘ該放送音声データをパケット送信する。従って、再度又は後刻に放送を聴きたい加入者は、アナログ電話機から再生用電話番号のダイヤル操作を行うことにより、録音放送を任意に聴取することができる。
【0101】
前述の実施形態のシーケンス例を図20に示す。図20はH.323プロトコルを使用した場合の放送録音再生シーケンスを示している。発信加入者端末装置からマルチキャストサーバ(MS)にH.225.0RTPプロトコルによる音声ストリームが送出され、マルチキャストサーバ(MS)は該音声ストリームをマルチキャスト送信すると同時に、マルチキャストサーバ(MS)内の音声データ蓄積部に該パケット音声データを蓄積する(20−1)。
【0102】
放送終了後、任意の加入者端末装置から録音放送の再生用電話番号がダイヤルされると(20−2)、着アドレス情報に再生用電話番号を含んだSETUPメッセージをマルチキャストサーバ(MS)が受信すると(20−3)、マルチキャストサーバ(MS)は内部に蓄積したパケット音声を、該加入者端末装置に対してH225.0RTPプロトコルにより音声ストリームとして送信し(20−4)、該加入者端末装置は該音声ストリームをマルチキャスト受信と同様に受信し、スピーカをオンにして再生音を放送する(20−5)。
【0103】
図21は録音有無の放送種別に応じて音声蓄積する実施形態の説明図である。マルチキャストサーバ(MS)は、放送用電話番号及び放送音声を含むユニキャストIPパケットを受信すると、放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)を参照し、受信した放送用電話番号の放送種別が「録音有り」であるか「録音無し」であるか判定する録音有無判別部21−1を備える。
【0104】
放送種別が「録音無し」である場合、受信した放送用電話番号に対応したマルチキャストIPアドレス宛てに放送音声のIPパケットをマルチキャスト送信するだけで、録音(音声データの蓄積)は行わない。一方、放送種別が「録音有り」である場合、放送音声のIPパケットをマルチキャスト送信するとともに、音声データ蓄積部21−2に該放送用電話番号及び放送音声データを蓄積する。
【0105】
即ち、音声データ蓄積部21−2には、放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)により「録音有り」と解析された放送種別の放送番号に該当する放送音声データのみを蓄積する。従って、放送要求した発信者の意図により、自己の放送する放送内容の録音/非録音を選択することができる。
【0106】
マルチキャストサーバ(MS)は、再生用電話番号をゲートキーパ(GK)から受信すると、蓄積データ検索部21−3により、受信した再生用電話番号に対応する放送音声蓄積データを検索し、その蓄積データが存在すれば、再生要求した発信者ヘ該放送音声データをパケット送信する。
【0107】
前述の図21に示した実施形態のシーケンス例を図22に示す。同図はH.323プロトコルを使用した場合の録音指定のシーケンス例である。発信者から「録音有り」の放送種別の放送用電話番号がダイヤルされ(22−1)、加入者端末装置からのSETUPメッセージに「録音有り」の放送種別を含む着アドレス情報がマルチキャストサーバ(MS)に送信される(22−2)。
【0108】
発信者の加入者端末装置からマルチキャストサーバ(MS)にH.225.0RTPプロトコルによる音声ストリームが送出されると、「録音有り」の放送種別を受信したマルチキャストサーバ(MS)は、該音声ストリームをマルチキャスト送信するのと同時に、マルチキャストサーバ(MS)内の音声データ蓄積部部にそのパケット音声データを蓄積する(22−3)。
【0109】
図23は所定回数再生放送する音声データ蓄積再生手段の実施形態の説明図である。マルチキャストサーバ(MS)は、放送用電話番号及び放送音声を含むユニキャストIPパケットを受信すると、放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)により、受信した放送用電話番号の放送種別が「録音有り」であるか「録音無し」であるか判定するとともに、該放送用電話番号の付加番号により指定される再生放送回数を判別する手段23−1を備える。
【0110】
放送種別が「録音無し」である場合、受信した放送用電話番号に対応したマルチキャストIPアドレス宛てに放送音声データのIPパケットをマルチキャスト送信するだけで、録音(音声データの蓄積)は行わない。一方、放送種別が「録音有り」である場合、放送音声データのIPパケットをマルチキャスト送信するとともに、音声データ蓄積部23−2に該放送用電話番号、放送音声データ及び再生回数を蓄積する。
【0111】
音声データ蓄積部23−2は、蓄積された放送用電話番号及び放送音声データを、再生回数として指定された回数だけ読み出し、放送用電話番号に対応したマルチキャストIPアドレス宛てに放送音声データのIPパケットをマルチキャスト送信する。
【0112】
従って、放送者の音声による放送終了後に、マルチキャストサーバ(MS)に蓄積された放送音声データを、放送用電話番号により指定された回数だけ繰り返して送信し、放送要求した発信者が意図した回数だけ自動的に繰り返される放送を行うことができる。
【0113】
前述の図23に示した実施形態のシーケンス例を図24に示す。同図はH.323プロトコルを使用した場合の再生回数指定による放送のシーケンス例を示している。発信者が再生放送回数を指定する放送種別の放送用電話番号をダイヤルし(24−1)、加入者端末装置からのSETUPメッセージに該放送種別を含む着アドレス情報がマルチキャストサーバ(MS)に受信される(24−2)。
【0114】
発信者の加入者端末装置からマルチキャストサーバ(MS)にH.225.0RTPプロトコルによる音声ストリームが送出され、マルチキャストサーバ(MS)から該音声ストリームがマルチキャストされているときに、マルチキャストサーバ(MS)は、内部の音声データ蓄積部に該音声ストリームのパケット音声を蓄積する(24−3)。
【0115】
発信者による放送終了後、マルチキャストサーバ(MS)は、指定された放送種別及び放送回数に従い、音声データ蓄積部に蓄積されたパケット音声を、同じマルチキャストIPアドレス宛てに、H.225.0RTPプロトコルによる音声ストリームとして送出する(24−4)。
【0116】
次に、前述した各音声蓄積手段における蓄積音声の消去の実施形態について説明する。前述の音声データ蓄積部に蓄積された音声データは、放送終了後、一定時間内にアナログ電話機から再生用電話番号が送出されず、蓄積データが所定時間以上読み出されない状態が継続すると、マルチキャストサーバ(MS)は、該放送音声データを音声データ蓄積部から消去する手段を備える。この手段により、「録音有り」の放送種別の放送が多数要求された場合に、音声データ蓄積部のメモリ領域が不足する事態を防ぐことができる。
【0117】
次にメールボックスに音声データを格納する実施形態について説明する。図25に示すように、マルチキャストサーバ(MS)は、放送用電話番号及び放送音声データを含むユニキャストIPパケットを受信すると、放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)参照し、受信した放送用電話番号に対応したマルチキャストIPアドレス宛てに、放送音声のIPパケットをマルチキャスト送信するとともに、メールボックス25−1に該放送用電話番号及び放送音声データを蓄積する。
【0118】
メールボックス25−1は、記憶領域が加入者端末装置毎に区分けされ、各加入者端末装置毎のメールボックス領域部に放送音声データが個々に蓄積される。放送要求した発信者の音声データは、マルチキャスト対象の各入者端末装置のメールボックス領域部にのみ蓄積され、受信加入者からの再生用電話番号をゲートキーパ(GK)から受信すると、マルチキャストサーバ(MS)は、メールボックス内蓄積データ検索部25−2により、受信した再生用電話番号に対応する放送音声蓄積データを、その受信加入者のメールボックス領域部から検索して読み出し、再生要求した加入者ヘ該放送音声をパケット送信する。
【0119】
また、マルチキャストサーバ(MS)は、各メールボックス内の音声データ蓄積状態(放送音声データの有無)を監視し、該メールボックス内蓄積状態通知部25−3により、メールボックス内の音声データ蓄積状態を各加入者端末装置に通知し、加入者端末装置は、通知された自己のメールボックスの音声データ蓄積状態を可視又は可聴表示する。この手段により、加入者は自己のメールボックスに格納された録音放送の有無を認識することができる。
【0120】
前述の実施形態のシーケンス例を図26及び図27に示す。同図はH.323プロトコルを使用するメールボックス形式の放送録音再生シーケンスの例を示している。発信者が「録音有り」の放送種別の放送用電話番号をダイヤルし、加入者端末装置からのSETUPメッセージに上記放送種別を含む着アドレス情報がマルチキャストサーバ(MS)に送信される(26−1)。
【0121】
発信者の加入者端末装置からマルチキャストサーバ(MS)にH.225.0RTPプロトコルによる音声ストリームが送出され、放送種別が「録音有り」の場合、マルチキャストサーバ(MS)は、音声ストリームをマルチキャスト送信すると同時に、マルチキャストサーバ(MS)内部の加入者毎のメールボックスにパケット音声を蓄積する(26−2)。
【0122】
図26では加入者番号#3のメールボックスにパケット音声を蓄積したものとする。マルチキャストサーバ(MS)は、メールボックスにデータが蓄積された加入者番号の加入者端末装置に対して、図27に示すようにメールボックス情報通知を行い(27−1)、放送が録音されている旨を放送受信対象者に可視又は可聴表示により通知する。
【0123】
放送受信対象者の電話機から再生用電話番号がダイヤルされると(27−2)、その加入者端末装置は着アドレス情報に再生用番号を含んだSETUPメッセージをマルチキャストサーバ(MS)に送信し、マルチキャストサーバ(MS)は内部にメールボックス形式で蓄積した該加入者宛てのパケット音声を、該加入者端末装置に対してH225.0RTPプロトコルによる音声ストリームとして送出する(27−3)。該加入者端末装置では、マルチキャスト受信の場合と同様にスピーカをオンにし、再生された録音放送を放音する(27−4)。
【0124】
次に、音声データ蓄積手段を加入者端末装置に備えた実施形態について説明する。図28に示すように、加入者端末装置は、マルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)に格納されたIPアドレスに、受信パケットのIPアドレスが合致するかどうかを判別する手段28−1を備え、該判別手段28−1により合致を検出した場合、該パケットの音声データを、スピーカ再生部28−2により再生してスピーカから放音するとともに、該パケットに含まれる放送用電話番号及び音声データを、音声データ蓄積部28−3に格納する。
【0125】
その後、加入者端末装置に接続されたアナログ電話機から、蓄積された放送音声データの再生用電話番号を受信すると、蓄積データ検索部28−4により、その再生用電話番号に対応する放送音声蓄積データを検索し、対応する放送音声蓄積データが存在する場合、該蓄積音声データを読み出し、スピーカ再生部28−2により再生してスピーカから放音する。
【0126】
また、加入者端末装置は、放送録音状態表示部28−5を備え、該放送録音状態表示部28−5は、音声データ蓄積部28−3に蓄積された放送音声データが存在するか否かを表示する。
【0127】
このような構成により、自加入者端末装置の改良のみで、放送受信対象加入者は録音放送の有無を認識し、アナログ電話機から再生用電話番号のダイヤル操作を行って録音放送を随時聴取することができる。
【0128】
前述の図28に示した実施形態のシーケンス例を図29に示す。加入者端末装置はマルチキャストサーバ(MS)からH225.0RTPプロトコルによりパケット音声を受信すると(29−1)、該音声をスピーカから放音するとともに加入者端末装置内部の音声データ蓄積部に該パケット音声を蓄積する(29−2)。
【0129】
マルチキャスト終了後、加入者端末装置はスピーカをオフにするとともに、録音放送の有無を可視又は可聴表示により加入者に知らせる(29−3)。加入者の再生ボタン押下等の端末操作により、加入者端末装置は蓄積された音声パケットデータを読み出し、スピーカをオンにし、録音放送を再生する(29−4)。
【0130】
次に、優先度に応じて受信するマルチキャストを選択する実施形態について説明する。図30に示すように、加入者端末装置内のマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)は、各マルチキャストIPアドレスをその優先度に応じた優先順位を付して格納する。
【0131】
複数の放送要求発信者から放送用電話番号がダイヤルされ、マルチキャストサーバ(MS)から各放送用電話番号に対応するマルチキャストIPアドレスのパケットがIPネットワーク上に同時に配信された場合、加入者端末装置は、図30に示す優先順位を付けたマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)を参照し、複数のマルチキャストの中から該優先順位に応じて、放音するマルチキャストを一つ選択する。
【0132】
そして、選択されたマルチキャストを直ちにスピーカにより放音し、優先順位が低く選択されなかったマルチキャストに対しては、前述の図27又は図28に示した音声データ蓄積手段を用いて蓄積し、後刻、再生して放音することにより、同時に配信された放送を漏れなく聴取させることができる。
【0133】
次に、複数の放送要求が重複して発生した場合に、先発放送を優先的に放送する実施形態について説明する。図31は先発放送を優先的に放送する実施形態の説明図である。図31の(a)は、加入者番号#1〜#3を受信者対象とする放送用電話番号#Aの放送が先発放送としてマルチキャストされているときに、加入者番号#4〜#6を受信者対象とする放送用電話番号#Bの放送が後発放送としてマルチキャストされた場合を示す。
【0134】
この場合の第1の実施形態として、マルチキャストサーバ(MS)は無条件で先発放送を優先させて放送する制御を行い、マルチキャストサーバ(MS)がSETUPメッセージの着アドレス情報として受信する放送用電話番号#Aと放送用電話番号#Bとが重複したとき、マルチキャストサーバ(MS)は先に受信した放送用電話番号#Aを優先させ、放送用電話番号#BのSETUPメッセージに対して通話拒否の応答を行う。
【0135】
従って、マルチキャストサーバ(MS)は放送用電話番号#Aに該当するマルチキャストをIPネットワーク(LAN)上に送信し、加入者番号#1〜#3の加入者に対する放送用電話番号#Aの放送のみをマルチキャスト送信する。
【0136】
次に、先発放送を優先的に放送する第2の実施形態について説明する。図31の(b)は、加入者番号#1〜#3を受信者対象とする放送用電話番号#Aの放送が先発放送としてマルチキャストされているときに、加入者番号#3〜#5を受信者対象とする放送用電話番号#Bの放送が後発放送としてマルチキャストされた場合を示す。
【0137】
マルチキャストサーバ(MS)がSETUPメッセージの着アドレス情報として放送用電話番号#Aと放送用電話番号#Bとを受信した場合、マルチキャストサーバ(MS)は、それぞれの放送用電話番号の受信対象加入者端末装置をチェックし、加入者端末装置が重複している場合のみ優先制御する。
【0138】
従って、マルチキャストサーバ(MS)は、図31の(b)に示すように、加入者番号#3が両放送用電話番号#A及び#Bの受信対象となっている場合に、先に放送した放送用電話番号#Aを優先させ、後発の放送用電話番号#BのSETUPメッセージに対して通話拒否し、マルチキャストサーバ(MS)は放送用電話番号#Aに該当するマルチキャストをIPネットワーク(LAN)上送信する。
【0139】
しかし、図31の(a)に示すように、放送用電話番号#Aと放送用電話番号#Bとに重複する受信対象加入者が存在しない場合には、放送用電話番号#Aと放送用電話番号#Bの両方の放送を同時にマルチキャストする。
【0140】
図32は受信対象加入者重複時の先発放送優先制御のフローを示している。マルチキャストサーバ(MS)は放送用電話番号を受信すると(32−1)、そのとき既にマルチキャスト送信中であるかどうかをチェックし(32−2)、マルチキャスト送信中であれば、送信中の先発放送の受信加入者端末装置と、これから送信しようとする後発放送の受信加入者端末装置とで、重複する加入者端末装置が存在するかどうかをチェックし(32−3)、重複する加入者端末装置が存在する場合は、先発放送を優先させ、後発放送の加入者からの放送要求に対して、放送不可として該放送要求を破棄する(32−4)。
【0141】
そして、先発放送のマルチキャスト送信がない場合、又は、先発放送の受信加入者端末装置と後発放送の受信加入者端末装置とで、重複する加入者端末装置が存在しない場合、マルチキャストサーバ(MS)は、前述のように放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)を参照し(32−5)、マルチキャスト送信を実行する(32−6)。
【0142】
このような構成により、複数の加入者から同時期に放送用電話番号がダイヤルされた場合、既に放送中の先発放送を優先させることにより、先発放送が中断又は妨害されることを保護することができる。
【0143】
次に、後発放送を放送する実施形態について説明する。図33の(a)は後発放送を優先的に放送する実施形態の説明図である。同図に示すように、加入者番号#3が先発放送用電話番号#A及び後発放送用電話番号#Bの受信対象となる場合に、先発放送用電話番号#Aの放送を中断し、後発放送用電話番号#Bの放送を優先させて放送する。
【0144】
図34は前述した後発放送優先のマルチキャストサーバ(MS)における制御フローを示す。マルチキャストサーバ(MS)は、放送用電話番号を受信すると(34−1)、その時点で実行されているマルチキャスト送信状態をチェックし(34−2)、マルチキャスト送信実行中であれば、送信実行中の先発放送の受信加入者端末装置と、これから送信しようとする後発放送の受信加入者端末装置とで、重複する加入者端末装置が存在するかどうかをチェックする(34−3)。
【0145】
そして、重複する加入者端末装置が存在する場合は、放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)を参照し(34−4)、先発マルチキャストを中断して(34−5)、後発マルチキャスト送信を優先させて実行する(34−6)。
【0146】
なお、先発放送のマルチキャスト送信がない場合、又は、先発放送と後発放送とで重複する加入者端末装置が存在しない場合、マルチキャストサーバ(MS)は、放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)を参照し(34−7)、マルチキャスト送信を実行する(34−8)。
【0147】
このような構成により、複数の加入者から同時期に放送用電話番号がダイヤルされた場合、先発放送を中断し、後発放送を優先させて放送する構成とすることができる。特に、後発放送の放送種別が緊急度の高い放送である場合に、後発優先とすることにより、受信加入者に緊急性の高い報知内容を直ちに放送することができる。
【0148】
図33の(b)は後発放送を録音し、後で録音データを再生して放送する実施形態の説明図である。同図に示すように、加入者番号#3が先発放送用電話番号#A及び後発放送用電話番号#Bの受信対象となる場合に、先発放送用電話番号#Aの放送を継続し、後発放送用電話番号#Bの放送を録音する。そして、先発放送用電話番号#Aの放送終了後、後発放送用電話番号#Bの録音を再生して放送する。
【0149】
図35は前述の図33の(b)に示した実施形態のマルチキャストサーバ(MS)における制御フローを示す。マルチキャストサーバ(MS)は、放送用電話番号を受信すると(35−1)、その時点で実行されているマルチキャスト送信状態をチェックし(35−2)、マルチキャスト送信中であれば、送信中の先発放送の受信加入者端末装置と、これから送信しようとする後発放送の受信加入者端末装置とで、重複する加入者端末装置が存在するかどうかをチェックする(35−3)。
【0150】
そして、重複する加入者端末装置が存在する場合は、先発放送を継続してマルチキャスト送信し、放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)を参照して(35−4)、後発放送要求者の音声を音声データ蓄積手段に格納する(35−5)。
【0151】
その後、先発放送がなおマルチキャスト送信中であるかどうかをチェックし(35−6)、マルチキャスト送信中であれば、所定タイミングを計時(35−7)した後、再び先発放送がマルチキャスト送信中であるかどうかをチェックする(35−6)。
【0152】
先発放送のマルチキャスト送信の終了を検出すると、マルチキャストサーバ(MS)に蓄積した後発放送者の音声データをマルチキャスト送信する(35−8)。なお、先発放送のマルチキャスト送信がない場合、又は、先発放送の受信加入者端末装置と後発放送の受信加入者端末装置とで、重複する加入者端末装置が存在しない場合、マルチキャストサーバ(MS)は、放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブル(TBL2)を参照し(35−9)、マルチキャスト送信を実行する(35−10)。
【0153】
このような構成により、複数の加入者から同時期に放送用電話番号がダイヤルされた場合、先発放送は中断されることなく、また後発放送も拒否されることなく、両者の放送内容を受信加入者に報知することができる。
【0154】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、汎用のIPネットワーク上に放送用電話番号の受信によりマルチキャスト送信を実行するマルチキャストサーバを設置し、放送者から送信されたパケット音声を該マルチキャストサーバからマルチキャスト送信することにより、汎用性を有するIPネットワーク上で放送音声を配信することができ、システムの拡張が容易で他のIP通信サービスと併存することができる柔軟性に富んだ放送システムを構築することができる。
【0155】
また、IPネットワーク上での放送サービスにおいて共通のマルチキャストサーバを設けることにより、各加入者端末装置に特殊なマルチキャスト送信機能を具備する必要がなく、一つのマルチキャストサーバにより、IPネットワーク上に送信するマルチキャスト数やトラヒックの制御(優先制御)、録音及び受信確認等の放送の一元管理を行うことができる。
【0156】
また、本発明はマルチキャストサーバ(MS)において、発アドレス情報から発信者の放送資格をチェックする手段を備えることにより、安全な運用管理を行うことが可能となる。また、マルチキャストサーバに、複数の放送用電話番号に対応するマルチキャストIPアドレスを格納したテーブルを備えることにより、複数の放送種別の放送を行うことを可能にする。
【0157】
また、各加入者端末装置に具備する受信マルチキャストIPアドレスの格納テーブルをマルチキャストサーバで作成し、マルチキャストサーバから各加入者端末装置に該テーブルを送信することにより、マルチキャストサーバからの遠隔操作で全加入者端末装置の該テーブルを更新することができる。
【0158】
また、マルチキャストサーバから放送者の発アドレス情報を受信対象加入者端末装置にマルチキャスト送信することにより、受信対象加入者は放送者が誰であるのかを認識することができる。また、受信対象加入者から受信状態情報をマルチキャストサーバを介して発信者の加入者端末装置に送信することにより、IPネットワークの汎用プロトコルを用いて容易に受信確認を行うことができる。
【0159】
また、マルチキャストサーバに録音手段を設けることにより、受信対象加入者は、繰り返し又は後刻放送音声を聴取することができる。また、放送用電話番号に録音有無の放送種別を表す番号を設け、録音有りの放送種別の放送用電話番号が送出された場合のみ、放送音声を録音することにより、必要な放送だけを効率よく蓄積することができる。
【0160】
また、マルチキャストサーバで同時に複数の放送が要求された場合に、送信するマルチキャストを優先度に応じて選択し、送信数を制限することにより、マルチキャストによるIPネットワークのトラフィック負荷をマルチキャストサーバで調整することができる。
【0161】
また、同時に放送されるマルチキャスト送信に重複した受信対象加入者が存在した場合、マルチキャストサーバは一つの放送を優先度に応じて選択し、加入者が聴取できない無駄なマルチキャストをIPネットワークに送出しないため、IPネットワーク上のトラフィック負荷を低減させことができる。
【0162】
また、同時に放送されるマルチキャスト送信に重複した受信対象加入者が存在した場合、後発放送に対して録音機能を利用して蓄積し、先発放送の終了後、後発放送を再生して放送し、IPネットワーク上に一放送ずつ送出することにより、放送重複加入者は先発及び後発の両放送を聴取することができ、かつLANのトラフィック負荷を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマルチキャストによる放送システムの構成図である。
【図2】本発明のマルチキャストによる放送システムの枢要部の動作シーケンスを示す図である。
【図3】本発明のマルチキャストによる放送を実行するメッセージシーケンスの例を示す図である。
【図4】放送可否加入者番号テーブルを具備したマルチキャストサーバ(MS)の説明図である。
【図5】放送資格判別を行うマルチキャストのシーケンス例を示す図である。
【図6】放送資格判別を行うマルチキャストのシーケンス例を示す図である。
【図7】放送用電話番号毎に放送種別を割り当てるテーブルの説明図である。
【図8】複数の放送用電話番号を割り当てたマルチキャストのシーケンス例を示す図である。
【図9】放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブルの説明図である。
【図10】放送用電話番号−マルチキャストIPアドレス対応テーブルの説明図である。
【図11】加入者端末装置のテーブルを更新するシーケンス例を示す図である。
【図12】加入者端末装置のテーブルを更新するシーケンスの例を示す図である。
【図13】加入者端末装置における放送中のマルチキャスト受信処理の説明図である。
【図14】発信加入者端末装置でのマルチキャスト受信処理中止のシーケンス例を示す図である。
【図15】放送者識別情報通知シーケンス例を示す図である。
【図16】マルチキャスト受信中の旨を通知するシーケンス例を示す図である。
【図17】マルチキャスト受信中の旨を通知するシーケンス例を示す図である。
【図18】放送受信加入者装置の識別情報を通知するシーケンス例を示す図である。
【図19】マルチキャストサーバ(MS)に備えた音声蓄積手段の説明図である。
【図20】音声データ蓄積手段による放送録音再生シーケンスを示す図である。
【図21】録音有無の放送種別に応じた音声蓄積手段の説明図である。
【図22】録音有無の放送種別に応じた音声蓄積のシーケンス例を示す図である。
【図23】指定回数再生放送する音声蓄積再生手段の説明図である。
【図24】指定回数再生放送する音声蓄積再生のシーケンス例を示す図である。
【図25】メールボックスに音声データを蓄積する音声蓄積手段の説明図である。
【図26】メールボックスに音声データを蓄積する音声蓄積シーケンス例を示す図である。
【図27】メールボックスに蓄積された音声データを再生するシーケンス例を示す図である。
【図28】加入者端末装置に備えた音声蓄積手段の説明図である。
【図29】加入者端末装置の音声蓄積シーケンス例を示す図である。
【図30】優先順位を付したマルチキャストIPアドレス格納テーブル(TBL3)の説明図である。
【図31】先発放送を優先的に放送する実施形態の説明図である。
【図32】受信対象加入者重複時の先発放送優先制御のフロー図である。
【図33】後発放送を放送する実施形態の説明図である。
【図34】受信対象加入者重複時の後発放送優先制御フロー図である。
【図35】受信対象加入者重複時、後発放送を録音再生して放送するフロー図である。
【符号の説明】
1−10 加入者端末装置
1−11 アナログ電話機
1−12 放送用スピーカ
1−20 ゲートキーパGK
1−30 マルチキャストサーバMS
1−40 IPネットワーク(LAN)
Claims (12)
- IPネットワークに接続される加入者端末装置において、
マルチキャストIPアドレスを有する受信パケットの中から、放送用電話番号に対応し、自装置に予め格納されたマルチキャストIPアドレスを有する音声パケットの受信を判別する手段と、
前記マルチキャストIPアドレスを有する音声パケットの受信を判別したときに、スピーカをオンにし、受信した前記音声パケットの音声を該スピーカより放音する手段と、
を備えたことを特徴とする加入者端末装置。 - 放音する前記音声パケットに含まれる放送用電話番号及び音声データを格納する音声データ蓄積手段を有することを特徴とする請求項1に記載の加入者端末装置。
- 接続されるアナログ電話機から、蓄積された放送音声データの再生用電話番号を受信すると、対応する放送音声蓄積データを読み出し再生してスピーカから放音することを特徴とする請求項2に記載の加入者端末装置。
- 前記マルチキャストIPアドレスを有する音声パケットの受信終了後、スピーカをオフにするとともに、前記音声パケットの音声データを前記音声データ蓄積部に蓄積したか否かによって、録音放送の有無を可視又は可聴表示する手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の加入者端末装置。
- 複数の前記マルチキャストIPアドレスに対して優先順位を付けたマルチキャストIPアドレス格納テーブルを設け、受信する複数のマルチキャストIPアドレスの中から、優先順位に応じて放音するマルチキャストの音声パケットを選択する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の加入者端末装置。
- 優先順位が低く選択されなかったマルチキャストの音声パケットを格納する音声データ蓄積手段と、格納された前記音声パケットを再生して放音する手段と、を備えたことを特徴とする請求項5に記載の加入者端末装置。
- マルチキャストIPアドレスを有する音声パケットの受信中に、該音声パケットの送信元であるマルチキャストサーバへ、受信中である旨を示すメッセージを返信することを特徴とする請求項1に記載の加入者端末装置。
- マルチキャストパケット受信状態の問い合わせパケットをマルチキャストサーバより受信した場合に、マルチキャストパケット受信中である旨を示すメッセージを返信する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の加入者端末装置。
- 前記マルチキャストIPアドレスを格納するマルチキャストIPアドレス格納テーブルを設け、マルチキャストサーバからの自装置のIPアドレス宛へ送られてくるマルチキャストIPアドレス格納テーブルによって、該テーブルを更新することを特徴とする請求項1に記載の加入者端末装置。
- 自装置に接続された電話機から放送用電話番号がダイヤル送出されて送話中であるときに、IPネットワークから配信される該放送用電話番号に対応した前記マルチキャストIPアドレスを有する音声パケットの受信処理を中止する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の加入者端末装置。
- 前記マルチキャストIPアドレスを有する音声パケットを受信する前に、発信者の放送者識別情報を受信し、該放送者識別情報を表示する手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の加入者端末装置。
- IPネットワークに接続される加入者端末装置へ音声パケットを配信するマルチキャストによる放送方法であって、
放送用電話番号に対応したマルチキャストIPアドレス宛てに音声パケットをマルチキャストサーバから送信するステップと、
加入者端末装置においてマルチキャストIPアドレスを有する受信パケットの中から、自装置に予め格納され、放送用電話番号に対応したマルチキャストIPアドレスを有する音声パケットの受信を判別するステップと、
該マルチキャストIPアドレスを有する音声パケットの受信を判別したときに、スピー カをオンにし、受信した前記音声パケットの音声を該スピーカより放音するステップと、
から成ることを特徴とするマルチキャストによる放送方法。
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