JP3756848B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大腸などに挿入するときの挿入性を向上した内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、屈曲した体腔内等に軟性の挿入部を挿入して、直接目視できない部位を観察することができる内視鏡は医療分野等で広く用いられるようになった。
【0003】
特に、下部消化管内視鏡では、観察対象部位である大腸は複雑な形状をしているため、挿入が困難であり、より挿入し易い挿入性の良いものが望まれる。
【0004】
このため、従来例として例えば特開平3ー43802号公報では軟性を有する挿入部内に伸縮により可撓性が変化する特性を有する細長のコイル及びワイヤからなる硬度可変部材(或いは硬度調整部材)を設けた内視鏡を開示し、大腸に挿入し易い挿入性を実現している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例は細長のコイルとワイヤからなる硬度可変部材を硬くした場合、挿入部の曲げに対して、硬くなったコイルが他の内蔵物を圧迫し、損傷させる恐れがある。
【0006】
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、硬度可変部材(硬度調整部材)が硬くなった状態で挿入部を曲げても、他の内蔵物を損傷させることがない内視鏡を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡は、軟性部を有する挿入部と、操作部とを有する内視鏡において、前記挿入部内に一端が固定され、前記軟性部の曲げに応じて当該軟性部に対して長軸方向の相対的な位置が変化する硬質部材と、前記硬質部材の他端に当該硬質部材と一体的に形成され、前記操作部内において長軸方向に摺動可能に配設された摺動部材と、前記摺動部材の前記操作部内における長軸方向の摺動を許可あるいは規制する硬質部材位置規定手段と、を具備したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は第1の実施の形態の内視鏡の断面構造を示し、図2は他の内蔵物と結束されたコイルを示し、図3は図1のA−A線断面における硬度調整部材の配置位置を示し、図4は大腸に挿入した使用例を示す。
【0009】
図1に示すように第1の実施の形態の内視鏡1は体腔内等に挿入される細長の挿入部2と、この挿入部2の後端に形成された操作部3と、この操作部3から延出されたユニバーサルコード4とから構成される。
【0010】
この挿入部2は先端側から硬質の先端部5、この先端部5の後端に形成され、湾曲自在の湾曲部6、この湾曲部6の後端に形成され、軟性で長尺の軟性部7とが順次連結して構成され、軟性部7の基端(後端)は操作部3に連結されている。
【0011】
挿入部2内には照明光を伝送するライトガイドファイバ8が挿通され、このライトガイドファイバ8は操作部3から延出されたユニバーサルコード4内を挿通され、ユニバーサルコード4の末端に設けたコネクタ9にパイプ部材10に固定されてライトガイド口金11が形成されている。そして、このライトガイド口金11を図示しない光源装置に接続することにより、光源装置内のランプから照明光が供給され、この照明光を伝送し、先端部5を構成する先端硬質部材12に設けられた図示しない照明窓に固定された先端面から照明光を出射し、患部などの被写体を照明する。
【0012】
照明された被写体は照明窓に隣接して形成された撮像窓としての撮像用孔13に取り付けられた対物レンズ14によりその結像位置に被写体像を結ぶ。この結像位置にはCCD等の固体撮像素子15が配置され、結像された光学像を光電変換する。
【0013】
この固体撮像素子15は信号ケーブル16を介してコネクタ9に設けられた電気コネクタ17に接続され、この電気コネクタ17を図示しないケーブルを介してビデオプロセッサに接続することにより、光電変換された撮像信号がビデオプロセッサ側に伝送され、信号処理されて映像信号に変換され、図示しないモニタ入力され、モニタ画面に被写体像を表示することができるようになっている。
【0014】
先端硬質部材12には湾曲部6を構成する最先端の湾曲駒18aが固定され、この湾曲駒18aはその後端の湾曲駒18bに回動自在に連結され、この湾曲駒18bはさらに次の湾曲駒18cに回動自在に連結されるという具合にして複数の湾曲駒18a,18b,…,18nが回動自在に連結されて湾曲部6が形成され、最後端の湾曲駒18nは軟性部7の境界部分に配置した接続管19に固着されている。
【0015】
これら湾曲駒18a,18b,…,18n内には図示しない湾曲操作用ワイヤが挿通され、各湾曲操作用ワイヤの先端は最先端の湾曲駒18aに固着され、各湾曲操作用ワイヤの後端は操作部3内の図示しないプーリなどの回転部材に連結され、この回転部材の軸に連結された湾曲操作ノブを回動させることにより、湾曲操作用ワイヤを牽引、弛緩させて湾曲駒18a,18b,…,18nを、上(UP)、下(DOWN)、左(LEFT)、右(RIGHT)の任意の方向に湾曲させることができる湾曲機構を形成している。
【0016】
これら湾曲駒18a,18b,…,18nはゴムチューブ等の外皮チューブ20で被覆され、この外皮チューブ20の先端は先端硬質部材12に固着され、後端は接続管19に固着されている。
【0017】
また、挿入部2内には処置具チャンネル21が軟性のチャンネルチューブ22で形成され、このチャンネルチューブ22の先端は先端硬質部材12のチャンネル孔23に固着されたパイプ材に固定され、このチャンネルチューブ22の後端は操作部3の先端付近で屈曲されて処置具挿入口24に固着されている。この処置具挿入口24は処置具が使用されない場合には処置具栓25で閉塞されている。
【0018】
また、軟性部7を形成する軟性管27は内側から螺旋管28、網状管29、外皮30の多層管構造になっている。軟性管27の後端は手元接続管31によって操作部3のケーシング32に連結されている。
【0019】
このように軟性部7内の内蔵物としてはライトガイド8、信号ケーブル16、チャンネルチューブ23等が挿通されているが、この他にも省略した内蔵物がある。
【0020】
また、本実施の形態では軟性管27の硬度を調整する硬度調整手段が以下のように設けてある。
軟性管27内及び操作部3内には密巻き状態のパイプ形状のコイル34がその長手方向に配置され、このコイル34の先端は接続管19の内壁面における一部(湾曲部6をLEFT側に湾曲させた場合におけるLEFT側の部分)で例えばろう35で強固に固着され、螺旋管28の内壁に沿って挿通されたコイル34はさらに手元接続管31の内壁にろう35で固着されて操作部3後方側に延出されている。そして、このコイル34が他の内蔵物にからみつく等の配置の乱れが生じないようになっている。
【0021】
この場合、コイル34は長手方向に力を加えない状態で、十分な軟性或いは可撓性を有する状態でコイル34の先端及び後端側は固着されている。
【0022】
このコイル34内には硬度を調整するためのワイヤ36が挿通され、このワイヤ36の先端はコイル34の先端と同様にろう35で接続管19に固着され、このワイヤ36の後端はコイル34の後端から後方側に延出されて操作棒37に固着されている。この操作棒37は操作部3の一部において露出し、矢印で示すようにワイヤ36の軸方向に移動操作することができる機構を形成している。
【0023】
そして、このワイヤ36を牽引しない状態では、コイル34は最も可撓性を有する状態であり、操作棒37を牽引してワイヤ36を引っ張ると、コイル34に圧縮力が加えられて、屈曲することが抑えられる状態、つまり硬度が高くなる状態に調整できるようにしている。なお、軟性管27も引っ張られないように、コイル34は、軟性管27内で多少蛇行させて設置している。 また、図2に示すようにコイル34は、軟性管27内に内蔵された他の内蔵物(図2の具体例ではチャンネルチューブ22)と結束部材38で結束しても良い。
【0024】
この結束、或いは束ね方は、図2のように部分、部分でなく、コイル34とチャンネルチューブ22を薄肉チューブなどで覆ってしまえばさらに結束を強められるだろうし、又、チャンネルチューブ22をマルチルーメンチューブにして、その一つのルーメンにコイル34を通せば、結束部材38を不用にできる(部品を減らせる)。
また、図3は硬度調整部材(硬質化部材)の配置例を示している。本実施の形態では図3(A)に示すようにLEFT側の軟性管内壁(以下、単に内壁とも記す)27Aにコイル34とワイヤ36とを配置していることが特徴となっている。従って、図1の断面図は紙面内の上側がLEFT側である。
【0025】
なお、本実施の形態との比較のために図3(B)ではDOWN側に内壁27Aに密着しないでコイル34とワイヤ36とを配置した比較例(従来例に相当)を示している。
【0026】
本実施の形態では硬度調整部材を硬くして挿入作業を行う場合における湾曲部6を湾曲する場合に、頻繁に使用されるUP,DOWN方向と直交するRIGHT,LEFT方向(具体的にはLEFT方向)の内壁に近接させて硬度調整部材を配置し、UP,DOWN方向に湾曲させて硬度を硬くするなどしても、硬度調整部材の動き量を小さくして内蔵物を損傷させないようにしていることが特徴となっている。
【0027】
次に本実施の形態の作用を図4を参照して説明する。
図4は挿入部2を大腸内に挿入する様子を示す。この大腸は肛門41から直腸42、S状結腸43、脾湾曲(左結腸曲)45、横行結腸46、右結腸曲47、上行結腸48等を経て盲腸49につづく。
【0028】
この大腸へ挿入部2を挿入する場合、図4(A)に示すように、まず、軟性部7がとても軟らかい状態で、S状結腸43に沿わせて挿入する。そして、先端部5がS状結腸43を超えて脾湾曲45近傍にきたら、軟性部7を引くようにして軟性部7を略直線化し、この直線化状態を保つために、操作棒37を牽引する操作を行い、してワイヤ36を牽引して軟性部7を硬くする。この状態を図4(B)に示す。
【0029】
このように軟性部7を硬くした状態では軟性部7は大きな半径では曲がるが、小さな半径ではたわまなくなるので、その状態で挿入部2を繰り出してさらに深部側に挿入し、挿入部2の先端側を図4(C)のように、盲腸49まで、容易に(手元側の押す力を先端側に良好に伝えながら)挿入することができる。
【0030】
さて、このように曲がりくねった大腸に挿入部2を挿入する場合、湾曲部6は、たいていUP−DOWN方向の湾曲(特にUP方向)を使いながら進めていく。UP方向とはモニタ画面の上方向のことである。
【0031】
その方向が頻度が多く曲げられる方向である。LEFT−RIGHT方向の湾曲は、明らかに使用頻度が少ない。従って、軟性部7も、UP−DOWN方向に曲がる場合が多い。そこで、図3のレイアウトについてさらに説明する。軟性部7の軸に垂直の断面を、UP,DOWN,LEFT,RIGHTの4等分に分割した領域によって説明する。
【0032】
図4(B)の比較例のように、コイル34(及びワイヤ36)を、UP又はDOWN領域に配置すると、軟性部7は、UP−DOWN方向に曲げられることが多いので、コイル34は、図4(B)の矢印のように断面内を上下に大きく動きうる。その為、例えば、ライトガイドファイバ8がコイル34と軟性管内壁27Aとの間に挟まれ易い。
【0033】
コイル34を硬くした場合、コイル34はかなり強い力でライトガイドファイバ8を圧迫することになり、ライトガイドファイバ8のファイバを折ってしまう恐れがある。これに対し、図4(A)に示す本実施の形態のように、コイル34をLEFT又はRIGHT領域の内壁27Aに沿った(近接した)位置に設ければ、上下方向の曲げに対し、コイル34は、矢印のように細かく内壁27Aに沿って動くので、他の内蔵物を内壁27Aに沿って押すことはあっても、コイル34と内壁27Aの間に挟んで圧迫することはなくなってくる。従って、ライトガイドファイバ8などの内蔵物を保護することができる。
【0034】
このようにコイル34はLEFT又はRIGHT領域で内壁27Aに近接したところに配置するのがよい。厳密に言えば、コイル34の中心が、図4(A)のLEFT又はRIGHTの境界線より、LEFT又はRIGHT領域に入っていることである。
【0035】
LEFT,RIGHT領域は角度でいうならば、UPの中心の方向は0°とすると、45°〜135°がRIGHT領域、225°から315°がLEFT領域である。
【0036】
上述したレイアウトは、コイル34とワイヤ36からなる硬度調整手段だけでなく、他の手段の場合も細長の部材であればあてはまる。例えば、細長の樹脂で熱で軟化又は、硬化するものであってもいいし、細長の形状記憶合金で熱で硬く直線化するように記憶されているものでもよい。
【0037】
なお、図2のようにコイル34を他の内蔵物と束ねると、コイル34が内壁27A内で動きにくくなる(束ねた分、断面サイズが大きくなる)ので、コイル34を硬くした時でも、ライトガイドファイバ8等の他の内蔵物を保護しやすくなる。内蔵物は通常チャンンルチューブ22が最も大きいので、チャンンルチューブ22とコイル34を束ねるのが、最も大きな効果を出しやすい。
【0038】
なお、硬度調整部材の先端は、湾曲部6の湾曲可能な部位よりは手元側である。それは、湾曲をかけて小さな半径で曲げた時、湾曲可能部位にあると、硬くなった硬度調整部材が他の内蔵物を損傷しやすいからである。
このように本実施の形態によれば、コイル34を硬くして挿入している時でも、他の内蔵物が損傷しないようにできる。
【0039】
なお、第1の実施の形態では内視鏡1として撮像手段を内蔵した電子内視鏡の場合で説明したが、対物レンズ14の光学像を伝送するイメージガイドファイバを用いたファイバースコープによる光学式内視鏡の場合にも適用できる。この場合にはUP,DOWN方向は観察視野のUP,DOWN方向であり、その他の方向も同様である。
【0040】
なお、本実施の形態の特徴を述べると、その表現は以下のようになる。硬度調整部材を湾曲部6を湾曲させる際の最も頻繁に湾曲される湾曲方向にほぼ垂直な方向で、かつ軟性管27の内壁に近接して硬度調整部材を配置したものでも良い。さらに限定を加えると、硬度調整部材の硬度を硬くする場合において、湾曲部6が湾曲される場合に最も頻繁に使用される湾曲方向にほぼ垂直な方向で、かつ軟性管27の内壁に近接して硬度調整部材を配置したものでも良い。
【0041】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。図5に示す第2の実施の形態の内視鏡51は軟性部7内に硬質線材52を設けたものである。
【0042】
図5に示すように、軟性部7に設けた硬質部材52の先端は軟性部7の先端付近で固着され、後端は操作部3内のラック部材54に固着されている。操作部3には操作ノブ55がその頂部の摘み部分が外部に露出するようにして設けられ、その軸部は操作部3内部のラック部材54と係合可能にしている。
【0043】
上記硬質部材52は弾発性が高く、それがあると、ない場合よりも軟性部7を1.2倍以上硬くできる。図6は軟性部7の位置で、その軸に垂直な断面を示す。
【0044】
螺旋管28の一部は内側に凸となるように変形させて、その外側に硬質部材52の断面より少し大きい断面を有する凹部53が形成され、硬質部材52は凹部53と網状管29の間の空間に収納されている。この硬質部材52はパイプ状でも棒状でもよい。又、硬質部材52は金属でも樹脂でもいいが、金属の方が細径で必要な剛性を持たせられるので望ましい。さらに超弾性合金であれば、塑性変形しにくいので良い。なお、図6では上側がRIGHT、或いはLEFTとしているが、UP或いはDOWN方向、或いは他の方向であっても良い。
【0045】
又、硬質部材52は、場合によっては、網状管29と外皮30の間にあってもいいし、螺旋管28の内側に螺旋管28から離反しないように設けられていてもいい。要するに、軟性部7を曲げても、硬質部材52が図6の断面内で極力移動できないようになっている。
【0046】
さらに、このような硬質部材52が1本だけでなく、複数であっても良く、例えば2本を90°ずらした位置に設けるなどしてもよい。硬質部材52は、先端側の一部が螺旋管28か網状管29に固定されているが、手元側は操作部3内で前後方向に移動可能になっている。
【0047】
図7は、手元側の操作ノブ55近傍の構造を示す。
図7に示すように操作ノブ55は、その軸部に形成した雄ネジ部56が設けられ、操作部3のケーシング32の雌ネジ部に螺合し、ケーシング32の内側に突出する凸部57はラック部材54の上側の凹凸部における凹部に嵌まることにより係合状態となり、ラック部材54は前後方向の移動が規制される。
【0048】
この係合状態で、操作ノブ55を回転させて、凸部57を上に移動させて係合を解消することにより、ラック部材54は前後方向に矢印で示すようにスライド移動が可能な状態にできる。この操作ノブ55の軸部とケーシング32の雌ネジ部に隣接する内壁間にはOリング58が環装され、操作部3と操作ノブ55とで水密を保つ構造にしている。
【0049】
ラック部材54の後端(紙面で右端)の移動可能範囲は、仕切り板59によって、信号ケーブル16,ライトガイドファイバ8や他の内蔵物と仕切られている。
【0050】
硬質部材52の後端を固定する方法は、図7に示すようなものでなくとも、例えば、硬質部材52の一部を直接、ビスの一端(端面は平ら)で仕切り板59と挟むようにして固定しても良いし、他の固定手段でも良い。
【0051】
操作ノブ55は図示してない湾曲操作ノブの近傍に設けて、操作部3を把持する手の指で操作できるようにしても良い。そうすれば、軟性部7を持つ手を離さずに操作部3を持つ手で容易に操作できる。
【0052】
次に本実施の形態の作用を説明する。
硬質部材52の先端側の一部を軟性部7の一部に固定している場合、軟性部7を曲げると、硬質部材52の手元側は軟性部7の手元側に対して、前後に移動する。軟性部7が略ストレート状のときに操作ノブ55を凸部57が内側に突出するように操作してラック部材54を移動不能に固定すると、軟性部7の曲げに対して硬質部材52がつっぱるので、軟性部7が曲げに対して硬くなる。この作用によって、操作ノブ55の操作によって軟性部7の硬度を調整できる。
【0053】
大腸への挿入法は上記第1の実施の形態で説明したものと同じであり、その説明を省略する。
【0054】
このように本実施の形態によれば、小さな操作ノブ55で、軽い力量で容易に硬度調整できる。
また、第1の実施の形態のような、コイル34は必要とせず、構造もよりシンプルでコストを低減できる。
【0055】
硬質部材52が図6の断面内でUP又はDOWN方向に配置されていると、UPとDOWN方向の硬度の差を大きく調整できる。UP又はDOWN方向に一つ、LEFT又はRIGHT方向に一つ配置すれば、全方向の硬度の差を大きく調整できる。
【0056】
硬質部材52は軟性部7を構成する管体(螺旋28や網状管29や外皮30)と離反しないように軟性部7に設けられているので、軟性部7を曲げても硬質部材52が他の内蔵物を圧迫して損傷させることがない。
【0057】
又、仕切り板59が硬質部材52の移動端(つまりラック部材54)と他の内蔵物を仕切っているので、移動端が移動した時に他の内蔵物を引掛けて損傷させることがない。
【0058】
硬質部材52は軟性部7の全長にわたって設けられていなくても、例えば軟性部7の途中から手元側だけを硬度調整できるようにしたければ、軟性部7の途中(例えば先端から30cm〜50cmのあたり)に硬質部材52の先端を固定しても良い。
【0059】
本実施の形態は以下の効果を有する。
硬度調整が簡単に低コストで実現できる。
硬質部材52が軟性部7の管体と離反不能に設けていることで、内蔵物を保護できる。
硬質部材52の手元側の移動端が仕切り板59で仕切られることで内蔵物を損傷しない。
【0060】
(第3の実施の形態)
図8(A)は第3の実施の形態における軟性部7の断面を示す。
この図8(A)のように、硬質線材61を螺旋管28内の断面内で移動可能に設ける場合、硬質線材61を弾性部材62で覆う。
【0061】
すると、図8(B)のように、硬質線材61が他の内蔵物63を圧迫しようとした時、弾性部材62がクッションの役割をはたし、内蔵物63を損傷しにくくできる。硬質線材61は第1の実施の形態のコイル34を硬くした時もあてはまるし、第2の実施の形態における硬質部材52もあてはまる。
【0062】
又、このような硬質線材61も第1の実施の形態のように、LEFT又はRIGHT側に配置したり、他の内蔵物と束ねたりすれば、他の内蔵物を、さらに損傷しないようにできる。
【0063】
[付記]
1.軟性管及びその中の複数の内蔵物とからなる軟性部と、軟性部の先端側に湾曲操作可能な湾曲部とを有する挿入部と、前記内蔵物の一つで軟性管の硬度を調整可能な細長の硬度調整部材とを有する内視鏡において、
前記硬度調整部材を軟性管の軸と垂直な断面内において、前記湾曲部の左右湾曲方向と同じ左右側の軟性管内壁に近接させて配置したことを特徴とする内視鏡。
【0064】
(付記1〜5′における課題)上記従来例は細長のコイルとワイヤからなる硬度可変部材を硬くした場合、挿入部の曲げに対して、硬くなったコイルが他の内蔵物を圧迫し、損傷させる恐れがある。
(付記1〜5′の効果)硬度調整部材が硬くなった状態で挿入部を曲げても他の内蔵物を損傷させない。
【0065】
2.左右側とは、断面の真上方向0°としたときに、45°〜135°又は、225°〜315°の領域に硬度調整部材の中心が位置する付記1記載の内視鏡。
3.硬度調整部材は、コイルと、その中に通したワイヤとからなる付記1記載の内視鏡。
【0066】
4.硬度調整部材の先端を、挿入部の一部に固定した付記1記載の内視鏡。
5.硬度調整部材の先端は、湾曲部の湾曲可能な部位よりも手元側にある付記1記載の内視鏡。
【0067】
5′.軟性管及びその中の複数の内蔵物とからなる軟性部と、軟性部の先端側に湾曲操作可能な湾曲部とを有する挿入部と、前記内蔵物の一つで軟性管の硬度を調整可能な細長の硬度調整部材とを有する内視鏡において、
前記硬度調整部材を軟性管の軸と垂直な断面内において、前記湾曲部の湾曲の頻度が最も大きい方向とほぼ垂直な方向における軟性管内壁に近接させて配置したことを特徴とする内視鏡。
【0068】
6.軟性部を有する挿入部と、操作部とからなる内視鏡において、挿入部内に先端を挿入部の一部に固定し、手元端を操作部内で移動可能にした細長の硬質部材を設け、操作部の一部に、前記硬質部材の移動端を固定・解除する手段を設けたことを特徴とする内視鏡。
【0069】
(付記6〜10の先行技術)付記1〜5′の場合と同様。
(付記6〜10における課題)コイルとワイヤからなり、ワイヤをけん引してコイルに圧縮力をかける操作機構は複雑な構造コストが高くなる。又、コイルを圧縮する力量も重い。
【0070】
(付記6〜10の目的)簡単な構造で(低コスト)かつ容易な操作で可撓性が調整できるようにすること。
(付記6〜10の作用)細長の硬質化部材の先端を軟性部の先端側の一部に固定し、後端を移動可能にすると共に、それを固定・解除する操作機構を操作部に設けたことで、コイルやそれを強く圧縮する機構がいらなくなる。
(付記6〜10の効果)低コスト構造で、かつ容易に硬度を調整できる。
【0071】
7.硬質部材は複数ある付記6記載の内視鏡。
8.複数の硬質部材は、挿入部の軸に垂直な断面内で互いに90°前後の異る方向に配置した付記7記載の内視鏡。
9.固定・解除する手段を湾曲操作部の近傍に設けた付記6記載の内視鏡。
10.硬質部材の先端は、軟性部の途中に固定した付記6記載の内視鏡。
【0072】
11.管体とその中の内蔵物とからなる軟性部を有する内視鏡において、細長の硬質部材を軟性部の軸に垂直な断面において管体から離反不能に設けたことを特徴とする内視鏡。
【0073】
(付記11〜14の先行技術)特開平6ー105796号公報では軟性部(可撓管部)内に少なくとも一端が移動可能な金属製のパイプを設けて、軟性部の弾発性を向上した内視鏡を開示している。
【0074】
(付記11〜14における課題)パイプ材の先端と後端は軟性管内で周方向の位置が決められているが、途中部分では軟性管に拘束されていないので、挿入部を曲げると、硬質のパイプ材が他の内蔵物を圧迫し、損傷させる恐れがある。
【0075】
(付記11〜14の目的)硬質パイプを有する軟性管を曲げても、他の内蔵物を損傷させることがない内視鏡を提供すること。
(付記11〜14の作用)硬質パイプの途中部分も軟性管に抑束することで、軟性管の曲げで他の内蔵物を圧迫することがない。
【0076】
(付記11〜14の効果)硬質線材を有する軟性管を曲げても、他の内蔵物を損傷させることがない。
12.管体は複数の層からなり、最も外側以外の層に凹部を設け、その凹部の中に硬質部材を配置した付記11記載の内視鏡。
【0077】
13.硬質部材は、軟性部の長手方向において、一部にのみ設けた付記11記載の内視鏡。
14.硬質部材は、超弾性合金からなる付記11記載の内視鏡。
【0078】
15.軟性部内に細長の硬質化部材を設けた内視鏡において、前記硬質化部材を他の内蔵物と束ねたことを特徴とする内視鏡。
(付記15〜18の先行技術)付記1〜5′の場合と同様。
(付記15〜18における課題)付記1〜5′の場合と同様。
(付記15〜18の目的)硬度調整部材が硬くなった状態で挿入部を曲げても、他の内蔵物を損傷させることがない内視鏡を提供すること。
【0079】
(付記15〜18の作用)硬質化部材と他の内蔵物を束ねることで、軟性管内で硬質化部材が動きにくくし、他の内蔵物を圧迫しにくくする。
(付記15〜18の効果)低コスト構造で、かつ容易に硬度を調整できる。
16.他の内蔵物は処置具チャンネルである付記15記載の内視鏡。
【0080】
17.他の内蔵物をマルチルーメンチューブにして、その内の1つのルーメンに硬質化部材を挿通した付記15記載の内視鏡。
18.硬質化部材と他の内蔵物とを別体の薄肉チューブで覆った付記15記載の内視鏡。
【0081】
19.挿入部内に、一端を固定し他端を移動可能にした細長の硬質部材を設けた内視鏡において、
前記移動端の移動範囲において、他の内蔵物と仕切る、移動しない仕切り部材を設けたことを特徴とする内視鏡。
【0082】
(付記19の先行技術)付記11〜14の場合と同じ。
(付記19における課題)パイプ材の一端は移動自在だが、この移動する端部がむき出しで、他の内蔵物と同じスペース内にあると、その端部が移動した時に他の内蔵物をひっかけて損傷させる恐れがある。
【0083】
(付記19の目的)硬質パイプの一端が移動しても、他の内蔵物を損傷させない内視鏡を提供すること。
(付記19の作用)硬質パイプの移動端を他の内蔵物から仕切ることで、他の内蔵物を損傷しない。
(付記19の効果)硬質線材の一端が移動しても、他の内蔵物を損傷させない。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、挿入部を上下方向に曲げる等しても、内蔵物を圧迫することが少なく損傷させることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の内視鏡の構造を示す断面図。
【図2】他の内蔵物と結束されたコイルを示す拡大図。
【図3】図1のA−A線断面における硬度調整部材の配置位置を比較例と共に示す図。
【図4】大腸に挿入して本実施の形態の作用を説明する説明図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の内視鏡を示す側面図。
【図6】図6の軟性部での断面構造を示す断面図。
【図7】操作ノブ付近の構造を示す断面図。
【図8】本発明の第3の実施の形態における軟性部での断面構造等を示す図。
【符号の説明】
1…内視鏡
2…挿入部
3…操作部
5…先端部
6…湾曲部
7…軟性部
8…ライトガイドファイバ
15…固体撮像素子
18a,18b,…,18n…湾曲駒
19…接続管
22…チャンネルチューブ
27…軟性管
27A…軟性管内壁
28…螺旋管
29…網状管
30…外皮
31…手元接続管
34…コイル
36…ワイヤ
37…操作棒
38…結束部材
Claims (5)
- 軟性部を有する挿入部と、操作部とを有する内視鏡において、
前記挿入部内に一端が固定され、前記軟性部の曲げに応じて当該軟性部に対して長軸方向の相対的な位置が変化する硬質部材と、
前記硬質部材の他端に当該硬質部材と一体的に形成され、前記操作部内において長軸方向に摺動可能に配設された摺動部材と、
前記摺動部材の前記操作部内における長軸方向の摺動を許可あるいは規制する硬質部材位置規定手段と、
を具備したことを特徴とする内視鏡。 - 前記硬質部材は、前記挿入部内に複数設けられたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記複数の硬質部材は、前記挿入部の軸に垂直な断面内において互いに90度前後の異なる方向に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
- 前記硬質部材位置規定手段は、前記操作部の湾曲操作部の近傍に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記硬質部材の前記一端は、前記軟性部内の所定箇所に固定されたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
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