JP3756844B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

スイッチング電源装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3756844B2
JP3756844B2 JP2002138845A JP2002138845A JP3756844B2 JP 3756844 B2 JP3756844 B2 JP 3756844B2 JP 2002138845 A JP2002138845 A JP 2002138845A JP 2002138845 A JP2002138845 A JP 2002138845A JP 3756844 B2 JP3756844 B2 JP 3756844B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switching element
power supply
voltage
fet
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002138845A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003333846A (ja
Inventor
一宏 堀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cosel Co Ltd
Original Assignee
Cosel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cosel Co Ltd filed Critical Cosel Co Ltd
Priority to JP2002138845A priority Critical patent/JP3756844B2/ja
Publication of JP2003333846A publication Critical patent/JP2003333846A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3756844B2 publication Critical patent/JP3756844B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rectifiers (AREA)
  • Dc-Dc Converters (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、直流電圧を所望の電圧に変換し、電子機器に供給するスイッチング電源装置であって同期整流方式のスイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器は、高機能と低消費電力の両立が求められ、高機能の電子機器は、ほとんどがCPUやDSPと言った集積回路を搭載し、集積回路の内部で様々な演算処理を行っている。この高機能を実現するため、集積回路は高速で演算処理を行っており、高速の演算処理により集積回路内部における消費電力は増加する傾向にあり、集積回路内部の消費電力が増加すると、その発熱量が増加し放熱が問題となる。しかしも、集積回路は小型であるため、発生した熱を全て取り除くには限界がある。従って、集積回路自身の消費電力を低減し、発生する熱量を低減することが求められている。従来、その方法として、集積回路の動作電圧を低電圧化する方法が用いられている。
【0003】
集積回路の動作電圧の低電圧化に伴って、スイッチング電源装置の出力電圧にも低電圧が要求されている。また電子機器全体の低消費電力化のために、スイッチング電源装置の効率向上も併せて要求されている。
【0004】
そこで、スイッチング電源装置の出力電圧の低電圧化と高効率化を両立させる手段として、整流回路にMOS-FET等の素子を用いた同期整流回路が近年のスイッチング電源装置に広く用いられるようになった。
【0005】
この同期整流回路を備えたスイッチング電源装置には、フォワード、フライバック、ブリッジ、チョッパ等の様々な回路方式があるが、これらの回路方式にかかわらず、以下に述べるように、同期整流回路を備えたスイッチング電源装置に共通した問題がある。
【0006】
ここでは、同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置を例に回路動作を説明し、その問題点を述べる。
【0007】
先ず、同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置の構成を図6に示す。図6の回路では、入力電力をスイッチングするスイッチング素子及び同期整流を行う素子の全てにn-チャネル型MOS-FETを用いた場合を例に挙げている。この同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置は、入力電源10のプラス端子に、トランスT0の1次巻線11のドットを付した側の端子が接続され、トランスT0の1次巻線11のドットの無い側の端子に、スイッチング素子INV-FETのドレインが接続され、スイッチング素子INV-FETのソースには、入力電源10のマイナス端子が接続されている。
【0008】
トランスT0の2次巻線12のドットを付した側の端子には、フォワード側同期整流素子Fw-FETのゲート、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのドレインおよび出力チョークコイルLoの一端が接続され、出力チョークコイルLoの他端には、出力コンデンサCoの一端が接続されている。出力コンデンサCoの他端には、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのソースおよびフォワード側同期整流素子Fw-FETのソースが接続され、フォワード側同期整流素子Fw-FETのドレインは、トランスT0の2次巻線12のドットの無い側の端子が接続されている。出力コンデンサCoには、並列に負荷16が接続されている。
【0009】
スイッチング素子INV-FETのゲートには、スイッチング素子制御回路18が接続され、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのゲートには、同期整流素子制御回路20が接続されている。
【0010】
図6に示す同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置の動作は、スイッチング素子INV-FETがオンする(スイッチング素子INV-FETのゲート・ソース間電圧(以下VGSと称す)がHigh(以下Hと称す)になる)期間に同期して、フォワード側同期整流素子Fw-FETがオンし(フォワード側同期整流素子Fw-FETのVGSがHになる)、スイッチング素子INV-FETがオフする(スイッチング素子INV-FETのVGSがLow(以下Lと称す)になる)タイミングに同期して、フライホイール側同期整流素子Fr-FETがオンする(フライホイール側同期整流素子Fr-FETのVGSがHになる)。この動作を繰り返すように、同期整流素子制御回路20が、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのゲート電圧を制御することで同期整流を実現している。
【0011】
また、出力電圧が所定の電圧Voとなるように、スイッチング素子制御回路18によって、スイッチング素子INV-FETのオン・オフ周期に対するオン期間であるDutyが制御されている。
【0012】
この同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置の各部の電流と電圧は、十分な負荷電流が流れているときは、図7に示すように動作している。即ち、スイッチング素子INV-FETのドレイン電流、フォワード側同期整流素子Fw-FETのドレイン電流、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのドレイン電流、および出力チョークコイルLoの電流の全てが正方向に流れている。この正方向の電流の向きは、スイッチング素子INV-FETではドレインからソース、フォワード側同期整流素子Fw-FET及びフライホイール側同期整流素子Fr-FETではソースからドレイン、出力チョークコイルでは、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのドレインと接続されている端子から出力コンデンサCoの一端に接続されている端子に向かう方向である。
【0013】
これに対して、図8に示すように、負荷電流が零のときの図6に示した同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置各部の波形は、スイッチング素子INV-FETのドレイン電流、フォワード側同期整流素子Fw-FETのドレイン電流、および出力チョークコイルLoの電流は、スイッチング素子INV-FETがオンした直後には、十分な負荷電流が流れているときの電流の向きと逆方向に流れ、時間が経過すると、電流が零となる点を通過し、正方向の電流が流れるようになる。また、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのドレイン電流は、スイッチング素子INV-FETがオフした直後には、正方向の電流が流れるが、時間が経過すると、電流が零となる点を通過し、逆方向の電流が流れるようになる。
【0014】
これは、同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置が、出力電圧を所定電圧Voで一定となるように動作するためである。同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置では、負荷電流が零の場合には、入力電源10、トランスT0の1次巻線11側から2次巻線12側、出力チョークコイルLoを経由して、出力コンデンサCoへ送り出された電流が、出力チョークコイルLo、トランスT0の2次巻線12側から1次巻線11側を経由して、再び、入力電源10に回生される。つまり、入力電源10から出力コンデンサCoへ送り出される電流と、出力コンデンサCoから入力電源10へ回生される電流の大きさが等しくなることで、負荷電流が零の時でも、出力コンデンサCoの電圧が上昇してしまうことが無く、負荷電流が十分大きいときと同じDutyのままで、出力電圧Voを一定に保つことができる。
【0015】
即ち、同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置では、負荷電流の大きさによらず、入力電圧Vin、トランスT0の1次巻線11と2次巻線12の巻数比と出力電圧Voの関係からDutyが決定される。
【0016】
ここで、この図6に示した同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置の出力に、図示しない外部電圧源を接続すると、外部電圧源からこのスイッチング電源装置の出力へ電流が流れ込む現象が発生し、図9に示した動作となる。これと図8とを比較すると、スイッチング素子INV-FETのドレイン電流、フォワード側同期整流素子Fw-FETのドレイン電流、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのドレイン電流、および出力チョークコイルLoの電流Iは、正方向へ流れる電流よりも逆方向へ流れる電流が大きくなっていることが分かる。これは、上記のように同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置が、出力電圧をVoで一定にするように動作するためである。
【0017】
このときの同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置では、入力電源10、トランスT0の1次巻線11側から2次巻線12側、出力チョークコイルLoを経由して、出力コンデンサCoへ送り出された電流よりも、出力チョークコイルLo、トランスT0の2次巻線12側から1次巻線11側を経由して、入力電源10に回生される電流が大きくなる動作を行う。つまり、外部電圧源から出力コンデンサCoに電流が流れ込み、出力コンデンサCoの電圧が上昇しようとするが、同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置が、出力電圧をVoに保とうとするため、出力コンデンサCoに流れ込む電流を、入力電源10に回生することで、出力コンデンサCoの電圧上昇を抑えている。
【0018】
以上の動作作用により、外部電圧源から同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置へ逆流電流が流れ込む。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示す同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置を並列運転した場合、例えば同性能の2台のスイッチング電源装置AおよびBを並列運転した場合を考える。スイッチング電源装置A及びBは、出力電流が増加すると、電源装置内部の抵抗成分等が原因で出力電圧が低下する特性を持っている。そして、逆流時(スイッチング電源装置の出力へ電流が流れ込んでいる状態)には、電源装置内部の抵抗成分等が原因で出力電圧が上昇する特性を持っている。そして、並列運転しない状態においては、構成部品等のばらつきにより電源装置Aは電源装置Bよりも出力電圧が若干高い状態だったとする。これら2台のスイッチング電源装置A,Bを並列に接続して、負荷へ電流を流さない状態にしておくと、図10に示すように、スイッチング電源装置A(出力電圧の高い方)は点aの出力状態から点a1の状態となり、電流を吐き出す(出力電流が+方向になる)ことで出力電圧が低下し、スイッチング電源装置B(出力電圧の低い方)は点bの出力状態から点b1の状態となり、電流を吸い込む(出力電流が−方向になる)ことで出力電圧が増加し、それぞれの出力電圧が等しくなる点Oの電圧が並列運転時の出力電圧となる。
【0020】
この状態では、負荷にはまったく電流が流れていないのに、スイッチング電源装置Aは電流を吐き出しており、スイッチング電源装置Bは電流を吸い込んでおり、それぞれの電源A,Bにおいて損失が発生している状態となる。つまり、負荷は、まったく電流を必要としていない場合でも各スイッチング電源装置A,Bにおいて損失が発生していると言う問題が生じる。
【0021】
そして、スイッチング電源装置Aとスイッチング電源装置Bの並列運転しない状態の出力電圧の差が大きくなるほど、スイッチング電源装置Aが吐き出す電流と、スイッチング電源装置Bが吸い込む電流が大きくなり、発生する損失が大きくなってしまう。
【0022】
さらに、3台以上の複数台のスイッチング電源装置を並列運転する場合、複数台のスイッチング電源装置から出力された電流が、1台のスイッチング電源装置に流れ込むといった状態が発生することがあり、最悪の場合、電流が流れ込んだスイッチング電源装置内部の半導体が、電流定格を超えて破壊してしまうと言った問題が生じる。
【0023】
上記の問題を解決する手段として、特開2001-169545号公報に開示されているようなスイッチング電源装置がある。この公報のスイッチング電源装置は、図12に示すような出力電流−出力電圧特性をスイッチング電源装置に持たせたものである。この特性は、逆流電流が流れた場合に、出力電流の変動分に対する出力電圧の変動分を急激に大きくなるようにしたものである。
【0024】
特開2001-169545号公報に開示されているスイッチング電源装置を、図11にブロック線図で示す。ここで、図6と同様の部材は同一符号を付して説明する。このスイッチング電源装置では、トランスT0に3次巻線13を設けこの3次巻線13の出力を、ダイオードD11,D12、チョークコイルL11およびコンデンサC11を用いて整流・平滑し、その電圧Vo’を抵抗R11,R12で分圧して、スイッチング素子制御回路18の電圧検出端子19に入力している。そして、この電圧Vo’がスイッチング素子制御回路18が定めた電圧値になるように、スイッチング素子制御回路18は、スイッチング素子INV-FETのDutyを制御する。従って、負荷に与えられる出力電圧Voは、Vo=[Vo’の電圧]×[2次巻線の巻数/3次巻線の巻数]となる。
【0025】
このスイッチング電源装置に逆流電流が流れた場合の動作は、上記公報に記載されているように、入力側に逆流電流が流れると逆流検知回路22が動作し、逆流検知回路22からの信号によりスイッチング素子制御回路18は、トランスT0の3次巻線13の出力を整流・平滑化した電圧Vo’が上昇するようにスイッチング素子制御信号のDutyを広げる。電圧Vo’が上昇すると、出力電圧Voも上昇する。これにより、このスイッチング電源装置では、図12に示した特性を得ている。
【0026】
次に、図12に示すような特性を持つスイッチング電源装置C,Dを、並列運転した場合を考える。並列運転しない状態においては、スイッチング電源装置Cはスイッチング電源装置Dよりも出力電圧が若干高い状態だったとする。これら2台のスイッチング電源装置C,Dを並列に接続して、負荷へ電流を流さない状態にしておくと、スイッチング電源装置C(出力電圧の高い方)は点cの出力状態から点c1の状態となり、電流を吐き出す(出力電流が+方向になる)ことで出力電圧が低下し、スイッチング電源装置D(出力電圧の低い方)は点dの出力状態から点d1の状態となり、電流を吸い込む(出力電流が−方向になる)ことで出力電圧が増加する。従って、スイッチング電源装置Dは、逆流時の出力電圧の変動が大きいため、図10に示すスイッチング電源AとBを並列運転した場合と比較すると、逆流電流の流れ込みが少なくなる。
【0027】
以上のように、図11に示すスイッチング電源装置では、上記制御により逆流電流の通電量を抑制することで、スイッチング電源装置が並列運転されたときに、それぞれのスイッチング電源装置の出力電圧のアンバランスによって発生する損失を抑制している。さらに、複数台の同期整流回路を備えたスイッチング電源装置が並列運転されたときに、1台のスイッチング電源装置に他の数台のスイッチング電源装置から逆流電流が流れ込み、スイッチング電源装置内部の半導体の定格を超えてしまい、半導体が破壊するといった問題も解決している。
【0028】
ところで、一般的に3次巻線の出力を整流・平滑した電圧Vo’を所定の値になるようにスイッチング素子制御信号のDutyを制御するようなスイッチング電源装置では、この電圧Vo’をスイッチング素子制御回路18の駆動電源として用いている。ところが、スイッチング素子制御回路18には、制御用ICやスイッチング素子INV-FETの駆動回路等が含まれおり、逆流電流が大きくなることにより、3次巻線13の出力を整流・平滑した電圧Vo’が上昇するような制御が行われると、逆流電流の増大とともにスイッチング素子制御回路18にかかる電圧も高くなる。従って、制御用ICに耐電圧の高いものが必要になったり、スイッチング素子INV-FETの駆動電力が増加し、回路全体の損失が増加してしまうと言った問題が生じる。
【0029】
ここでは、同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置を例に問題点を述べたが、これらの問題は、同期整流回路を備えたスイッチング電源装置であれば、フォワード、フライバック、チョッパ、ブリッジ等の方式の違いによらず同様に発生する問題である。
【0030】
この発明は、上記の従来の技術に鑑みてなされたもので、簡単な構成で小型化が可能であり、同期整流回路を備えたスイッチング電源装置を並列運転した際にも各スイッチング電源装置の出力電圧のアンバランスによって発生する損失を抑制し、装置の損傷を防ぐことができ、制御用素子に耐電圧の高いものを必要とせず、高効率なスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
この発明は、直流入力電流をオン・オフするMOS-FET等のスイッチング素子と、上記スイッチング素子に接続され上記スイッチング素子のオン・オフを制御するスイッチング素子制御回路と、上記スイッチング素子に同期して電流を流すMOS-FET等の同期整流素子と、上記同期整流素子を制御する同期整流素子制御回路と、電力の出力側から入力側へ逆流電流が流れたことを検知する逆流検知回路とを備え、上記スイッチング素子制御回路から上記同期整流素子制御回路へ伝達された信号によって上記同期整流素子をオフさせるスイッチング電源装置であって、上記スイッチング素子制御回路は、トランスの3次巻線を整流・平滑された電圧を、上記スイッチング素子制御回路によって決定される一定の電圧に し、上記スイッチング素子制御回路から上記スイッチング素子へ伝達されるスイッチング素子制御信号を遅延させる遅延回路と、上記逆流検知回路が検知した逆流電流に対応させて上記遅延回路の遅延時間を制御する遅延時間制御手段とを設け、上記スイッチング素子制御回路の出力は、上記スイッチング素子のオン・オフ周期に対するオン期間が変わることなく遅延されるとともに、上記遅延回路を経ないで上記同期整流素子制御回路に入力し、上記同期整流素子制御回路により上記同期整流素子を動作させ、同期整流素子のオフに対して、上記スイッチング素子がオンするタイミングを遅らせるようにしたスイッチング電源装置である。
【0032】
また、上記スイッチング素子制御回路の出力は、絶縁回路を介して上記同期整流素子制御回路に入力しているものである。
【0033】
上記遅延回路は、上記スイッチング素子制御回路から出力されるスイッチング素子制御信号が、上記スイッチング素子へ伝達されるまでの時間を遅延させるものである。
【0034】
この発明は、上記スイッチング素子制御回路から上記同期整流素子制御回路へ伝達された信号によって同期整流素子をオフさせる機能と、上記逆流検知回路が逆流電流を検知したときに上記遅延回路の遅延時間を増加させる機能を設けることで、フライホイール側同期整流素子のオフに対して、スイッチング素子がオンするタイミングを遅らせ、逆流電流の通電量を抑制するものである。
【0035】
これにより、逆流電流の通電に起因した損失の発生やスイッチング電源装置内部の半導体が破壊してしまうことを防ぐことができ、しかも制御用ICに耐電圧の高いものを必要とせず、スイッチング素子の駆動電力の損失を抑えたスイッチング電源装置とすることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1、図2は、この発明の一実施形態のスイッチング電源装置を示すもので、このスイッチング電源装置は、同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置を例にしたものである。このスイッチング電源装置は、図1,図2に示すように、直流入力電力をスイッチングするスイッチング素子、及び同期整流を行う各素子の全てにn-チャネル型MOS-FETを用いている。そして、トランスT0に、1次巻線11、2次巻線12、3次巻線13、4次巻線14を設け、トランスT0の1次巻線11のドットを付した側の端子には、入力電源10のプラス側の端子が接続され、トランスT0の1次巻線11のドットの無い側の端子には、スイッチング素子INV-FETのドレインが接続されている。スイッチング素子INV-FETのソースには抵抗R41の一端が接続され、抵抗R41の他端は入力電源10のマイナス側の端子に接続されている。
【0037】
トランスT0の2次巻線12のドットを付した側の端子には、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのドレインおよび出力チョークコイルLoの一端が接続され、出力チョークコイルLoの他端には、出力コンデンサCoの一端が接続され、出力コンデンサCoの他端には、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのソースおよびフォワード側同期整流素子Fw-FETのソースが接続され、フォワード側同期整流素子Fw-FETのドレインには、トランス2次巻線12のドットの無い側の端子が接続されている。そして、出力コンデンサCoには、並列に負荷16が接続される。
【0038】
図2に示すように、トランスT0の3次巻線13のドットを付した側の端子には、ダイオードD11のアノードが接続され、ダイオードD11のカソードには、ダイオードD12のカソードおよびチョークコイルL11の一端が接続されている。チョークコイルL11の他端には、コンデンサC11の一端および抵抗R11の一端が接続され、抵抗R11の他端には、抵抗R12の一端が接続されている。抵抗R12の他端には、コンデンサC11の他端、ダイオードD12のアノード、及び3次巻線13のドットの無い側の端子が接続され、接地されている。
【0039】
スイッチング素子制御回路18のスイッチング素子制御信号を出力する出力端子2には、後述する遅延回路30の入力端子31、およびトランスT1の1次巻線T11のドットを付した側の端子に接続されている。また、スイッチング素子制御回路18の電圧検出端子4は、抵抗R11の他端と抵抗R12の一端が接続された箇所に繋がれている。
【0040】
トランスT0の4次巻線14のドットを付した側の端子は、フォワード側同期整流素子Fw-FETのゲート、及び同期整流素子制御回路20の入力端子21に接続され、同期整流素子制御回路20の出力端子23は、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのゲートに接続されている。
【0041】
次に、同期整流素子制御回路20の構成について説明する。同期整流素子制御回路20は、トランスT0の4次巻線14のドットを付した側の端子に接続された入力端子21が、ダイオードD21のアノードに接続され、ダイオードD21のカソードは、コンデンサC21の一端に接続されている。同期整流素子制御回路20の入力端子21は、さらに抵抗R21の一端に接続され、抵抗R21の他端にはコンデンサC22の一端が接続され、コンデンサC22の他端はPNPトランジスタTr21のベースおよびダイオードD22のアノードに接続されている。トランジスタTr21のエミッタには、ダイオードD22のカソード、コンデンサC21の一端、及びダイオードD21のカソードが接続されている。同期整流素子制御回路20の入力端子22には抵抗R22の一端が接続され、抵抗R22の他端にはNPNトランジスタTr22のベースが接続され、トランジスタTr22のコレクタには、トランジスタTr21のコレクタが接続され、トランジスタTr22のコレクタとトランジスタTr21のコレクタが接続された箇所が、同期整流素子制御回路20の出力端子23となっている。また、同期整流素子駆動回路20の入力端子22は、トランスT1の2次巻線T12のドットを付した側の端子が接続され、トランスT1を介して、スイッチング素子制御回路18のスイッチング素子制御信号の出力端子2に接続されている。
【0042】
次に、遅延回路30の構成について説明する。この遅延回路30は、遅延回路30の入力端子31にスイッチング素子制御回路18のスイッチング素子制御信号の出力端子2が接続され、遅延回路30の入力端子32に逆流検知回路40の出力端子41が接続されている。遅延回路30の出力端子33は、スイッチング素子INV-FETのゲートに接続されている。そして、遅延回路30の入力端子31は、抵抗R31の一端が接続され、抵抗R31の他端には、コンデンサC31の一端およびコンパレータIC31の非反転入力端子が接続され、コンデンサC31の他端には、n-チャネルMOS-FETのトランジスタTr31のドレインが接続されている。コンパレータIC31の反転入力端子には、基準電圧の電圧源V31が接続され、コンパレータIC31の出力が遅延回路30の出力端子33に繋がっている。トランジスタTr31のソースは接地され、ゲートが遅延回路30の入力端子32となっている。電圧源V31の電圧は、スイッチング素子制御信号の出力端子2が、遅延回路30の入力端子31へ与える電圧よりも低いものとする。遅延回路30の出力端子33は、スイッチング素子INV-FETのゲートに接続されている。
【0043】
次に、逆流検知回路40の構成について説明する。逆流検知回路40は、スイッチング素子INV-FETと直列に接続されている抵抗R41の両端の電圧を検出することで、逆流電流が流れたことを検知する。この逆流検知回路40は、抵抗R41の一端にはコンパレータIC41の反転入力端子が接続され、抵抗R41の他端にはコンパレータIC41の非反転入力端子が接続されている。コンパレータIC41の出力には、ダイオードD41のアノードが接続され、ダイオードD41のカソードには、抵抗R42の一端が接続され、抵抗R42の他端には各々他端が接地されたコンデンサC41の一端と抵抗R43の一端が接続されている。抵抗R42の他端と抵抗R43の一端とコンデンサC41の一端が接続された箇所が、逆流検知回路の出力端子41に接続され、遅延回路30の入力端子32に接続されている。
【0044】
次にこの実施形態のスイッチング電源装置の出力電圧制御について説明する。このスイッチング電源装置では、トランスT0の3次巻線13の出力を、ダイオードD11,D12、チョークコイルL11およびコンデンサC11を用いて整流・平滑した電圧Vo’を、抵抗R11,R12で分圧した後、スイッチング素子制御回路18の電圧検出端子4に入力している。この電圧Vo’がスイッチング素子制御回路18が定めた電圧値になるように、スイッチング素子制御回路18はスイッチング素子INV-FETのDutyを制御する。従って、負荷に与えられる電圧Voは、Vo=[Vo’の電圧]×[2次巻線の巻数/3次巻線の巻数]となる。
【0045】
先ず、この実施形態のスイッチング電源装置の回路に逆流電流が流れていないときの同期整流の動作について説明する。図2の回路を組み込んだシングルフォワード方式のスイッチング電源装置において、逆流電流が流れていないときは、遅延回路30の入力端子32に逆流検知回路40からの電圧が印加されず、トランジスタTr31はオフしている。この状態で、スイッチング素子制御回路18のスイッチング素子制御信号の出力端子2の出力がHになると、スイッチング素子制御回路18の出力端子2から遅延回路30の入力端子31に電圧が印加され、抵抗R31を介してコンパレータIC31の非反転入力端子に印加される。コンパレータIC31の非反転入力端子に印加された電圧は、コンパレータIC31の反転入力端子に入力した基準電圧源V31によって印加されている電圧よりも高いので、IC31の出力端子は電圧を出力する。そして、コンパレータIC31の出力端子が電圧を出力することで、スイッチング素子INV-FETのゲートに電圧が印加され、スイッチング素子INV-FETがオンする。
【0046】
スイッチング素子INV-FETのゲートに電圧が印加されると、スイッチング素子INV-FETがオンし、入力電源10のプラス側端子→トランスT0の1次巻線11→スイッチング素子INV-FET→抵抗R41→入力電源10のマイナス側端子へ電流が流れる。このとき、トランスT0の1次巻線11のドットを付した側の端子にプラス、ドットの無い側の端子にマイナスの電圧が印加されている状態となる。
【0047】
トランスT0の1次巻線11に電流が流れると、トランスT0の4次巻線14に電圧が発生する。このとき、トランスT0の4次巻線14のドットを付した側の端子にプラス、ドットの無い側の端子にマイナスの電圧が発生している状態となる。
【0048】
そして、トランスT0の4次巻線14のドットを付した側の端子にプラスの電圧が発生すると、フォワード側同期整流素子Fw-FETのゲートに電圧が印加され、フォワード側同期整流素子Fw-FETがオンする。このとき、フライホイール側同期整流素子Fr-FETは、同期整流素子制御回路20によりオンしないように制御される。
【0049】
スイッチング素子制御回路18のスイッチング素子制御信号の出力端子2がLとなると、スイッチング素子INV-FETのゲートに印加されていた電圧が無くなる。スイッチング素子INV-FETのゲートに印加されていた電圧が無くなると、スイッチング素子INV-FETがオフする。そして、スイッチング素子INV-FETがオフすると、トランスT0の1次巻線11に電圧が印加されなくなる。トランスT0の1次巻線11に電圧が印加されなくなると、トランスT0の4次巻線14の電圧が低下する。従って、フォワード側同期整流素子Fw-FETのゲートに印加されていた電圧が無くなり、フォワード側同期整流素子Fw-FETがオフする。このとき、フライホイール側同期整流素子Fr-FETは、同期整流素子制御回路20によりオンするように制御される。
【0050】
以上、スイッチング素子INV-FETがオンしているときには、フォワード側同期整流素子Fw-FETがオンし、フライホイール側同期整流素子Fr-FETがオフしており、スイッチング素子INV-FETがオフしているときには、フォワード側同期整流素子Fw-FETがオフしており、フライホイール側同期整流素子Fr-FETがオンする動作を行う。
【0051】
次に、同期整流素子制御回路20の動作を説明する。同期整流素子制御回路20は、スイッチング素子INV-FETがオンのとき、フライホイール側同期整流素子Fr-FETをオフさせ、スイッチング素子INV-FETがオフのとき、フライホイール側同期整流素子Fr-FETをオンさせる動作を行う。
【0052】
スイッチング素子INV-FETがオンするときは、トランスT1を介して、同期整流素子駆動回路20の入力端子22がHになる。同期整流素子駆動回路20の入力端子22がHになると、抵抗R22を介してトランジスタTr22のベース電流が流れる。トランジスタTr22のベース電流が流れることで、トランジスタTr22がオンし、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのゲートの電圧を放電させる。フライホイール側同期整流素子Fr-FETのゲートの電圧を放電させると、フライホイール側同期整流素子Fr-FETがオフする。
【0053】
また、スイッチング素子INV-FETがオンしているときには、トランスT0の4次巻線14のドットを付した側の端子から電流が出力される。トランスT0の4次巻線14のドットを付した側の端子から出力された電流は、ダイオードD21を介して、コンデンサC21に蓄えられる。
【0054】
そして、スイッチング素子制御回路18のスイッチング素子制御信号を出力する端子2がLになると、スイッチング素子INV-FETがオフする。このとき、トランスT1を介して、同期整流素子制御回路20の入力端子22の電圧がLになる。同期整流素子制御回路20の入力端子22の電圧がLになると、抵抗R22を介してトランジスタTr22のベース電流が流れなくなり、トランジスタTr22のベース電流が流れなくなることで、トランジスタTr22がオフする。
【0055】
さらに、スイッチング素子INV-FETがオフすると、トランスT0の4次巻線14のドットを付した側の端子から電流が出力されなくなり、トランスT0の4次巻線14のドットを付した側の端子の電圧が低下する。このとき、コンデンサC21に蓄えられていた電荷が、トランジスタTr21のエミッタからベース、コンデンサC22および抵抗R21を介して流れる。トランジスタTr21のエミッタからベースに電流が流れると、トランジスタTr21がオンし、トランジスタTr21のエミッタからコレクタに電流が流れ、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのゲートが充電される。
【0056】
フライホイール側同期整流素子Fr-FETのゲートが充電されると、フライホイール側同期整流素子Fr-FETがオンする。トランジスタTr21のエミッタからベースに流れる電流は、コンデンサC22を介しているので、コンデンサC22が充電されると、トランジスタTr21のエミッタからベースに流れる電流は停止し、トランジスタTr21はオフする。このとき、フライホイール側同期整流素子Fr-FETのゲート容量は、放電経路がないので電圧が保持され、フライホイール側同期整流素子Fr-FETはオン状態を維持する。
【0057】
次に再度、スイッチング素子INV-FETがオンするときを考える。スイッチング素子INV-FETがオンするとトランスT0の4次巻線14のドットを付した端子から電流が出力される。このとき、トランスT0の4次巻線14のドットを付した端子にはプラスの電圧が発生する。トランスT0の4次巻線14のドットを付した側にプラスの電圧が発生すると、抵抗R21→コンデンサC22→ダイオードD22→コンデンサC21の経路で電流が流れ、スイッチング素子INV-FETがオフしているときに、コンデンサC22に充電された電荷が放電される。コンデンサC22に充電された電荷が放電されることで、次にスイッチング素子INV-FETがオフしたときには、トランジスタTr21のエミッタからベースに電流が流れることができるようになる。
【0058】
以上の動作により、この実施形態の同期整流素子制御回路20は、スイッチング素子INV-FETがオンのとき、フライホイール側同期整流素子Fr-FETをオフさせ、スイッチング素子INV-FETがオフのとき、フライホイール側同期整流素子Fr-FETをオンさせる動作を行う。
【0059】
次に、この実施形態の同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置において、逆流電流が流れているときの、各部の動作を説明する。
【0060】
図2に示す実施形態の回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置に逆流電流が通電された場合、逆流検知回路40の動作は、トランスT0の1次巻線11側では、1次巻線11のドットを付した側の端子→入力電源10のプラス端子からマイナス端子→抵抗R41の他端から一端→スイッチング素子INV-FETのソースからドレイン→トランスT0の1次巻線11のドットの無い側の端子、の方向に流れる逆流電流の方が、通常の流れである入力電源10のプラス端子→トランスT0の1次巻線11のドットを付した側の端子からトランスT0の1次巻線11のドットの無い側の端子→スイッチング素子INV-FETのドレインからソース→抵抗R41の一端から他端→入力電源10のマイナス端子、へ流れる電流より多い状態になる。つまり、抵抗R41の一端がプラスの極性の電位を示している時間より、抵抗R41の他端がプラスの極性の電位を示している時間が長くなる。
【0061】
抵抗R41の一端は、コンパレータIC41の反転入力端子に、他端はコンパレータIC41の非反転入力端子に接続されているため、コンパレータIC41の出力は、逆電流が流れているときはプラスの電圧を出力する。コンパレータIC41の出力は、ダイオードD41と抵抗R42を介してコンデンサC41に接続されているため、逆流電流が通電された場合はコンデンサC41が充電される。そして、逆流電流の通電量が増加すると、コンパレータIC41の出力がプラスとなっている期間が長くなる。従って、逆流電流の通電量に比例して、コンデンサC41の電圧が高くなる。コンデンサC41の電圧は、逆流検知回路の出力端子41に繋がっているので、逆流検知回路40は、逆流電流の通電量が大きいと、逆流検知回路40の出力電圧が上昇する動作を行う。
【0062】
遅延回路30の入力端子32に逆流検知回路40からの電圧が印加されると、トランジスタTr31がオンしてコンデンサC31は機能し、遅延回路30が動作する状態となる。スイッチング素子制御回路18のスイッチング素子制御信号を出力する出力端子2がHになると、スイッチング素子制御回路18のスイッチング素子制御信号の出力端子2から遅延回路30の入力端子31に電圧が印加される。このとき、遅延回路30の入力端子31に印加された電圧は、抵抗R31を介してコンパレータIC31の非反転入力端子に印加される。抵抗R31とコンパレータIC31の非反転入力端子の接続箇所には、コンデンサC31が接続されているので、コンデンサC31が充電されるまで、コンパレータIC31の非反転入力端子の電圧が上昇しない。
【0063】
コンデンサC31が抵抗R31を介した電流で充電されると、コンパレータIC31の非反転入力端子の電圧が上昇し、コンパレータIC31の反転入力端子に印可されている電圧源V31の電圧よりも高くなると、コンパレータIC31の出力端子は電圧を出力する。そして、コンパレータIC31の出力端子が電圧を出力することで、スイッチング素子INV-FETのゲートに電圧が印加され、スイッチング素子INV-FETがオンする。
【0064】
従って、スイッチング素子制御回路18のスイッチング素子制御信号の出力端子2から遅延回路30の入力端子31に電圧が印加されても、コンデンサC31の電圧が電圧源V31の電圧よりも高くなるまでの時間、スイッチング素子INV-FETがオンすることができず、これが遅延時間となる。
【0065】
ここで、トランジスタTr31は、ゲートに印加される電圧によって、トランジスタTr31のドレインとソースの間の抵抗値が変化する。つまり、遅延回路30の入力端子32に印加される電圧によって、トランジスタTr31のドレインとソースの間の抵抗値が変化する。トランジスタTr31のドレインとソースの間の抵抗成分は、コンデンサC31を流れる電流によって、トランジスタTr31のドレインとソースの間に電圧を発生させ、この電圧とコンデンサC31の充電電圧がコンパレータIC31の非反転入力端子に印加される。つまり、トランジスタTr31のドレインとソースの間の抵抗成分が大きい(ゲートに印加される電圧が低い)ときは、遅延時間が短くなる。
【0066】
以上のように、遅延回路30の入力端子31に電圧が印加されてから遅延回路30の出力電圧が出るまでの時間を、遅延回路30の入力端子32に印加される電圧の大きさによって制御することができる。
【0067】
この実施形態の同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置に逆流電流が流れると、逆流検知回路40が動作し、逆流電流の通電量に応じて、逆流検知回路40の出力に発生する電圧が上昇する。逆流検知回路40の出力に発生する電圧が上昇すると、遅延回路30の入力端子32に印加される電圧が上昇し、遅延回路30の入力端子32に印加される電圧が上昇する。これにより、スイッチング素子制御信号を出力する出力端子がHになってから、スイッチング素子INV-FETがオンするまでの遅延時間が増加する。
【0068】
そして、遅延時間が増加すると、スイッチング素子制御回路18がスイッチング素子制御信号を出力し、スイッチング素子INV-FETをオンさせようとしても、スイッチング素子INV-FETは、すぐにはオンできない状態となる。ここで、スイッチング素子制御回路18が出すスイッチング素子制御信号は、同期整流素子制御回路20にも伝えられており、このとき、フライホイール側同期整流素子Fr-FETはオフする。
【0069】
ところで、スイッチング素子制御回路18は、トランスT0の3次巻線をダイオードD11,D12、チョークコイルL11およびコンデンサC11で整流・平滑された電圧Vo’を、スイッチング素子制御回路18によって決定される一定の電圧にしようとする。電圧Vo’は、入力電圧Vin、トランスT0の1巻線11と3次巻線13の巻数比、トランスT0の3次巻線13から電圧が出力されている時間により決定される。つまり、遅延時間の発生に関係なく、3次巻線13から電圧が発生している時間が所定の値となるように、スイッチング素子INV-FETのDutyが制御される。このとき遅延時間増加により影響を受けるのは、フライホイール側同期整流素子Fr-FETがオフしてからスイッチング素子INV-FETがオンしてくるまでの時間である。
【0070】
次に、図3を基にして、フライホイール側同期整流素子Fr-FETがオフしてからスイッチング素子INV-FETがオンしてくるまでの時間(遅延時間)が増加したときの各素子の電圧又は電流波形を実線で示す。また点線は、この発明の回路が組み込まれていないスイッチング電源装置の場合の各素子の電圧又は電流波形を示す。
【0071】
先ず、スイッチング素子制御回路18の出力端子2の電圧がHになると同時に、フライホイール側同期整流素子Fr-FETがオフする。このとき、遅延回路30が動作しているので、遅延時間の間は、スイッチング素子INV-FETのVGSは、Lのままとなり、フライホイール側同期整流素子Fr-FET、スイッチング素子INV-FETともにオフしている期間が発生する。このとき、フォワード側同期整流素子Fw-FETもオフの状態となっている。
【0072】
フライホイール側同期整流素子Fr-FET、スイッチング素子INV-FET、フォワード側同期整流素子Fw-FETともにオフしている期間は、各整流素子のFETの入力容量成分に電流が流れるため、フライホイール側同期整流素子Fr-FETがオンしているときに比べて、出力チョークコイルLoを流れる電流の増加が遅くなる。
【0073】
やがて、遅延時間が経過し、スイッチング素子INV-FETがオンしてくると、フォワード側同期整流素子Fw-FETもオンし、出力チョークコイルLoおよび各FETの容量成分を流れていた電流は、トランスT0を介して入力電源10へ回生してくる。このとき、図3の点線で示すように、遅延時間が無かったときに比べて、出力コンデンサCoから出力チョークコイルLoへ逆流する電流が小さくなっていたため、結果として、トランスT0を介して入力電源10へ回生してくる電流量も小さくなる。
【0074】
この実施形態のスイッチング電源装置によれば、上記の動作により、逆流電流が流れたとき、その逆流電流に合わせて逆流電流を抑制する効果を奏する。そして、逆流電流を抑制しているときも、3次巻線13の出力を整流・平滑した電圧Vo’が上昇することが無い。これにより、上記従来の技術の公報に開示されている回路のように、スイッチング素子制御回路に供給される電圧が高くなることがなく、制御回路内の素子に悪影響を与えることがない。従って、制御用ICに耐電圧の高いものを必要とせず、しかもスイッチング素子の駆動電力の損失が増加することがないスイッチング電源装置を提供することができる。
【0075】
また、逆流電流が流れているときに、同期整流素子とスイッチング素子が共にオフしている期間を作り出すことで、逆流電流の通電量を抑制することができ、逆流電流の通電量を抑制できたことで、同期整流回路を備えたスイッチング電源装置が並列運転されたときに、それぞれのスイッチング電源装置の出力電圧のアンバランスによって発生する損失を抑制することが可能となる。また、複数台の同期整流回路を備えたスイッチング電源装置が並列運転されたときに、1台のスイッチング電源装置に他の数台のスイッチング電源装置から電流が流れ込み、スイッチング電源装置内部の半導体の定格を超えてしまい、半導体が破壊するといった問題も解決することができる。
【0076】
なお、この実施形態では、同期整流回路を備えたシングルフォワード方式のスイッチング電源装置を例に挙げたが、この発明は、図4に示すようなフライバック方式のスイッチング電源装置に適用してもよいものである。この場合トランスToの2次巻線12のドットのない側の端子がMOS-FETの同期整流素子Q1のソースに接続され、同期整流素子Q1のドレインが出力コンデンサCoの一端に接続されている。また、2次巻線12のドットを付した側の端子が出力コンデンサCoの他端に接続され、出力コンデンサCoの両端に負荷16が接続されている。そして、同期整流素子Q1のゲートに同期整流素子制御回路20の出力が接続されている。
【0077】
この場合も上記実施形態と同様に、スイッチング素子制御回路18からの信号により同期整流素子Q1がオフするとともに、スイッチング素子INV-FETがオンするタイミングを、逆流電流の量に合わせて遅延させ、逆流電流を抑えて上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0078】
また、この発明は、図5に示したチョッパ方式のスイッチング電源装置にも適用することができる。この場合入力電源10のプラスの端子が、スイッチング素子INV-FETのドレインに接続され、スイッチング素子INV-FETのソースがチョークコイルLoの一端に接続されている。また、チョークコイルLoの一端とMOS-FETの同期整流素子Q2のドレインが接続され、同期整流素子Q2のソースが入力電源10のマイナス側の端子に接続されている。チョークコイルLoの他端と入力電源10のマイナス側の端子間に出力コンデンサCoが設けられ、出力コンデンサCoの両端に負荷16が接続されている。そして、同期整流素子Q2のゲートに同期整流素子制御回路20の出力が接続されている。この場合も同様に、スイッチング素子制御回路18からの信号により、同期整流素子Q2がオフするとともに、スイッチング素子INV-FETがオンするタイミングを、逆流電流の量に合わせて遅延させ、逆流電流を抑えて上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
さらに、この発明はその他ブリッジ方式等、回路方式によらず同期整流回路を備えたスイッチング電源装置の全てに適用することが可能である。また、同期整流素子としては、n-チャネルMOS-FETに限定されることはなく、p-チャネルMOS-FETやIGBT等の素子を用いても良い。
【0080】
さらには、本発明の、同期整流素子制御回路は、本実施形態の回路に限定されず、スイッチング素子制御回路からスイッチング素子制御信号を受けて同期整流素子をオフできる機能を持つものであれば、どのような回路構成でも良い。
【0081】
逆流検知回路も、本実施形態の回路に限定されず、逆流電流が流れているときに、逆流電流の大きさに応じて電圧を出力するものであれば良く、例えば、トランスの1次巻線側のスイッチング素子と直列にカレントトランスを接続し、ここから得られる電圧を用いても良いし、トランスの2次巻線側の同期整流素子や出力チョークコイルと直列に、カレントトランスや電流検出抵抗を直列に接続し、ここから得られる電圧を用いても良い。遅延回路も、この実施形態の回路に限定されず、入力される電圧で遅延時間を変化させることが可能な回路であれば良い。また、トランスT1も、フォトカプラ等の絶縁機能を有した素子に置き換えても良い。
【0082】
【発明の効果】
この発明のスイッチング電源装置は、出力側から入力側へ逆流電流が流れたことを検知する逆流検知回路と、逆流電流を検知したときにスイッチング素子制御信号を遅延させる遅延回路を設け、逆流電流に対応させて遅延時間を増加させるようにし、逆流電流が流れているときに同期整流素子とスイッチング素子が共にオフしている期間を作り出すことで、逆流電流の通電量を抑制している。これにより、逆流電流の通電量を抑制できたことで、同期整流回路を備えたスイッチング電源装置が並列運転されたときに、それぞれのスイッチング電源装置の出力電圧のアンバランスによって発生する損失を抑制することが可能となった。
【0083】
また、複数台の同期整流回路を備えたスイッチング電源装置が並列運転されたときも、1台のスイッチング電源装置に他のスイッチング電源装置から電流が流れ込み、スイッチング電源装置内部の半導体の定格を超えてしまい、半導体が破壊することを防止する。さらに、制御用ICに耐電圧の高いものを必要とせず、スイッチング素子の駆動電力の損失が増加することがないスイッチング電源装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態のスイッチング電源装置の概略ブロック線図である。
【図2】 この実施形態のスイッチング電源装置の概略回路図である。
【図3】 この実施形態のスイッチング電源装置の逆流電流が発生した場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】 この発明の他の実施形態のスイッチング電源装置の概略ブロック線図である。
【図5】 この発明のさらに他の実施形態のスイッチング電源装置の概略ブロック線図である。
【図6】 従来の同期整流回路を備えたスイッチング電源装置の概略ブロック線図である。
【図7】 従来のスイッチング電源装置の負荷電流が大きい場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】 従来のスイッチング電源装置の負荷電流が零の場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】 従来のスイッチング電源装置の出力に外部電圧を印加した場合の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】 従来のスイッチング電源装置を2台並列に接続した場合の出力電流−出力電圧の特性を示すグラフである。
【図11】 他の従来例のスイッチング電源装置の概略ブロック線図である。
【図12】 図11に示す従来例のスイッチング電源装置を2台並列に接続した場合の出力電流−出力電圧の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 入力電源
11 1次巻線
12 2次巻線
13 3次巻線
14 4次巻線
16 負荷
18 スイッチング素子制御回路
20 同期整流素子制御回路
30 遅延回路
40 逆流検知回路
INV-FET スイッチング素子
Fw-FET フォワード側同期整流素子
Fr-FET フライホイール側同期整流素子

Claims (2)

  1. 直流入力電流をオン・オフするスイッチング素子と、上記スイッチング素子に接続され上記スイッチング素子のオン・オフを制御するスイッチング素子制御回路と、上記スイッチング素子に同期して電流を流す同期整流素子と、上記同期整流素子を制御する同期整流素子制御回路と、電力の出力側から入力側へ逆流電流が流れたことを検知する逆流検知回路とを備え、上記スイッチング素子制御回路から上記同期整流素子制御回路へ伝達された信号によって上記同期整流素子をオフさせるスイッチング電源装置において、
    上記スイッチング素子制御回路は、トランスの3次巻線を整流・平滑された電圧を、上記スイッチング素子制御回路によって決定される一定の電圧にし、上記スイッチング素子制御回路から上記スイッチング素子へ伝達されるスイッチング素子制御信号を遅延させる遅延回路と、上記逆流検知回路が検知した逆流電流に対応させて上記遅延回路の遅延時間を制御する遅延時間制御手段とを設け、上記スイッチング素子制御回路の出力は、上記スイッチング素子のオン・オフ周期に対するオン期間が変わることなく遅延されるとともに、上記遅延回路を経ないで上記同期整流素子制御回路に入力し、上記同期整流素子制御回路により上記同期整流素子を動作させ、同期整流素子のオフに対して、上記スイッチング素子がオンするタイミングを遅らせるようにしたことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 上記スイッチング素子制御回路の出力は、絶縁回路を介して上記同期整流素子制御回路に入力していることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
JP2002138845A 2002-05-14 2002-05-14 スイッチング電源装置 Expired - Fee Related JP3756844B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002138845A JP3756844B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 スイッチング電源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002138845A JP3756844B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 スイッチング電源装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003333846A JP2003333846A (ja) 2003-11-21
JP3756844B2 true JP3756844B2 (ja) 2006-03-15

Family

ID=29700181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002138845A Expired - Fee Related JP3756844B2 (ja) 2002-05-14 2002-05-14 スイッチング電源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3756844B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6908849B2 (ja) 2017-10-25 2021-07-28 富士通株式会社 同期整流回路及びスイッチング電源装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003333846A (ja) 2003-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4735072B2 (ja) スイッチング電源装置
US9614448B2 (en) Switching power-supply device
JP4320787B2 (ja) スイッチング電源装置
JP5040268B2 (ja) スイッチング電源装置
JP4033082B2 (ja) Dc−dcコンバータ
JP2013005474A (ja) 電源回路
JP2004032937A (ja) 同期整流用mosfetの制御回路
WO2017199716A1 (ja) アクティブスナバー回路付きスイッチ回路およびdc-dcコンバータ
JP3678098B2 (ja) 電源装置とそれを用いた電子機器
JP2003299354A (ja) フライバックコンバータの同期整流回路
JP3756844B2 (ja) スイッチング電源装置
JP4543021B2 (ja) 電源装置及びその制御回路並びに制御方法
JP3905822B2 (ja) 同期整流式スイッチング電源装置
JP4098494B2 (ja) スイッチング電源装置
JP7472654B2 (ja) スイッチング制御回路、llcコンバータ
JP6607018B2 (ja) スイッチング電源装置
JP3742576B2 (ja) スイッチング電源装置
JP2006246625A (ja) スイッチング電源回路
JP2005137191A (ja) スイッチモード電源用制御回路
JP2002084756A (ja) スイッチング電源装置の同期整流回路
JP2005295627A (ja) 全波整流平滑回路およびスイッチング電源装置
WO2023162976A1 (ja) 電力変換システム
JPH11191958A (ja) 同期整流方式非絶縁型dc−dcコンバータ
JP3373194B2 (ja) スイッチング電源装置
JP4155492B2 (ja) スイッチング電源装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090106

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100106

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120106

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees