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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロール紙を湾曲させる湾曲手段によってロール紙の巻き癖を矯正するロール紙の巻き癖矯正装置を備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
FAX、プリンタ等に代表される記録装置においては、長尺に渡って記録(印刷)を実行可能なロール紙が用いられているが、近年、写真画質を実現する民生用のプリンタにおいて、ロール紙を用いて銀塩写真並の印刷が可能なものが開発されている。
【0003】
一方で、ロール紙は通常の単票紙と異なる特質、即ち、ロール状に巻かれているが故に、巻き解かれた後も巻き癖(カール)が残るという性質を有している為、印刷後の取り扱いにおいて不都合が生じる場合がある。従ってこれを防止すべく、巻き解かれたロール紙を、巻き癖に対して逆方向に湾曲(デカール)させることにより、巻き癖を矯正するロール紙の巻き癖矯正装置が、既に種々の実施形態によって実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プリンタにおいては複数の駆動対象を1つの駆動モータによって駆動し、低コスト化を計るのが一般的である。従って、ロール紙の巻き癖矯正装置が、ロール紙に湾曲状態を形成する湾曲形成部と、該湾曲形成部へロール紙を搬送する挟圧ローラとを備える場合には、当該挟圧ローラの駆動源を、ロール紙を精密送りする搬送ローラ用の駆動モータを利用することによって低コスト化を計ることができる。
【0005】
しかし、ロール紙は前記湾曲形成部によって湾曲されながら下流へと進む為、この様な湾曲形成部にロール紙を搬送する挟圧ローラには大なる駆動負荷が掛かることになる。従って、前記挟圧ローラを回動駆動しつつ、ロール紙を記録ヘッドへ向けて精密送りする搬送ローラを回動駆動すれば、当該搬送ローラの送り精度が低下する虞がある。そして、この様な問題は、ロール紙先端が前記湾曲形成部を通過する際、即ち、前記挟圧ローラに最も負荷が掛かる際に最も顕著となる。
【0006】
そこで本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、その課題は、ロール紙の巻き癖矯正装置が、ロール紙を記録部へ精密送りする搬送ローラの駆動源を利用する際に、前記精密送り精度の低下を防止し、適切な記録動作を維持することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の記録装置は、被記録材に記録を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドへ向けてロール紙を精密送りする搬送ローラと、該搬送ローラを回動駆動する駆動モータと、前記搬送ローラの上流側または下流側に設けられ、ロール紙を湾曲させる湾曲手段によってロール紙の巻き癖を矯正するロール紙の巻き癖矯正装置と、を備えた記録装置であって、前記湾曲手段が、ロール紙を挟持して搬送する、前記駆動モータを駆動源とする挟圧ローラと、該挟圧ローラの下流側近傍に配置され、巻き癖に対してロール紙を逆方向に湾曲させる湾曲形成部と、からなり、前記駆動モータから前記挟圧ローラへ動力を伝達する動力伝達装置が、前記駆動モータから前記挟圧ローラへ動力を伝達する第1の動力伝達経路と、該第1の動力伝達経路よりも速度伝達比の小なる第2の動力伝達経路と、のいずれか一方を選択的に切り替える動力伝達切り替え手段を有し、前記動力伝達切り替え手段が、ロール紙先端部分以降が前記湾曲形成部を通過する際に前記第1の動力伝達経路を選択し、ロール紙先端部分が前記湾曲形成部を通過する際に前記第2の動力伝達経路を選択する様に構成されていることを特徴とする。
【0008】
本願請求項1記載の発明によれば、ロール紙の巻き癖矯正装置が、ロール紙を記録ヘッドへ向けて精密送りする搬送ローラを回動駆動する駆動モータを駆動源として利用する様に構成されていても、前記搬送ローラの送り精度の低下を防止し、適切な記録動作を維持することができる。即ち、ロール紙の巻き癖矯正は、ロール紙を湾曲させる湾曲形成部へ向けてロール紙を搬送する挟圧ローラを有し、該挟圧ローラが、前記搬送ローラを回動駆動する駆動モータを駆動源としている為、挟圧ローラに回動負荷が掛かると前記駆動モータに影響し、従って前記搬送ローラの送り精度に影響を及ぼすことになる。
【0009】
しかし、本願請求項1記載のロール紙の巻き癖矯正装置において、前記挟圧ローラへ前記動力モータの動力を伝達する動力伝達装置は、第1の動力伝達経路と、該第1の動力伝達経路よりも速度伝達比の小なる第2の速度伝達経路とを有し、動力伝達切り替え手段によっていずれか一方を選択的に切り替え可能となっている。そして、前記動力伝達切り替え手段は、前記挟圧ローラに最も回動負荷が掛かる時、つまり、ロール紙先端部分が前記湾曲形成部を通過する際(ロール紙を最初に湾曲させる際)に前記第2の動力伝達経路を選択し、ロール紙先端部分以降が前記湾曲形成部を通過する際に前記第2の動力伝達経路を選択する。ここで、前記第2の動力伝達経路は、前記第1の動力伝達経路よりも速度伝達比が小なる(前記第1の動力伝達経路よりも小さいトルクで回動駆動することができる)ので、従って前記第1の動力伝達経路を利用して最適なロール紙の搬送を行いつつ、場合に応じて前記第2の動力伝達経路を利用することによって前記駆動モータに必要以上の負荷を掛けない様にすることができ、以て前記搬送ローラの送り精度低下を防止することができる。
【0010】
本願請求項2記載の記録装置は、請求項1において、前記動力伝達切り替え手段が、前記駆動モータの回動によって回動する太陽歯車と、該太陽歯車の周りを遊星回動する遊星歯車と、回動可能に設けられ、回動することにより、前記遊星歯車が前記第1の動力伝達経路に連結する第1の連結位置と、前記第2の動力伝達経路に連結する第2の連結位置と、を変位する、前記遊星歯車を軸支する遊星レバーと、前記遊星レバーを前記第1の連結位置および前記第2の連結位置に固定するストッパ手段とからなることを特徴とする。
【0011】
本願請求項2記載の発明によれば、前記動力伝達切り替え手段が、太陽歯車と、該太陽歯車の周りを遊星回動し、当該遊星回動によって前記第1の動力伝達経路と前記第2の動力伝達経路との連結の切り替えを行う様に構成されているので、前記動力伝達切り替え手段を簡単且つ省スペースに構成することができる。
【0012】
本願請求項3記載の記録装置は、請求項2において、前記ストッパ手段が、前記遊星レバーにおいて前記第1の連結位置用および前記第2の連結位置用にそれぞれ設けられる第1の係合部および第2の係合部と、前記遊星レバーに対して進退可能に設けられ、進出することによって前記第1の係合部および前記第2の係合部と係合するストッパピンとからなることを特徴とする。
【0013】
本願請求項3記載の発明によれば、前記ストッパ手段が、前記遊星レバーに設けられる第1の係合部および第2の係合部と、前記遊星レバーに対して進退可能に設けられ、進出することによって前記第1の係合部および前記第2の係合部と係合するストッパピンとからなるので、当該ストッパピンによって前記遊星レバーを左右いずれか、或いは左右いずれの方向にも回動しない様確実に固定することができる。
【0014】
本願請求項4記載の記録装置は、請求項3において、主走査方向に往復動可能に設けられるキャリッジが前記ストッパピンと係合可能に構成され、前記キャリッジを駆動制御することにより、前記ストッパピンの前記遊星レバーに対する進退動作を実行可能に構成されていることを特徴とする。
【0015】
本願請求項4記載の発明によれば、前記ストッパピンが前記キャリッジを駆動制御することによって前記遊星レバーに対する進退動作を実行可能に構成されているので、前記ストッパピンの進退動作を実行する駆動系を別途設ける必要が無く、以て低コスト化を計ることができる。
【0016】
本願請求項5記載の記録装置は、請求項2から4のいずれか1項において、前記動力伝達切り替え手段が、前記遊星歯車を前記第1の動力伝達経路および前記第2の動力伝達経路のいずれにも連結しない非連結位置を備えていることを特徴とする。
【0017】
本願請求項5記載の発明によれば、前記動力伝達切り替え手段が、前記遊星歯車を前記第1の動力伝達経路および前記第2の動力伝達経路のいずれにも連結しない非連結位置を備えているので、当該非連結位置においては前記駆動モータに負荷が掛からない。従って、記録装置がロール紙用給送経路以外に他の給装経路を備えている様な場合、より具体的には、ロール紙の巻き癖矯正装置を備えていない他の給送経路を備えている場合に、前記動力伝達切り替え手段を前記非連結位置とすれば、前記他の給送経路を利用して記録を行う際に、前記搬送ローラの送り精度をより一層高精度に保つことによってより高い記録品質を得ることができる。
【0018】
本願請求項6記載の記録装置は、請求項1から5のいずれか1項において、ロール紙先端部分が前記湾曲形成部を通過する速度VA1が、ロール紙先端部分以降が前記湾曲形成部を通過する速度VA2よりも大なる様に設定されていることを特徴とする。
【0019】
巻き癖の矯正程度が強いと、ロール紙には当初の巻き癖方向とは逆方向に湾曲する現象(以下これを「オーバーデカール」と言う)が発生する。そして当該オーバーデカールがロール紙先端部分に発生すると、ロール紙先端が記録装置の搬送経路中で引っ掛かったり、或いは、記録ヘッドに擦れたりするといった不具合が生じる。そこで本願請求項6記載の発明は、ロール紙先端部分が前記湾曲形成部を通過する速度VA1を、ロール紙先端部分以降が前記湾曲形成部を通過する速度VA2よりも大なる様にしたので、これによってロール紙先端部分の巻き癖が緩やかに矯正され、従って安価に且つ簡易にオーバーデカールを低減或いは防止することができる。
【0020】
本願請求項7記載の記録装置は、請求項1から6のいずれか1項において、前記挟圧ローラが、回動駆動される駆動ローラと、該駆動ローラの周面に対して押圧状態で接する周面を有し、且つ、前記駆動ローラに圧接する位置を変位可能に配設される従動ローラとからなることを特徴とする。
【0021】
本願請求項7記載の発明によれば、前記挟圧ローラが、回動駆動される駆動ローラと、該駆動ローラの周面に対して押圧状態で接する周面を有し、且つ、前記駆動ローラに圧接する位置を変位可能に配設される従動ローラとからなるので、当該従動ローラを変位させることによってロール紙を繰り出す方向(進行方向)を変化させることができ、これによりデカールの曲率を変化させることができ、以て巻き癖の矯正程度を容易に且つ自在に調節することが可能となる。
【0022】
本願請求項8記載の記録装置は、請求項1から7のいずれか1項において、前記湾曲形成部が、前記挟圧ローラから繰り出されたロール紙と当接する位置に配置され、ロール紙の進行方向を変えることによってロール紙に所定の湾曲状態を形成し、且つ、回動することによってロール紙を下流側へ案内する補助ローラによって構成されていることを特徴とする。
【0023】
本願請求項8記載の発明によれば、ロール紙は挟圧ローラに挟持されながら補助ローラへと進み、当該補助ローラによって進行方向を変えられることによって湾曲し、そして下流側へと進む。従って、ロール紙が湾曲することによって強い外力を付与する部分(前記湾曲手段によって湾曲した部分(湾曲部)の外側)が、回動する補助ローラによって構成されていることから、前記湾曲部の曲率を小さくすることによって強い巻き癖矯正を行う様な場合でも、ロール紙を円滑に下流側に進行させることが可能となる。
【0024】
本願請求項9記載の記録装置は、請求項8において、前記補助ローラ外周の周速度VBが、前記挟圧ローラ外周の周速度VAよりも大なる様に設定されていることを特徴とする。
【0025】
本願請求項9記載の発明によれば、ロール紙に湾曲状態を形成する湾曲形成部を、ロール紙が適切に通過できる様になる。即ち、ロール紙が前記補助ローラに急な角度で突き当たる様に構成されていると、ロール紙先端が前記補助ローラに当接する時に、ロール紙先端部が逆方向(進むべき方向(下流方向)とは反対の方向)に湾曲し、紙ジャムとなる虞がある。しかし、本発明は前記補助ローラ外周の周速度VBを、前記挟圧ローラ外周の周速度VAよりも大なる様に設定している。従って、ロール紙先端は前記挟圧ローラによる紙送り速度よりも速い紙送り速度で回動する前記補助ローラに当接することにより、ロール紙先端が適切に下流側に案内され、以てロール紙を適切に通過させることが可能となる。
【0026】
本願請求項10記載の記録装置は、請求項1から9のいずれか1項において、前記挟圧ローラから繰り出されたロール紙と、前記湾曲形成部を通過したロール紙とのなす角度が、搬送経路を側視して略直角をなす様に構成されている、ことを特徴とする。
【0027】
本願請求項10記載の発明によれば、前記挟圧ローラから繰り出されたロール紙と、前記湾曲形成部を通過したロール紙とのなす角度が、搬送経路を側視して略直角をなす様に構成されているので、ロール紙は前記挟圧ローラから繰り出された後に進行方向を急角度(略直角)によって変え、これによってロール紙には小さい曲率で確実な湾曲状態が形成され、以てロール紙の巻き癖を確実に矯正することが可能となる。特に、ロール紙が写真画質を実現する厚手のコート紙である場合には当該作用効果をより一層発揮することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下では図面を参照しつつ本発明の実施形態について、
1.インクジェットプリンタの構成
2.ロール紙の巻き癖矯正装置の構成および作用効果
3.動力伝達装置の構成および作用効果
の順に説明する。
【0029】
<1.インクジェットプリンタの構成>
以下、図1乃至図3を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と略称する)1の構成について概説する。ここで、図1はプリンタ1の外観斜視図(外部カバーを外した状態)、図2はプリンタ1の側断面概略図、図3はプリンタ1の制御系のブロック図である。
【0030】
図1および図2において、プリンタ1は装置後方(図1および図2の左側)に給紙装置5を備えている。給紙装置5は、被記録材としての印刷用紙(単票紙、ロール紙、ボード紙等:以下これらを総称して「用紙」と言う)を、下流側(用紙が進む経路における下流側:図1および図2の右側)へと給送する。
【0031】
より詳しくは、給紙装置5は図1に示す様にロール紙ロールRを自由回動可能に軸支するロール紙供給装置11から、図2に示す様にロール紙を矢印▲1▼で示す方向(斜め下方向)に繰り出して給送する「第1の給送経路」と、湾曲した給送経路を通過することのできない厚手のボード紙等を、給紙装置5の後方側から矢印▲2▼で示す方向(略水平方向)に手差し給送する「第2の給送経路」と、湾曲した給送経路を通過することのできる単票紙(普通紙、写真用紙、OHPシート等々)を、複数枚傾斜姿勢でセット可能なホッパ9から矢印▲3▼で示す方向(斜め下方向)に自動給送する「第3の給送経路」との3つの給送経路を備えていて、これら全ての給送経路は、下流側に設けられた、後述する紙送りローラ19へと向かっている。
【0032】
ここで、ロール紙を給送する第1の給送経路は、ロール紙供給装置11から、斜め前方下に配置された後述するロール紙の巻き癖矯正装置(以下「巻き癖矯正装置」と言う)2へ向かい、該巻き癖矯正装置2を経由した後に略水平に向きを変え、用紙ガイド後上69、用紙ガイド後下71、用紙ガイド前上73、用紙ガイド前下74とによって形成された紙経路を通過して紙送りローラ19へ到達する給送経路である。また、ボード紙等を給送する第2の給送経路は、給紙装置2の後方から略水平に巻き癖矯正装置2に入り、該巻き癖矯正装置2を横切った後に前記同様用紙ガイド後上69等によって形成された紙経路を通過して紙送りローラ19へ到達する給送経路である。従って、第1の給送経路と第2の給送経路とは、巻き癖矯正装置2内部で交差(合流)する様に構成されていて、ロール紙Pが第1の給送経路にあるときには、第2の給送経路を利用できない構成となっている。
【0033】
第3の給送経路を形成するホッパ9は、上部に設けられた揺動支点9aを中心に揺動可能(図2の時計方向および半時計方向)に設けられ、図示を省略する駆動機構によって揺動することにより、下部が給紙ローラ13に圧接および離間する様になっていて、圧接することにより、ホッパ9上に堆積された単票紙が給紙ローラ13の回動と共に紙送りローラ19へ給送される。尚、給紙ローラ13は、駆動モータ81(後述)によって回動駆動される様構成されている。
【0034】
紙送りローラ19は、駆動モータ81(後述)によって回動駆動される紙送り駆動ローラ15と、該紙送り駆動ローラ15に圧接して従動回動する紙送り従動ローラ17とから構成されている。紙送り従動ローラ17は紙送り従動ローラホルダ18によって軸支され、該紙送り従動ローラホルダ18の上から下に突出する様に、用紙の通過を検出する紙検出器12(図3参照)を構成する紙検出レバー14が設けられている。紙検出レバー14は図2の時計方向および半時計方向に揺動可能に設けられ、紙送り従動ローラホルダ18の下部を通過する用紙先端の通過によって上方に押し上げられる方向に揺動し、且つ、用紙後端の通過によって下方に下がる方向に揺動し、これによって用紙先端の通過および用紙サイズを検出できる様になっている。
【0035】
紙送りローラ19の下流には記録ヘッド21および該記録ヘッド21に対向してプラテン25が設けられている。記録ヘッド21はキャリッジ23の下方に設けられ、キャリッジ23に搭載されたインクカートリッジ24からインクを供給されることにより、プラテン25に押しつけられた用紙にインク滴を吐出する。キャリッジ23は、プリンタ1の基体を構成する、装置右側に立設されたサイドフレーム右8aおよび装置左側に立設されたサイドフレーム左8b(図1参照)との間に掛架された主キャリッジガイド軸22aおよび副キャリッジガイド軸22bとにガイドされながら、キャリッジモータ20(図3参照)の駆動力を受けて主走査方向(図2の紙面表裏方向)に往復動する様構成されている。
【0036】
次に、記録ヘッド21の下流には第1排紙ローラ26が設けられ、該第1排紙ローラ26の下流には更に第2排紙ローラ27が設けられている。第1排紙ローラ26および第2排紙ローラ27は、それぞれ駆動モータ81(後述)によって回動駆動される第1排紙駆動ローラ28および第2排紙駆動ローラ29と、これらローラに点接触して従動回動する第1排紙ギザローラ30および第2排紙ギザローラ31によって構成されていて、これら2組のローラで用紙を挟圧し、且つ、それぞれの駆動ローラが回動駆動されることによって用紙が排紙トレイ10(図1参照)に排出される。
【0037】
以上説明した給紙ローラ13、紙送りローラ17(紙送り駆動ローラ15)、第1排紙ローラ26(第1排紙駆動ローラ28)、第2排紙ローラ27(第2排紙駆動ローラ29)は、本実施形態に係るプリンタ100においては図3に示す様に1つの駆動モータ81によって回動駆動される様に構成されている。図3において、制御部4は図示しないCPU、メモリ、モータドライバ等のハードウェア構成からなり、該制御部4によってキャリッジモータ20および駆動モータ81が駆動制御され、そして該制御部4には、各検出手段、即ち、紙検出器12およびロール紙検出器63(後述)からの検出信号が入力される様になっている。尚、駆動モータ81は、前述した給紙ローラ13等の他に、後述する挟圧ローラ37および補助ローラ47を回動駆動する様に構成されている。また、駆動モータ81から当該挟圧ローラ37および補助ローラ47へ動力を伝達する動力伝達装置については、後に詳しく説明する。
【0038】
<2.ロール紙の巻き癖矯正装置の構成および作用効果>
次に、図4乃至図12および適宜その他の図面をも参照しながら巻き癖矯正装置2の構成について詳説する。ここで、図4は巻き癖矯正装置2の側断面図、図5は揺動フレーム50の外観斜視図、図6は挟圧ローラ37部分の拡大側断面図、図7は従動ローラホルダ57の外観斜視図、図8は揺動フレーム50の側面図である。また、図9は、補助ローラ47へのロール紙突入角度を変化させた状態の巻き癖矯正装置2の側断面図であり、図10はロール紙P先端を補助ローラ47の上に配置した状態の巻き癖矯正装置2の側断面図である。更に、図11は挟圧ローラ37の他の実施形態を示す為の斜視図、図12は補助ローラ47の他の実施形態を示す為の側断面図である。
【0039】
先ず、巻き癖矯正装置2の概略について説明する。巻き癖矯正装置2は、ロールRから繰り出されたロール紙Pの巻き癖を、当該巻き癖とは逆方向に湾曲させる湾曲手段によって矯正する装置である。図4において、巻き癖矯正装置2は、ロールRから繰り出されたロール紙Pを挟持して搬送する挟圧ローラ37と、該挟圧ローラ37の下流側近傍に配置される補助ローラ47とを備え、これらのローラによって前記湾曲手段を構成する。
【0040】
より詳しくは、挟圧ローラ37は、回動駆動される駆動ローラ33と、該駆動ローラ33の周面に対して押圧状態で接する周面を有し、且つ、駆動ローラ33に圧接する位置を変位可能に配設された従動ローラ35とから構成され、駆動ローラ33と従動ローラ35とによってロール紙Pを挟持し、そして駆動ローラ33を回動させることによってロール紙Pを下流側の補助ローラ47へ向けて繰り出す。挟圧ローラ37によって繰り出されたロール紙Pは「案内面」としての補助ローラ47の外周面に当接することによって湾曲し、略水平に向きを変え、当該補助ローラ47の回動によってガイドされながら下流側へと更に進む様になっている。
尚、駆動ローラ33と補助ローラ47とは、共に駆動モータ81(図3参照)によって回動駆動され、制御部4(図3参照)による制御によって回転速度或いは回転方向を自在に変更することができる様になっているが、駆動モータ81からこれらローラに動力を伝達する動力伝達装置の構成については、後に詳しく説明する。
【0041】
ここで、プリンタ1においてロールRから繰り出されたロール紙Pは上に凸となる様な巻き癖を有していて、補助ローラ47に当接して進行方向を変える際には下に凸となる湾曲状態が付与されるので、従ってこれによりロール紙Pの巻き癖が矯正され、印刷後には巻き癖が低減或いは除去された状態となり、良好な印刷結果を得ることができ、また、湾曲状態を付与する際には、湾曲部の内側に何らの構成要素も接触しないので、ロール紙Pの印刷面に傷を付けたりする虞がなく、より一層良好な巻き癖矯正を行うことが可能となっている。
【0042】
尚、以上から、補助ローラ47はロール紙Pを巻き癖に対して逆方向に湾曲させる「湾曲形成部」としての機能を果たすことになる。また、挟圧ローラ37から補助ローラ47に突入するロール紙Pの突入角度、或いは、挟圧ローラ37と補助ローラ47との距離(配設間隔)は、ロール紙Pに付与される湾曲状態の曲率を変更する要因となり、従ってこれらを調節することによって巻き癖の矯正程度を調節することが可能となる。また、補助ローラ47を通過するロール紙Pの速度を変化させれば、ロール紙Pに湾曲状態が付与される時間が変化するので、従って挟圧ローラ37によるロール紙Pの送り速度(挟圧ローラ37の周速度:VA)を調節することによっても、巻き癖の矯正程度を調節することが可能となる。故に、この様に巻き癖の矯正程度を調節する手段が、巻き癖矯正装置2における「矯正量調節手段」となる。
【0043】
また、挟圧ローラ37の上流側には、ロール紙検出器63が設けられている。ロール紙検出器63は、検出部本体61と検出レバー59とを備えてなる。検出レバー59は検出部本体61からロール紙Pの経路に突出した状態に置かれていて、ロール紙Pが通過することにより検出部本体61側に押され、これによってロール紙Pの通過を検出し、当該検出信号を制御部4に送信する様に構成されている。従ってこれを利用し、例えばロール紙Pを巻き癖矯正装置2に最初にセットする際に、ロール紙検出器63がロール紙Pの通過を検出してから一定時間(例えば、2秒)経過した後に挟圧ローラ37の回動を開始させ、以てロール紙Pをローディングする、といったことが可能となる。
以上が、巻き癖矯正装置2の概略である。
【0044】
次に、挟圧ローラ37の構成について詳説する。図5に示す様に、巻き癖矯正装置2はロール紙Pの幅方向に長い揺動フレーム50を備えている。揺動フレーム50は図6に示す様に断面視において略コの字形の形状をなし、当該コの字形の形状によって駆動ローラ33と従動ローラ35とを上から覆う様な形状となっている。また、上面にはロール紙Pの幅方向に長い溝穴50aが形成されていて、当該溝穴50aにロール紙Pが上方から入り、駆動ローラ33と従動ローラ35とにニップされる様になっている。
【0045】
駆動ローラ33はロール紙Pの幅方向に長い軸体によって構成されていて、図5に示す様に揺動フレーム50の両端の折り曲げ部50bおよび50c(図7参照)を軸通することにより、当該揺動フレーム50が、駆動ローラ33を揺動軸として図6の実線で示す状態と、符号50’および仮想線で示す状態との間で揺動可能となっている。
【0046】
従動ローラ35は、駆動ローラ33に対して装置前方側(図6の右側)に配置され、且つ、駆動ローラ35の軸方向に渡って複数個配設されてなる(図7参照)。図6に示す様に各々の従動ローラ35は従動ローラホルダ55に回動可能に軸支され、そして該従動ローラホルダ55は、揺動フレーム50に、駆動ローラ33に対して進退可能な様に配設されている。
【0047】
より詳しくは、従動ローラホルダ55は図6および図7に示す様に2つの従動ローラ35を駆動ローラ33の軸方向に沿って軸支する軸支部55bと、当該軸支部55bにおける、2つの従動ローラ35の中間位置から従動ローラ35が退避すべき方向(図6の右方向)に延びる摺動軸55aとを有している。該摺動軸55aは、揺動フレーム50のコの字形の形状を内から外へ貫通する様に構成され、また、摺動軸55aにはコイルばね57が挿通され、揺動フレーム50の内側と軸支部55bとにばね力を付与する様になっている。従ってこれにより従動ローラホルダ55は駆動ローラ33に対して進退可能となり、且つ、コイルばね57によって従動ローラ35の周面が駆動ローラ33の周面に常に圧接する様になっている。
【0048】
続いて、揺動フレーム50の一端側を形成する折り曲げ部50cには、図8に示す様に連続した凹凸形状からなるギア部51が形成されていて、一方で巻き癖矯正装置2を構成する図示しないフレーム部材には、該ギア部51と噛合する歯車77が回動軸75aを中心に回動可能に設けられている。歯車77には操作レバー75が取り付けられていて(図5も参照)、当該操作レバー75を操作することによって歯車77が回動し、以て図8(A),(B)に示す様に揺動フレーム50が揺動する。
【0049】
ここで、従動ローラ35は揺動フレーム50に取り付けられた従動ローラホルダ55によって軸支されているので、揺動フレーム50が駆動ローラ33を揺動軸として揺動すると、図8に示す様に従動ローラ35は駆動ローラ33の周りを変位(遊星回転)することになる。つまり、揺動フレーム50の揺動によって従動ローラ35は駆動ローラ33に圧接する位置を変位し、当該変位によってロール紙Pが繰り出される方向(図8の接線Tで示す方向)が変化し、以てロール紙Pの巻き癖の矯正程度を調節することが可能となる。
【0050】
尚、本実施形態における操作レバー75は、図示しないスナップフィット手段によって図8(B)に示す状態、即ち、駆動ローラ33の周面と従動ローラ35の周面との接点における接線T(ロール紙Pが繰り出される方向)が垂直の状態と、図8(A)に示す状態、即ち、接線Tが、垂直状態から25.0deg傾いた状態(接線Tが装置後方上から装置前方下(図8の左上から右下)に向かう方向に傾いた状態)と、これら2つの状態の中間の状態、即ち、同12.5deg傾いた状態とを段階的に切り替えることができる様になっている。
【0051】
ところで、駆動ローラ33は前述の様にロール紙Pの幅方向に長い軸体によって構成されている。図11(A)は当該駆動ローラ33の周面の状態を示すものであり、図11(A)に示す様に本実施形態に係る駆動ローラ33は、ロール紙Pの幅方向に長い軸体33aの外周に耐摩耗性粒子(例えば、セラミック粒子)が接着材によって固着されてなる高摩擦層34aを有し、当該高摩擦層34にロール紙Pを従動ローラ35によって圧接させ、以てロール紙Pをスリップすることなく確実に搬送する様構成している。しかし、当該構成に限らず、例えば図11(B)の様な構成、即ち、ロール紙Pの幅方向に長い軸体33aにゴムローラ34bを配設し、該ゴムローラ34bに、円周方向に沿って配設される複数(図11(B)では2つ)の従動ローラ35によってロール紙Pを圧接させ、以てロール紙Pを搬送する様構成することも可能である。この場合、駆動ローラ33をゴムローラによって構成できるので、駆動ローラ33の低コスト化を計ることができる。
【0052】
続いて、補助ローラ47の構成について詳説する。補助ローラ47は、図4を参照しつつ述べた通り挟圧ローラ37の下流側近傍であって、挟圧ローラ37から繰り出されたロール紙Pに当接可能な位置に配設されている。また、補助ローラ47は図5に示す様にロール紙Pの幅方向に長い軸体47aの軸方向に渡って複数個(本実施形態では6個)取り付けられている。
【0053】
補助ローラ47は、挟圧ローラ37から繰り出されたロール紙Pを下流側に正しく案内する為に、ロール紙Pが進む方向(図4における時計方向)に回動する様に構成されている。即ち、ロール紙Pの先端は補助ローラ47の周面に当接し、湾曲して下流側へと進む為、補助ローラ47への突入角度が急角度(例えば、図8(B)の様な状態)であると、ロール紙Pの先端が本来進むべき方向(装置前方)とは逆の方向(装置後方)に進み、紙ジャムとなる虞がある。従ってこれを防止すべく、補助ローラ47をロール紙Pが進む方向に回動駆動することにより、ロール紙P先端を正しい方向に確実に案内する様になっている。
【0054】
ここで、本実施形態における当該補助ローラ47の回動速度、より詳しくは、補助ローラ47外周の周速度VBは、挟圧ローラ37の周速度VAよりも大なる様に設定されている。つまり、補助ローラ47による紙送り速度が、挟圧ローラ37による紙送り速度よりも大なる様に設定されている為、より一層確実にロール紙P先端を正しい方向に案内することが可能となっている。ここで、本実施形態においてはVB=2VAに設定することによって前述した作用効果を確実に得る様に構成されているが、VB≧VAとなる様に設定されていれば、前述した作用効果を得ることが可能となる。
尚、補助ローラ47の外周面を弾性材料(本実施形態ではゴム材)によって形成すれば、前記作用効果を安価に得ることが可能となる。
【0055】
また、上述の様な補助ローラ47によるロール紙P先端のガイド機能を、図12に示す様な構成によっても実現することができる。図12において、補助ローラ47の装置後方側には突き当てロッド48と歯車49とが配設されている。突き当てロッド48の上面には凹凸が形成され、従ってラック機構によって歯車49が図12の反時計方向に回動すると、突き当てロッド48は図12(A)に示す様にロール紙Pに向かって進出し、歯車49が図12の時計方向に回動すると図12(B)に示す様にロール紙Pから退避する。従って、図12(A)に示す様にロール紙P先端が補助ローラ47に当接する際に、突き当てロッド48をロール紙P先端部分の裏面から突き当てれば、図12(B)に示す様にロール紙P先端を下流側へ正しく流すことが可能となる。
【0056】
次に、以上説明した巻き癖矯正装置2のその他の作用効果について、図4および適宜その他の図面をも参照しながら説明する。先ず、前述の通り挟圧ローラ37は、回動駆動される駆動ローラ33と、該駆動ローラ33の周面に対して押圧状態で接する周面を有し、且つ、駆動ローラ33に圧接する位置を変位可能に配設される従動ローラ35とから構成されているので、操作レバー75(図5または図8参照)を操作して従動ローラ35を変位させれば、ロール紙Pが補助ローラ47に進む角度を自在に変更することができる。つまり、ロール紙Pを湾曲させる際の曲率を自在に変更することができるので、従ってロール紙Pの紙質、使用環境等に応じて従動ローラ35を変位させれば、より適切な巻き癖の矯正を行うことが可能となる。
【0057】
特に、巻き癖の矯正程度が強いと、ロール紙Pが当初の巻き癖とは逆方向に湾曲する現象が発生する(以下これを「オーバーデカール」と言う)。そして、オーバーデカールがロール紙Pの先端部分に発生すると、ロール紙P先端が記録ヘッド21に接触して印刷面を汚したり、第1排紙ローラ26或いは第2排紙ローラ27に正しくニップされずに紙ジャムとなったりする虞がある。そこで、ロール紙Pの紙質に応じて従動ローラ35を変位させ、巻き癖の矯正程度を調節すれば、この様な不具合を防止することができる。
【0058】
次に、挟圧ローラ37がロール紙Pを鉛直下方に繰り出す様な従動ローラ35の位置(図8(B)に示す状態)では、挟圧ローラ37から繰り出されたロール紙Pと、補助ローラ47を通過したロール紙Pとのなす角度が、搬送経路を側視して略直角をなす様に構成されている(図4参照)。従って、ロール紙Pは進行方向を急角度で変え、これによってロール紙Pには小さい曲率の湾曲状態が形成され、以て当該従動ローラ35の位置においてはロール紙Pが写真画質を実現する厚手のコート紙の様なものであっても確実に巻き癖を矯正することが可能となる。
【0059】
尚、本実施形態においては、挟圧ローラ37がロール紙Pを鉛直下方に繰り出す様な従動ローラ35の位置(図8(B)に示す状態)において、駆動ローラ33と従動ローラ35とのニップ点から補助ローラ47外周面に接触するまでの経路長が8mm以下に設定されているので、これによってロール紙Pに形成される湾曲状態がより一層強くなり、以て巻き癖を確実に矯正する様になっている。
【0060】
続いて、本実施形態に係る巻き癖矯正装置2は、ロール紙P先端部分の巻き癖を、先端部分以降の巻き癖よりも緩やかに矯正する様に構成されている。より詳しくは、ロール紙P先端部分が補助ローラ47を通過する際の挟圧ローラ37の周速度VA1を、ロール紙P先端部分以降が補助ローラ47を通過する際の挟圧ローラ37の周速度VA2よりも大なる様に設定している。
【0061】
即ち、オーバーデカールに伴う不具合は、オーバーデカールしたロール紙P先端が紙経路途中で引っ掛かったり、或いは、記録ヘッド21に擦れるといったことであり、従ってロール紙P先端部分のみのオーバーデカールが低減或いは除去されていれば、ロール紙P先端部分以降のオーバーデカールがある程度顕著であっても正常な印刷動作を行い、且つ、正常な印刷品質を得ることは可能となる。この様な観点から、本実施形態においては前述した手段によってロール紙P先端部分の巻き癖を、ロール紙P先端部分以降の巻き癖よりも緩やかに矯正する様に構成したので、従って例えば、ロールRの巻き始め部分の巻き癖が強いことに鑑みて、巻き癖を確実に矯正すべく、挟圧ローラ37と補助ローラ47との配設間隔を小さく設定する等によって湾曲形成部の曲率を小さく設定した様な場合でも、ロール紙P先端部分については巻き癖が緩やかに矯正される為、ロール紙P先端部分のオーバーデカールが低減或いは防止され、以て適切な印刷結果を得ることが可能となる。
【0062】
尚、本実施形態では前述の通り挟圧ローラ37の周速度VAを調節することによって巻き癖の矯正程度を調節している為、巻き癖の矯正程度を調節する為の専用の構成部品が不要となり、以て巻き癖矯正装置2の低コスト化を計っているが、前述した通り巻き癖の矯正程度を調節する為の手段としてはこれに限られず、例えば、ロール紙P先端部分が補助ローラ47を通過する際の曲率R1を、ロール紙P先端部分以降が補助ローラ47を通過する際の曲率R2よりも大なる様にすることによっても同様な効果を得ることができる。
【0063】
より具体的には、本実施形態においては手動によって変位動作させる従動ローラ35をモータ等の動力を用いて自動で変位動作させる様に構成し、これによってロール紙Pの補助ローラ47への突入角度を変化させる様に構成することもできるし、或いは、挟圧ローラ37を補助ローラ47に対して進退可能に構成し、挟圧ローラ37と補助ローラ47との間の経路長を変化させる様に構成することもできる。特に、ロール紙Pの紙厚が厚い様な場合には、最初にロール紙P先端部分が補助ローラ47を通過する際の搬送負荷が大なるものとなり、挟圧ローラ37の周速度VA1を充分に大きく設定できない虞があるが、前述の様に補助ローラ47を通過する際の曲率Rを調節する手段によれば、ロール紙Pの紙厚が厚い場合でも、緩やかな曲率で補助ローラ47を無理なく確実に通過させることができ、そしてこれによってロール紙P先端部分のオーバーデカールを低減或いは防止することが可能となる。
【0064】
更に加えて、本実施形態に係る巻き癖矯正装置2は、挟圧ローラ37がロール紙Pの紙送り動作(搬送動作)を行わない休止状態に入る前に、挟圧ローラ37を駆動制御してロール紙P先端を補助ローラ47の上流側に配置する様に構成されている(図10に示す状態)。この理由は、以下の通りである。即ち、ロール紙Pを長期間巻き癖矯正装置2の紙経路中にセットしたままにすると、補助ローラ47によって湾曲された部分に湾曲癖が残ってしまい、従って次に印刷を開始する際には当該湾曲癖の残った部分が紙経路途中で引っ掛かって紙ジャムとなったり、或いは記録ヘッド21との距離が不均一となって印刷品質が低下する等の種々の不具合を招くことになる。
【0065】
また、前述の通りロール紙Pを給送する前記第1の給装経路と、湾曲した給送経路を通過できない厚手の用紙を略水平に手差し給送する前記第2の給送経路とは、巻き癖矯正装置2において交差して合流するので、ロール紙Pが巻き癖矯正装置2にセットされた状態、つまり、ロール紙Pが挟圧ローラ37と補助ローラ47との間の紙経路に存在する状態では、前記第2の給送経路を利用することができず、従って前記第2の給送経路を利用するにはロール紙Pを予め除去しておかなければならない。
【0066】
そこで、本実施形態に係る巻き癖矯正装置2は、前述の通り挟圧ローラ37がロール紙Pの搬送動作を行わない休止状態に入る前に、挟圧ローラ37を駆動制御してロール紙P先端を補助ローラ47の上流側に配置し、これによって前記第2の給送経路を開放する様に構成されている為、ロール紙Pには長期に渡って巻き癖矯正の為の湾曲状態が形成されず、ロール紙Pには湾曲癖が残らないし、次に前記第2の給送経路を利用する際にも、特別な作業を必要とせず直ちに印刷を実行することが可能となる。
【0067】
尚、挟圧ローラ37がロール紙Pの搬送動作を行わない休止状態とは、挟圧ローラ37によるロール紙Pの紙送り動作を以降に控えていない状態(次の紙送り動作を行うまでの時間が未定の状態)を意味し、例えば、プリンタ1において一連の印刷ジョブが終了し、且つ、次の印刷ジョブが控えていない状態をいう。
【0068】
ところで、巻き癖矯正装置2は、休止状態に入る前にロール紙P先端を補助ローラ47の上流側に配置する際に、ロール紙P先端が挟圧ローラ37に挟持された状態を保持する様に構成されている。従って、次に紙送り動作を開始する際にロール紙P先端を挟圧ローラ37に通紙する作業が不要となり、以て容易に次回のロール紙Pの紙送り動作を実行することが可能となっている。
【0069】
<3.動力伝達装置の構成および作用効果>
次に、図13乃至図16を参照しつつ、駆動モータ81から挟圧ローラ37および補助ローラ47へ動力を伝達する動力伝達装置80の構成および作用効果について説明する。ここで、図13および図14は動力伝達装置80を構成する歯車輪列の正面図、図15はロックピン89(後述)の動作を示す説明図、図16は遊星レバー95(後述)の動作を示す説明図である。
【0070】
先ず、動力伝達装置80の大略について説明する。動力伝達装置80は図1に示す様にプリンタ1の基体を構成するサイドフレーム左8bに設けられている。図13に示す様に、サイドフレーム左8bの前方側(図13の右側)には駆動モータ81が、その回動軸81aがサイドフレーム8bがなす平面と直交する様に固設されている。また、サイドフレーム8bには、円盤面がサイドフレーム左8bのなす平面と平行になる様に複数の歯車が設けられ、動力伝達装置80の歯車輪列を構成している。そして、該歯車輪列を介して、回動軸81aに取り付けられたピニオン歯車83から、サイドフレーム左8bの後方側(図13の左側)に設けられた、前述した駆動ローラ33の軸端に取り付けられた駆動ローラ歯車121(図5参照)と、補助ローラ軸47aの軸端に取り付けられた補助ローラ歯車119とに動力が伝達される。
【0071】
ここで、動力伝達装置80は、駆動ローラ歯車121および補助ローラ歯車119への動力伝達経路として、伝達歯車103から左方向に動力を伝達する第1の動力伝達経路(歯車輪列)と、伝達歯車109から左方向に動力を伝達する第2の動力伝達経路(歯車輪列)との2つの動力伝達経路を有していて、更に、これら2つの動力伝達経路のいずれか一方を選択的に切り替える動力伝達切り替え手段を有している。図13は、駆動モータ81の回動力を前記第1の動力伝達経路を利用して伝達する様子を示すものであり、図14は、同じく前記第2の動力伝達経路を利用して伝達する様子を示していて、図中の矢印はそれぞれの歯車の回転方向を示している。以上が、動力伝達装置80の大略である。
【0072】
以下、前記第1の動力伝達経路、前記第2の動力伝達経路、前記動力伝達切り替え手段の詳細な構成について説明する。先ず、図13において、前記第1の動力伝達経路は、符号103、105、107、115、117で示す伝達歯車によって形成されていて、当該順に駆動モータ81の動力が伝達され、最終的には伝達歯車115が駆動ローラ歯車121に、伝達歯車117が補助ローラ歯車119に動力を伝達する。また、当該歯車輪列の一番先頭の伝達歯車103へは、遊星歯車87によって動力が伝達される。
【0073】
次に、図13において前記第2の動力伝達経路は、符号109、111、113、115、117で示す伝達歯車によって形成されていて、当該順に駆動モータ81の動力が伝達され、最終的には前記第1の動力伝達経路と同様に、伝達歯車115が駆動ローラ歯車121に、伝達歯車117が補助ローラ歯車119に動力を伝達する。また、当該歯車輪列の一番先頭の伝達歯車109へ動力を伝達するのは、前記第1の動力伝達経路と同様に遊星歯車87となっている。
【0074】
遊星歯車87は太陽歯車85と常に噛合し、且つ、太陽歯車85の周りを遊星回動(公転)する様に構成されている。太陽歯車85は伝達歯車101とによって2段歯車を構成し、ピニオン歯車83、伝達歯車99、伝達歯車101、太陽歯車85、の順に駆動モータ81の回動力が伝達され、そして遊星歯車87が回動(自転)する様になっている。
【0075】
ここで、遊星歯車87は、太陽歯車85と回動中心を同じくし且つ太陽歯車85とは独立して自由回動可能な遊星レバー95に軸支されている。遊星レバー95は円盤形状をなし、外周部には、図13および図14に示す様に径方向寸法を大きくして扇形の形状をなす様に形成された第1係合部95aおよび第2係合部95bとが形成されている。尚、第2係合部95bは、第1係合部95aよりも図13の反時計方向側に設けられ、また、第1係合部95aよりも円周寸法が小なる様に形成されていて、遊星歯車87は、第1係合部95aの部分に取り付けられている。
【0076】
以上により、遊星レバー95が回動すると遊星歯車87が太陽歯車85の周りを遊星回動し、これによって遊星歯車87が、伝達歯車103(第1の動力伝達経路)との噛合状態と、伝達歯車109(第2の動力伝達経路)との噛合状態とを切り替える様になっている。即ち、遊星レバー95と、遊星歯車87とが動力伝達装置80における動力伝達切り替え手段を構成する。
【0077】
続いて、遊星歯車87が伝達歯車103と噛合する遊星レバー95の位置(以下これを「第1の連結位置」と言う)と、遊星歯車87が伝達歯車109と噛合する遊星レバー95の位置(以下これを「第2の連結位置」と言う)とに、当該遊星レバー95を固定するストッパ手段について説明する。図15に示す様に、サイドフレーム左8bに直交する方向に延びるストッパピン89が、サイドフレーム左8bを貫通して遊星レバー95に対して進退可能となる様に設けられている。
【0078】
ストッパピン89は付勢ばね90によって常に遊星レバー95に進出する方向に付勢されていて、遊星レバー95に進出した状態では、図15(A)に示す様にその先端部が遊星レバー95の外周部に形成された第1係合部95a或いは第2係合部95bと係合可能な状態となる様に構成されている(図13および図14も参照)。従ってストッパピン89が遊星レバー95に対して進出した状態では、遊星レバー95の回動動作が規制されることになる。以上により、遊星レバー95に設けられた第1係合部95aおよび第2係合部95bと、ストッパピン89とが、遊星レバー95を前記第1の連結位置および前記第2の連結位置に固定するストッパ手段となる。
【0079】
一方、サイドフレーム左8bの内側(図15の右側)には鉛直方向(図15の紙面表裏方向)に平行な回動軸91aを有する解除レバー91が、ストッパピン89から装置前方側(図15の下側)に設けられている。解除レバー91は回動軸91aからストッパピン89に向かって延びるレバー部91cと、回動軸91aからレバー部91cとは逆方向に延びるキャリッジ係合部91bとを有し、レバー部91cは、ストッパピン89に形成されたレバー係合部89aと係合可能となっている。従って、解除レバー91が回動軸91aを中心に回動すると、レバー部91cが付勢ばね90の付勢力に抗してストッパピン89を退避方向に移動させ、これによってストッパピン89の先端部が遊星レバー95から外れ、遊星レバー95が自由回動可能になる(図15(B)の状態)。
【0080】
ここで、ストッパピン89の進退動作、即ち、解除レバー91の回動動作は、キャリッジ23によって行われる様に構成されている。解除レバー91の前方側(図15の下側)はキャリッジ23の往復動領域となっていて、回動軸91aから延びるキャリッジ係合部91bは、当該キャリッジ23の往復動領域に突出する様に形成されている。従ってキャリッジ23が往復動領域の左端、即ちサイドフレーム左8bの側に移動すると、図15(A)から図15(B)への変化の如くキャリッジ23がキャリッジ係合部91bを押すことによって解除レバー91が回動し、これによってストッパピン89が遊星レバー95から退避する方向に移動する。
【0081】
次に、遊星レバー95の回動動作について詳説する。図13に示す様に、第1の連結位置では第1係合部95aの側壁にストッパピン89が位置し、これによって遊星歯車87を伝達歯車103から離間させる方向に太陽歯車85が回動(図13では時計方向の回動)しても、伝達歯車103との噛合状態が維持される様になっている。そして、当該状態からストッパピン89を退避させ、太陽歯車85を図13の時計方向に回動させると、遊星歯車87が伝達歯車103から離れ、やがて伝達歯車109と噛合する。そして、当該状態でストッパピン89を遊星レバー95へ進出させると、図14に示す様に第2係合部95bの側壁にストッパピン89が位置し、これによって遊星歯車87を伝達歯車109から離間させる方向に太陽歯車85が回動(図14では反時計方向の回動)しても、伝達歯車109との噛合状態が維持される様になっている。
【0082】
以下、以上の様に構成された動力伝達装置80の作用効果について説明する。動力伝達装置80において、駆動モータ81の回動力を伝達歯車103(第1の動力伝達経路)を介して補助ローラ歯車119および駆動ローラ歯車121に伝達する際の速度伝達比h1と、同じく伝達歯車109(第2の動力伝達経路)を介して伝達する際の速度伝達比h2とは、h1=4h2となる様にそれぞれの歯車輪列が構成されている。即ち、伝達歯車109(第2の動力伝達経路)を利用するほうが、低トルクで補助ローラ歯車119および駆動ローラ歯車121を回動駆動することが可能となっている。
【0083】
これは、以下の様な理由による。即ち、前述した様に巻き癖矯正装置2には、ロール紙P先端部分の巻き癖を、先端部分以降の巻き癖よりも緩やかに矯正する為に、ロール紙P先端部分が補助ローラ47を通過する際の挟圧ローラ37の周速度VA1を、ロール紙P先端部分以降が補助ローラ47を通過する際の挟圧ローラ37の周速度VA2よりも大なる様に設定している。ここで、ロール紙P先端が補助ローラ47を通過する際には、ロール紙Pを湾曲させなければならないことから、ロール紙P先端部分以降が補助ローラ47を通過する時よりも搬送負荷が増大し、ロール紙Pが特に厚手の写真用紙等である場合には、前記周速度VA1を充分に大きく設定することができない虞もある。
【0084】
そこで、本実施形態に係る動力伝達装置80は、ロール紙P先端部分が通過する際には伝達歯車109(第2の動力伝達経路)を介して動力を伝達し、これによって挟圧ローラ37を確実に回動駆動すると共に、ロール紙P先端部分以降が通過する際には伝達歯車103(第1の動力伝達経路)を介して動力を伝達することによって最適な動力伝達を行える様になっている。
【0085】
ところで、動力伝達装置80における動力伝達切り替え手段は、遊星歯車87を伝達歯車103(第1の動力伝達経路)および伝達歯車109(第2の動力伝達経路)のいずれにも連結しない非連結位置を備えている。図16(C)は、当該非連結位置を示したものである。ストッパピン89は、前述した様に第1係合部95aにおける第2係合部95bから遠い側の側壁と係合することによって遊星レバー95を第1の連結位置に固定し(図16(A)の状態)、第2係合部95bにおける第1係合部95aから遠い側の側壁と係合することによって遊星レバー95を第2の連結位置に固定する(図16(B)の状態)が、ストッパピン89の進退動作および遊星レバー95の回動動作とのタイミングを調節すれば、ストッパピン89を第1係合部95aと第2係合部95bとの間に配置することもできる。こうすることにより、遊星歯車87は伝達歯車103と伝達歯車109とのいずれにも噛合しない状態を維持することが可能となり、動力伝達装置80が駆動モータ81に対して負荷を与えない状態を形成することができる。
【0086】
つまり、駆動モータ81は、前述した通りプリンタ1において種々の駆動対象(例えば、紙送り駆動ローラ15:図2参照)を駆動する為、動力伝達装置80が駆動モータ81に対して大きな負荷を与えると、例えば紙送り駆動ローラ15によるロール紙Pの精密送り動作に影響を与え、印刷品質が低下する虞もある。しかし、前述の様に動力伝達装置80は無負荷状態を形成することができるので、これによって前述の様な不具合を防止することが可能となる。
【0087】
次に、以下では、挟圧ローラ37によるロール紙Pの紙送り速度(VA:挟圧ローラ37の周速度)と、紙送りローラ19(図2参照)によるロール紙Pの紙送り速度(VC:紙送りローラ19の周速度)との関係について説明する。
図2において、挟圧ローラ37と紙送りローラ19とはいずれも回動駆動されるローラであり、ロール紙Pは、これら2つのローラによる紙送り動作を受けて精密送りされる。従って、ロール紙Pはこれらローラの協働作用によって記録ヘッド21下へと精密送りされることとなり、挟圧ローラ37による紙送り動作と紙送りローラ19による紙送り動作とを同期させることは、適切な印刷結果を得る上で重要となる。
【0088】
そこで、プリンタ1においては、挟圧ローラ37による紙送り速度(挟圧ローラ37の周速度VA)を、紙送りローラ19による紙送り速度(紙送りローラ19の周速度VC)よりも大なる様に設定している。以下、挟圧ローラ37の周速度VAを、紙送りローラ19の周速度VCよりも大なる様にすることによって得られる作用効果について説明する。
【0089】
挟圧ローラ37の下流側近傍には補助ローラ47が配設されていて、ロール紙Pは当該補助ローラ47に当接し、そして湾曲して下流側に進む。従って、補助ローラ47は挟圧ローラ37に搬送負荷を発生させる搬送負荷発生部となり、この様に搬送負荷発生部があると、挟圧ローラ37においてロール紙Pがスリップしたり、或いは挟圧ローラ37が所定量回動しない事態が発生する。すると、補助ローラ47の下流側に位置する紙送りローラ19との同期が取れなくなり、結果として紙送りローラ19によるロール紙Pの精密送り動作に悪影響を及ぼし、印刷品質の低下を招来する虞がある。
【0090】
そこでプリンタ1においては、前述の様に挟圧ローラ37の周速度VAを紙送りローラ19の周速度VBよりも大なる様にすることによって、補助ローラ47の存在によって発生する搬送負荷と、挟圧ローラ37による、紙送りローラ19よりも若干紙送り量が多い紙送り動作とが打ち消し合う様に構成した。従ってこれにより、紙送りローラ19によるロール紙Pの精密送り動作に影響を与えず、適切な印刷品質が得られる様になっている。尚この場合において、補助ローラ47によって発生する搬送負荷の大きさに応じて挟圧ローラ37の周速度VAと紙送りローラ19の周速度VCとが決定されることが望ましい。
【0091】
ところで、挟圧ローラ37の周速度VAが紙送りローラ19の周速度VCよりも大なる場合に、結果として補助ローラ47から下流に進むロール紙Pの進み量が紙送りローラ19による紙送り量よりも多くなる場合もある。この様な場合、補助ローラ47から紙送りローラ19に至る紙経路中においてロール紙Pに撓みが生じることになる。この撓みは、特に1巻分のロールRに連続して印刷を行う様な場合は無視できない大きさとなり、紙経路途中における紙ジャム発生の原因となる虞もある。
【0092】
そこで、本実施形態に係るプリンタ1では、補助ローラ47から紙送りローラ19に至る紙経路中に、ロール紙Pの撓みを規制するガイド手段を設けている。図2において用紙ガイド後上69、用紙ガイド後下71、用紙ガイド前上73、用紙ガイド前下74、紙送り従動ローラホルダ18は当該ガイド手段を構成し、補助ローラ47から紙送りローラ19に向かうロール紙Pは、当該ガイド手段によって表裏面をガイドされ、そして撓みが規制される様になっている。
【0093】
従ってこれにより、補助ローラ47から紙送りローラ19に至る紙経路中においてロール紙Pに極端な撓みが発生し、そして当該撓みが原因となって紙ジャムとなったりする虞が無く、円滑な紙送り動作を実行することが可能となる。尚、この場合において前記ガイド手段によって規制された撓みは、専ら紙送りローラ19におけるスリップ現象を介してロール紙Pが当該紙送りローラ19から下流側に余分に送られることによって解放される。従って、補助ローラ47から下流側に進むロール紙の進み量と、紙送りローラ19による紙送り量との差は、記録ヘッド21における印刷品質を一定以上に維持できる様な差であることが望ましい。
【0094】
また、本実施形態の様にガイド手段を設けてロール紙Pの撓みを規制するのでは無く、補助ローラ47から紙送りローラ19に至る紙経路途中に、ロール紙Pの撓みを紙ジャムを発生させることなく安全に吸収できる様な撓み空間を設けても良い。この場合、ロール紙Pに生じた撓みが紙送りローラ19による精密送り動作に殆ど影響を与えないので、より一層高品質な印刷結果を得ることが可能となる。
【0095】
尚、以上説明した挟圧ローラ37を「第1の搬送ローラ」とし、紙送りローラ19を「第2の搬送ローラ」とし、補助ローラ47を「搬送負荷発生部」とすれば、本実施形態の構成、特に、巻き癖矯正装置2に限定されることなく、前述した作用効果を得ることが可能となる。即ち、搬送媒体を挟持して搬送する「第1の搬送ローラ」と、該第1の搬送ローラの下流近傍に設けられ、該第1の搬送ローラから繰り出された搬送媒体に負荷を与えることによって前記第1の搬送ローラに搬送負荷を発生させる「搬送負荷発生部」と、該搬送負荷発生部の下流に設けられ、搬送媒体を挟持して下流側に精密送りする「第2の搬送ローラ」とを備えた「搬送媒体送り装置」において、前記第1の搬送ローラによる搬送媒体の送り速度が、前記第2の搬送ローラによる搬送媒体の送り速度よりも大なる様に設定されていれば、前記搬送負荷発生部による搬送負荷と、前記第1の搬送ローラによる、前記第2の搬送ローラよりも若干送り量が多い搬送媒体送り動作とが打ち消し合い、これによって前記第2の搬送ローラによる精密送り動作に影響を与えず、適切な搬送動作を行うことが可能となる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、第1の動力伝達経路と、該第1の動力伝達経路よりも速度伝達比の小なる第2の速度伝達経路とを有し、動力伝達切り替え手段によっていずれか一方を選択的に切り替え可能となっているので、ロール紙を搬送する挟圧ローラに最も回動負荷が掛かる時、つまり、ロール紙先端部分が湾曲形成部を通過する際に前記第2の動力伝達経路を選択すれば、駆動モータに必要以上の負荷を掛けない様にすることができ、以て前記駆動モータを駆動源とする搬送ローラ等の送り精度低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタの外観斜視図である。
【図2】本発明に係るインクジェットプリンタの側断面概略図である。
【図3】本発明に係るインクジェットプリンタの制御系のブロック図である。
【図4】巻き癖矯正装置の側断面図である。
【図5】揺動フレームの外観斜視図である。
【図6】挟圧ローラの側面図である。
【図7】従動ローラホルダの外観斜視図である。
【図8】揺動フレームの側面図である。
【図9】巻き癖矯正装置の側断面図である。
【図10】巻き癖矯正装置の側断面図である。
【図11】巻き癖矯正装置の挟圧ローラの他の実施形態を示す斜視図である。
【図12】巻き癖矯正装置の、補助ローラの他の実施形態を示す側断面図である。
【図13】動力伝達装置の歯車輪列の正面図である。
【図14】動力伝達装置の歯車輪列の正面図である。
【図15】ロックピンの動作を示す説明図である。
【図16】遊星レバーの動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
2 ロール紙の巻き癖矯正装置
5 給紙装置
8 フレーム
8a サイドフレーム右
11 ロール紙供給装置
12 紙検出器
13 給紙ローラ
19 紙送りローラ
20 キャリッジモータ
21 印刷ヘッド
23 キャリッジ
26 第1排紙ローラ
27 第2排紙ローラ
37 挟圧ローラ
47 補助ローラ
50 揺動フレーム
63 ロール紙検出器
80 動力伝達装置
85 太陽歯車
87 遊星歯車
89 ロックピン
95 遊星レバー
99〜117 伝達歯車
119 補助ローラ歯車
121 駆動ローラ歯車
R ロール紙ロール
P ロール紙[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a recording apparatus including a roll paper curl correction device that corrects curl of the roll paper by a bending unit that curves the roll paper.
[0002]
[Prior art]
In recording apparatuses represented by FAX, printers, and the like, roll paper capable of performing recording (printing) over a long length is used. In recent years, in consumer printers that realize photographic image quality, roll paper is used. A material that can be printed on the same level as a silver salt photograph has been developed.
[0003]
On the other hand, roll paper has a different characteristic from ordinary cut paper, that is, because it is wound into a roll, it has the property that curls remain after unrolling. Inconvenience may occur in subsequent handling. Therefore, in order to prevent this, various forms of roll paper curl correction devices for correcting curl are obtained by curving (decaling) the unrolled roll paper in the opposite direction to the curl. Has been implemented by.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in a printer, a plurality of driving objects are generally driven by a single driving motor to reduce the cost. Therefore, when the roll paper curl correction device includes a curve forming portion that forms a curved state on the roll paper and a pressure roller that conveys the roll paper to the curve forming portion, the driving of the pressure roller The cost can be reduced by using a drive motor for a conveyance roller that precisely feeds roll paper.
[0005]
However, since the roll paper proceeds downstream while being bent by the curve forming portion, a large driving load is applied to the pressure roller that transports the roll paper to such a curve forming portion. Therefore, if the conveying roller that precisely feeds the roll paper toward the recording head is rotationally driven while the nipping roller is rotationally driven, the feeding accuracy of the conveying roller may be reduced. Such a problem becomes most prominent when the leading end of the roll paper passes through the curve forming portion, that is, when the load is most applied to the nipping roller.
[0006]
Accordingly, the present invention has been made in view of the above problems, and the problem is that when the roll paper curl correction device uses the driving source of the transport roller that precisely feeds the roll paper to the recording unit, the precision feeding is performed. The purpose is to prevent a decrease in accuracy and maintain an appropriate recording operation.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, a recording apparatus according to
[0008]
According to the first aspect of the present invention, the roll paper curl correction device is configured to use, as a drive source, a drive motor that rotationally drives a conveyance roller that precisely feeds the roll paper toward the recording head. Even in this case, it is possible to prevent a decrease in the feeding accuracy of the transport roller and maintain an appropriate recording operation. That is, the roll paper curl correction includes a pinching roller that conveys the roll paper toward a curve forming portion that curves the roll paper, and the pinching roller includes a drive motor that rotationally drives the conveyance roller. Since it is a drive source, when a rotational load is applied to the pinching roller, the drive motor is affected, and therefore the feeding accuracy of the transport roller is affected.
[0009]
However, in the roll paper curl correction device according to
[0010]
The recording apparatus according to
[0011]
According to the second aspect of the present invention, the power transmission switching means rotates a planet around the sun gear and the sun gear, and the first power transmission path and the second are rotated by the planet rotation. Since the connection with the power transmission path is switched, the power transmission switching means can be configured simply and in a space-saving manner.
[0012]
According to a third aspect of the present invention, there is provided the recording apparatus according to the second aspect, wherein the stopper means is provided with a first engaging portion provided for the first coupling position and the second coupling position, respectively, in the planetary lever. The second engaging portion includes a stopper pin that is provided so as to be capable of advancing and retreating with respect to the planetary lever and that engages with the first engaging portion and the second engaging portion by advancing. And
[0013]
According to the invention of claim 3 of the present application, the stopper means is provided so as to advance and retreat with respect to the first engaging portion and the second engaging portion provided on the planetary lever and to the planetary lever. Accordingly, the planetary lever is not rotated in either the left or right direction or the left or right direction by the stopper pin. The stopper pin engages with the first engaging portion and the second engaging portion. Can be securely fixed.
[0014]
A recording apparatus according to a fourth aspect of the present invention is the recording apparatus according to the third aspect, wherein a carriage that is reciprocally movable in a main scanning direction is configured to be engageable with the stopper pin, and the carriage of the stopper pin is controlled by driving the carriage. The advancing / retreating operation with respect to the planetary lever can be executed.
[0015]
According to the fourth aspect of the present invention, since the stopper pin is configured to be able to execute the advance / retreat operation with respect to the planetary lever by controlling the carriage to drive, the drive system for executing the advance / retreat operation of the stopper pin. Therefore, it is not necessary to provide a separate device, so that the cost can be reduced.
[0016]
The recording apparatus according to
[0017]
According to the invention of
[0018]
A recording apparatus according to a sixth aspect of the present invention is the recording apparatus according to any one of the first to fifth aspects, wherein the speed V at which the leading end of the roll paper passes through the curve forming portion A1 Is the speed V at which the roll paper tip and subsequent portions pass through the curve forming portion. A2 It is characterized by being set so as to be larger than.
[0019]
If the degree of curl correction is strong, the roll paper will bend in a direction opposite to the original curl direction (hereinafter referred to as “over-decal”). When the over decal is generated at the leading end portion of the roll paper, there is a problem that the leading end of the roll paper is caught in the conveyance path of the recording apparatus or rubbed against the recording head. Accordingly, in the invention according to claim 6 of the present application, the speed V at which the leading end portion of the roll paper passes through the curve forming portion. A1 , The speed V at which the roll paper leading end portion passes through the curve forming portion A2 Therefore, the curl at the leading end of the roll paper is gently corrected, and thus overdecal can be reduced or prevented at low cost and easily.
[0020]
A recording apparatus according to a seventh aspect of the present invention is the recording apparatus according to any one of the first to sixth aspects, wherein the pinching roller is in contact with a driving roller that is rotationally driven in a pressed state with respect to a circumferential surface of the driving roller. And a driven roller having a peripheral surface and disposed so as to be displaceable at a position in pressure contact with the drive roller.
[0021]
According to the seventh aspect of the present invention, the pinching roller has a driving roller that is rotationally driven, and a peripheral surface that is in contact with the peripheral surface of the driving roller in a pressed state, and the driving roller. Since the follower roller is disposed so that the position where it is pressed against can be displaced, the direction in which the roll paper is fed (traveling direction) can be changed by displacing the follower roller, thereby changing the curvature of the decal. Therefore, the degree of curl correction can be easily and freely adjusted.
[0022]
The recording apparatus according to an eighth aspect of the present invention is the recording apparatus according to any one of the first to seventh aspects, wherein the curved forming portion is disposed at a position where the curved forming portion comes into contact with the roll paper fed out from the pinching roller. A predetermined curved state is formed in the roll paper by changing the direction, and an auxiliary roller is provided that guides the roll paper to the downstream side by rotating.
[0023]
According to the eighth aspect of the present invention, the roll paper proceeds to the auxiliary roller while being sandwiched by the pressure roller, is curved by changing the traveling direction by the auxiliary roller, and proceeds to the downstream side. Therefore, the portion that gives a strong external force when the roll paper is curved (the outside of the portion curved by the bending means (curved portion)) is constituted by the rotating auxiliary roller. Even in the case where strong curl correction is performed by reducing the length, it is possible to smoothly advance the roll paper to the downstream side.
[0024]
The recording apparatus according to
[0025]
According to the ninth aspect of the present invention, the roll paper can appropriately pass through the curve forming portion that forms the curved state on the roll paper. That is, when the roll paper is configured to abut against the auxiliary roller at a steep angle, when the roll paper front end abuts on the auxiliary roller, the roll paper front end is in the reverse direction (the direction in which the roll paper should travel (downstream direction)). May be bent in the opposite direction), resulting in a paper jam. However, in the present invention, the peripheral speed V of the auxiliary roller is B The peripheral speed V of the outer periphery of the pressure roller A It is set to be larger than. Therefore, the leading edge of the roll paper comes into contact with the auxiliary roller that rotates at a paper feeding speed faster than the paper feeding speed by the pinching roller, so that the leading edge of the roll paper is appropriately guided to the downstream side. It is possible to pass through appropriately.
[0026]
The recording apparatus according to claim 10 of the present application is the recording apparatus according to any one of
[0027]
According to the invention of
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
1. Inkjet printer configuration
2. Configuration and operational effect of roll paper curl correction device
3. Configuration and operation effect of power transmission device
Will be described in the order.
[0029]
<1. Configuration of inkjet printer>
The configuration of an ink jet printer (hereinafter simply referred to as “printer”) 1 according to an embodiment of the present invention will be outlined below with reference to FIGS. 1 to 3. 1 is an external perspective view of the printer 1 (with an external cover removed), FIG. 2 is a schematic side sectional view of the
[0030]
1 and 2, the
[0031]
More specifically, the
[0032]
Here, the first feeding path for feeding the roll paper is referred to as a roll paper curl correction device (hereinafter referred to as “curl curl correction device”), which is disposed obliquely forward and downward from the roll paper supply device 11. ) 2, and after passing through the
[0033]
The
[0034]
The
[0035]
A
[0036]
Next, a first
[0037]
The
[0038]
<2. Configuration and effects of roll paper curl correction device>
Next, the configuration of the
[0039]
First, an outline of the
[0040]
More specifically, the pinching
Both the driving
[0041]
Here, the roll paper P fed out of the roll R in the
[0042]
From the above, the
[0043]
A
The above is the outline of the
[0044]
Next, the configuration of the
[0045]
The
[0046]
The driven
[0047]
More specifically, the driven
[0048]
Subsequently, the
[0049]
Here, since the driven
[0050]
It should be noted that the
[0051]
By the way, the
[0052]
Next, the configuration of the
[0053]
The
[0054]
Here, the rotational speed of the
If the outer peripheral surface of the
[0055]
Further, the guide function of the leading edge of the roll paper P by the
[0056]
Next, other functions and effects of the
[0057]
In particular, when the degree of curl correction is strong, a phenomenon occurs in which the roll paper P bends in the opposite direction to the initial curl (hereinafter referred to as “over-decal”). When the over decal is generated at the leading end portion of the roll paper P, the leading end of the roll paper P comes into contact with the
[0058]
Next, in the position of the driven roller 35 (the state shown in FIG. 8B) where the nipping
[0059]
In the present embodiment, the nip between the driving
[0060]
Subsequently, the
[0061]
That is, the problem with over-decal is that the tip of the roll paper P that has been over-decal is caught in the middle of the paper path or rubs against the
[0062]
In this embodiment, as described above, the peripheral speed V of the pinching
[0063]
More specifically, in the present embodiment, the driven
[0064]
In addition, the
[0065]
Further, as described above, the first feeding path for feeding the roll paper P and the second feeding path for manually feeding thick paper that cannot pass through the curved feeding path substantially horizontally include: Since the
[0066]
Therefore, the
[0067]
The resting state in which the nipping
[0068]
By the way, the
[0069]
<3. Configuration and effect of power transmission device>
Next, the configuration and operational effects of the
[0070]
First, an outline of the
[0071]
Here, the
[0072]
Hereinafter, detailed configurations of the first power transmission path, the second power transmission path, and the power transmission switching unit will be described. First, in FIG. 13, the first power transmission path is formed by transmission gears denoted by
[0073]
Next, in FIG. 13, the second power transmission path is formed by transmission gears denoted by
[0074]
The
[0075]
Here, the
[0076]
As described above, when the
[0077]
Subsequently, the position of the
[0078]
The
[0079]
On the other hand, on the inner side of the
[0080]
Here, the advance / retreat operation of the
[0081]
Next, the rotation operation of the
[0082]
Hereinafter, the function and effect of the
[0083]
This is due to the following reasons. That is, as described above, the curl
[0084]
Therefore, the
[0085]
By the way, the power transmission switching means in the
[0086]
That is, since the
[0087]
Next, in the following, the paper feed speed (V A : Peripheral speed of the pressure roller 37) and the paper feed speed (V) of the roll paper P by the paper feed roller 19 (see FIG. 2). C : Peripheral speed of the paper feed roller 19).
In FIG. 2, the nipping
[0088]
Therefore, in the
[0089]
An
[0090]
Therefore, in the
[0091]
By the way, the peripheral speed V of the
[0092]
Therefore, in the
[0093]
Accordingly, there is no risk that the roll paper P will be extremely bent in the paper path from the
[0094]
In addition, the guide means is not provided to restrict the bending of the roll paper P as in this embodiment, but the paper jam occurs due to the bending of the roll paper P in the middle of the paper path from the
[0095]
In this embodiment, the nipping
[0096]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the power transmission switching means includes the first power transmission path and the second speed transmission path having a speed transmission ratio smaller than that of the first power transmission path. Since either one of them can be selectively switched by the above-mentioned, when the rotational load is most applied to the pinching roller that conveys the roll paper, that is, when the leading edge of the roll paper passes through the curve forming portion, If the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an external perspective view of an ink jet printer according to the present invention.
FIG. 2 is a schematic side sectional view of an ink jet printer according to the present invention.
FIG. 3 is a block diagram of a control system of the ink jet printer according to the present invention.
FIG. 4 is a side sectional view of the curl correction apparatus.
FIG. 5 is an external perspective view of a swing frame.
FIG. 6 is a side view of the pinching roller.
FIG. 7 is an external perspective view of a driven roller holder.
FIG. 8 is a side view of the swing frame.
FIG. 9 is a side sectional view of the curl correction apparatus.
FIG. 10 is a side sectional view of the curl correction apparatus.
FIG. 11 is a perspective view showing another embodiment of the pinching roller of the curl correction apparatus.
FIG. 12 is a side sectional view showing another embodiment of the auxiliary roller of the curl correction apparatus.
FIG. 13 is a front view of a tooth wheel train of the power transmission device.
FIG. 14 is a front view of a tooth wheel train of the power transmission device.
FIG. 15 is an explanatory diagram showing the operation of the lock pin.
FIG. 16 is an explanatory view showing the operation of the planetary lever.
[Explanation of symbols]
1 Inkjet printer
2 Roll paper curl correction device
5 Paper feeder
8 frames
8a Side frame right
11 Roll paper supply device
12 Paper detector
13 Paper feed roller
19 Paper feed roller
20 Carriage motor
21 Print head
23 Carriage
26 First paper discharge roller
27 Second paper discharge roller
37 Nipping roller
47 Auxiliary roller
50 Swing frame
63 Roll paper detector
80 Power transmission device
85 Sun Gear
87 Planetary Gear
89 Lock pin
95 Planetary lever
99-117 Transmission gear
119 Auxiliary roller gear
121 Drive roller gear
R roll paper roll
P roll paper
Claims (10)
該記録ヘッドへ向けてロール紙を精密送りする搬送ローラと、
該搬送ローラを回動駆動する駆動モータと、
前記搬送ローラの上流側または下流側に設けられ、ロール紙を湾曲させる湾曲手段によってロール紙の巻き癖を矯正するロール紙の巻き癖矯正装置と、を備えた記録装置であって、
前記湾曲手段が、ロール紙を挟持して搬送する、前記駆動モータを駆動源とする挟圧ローラと、
該挟圧ローラの下流側近傍に配置され、巻き癖に対してロール紙を逆方向に湾曲させる湾曲形成部と、からなり、
前記駆動モータから前記挟圧ローラへ動力を伝達する動力伝達装置が、前記駆動モータから前記挟圧ローラへ動力を伝達する第1の動力伝達経路と、該第1の動力伝達経路よりも速度伝達比の小なる第2の動力伝達経路と、のいずれか一方を選択的に切り替える動力伝達切り替え手段を有し、
前記動力伝達切り替え手段が、ロール紙先端部分以降が前記湾曲形成部を通過する際に前記第1の動力伝達経路を選択し、
ロール紙先端部分が前記湾曲形成部を通過する際に前記第2の動力伝達経路を選択する様に構成されている、
ことを特徴とする記録装置。A recording head for recording on a recording material;
A transport roller for precisely feeding the roll paper toward the recording head;
A drive motor for rotationally driving the transport roller;
A roll paper curl correction device that is provided on the upstream side or downstream side of the transport roller and corrects the curl of the roll paper by a bending means for curving the roll paper,
A clamping roller using the drive motor as a drive source, the bending means sandwiching and transporting the roll paper;
A curve forming portion that is disposed in the vicinity of the downstream side of the pinching roller and curves the roll paper in the reverse direction with respect to the curl,
A power transmission device for transmitting power from the drive motor to the pinching roller has a first power transmission path for transmitting power from the drive motor to the pinching roller, and a speed transmission from the first power transmission path. A power transmission switching means for selectively switching one of the second power transmission path having a small ratio;
The power transmission switching means selects the first power transmission path when the roll paper leading end portion passes through the curve forming portion;
The second power transmission path is configured to be selected when a roll paper tip passes through the curve forming portion.
A recording apparatus.
該太陽歯車の周りを遊星回動する遊星歯車と、
回動可能に設けられ、回動することにより、前記遊星歯車が前記第1の動力伝達経路に連結する第1の連結位置と、前記第2の動力伝達経路に連結する第2の連結位置と、を変位する、前記遊星歯車を軸支する遊星レバーと、
前記遊星レバーを前記第1の連結位置および前記第2の連結位置に固定するストッパ手段と、
からなることを特徴とする記録装置。In Claim 1, the power transmission switching means, a sun gear that rotates by the rotation of the drive motor,
A planetary gear rotating around the sun gear;
A first connection position where the planetary gear is connected to the first power transmission path, and a second connection position where the planetary gear is connected to the second power transmission path. A planetary lever that pivotally supports the planetary gear,
Stopper means for fixing the planetary lever to the first connection position and the second connection position;
A recording apparatus comprising:
前記遊星レバーに対して進退可能に設けられ、進出することによって前記第1の係合部および前記第2の係合部と係合するストッパピンと、
からなることを特徴とする記録装置。The first engagement portion and the second engagement portion provided in the planetary lever for the first connection position and the second connection position, respectively, according to claim 2,
A stopper pin which is provided so as to be able to advance and retreat with respect to the planetary lever, and engages with the first engagement portion and the second engagement portion by advancing,
A recording apparatus comprising:
前記キャリッジを駆動制御することにより、前記ストッパピンの前記遊星レバーに対する進退動作を実行可能に構成されている、ことを特徴とする記録装置。In Claim 3, the carriage provided to be reciprocable in the main scanning direction is configured to be engageable with the stopper pin,
A recording apparatus, wherein the carriage is configured to be capable of executing an advance / retreat operation of the stopper pin with respect to the planetary lever by driving and controlling the carriage.
該駆動ローラの周面に対して押圧状態で接する周面を有し、且つ、前記駆動ローラに圧接する位置を変位可能に配設される従動ローラと、
からなることを特徴とする記録装置。The driving roller according to any one of claims 1 to 6, wherein the pinching roller is rotationally driven,
A driven roller having a peripheral surface in contact with the peripheral surface of the drive roller in a pressed state, and disposed so as to be able to displace a position in pressure contact with the drive roller;
A recording apparatus comprising:
ことを特徴とする記録装置。In any 1 item | term of the Claims 1-7, the said curve formation part is arrange | positioned in the position contact | abutted with the roll paper extended | stretched from the said pinching roller, and a roll paper is changed to predetermined | prescribed roll paper by changing the advancing direction of roll paper It is configured by an auxiliary roller that forms a curved state and guides the roll paper to the downstream side by rotating.
A recording apparatus.
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