JP3755519B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば身体障害者や老人等(以下、単に着座者という)が車両への乗降を楽に行えるようにした車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシートとしては、例えば特許第3127901号公報等に開示されたものが提供されていた。この従来の車両用シートは、シート本体と前後の車輪を備え、車椅子として単独で使用することができるシート装置と、このシート装置を連結して車室内と車室外との間で移動させるためのシート移動装置を備えたもので、着座者はシート本体に着座したままの状態で車両への乗降を行うことができるとともに、シート装置をシート移動装置から分離すればそのまま車椅子として転用することができたので、車両への乗降だけでなく車室外における移動をも楽に行うことができた。
【0003】
【特許文献1】
特許第3127901号公報
【特許文献2】
特開平6−144091号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の車両用シートにも以下のような改善すべき問題があった。すなわち、上記従来のシート装置は、前後の車輪の支持構造について、座面の前側に前輪ステーを回動可能に支持し、座面の後ろ側に後輪ステーを回動可能に支持して、前輪ステーを後方へ回動して前輪を格納し、後輪ステーを前方へ回動して後輪を格納する構成となっていた。このため、通常大径の後輪が座面の前側へ格納されることになるため、格納した後輪が着座者の邪魔にならないよう後輪は座面よりもやや下側となる位置に格納せざるを得ず、その結果、座面下側の車輪格納スペースが大きくなり、ひいては車室内におけるシート本体の高さ(着座高さ)が他の一般的なシートよりも高くなって、着座者が孤立感を感じてしまう問題があった。
そこで、本発明は、この種のシート装置における車輪の格納構造を改善することにより、車室内におけるシート本体の高さを低くすることができる車両用シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、前記各請求項に記載した構成の車両用シートとした。
請求項1記載の車両用シートによれば、シート移動装置によりシート装置を車室内に移動すればこのシート装置は、車室内のシートして使用される。一方、シート移動装置によりシート装置を車室外へ移動させることによりこのシート装置は、シート移動装置から切り離されて車椅子として使用される。
シート装置を車室外において車椅子として使用する場合には前輪ステーおよび後輪ステーが下方へ回動されて前後の車輪が座面の下方へ取り出される。一方、シート移動装置によりシート装置を車室内へ移動させるために前後の車輪を格納する場合には、後輪が後輪ステーの回動支軸よりも後ろ側へ格納される。このため、後輪は座面の後ろ側、例えばシートクッションとシートバックの連結部付近(リクライニング機構部の横付近)へ格納することができる。
【0006】
このように、前輪よりも通常大径の後輪が座面の後ろ側であって、着座者にとって比較的邪魔にならない位置に格納されるので、後輪を座面に対して従来よりも高い位置に格納することができ、これにより座面下側の車輪格納スペースを従来よりも小さくすることができる。これによれば、当該シート装置の車室内における着座高さを低くすることができ、ひいては当該シート装置の座面高さを他の一般的な座席と同等に設定することにより着座者に孤立感を抱かせることがなくなる。
また、後輪ステーは、シート本体に対する回動支軸を座面の前側へ移動させつつ上方へ回動されて後輪を座面の後ろ側へ格納する構成であるので、特開平6−144091号公報に開示されているような伸縮式ステーを折り畳んで格納する構成とは異なって1つの後輪について1本の後輪ステーを設定すれば足り、これにより後輪ステーの座面下側の格納スペースをコンパクトに設定することができるので、この点でも車室内における座面の高さを低く設定することができる。
【0007】
請求項2記載の車両用シートによれば、回動支軸移動装置により後輪側回動支軸が前側へ移動することにより後輪ステーが上方へ回動し、これにより後輪が格納される。このことから、後輪の格納操作は回動支軸移動装置により自動で行われるので、手動により行う構成に比して後輪の取り出し格納操作を楽に行うことができる。
請求項3記載の車両用シートまたは請求項4記載の車両用シートによれば、簡単な構成で、後輪ステーを後ろ側へ回動させることができるので、大きなコストアップまたは構造の複雑化を招くことなく上記作用効果を得ることができる。
請求項5記載の車両用シートによれば、前後輪の取り出し格納操作を簡単に行うことができる。
請求項6記載の車両用シートによれば、前輪の左右間隔(トレッド)を後輪の左右間隔と同等に設定することができるので、シート装置を車室外において車椅子として用いる際における当該シート装置の走行安定性を高めることができる。これに対して、シート本体の側方から見て(側面視)前輪と後輪が相互に重なり合う位置に格納される場合には、前輪の左右間隔を小さくして左右の後輪間に格納する構成とすることが考えられる。この場合には、前輪の左右間隔は、後輪の左右間隔よりも小さくなるので、シート装置を車椅子として用いる際の走行安定性は、前後輪の左右間隔を同等に設定した場合よりも低下する。
一方、前後輪の格納構造において、従来のように前輪ステーを後ろ側へ回動させることにより前輪を前輪ステーの回動支軸に対して後ろ側へ格納し、後輪ステーを前側へ回動させることにより後輪を後輪ステーの回動支軸に対して前側に格納する構成とした場合には、当該シート装置の前後寸法あるいは前後輪のステーの長さ等の関係より格納状態において前後の車輪が側面視相互に重なり合う構成となる場合が多い。この点、請求項6記載の構成によれば、前輪は前輪ステーを後ろ側へ回動させて前輪ステーの回動支軸に対して後ろ側へ格納され、後輪は後輪ステーを後ろ側へ回動させて後輪ステーの回動支軸に対して後ろ側へ格納されるので、格納状態において前後輪を側面視相互に重なり合わない位置に格納する構成を採用しやすくなる。
請求項7記載の車両用シートによれば、スライダを後方へ移動させると作動リンクを介して後輪ステーの下端側が後方へ変位しつつ上方へ回動し、これにより後輪がシートクッションとシートバックの連結部付近に格納されるので、前記請求項1記載の構成による場合と同等の作用効果を得ることができる。この構成の場合、後輪ステーはその回動中心を移動させることなく上下に回動する点で請求項1記載の構成とは異なっている。
請求項8記載の車両用シートによれば、前輪と後輪が連動して格納され、また取り出されるので、前輪と後輪を迅速に格納、取り出しすることができる。
請求項9記載の車両用シートによれば、補助輪によってシート装置の後方への転倒が防止されるとともに、この補助輪が後輪とともに格納、取り出しされるので、当該補助輪の格納し忘れを防止してその破損等を未然に回避することができるとともに、当該補助輪の取り出し忘れを防止して当該補助輪を確実に機能させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明する。図1は、本実施形態の車両用シート1を備えた車両Mを示している。本実施形態では、図示するように当該車両用シート1を助手席に適用した場合を例示する。
この車両用シート1は、車輪を備えて車室外では車椅子として使用可能であり、車室内では乗員が着座するための座席として使用されるシート装置10と、このシート装置10を車室内から車室外へあるいはその逆に車室外から車室内へ移動させるシート移動装置100を備えている。シート装置10は、シート移動装置100に連結された状態で車室内に設置される。本例の車両用シート1は、シート装置10の車輪の格納構造に特徴を有している。シート装置10については後述し、先ずシート移動装置100について説明する。
図2〜図4にはシート移動装置100の詳細が示されている。このシート移動装置100は、シート装置10を車両前後方向へ移動させる前後方向移動機構110と、シート装置10を着座者から見て車両正面向きの位置とドア開口部側へ向いた位置との間でほぼ90゜回転させる回転機構120と、この回転機構120によりドア開口部K側に向いたシート装置10を車室外側へ移動させる車幅方向移動機構130を備えている。
【0009】
以下、このシート移動装置100の各機構110,120,130について説明する。車両MのフロアFには、固定ベース111が取り付けられている。この固定ベース111の上面には、車両前後方向に相互に平行に取り付けたガイドレール112,112を介して前後方向スライドベース113が車両前後方向にスライド可能に設けられている。固定ベース111と前後方向スライドベース113との間には、前後スライドモータ114aとねじ軸114bおよびこれに噛み合うナット114cが介装されている。前後スライドモータ114aおよびねじ軸114bが固定ベース111に取り付けられ、ナット114cが前後方向スライドベース113に取り付けられている。このため、前後スライドモータ114aが起動するとねじ軸114bが回転し、これにより前後方向スライドベース113が車両前方または後方(紙面に直交する方向)へ移動する。
回転機構120は、相互に同軸で回転自在に組み合わされた外輪121と内輪122を有している。外輪121が前後方向スライドベース113の上面に固定され、内輪122が車幅方向移動機構130の回転ベース131の下面に固定されている。前後方向スライドベース113の上面には回転駆動用の電動モータ(回転モータ123)が取り付けられている。この回転モータ123の回転出力は、図示省略した歯車伝達機構を介して内輪122に伝達され、これにより回転ベース131ひいては車幅方向移動機構130およびシート装置10が一体で回転する。
【0010】
次に、車幅方向移動機構130および補助移動機構140の詳細が図5に示されている。車幅方向移動機構130は、上記回転ベース131とこの回転ベース131に対してスライドする車幅方向スライドベース132を備えている。この車幅方向スライドベース132は、回転ベース131に相互に平行に取り付けたスライドレール132a,132aを介してスライド可能に支持されている。スライドレール132a,132aは、シート装置10が車両正面向きの状態では車両前後方向に沿って相互に平行に位置され、シート装置10がドア開口部側に向けられた状態では車幅方向に沿って相互にほぼ平行に位置する状態となる。
また、車幅方向スライドベース132と回転ベース131との間には、車幅方向スライド用の電動モータ134bとねじ軸134aを有する車幅方向駆動装置134が介装されている。回転ベース131側に電動モータ134bが取り付けられるとともにねじ軸134aが回転可能に支持され、このねじ軸134aにかみ合うナット134cが車幅方向スライドベース132側に取り付けられている。このため、シート装置10がドア開口部側へ向けられた状態で電動モータ134bを正転または逆転させてねじ軸134aを回転させると、車幅方向スライドベース132が車幅方向(室外側または室内側、図2〜図4において左右方向)へスライドする。
【0011】
車幅方向スライドベース132の左右両側部には左右一対の四節リンク機構133,133が取り付けられている。両四節リンク機構133,133は、それぞれ上リンクアーム133aと下リンクアーム133bを備えている。両リンクアーム133a,133bは、それぞれ車幅方向スライドベース132の側部に支軸133c,133dを介して上下に回動可能に支持されている。また、左右の下リンクアーム133b,133bは、回転ベース131の先端側に取り付けたアーム受け部材139,139に乗せ掛けられており、車幅方向スライドベース132の移動に伴って両下リンクアーム133b,133bは常時アーム受け部材139,139によって受けられるようになっている。このため、車幅方向スライドベース132の移動により両四節リンク機構133,133が車室外側へ移動すると、その車室外側への移動距離が大きくなるほど下リンクアーム133bの支軸133dとアーム受け部材139との間隔が小さくなるので、上下リンクアーム133a,133bはそれぞれ支軸133c,133dを中心にして下方(図2〜図4において反時計回り方向)へ回動する。両四節リンク機構133,133が下方へ回動すると、後述する補助移動機構140およびシート装置10が下方へ変位する。図4および図5は、この状態を示している。
逆に、車幅方向スライドベース132が車室内側への移動により両四節リンク機構133,133が車室内側へ移動すると、その車室内側への移動距離が大きくなるほど下リンクアーム133bの支軸133dとアーム受け部材139との間隔が大きくなるので、上下のリンクアーム133a,133bはそれぞれ支軸133c,133dを中心にして上方(図2〜図4において時計回り方向)へ回動する。両四節リンク機構133,133が上方へ回動すると、補助移動機構140およびシート装置10が上方へリフトされる。図2および図3はこの状態を示している。
なお、シート装置10を昇降動させる段階でその着座姿勢が保持されるよう、各リンクアーム133a,133bの支点間距離等が適切に設定されている。
【0012】
この左右一対の四節リンク機構133,133の先端部間に上記補助移動機構140が設けられている。この補助移動機構140は、補助ベース135を備えている。この補助ベース135の側部に、両四節リンク機構133,133の上下のリンクアーム133a,133bの先端部が、それぞれ支軸133e,133fを介して回転可能に支持されている。
この補助ベース135の上面側には、矩形に枠組みしたシート連結フレーム150がスライド可能に設けられている。シート連結フレーム150の下面に左右一対のスライドレール136,136が取り付けられている。スライドレール136,136は、シート装置10が車両正面向きの状態では車両前後方向に沿って相互に平行に位置され、シート装置10がドア開口部側に向けられた状態では車幅方向に沿って相互に平行に位置する状態となる。また、補助ベース135の上面には、補助移動用の電動モータ(補助移動モータ137)が取り付けられるとともに、ねじ軸138が回転可能に支持されている。ねじ軸138にかみ合うナット141は、シート連結フレーム150の後端部に取り付けられている。このため、シート装置10がドア開口部側へ向けられた状態で補助移動モータ137を起動してねじ軸138を回転させると、シート連結フレーム150が補助ベース135に対して車幅方向(図2〜図4において左右方向)へスライドする。このシート連結フレーム150にシート装置10が載置される。従って、シート装置10は、車幅方向移動機構130と補助移動機構140により2段階で車幅方向に移動する。
しかも、前記したように車幅方向移動機構130により両四節リンク機構133,133が車室外側へ移動すると、上下リンクアーム133a,133bがその先端側を下方へ変位させる方向に回動するので、補助移動機構140ひいてはシート装置10が車室外側へ移動しつつ下方すなわち路面へ接近する方向へ変位する。
逆に、車幅方向スライド用の電動モータ134bを逆転させると、車幅方向スライドベース132が車室内側へ後退し、これにより両四節リンク機構133,133がその先端側を上方へ変位させる方向に回動する。このため、シート装置10は、円弧状の軌跡を描きながら上方へ変位しつつ車室内側へ戻される。
【0013】
シート装置10はシート連結フレーム150から分離可能に連結される。図6には、シート装置10が単独で(車椅子として使用する状態で)示されている。但し、図6では、シート本体11が二点鎖線で示されている。シート装置10は、シートクッション11aとシートバック11bとこれらを支持するシートフレーム20を有するシート本体11と、シートフレーム20に設けた左右一対の前輪30,30と左右一対の後輪40,40を備えている。
シートフレーム20は、シート受け部21と左右一対のハンドル部22,22を備えている。ハンドル部22,22はそれぞれシート受け部21の後端角部から上方へ延びている。両ハンドル部22,22の上端には、介護者等が当該シート装置10を移動させる際に把持するためのグリップ部22a,22aが設けられている。
次に、前後の車輪30,30、40,40について説明する。前輪30,30および後輪40,40は、それぞれ左右対称に設けられている。図7には、着座者から見て左側の前後輪30,40の支持構造が示されている。先ず、シートフレーム20のシート受け部21の前側角部に、回動支軸31を介して前輪ステー32が上下に回動可能に支持されている。この前輪ステー32の下端部に首振り自在な前輪ホルダー33が取り付けられている。この前輪ホルダー33に前輪30が回転自在に支持されている。左右の前輪ステー32,32は連結バー34により連結されており、従って両前輪ステー32,32ひいては両前輪30,30は一体で取り出し、格納される。
一方、シートフレーム20のシート受け部21の側部には、回動支軸41を介して後輪ステー42が上下に回動可能に支持されている。この後輪ステー42の下端部に後輪40が回転自在に支持されている。両後輪ステー42,42は連結バー44により連結されている。従って、両後輪ステー42,42ひいては両後輪40,40は一体で取り出し、格納される。後輪ステー42の回動支軸41は、シートフレーム20のシート受け部21の側部に沿って移動可能に支持されている。これについては後述する。
後輪ステー42の長手方向ほぼ中間位置と前輪ステー32の上端部は連結リンク35により連結されている。連結リンク35の一端側は支軸35aを介して前輪ステー32の上端部に回転可能に連結され、他端側は支軸35bを介して後輪ステー42の長手方向ほぼ中間位置に回転可能に連結されている。
また、後輪ステー42には、上記支軸35bを介して固定リンク43の一端が回転可能に連結されている。この固定リンク43の他端側は、支軸43aを介してシートフレーム20のシート受け部21の後部に回転可能に連結されている。
【0014】
次に、後輪ステー42を回動支持する回動支軸41は、回動支軸移動装置50によりシートフレーム20のシート受け部21の側部に沿って移動可能に設けられている。回動支軸移動装置50の詳細が図8に示されている。シート受け部21の前部には駆動モータ51が取り付けられている。この駆動モータ51の前部および後部の双方から出力軸51a,51bが突き出されている。両出力軸51a,51bは一体で正転または逆転する。両出力軸51a,51bの出力する回転動力は、シート受け部21の前角部に取り付けた中間伝達ブロック52,52を経てそれぞれねじ軸53に伝達される。両ねじ軸53,53の先端側は、シート受け部21の左右側部に固定した支持ブロック54,54にそれぞれ回転自在に支持されている。また、両ねじ軸53,53にはそれぞれナットブロック55が噛み合い状態で装着されている。このナットブロック55に上記回動支軸41が固定されている。このため、駆動モータ51が起動すると、出力軸51a,51bおよびねじ軸53,53の回転により左右のナットブロック55,55が同じ方向へ同じ速度で同期して移動し、これにより両回動支軸41,41がシート受け部21の側部に沿って移動する。
【0015】
後輪ステー42,42の回動支軸41,41がシート受け部21の側部に沿って前側(図7において左側)へ同期して移動すると、両後輪ステー42,42の長手方向ほぼ中途位置にそれぞれ固定リンク43が連結されているため、両後輪ステー42,42は、図7中二点鎖線で示すようにそれぞれ当該回動支軸41に対して上方(図において反時計回り方向)に回動し、これにより後輪40,40が上方へ変位する。なお、この時、固定リンク43は、支軸43aを中心にして図示時計回り方向に回動する。回動支軸移動装置50により回動支軸41,41が前進端まで移動すると、後輪40,40はシートフレーム20の後端部付近(シートクッション11aの座面の後ろ側)に格納される。
一方、後輪ステー42,42が上方へ回動すると、連結リンク35が、支軸35aを中心にして図示反時計回り方向へ若干回転しながら前方へ変位する。このため、前輪ステー32,32がそれぞれ回動支軸31を中心にして図示反時計回り方向に回動し、これにより前輪30,30が上方へ変位する。後輪ステー42,42の回動支軸41,41が前進端まで移動すると、連結リンク35,35が図中二点鎖線で示す位置まで変位し、これにより前輪30,30が図中二点鎖線で示す位置に格納される。
【0016】
このように、前輪30,30のみならず、後輪40,40が後輪ステー42,42の回動支軸41,41に対して後ろ側へ格納されるので、前輪30,30および後輪40,40をそれぞれシートフレーム20の前後方向中程から後ろ側に至る範囲に格納することができる。これによれば、着座者から見て比較的邪魔にならない部位に前輪30,30および後輪40,40を格納することができるので、これらを従来よりも高い位置まで変位させて格納することができ、これにより格納状態において、シートフレーム20の下方に必要な前後輪30,30、40,40の格納スペースを従来よりも小さくすることができる。従来、後輪はシートフレームの後部に回動可能に支持した後輪ステーを前方(図7において時計回り方向)に回動させて格納する構成であったので、後輪は後輪ステーの回動支軸に対して前側すなわちシートフレームの前側へ格納される構成となっていた。このため、着座者の着座時および乗り移り時の邪魔にならないようにする必要から、後輪をシートフレームに対してあまり高い位置に格納することができず、従ってシートフレームの下方へ大きく張り出した位置に留めて格納する必要があり、その結果シートフレームの下側に大きな格納スペースを必要としていた。また、通常は前輪よりも大径に設定される後輪が着座者から見て前側に格納される構成であったので、この点でもシートフレームの下側に大きな格納スペースを必要としていた。
【0017】
以上のようにして前後連動して格納された前輪30,30および後輪40,40は、回動支軸移動装置50の駆動モータ51を逆転方向に起動することにより、下方へ取り出すことができる。駆動モータ51が逆転すると、両ナットブロック55,55が後ろ側へ移動し、これにより後輪ステー42,42の回動支軸41,41がシート受け部21の側部に沿って前側から後ろ側へ変位する。両後輪ステー42,42の長手方向ほぼ中間位置には固定リンク43,43が連結されているので、回動支軸41,41が後ろ側へ移動すると、両後輪ステー42,42は、回動支軸41に対して時計回り方向へ回動し、これにより両後輪40,40が下方へ取り出される。また、回動支軸41,41が後ろ側へ移動しながら両後輪ステー42,42が時計回り方向に回動すると、連結リンク35,35がそれぞれ支軸35aを中心にして若干時計回り方向に回転しながら後ろ側へ変位する。このため、前輪ステー32,32がそれぞれ回動支軸31を中心にして時計回り方向に回動し、これにより両前輪30,30が下方へ取り出される。
【0018】
以上のように構成されたシート装置10のシート受け部21の下面に、前記したシート移動装置100のシート連結フレーム150が連結されて、当該シート装置10がシート移動装置100に連結される。図9に示すようにシート受け部21の後部には、連結プレート60が下方へ張り出すように設けられている。この連結プレート60には2つの逆V字形の連結凹部61,61が下方に開口する向きで形成されている。両連結凹部61,61の間隔は、シート連結フレーム150の左右幅に一致している。両連結凹部61,61の口元には、下側ほど間口が大きくなる向きに傾斜する案内傾斜部61aが設けられている。
シート連結フレーム150がシート受け部21の下方に入り込むように当該シート装置10を後退させ、然る後シート移動装置100を上昇側に作動させると、シート連結フレーム150が両連結凹部61,61内に入り込むとともにシート受け部21の下面側に当接され、これによりシート装置10がシート連結フレーム150ひいてはシート移動装置100に対して位置決めされた状態で連結される。シート移動装置100の上昇側への作動は、車幅方向スライド用の電動モータ134bを逆転させて四節リンク機構133,133を上方へ回動させることによりなされる。
【0019】
その後、シート移動装置100がさらに上昇側に作動することにより、シート装置10の前後輪30,30、40,40が路面から浮き上がり、然る後、前後の車輪30,30、40,40が前記したように回動支軸移動装置50の作動により格納される。
前後の車輪30,30、40,40を格納した後、車幅方向スライド用の電動モータ134bが再度逆転して両四節リンク機構133,133が車室内側へ後退しつつ上昇し、これによりシート装置10が上昇しつつ室内側へ戻される。この状態が図4→図3に示されている。
次に、補助移動モータ137が逆転してシート連結フレーム150およびシート装置10が室内側へスライドされ、これにより補助移動機構140が原位置に戻される。この状態が図3→図2に示されている。こうしてシート装置10が車室内に戻された後、回転機構120および前後方向移動機構110によりシート装置10が車両後方へ移動しながらドア開口部Kに向いた位置から車両正面向きの位置まで回転する。以上で、シート装置10は車椅子として使用する車室外から車室内の所定位置まで移動され、これにより車室内の乗員用座席として使用される。この間、着座者はシート装置10に着座した状態のままでよいので、車両への乗降を極めて楽に行うことができる。逆に、シート装置10を車室内から車室外へ移動させる際には上記と逆の手順により行われる。
【0020】
以上説明した本実施形態の車両用シート1によれば、シート装置10において、後輪格納時には、後輪ステー42,42の回動支軸41,41がシートフレーム20の前側へ移動して、後輪40,40が後輪ステー42,42の回動支軸41,41に対して後ろ側(着座者にとって比較的邪魔にならない位置)に格納されるので、後輪40,40を従来よりも高い位置にまで上昇させて格納することができ、従って従来のようにシート本体11の下側に大きな格納スペースを確保する必要がない。このため、当該シート装置10を車室内へ移動させた状態における着座高さ(いわゆるヒップポイントHP)を従来よりも低く設定して他のシートと同等の高さに格納することができ、これにより着座者の孤立感をなくすことができる。
また、前輪ステー32を後ろ側へ回動させて前輪30を前輪ステー32の回動支軸31に対して後ろ側へ格納するとともに、後輪ステー42も後ろ側へ回動させて後輪40を後輪ステー42の回動支軸41に対して後ろ側へ格納する構成であり、これにより図7に示すように前輪30と後輪40が側面から見て相互に重なり合わない位置に格納する構成となっている。このため、前輪30,30の左右間隔を後輪40,40の左右間隔と同じ若しくは同等の寸法に設定することができ、これにより前輪の左右間隔を従来よりも大きくして当該シート装置10を車室外において車椅子として用いる際の当該シート装置10の走行安定性を高めることができる。
【0021】
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、シート移動装置100において、車幅方向移動機構130および補助移動機構140は省略することができる。また、左右一対の四節リンク機構133,133をその支点133c,133dを移動させることにより上下に傾動させる構成としたが、この種のリンク機構に代えて水平方向移動機構と昇降機構を組み合わせることによりシート装置10に対して車幅方向の移動および上下動を与える構成としてもよい。
また、前後輪30,30、40,40の取り出し格納を回動支軸移動装置50により行う電動式で説明したが、手動により回動支軸41,41をシートフレーム20の前側へ移動させながら後輪ステー42,42を上方へ回動させる手動式としてもよい。この場合は、当該シート装置10のコストを大幅に低減することができる。
【0022】
さらに、前後輪30,30、40,40の格納構造についても、前記説明した第1実施形態に代えて例えば図10に示すような構成(第2実施形態)とすることができる。前輪30,30の支持構造については第1実施形態と同様であるので、同位の符号を用いてその説明を省略する。後輪40,40はそれぞれ後輪ステー70の下端側に回転可能に支持されている。この後輪ステー70は図示するように上端側がL字形に湾曲している。この後輪ステー70の上端部と下端部は補助ステー72により連結されている。この補助ステー72によって後輪ステー70の強度(曲げ剛性)が確保されている。この補助ステー72は、図示するようにほぼ直線形状を有している。
この後輪ステー70,70は、シートフレーム20の側部に一定の間隔をおいて回転可能に設けたガイドローラー71,71に挟まれている。また、後輪ステー70,70の上端は、それぞれ回動支軸73を介してシートフレーム20に対して回転可能に支持されている。この両回動支軸73,73は、前記した回動支軸移動装置50によりシートフレーム20の前後方向に移動可能に設けられている。
上記補助ステー72の長手方向ほぼ中央と前輪ステー32の上端が連結リンク35を介して連結されている。連結リンク35の一端側は支軸35aを介して前輪ステー32の上端に回転可能に連結されている。連結リンク35の他端側は支軸35bを介して補助ステー72の長手方向ほぼ中央に回転可能に連結されている。
【0023】
以上説明した第2実施形態の構成によれば、回動支軸移動装置50により回動支軸73,73がシートフレーム20の側部に沿って前側へ移動すると、後輪ステー70,70がその湾曲部70a,70aのガイドローラー71,71による挟み込み作用により回動支軸73を中心にして上方へ回動しながら前方へ移動する。回動支軸73が前端位置まで移動した状態が図7において二点鎖線で示されている。回動支軸73,73が前端位置まで移動すると、後輪40,40は第1実施形態と同様シートフレーム20の後ろ側であって、比較的着座者に邪魔にならない部位(シートクッション11aとシートバック11bの連結部付近、またはリクライニング機構部付近)に格納される。
また、後輪ステー70,70の前方への移動により連結リンク35が前方へ移動することにより前輪ステー32が回動支軸31を中心にして上方へ回動し、これにより前輪30が第1実施形態と同様シートフレーム20の前後方向中程から後部に至る範囲に格納される。
このように第2実施形態の車輪格納構造によっても、後輪40,40がシートフレーム20の後ろ側であって着座者にとって比較的邪魔にならない位置に格納されるので、従来よりも高い位置まで上昇させて格納することができ、これによりシート本体11の下側に必要な格納スペースを従来よりも小さくすることができる。このことから、第2実施形態の格納構造によってもシート装置10の車室内における設置高さを従来よりも低くして着座者を他の座席の着座者と同等の高さに着座させることでき、これによりシート装置10の着座者が孤立感を抱くことをなくすことができる。
【0024】
次に、前後輪30,30、40,40の格納構造についてはさらに変更を加えることができる。図11〜図13には第3実施形態の格納構造が示されている。前後輪30,30、40,40の格納構造以外の構成については前記第1、第2実施形態と同様で足りるので、同位の符号を用いてその説明を省略する。図12は、前後輪30,30、40,40が取り出された状態を示し、図13は、前後輪30,30、40,40が格納された状態を示している。
図12に示すようにシートフレーム20のシート受け部200の両側部には、それぞれ前輪ステー201と後輪ステー202が取り付けられている。図示するように前輪ステー201は概ねL字型に屈曲した形状を有しており、そのほぼ中央部が支軸203によりシート受け部200の前部に上下に回動可能に支持されている。一方、後輪ステー202は概ね「く」字形に屈曲しており、そのほぼ中央部が支軸204によりシート受け部200の後部に上下に回動可能に支持されている。
前輪ステー201の下端部には、首振り自在な前輪ホルダー205を介して前輪30が回転可能に取り付けられている。後輪ステー202の下端部にはホイールブラケット206を介して後輪40が回転自在に支持されている。このホイールブラケット206は後輪支持部からさらに後方へ延びており、この後方へ延びた部分206aの先端下面側には補助輪208がブラケット207を介して回転自在に支持されている。図示するように後輪40の取り出し状態(接地状態)において、この補助輪208は路面からわずかに浮いた位置に位置するようその取り付け位置および径(ホイール径)が設定されている。この補助輪208は、当該シート装置10が後方へ傾いた時に接地し、これにより当該シート装置10が後方へ転倒することが防止される。従って、この補助輪208は、当該シート装置10の後方転倒防止機能を備えている。
【0025】
後輪ステー202の上端部には引っ張りばね209の一端209aが引掛けられている。この引っ張りばね209の他端209bは、シート受け部200の下面から下方へ突き出す状態に取り付けられたブラケット210の先端に引き掛けられている。この引っ張りばね209によって、後輪ステー202は常時格納方向(図12において反時計回り方向)に付勢されている。
後輪ステー202の上端部には、支軸211を介して連結リンク212の後端が相互に回転自在に連結されている。この連結リンク212の前端は、支軸213を介して前輪ステー201の上端部に相互に回転自在に連結されている。
後輪ステー202の下部には支軸214を介して作動リンク215の一端が相互に回転自在に連結されている。この作動リンク215の他端は、支軸216を介してブラケット217に回転自在に連結されている。
図11に示すようにこのブラケット217は、シート受け部200の側部に沿って移動可能に設けたスライダ218の下面に取り付けられている。スライダ218は、シート受け部200の左右側部を構成する断面矩形の側枠部200R,200Lの内部に前後方向へ移動可能に収容されている。このスライダ218の下面と側枠部200R(200L)の下面との間、およびスライダ218の上面と側枠部200R(200L)の上面との間には、それぞれ摺動性の高いライナ218a〜218aが介装されている。このライナ218a〜218aにより、両スライダ218,218が側枠部200R,200L内においてガタツキなくスムーズに移動するようになっている。
両側枠部200R,200Lの下面には、それぞれ窓部200aが設けられており、この窓部200aからブラケット217が下方へ突き出されている。
【0026】
スライダ218の内部にはナット219が固定されている。このナット219には、ねじ軸220がねじ込まれている。このねじ軸220は、前記した回動支軸移動装置50におけるねじ軸53と同様の機構により回転する(図8参照)。すなわち、シート受け部200の前部に取り付けた駆動モータ51により出力軸51a,51bが回転し、この回転出力が中間伝達ブロック52,52を経てそれぞれねじ軸220,220が正転および逆転方向に回転する。図11では、中間伝達ブロック52のみが示されている。
両ねじ軸220,220が同期して回転することにより、左右一対のスライダ218,218が前後方向に移動し、これによりブラケット217,217がそれぞれ窓部200aの範囲において前後に移動する。
以上のように構成した第3実施形態の格納構造によれば、図12に示すように前後輪30,30、40,40を取り出して接地させた状態において、当該シート装置10をシート移動装置100に連結し、然る後シート移動装置100の上昇側への作動により当該シート装置10を上昇させる。シート装置10の上昇過程において、駆動モータ51を逆転側(格納側)へ起動させることにより前後輪30,30、40,40が格納される。
駆動モータ51が格納側に起動すると、左右のねじ軸220,220の回転により左右それぞれにおいてスライダ218が後ろ側(図11において右側)へ後退する。スライダ218の後退によりブラケット217が後退し、これにより作動リンク215が支軸216を中心にして上方(図12において反時計回り方向)へ回動しつつ後方へ移動する。作動リンク215が上方へ回動することにより支軸214が上方へ変位し、これにより後輪ステー202が支軸204を中心にして上方へ回動する。後輪ステー202が上方へ回動することにより後輪40が上方へ格納される。
【0027】
ここで、前記したように後輪ステー202は、引っ張りばね209によって常時格納方向(上方)に付勢されている。このため、後輪ステー202の上方への回動動作は、駆動モータ51の出力による作動リンク215の移動動作に加えて引っ張りばね209の付勢力が作用することによりなされ、これにより後輪格納時における駆動モータ51の負荷が低減される。
一方、後輪ステー202が上方へ回動して、その上端部(支軸211)が前側へ変位し始めると、連結リンク212が前側へ変位し始め、これにより支軸213を介して前輪ステー201が支軸203を中心にして上方(図12において反時計回り方向)へ回動し始める。前輪ステー201が上方へ回動することにより前輪30が上方へ格納される。
【0028】
スライダ218が移動範囲の後端位置まで移動すると、前輪30,30および後輪40,40が格納位置に格納された状態となる。この状態が図13に示されている。この格納状態では、前輪30,30がそれぞれシートクッション11aの左右側方に格納され、後輪40,40がそれぞれシートクッション11aの後部側方に格納される。
逆に、この格納状態から駆動モータ51を取り出し側に逆転させると、左右それぞれにおいてスライダ218が前側へ移動し、これにより作動リンク215が支軸216を中心にして下方へ回動しつつ前側に移動する。作動リンク251が下方へ回動しつつ前側へ移動すると、後輪ステー202が支軸204を中心にして下方(図13において時計回り方向)へ回動し、これにより後輪40が取り出される。また、後輪ステー202が下方へ回動するとその上端部(支軸211)が後ろ側へ変位し、これにより連結リンク212が後ろ側へ変位する。連結リンク212が後ろ側へ変位すると、前輪ステー201が支軸203を中心にして下方に回動し、これにより前輪30が取り出される。
【0029】
以上のように構成した第3実施形態の格納構造によっても、後輪40,40がシート本体11の後ろ側であって着座者にとって比較的邪魔にならない位置に格納されるので、この後輪40,40を従来よりも高い位置まで上昇させて格納することができ、これによりシート本体11の下側に必要な格納スペースを従来よりも小さくすることができる。このことから、シート装置10の車室内における着座高さ(いわゆるヒップポイントHP)を従来よりも低くして着座者を他の座席の着座者と同等の高さに着座させることでき、これによりシート装置10の着座者が車室内において特別扱いを受けているという孤立感を抱くことをなくすことができる。
また、第3実施形態の格納構造によっても、前輪30,30および後輪40,40がそれぞれシートクッション11aの側方に格納される構成であるので、前輪30,30のトレッドを後輪40,40とほぼ同等に設定することができ、これにより車椅子として単独で使用する際における当該シート装置10の走行安定性を高めることができる。
さらに、後方転倒防止用の補助輪208,208が、後輪40,40を支持するホイールブラケット206に支持されている。このため、この補助輪208,208は、後輪40,40と一体で格納、取り出しされる。この構成によれば、当該補助輪208,208の格納し忘れを確実に防止することができるので、当該シート装置10の車室内への移動の際に補助輪208,208が車両ボディ等に干渉することを防止することができる。また、補助輪208,208は、後輪40,40とともに一体で取り出されるので、当該補助輪208,208を格納したままシート装置10を接地させることがなく、これにより当該補助輪208,208を確実に機能させることができる。
また、連結リンク212を介して前後輪30,30、40,40が連動して格納され、かつ取り出されるので単一の駆動源(駆動モータ51)により当該前後輪30,30、40,40の格納、取り出しを迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用シートを助手席に備えた車両の平面図である。
【図2】図1において矢印(2)方向から見た車両用シートの後面図である。本図は、シート本体がドア開口部側に向けられた状態を示している。
【図3】同じく車両用シートの後面図である。本図は、シート装置が補助移動機構により車室外側へ移動した状態を示している。
【図4】同じく車両用シートの後面図である。本図は、シート装置が車幅方向移動機構により車室外側へ移動し、かつ路面に近い位置に下降した状態を示している。
【図5】車幅方向移動機構および補助移動機構の斜視図である。
【図6】シート装置を単独で示す斜視図である。本図では、シート本体が二点鎖線で示されている。
【図7】シート装置の側面図であって、第1実施形態の前後輪の格納構造を示す図である。
【図8】シートフレームの平面図であって、回動支軸移動装置の平面図である。
【図9】シート装置の後面図である。
【図10】シート装置の側面図であって、第2実施形態の前後輪の格納構造を示す図である。
【図11】第3実施形態の車輪格納構造を示す図であって、シート受け部の側枠内部を示す断面図である。
【図12】第3実施形態の車輪格納構造を示す図であって、シート装置の側面図である。本図は、前後輪が取り出された状態を示している。
【図13】第3実施形態の車輪格納構造を示す図であって、シート装置の側面図である。本図は、前後輪が格納された状態を示している。
【符号の説明】
M…車両、F…フロア
1…車両用シート
10…シート装置
11…シート本体
20…シートフレーム
21…シート受け部
30…前輪
40…後輪
41…回動支軸、42…後輪ステー
43…固定リンク
50…回動支軸移動装置
70…後輪ステー(第2実施形態)、70a…湾曲部
71…ガイドローラー
100…シート移動装置
110…前後方向移動機構
120…回転機構
130…車幅方向移動機構
133…四節リンク機構
140…補助移動機構
150…シート連結フレーム
200…シート受け部、200R…右側の側枠部、200L…左側の側枠部
200a…側枠部の窓部
201…前輪ステー
202…後輪ステー(第3実施形態)
203…前輪ステーの支軸
204…後輪ステーの支軸
206…ホイールブラケット
208…補助輪
209…引っ張りばね
212…連結リンク
215…作動リンク
218…スライダ
219…ナット
220…ねじ軸

Claims (9)

  1. 車室外では車椅子として使用可能であり、車室内では乗員が着座する座席として使用されるシート装置と、該シート装置を車室内と車室外との間で移動させるシート移動装置を備えた車両用シートであって、
    前記シート装置は、シート本体と、該シート本体に対して上下に回動可能に支持されたステーを介して取り出し格納可能に設けられた前後の車輪を備え、
    前記後輪は、前記後輪ステーの前記シート本体に対する回動支軸を座面の前側へ移動させつつ前記後輪ステーを上方へ回動させて、前記後輪ステーの回動支軸に対して後ろ側へ格納する構成とした車両用シート。
  2. 請求項1記載の車両用シートであって、後輪ステーをシート本体に対して回動支持する回動支軸を前後方向に移動させるための回動支軸移動装置を備えた車両用シート。
  3. 請求項1または2記載の車両用シートであって、後輪ステーのその回動支軸よりも回動先端側の部位と、シート本体の前記回動支軸よりも後ろ側の部位との間に固定リンクを介装して、前記回動支軸の座面前側への移動に伴って前記後輪ステーを後方へ回動させる構成とした車両用シート。
  4. 請求項1または2記載の車両用シートであって、後輪ステーに湾曲部を設け、該湾曲部をシート本体に設けた複数のガイドローラー間に挟み込んで、前記回動支軸の座面前側への移動に伴って前記後輪ステーを後方へ回動させる構成とした車両用シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載した車両用シートであって、後輪ステーと前輪ステーが連結リンクを介して連結されて、前輪が後輪に連動して取り出し格納される構成とした車両用シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載した車両用シートであって、シート本体の側方から見て、前輪と後輪が相互に重なり合わない位置に格納される構成とした車両用シート。
  7. 車室外では車椅子として使用可能であり、車室内では乗員が着座する座席として使用されるシート装置と、該シート装置を車室内と車室外との間で移動させるシート移動装置を備えた車両用シートであって、
    前記シート装置は、シート本体と、該シート本体を支持するシートフレームの側部に上下に回動可能に支持されたステーを介して取り出し格納可能に設けられた前後の車輪を備え、
    前記後輪ステーのその回動中心に対して車軸側の部位に、作動リンクの一端側を回転可能に連結し、該作動リンクの他端側を、前記シートフレームの側部に沿って前後に移動可能に設けたスライダに対して回転可能に連結して、前記スライダの後方への移動による前記作動リンクの後方への移動により前記後輪ステーを当該後輪ステーの車軸側の部位を後方へ変位させつつ上方に回動させて前記後輪を格納する構成とした車両用シート。
  8. 請求項7記載の車両用シートであって、後輪ステーのその回動中心に対して車輪とは反対側の部位に連結リンクの一端側を回転可能に連結し、該連結リンクの他端側を前輪ステーのその回転中心に対して車輪とは反対側の部位に回転可能に連結して、前記後輪ステーの回動に連動して前記前輪ステーを上下に回動させて前記前輪を取り出し、格納する構成とした車両用シート。
  9. 請求項7または8に記載した車両用シートであって、後輪ステーに取り付けたホイールブラケットに補助輪を支持し、該補助輪は、取り出した状態の後輪の後方に位置してシート装置の後方への傾きを規制するとともに、前記後輪とともに取り出し、格納される構成とした車両用シート。
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