JP3755025B2 - 探索型の信号検出装置、信号検出方法、信号検出プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル信号データから特定の波形部分を検出する信号検出装置、信号検出方法、信号検出プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
信号波形から所望の波形部分を検出するには、信号の振幅及び傾きを使用することができる。図9は従来の信号検出方法を説明する波形図であり、縦軸y、横軸tは、それぞれ信号強度、時間を表しており、縦軸yの下方向及び横軸の右方向を正として表示している。
【0003】
まず、指定された仮の開始点Uから解析レンジr0だけ進んだ点の信号値が、仮の開始点Uの値(y U )+閾値(yth)よりも大きい場合に、その点を真の開始点とする。次に、真の開始点(点V)から設定された時間t0の範囲内において、信号が最大となる点Wを検出する。これによって、2点の座標V(t V ,y V )、W(t W , y W )から、この部分の波形の傾きを、(y W −y V )/(t W −t V ) によって求めることができる。即ち、指定された傾きの波形部分を検出することができる。
【0004】
上記の方法を改良した方法として、始めの開始点から1データずつ進めた点を注目点として、注目点の信号値と注目点に隣接する点の信号値との差が設定した閾値を越えた場合、注目点を真の開始点とする方法も使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した信号検出方法は、ノイズが多い信号に対しては、ノイズによる影響を受けて検出精度が悪くなるために、事前に信号をローパスフィルターで前処理する必要があった。また、指定の範囲内において単純に最大値をとってピーク値を決定しているために、ノイズの影響を受けて誤ったピークを検出する問題があった。さらに、データのサンプリング周波数によって、信号の検出精度が影響される問題があった。
【0006】
本発明は、以上の課題を解決すべく、ノイズやサンプリング周波数の影響を受けない、傾きと振幅を使用した信号検出装置、信号検出方法、信号検出プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下によって達成される。即ち、本発明の一態様によれば、ディジタル信号波形から指定の傾きを有する部分波形を検出する信号検出装置であって、アナログ信号をサンプリングしてディジタル信号データに変換するデータサンプリング部と、サンプリング番号に対応させて前記信号データを記録する記録部と、該記録部から前記信号データを読み出して、一時的に記憶するメモリと、該メモリに記憶された信号データに対する演算処理を行う処理部とを備え、該処理部は、解析開始サンプリング番号及び解析レンジによって決定されるレンジ終端サンプリング番号の信号データが、前記解析開始サンプリング番号の信号データと閾値の和よりも大きい場合、前記解析開始サンプリング番号を仮の開始サンプリング番号、前記レンジ終端サンプリング番号を仮のピークサンプリング番号として決定し、前記仮の開始サンプリング番号から前記仮のピークサンプリング番号までの範囲において、前記仮の開始サンプリング番号から時間軸の第1の方向に移動した第1のサンプリング番号を端点とする所定範囲の信号データから計算した平均値が、前記仮の開始サンプリング番号の信号データと所定のノイズ値との和よりも大きい場合、前記第1のサンプリング番号を真の開始サンプリング番号として決定し、該真の開始サンプリング番号からピーク検出範囲で指定される範囲において、前記真の開始サンプリング番号から前記第1の方向に移動した第2のサンプリング番号を端点とする所定範囲の信号データから計算した平均値が、前記第2のサンプリング番号の信号データから所定のピークノイズ値を減算して得られた減算値よりも小さい場合、前記第2のサンプリング番号を第2の仮のピークサンプリング番号として決定し、該第2の仮のピークサンプリング番号から前記真の開始サンプリング番号又は前記仮のピークサンプリング番号までの範囲において真のピークサンプリング番号を決定する探索型信号検出装置を提供することができる。
【0009】
また、前記処理部は、前記真のピークサンプリング番号の決定において、前記第2の仮のピークサンプリング番号から前記第1の方向と逆の方向に移動した第3のサンプリング番号を端点とする所定範囲の信号データから計算した平均値が、前記第2の仮のピークサンプリング番号の信号データよりも小さい場合、前記第3のサンプリング番号を真のピークサンプリング番号とするものとすることができる。
【0010】
本発明の別の一態様によれば、信号波形から指定の傾きを有する部分波形を検出する信号検出方法であって、解析開始点及び解析レンジによって決定されるレンジ終端点の信号値が、前記解析開始点の信号値と閾値の和よりも大きい場合、前記解析開始点を仮の開始点、前記レンジ終端点を仮のピークとして決定する第1のステップと、前記仮の開始点から前記仮のピークまでの範囲において、前記仮の開始点から時間軸の第1の方向に移動した第1の点を端点とする所定範囲の信号値から計算した平均値が、前記仮の開始点の信号値と所定のノイズ値との和よりも大きい場合、前記第1の点を真の開始点として決定する第2のステップと、前記真の開始点からピーク検出範囲で指定される範囲において、前記真の開始点から前記第1の方向に移動した第2の点を端点とする所定範囲の信号値から計算した平均値が、前記第2の点の信号値から所定のピークノイズ値を減算して得られた減算値よりも小さい場合、前記第2の点を第2の仮のピークとして決定する第3のステップと、前記第2の仮のピークから前記真の開始点又は前記仮のピークまでの範囲において真のピークを決定する第4のステップとを含む探索型信号検出方法を提供することができる。
【0012】
また、前記第4のステップは、前記第2の仮のピークから前記第1の方向と逆の方向に移動した第3の点を端点とする所定範囲の信号値から計算した平均値が、前記第2の仮のピークの信号値よりも小さい場合、前記第3の点を真のピークとするステップとすることができる。
【0013】
また、本発明の別の一態様によれば、信号波形から指定の傾きを有する部分波形を検出する信号検出装置に、解析開始点及び解析レンジによって決定されるレンジ終端点の信号値が、前記解析開始点の信号値と閾値の和よりも大きい場合、前記解析開始点を仮の開始点、前記レンジ終端点を仮のピークとして決定する第1の機能、前記仮の開始点から前記仮のピークまでの範囲において、前記仮の開始点から時間軸の第1の方向に移動した第1の点を端点とする所定範囲の信号値から計算した平均値が、前記仮の開始点の信号値と所定のノイズ値との和よりも大きい場合、前記第1の点を真の開始点として決定する第2の機能、前記真の開始点からピーク検出範囲で指定される範囲において、前記真の開始点から前記第1の方向に移動した第2の点を端点とする所定範囲の信号値から計算した平均値が、前記第2の点の信号値から所定のピークノイズ値を減算して得られた減算値よりも小さい場合、前記第2の点を第2の仮のピークとして決定する第3の機能、前記第2の仮のピークから前記真の開始点又は前記仮のピークまでの範囲において真のピークを決定する第4の機能を実現させる探索型信号検出プログラムを提供することができる。
【0015】
また、前記第4の機能は、前記第2の仮のピークから前記第1の方向と逆の方向に移動した第3の点を端点とする所定範囲の信号値から計算した平均値が、前記第2の仮のピークの信号値よりも小さい場合、前記第3の点を真のピークとする機能とすることができる。
【0016】
さらに、上記したプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態に係る探索型信号検出装置の構成を示したブロック図である。信号検出装置100は、処理部101、メモリ102、記録部103、ビデオメモリ104、ビデオ出力部105、インタフェース部106、データサンプリング部107、クロック生成部108、バス109を備えている。
【0018】
クロック生成部108は、処理部101、メモリ102などの各部の動作に必要なシステムクロック、データサンプリング部107に供給されるデータ採取のタイミングを決めるサンプリングクロック、ビデオ出力部105に供給されるビデオエンコードに必要なクロックなどを生成する。バス109は、データ、アドレス、クロックを伝達する複数の信号線である。
【0019】
測定装置110によって測定されるアナログ信号はデータサンプリング部107に伝送され、データサンプリング部107おいて、指定された時間に渡って一定の時間間隔でサンプリングされてディジタルデータに変換される。変換されたデータはバス109を介して記録部103に記録される。
【0020】
測定が完了した後、記録部103に記録されたサンプリングデータは、メモリ102に転送され、信号強度のスケール変換などの処理が行われて、信号波形を表す2次元画像データとしてビデオメモリ104に記録される。ビデオメモリ104のデータは、ビデオ出力部105によって読み出され、D/A変換及びビデオエンコードされて表示装置112に転送され、信号波形の画像として表示される。
【0021】
入力・操作装置111は、信号検出装置100に接続されてインタフェース106を介して、測定パラメータ、信号解析パラメータなどを入力し、表示装置112に表示される信号波形に対する操作を行うための装置である。
【0022】
図2は、本発明に係る探索型信号検出装置において、処理部101が記録部103に記録された信号データをメモリ102に読み出して、これに対して行う検出処理を示したフローチャートである。図3〜7は、測定した信号波形を表しており、図9と同様に軸を設定している。
【0023】
以下、図3〜7を使用して、図2における各ステップの処理を説明する。信号は一定の時間間隔でサンプリングされることから、時間軸はサンプリングの順番に対応するサンプリング番号によって表わすことができ、以下の説明においては、図3〜7における時間軸tをサンプリング番号として説明する。
【0024】
また、解析に必要なパラメーターとして、解析レンジr0、閾値Sth、ノイズレベルSn、ピーク検出時ノイズレベルSpn、ピーク検出範囲rp、平均値計算範囲bが入力・操作装置111から予め指定されている。この場合、以下に説明する信号検出処理によって、傾きがSth/r0以上である波形部分が検出される。
【0025】
ステップ201において、初期設定として、処理の開始点のサンプリング番号i及び検出されたピーク毎に付与する番号Nに0をセットする。
【0026】
ステップ202において、サンプリング番号iにおける信号値y(i)と、iより解析レンジr0だけ大きいサンプリング番号(i+r0)における信号値y(i+r0)とを比較し、信号値y(i+r0)がサンプリング番号iにおける信号値+閾値よりも大きい、即ちy(i+r0)>y(i)+Sthであると判断すれば、ステップ204に移行する。y(i+r0)>y(i)+Sthでないと判断すれば、ステップ203において、iを1だけ増加させてステップ202に戻る。図3は、点A、Bがステップ202の判定条件を満たしている状態を示している。このときの点Aを「仮の開始点」、点Bを「仮のピーク」とする。
【0027】
ステップ204において、図3の点A〜Bの区間について解析を行うために、繰り返しのカウンタjの初期値として点Aのサンプリング番号iをセットする。
【0028】
ステップ205において、信号の平均値を計算する区間j〜j+bの終端のサンプルング番号(j+b)が、点Bのサンプリング番号(i+r0)よりも大きいか否かを判断する。ここで、b、r0は、b<r0の条件を満たすように設定される。終端のサンプルング番号が点Bのサンプリング番号を超えていないと判断した場合にはステップ206に移行し、超えていると判断した場合には、ステップ206を行うことができないので、ステップ208に移行する。
【0029】
ステップ206において、サンプリング番号j〜j+bの区間のデータの平均値を計算し、この平均値と仮の開始点Aの信号値y(i)とノイズレベルSnとの加算値とを比較し、平均値がy(i)+Sn以上であると判断した場合には、ステップ208に移行する。平均値がy(i)+Sn未満であると判断した場合には、ステップ207に移行してjを1だけ増加させ、ステップ205に戻る。図4は、点Cがステップ206の条件を満たしている状態を示しており、点Cを「真の開始点」とする。
【0030】
ステップ208において、ステップ206で検出された真の開始点のサンプリング番号tO(N)として点Cのサンプリング番号jを、真の開始点Cの信号値yO(N)としてy(j)を記録部103に記録する。ここで、点Cが信号波形の中で最初に検出された真の開始点である場合、N=0である。
【0031】
ステップ209において、真の開始点Cからピーク検出範囲rp以内にあるデータ(図5における点C〜Dの間のデータ)を解析して「真のピーク」を検出するために、カウンタmに真の開始点Cに対応するサンプリング番号j=t0(N)をセットする。ここで、rpはrp>r0を満たすように設定されていることが望ましい。
【0032】
ステップ210において、ステップ205と同様に、平均値を計算する区間の終端(サンプリング番号=m+b)が、点D(サンプリング番号=j+rp)を超えているか否かを判断する。超えていないと判断した場合にはステップ212に移行する。超えていると判断した場合には、ステップ212を行うことができないので、ステップ211に移行し、真のピークのサンプリング番号tp(N)としてi+r0を、真のピークの信号値yp(N)として信号値y(i+r0)を記録部103に記録し、その後ステップ219に移行する。ここで、信号波形の中で最初に検出された真のピークである場合、N=0である。
【0033】
ステップ212において、サンプリング番号m〜m+bの区間のデータの平均値を計算し、この平均値と信号値y(m)からピーク検出時ノイズレベルSpnを減算して得られた値とを比較し、平均値がy(m)−Spn以下の場合にはステップ214に移行する。平均値の方が大きい場合には、ステップ213に移行してmを1だけ増加させ、ステップ210に戻る。図5は、点Eがステップ212の判定条件を満たしている状態を示しており、点Eを「第2の仮のピーク」とする。
【0034】
ステップ214において、カウンタnにmをセットする。この時点で、mは点Eのサンプリング番号となっている。
【0035】
ステップ215において、第2の仮のピーク(点E)からサンプリング番号を減ずる方向(図6において左方向)に解析を行うことから、平均値を計算する区間n−b〜nの左端(サンプリング番号=n−b)が、真の開始点Cより左に位置しているか否かを判断する。ここで、点Cのサンプリング番号jはj=t0(N)である。n−bがt0(N)以上であると判断した場合、即ち平均値を計算する左端が点Cよりも左に位置していないと判断した場合には、ステップ216に移行する。n−bがt0(N)よりも小さいと判断した場合、即ち平均値を計算する左端が点Cよりも左に位置していると判断した場合には、ステップ216の処理を行うことができないので、ステップ217に移行し、真のピークのサンプリング番号tp(N)としてnを、真のピークの信号値yp(N)として信号値y(n)を記録部103に記録し、その後ステップ219に移行する。
【0036】
ステップ216において、サンプリング番号がn−b〜nの区間のデータの平均値を計算し、この平均値と第2の仮のピークの信号値y(m)とを比較し、平均値の方が大きいと判断した場合には、ステップ218に移行してnを1だけ減少させ、ステップ215に戻る。平均値がy(m)以下であると判断した場合には、ステップ217に移行して、真のピークのサンプリング番号tp(N)としてnを、真のピークの信号値yp(N)として信号値y(n)を記録部103に記録し、その後ステップ219に移行する。図6は、点Fがステップ216の判定条件を満たしている状態を示しており、点Fを真のピークとする。
【0037】
ステップ219において、真のピーク(点F)の信号値と真の開始点(点C)の信号値の差が、設定された閾値Sth以上となっているか否かを確認する。ステップ219の条件を満たさないと判断した場合には、ステップ203に移行して、iを1だけ増加させて、ステップ202以降のステップを繰り返す。ステップ219の条件を満たすと判断した場合には、所望の傾き(Sth/r0)以上の傾斜である信号部分を検出できたことになる。
【0038】
最後に、ステップ220において、検出対象のデータに残りがないと判断した場合には信号検出処理を終了し、検出対象のデータに残りがあると判断した場合には、既に処理した区間を超えるサンプリング番号から検出処理を再開するために、ステップ221においてカウンタiに真のピーク(点F)のサンプリング番号t0(N)をセットし、ステップ203に移行する。これによって、検出対象のデータが無くなるまで、ステップ202以降のステップが繰り返される。
【0039】
以上によって、測定された信号波形の中から、指定した傾き以上の傾きである部分を、真の開始点及び真のピークとして検出することができ、ピーク毎に付与した番号Nに対応させて、真の開始点及び真のピークのサンプリング番号及び信号値を記録部103に記録することができる。
【0040】
以上の説明においては、点E〜Cの範囲でステップ216の解析を行うために、ステップ215において解析範囲の左端が点Cの左に位置するか否かを判断する場合を説明したが、ステップ216の処理を点E〜Bの範囲に限定してもよい。その場合には、ステップ215の判定条件は、n−b<i+r0となる。
【0041】
また、以上においては、サンプリング番号が増加する方向に注目点を移動させて検出処理を行うことを説明したが、最大のサンプリング番号から開始し、サンプリング番号が減少する方向に注目点を移動させても同様の検出処理が可能である。
【0042】
最初に設定するパラメータである、解析レンジr0、信号の閾値Sth、ノイズレベルSn、ピーク検出時ノイズレベルSpn、ピーク検出範囲rp、平均値計算範囲bは、検出対象の信号の特性を考慮した数値が設定されることが望ましい。例えば、平均値計算範囲b、解析レンジr0、ピーク検出範囲rpは、b<r0<rpの関係を満たすように設定されることが望ましい。また、ノイズレベルSn、ピーク検出時ノイズレベルSpnは、独立の値を指定することが可能であるが、神経活動に関する信号波形の場合にはSn>SpnとなるようにSn、Spnを設定することが望ましい。
【0043】
以上において、信号データy(i)の値が全て正の場合について説明したが、y(i)の値が負になる場合または正及び負の値を含む場合には、全データに適当な値を加算して全データを正または負の値にした後に絶対値を取るなどの処理を行い、全データを正の値に変換してから処理すれば、上記と同様に解析することが可能である。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係る探索型信号検出装置は、設定された平均値計算範囲内で計算した信号の平均値を使用することによって、信号検出処理におけるノイズによる影響を軽減することができる。従って、信号を事前にローパスフィルターで処理してノイズを低減させる必要がない。
【0045】
また、比較的簡単な処理であるので、非常に高速な処理が可能である。さらに、平均値の計算は、仮の開始点及び仮のピークを検出した後に、仮の開始点及び仮のピークの近傍でのみ行われることから、データ全体をローパスフィルターで処理する場合よりも効率的である。特に、有意な信号が観測される期間が短く、設定した検出閾値以下の期間が長い信号の解析において有効である。
【0046】
また、第2の仮のピークから時間軸の方向と逆方向に解析するバックワードサーチを行うことにより、図8に示すような台形状の波形の場合において、正しいピーク値を検出することが可能である。図8において、点P1は、従来の検出方法を使用した場合にノイズの影響を受けて誤って検出されたピークである。点P2は、バックワードサーチを行わない場合に誤って検出されたピークである。これらに対して、P3は本発明に係る信号検出装置によって検出された真のピークであり、これによって所望の傾き部分を精度良く検出することが可能となる。
【0047】
本発明に係る探索型信号検出装置は、ユーザーが指定した傾きよりも急峻な傾きを持つ信号をすべて検知できる効果をも奏する。
【0048】
また、特定の波形モデルを仮定しないので、検出パラメータを適切に設定することによって、傾きと振幅で特徴づけられる全ての信号に対して適用可能である。例えば、細胞外電位、シナプス電流などの生体から観測される信号に対して平均値計算範囲を適切に設定すれば、様々なサンプリング周波数で採取されたデータに対して正確な信号検出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る探索型信号検出装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る探索型信号検出装置の処理部が行う処理を示すフローチャートである。
【図3】仮の開始点(点A)及び仮のピーク(点B)が検出された状態を示している波形図である。
【図4】真の開始点(点C)が検出された状態を示している波形図である。
【図5】第2の仮のピーク(点E)が検出された状態を示している波形図である。
【図6】真のピーク(点F)が検出された状態を示している波形図である。
【図7】最終的に検出された真の開始点(点C)及び真のピーク(点F)を示している波形図である。
【図8】同じ信号波形に対して異なる検出方法によって検出されたピークを示している波形図である。
【図9】従来の信号検出方法を示す波形図である。
【符号の説明】
100 信号検出装置
101 処理部
102 メモリ
103 記憶部
104 ビデオメモリ
105 ビデオ出力部
106 インタフェース
107 データサンプリング部
108 クロック生成部
109 バス
110 測定装置
111 入力・操作装置
112 表示装置
Claims (8)
- ディジタル信号波形から指定の傾きを有する部分波形を検出する信号検出装置であって、
アナログ信号をサンプリングしてディジタル信号データに変換するデータサンプリング部と、
サンプリング番号に対応させて前記信号データを記録する記録部と、
該記録部から前記信号データを読み出して、一時的に記憶するメモリと、
該メモリに記憶された信号データに対する演算処理を行う処理部とを備え、
該処理部は、
解析開始サンプリング番号及び解析レンジによって決定されるレンジ終端サンプリング番号の信号データが、前記解析開始サンプリング番号の信号データと閾値の和よりも大きい場合、前記解析開始サンプリング番号を仮の開始サンプリング番号、前記レンジ終端サンプリング番号を仮のピークサンプリング番号として決定し、
前記仮の開始サンプリング番号から前記仮のピークサンプリング番号までの範囲において、前記仮の開始サンプリング番号から時間軸の第1の方向に移動した第1のサンプリング番号を端点とする所定範囲の信号データから計算した平均値が、前記仮の開始サンプリング番号の信号データと所定のノイズ値との和よりも大きい場合、前記第1のサンプリング番号を真の開始サンプリング番号として決定し、
該真の開始サンプリング番号からピーク検出範囲で指定される範囲において、前記真の開始サンプリング番号から前記第1の方向に移動した第2のサンプリング番号を端点とする所定範囲の信号データから計算した平均値が、前記第2のサンプリング番号の信号データから所定のピークノイズ値を減算して得られた減算値よりも小さい場合、前記第2のサンプリング番号を第2の仮のピークサンプリング番号として決定し、
該第2の仮のピークサンプリング番号から前記真の開始サンプリング番号又は前記仮のピークサンプリング番号までの範囲において真のピークサンプリング番号を決定することを特徴とする探索型信号検出装置。 - 前記処理部は、
前記真のピークサンプリング番号の決定において、
前記第2の仮のピークサンプリング番号から前記第1の方向と逆の方向に移動した第3のサンプリング番号を端点とする所定範囲の信号データから計算した平均値が、前記第2の仮のピークサンプリング番号の信号データよりも小さい場合、前記第3のサンプリング番号を真のピークサンプリング番号とすることを特徴とする請求項1に記載の探索型信号
検出装置。 - 信号波形から指定の傾きを有する部分波形を検出する信号検出方法であって、
解析開始点及び解析レンジによって決定されるレンジ終端点の信号値が、前記解析開始点の信号値と閾値の和よりも大きい場合、前記解析開始点を仮の開始点、前記レンジ終端点を仮のピークとして決定する第1のステップと、
前記仮の開始点から前記仮のピークまでの範囲において、前記仮の開始点から時間軸の第1の方向に移動した第1の点を端点とする所定範囲の信号値から計算した平均値が、前記仮の開始点の信号値と所定のノイズ値との和よりも大きい場合、前記第1の点を真の開始点として決定する第2のステップと、
前記真の開始点からピーク検出範囲で指定される範囲において、前記真の開始点から前記第1の方向に移動した第2の点を端点とする所定範囲の信号値から計算した平均値が、前記第2の点の信号値から所定のピークノイズ値を減算して得られた減算値よりも小さい場合、前記第2の点を第2の仮のピークとして決定する第3のステップと、
前記第2の仮のピークから前記真の開始点又は前記仮のピークまでの範囲において真のピークを決定する第4のステップとを含むことを特徴とする探索型信号検出方法。 - 前記第4のステップは、
前記第2の仮のピークから前記第1の方向と逆の方向に移動した第3の点を端点とする所定範囲の信号値から計算した平均値が、前記第2の仮のピークの信号値よりも小さい場合、前記第3の点を真のピークとすることを特徴とする請求項3に記載の探索型信号検出方法。 - 信号波形から指定の傾きを有する部分波形を検出する信号検出装置に、
解析開始点及び解析レンジによって決定されるレンジ終端点の信号値が、前記解析開始点の信号値と閾値の和よりも大きい場合、前記解析開始点を仮の開始点、前記レンジ終端点を仮のピークとして決定する第1の機能、
前記仮の開始点から前記仮のピークまでの範囲において、前記仮の開始点から時間軸の第1の方向に移動した第1の点を端点とする所定範囲の信号値から計算した平均値が、前記仮の開始点の信号値と所定のノイズ値との和よりも大きい場合、前記第1の点を真の開始点として決定する第2の機能、
前記真の開始点からピーク検出範囲で指定される範囲において、前記真の開始点から前記第1の方向に移動した第2の点を端点とする所定範囲の信号値から計算した平均値が、前記第2の点の信号値から所定のピークノイズ値を減算して得られた減算値よりも小さい場合、前記第2の点を第2の仮のピークとして決定する第3の機能、
前記第2の仮のピークから前記真の開始点又は前記仮のピークまでの範囲において真のピークを決定する第4の機能を実現させることを特徴とする探索型信号検出プログラム。 - 前記第4の機能は、
前記第2の仮のピークから前記第1の方向と逆の方向に移動した第3の点を端点とする所定範囲の信号値から計算した平均値が、前記第2の仮のピークの信号値よりも小さい場合、前記第3の点を真のピークとする機能であることを特徴とする請求項5に記載の探索型信号検出プログラム。 - 請求項5記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 請求項6記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001188264A JP3755025B2 (ja) | 2001-06-21 | 2001-06-21 | 探索型の信号検出装置、信号検出方法、信号検出プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体 |
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