JP3754402B2 - 産業用ロボットの制御方法および制御装置 - Google Patents

産業用ロボットの制御方法および制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業用ロボットの手首に連結されるツールなどの可動体の先端部の位置および姿勢を検出し、その検出結果に基づいてロボットを制御する制御方法および制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業用ロボットの手首に連結されるツールなどの可動体のスライド変位および角変位を検出して制御する種々の従来技術がある。従来技術として、多関節ロボットのアームの先端にジャイロを設けた姿勢検出装置がある。この姿勢検出装置は、ジャイロによって、アーム先端の相対角変位が検出されて、この相対角変位に基づいてアーム先端に設けられるツールの姿勢を求める。
【0003】
他の従来技術として、ロボットのアーム先端に超音波パルスを発生する超音波発信器を設け、所定位置に固定される受信器によって、超音波発信器からの超音波パルスを受信して、超音波パルスが発生してから受信されるまでの時間に基づいて、アーム先端と所定位置との距離を求めて、アーム先端に設けられるツールの位置および姿勢を計測する計測装置がある。
【0004】
さらに他の従来技術として、多関節ロボットのティーチプレイバックを行う際に、多関節ロボットのアーム先端にセンサを設けて、前記センサによって多関節ロボットのアーム先端に設けられるツールと、予め定める位置に配置される較正治具の先端との距離を測定して、温度変化によるアームの長さの変化を補正して、ロボットの制御に必要な各パラメータのキャリブレーションを行う方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
産業用ロボットは、ある位置に繰り返して位置決めするときの繰り返し精度は、たとえば約50マイクロメートルのように高いけれども、ある所定の位置に位置決めするときの絶対精度が、特に大型ロボットの場合は、たとえば約3〜4ミリメートルのように低いので、ロボットを用いる前に、ティーチプレイバック方式で予め教示しておくことがほとんどである。絶対精度の低い原因は、ロボットの幾何学的な製造誤差、重量物を把持したときのアームの撓み、温度によるアームの伸縮および減速機のガタ等によって、ロボットの各関節に設けられる各エンコーダからの検出信号に基づくロボットのアーム先端に設けられるツールに設定される基準点の位置および姿勢が、指令値に対する誤差があるためである。このことが計算機によってオフラインで動作データを生成して、その動作データをロボットにダウンロードして、溶接などの作業をさせたり、センサをアーム先端に設けて、ロボットを計測装置として利用するような、今後のロボットの新しい展開に対する障害となっている。
【0006】
このような問題に対して、前述の従来技術のように、相対角変位を検出するジャイロセンサおよび相対スライド変位を検出する加速度センサなどの慣性センサを用いて位置および姿勢を測定する方法は、慣性航法で使われる一般に知られた方法である。この方法を利用してロボットのアーム先端部の位置および姿勢を求めることができれば、短い時間間隔で順次測定が可能であり、さらにロボットから離れた位置からロボットの位置および姿勢を測定する場合に比べて、ロボットの位置および姿勢によって死角が生じても、測定に影響しない等の利点がある。
【0007】
しかしジャイロセンサは、実際には相対角変位を直接検出するのではなく、相対角速度を測定して、その相対角速度を時間に関して積分することで相対角変位を検出している。また同様に加速度センサは、相対加速度を測定して、その相対加速度を時間に関して2回積分することで相対スライド変位を検出している。したがってロボットのアーム先端の変位量が増えるにつれて、または時間が経過するにつれて、検出誤差およびドリフトが累積するので、このような慣性センサでは、ロボットのアーム先端に設けられるツールの基準点の位置および姿勢を高精度で測定することができない。たとえば市販されている汎用の光ファイバジャイロおよびリングレーザジャイロは、相対加速度の精度は、高々0.01〜0.03重力加速度程度であり、この程度の精度であると、ロボットが1秒間動作すると、最悪5〜15センチメートルもの誤差が蓄積される。
【0008】
また前述の従来技術のように、超音波によるアーム先端に設けられるツールの位置および姿勢を計測において、超音波発信器からの超音波パルスの一部が、ロボットおよびロボットの周辺に設置されている機器などに反射し、その反射波が所定位置に固定される受信器によって受信され、アーム先端と所定位置との距離を正確に求めることができない。またロボットは、高速で動作するので、ドップラー効果によって、アーム先端と所定位置との距離を正確に求めることができない。このように従来技術では、ロボットアームの先端を高精度かつ短時間に順次測定することができないので、ロボットに設けられる可動体を精度よく、変位移動させることができない。
【0009】
したがって本発明の目的は、可動体に設定される基準点の位置および可動体の姿勢を高精度で変位移動することができる産業用ロボットの制御方法および制御装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、ターゲットおよび慣性センサが予め定める位置に設けられる可動体を変位移動するための産業用ロボットを制御する制御方法であって、
ロボット座標系において予め把握される計測位置に配置される撮像手段によって撮像されるターゲットの画像を画像処理して、ロボット座標系における可動体の位置および姿勢を示す可動体情報を求める第1演算段階と、
第1演算段階によって求められる可動体情報と、時刻に対応づけて設定される指令値との偏差を求めて、求めた偏差に基づいて産業用ロボットの制御量を補正して、産業用ロボットを制御する第1制御段階と、
第1演算段階によって求められる可動体情報と、慣性センサによって計測される可動体の相対変位とに基づいて、前記可動体情報を更新する第2演算段階と、
第2演算段階によって更新される可動体情報と、前記指令値との偏差を求めて、求めた偏差に基づいて産業用ロボットの制御量を補正して、産業用ロボットを制御する第2制御段階と、
第2演算段階と第2制御段階とを所定時間繰返す繰返し段階とを含み、
繰返し段階の後に、第1演算段階に戻る一連の制御動作を繰返すことを特徴とする産業用ロボットの制御方法である。
本発明に従えば、第1演算段階によって可動体情報を求めてから、所定時間経過するまで第2演算段階による可動体情報の更新を繰返し、所定時間経過すると、また第1演算段階に戻って可動体情報を求める。
第1演算段階では、撮像手段によって撮像される撮像結果に基づくことで、可動体情報を精度よく求めることができる。また第2演算段階では、第1演算段階によって既知となった可動体情報と、慣性センサによって計測された計測結果とを用いることで、可動体情報を短い時間間隔で順次更新することができる。また第2演算段階を所定時間繰返した後に、第1演算段階に戻ることによって、第2演算段階で更新される可動体情報に、慣性センサの計測に起因する誤差が蓄積することを防ぐことができる。
このようにして、精度よくかつ短い時間間隔で順次得られる可動体情報に基づいて、産業用ロボットを制御することによって、可動体情報と指令値との偏差を小さくすることができ、可動体を精度よく変位移動させることができる。
【0011】
請求項2記載の本発明は、第1演算段階では、ターゲットを予め定められる回転軸線まわりに回転させながら、ロボット座標系におけるターゲットの位置および姿勢を求めることを特徴とする。
本発明に従えば、第1演算段階でターゲットを予め定める軸線まわりに回転させることによって、ターゲットの回転軸線を求めることができ、求めたターゲットの回転軸線から可動体の姿勢を求めることができる。さらに可動体の移動速度よりも十分速い回転速度で回転軸線まわりにターゲットを回転させることで、ロボットによって可動体が移動している最中であっても、可動体情報を精度よく求めることができる。
【0012】
請求項3記載の本発明は、可動体を変位移動する産業用ロボットを制御する制御装置であって、
可動体の予め定める位置に装着されるターゲットと、
ロボット座標系において予め把握される計測位置に配置され、ターゲットの画像を撮像する撮像手段と、
可動体の予め定める位置に装着され、可動体の相対変位を計測する慣性センサと、
撮像手段によって撮像されるターゲットの画像を画像処理して、ロボット座標系における可動体の位置および姿勢を示す可動体情報を所定時間ごとに求める第1計算手段と、
第1計算手段が可動体情報を求めてから、次に第1計算手段が可動体情報を求めるまで、第1計算手段によって求められた可動体情報と、慣性センサによって計測される可動体の相対変位とに基づいて、可動体情報を更新する第2計算手段と、
第1計算手段によって可動体情報が求められた場合には、第1計算手段によって求められる可動体情報と、時刻に対応づけて設定される指令値との偏差を求めて、求めた偏差に基づいて産業用ロボットの制御量を補正し、第2計算手段によって可動体情報が求められた場合には、第2計算手段によって求められる可動体情報と、前記指令値との偏差を求めて、求めた偏差に基づいて産業用ロボットの制御量を補正して、産業用ロボットを制御する制御手段とを含むことを特徴とする産業用ロボットの制御装置である。
本発明に従えば、第1計算手段によって可動体情報を求めてから、次に第1計算手段によって可動体情報を求めるまで、第2計算手段によって可動体情報が繰り返し更新される。
第1計算手段では、撮像手段によって撮像される撮像結果に基づくことで、可動体情報を精度よく求めることができる。また第2計算手段では、第1計算手段によって既知となった可動体情報と、慣性センサによって計測された計測結果とを用いることで、可動体情報を短い時間間隔で順次更新することができる。また第2計算手段が、第1計算手段によって可動体情報が求められた後から、次に第1計算手段によって可動体情報が求められる間について、第1計算手段によって求められた可動体情報に基づいて可動体情報の更新を繰返し行う。これによって、慣性センサの計測に起因する誤差が可動体情報に蓄積することを防ぐことができる。
このようにして、精度よくかつ短い時間間隔で順次得られる可動体情報に基づいて、制御手段が産業用ロボットを制御することによって、可動体情報と指令値との偏差を小さくすることができ、可動体を精度よく変位移動させることができる。
【0013】
請求項4記載の本発明は、ターゲットを、予め定められる回転軸線まわりに回転させる駆動手段をさらに有し、
撮像手段は、駆動手段によってターゲットが回転する状態で、ターゲットの画像を撮像することを特徴とする。
本発明に従えば、第1計算手段は、ターゲットが予め定める軸線まわりに回転した複数の画像に基づくことによって、ターゲットの回転軸線を求めることができ、求めたターゲットの回転軸線から可動体の姿勢を求めることができる。さらに可動体の移動速度よりも十分速い回転速度で予め定める回転軸線まわりにターゲットを回転させることで、ロボットによって可動体が移動している最中であっても、可動体情報を精度よく求めることができる。
【0016】
請求項記載の本発明は、同一軸線上に並ばない3個のターゲットがそれぞれ可動体に装着されることを特徴とする。
本発明に従えば、3個のターゲットは同一直線上に並ばないので、第1計算手段は、この3個のターゲットを含む平面を容易に求めることができる。これによって、その平面の法線を求めて、ターゲットを基準とするターゲット座標系を求めることができる。したがってロボット座標系とターゲット座標系とに基づいて、前記可動体情報を容易かつ正確に求めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態の位置および姿勢検出装置10の構成を示すブロック図である。図2は、ロボット20および複数のカメラ13A,13B,13Cを模式的に示す図である。位置および姿勢検出装置(以後、単に「位置姿勢検出装置」と表記することがある。)10は、産業用ロボットなどのロボット20の手首24に連結されるツール30などの可動体に設定された基準点の位置およびツール30の姿勢を検出して、ツール30のスライド変位および角変位を制御する産業用ロボット制御装置である。
【0020】
ロボット20は、たとえば6軸垂直多関節ロボットである。ロボット20は、ベース部21、下部アーム22、上部アーム23および手首24を有する。ベース部21は、鉛直方向に延びる第1軸線J1まわりに旋回可能である。下部アーム22は、水平方向に延びる第2軸線J2まわりに角変位可能にしてベース部21に連結される。上部アーム23は、その基端部が水平方向に延びる第3軸線J3まわりに角変位可能にして下部アーム22の上端部に連結される。手首24は、上部アーム23の軸線に平行に延びる第4軸線J4まわりに角変位可能、かつ前記第4軸線J4に垂直な第5軸線J5まわりに角変位可能にして上部アーム23の先端部に連結される。手首24は、第5軸線J5に垂直な第6軸線J6まわりに角変位可能なフランジ25を有する。ハンド、溶接トーチおよびセンサなどのツール30は、フランジ25に設けられるツールチェンジャー(図示せず)などを介してフランジ25に連結される。
【0021】
位置姿勢検出装置10は、ターゲットユニット11、LED駆動部12、カメラ13、画像処理部14、ジャイロセンサ15、加速度センサ16、信号処理部17、演算部18およびロボット制御部19を含んで構成される。
【0022】
図3は、ターゲットユニット11を示す斜視図である。ターゲットユニット11は、ツールチェンジャーおよびツール30のいずれかに設けられる。またターゲットユニット11は、ロボット20全体の誤差のうち手首部分の誤差が小さい場合、ロボット20の上部アーム23の先端部に設けてもよい。本実施の形態では、ターゲットユニット11は、ツール30に設けられ、ツール30とともにスライド変位および角変位可能である。ターゲットユニット11は、同一直線上に並ばない3個のターゲットを有する。本実施の形態では、ターゲットユニット11は、第1ターゲット31、第2ターゲット32、第3ターゲット33および第4ターゲット34の4つのターゲットを有する。
【0023】
第1ターゲット31〜第4ターゲット34は、同形状の球状に形成され、透光性を有し、その重心に互いに異なる色で発光する発光ダイオード(Light Emitting Diode;略称:LED)を備える。第2ターゲット32は、円柱状の第1リンク35を介して第1ターゲット32に連結される。第3ターゲット33は、円柱状の第2リンク36を介して第1ターゲット32に連結される。第4ターゲット34は、円柱状の第3リンク37を介して第1ターゲット32に連結される。第1〜第3リンク35〜37は、全く同じ形状であり、第1ターゲット31の重心から第2ターゲット32の重心までの距離と、第1ターゲット31の重心から第3ターゲット33の重心までの距離と、第1ターゲット31から第4ターゲット34までの距離とは、同じである。第1リンク35、第2リンク36および第3リンク37は、それらの軸線が互いに直交するようにして配置される。ターゲットユニット11の第1ターゲット31は、第1ターゲット31の重心がツール30に設定される基準点となるようにして配置される。LED駆動部12は、演算部18からのLED制御信号に基づいて、ターゲットユニット11の各ターゲット31〜34に備えられるLEDを発光させるために必要な駆動電力の供給および非供給を行う。
【0024】
撮影手段であるカメラ13は、予め定める座標系であるロボット座標系における絶対位置が把握されている撮像位置に配置され、前記撮像位置からターゲットユニット11を撮影して、ターゲットユニット11の画像を表す画像データを生成し、複数設けられる。本実施の形態において、ロボット座標系とは、ロボット20のベース部21が固定される床に平行に延び、互いに直交するx軸およびy軸、ならびに鉛直上向きに延びるz軸で構成される直交座標系である。本実施の形態において、カメラ13は、固体撮像素子(Charge Coupled Device ;略称:CCD)を備えるCCDカメラで実現される。またカメラ13は、本実施の形態では、第1カメラ13A、第2カメラ13Bおよび第3カメラ13Cの3台のカメラで構成され、ロボット座標系における絶対位置が把握されている互いに異なる撮像位置に配置される。各カメラ13A〜13Cが配置される撮像位置は、詳細に述べると、ロボット20の動作領域外であって、全カメラ13A〜13Cによって、ロボット20の動作領域全体を撮影できる位置である。以後、第1〜第3カメラ13A〜13Cを区別しない場合には、単に、カメラ13と表記することがある。
【0025】
第1検出手段である画像処理部14は、たとえばマイクロコンピュータで実現され、演算部18からの計測指令信号が与えられると、カメラ13からの画像データに基づいて画像処理を行い、ロボット座標系におけるツール30に設定された基準点の絶対位置およびツール30の絶対姿勢を求め、求めたツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢を含む絶対位置姿勢検出信号を演算部18に与える。
【0026】
第2検出手段であるジャイロセンサ15および加速度センサ16は、ツール30およびツールチェンジャーのいずれかに設けられ、ツール30とともにスライド変位および角変位可能である。ジャイロセンサ15は、ツール30の角速度を検出することによってツール30の相対角変位を検出して、ツール30の相対角変位を含む相対角変位検出信号を信号処理部17に与える。加速度センサ16は、ツール30のスライド加速度を検出することによってツール30の相対スライド変位を検出して、ツール30の相対スライド変位を含む相対スライド変位検出信号を信号処理部17に与える。本実施の形態において、第2検出手段は、ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって構成される。信号処理部17は、ジャイロセンサ15および加速度センサ16からの相対角変位検出信号および相対スライド変位検出信号を、演算部18によって演算処理可能な信号に変換する信号処理を行って、ツール30の相対角変位および相対スライド変位を含む相対変位検出信号を演算部18に与える。
【0027】
演算手段である演算部18は、たとえば中央演算処理装置(Central Processing Unit;略称:CPU)などの演算処理装置、ならびにランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリおよびハードディスクドライブなどの記憶装置を含んで実現され、位置姿勢検出装置10を統括的に制御する。演算部18は、ターゲットユニット11の各ターゲット31〜34への駆動電力の供給および非供給を示すLED制御信号を、LED駆動部12に与える。また演算部18は、ロボット座標系におけるツール30に設定された基準点の絶対位置およびツール30の絶対姿勢を求めることを示す計測指令信号を、画像処理部14に与える。さらに演算部18は、ロボット制御部19から指令要請信号が与えられると、画像処理部14からの絶対位置姿勢検出信号に含まれるロボット座標系におけるツール30に設定された基準点の絶対位置およびツール30の絶対姿勢と、信号処理部17からの相対変位検出信号に含まれるツール30の相対角変位およびツール30の基準点の相対スライド変位とに基づいて、ツール30の基準点の位置およびツール30の姿勢を求めて、求めた位置および姿勢に基づく修正制御指令値を含む制御信号をロボット制御部19に与える。
【0028】
制御手段であるロボット制御部(以後、単に「制御部」と表記することがある。)19は、予め設定されている制御指令値および演算部18によって求められる修正指令値を含む制御信号を与えるように要請することを示す指令要請信号を、演算部18に与える。また制御部19は、演算部18から与えられる制御信号に含まれる制御指令値および修正制御指令値に基づいて、ツール30のスライド変位および角変位を制御する。ロボット20の、下部アーム22、上部アーム23、手首24およびフランジ25は、ロボット20に搭載され、制御部19によって制御される複数のサーボモータ(図示せず)の駆動力によって、第1〜第6軸線J1〜J6まわりに角変位する。これによって制御部19は、ツール30のスライド変位および角変位を制御する。
【0029】
図4は、カメラ13を用いて、ある点Pのロボット座標系における座標(X,Y,Z)を求める方法を説明するための図である。ここでは理解を容易にするために、第1カメラ13Aおよび第2カメラ13Bを用いる場合の、ある点Pのロボット座標系における座標(X,Y,Z)を求める方法を説明する。第1カメラ13Aが撮影した点Pが、第1カメラ13Aの撮像面A1において点Q1として撮影された場合、点Q1の第1カメラ13Aの撮像面A1座標系における座標を(XC1,YC1)とする。また第2カメラ13Bが撮影した点Pが、第2カメラ13Bの撮像面A2において点Q2として撮影された場合、点Q2の第2カメラ13Bの撮像面A2座標系における座標を(XC2,YC2)とする。このとき点Pと点Q1との関係は、次式(1)で表され、点Pと点Q2との関係は、次式(2)で表される。
【0030】
【数1】
Figure 0003754402
【0031】
前式(1)において、hは、同次座標表現における媒介変数であり、右辺における左側の行列は、予め定められる第1カメラ13Aのカメラパラメータ行列である。前式(2)において、hは、同次座標表現における媒介変数であり、右辺における左側の行列は、予め定められる第2カメラ13Bのカメラパラメータ行列である。
【0032】
画像処理部14は、第1カメラ13Aからの画像データに基づいて、点Q1の座標(XC1,YC1)、および第2カメラ13Bからの画像データに基づいて、点Q2の座標(XC2,YC2)を求めて、前式(1)および式(2)を連立させて、各媒介変数h,hを消去して、点Pのロボット座標系における座標(X,Y,Z)に関して整理すると、次式(3)が得られる。
B=A・V …(3)
【0033】
前式(3)の左辺の行列Bは次式(5)で表され、右辺における左側の行列Aは次式(4)で表され、右辺における右側の行列Vは次式(6)で表される。
【0034】
【数2】
Figure 0003754402
【0035】
したがって、点Pのロボット座標系における座標(X,Y,Z)は、次式(7)のように求められる。
V=(A・A)−1・A・B …(7)
【0036】
前式(7)において、Tは行列の転置を示す。
前述の点Pのロボット座標系における座標(X,Y,Z)の求め方は、第1カメラ13Aおよび第2カメラ13Bの2台のカメラ13を用いた場合であるが、カメラ13を3台以上用いる場合であっても同様にして点Pのロボット座標系における座標(X,Y,Z)を求めることができる。このようにしてロボット座標系におけるターゲットユニット11の第1ターゲット31の重心L1の座標(XL1,YL1,ZL1)を求めることによって、ツール30に設定された基準点の絶対位置を求めることができる。
【0037】
また、このようにして画像処理部14は、カメラ13からの画像データに基づいて、ターゲットユニット11の第1〜第4ターゲット31〜34の重心の座標が得られる。ロボット座標系における第1ターゲット31の重心L1の座標(XL1,YL1,ZL1)、第2ターゲット32の重心L2の座標(XL2,YL2,ZL2)、第3ターゲット33の重心L3の座標(XL3,YL3,ZL3)、第4ターゲット34の重心L4の座標(XL4,YL4,ZL4)とすると、第1ターゲット31から第2ターゲット32に向かう第1基底ベクトルVx、第1ターゲット31から第3ターゲット33に向かう第2基底ベクトルVyおよび第1ターゲット31から第4ターゲット34に向かう第3基底ベクトルVzは、それぞれ次式(8)、式(9)および式(10)で表される。
【0038】
【数3】
Figure 0003754402
【0039】
このようにして第1ターゲット31の重心L1を座標原点とし、互いに直交する第1〜第3基底ベクトルVx,Vy,Vzによって構成されるターゲット座標系が求められる。これによってターゲット座標系のロボット座標系に対する傾斜がわかるので、ツール30の絶対姿勢を求めることができる。
【0040】
ここで万一、ターゲットユニット11の第2〜第4ターゲット32〜34のいずれか1つがカメラ13によって撮影できなくても、第1ターゲット31を含む3つの残余のターゲットの重心の座標を求めることによって、前記3つの残余のターゲットの重心を含む平面が求められるので、この平面の法線を求めることができる。これによってターゲット座標系を求めることができる。
【0041】
このようなターゲットユニット11をカメラ13で撮影して、その画像データに基づいてターゲット座標系を求めて、ツール30に設定された基準点の位置およびツール30の姿勢を求めるには、多少の時間、たとえば0.1秒程度を要するので、画像処理部14によってツール30の基準点の位置および姿勢が求められてから、次に画像処理部14によってツール30の基準点の位置および姿勢が求められるまでの間は、ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって検出される相対角変位および相対スライド変位に基づいて、演算部18は、ツール30の基準点の位置および姿勢を求める。
【0042】
ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって検出される相対角変位および相対スライド変位に基づくツール30の基準点の位置および姿勢は、画像処理部14によって求められるツール30の基準点の位置および姿勢に比べて精度が低いけれども、相対角変位および相対スライド変位の誤差が蓄積されるまでには、新たに画像処理部14によってツール30の基準点の位置および姿勢が求められるので、短い時間間隔で精度の高いツール30の基準点の位置および姿勢を順次求めることができる。
【0043】
図5は、ロボット制御部19によるツール30のスライド変位および角変位を制御する手順を示すフローチャートである。図6は、ロボット制御部19によるツール30のスライド変位および角変位を制御する方法を説明するための図である。ロボット制御部19がロボット20に制御信号を与える時間間隔である指令サイクルをt秒とする。ステップs0で、制御手順が開始されて、ステップs1に進む。
【0044】
ステップs1では、演算部18は、ある時刻Tにおいて求めたツール30の基準点および姿勢を示す実測値Rと、予め設定される時刻Tにおけるツール30の基準点および姿勢を示す制御指令値Hとの誤差ベクトルΔを求めて、ステップs2に進む。ここで添字iは整数である。
【0045】
ステップs2では、演算部18は、時刻Tからt秒後の時刻Ti+1における予め設定されているロボット20のツール30の基準点および姿勢を示す制御指令値Hi+1に、誤差ベクトルの総和ΣΔi−1と、ステップs1で求めた誤差ベクトルΔとを加算して、時刻Ti+1における修正制御指令値Ni+1を求めて、ステップs3に進む。誤差ベクトルの総和ΣΔi−1とは、時刻Tのt秒前の時刻Ti−1までに累積されている演算部18によって求められたツール30の基準点および姿勢を示す実測値と、予め設定されるロボット20のツール30の基準点および姿勢を示す制御指令値との誤差ベクトルの総和である。
【0046】
ステップs3では、演算部18は、時刻Ti+1において、ステップs2で求めた修正制御指令値Ni+1を含む制御信号をロボット制御部19に与えて、ステップs4に進む。ステップs4では、添字iをi+1に置換えて、ステップs1に戻る。
【0047】
このような手順で制御を行うことによって、図6に示すように、演算部18によって求められたツール30の基準点および姿勢を示す実測値の軌跡L11は、予め設定されるツール30の基準点および姿勢を示す制御指令値の軌跡L10に近づいていく。したがって演算部18からの高精度のツール30の基準点の位置および姿勢に基づく修正制御指令値を含む制御信号をロボット制御部19に与えることによって、ツール30のスライド変位および角変位を高精度に制御することができる。
【0048】
以上のように本実施の形態の位置姿勢検出装置10によれば、複数のカメラ13によって、予め定めるロボット座標系における絶対位置が把握されている撮像位置から、ツール30に設けられるターゲットユニット11が撮影され、ターゲットユニット11の画像を表す画像データが生成される。カメラ13が複数、たとえば2個あれば、ターゲットユニット11を両眼立体視することができる。またカメラ13を3個以上にすることによって、ツール30のスライド変位および角変位によって、各ターゲット31〜34が各カメラ13の死角領域に入ってしまうことを可及的に防止することができる。
【0049】
画像処理部14によって、カメラ13からの画像データに基づいて、ロボット座標系におけるツール30に設定された基準点の絶対位置およびツール30の絶対姿勢が求められる。このときターゲットユニット11において、4個のターゲット31〜34のうち、いずれの3個のターゲットは同一直線上に並ばないので、3個のターゲットを含む平面を容易に求めて、その平面の法線を求めて、ターゲットを基準とするターゲット座標系を求めることができる。したがってロボット座標系とターゲット座標系とに基づいて、ロボット座標系におけるツール30に設定された基準点の絶対位置およびツール30の絶対姿勢を容易かつ正確に求めることができる。さらにツール30に設けられるジャイロセンサ15および加速度センサ16によって、ツール30の相対スライド変位および相対角変位が検出される。
【0050】
演算部18によって、画像処理部14からのツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢と、ジャイロセンサ15および加速度センサ16からのツール30の相対スライド変位および相対角変位とに基づいて、ツール30の基準点の位置および姿勢が求められる。これによって、たとえば画像処理部14によって求められるツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢が、ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって検出されるツール30の相対スライド変位および相対角変位よりも高精度であるけれども、画像処理部14はツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢を短い時間間隔で順次求めることができない場合、または、万一、ターゲットユニット11が各カメラ13の死角に入ってしまった場合、演算部18は、画像処理部14によってツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢が求められるまでは、ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって求められるツール30の相対スライド変位および相対角変位に基づいて、ツール30の基準点の位置および姿勢を求めることができる。このように演算部18は、画像処理部14ならびにジャイロセンサ15および加速度センサ16からのツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢、ならびに相対スライド変位および相対角変位に基づいて、極めて高精度なツール30の基準点の位置および姿勢を短い時間間隔で順次求めることができる。
【0051】
また本実施の形態の位置姿勢検出装置10によれば、演算部18からの高精度のツール30の基準点の位置および姿勢に基づいて、ツール30のスライド変位および角変位を高精度に制御することができる。
【0052】
本実施の形態の位置姿勢検出装置10において、ターゲットユニット11の各ターゲット31〜34は、同形状の球状に形成され、LEDによって互いに異なる色で発光するとしたけれども、各ターゲット31〜34は、画像処理部14が、各ターゲット31〜34を区別可能であればよい。たとえば、各ターゲット31〜34を互いに異なる形状、具体的な一例としては、互いに異なる大きさの球にしてもよい。
【0053】
また本実施の形態の位置姿勢検出装置10において、ターゲットユニット11は、ツール30に設けられ、第1ターゲット31は、第1ターゲット31の重心がツール30に設定される基準点となるようにして配置されるとしたけれども、これに限ることはない。たとえば、ターゲットユニット11を2個用いてもよい。この場合、8つのターゲットは互いに異なる色で発光するようにして、各ターゲットユニット11の第1ターゲット31を、たとえば手首24の軸線に関して対称となる位置に配置して、ツール30の基準点をツール30の重心として、各第1ターゲット31とツール30の基準点との位置関係を把握しておくようにする。ターゲットユニット11を2個用いることによって、2つのターゲットユニット11がともに、全てのカメラ13の死角領域に入る可能性が極めて低くなるので、ほぼ確実にターゲット座標系を求めることができ、したがってツール30の基準点の位置および姿勢を確実に求めることができる。
【0054】
また各カメラ13の視野を狭くし、かつ画像処理部14によって求められる第1ターゲット31の重心の座標に基づいて、ターゲットユニット11を自動的に追尾する機能を有する雲台に連結して、各カメラ13をスライド変位および角変位させるようにしてもよい。これによって、画像処理部14によって求められるツール30の基準点の位置および姿勢の精度を向上することができる。
【0055】
図7は、ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって検出されるツール30の相対角変位および相対スライド変位を主にして、ツール30の基準点の位置および姿勢を制御する場合の、ツール30の基準点の位置および姿勢の実測値の真値からの誤差と時間との関係を示すグラフである。前述の本実施の形態では、画像処理部14によって求められるツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢を主とし、ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって検出されるツール30の相対角変位および相対スライド変位を副として、ツール30の基準点の位置および姿勢を制御したが、これとは逆に、ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって検出されるツール30の相対角変位および相対スライド変位を主とし、画像処理部14によって求められるツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢を副として、ツール30の基準点の位置および姿勢を制御するようにしてもよい。
【0056】
この場合、演算部18は、ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって検出されるツール30の相対角変位および相対スライド変位に基づく修正制御指令値を含む制御信号をロボット制御部19に与え、所定の時間間隔となる時刻U1,U2,U3,…,Unにおいて、画像処理部14によって求められるツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢に基づく修正制御指令値を含む制御信号をロボット制御部19に与えることによって、図7の破線L12に示すように、ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって検出される相対角変位および相対スライド変位に基づいて修正制御指令値に含まれる誤差を可及的に小さくすることができる。
【0057】
また、たとえばロボット20の動作領域内に複数の予め定める待機点を設定しておくようにしてもよい。この場合、ロボット20が待機点に配置されたときに、画像処理部14によって求められるツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢に基づく修正制御指令値を含む制御信号をロボット制御部19に与えることによって、図7の実線L13に示すように、ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって検出されるツール30の相対角変位および相対スライド変位に基づく修正制御指令値に含まれる誤差をほぼ零にすることができる。
【0058】
またロボット20の繰返し精度が高いことを利用して、複数の待機点におけるツール30の基準点の位置および姿勢を予め測定しておき、ツール30が待機点に配置されたときに、ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって検出されるツール30の相対角変位および相対スライド変位に基づくツール30の基準点の位置および姿勢を、予め測定しておいた数値に置きかえてもよい。
【0059】
また本実施の形態の位置姿勢検出装置10において、カメラ13によってターゲットユニット11を撮影し、その画像データに基づいて、ロボット座標系におけるツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢を求め、ロボット座標系におけるツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢を求めるとしたけれども、これに限ることはない。たとえば前述の待機点近傍に距離計測センサを設置して、ツール30の基準点の位置および姿勢を測定するようにしてもよい。
【0060】
またロボット20が繰返し作業を行う場合は、ドライラン時にツール30の基準点の位置および姿勢を測定し、作業前に自動的に制御指令値を修正しておくようにしてもよい。さらにセンサをツール30として用いて、ワークの形状などを計測する計測ロボットとして利用する場合、ワークの計測終了後にツール30の基準点および姿勢の誤差による計測データへの影響を可及的に小さくすることができる。
【0061】
図8は、本発明の第2の実施形態の位置および姿勢検出装置50の構成を示すブロック図である。図9は、ロボット20およびレーザ干渉計53を模式的に示す図である。位置および姿勢検出装置(以後、単に「位置姿勢検出装置」と表記することがある。)50は、産業用ロボットなどのロボット20の手首24に連結されるツール30などの可動体に設定された基準点の位置およびツール30の姿勢を検出して、ツール30のスライド変位および角変位を制御する。ロボット20は、第1の実施形態におけるロボット20と同様の軸垂直多関節ロボットであるので、同一の参照符号を付して、詳細な説明は省略する。本実施の形態において、ロボット座標系とは、ロボット20のベース部21が固定される床に平行に延び、互いに直交するx軸およびy軸、ならびに鉛直上向きに延びるz軸で構成される直交座標系である。
【0062】
位置姿勢検出装置50は、ターゲット51、回転駆動部52、レーザ干渉計53、測距処理部54、ジャイロセンサ15、加速度センサ16、信号処理部17、演算部58およびロボット制御部19を含んで構成される。
【0063】
ターゲット51は、ロボット20の上部アーム23の先端部、ツールチェンジャーおよびツール30のいずれかに設けられる。本実施の形態では、ターゲットユニット11は、ツール30に設けられ、ツール30とともにスライド変位および角変位可能である。ターゲット51は、たとえばコーナーキューブプリズムで実現され、レーザ干渉計53からターゲット51に入射したレーザ光を、レーザ光の入射方向とは平行な方向に反射する。駆動手段である回転駆動部52は、たとえばステッピングモータ、またはインダクションモータとエンコーダとで実現され、演算部58からの回転制御信号に基づいて、ターゲット51を予め定める軸線である付加軸線L52まわりに回転駆動するとともに、ターゲット51の角度位置を検出可能である。このとき基準点は、ターゲット51の回転中心となるように、付加軸線L52を配置する。本実施の形態において、回転とは、360度未満の角変位および360度以上の回転を含むものとする。
【0064】
ターゲット距離測定手段であるレーザ干渉計53は、予め定める座標系であるロボット座標系における絶対位置が把握されている測距位置に配置され、レーザ光を射出して、ターゲット51にレーザ光を入射して、その反射光と、射出したレーザ光と同位相のレーザ光とを干渉させて、干渉強度の最大値および最小値の変化の回数を計数することによって、前記側距位置からターゲット51までの距離を測定する。レーザ干渉計53には、ターゲット51を追尾する機能を有し、ターゲット51にレーザ光を常に入射させることができるとともに、レーザ光の射出方向を検出可能である。
【0065】
第1検出手段である測距処理部54は、たとえばマイクロコンピュータで実現され、演算部58からの計測指令信号が与えられると、レーザ干渉計53によって測定された距離および検出されたレーザ光の射出方向に基づいて、ロボット座標系におけるツール30に設定された基準点の絶対位置およびツール30の絶対姿勢を求め、求めたツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢を含む絶対位置姿勢検出信号を演算部58に与える。測距処理部54は、詳細に述べると、レーザ干渉計53によって測定された距離および検出されたレーザ光の射出方向に基づいて、レーザ干渉計53の座標系である干渉計座標系におけるツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢を求めてから、ロボット座標系におけるツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢に変換する。
【0066】
第2検出手段であるジャイロセンサ15および加速度センサ16は、第1の実施形態の位置姿勢検出装置10におけるジャイロセンサ15および加速度センサ16と同様であるので、同一の参照符号を付して、詳細な説明は省略する。信号処理部17は、第1の実施形態の位置姿勢検出装置10における信号処理部17と同様であるので、同一の参照符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0067】
演算手段である演算部58は、たとえばCPUなどの演算処理装置、ならびにランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリおよびハードディスクドライブなどの記憶装置を含んで実現され、位置姿勢検出装置50を統括的に制御する。演算部58は、ターゲット51の付加軸線L52まわりの回転駆動を示す回転制御信号を回転駆動部52与える。また演算部18は、レーザ干渉計53によって測定された距離および検出されたレーザ光の射出方向に基づいて、ロボット座標系におけるツール30に設定されたツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢を求めることを示す計測指令信号を、測距処理部54に与える。さらに演算部58は、ロボット制御部19から指令要請信号が与えられると、測距処理部54からの絶対位置姿勢検出信号に含まれるロボット座標系におけるツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢と、信号処理部17からの相対変位検出信号に含まれるツール30の相対角変位および相対スライド変位とに基づいて、ツール30の基準点の位置および姿勢を求めて、求めた位置および姿勢に基づく修正制御指令値を含む制御信号をロボット制御部19に与える。
【0068】
制御手段であるロボット制御部19は、第1の実施の形態の位置姿勢検出装置10におけるロボット制御部19と同様であるので、同一の参照符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0069】
図10は、レーザ干渉計53およびロボット20における干渉計座標系、付加軸座標系およびロボット座標系を模式的に示す図である。図11は、ツール30がスライド変位および角変位していない静止状態で、ツール30の基準点の位置および姿勢を検出する方法を説明するための図である。ツール30がスライド変位および角変位していない静止状態で、ツール30の基準点の位置および姿勢を検出する方法を以下に説明する。
【0070】
演算部58は、予め定める第1静止角度位置M1にターゲット51を配置することを示す回転制御信号を回転駆動部52に与える。回転駆動部52は、前記回転制御信号に基づいて、ターゲット51を付加軸線L52まわりに回転させて第1静止角度位置M1に配置する。このときレーザ干渉計53は、第1静止角度位置M1に配置されるターゲット51と測距位置との距離を測定するとともに、レーザ光の射出方向を検出する。測距処理部54は、測定された距離および検出された射出方向に基づいて、第1静止角度位置M1に配置されるターゲット51の干渉計座標系の第1静止位置の干渉計座標系における座標を求める。
【0071】
続いて演算部58は、第1静止角度位置M1から予め定める回転方向に90度角変位した角度位置である第2静止角度位置M2にターゲット51を配置することを示す回転制御信号を回転駆動部52に与える。回転駆動部52は、前記回転制御信号に基づいて、ターゲット51を付加軸線L52まわりに回転させて第2静止角度位置M2に配置する。このときレーザ干渉計53は、第2静止角度位置M2に配置されるターゲット51と測距位置との距離を測定するとともに、レーザ光の射出方向を検出する。測距処理部54は、測定された距離および検出された射出方向に基づいて、第2静止角度位置M2に配置されるターゲット51の干渉計座標系の第2静止位置の干渉計座標系における座標を求める。
【0072】
さらに演算部58は、第1静止角度位置M1から前記回転方向に270度角変位した角度位置である第3静止角度位置M3にターゲット51を配置することを示す回転制御信号を回転駆動部52に与える。回転駆動部52は、前記回転制御信号に基づいて、ターゲット51を付加軸線L52まわりに回転させて第3静止角度位置M3に配置する。このときレーザ干渉計53は、第3静止角度位置M3に配置されるターゲット51と測距位置との距離を測定するとともに、レーザ光の射出方向を検出する。測距処理部54は、測定された距離および検出された射出方向に基づいて、第3静止角度位置M3に配置されるターゲット51の干渉計座標系の第3静止位置の干渉計座標系における座標を求める。
【0073】
このようにターゲット51の3つの静止角度位置M1〜M3における干渉計座標系の同一直線上に並ばない3つの静止位置が求められたので、測距処理部54は、3つの第1〜第3静止位置を含む平面を求めるとともに、これら3つの静止位置およびターゲット51の回転半径から回転中心を決定して、前記回転中心から第1静止位置に向かう第1基底ベクトルVx、前記回転中心から第2静止位置に向かう第2基底ベクトルVy、および前記回転中心から前記平面に垂直な方向に向かう第3基底ベクトルVzを求める。このようにして前記回転中心すなわち基準点を座標原点とし、互いに直交する第1〜第3基底ベクトルVx,Vy,Vzによって構成されるターゲット座標系が求められる。これによってターゲット座標系の干渉計座標系に対する傾斜がわかるので、また、ロボット座標系と干渉計座標系との関係も既知であるので、ツール30の絶対姿勢を求めることができる。
【0074】
ここで万一、レーザ干渉計53が、前記第1〜第3角度位置M1〜M3に配置されるターゲット51にレーザ光を入射させることができなくても、前記第1〜第3角度位置M1〜M3以外の同一直線上に無い3つの角度位置にターゲット51を配置して、これらの角度位置に配置されるターゲット51の干渉計座標系における第1〜第3位置を求めることができる。これによって測距処理部54は、この干渉計座標系における第1〜第3位置である3つの位置を含む平面を求めるとともに、これら3つの位置およびターゲット51の回転半径から回転中心を求めて、前記回転中心を座標原点とし、互いに直交する第1〜第3基底ベクトルVx,Vy,Vzを求めて、ターゲット座標系を求めることができる。
【0075】
図12は、ツール30がスライド変位および角変位している動作状態で、ツール30の基準点の位置および姿勢を検出する方法を説明するための図である。ツール30がスライド変位および角変位している動作状態で、ツール30の基準点の位置および姿勢を検出する方法を以下に説明する。
【0076】
演算部58は、ロボット20のツール30のスライド速度よりも充分に速い回転速度でターゲット51を回転することを示す回転制御信号を回転駆動部52に与える。回転駆動部52は、前記回転制御信号に基づいて、ツール30のスライド速度よりも充分に速い回転速度でターゲット51を付加軸線L52まわりに回転させる。ターゲット51が、ツール30のスライド速度よりも充分に速い回転速度で付加軸線L52まわりに回転することによって、所定の時間間隔となる複数、本実施の形態では3つの時刻におけるターゲット51の3つの位置が、近似的に、3つの時刻のうちの最も最近の時刻における付加軸線L52に垂直な平面上に存在する。図12は、理解を容易にするために、3つの角度位置D1〜D3が重ならないように、それぞれ異なる平面(付加軸線L52に垂直な平面)上に存在しているように表記しているが、実際には、矢符Cの方向には、ほとんど間隔をあけていない。
【0077】
レーザ干渉計53は、前述の所定の時間間隔で、回転しているターゲット51と測距位置との距離を測定するとともに、レーザ光の射出方向を検出する。そして測距処理部54は、測定された距離および検出された射出方向に基づいて、測定された各時刻におけるターゲット51の干渉計座標系における座標を求める。
【0078】
ある測定時刻tにおけるツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢を求めるためには、前記測定時刻tを含む3つの時刻におけるターゲット51の干渉計座標における座標が必要である。本実施の形態では、測定時刻tと、前記測定時刻tよりも所定の時間間隔だけ過去の第1過去時刻ti−1と、前記第1過去時刻ti−1よりも所定の時間間隔だけ過去の第2過去時刻ti−2とにおけるターゲット51の干渉計座標における座標を用いる。
【0079】
測定時刻tにおいて、ターゲット51は、予め定める基準角度位置Wから前記回転方向に第1角度θだけ角変位した第1回転角度位置D1にあるとする。また第1過去時刻ti−1において、ターゲット51は、基準角度位置Wから前記回転方向に第2角度θi−1だけ角変位した第2回転角度位置D2にあるとする。さらに第2過去時刻ti−2において、ターゲット51は、基準角度位置Wから前記回転方向に第3角度θi−2だけ角変位した第3回転角度位置D3にあるとする。
【0080】
レーザ干渉計53および測距処理部54によって、各時刻ti−2,ti−1,tにおけるターゲット51の各回転角度位置D1〜D3の干渉計座標系における座標が求められる。前述のように、これらの3つの座標は、近似的に、測定時刻tにおける付加軸線L52に垂直な平面上に存在する。したがって、これらの3つの座標は、同一直線上に並ばないので、測距処理部54は、これら3つの座標を含む円周を有する円の中心の干渉計座標系における座標を求める。この円の中心の座標が、ターゲット51の回転中心であり、すなわちツール30の基準点の干渉計座標系の座標である。ロボット座標系と干渉計座標系との関係は既知であるので、ツール30の基準点の絶対位置を求めることができる。
【0081】
また測距処理部54は、前述の3つの座標を含む平面を求めるとともに、前記3つの座標と、ターゲット51の回転速度と、所定の時間間隔と、第1〜第3角度θ〜θi−2とに基づいて、基準角度位置Wの干渉計座標系における座標を求める。さらに測距処理部54は、前記回転中心から基準角度位置Wに向かう第1基底ベクトルVx、前記回転中心から前記平面に平行であって、前記第1基底ベクトルVxに回転方向に角度90度を成す第2基底ベクトルVy、および前記回転中心から前記平面に垂直な方向に向かう第3基底ベクトルVzを求める。このようにして前記回転中心すなわち基準点を座標原点とし、互いに直交する第1〜第3基底ベクトルVx,Vy,Vzによって構成されるターゲット座標系が求められる。これによってターゲット座標系の干渉計座標系に対する傾斜がわかるので、また、ロボット座標系と干渉計座標系との関係も既知であるので、ツール30の絶対姿勢を求めることができる。
【0082】
このようにロボット20のツール30のスライド速度よりも充分に速い回転速度でターゲット51を回転させることによって、たとえば、ターゲット51と回転中心との距離を100ミリメートルとし、ロボット20のツール30が1ミリメートルだけスライド変位する間に、ターゲット51が角度90度だけ回転するようにすれば、tan−1(1/100)≒0.5度の精度で、ツール30の絶対姿勢を求めることができる。
【0083】
以上のように本実施の形態の位置姿勢検出装置50によれば、レーザ干渉計53によって、ロボット座標系における絶対位置が把握されている測距位置から、ツール30に設けられ、回転駆動部52によって付加軸線L52まわりに回転するターゲット51までの距離が測定されるとともにレーザ光の射出方向が検出される。測距処理部54によって、レーザ干渉計53によって測定された距離および検出されたレーザ光の射出方向に基づいて、ロボット座標系におけるツール30に設定された基準点の絶対位置およびツール30の絶対姿勢が求められる。ターゲット51が角変位することによって、レーザ干渉計53は、ロボット座標系における絶対位置が把握されている測距位置から、互いに異なる3つの角度位置に配置されるターゲット51までの距離を測定するとともに、レーザ光の射出方向を検出することができる。このとき、たとえばターゲット51の互いに異なる3つの位置が同一直線上に並ばない場合、この3つの位置を含む平面を容易に求めて、その平面の法線を決定して、ターゲット51を基準とするターゲット座標系を求めることができる。したがってロボット座標系、干渉計座標系およびターゲット座標系に基づいて、ロボット座標系におけるツール30に設定された基準点の絶対位置およびツール30の絶対姿勢を容易かつ正確に求めることができる。さらにツール30に設けられるジャイロセンサ15および加速度センサ16によって、ツール30の相対スライド変位および相対角変位が検出される。
【0084】
演算部58によって、測距処理部54からのツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢と、ジャイロセンサ15および加速度センサ16からのツール30の相対スライド変位および相対角変位とに基づいて、ツール30の基準点の位置および姿勢が求められる。これによって、たとえば測距処理部54によって求められるツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢が、ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって検出されるツール30の相対スライド変位および相対角変位よりも高精度であるけれども、測距処理部54はツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢を短い時間間隔で順次求めることができない場合、または、万一、ターゲット51がレーザ干渉計53の死角領域に入ってしまった場合、演算部58は、測距処理部54によってツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢が求められるまでは、ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって検出されるツール30の相対スライド変位および相対角変位に基づいて、ツール30の基準点の位置および姿勢を求めることができる。このように測距処理部54ならびにジャイロセンサ15および加速度センサ16からのツール30の基準点の絶対位置および絶対姿勢、ならびにツール30の相対スライド変位および相対角変位に基づいて、極めて高精度なツール30の基準点の位置および姿勢を短い時間間隔で順次求めることができる。
【0085】
また本実施の形態のロボットの位置および姿勢検出装置50によれば、演算部58からの高精度のツール30の基準点の位置および姿勢に基づいて、ツール30のスライド変位および角変位を高精度に制御することができる。
【0086】
本実施の形態のロボットの位置および姿勢検出装置50において、ロボット20の動作中においてツール30の姿勢がほとんど変化しない場合、ロボット20の動作領域内に複数の予め定める待機点を設定して、各待機点においてロボット20の動作が停止しているときに、ターゲット51を回転させてツール30の姿勢を求めるようにしてもよい。
【0087】
本実施の形態のロボットの位置および姿勢検出装置50において、ターゲット距離測定手段はレーザ干渉計51としたけれども、これに限ることなく、たとえばCCDを有する2台のカメラでもよい。
【0088】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、精度よくかつ短い時間間隔で順次得られる可動体情報に基づいて、産業用ロボットを制御することによって、可動体を精度よく変位移動させることができる。これによって、たとえばロボットの幾何学的な製造誤差、重量物を把持した場合のアームの撓み、温度によるアームの伸縮および減速機のがた等が生じた場合であっても、時刻に対応づけて設定される指令値に従って、産業用ロボットによって可動体を精度よく変位移動させることができる。
請求項2記載の本発明によれば、ターゲットを予め定める軸線まわりに回転することによって、ターゲットの回転軸線を求めることができ、求めたターゲットの回転軸線から可動体の姿勢を求めることができる。さらに可動体の移動速度よりも十分速い回転速度で予め定める回転軸線まわりにターゲットを回転させることで、ロボットによって可動体が移動している最中であっても、可動体の姿勢を精度よく求めることができる。
【0089】
請求項3記載の本発明によれば、精度よくかつ短い時間間隔で順次得られる可動体情報に基づいて、産業用ロボットを制御することによって、可動体を精度よく変位移動させることができる。これによって、たとえばロボットの幾何学的な製造誤差、重量物を把持した場合のアームの撓み、温度によるアームの伸縮および減速機のがた等が生じた場合であっても、時刻に対応づけて設定される指令値に従って、産業用ロボットによって可動体を精度よく変位移動させることができる。
請求項4記載の本発明によれば、駆動手段によって、ターゲットを予め定める軸線まわりに回転させながら、撮像手段がターゲットの画像を複数撮像することで、ターゲットの回転軸線を求めることができ、求めたターゲットの回転軸線から可動体の姿勢を求めることができる。さらに可動体の移動速度よりも十分速い回転速度で予め定める回転軸線まわりにターゲットを回転させることで、ロボットによって可動体が移動している最中であっても、可動体の姿勢を精度よく求めることができる。
【0090】
また請求項記載の本発明によれば、3個のターゲットは同一直線上に並ばないので、第1計算手段は、この3個のターゲットを含む平面を容易に求めることができる。これによって、その平面の法線を求めて、ターゲットを基準とするターゲット座標系を求めることができる。したがってロボット座標系とターゲット座標系とに基づいて、前記可動体情報を容易かつ正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の位置および姿勢検出装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】ロボット20および複数のカメラ13A,13B,13Cを模式的に示す図である。
【図3】ターゲットユニット11を示す斜視図である。
【図4】カメラ13を用いて、ある点Pのロボット座標系における座標(X,Y,Z)を求める方法を説明するための図である。
【図5】ロボット制御部19によるツール30のスライド変位および角変位を制御する手順を示すフローチャートである。
【図6】ロボット制御部19によるツール30のスライド変位および角変位を制御する方法を説明するための図である。
【図7】ジャイロセンサ15および加速度センサ16によって検出されるツール30の相対角変位および相対スライド変位を主にして、ツール30の基準点の位置および姿勢を制御する場合の、ツール30の基準点の位置および姿勢の実測値の真値からの誤差と時間との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の第2の実施形態の位置および姿勢検出装置50の構成を示すブロック図である。
【図9】ロボット20およびレーザ干渉計53を模式的に示す図である。
【図10】レーザ干渉計53およびロボット20における干渉計座標系、付加軸座標系およびロボット座標系を模式的に示す図である。
【図11】ツール30がスライド変位および角変位していない静止状態で、ツール30の基準点の位置および姿勢を検出する方法を説明するための図である。
【図12】ツール30がスライド変位および角変位している動作状態で、ツール30の基準点の位置および姿勢を検出する方法を説明するための図である。
【符号の説明】
10,50 位置姿勢検出装置
11 ターゲットユニット
31,32,33,34;51 ターゲット
13 カメラ
14 画像処理部
15 ジャイロセンサ
16 加速度センサ
18,58 演算部
19 ロボット制御部
30 ツール
52 回転駆動部
53 レーザ干渉計
54 測距処理部

Claims (5)

  1. ターゲットおよび慣性センサが予め定める位置に設けられる可動体を変位移動するための産業用ロボットを制御する制御方法であって、
    ロボット座標系において予め把握される計測位置に配置される撮像手段によって撮像されるターゲットの画像を画像処理して、ロボット座標系における可動体の位置および姿勢を示す可動体情報を求める第1演算段階と、
    第1演算段階によって求められる可動体情報と、時刻に対応づけて設定される指令値との偏差を求めて、求めた偏差に基づいて産業用ロボットの制御量を補正して、産業用ロボットを制御する第1制御段階と、
    第1演算段階によって求められる可動体情報と、慣性センサによって計測される可動体の相対変位とに基づいて、前記可動体情報を更新する第2演算段階と、
    第2演算段階によって更新される可動体情報と、前記指令値との偏差を求めて、求めた偏差に基づいて産業用ロボットの制御量を補正して、産業用ロボットを制御する第2制御段階と、
    第2演算段階と第2制御段階とを所定時間繰返す繰返し段階とを含み、
    繰返し段階の後に、第1演算段階に戻る一連の制御動作を繰返すことを特徴とする産業用ロボットの制御方法。
  2. 第1演算段階では、ターゲットを予め定められる回転軸線まわりに回転させながら、ロボット座標系におけるターゲットの位置および姿勢を求めることを特徴とする請求項1記載の産業用ロボットの制御方法。
  3. 可動体を変位移動する産業用ロボットを制御する制御装置であって、
    可動体の予め定める位置に装着されるターゲットと、
    ロボット座標系において予め把握される計測位置に配置され、ターゲットの画像を撮像する撮像手段と、
    可動体の予め定める位置に装着され、可動体の相対変位を計測する慣性センサと、
    撮像手段によって撮像されるターゲットの画像を画像処理して、ロボット座標系における可動体の位置および姿勢を示す可動体情報を所定時間ごとに求める第1計算手段と、
    第1計算手段が可動体情報を求めてから、次に第1計算手段が可動体情報を求めるまで、第1計算手段によって求められた可動体情報と、慣性センサによって計測される可動体の相対変位とに基づいて、可動体情報を更新する第2計算手段と、
    第1計算手段によって可動体情報が求められた場合には、第1計算手段によって求められる可動体情報と、時刻に対応づけて設定される指令値との偏差を求めて、求めた偏差に基づいて産業用ロボットの制御量を補正し、第2計算手段によって可動体情報が求められた場合には、第2計算手段によって求められる可動体情報と、前記指令値との偏差を求めて、求めた偏差に基づいて産業用ロボットの制御量を補正して、産業用ロボットを制御する制御手段とを含むことを特徴とする産業用ロボットの制御装置。
  4. ターゲットを、予め定められる回転軸線まわりに回転させる駆動手段をさらに有し、
    撮像手段は、駆動手段によってターゲットが回転する状態で、ターゲットの画像を撮像することを特徴とする請求項3記載の産業用ロボットの制御装置。
  5. 同一軸線上に並ばない3個のターゲットがそれぞれ可動体に装着されることを特徴とする請求項3または4記載の産業用ロボットの制御装置。
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