JP3753472B2 - 防振支持体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のエンジンマウントやサペンションブッシュ等に用いられる防振支持体に関し、さらに詳しくは、支持剛性と防振性能とを両立させるため、ゴム弾性体に数の貫通孔が形成された防振支持体に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の防振支持体として、図9及び図10に示すように、内筒体101とこの内筒体101を囲む外筒体102とがゴム弾性体103により互いに変位可能に連結され、上記ゴム弾性体103において上記内筒体101の軸線Xと平行に貫通する貫通孔104,104,…が上記内筒体101を囲むよう周方向に列状に形成されたものが知られている(例えば、実開昭53−53281号公報参照)。このような従来の防振支持体における静バネ特性を、図3に示す荷重−撓み相関曲線に基づいて説明すると、同図に破線bで示すように、撓み量がそれほど大きくない初期領域において、防振支持体に加えられる荷重が零から次第に増大するにつれて上記撓み量が増大し、防振支持体がある程度撓んだところで荷重があまり増大しないまま撓み量だけが大きくなる領域(以下、バックリング領域という)が現れ、さらに荷重を増大させると、再び初期領域と同様に撓み量が荷重に応じて増大するようになる。これは、初期領域においてはゴム弾性体103が全体として変形するとともに貫通孔104,104,…も同程度の割合で変形する一方、バックリング領域においては上記貫通孔104,104,…とその周囲のゴム弾性体103だけが急速に変形し、上記貫通孔104,104,…が潰れた後に、再び、ゴム弾性体103が全体として変形するためであると考えられる。ここで、上記荷重−撓み相関曲線の傾きは、防振支持体の静バネ定数を表しており、この相関曲線から、上記バックリング領域における静バネ定数K2 が特に小さくなっていることが分かる。
【0003】
そして、このような防振支持体の静バネ特性を利用して、例えば、防振支持体を自動車のエンジンマウントとして用いる場合に、エンジンのアイドル振動やこもり音発生領域における低動バネ化を図ることが行われている。すなわち、この防振支持体の内筒体101が振動発生源としてのエンジンに連結される一方、外筒体102が振動受部としての車体側に連結されて上記内筒体101にエンジンの自重による分担荷重が加わる1G状態で、上記防振支持体の撓み量がバックリング領域内の大きさになるように、つまり、上記ブッシュのバックリング荷重F2 (図3参照)が上記分担加重と一致するようにゴム弾性体103の硬度を設定することにより、上記1G状態における上記防振支持体の静バネ定数K2 が特に小さくなるようにし、これにより、アイドル振動やこもり音発生領域における低動バネ化を図るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、エンジンの重量は様々であり、特に、高級車に搭載されるエンジンは大型で重いものが多い。この場合、防振支持体に加わる分担加重も必然的に大きくなり、これに合わせて防振支持体のバックリング荷重を大きく設定するためにゴム弾性体の硬度を上げると、図3に仮想線cで示すように、バックリング荷重F3 が大きくなると同時に、バックリング領域における静バネ定数K3 も大きくなってしまうことになる。この結果、アイドル振動やこもり音発生領域における低動バネ化を十分に図れないという不都合がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、大型エンジンに対応するために支持剛性を向上させつつ、1G状態での静バネ定数を小さく維持して低動バネ化を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、横向きに配置されて振動発生源又は振動受部の一方に連結される内筒体と、この内筒体を囲むよう配置されて上記振動発生源又は振動受部の他方に連結される外筒体と、この外筒体と上記内筒体との間に介装されて両者を互いに連結するゴムゴム弾性体とを備えた防振支持体を前提とする。このものにおいて、上記ゴム弾性体内に、上記内筒体の軸線方向に延びる数の貫通孔を上記内筒体の周囲を囲むよう全周にわたって形成し、これらの数の貫通孔の内、上記振動発生源又は振動受部の自重により上記内筒体と上記外筒体とが相対変位するときに上記ゴム弾性体が引張側となる範囲に配設された貫通孔の内部にのみ、上記ゴム弾性体よりも硬質の棒状部材をその外周面が上記貫通孔の内周面と密着するよう挿入する構成とするものである。
【0007】
上記の構成の場合、硬質の棒状部材がゴム弾性体内における引張側に配設された貫通孔内に挿入されているため、上記貫通孔の周囲で上記ゴム弾性体の引張変形が規制されることになり、初期領域における静バネ定数、すなわち支持剛性が高まる。このため、ゴム弾性体の硬度を高めることなくバックリング荷重が大きく設定され、これにより、より重量の大きいエンジンを支持させても、防振支持体の撓み量をバックリング領域内の大きさにすることが可能になる。一方、上記棒状部材は、上記ゴム弾性体内における圧縮側に配設された貫通孔内には挿入されていないため、これらの貫通孔はその周辺のゴム弾性体の圧縮変形につれて潰れ変形する。このため、上記防振支持体のバックリング領域における静バネ定数は、上記棒状部材を用いない場合と比較してほとんど変わらない低い値に保たれる。この結果、上記防振支持体により、より重量の大きいエンジンを支持し得る支持剛性を発揮させつつ、アイドル振動やこもり音発生領域における低動バネ化を十分に図ることが可能になる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明におけるゴム弾性体の引張側となる範囲を、内筒体の軸線を通る自重の作用方向線を挟みかつ上記軸線を中心にして上方に拡がる扇状範囲とするものである。
【0009】
上記の構成の場合、請求項1記載の発明における棒状部材の配置が具体的に特定され、これにより、請求項1記載の発明による作用を確実に得ることが可能になる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、内筒体の軸端に外嵌されて外筒体の端面を覆うよう拡がる緩衝用のストッパラバーを備え、棒状部材の一端部を上記ストッパラバーに予め一体に取り付ける構成とするものである。
【0011】
上記の構成の場合、請求項1記載の発明による作用に加えて、防振支持体の製造時において、内筒体、ゴム弾性体及び外筒体を一体化したブッシュ本体に対して棒状部材を取り付けたストッパラバーを組み付けるだけで、上記ゴム弾性体内に形成された数の貫通孔に対して棒状部材を挿入することが可能になり、これにより、上記防振支持体を容易に製造することが可能になる。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明における数の貫通孔を、内筒体を囲む少なくとも1重の貫通孔列を構成するよう配設する構成とするものである。
【0013】
上記の構成の場合、請求項1記載の発明における数の貫通孔が列状に配置されているため、防振支持体の組み立ての容易化が図られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る防振支持体をエンジンマウントとして適用した例について図面に基いて説明する。
<第1実施形態>
図1及び図2は、本発明の第1実施形態を示し、1は横向きに配置された内筒体、2はこの内筒体1を囲むように配置された外筒体、3はこの外筒体2と上記内筒体1との間に介装されて両者を連結するゴム弾性体、4はこのゴム弾性体3の内部に形成された貫通孔列、5,5,…は棒状部材である。
【0015】
上記内筒体1は、鋼製筒体により構成され、その軸線Xに沿って内嵌された図示省略の軸体等を介して振動発生源としてのエンジン(図示省略)に連結された1G状態において、このエンジンの自重による分担荷重をその作用方向である鉛直方向(図1及び図2における上下方向;以下、単に上下方向という)に下向きに受け、上記外筒体2に対して下方に変位するようになっている。また、上記外筒体2は、上記内筒体1よりも大径の鋼製筒体により構成され、上記内筒体1と同軸に配置され、図示省略のブラケット等を介して振動受部としての車体側に連結されて支持されるように構成されている。
【0016】
上記ゴム弾性体3は、上記内筒体1と上記外筒体2との間を埋めるよう中空円筒形状に、上記内筒体1及び外筒体2と一体にゴムの加硫成形により形成されており、上記1G状態において、エンジンの自重を受けて弾性変形することにより、この内筒体1よりも上側部分が引張側になる一方、この内筒体1よりも下側部分が圧縮側になるようになっている。
【0017】
上記貫通孔列4は、上記ゴム弾性体3の内部における内筒体1の軸線Xを中心とする円周上に互いに等間隔に配設された数(図例では12個)の貫通孔41,…,41a,…により構成されている。これらの貫通孔41,…,41a,…は、それぞれ円形の横断面形状を有し、上記軸線Xと平行に上記ゴム弾性体3をその一端面3aから他端面3bまで貫通して形成されている。そして、上記貫通孔41,…,41a,…のうち、引張側における上記軸線Xを中心として上方に拡がる内角で90度範囲の扇状範囲3cに配設されているもの、すなわち、上記内筒体1の真上及びその両隣に配置された合計3個の貫通孔41a,41a,…の内部には、それぞれ、上記各棒状部材5が挿入された状態になっており、上記3個の貫通孔41a,41a,…の両端開口がゴム部分31により閉塞されている。
【0018】
上記棒状部材5,5,…のそれぞれは、上記ゴム弾性体3よりも硬質の金属や合成樹脂等の材料により、各貫通孔41aの内径と略同じ外径でこれらの各貫通孔41aと略同じ長さを有する円柱形状に形成されており、上記各貫通孔41a内に圧入気味に押し込まれて挿入されている。そして、上記棒状部材5,5,…の硬度がゴム弾性体3の硬度よりも高いため、上記各貫通孔41aの引張変形が規制されるようになっている。
【0019】
つぎに、上記第1実施形態に係るエンジンマウントの作用・効果を説明する。
【0020】
上記エンジンマウントがエンジンと車体との間に介装されてこのエンジンの自重を受ける1G状態では、内筒体1が上記エンジンの自重による分担荷重を受けて下方に変位し、この分担荷重とゴム弾性体3の弾性力とがつり合った状態になる。この際、上記ゴム弾性体3の硬度が比較的低めに設定されていても、3個の貫通孔41a,41a,…に挿入された棒状部材5,5,…により、上記各貫通孔41aの周囲で上記ゴム弾性体3の引張変形が規制されるため、上記エンジンマウントの初期領域における静バネ定数が高まる。従って、ゴム弾性体3の硬度を高めることなくより重量の大きいエンジンを支持し得る支持剛性を発揮させることができる。一方、上記3個の貫通孔41a,41a,…以外の貫通孔41,41,…内には上記棒状部材5,5,…が挿入されていないため、これらの貫通孔41,41,…はその周辺のゴム弾性体3の変形につれて上記棒状部材5,5,…を用いない従来の場合と同様に変形する。このため、上記エンジンマウントのバックリング領域における静バネ定数を、上記従来の場合とほとんど変わらない比較的小さい値に抑制することができる。
【0021】
この結果、上記エンジンマウントにより、より重量の大きいエンジンを支持することができ、かつ、アイドル振動やこもり音発生領域における低動バネ化を十分に図ることができる。
【0022】
これを図3の荷重−撓み相関曲線に基づいて説明すると、上記エンジンマウントによれば、同図に実線aで示すように、ゴム弾性体3の撓み量が初期領域にあるとき、従来のエンジンマウント(同図に破線bで示す)と比較して、相関曲線の傾き(静バネ定数)が大きくなってバックリング荷重F1 が大きくなる。一方、上記ゴム弾性体3の撓み量がバックリング領域にあるとき、その相関曲線の傾きK1 が、ゴム弾性体の硬度を高めたエンジンマウント(同図に仮想線cで示す)における相関曲線の傾きK3 と比較して小さく、従来のエンジンマウントにおける相関曲線の傾きK2 と変わらないものになる。
<第2実施形態>
図4及び図5は本発明の第2実施形態を示し、6は緩衝用のストッパラバー、61,61,…は棒状部材である。
【0023】
上記ストッパラバー6は、外筒体2よりも大径の円板状に形成され、中心位置に内筒体1の外径と略同じ大きさの貫通孔6aを有しており、また、ゴム弾性体3の3個の貫通孔41a,41a,…に対応する位置に棒状部材61,61,…がそれぞれ内筒体1の軸線X方向に突出するように取り付けられている。そして、上記ストッパラバー6は、上記貫通孔6aに上記内筒体1の軸端1aが内嵌されるように上記ゴム弾性体3に対してその一端面3a側から組み付けられ、上記内筒体1と外筒体2とが上記軸線X方向へ相対変位する際の衝撃を吸収するようになっている。そして、上記棒状部材61,61,…は、上記第1実施形態と同様に金属や合成樹脂等により形成されており、上記ストッパラバー6が上記ゴム弾性体3に対して組み付けられることにより、それぞれ、上記貫通孔41a,41a,…内に圧入されるようになっている。
【0024】
なお、上記防振支持体のその他の構成は第1実施形態のものと同様であるために、同一部材には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0025】
そして、上記第2実施形態の場合、上記第1実施形態に係るエンジンマウントと同様、より重量の大きいエンジンを支持することができ、かつ、アイドル振動やこもり音発生領域における低動バネ化を十分に図ることができる上、エンジンマウントの製造時において、内筒体1、ゴム弾性体3及び外筒体2を一体化した上で、このゴム弾性体3に対してストッパラバー6を組み付けるだけで、上記ゴム弾性体3内の貫通孔41a,41a,…に対して棒状部材61,61,…を圧入することができるため、上記エンジンマウントを上記第1実施形態のエンジンマウントと比較して容易に製造することができる。
<第3実施形態>
図6は本発明の第3実施形態を示し、7,8はそれぞれ軸線Xを中心として外周側と内周側とに同心円状に配設された貫通孔列であり、15,15…は棒状部材である。
【0026】
上記貫通孔列7は、ゴム弾性体13の外周側において周方向に列状に、かつ、互いに等間隔に配設された数(図例では12個)の貫通孔71,…,71a,…により構成されており、また、上記貫通孔列8は、上記貫通孔列7の内周側において周方向に上記貫通校71,…,71a,…に対してそれぞれ千鳥状に配設された数(図例では12個)の貫通孔81,…,81a,…により構成されている。また、これらの貫通孔71,…,71a,…及び81,…,81a,…は、それぞれ、上記第1実施形態又は第2実施形態における貫通孔41,…,41a,…と同様の形状に形成されており、上記貫通孔71,…,71a,…及び81,…,81a,…のうち、引張側における軸線Xを中心として上方に拡がる内角で90度範囲の扇状範囲13aに配設されているもの、すなわち、上記内筒体1の真上及びその両隣に配置された合計3個の貫通孔71a,71a,…と、それらに対して周方向の中間位置に千鳥状にそれぞれ配置された2個の貫通孔81a,81aとの合計5個の貫通孔の内部に、それぞれ、上記各棒状部材15が挿入されている。この場合、上記第1実施形態と同様に上記棒状部材15,15,…をゴム弾性体13内に埋め込んだ状態にしてもよく、又、上記第2実施形態と同様に上記棒状部材15,15,…を、予めストッパラバーに一体に取り付けた状態で上記ゴム弾性体13内に圧入するようにしてもよい。
【0027】
なお、上記防振支持体のその他の構成は第1実施形態又は第2実施形態のものと同様であるために、同一部材には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0028】
そして、上記第3実施形態の場合、上記第1実施形態及び第2実施形態に係るエンジンマウントと同様に、より重量の大きいエンジンを支持することができ、かつ、アイドル振動やこもり音発生領域における低動バネ化を十分に図ることができる上、上記第1実施形態及び第2実施形態と比較して、貫通孔71,…,71a,…及び81,…,81a,…の数が多いため、棒状部材15,15,…の配置をきめ細かく変えることができ、これにより、バックリング荷重やバックリング領域における静バネ定数をよりきめ細かく設定することができる。
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1,第2及び第3実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1,第2及び第3実施形態では、棒状部材5,61又は15を挿入する範囲を、引張側における内角で90度範囲の扇状範囲3c又は13aにしているが、これに限らず、上記引張側内であれば、上記角度範囲はより広くすることもより狭くすることも可能であり、また、扇状範囲ではなく、内筒体1の上方範囲であって所定幅を有する範囲にしてもよい。
【0029】
上記第1、第2及び第3実施形態では、貫通孔列4,7又は8を構成する各貫通孔を互いに等間隔に配置しているが、これに限らず、等間隔でなくてもよい。
【0030】
上記第1及び第2実施形態では、貫通孔列を1列としており、又、第3実施形態では貫通孔列を2列にしているが、これに限らず、貫通孔列の数は3列以上でもよい。
【0031】
また、上記第1,第2及び第3実施形態では、防振支持体をエンジンマウントとして適用しているが、これに限らず、例えば、サスペンションブッシュ等に適用してもよい。
【0032】
上記第1,第2及び第3実施形態では、エンジンの自重の作用方向を上下方向としているが、これに限らず、斜め方向から自重が作用するような場合にも適用することが可能である。
【0033】
【実施例】
本発明に係る防振支持体において、棒状部材の挿入範囲を種々に変更し、その時の静バネ特性を調べた。その試験結果について図7、図8及び表1に基づいて説明する。なお、図7における上下左右方向を、以下、単に上下左右というものとする。まず、同図に示すように、ゴム弾性体23を上下左右の扇状範囲に4等分し、それらの扇状範囲が内筒体1の下側に配置されているものをAグループ、上記内筒体1の上側に配置されているものをBグループ、上記内筒体1の左右両側にそれぞれ配置されているものをCグループ及びDグループとした。そして、これら4グループの各外周側の3個の貫通孔群に対し、Aグループのみに棒状部材を挿入した第1の場合、Bグループのみに棒状部材を挿入した第2の場合、Cグループのみに棒状部材を挿入した第3の場合、C及びDグループのみに棒状部材を挿入した第4の場合の4通りの場合について、それぞれ、荷重に対する静バネ定数の変化を調べ、さらに、従来の防振支持体と同様に棒状部材を用いない第5の場合と、同じく棒状部材を用いずにゴム弾性体の硬度を上げた第6の場合についても同様に調べ、以上の6通りの場合について結果を比較検討した。
【0034】
図8に上記の各場合について、荷重に対する静バネ定数の変化を示す。上記の第1の場合は、同図に実線Aで示すように、第5の場合(同図に破線Hで示す)と比較して初期領域における静バネ定数(同図において、各グラフの左端部における静バネ定数)とバックリング荷重(同図において、静バネ定数が最小となるときの荷重)とが大幅に増大しているが、同時にバックリング領域における静バネ定数(上記の最小となる静バネ定数)の値も大幅に増大してしまうため、低動バネ化の要請に反するという不都合がある。上記第2の場合は、同図に実線Bで示すように、従来の防振支持体(破線H参照)と比較して初期領域における静バネ定数とバックリング荷重とが十分に増大しており、その上、バックリング領域における静バネ定数はほとんど変化していないため、大重量の大型エンジンをバックリング領域で静バネ定数を低く保ったまま支持することができる。また、上記第3の場合及び第4の場合は、同図に仮想線C及びCDでそれぞれ示すように、従来の防振支持体と比較して初期領域における静バネ定数とバックリング荷重とが十分に増大しているが、バックリング領域における静バネ定数も増大してしまうため、上記第1の場合と同様、低動バネ化を図れないという不都合がある。なお、上記第6の場合は、同図に仮想線Eで示すように、上記第3及び第4の場合と同等の結果となる。
【0035】
表1に上記の各場合について、初期領域における静バネ定数、バックリング荷重及びバックリング領域における静バネ定数を測定した結果を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
上記表1において、第2の場合と第3の場合とを比較すると、第3の場合では、従来(第5の場合)と比較してバックリング領域における静バネ定数の値が2kgf/mmも上昇してしまっており、特にエンジンマウントとして用いる場合に好ましくない特性となってしまうことが分かる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明における防振支持体によれば、硬質の棒状部材をゴム弾性体に形成された数の貫通孔の内の特定範囲の貫通孔のみに挿入することにより、バックリング領域における静バネ定数を小さく保ちつつバックリング荷重を増大設定することができ、これにより、より重量の大きいエンジンを支持し得る高い支持剛性を得つつ、アイドル振動やこもり音発生領域における低動バネ化を十分に図ることができる。
【0039】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明における棒状部材の配置が具体的に特定され、これにより、請求項1記載の発明による効果を確実に得ることができる。
【0040】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明による効果に加えて、防振支持体の製造時において、棒状部材を予めストッパラバーに一体に取り付けておくことにより、上記防振支持体を容易に製造することができる。
【0041】
請求項4記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明による効果に加えて、数の貫通孔を列状に配置することにより、防振支持体の組み立てを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】 図1のA−A線における断面図である。
【図3】 第1実施形態における荷重−撓み相関曲線を示す図である。
【図4】 第2実施形態を示す図1相当図である。
【図5】 図4のB−B線における断面図である。
【図6】 第3実施形態を示す図1相当図である。
【図7】 実施例を示す図1相当図である。
【図8】 実施例における荷重に基づく静バネ定数の変化を示す図である。
【図9】 従来の防振支持体を示す図1相当図である。
【図10】 図9のC−C線における断面図である。
【符号の説明】
1 内筒体
2 外筒体
3,13,23 ゴム弾性体
3c,13a 扇状範囲
4,7,8 貫通孔列
5,15,61 棒状部材
6 ストッパラバー
41,41a,71,71a,81,81a 貫通孔
X 内筒体の軸線

Claims (4)

  1. 横向きに配置されて振動発生源又は振動受部の一方に連結される内筒体と、この内筒体を囲むよう配置されて上記振動発生源又は振動受部の他方に連結される外筒体と、この外筒体と上記内筒体との間に介装されて両者を互いに連結するゴム弾性体とを備えた防振支持体において、
    上記ゴム弾性体内には、上記内筒体の軸線方向に延びる数の貫通孔が上記内筒体の周囲を囲むよう全周にわたって形成され、
    上記数の貫通孔の内、上記振動発生源又は振動受部の自重により上記内筒体と上記外筒体とが相対変位するときに上記ゴム弾性体が引張側となる範囲に配設された貫通孔の内部にのみ、上記ゴム弾性体よりも硬質の棒状部材がその外周面上記貫通孔の内周面と密着するよう挿入されている
    ことを特徴とする防振支持体。
  2. 請求項1において、
    ゴム弾性体が引張側となる範囲は、内筒体の軸線を通る自重の作用方向線を挟みかつ上記軸線を中心にして上方に拡がる扇状範囲である
    ことを特徴とする防振支持体。
  3. 請求項1において、
    内筒体の軸端に外嵌されて外筒体の端面を覆うよう拡がる緩衝用のストッパラバーを備え、
    棒状部材は、一端部が上記ストッパラバーに予め一体に取り付けられている
    ことを特徴とする防振支持体。
  4. 請求項1において、
    数の貫通孔は、内筒体を囲む少なくとも1重の貫通孔列を構成するよう配設されている
    ことを特徴とする防振支持体。
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