JP3752579B2 - 二酸化窒素吸収剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低濃度の窒素酸化物(NOx)を含有する例えば道路トンネル換気ガスから、二酸化窒素(NO2 )を吸収ないしは吸着して除去する排ガス浄化装置に使用するNO2 吸収ないしは吸着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
NOx含有ガスから酸性ガスであるNO2 を吸収除去するには、一般にNO2 をアルカリと反応させ、硝酸塩、亜硝酸塩などとして固定することが考えられる。しかし、例えばKOHの水溶液中に数ppmのNO2 を含有する空気をバブリングさせても、NO2 は殆ど吸収されない。
【0003】
反面、本発明者らが先に提案した、チタニア、アルミナなど、固体酸性を示す多孔質担体にKOHを含浸担持させた固体吸収剤は同様のガスから、NO2 を良く吸収除去する(特開平10−211427号公報参照)。
【0004】
本発明者らは、固体酸担体および活性炭担体に、K、Naなどの強アルカリ水酸化物を担持したNO2 吸収剤について詳細な検討を行い、以下のような問題点を抽出した。
【0005】
固体酸担体の場合には、
▲1▼ 固体酸担体に、K、Naなどの強アルカリ水酸化物を担持したNO2 吸収剤は、NOx中にNOがNO2 と等量以上共存しないと吸収速度が低い(図1に一例を示す)。
【0006】
▲2▼ NOがNO2 と等量以上共存する場合はNO2 濃度が10ppm以上では吸収速度はNO2 濃度のほぼ一次に比例する(同一吸収条件では、NO吸収率は濃度に依らず一定)。
【0007】
しかし、濃度が5ppm以下となるとNO2 吸収率が低下し始め、特に1ppm以下では低い吸収率しか得られない。この傾向は吸収剤のNO2 蓄積量が増加するとより顕著となる(図2に一例を示す)。
【0008】
▲3▼ NOがNO2 と等量以上存在する場合、初期に吸収剤表面に多量のNOxが蓄積していない場合にはNOとNO2 はほぼ等量吸収され、吸収剤の消耗が速い。
【0009】
また、活性炭担体の場合には、
▲4▼ NO2 の吸着剤として周知の活性炭は、NO2 のみを吸着し、NOが共存しなくとも高い吸着・吸収速度を示すが、NO2 蓄積量が増加するに従い、1ppm以下では吸収率は低下する。
【0010】
▲5▼ 活性炭は吸着NO2 の1/2〜1/4量のNOを排出する。
【0011】
▲6▼ 活性炭に強アルカリ水酸化物を担持させた吸収剤は、固体酸を担体とした時と同様に、初期にはNOとNO2 をほぼ等量吸収し、吸収剤表面のNOx蓄積量増加に従いNO吸収は低下し、多量のNOxが蓄積された後は、逆に吸収NO2 の1/2〜1/4量のNOを吸収剤から排出し、気相中のNO濃度を増加させる(図3に一例を示す)。
【0012】
本発明者らは、上記現象を以下のように解釈した。
【0013】
▲1▼ 低濃度のNO2 はアルカリと直接反応しない。
【0014】
▲2▼ 最初、担体への吸着が起こり、次に吸着NO2 がアルカリと反応し易い化合物に変質し、その後これがアルカリと反応し固定化される。
【0015】
▲3▼ 固体酸担体に強アルカリを担持させた吸収剤では、▲2▼のアルカリと反応し易い化合物は主にN2 O3 、活性炭ではN2 O4 と考えられる。
NO+NO2 →N2 O3
2NO2 →N2 O4
【0016】
▲4▼ 何れの場合でも、▲3▼の化合物の分解により、安定な硝酸または硝酸塩と不安定な亜硝酸または亜硝酸塩が生成する。
N2 O3 +2MOH→2MNO2 +H2 O
N2 O4 +2MOH→MNO3 +MNO2 +H2 O
(M:アルカリ金属)
【0017】
▲5▼ 亜硝酸、亜硝酸塩は酸化されて安定な硝酸、硝酸塩になるか、または分解してNOを生成、排出する。
2MNO2 +O2 →2MNO3
2MNO2 +H2 O→NO2 +2MOH+NO(脱離)
【0018】
▲6▼ 強アルカリの亜硝酸塩は分解し難いので、そのまま酸化され硝酸塩となることが多く、弱アルカリの亜硝酸塩は分解してNOを生成し易い。
【0019】
以上の解釈に基づいて考察をすれば、好ましいNO2 吸収剤の要件として以下の事項が考えられる。
【0020】
a) 吸収剤に、NO2 をアルカリと反応し易いものに変性させる触媒作用を持たせる。
【0021】
b) a)の触媒活性点周辺に高密度にアルカリを配置し、変性したNO2 と反応させる。
【0022】
c) b)のアルカリの硝酸塩、亜硝酸塩は適度な安定性を有し、吸着NO2 を安定的に固定化すると同時に、a)のNO2 変性活性点周辺から外方に迅速に拡散させうる。
【0023】
以上の概念を図4に示す。
【0024】
気相のNO2 は触媒活性点に吸着され、そこでアルカリと反応し易い形態に変性する。変性物は活性点近傍のアルカリ水酸化物などと迅速に反応し、硝酸塩、亜硝酸塩として安定保持される。触媒活性点は空席となるので、吸着−変性のサイクルを繰り返すことができる。
【0025】
生成した硝酸塩、亜硝酸塩の陰イオン(NO3 −、NO2 −)は活性点近傍から周辺へと拡散し、同近傍にフリーなアルカリが再生され、活性点上に生成する変性物との反応を繰り返す。
【0026】
従って、NO2 吸収開始当初は活性点近傍にアルカリが多量に存在するので、吸収速度はNO2 の活性点への吸収速度が律速となり、NO2 吸収量の増大と共に活性点周辺への拡散速度が律速となる。
【0027】
本発明者らは、先に、a)のNO2 変性触媒作用を有する担体として、チタニア(TiO2 )にマンガン(Mn)塩を含浸させ、乾燥・焼成してなる担体を提案した(特開平8−192049号公報参照)。
【0028】
また、この担体にK、Naなどのアルカリ金属の水酸化物を含浸担持させたNO2 吸収剤も提案した(特開平10−211427号公報参照)。
【0029】
上記の吸収剤は、想定通り1ppm以下の低濃度NO2 を効率的に吸収でき、著しい改良効果を示したが、低濃度域でのNO2 吸収速度は吸収剤表面のNO2 蓄積量が増大するに従い急速に低下することか明らかとなった(図5参照)。
【0030】
この原因は、強アルカリ硝酸塩または亜硝酸塩が過度に安定で、活性点近傍からNO2 −、NO3 −が容易には拡散せず、触媒活性点近傍のフリーなアルカリが急激に減少するためと推定された。
【0031】
【発明の構成】
そこで、c)の要件を満たすアルカリを探索した結果、塩基性アミノ酸、特にアルギニン、ならびに有機アミン化合物、特にグアニジンが良好な特性を示すことを見いだした。
【0034】
本発明によるNO2 吸収剤は、多孔質担体に、塩基性アミノ酸と、有機アミン化合物および/またはアルカリ水酸化物とが担持されているものである。このNO2 吸収剤は、例えば、0.5〜2.0モル/リットル、好ましくは0.8〜1.5モル/リットルの塩基性アミノ酸と、0.5〜3.0当量、好ましくは0.8〜2.0当量(アミノ酸のカルボン酸に対する当量)の有機アミン化合物および/または0.5〜3.0当量、好ましくは0.8〜2.0当量(アミノ酸のカルボン酸に対する当量)のアルカリ水酸化物とを含む混合水溶液を多孔質担体に含浸させることによっても製造される。上記含浸後の多孔質担体を150℃以下、好ましくは100℃以下で乾燥する。
【0035】
多孔質担体の1つの例は、固体酸性を有する多孔質酸化物である。固体酸性を有する多孔質酸化物は、アルミナ、シリカ・アルミナ、チタニア、ゼオライト等である。これらな単独でも2以上の組み合わせでも用いられる。
【0036】
好ましい多孔質担体は、多孔質酸化物にMn、Co、FeおよびNiからなる群から選ばれる物質またはこれらの組合せを担持して得られる金属添加担体である。金属添加担体は、例えば、Mn、Co、FeおよびNiからなる群から選ばれる物質またはこれらの組合せの、硫酸塩以外の無機酸塩または有機酸塩の0.5〜5モル/リットル、好ましくは2〜4モル/リットルの水溶液を多孔質酸化物に同時または逐次に含浸させることによって得られる。
【0037】
多孔質酸化物の比表面積は30〜500m2 /g、好ましくは60〜120m2 /gである。
【0038】
多孔質酸化物は、板状またはハニカム状のプレフォーム体の繊維間の隙間に保持されていてもよい。
【0039】
多孔質担体の他の例は活性炭である。活性炭の比表面積は100〜2000m2 /g、好ましくは300〜600m2 /gである。
【0040】
活性炭はハニカム状であることが好ましい。
【0041】
塩基性アミノ酸としてはアルギニンが好ましく、有機アミン化合物としてはグアニジンが好ましい。アルカリ水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムからなる群から選ばれる物質またはこれらの組合せが好ましい。
【0042】
上記構成のNO2 吸収剤は、これに道路トンネルの換気ガスを流速0.05〜10.0Nm/s(空塔基準)で通し、換気ガス中のNO2 を吸収除去する、道路トンネル換気ガス浄化に好適に使用される。
【0043】
以下、本発明によるNO2 吸収剤をより詳細に説明する。
【0044】
有機アミン化合物とNO2 との反応性は古くから知られており、活性炭に芳香族アミン化合物など、蒸気圧の低い有機アミン化合物を担持したNO2 吸収剤などが知られている。また、エタノールアミンとNO2 との反応性を利用した、大気中のNO2 分析法が“アルカリ濾紙法”として知られている。
【0045】
しかし、有機アミン化合物と担体との結合力は弱く、かつ僅かではあるが有機アミン化合物が蒸散するため、少量の吸収剤に大量のガスを流しかつ数カ月以上1年にも亘る長期間使用に耐えるものは得られていない。
【0046】
本発明では、NOx変性触媒作用を付加した固体酸性担体または活性炭に塩基性アミノ酸、グアニジンなど、常温で固体であり、極めて蒸気圧の低いものを使用することにより上記問題を解決している。さらに塩基性アミノ酸、グアニジンなどは、担体である固体酸性酸化物に強く結合し、また活性炭には強く吸着される特性を有している。
【0047】
本発明によるNO2 吸収剤は、固体酸担体または活性炭に塩基性アミノ酸、グアニジンなどを担持させたものであり、前述の過酷な使用条件にも耐える優れたNO2 吸収剤として機能する。
【0048】
上記NO2 吸収剤はそのままで十分実用に耐えるものであるが、本発明者らは更にその性能を向上させる方法を見出した。
【0049】
アミノ酸は一般にアミノ基(塩基性)とカルボキシル基(酸性)の両者を持つ。アミノ基はNO2 の固定に役立つが、カルボキシル基はそうでない。また、アルギニンおよびグアニジンは共にHN=C(イミド基)を持ち、これはアミノ基と同様固体酸点と反応しアルギニン、グアニジンの担体表面への固定化に役立つ。従ってNO2 固定に有効なフリーのアミノ基が増加することになり、アルギニンおよびグアニジンは他の有機アミン化合物より蒸散し難くかつ高いNO2 固定化能を示す。
【0050】
しかし、アルギニン中のカルボキシル基は、式[I] に示すように、分子構造上アミノ基の近傍に位置し、NO2 固定に役立たないばかりでなくアミノ基間を伝播するNO3 −、NO2 −等の拡散に対し阻害要因にもなっている。
【0051】
【化1】
【0052】
このカルボキシル基に塩基性化合物を作用させれば、カルボキシル基もNO2 固定化に有効に機能し、吸収剤の吸収容量が増加する。特に塩基性化合物として式[II]に示すグアニジンを使用すれば、NO2 拡散に有効なアミノ基のみが存在することになり、拡散の阻害要因が減少する。
【0053】
【化2】
【0054】
NO2 拡散が容易となれば、NO2 吸収速度の向上のみでなく、触媒活性点周辺の広い部分がNO2 固定化に有効となり、吸収容量の増加にも繋がる。
【0055】
以上の関係を図6に示す。
【0056】
好ましい例では、アルギニンとほぼ等モルのアルカリ水酸化物またはグアニジンとを含んだ水溶液をMn添加チタニア担体に含浸させ同担体を乾燥させ、良好なNO2 吸収剤を得る。但し、アルカリ水酸化物またはグアニジンは直接担体の酸性点と反応するので、現実的には水溶液中にアルギニンより多少過剰に存在させることが望ましい。
【0057】
アルギニンなどの担持量の増加は、NO2 吸収量の増加に繋がるが、過多の担持はアルギニンなどによる触媒細孔の閉塞や触媒活性点埋没を招き、吸収速度を低下させる。
【0058】
担体として活性炭を用いたNO2 吸収剤も、固体酸担体NO2 吸収剤とほぼ同様の効果を示すが、これよりアルギニンの添加効果は低い。
【0059】
一般に、活性炭は、固体酸担体と比べ、比表面積は大きいが細孔径は小さく、吸着速度を低下させない比表面積当たりの限界担持量は固体酸担体より低い。
【0060】
本発明のNO2 吸収剤の本質的な機能は、
▲1▼NOx変性触媒作用を付加した固体酸性担体または活性炭を担体として、
▲2▼それに塩基性アミノ酸と、有機アミン化合物またはアルカリ水酸化物を担持する、
ことにより発現され、担体の詳細な表面構造(結晶型、細孔分布、酸強度、表面電子密度分布、酸化物表面配位数など)によって大きくは影響されない。また塩基性アミノ酸、有機アミン化合物の種類によっても本質的な変化はない。
【0061】
【発明の実施の形態】
本発明によるNO2 吸収剤の製造方法およびその性能・特性を実施例で具体的に示す。
【0062】
実施例では固体酸担体としてチタニアを、活性炭としてピッチ系活性炭を使用しているが、本発明によるNO2 吸収剤はこれら担体からなるものに限定されない。
【0063】
実施例1
a)固体酸担体NO2 吸収剤(板状)の製造
セラミックペーパー(厚さ0.5mm:日本無機(株)製)を固形分濃度34重量%のチタニア(TiO2 )コロイド溶液に浸漬し、ついで空気中120℃で乾燥した。こうして、ペーパーを構成するセラミックス繊維間の隙間にチタニアを保持させた。
【0064】
セラミックペーパーのチタニアコロイド溶液への浸漬および乾燥操作を再度行い、セラミックペーパーにアナターゼ型チタニアが分散保持された固体酸担体保持板状物を得た。
【0065】
この板状物のチタニアの保持量はペーパー坪量当たり420g/m2 であった。
【0066】
これを3.0モル/リットルの硝酸マンガン(Mn(NO3 )2 )水溶液に30分浸漬し、ついで空気中120℃で乾燥し、通気中400℃で3時間焼成し、NO2 変性の触媒活性を有するMn添加板状担体を得た。この担体のMn担持量は3.2mモル/g(TiO2 )、比表面積は87m2 /gであった。
【0067】
L−アルギニン1.3モル/リットル、グアニジン1.5モル/リットルの混合水溶液を調製し、上記担体を30分浸漬し、通気中60℃で乾燥し、板状のNO2 吸収剤(A) を得た。
【0068】
b)固体酸担体NO2 吸収剤の性能
板状の吸収剤(A) (100mm×35mm)2枚を充填した吸収管に表1に示す組成の標準ガスを2リットル/分の流量で通し、吸収剤の前流および後流においてNO2 濃度を分析し、下記計算式によりNO2 吸収率を所定時間計測した。ついで、表2に示す、大量のNO2 を含む加速ガスを所定時間通し、その時のNO2 吸収率と積算吸収量を計測した。
【0069】
その後、再び標準入口ガスを流し、低濃度域のNO2 吸収率を測定した。
【0070】
この操作を4回繰り返し、NO2 吸収量と吸収率の関係を求めた。この結果を図7に示す。
【0071】
吸収開始当初からNO2 吸収量が5リットル/m2 に達するまでほぼ100%の吸収率を示し、その後吸収率が低下し吸収量が7リットル/m2 に達した時の吸収率は約90%であった。
【0072】
NO2 吸収率
=[(入口NO2 濃度−出口NO2 濃度)/入口NO2 濃度]×100
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
実施例2
a)活性炭担体NO2 吸着剤(ハニカム)の製造
武田薬品(株)製の活性炭ハニカムを空気中80℃で乾燥した後、0.8モル/リットルのグアニジン水溶液に30分浸漬し、60℃で乾燥し、グアニジン担持活性炭ハニカム(B) を得た。
【0076】
このNO2 吸着剤(B) の比表面積は490m2 /gであった。
【0077】
b)活性炭担体NO2 吸着剤の性能
NO2 吸着剤(B) を20mm×20mm×50mmにカットし、カット片を吸収管に充填し、6リットル/分の流量で表1に示す組成の標準ガスを通した。
【0078】
以降の操作は、実施例1のb)と同様に行い、NO2 吸収量と吸収率の関係を求めた。この結果を図8に示す。
【0079】
活性炭担体NO2 吸着剤(B) でも、固体酸担体NO2 吸収剤と同様に、NO2 吸収量が5リットル/m2 に達するまでは、ほぼ100%の吸収率が得られ、その後NO2 吸収量の増加に従って吸収率が低下し約10リットル/m2 に達したときに吸収率が90%程度となる。
【0080】
実施例3:金属添加担体NO2 吸収剤および変性触媒性能
添加する金属塩を表3に示すものに代えた点を除いて、実施例1のa)と同様の操作で各種金属添加担体NO2 吸収剤(C) 〜(I) を得た。
【0081】
NO2 吸収剤(C) 〜(I) (100mm×35mm)の各1枚を吸収管に充填し、表1に示す組成の標準ガスを4リットル/分の流量で通し、吸収率(初期性能)を計測した。この結果を表3に示す。硝酸マグネシウムの添加はNO2 吸収速度の向上には効果を示さなかった。
【0082】
【表3】
【0083】
実施例4:アルギニンと有機アミン化合物・アルカリ水酸化物の共存効果(固体酸担体使用)
実施例1のMn添加板状担体と同じ担体に各種濃度のアルギニン、有機アミン化合物および/またはアルカリ水酸化物を共担持させ、実施例1と同じ手順でNO2 吸収剤(K) 〜(T) を得た。これら吸収剤の性能を実施例1のb)と同様な方法で計測した。表4に浸漬液濃度およびNO2 吸収性能の一例を示す。
【0084】
【表4】
【0085】
実施例5:アルギニンと有機アミン化合物・アルカリ水酸化物の共存効果(活性炭担体使用)
実施例2と同様な手順で、活性炭担体にアルギニンならびに有機アミン化合物・アルカリ水酸化物を担持させ、NO2 吸収剤AC-1〜AC-7を得、これら吸収剤の特性を計測した。但し、特性差をより明確にするために、NO2 吸収剤のカット片のサイズを20mm×20mm×25mmとし、NO2 吸収率を低く押さえた条件で計測を行った。この結果を表5に示す。
【0086】
【表5】
【0087】
実施例6:アルギニンと有機アミン化合物・アルカリ水酸化物の共存効果(粒状担体使用)
各種固体酸粒状担体(8〜14メッシュ)を3.0モル/リットルの硝酸マンガン水溶液に30分浸漬し、空気中120℃で3時間乾燥後、400℃で5時間焼成して、マンガン添加固体酸担体を得た。これをL−アルギニン1.3モル/リットル、グアニジン1.5モル/リットルを含む混合水溶液に30分浸漬し、空気中60℃で5時間乾燥して、各種の粒状NO2 吸収剤PP-1〜PP-7を得た。
【0088】
【表6】
【0089】
これら粒状吸収剤4mlを吸収管に充填し、2リットル/分で表1に示す組成の標準ガスを通し、吸収剤前流および後流においてNO2 濃度を分析し、初期性能を計測した。その後表2に示す組成の加速ガスを通してNO2 吸収量が250mlに達した時点で、再び表1の標準ガス組成に切り替え、NO2 吸収後の性能を計測した。計測結果を表6に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はNO2 /NOx比とNO2 除去率の関係を示すグラフである。
【図2】 図2は入口NO2 濃度とNO2 除去率の関係を示すグラフである。
【図3】 図3は吸着時間とNO,NO2 濃度の関係を示すグラフである。
【図4】 図4はNO2 吸収剤表面におけるNO2 吸収現象を示す概念図である。
【図5】 図5は入口NO2 濃度とNO2 除去率の関係を示すグラフである。
【図6】 図6は想定されるNO2 吸収剤表面構造を示す概念図である。
【図7】 図7はNO2 吸収量とNO2 吸収率の関係を示すグラフである。
【図8】 図8はNO2 吸収量とNO2 吸収率の関係を示すグラフである。
Claims (16)
- 多孔質担体に、塩基性アミノ酸と、有機アミン化合物および/またはアルカリ水酸化物とが担持されていることを特徴とする二酸化窒素吸収剤。
- 多孔質担体が固体酸性を有する多孔質酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の二酸化窒素吸収剤。
- 固体酸性を有する多孔質酸化物が、アルミナ、シリカ・アルミナ、チタニアおよびゼオライトからなる群から選ばれる物質またはこれらの組合せであることを特徴とする請求項2記載の二酸化窒素吸収剤。
- 多孔質担体が、多孔質酸化物にMn、Co、FeおよびNiからなる群から選ばれる物質またはこれらの組合せを担持して得られる金属添加担体であることを特徴とする請求項3記載の二酸化窒素吸収剤。
- 金属添加担体が、Mn、Co、FeおよびNiからなる群から選ばれる物質またはこれらの組合せの、硫酸塩以外の無機酸塩または有機酸塩の0.5〜5モル/リットルの水溶液を多孔質酸化物に同時または逐次に含浸させて得られることを特徴とする請求項4記載の二酸化窒素吸収剤。
- 多孔質酸化物の比表面積が30〜500m2 /gであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項記載の二酸化窒素吸収剤。
- 多孔質酸化物が、板状またはハニカム状のプレフォーム体の繊維間の隙間に保持されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項記載の二酸化窒素吸収剤。
- 多孔質担体が活性炭であることを特徴とする請求項1に記載の二酸化窒素吸収剤。
- 活性炭の比表面積が100〜2000m2 /gであることを特徴とする請求項8記載の二酸化窒素吸収剤。
- 活性炭がハニカム状であることを特徴とする請求項8または9記載の二酸化窒素吸収剤。
- 塩基性アミノ酸がアルギニンであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の二酸化窒素吸収剤。
- 有機アミン化合物がグアニジンであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の二酸化窒素吸収剤。
- アルカリ水酸化物が、水酸化リチウム、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムからなる群から選ばれる物質またはこれらの組合せであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載の二酸化窒素吸収剤。
- 0.5〜2.0モル/リットルの塩基性アミノ酸と、0.5〜3.0当量(アミノ酸のカルボン酸に対する当量)の有機アミン化合物および/または0.5〜3.0当量(アミノ酸のカルボン酸に対する当量)のアルカリ水酸化物とを含む混合水溶液を多孔質担体に含浸させることを特徴とする請求項1記載の二酸化窒素吸収剤の製造方法。
- 含浸後の多孔質担体を150℃以下で乾燥することを特徴とする請求項14記載の二酸化窒素吸収剤の製造方法。
- 請求項1〜13のいずれか1項記載の二酸化窒素吸収剤に道路トンネルの換気ガスを流速0.05〜10.0Nm/s(空塔基準)で通し、換気ガス中のNO2 を吸収除去する道路トンネル換気ガス浄化方法。
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JP9-278320 | 1997-10-13 | ||
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JP29406297 | 1997-10-27 | ||
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