JP3752300B2 - ソレノイドの励磁電流制御装置 - Google Patents

ソレノイドの励磁電流制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体通路の開閉を切り換える電磁弁のソレノイド装置に用いられるソレノイドの励磁電流制御装置において、切り換え時の各電磁弁特性の機差を低減し得るものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ソレノイド装置で流体通路の開閉切り換えを行う電磁弁において、弁体の移動が急激に行われると流体中に圧力衝撃が生じて、機器に思わぬトラブルを引き起こしてしまうことがある。このようなショックを防止するためのソレノイド装置の励磁電流制御装置としては、例えば特開昭64−58890号公報に提案がなされている。
【0003】
これは、図10に示すような回路からなるものであり、この入力端子201a、201b間にステップ状の入力信号(切換信号)電圧が印加されると、この回路のC点電圧は、図11のX〜Pに示すように抵抗202及び可変抵抗203により決められる分圧電圧までステップ状に上昇した後、図11のP〜Qに示すようにコンデンサ204の充電により漸次増加して行く。
【0004】
このC点電圧はコンパレータ回路205の一方の入力となるが、このC点電圧がコンパレータ回路205の他方の入力であるE点電圧(図11に電圧E1として示す)を超えるとコンパレータ回路205がオフとなり、その出力であるF点電圧がコンデンサ206を充電し、図11のX〜Yに示すようにH点電圧を所定値H1まで上昇させる。
【0005】
一方、入力端子201a、201b間の入力信号電圧がオフされると同時に、図11のR〜Sに示すように、C点電圧は抵抗202および可変抵抗203による分圧電圧分だけステップ状に減少し、その後、コンデンサ204の放電により、図11のS〜T〜V〜Wに示すように漸次減少して行く。
【0006】
このとき、C点電圧がH点電圧より低くなると、図11のT〜Uに示すように、D点電圧はH点電圧と同レベルに保持される。さらに、C点電圧が電圧E1より低くなるとコンパレータ回路205がオンし、コンデンサ206の放電により、H点電圧は図11のU〜Wに示すように漸次減少して行く。
【0007】
以上の結果、入力信号電圧のオンオフによるD点電圧の変化は図11の下図に示すようなものになる。このD点電圧が、コンパレータ回路207において、B点に印加される基準信号(三角波信号)と逐次比較され、このコンパレータ回路207の出力信号によってK点を流れるソレノイド208の励磁電流が制御される結果、このソレノイド208による吸引力とバネ力のバランスによって、電磁弁のスプール弁体の動きが制御される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように図10に示す従来の装置によれば、ステップ状の作動入力に対して、ソレノイド励磁電流を制御するD点電圧を緩やかに漸増漸減させることにより、ソレノイド装置の励磁電流を所定の設定速度で漸増漸減できるものではあるが、これでもなお、図11のX〜Pに示す間では、D点電圧がステップ状に増加するようになっている。
【0009】
このため、この間では、ソレノイド励磁電流もステップ状に増加し、ソレノイド208の吸引力も急激に増加する。したがって、電磁弁のバネ力が小さい場合には、弁スプールの加速度が大きくなってしまい、弁スプールは弁の不感帯を行き過ぎてしまう結果、図12(d)に示すように、弁を通過する流体の流れ始めの流量(初期流量)が大きくなって、切換初期に大きなショックを生じてしまう。ところが逆に、バネ力が大きな場合には、図12(c)に示すように、弁の不感帯を行き過ぎるのに必要な吸引力を発生する電流値にソレノイド励磁電流が増加するまでのむだ時間が大きくなってしまう。
【0010】
ところで、このような電磁弁を複数個製造するにあたっては、そのバネ力にはバラツキが生じるので、結局、各電磁弁の機差によって、初期流量が大きくなり過ぎたり、むだ時間が大きくなってしまうというように、各電磁弁の特性にバラツキが生じてしまう。
【0011】
また、同様なバラツキは入力信号(切換信号)の変動によっても生じる。すなわち、図11のP点電圧は切換信号電圧の分圧電圧となるため、切換信号電圧が大きくなったときにはP点電圧も大きくなり、ソレノイド208の吸引力が増加する結果、図13(a)に示すように、初期流量が大きくなって、切換初期に大きなショックを生じてしまう。一方、切換信号電圧が小さくなったときにはP点電圧も小さくなり、ソレノイド208の吸引力が減少する結果、図13(b)に示すように、弁の不感帯を行き過ぎるのに必要な吸引力を発生する電流値に電流が増加するまでのむだ時間が大きくなってしまう。
【0012】
これに対して、この従来装置では、P点電圧を可変抵抗203で個々の電磁弁の機差に合わせて調整していたので、調整工数が増加してしまい余計なコストがかかるうえ、この調整が複雑で取り扱いが不便であるので生産性が悪く、また電磁弁を搭載する電装箱が大型になる等の不都合を生じていた。
【0013】
本発明はこのような問題点に着目し、電磁弁の構成部品のバラツキや、切換信号電圧の変動による影響を受けにくく、またそれを調整箇所なしで実現する電磁弁のソレノイド装置の励磁電流制御装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、図1に示すように、ソレノイド101に流れる励磁電流を制御するソレノイド101の励磁電流制御装置において、入力信号を第1の時定数で変化させる第1の時定数回路102と、この第1の時定数回路102の出力を第2の時定数で変化させる第2の時定数回路103と、前記第1の時定数回路102の出力を第1の基準電圧104と比較して第2の基準電圧105を出力する第1の比較器106と、第1の逆流防止ダイオード107通過後の前記第1の時定数回路102の出力と前記第2の時定数回路103の出力とを加算する第1の加算器108と、前記ソレノイド101の駆動電流を電圧に換算する検出抵抗109と、この検出抵抗109からの出力と第3の基準電圧110とを加算する第2の加算器111と、前記第1の加算器108の出力に第2の逆流防止ダイオード112通過後の前記第2の基準電圧を加算した加算値と前記第2の加算器111の出力とが入力される第2の比較器113と、この第2の比較器113の出力によりオンオフ制御されるパワースイッチング素子114とを備え、前記第1の時定数回路102の出力が前記第1の基準電圧104より大きい場合には、前記第1の比較器106は、第2の基準電圧105を0とし、前記第2の比較器113は、前記第1の逆流防止ダイオード107通過後の前記第1の時定数回路102の出力及び前記第2の時定数回路103の出力を加算した電圧と、前記第2の加算器111の出力とを比較し、
前記第1の時定数回路102の出力が前記第1の基準電圧104より小さい場合には、前記第1の比較器106は、第2の基準電圧105を所定の電圧に設定し、前記第2の比較器113は、第2の逆流防止ダイオード112通過後の前記第2の基準電圧105及び前記第2の時定数回路103の出力を加算した電圧と、前記第2の加算器111の出力とを比較するようにした。
【0015】
第2の発明は、前記パワースイッチング素子114のオフ時に前記ソレノイド101より発生する過渡電圧を吸収するフライホイールダイオード115を備えた。
【0016】
第3の発明では、前記第1の時定数回路102は、その時定数を任意の値に設定できるようにした。
【0017】
第4の発明は、前記第2の時定数回路103は、その時定数を任意の値に調整できる可変抵抗を備えた。
【0018】
第5の発明は、前記第2の基準電圧を任意の値に調整するための可変抵抗を備えた。
【0019】
【作用】
第1の発明では、入力端子にステップ状の切換信号電圧(回路のA点電圧VA)が印加されると、第1の時定数回路102により分圧されたB点電圧VBが第1の時定数で速やかに立ち上がり、このB点電圧VBは第1の逆流防止ダイオード107を通じて第1の加算器108の一端に入力される一方で、第2の時定数回路103を通じて、第2の時定数で緩やかにE点電圧VEとなり第1の加算器108の他端へと入力される。
【0020】
また、B点電圧VBは第1の比較器106の一端に入力され、第1の基準電圧104(C点電圧VC)と比較されるが、この第1の比較器106は、VB>VCのとき(すなわち切換信号電圧VAがオンのとき)にはオンとなり、第2の基準電圧105を0とし、この第2の基準電圧105が逆流防止ダイオード通過したG点電圧VGを0にする一方、VB<VCのとき(すなわち切換信号電圧VAがオフのとき)にはオフとなり、第2の基準電圧105として所定の電圧を発生させ、G点電圧VGを発生させる。このため、第2の比較器113の一端に入力されるH点電圧VHは、切換信号電圧VAがオンのときには、VH=VD+VEとなる一方、切換信号電圧VAがオフのときには、VH=VG+VEとなる。
【0021】
また、この第2の比較器113の他端には、ソレノイド101の駆動電流を検出抵抗109により換算した電圧と第3の基準電圧110とを第2の加算器111により加算した駆動電流フィードバック電圧VIが入力される。第2の比較器113は、このVHとVIとが一致するようにパワースイッチング素子114のオンオフ制御を行い、ソレノイド101の駆動電流を制御する。
【0022】
以上の結果、ステップ状の切換信号電圧VAが入力されたとき、ソレノイド駆動電流はステップ状に変化せず、時間t1(第1の時定数)をかけて増加し、その後時間t2(第2の時定数)をかけて緩やかに増加して行くので、時間t1経過時のソレノイド101の吸引力を適切に調整することにより、個々の弁の構成部品の公差に起因する切り換え時の弁作動の遅れが、最大でも時間t1以内に抑制されるとともに、同じく個々の弁の構成部品の公差に起因する切り換え時の流量の急激な増加が抑制され、切り換え時のショックが適切に防止できるとともに、切換信号電圧の変動に対しても、ソレノイド吸引力の変動量を小さく抑えることができるので、切換信号電圧の変動に起因する弁の作動遅れや初期流量の急激な増加を適切に抑制できる。また、このために、可変抵抗等の特別な調整部品を必要としていないので、調整工数の低減によるコスト削減が可能となり、また取り扱いが容易で生産性も向上するうえ、電磁弁搭載用の電装箱が大型化してしまうこともない。
【0023】
第2の発明では、フライホイールダイオード115により、パワースイッチング素子114がオフする際にソレノイド101より励磁される過渡電圧が吸収されるので、本装置に接続されている他の機器へと悪影響が及ぶことはない。
【0024】
第3の発明では、第1の時定数回路の時定数を任意の値に設定できるので、第1の時定数として適切な値を設定することができる。
【0025】
第4の発明では、第2の時定数回路の時定数を任意の値に調整できるので、第2の時定数として適切な値を設定することができる。
【0026】
第5の発明では、第2の基準電圧を任意の値に調整できるので、第2の基準電圧として適切な値を設定することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図2に示すように、直流電源28には、図示しない電磁弁の弁スプールを駆動するソレノイド26と、パワースイッチング素子25とが直列接続され、ソレノイド26に対して逆極性にフライホイールダイオード27が並列接続されている。また、ソレノイド26を流れるソレノイド駆動電流を電圧に換算する検出抵抗22が、ソレノイド26に直列に接続されている。
【0029】
スイッチング素子25は比較器19(図1の第2の比較器113に相当)の出力によってスイッチングを制御されるようになっており、この比較器19の一方の入力端子には、検出抵抗22の両端の電圧に、抵抗20、抵抗21により決定されるバイアス電圧(図1の第3の基準電圧110に相当)を加えた駆動電流フィードバック電圧VIが入力されるようになっている(図1の第2の加算器111に相当)。ここで、このバイアス電圧はノイズマージンとして印加されるものであり、ノイズによる不要なスイッチングを防止するものである。
【0030】
また、比較器19の他方の入力には、後述の第1の時定数回路の出力であるB点電圧VBが逆流防止ダイオード9を通過した後のD点電圧VDと、第2の時定数回路の出力がバッファ15を通過した後のE点電圧VEが、抵抗16、抵抗17および抵抗18を介して加算されて(図1の加算器108に相当)、入力されるようになっている。
【0031】
比較器8(図1の第1の比較器106に相当)は、第1時定数回路の出力信号レベル(B点電圧VB)を、抵抗6と抵抗7により決定される比較電圧(C点電圧VC)と比較することにより、VB>VCであればオンとなり、第2の基準電圧として出力される電圧を0とする(したがってF点電圧VF=G点電圧VG=0)とともに、VB<VCであればオフとなり、第2の基準電圧として所定のF点電圧VFを出力して、このF点電圧VFを可変抵抗12で調整したG点電圧VGを、逆流防止ダイオード13を通した後で、D点電圧のかわりに比較器19に入力するようになっている。
【0032】
第1の時定数回路は、図3にも取り出して示すように、抵抗1、3、4、5およびコンデンサ2から構成されるCR時定数回路であり、比較的小さな第1の時定数t1にしたがって充電動作および放電動作を行うもので、この充電および放電の切換は、入力端子9a、9bに入力される切換信号電圧によって制御されるようになっている。
【0033】
第2の時定数回路は、図4にも取り出して示すように、可変抵抗10およびコンデンサ14から構成されるCR時定数回路であり、第1の時定数回路からの出力VBが入力されて、比較的大きな第2の時定数t2にしたがって充電動作および放電動作を行うようになっている。この第2の時定数回路の出力はバッファ15を経て、E点電圧VEとして比較器19に入力される。なお、この第2の時定数t2は可変抵抗10で調整可能となっている。
【0034】
つぎに図5にしたがって、この図2の回路の作動を説明する。この図5は、回路のA、B、E、G、H、Iの各点における電圧の時間変化を表したものである。
【0035】
入力端子9a、9bにステップ状の切換信号電圧VA(大きさVAH)が印加されると、コンデンサ2は抵抗1とコンデンサ2により決まる第1の時定数t1で速やかに充電され、B点電圧VBは、図5Bの線a〜bのように、抵抗1と抵抗5による分圧電圧VBHに達する。
【0036】
このB点電圧VBにより、コンデンサ14は可変抵抗10とコンデンサ14による第2の時定数t2で緩やかに充電され、E点電圧VEは図5Eのe〜fに示すように、VEHに達する。
【0037】
さらに、B点電圧VBは、抵抗6と抵抗7により決定される比較電圧VCと比較器8において比較されるが、この場合VB>VCであるので、比較器8はオンとなり、F点電圧VFは0となる。
【0038】
このためF点電圧VFが可変抵抗12および逆流防止ダイオード13を通過した後のG点電圧VGも、図5のi〜jに示すように0となって、比較器19の一方の入力電圧となるH点電圧VHは、B点電圧VBが逆流防止ダイオード9を通過した後の電圧VDと電圧VEが、抵抗16、抵抗17および抵抗18を介して加算されたものとなり、図5Hのm〜n〜oに示すように、第1の時定数t1で速やかに立ち上がった後(図5Hのm〜n)、第2の時定数t2で緩やかに上昇する(図5Hのn〜o)。
【0039】
このとき、弁の構成部品の公差およびこれらの組み合わせを考慮して、切換信号電圧VAオンから時間t1経過時点で、弁開口開始位置におけるバネ力の最大値と同等のソレノイドの吸引力を得るための電流が流れるように、電流指令値であるH点電圧VHの図5Hのn点における値(切換信号電圧オンから第1の時定数t1経過時点のH点電圧)を設定する。
【0040】
一方、電源28からパワースイッチング素子25を通ってソレノイド26へと流れ込むソレノイド駆動電流は、ソレノイド26と直列に接続された電流検出抵抗22により電圧へと換算され、抵抗20と抵抗21により決定されるバイアス電圧が印加されて駆動電流フィードバック電圧VIとなり、比較器19の他方の入力端子に入力される。
【0041】
比較器19は、H点電圧VHおよび駆動電流フィードバック電圧VIの比較により切り換えられる出力により、パワースイッチング素子25をオンオフする。このソレノイド駆動電流のオンオフ制御は、VH>VIならばパワースイッチング素子25はオンとなり、ソレノイド駆動電流を増加させる一方、VH<VIならばパワースイッチング素子25はオフとなり、ソレノイド駆動電流を減少させることにより行われる。この間の駆動電流フィードバック電圧VIの変化を、図5Iのs〜t〜uに示す。
【0042】
なお、H点電圧VHの最大値VHHは、駆動電流フィードバック電圧VIの最大値VIHよりも大きくなるように設定されているので、ソレノイド26の連続通電時には、図5のu〜vに示すようにパワースイッチング素子25はオン状態に保持され、パワースイッチング25の長寿命化とソレノイド駆動音の低減を図っている。
【0043】
また、パワースイッチング素子25がオフとなる際にソレノイド26より発生する過渡電圧は、フライホイールダイオード27で吸収されるので、本装置に接続されている他の機器へと悪影響が及ぶことはない。
【0044】
さて、入力端子9a、9bへの切換信号電圧がオフされると、コンデンサ2が第1の時定数t1で速やかに放電するので、B点電圧VBは図5Bのc〜dに示すように速やかに低下し、D点電圧VDも同様に減少する。
【0045】
このようにして、VB<VCとなったならば、比較器8はオフとなり、図5Gのl〜kに示すようにG点電圧VGが立ち上がり、比較器19の一方の入力であるH点電圧VHには、D点電圧VDのかわりにG点電圧VGが印加される。
【0046】
一方、E点電圧VEは、バッファ15および逆流防止用ダイオード9、13の作用で、可変抵抗10および抵抗5を通じて、図5Eのg〜hに示すように、時定数t2で緩やかに低下して行く。
【0047】
以上の結果、H点電圧VHは、図5Hのp〜qに示すように切換信号電圧オフと同時にいったん低下した後、図5Hのq〜rに示すように第2の時定数t2で緩やかに低下して行く。また、駆動電流フィードバック電圧VIも、H点電圧VHに応じて、図5Iのv〜w〜xに示すように変化する。
【0048】
なお、G点電圧VGは、可変抵抗12により調整できるので、液圧管路特性によって変化する切換信号電圧オフから流量減少開始までのむだ時間を、例えば図5Hの破線p〜q′〜rを実線p〜q〜rとするように調整できる。
【0049】
また、図5Iに示すように、H点電圧VHの最小電圧VHLは、駆動電流フィードバック電圧VIよりも小さくなるように設定するので、切換信号電圧オフ時には、パワースイッチング素子25はオフ状態に保持され、ソレノイド26への通電は行われない。
【0050】
つぎに全体的な作用を説明する。
【0051】
本発明のソレノイド駆動電流制御装置にステップ状の切換信号電圧VAが入力されたとき、前述した原理によりソレノイド駆動電流はステップ状に変化せず、時間t1をかけて増加し、その後時間t2をかけて緩やかに増加して行く。
【0052】
このため、ソレノイド26の吸引力の急激な増加が防止されるが、第1の時定数回路で設定される時間t1(第1の時定数)経過時のソレノイド26の吸引力は、前述のとおり、弁の構成部品の公差を考慮した弁開口開始位置におけるバネ力の最大値と同等の値に設定されているため、図6(c)に示すように、弁のバネ力が大きな場合でも、切換信号電圧VAの入力から、弁を通過する流体の流れ始めまでのむだ時間を、最大でも時間t1以内に抑えることができる。
【0053】
一方、図6(d)に示すように、弁のバネ力が小さな場合でも、ソレノイド26の吸引力は緩やかに増加するため、弁開口開始位置におけるスプール加速度は緩やかであり、電磁弁の不感帯を行き過ぎてしまうことはなく、初期流量の増加は少なくでき、切り換え初期のショックを抑制できる。
【0054】
このように本発明によれば、個々の弁の構成部品の公差に起因する切り換え時の弁作動の遅れが、最大でも時間t1以内に抑制されるとともに、同じく個々の弁の構成部品の公差に起因する切り換え時の流量の急激な増加が抑制され、切り換え時のショックが適切に防止できる。
【0055】
また、図7(a)に示すように、切換信号電圧が変動し、大きくなってしまった場合には、図5Iのt点における電流値が増加するためにソレノイド26の吸引力は増加するが、この図5Iのt点に到達するまでの吸引力の増加率は緩やかなため、弁開口開始位置におけるスプール加速度は緩やかであり、初期流量の増加は少なくできる。
【0056】
一方、図7(b)に示すように、切換信号電圧が小さくなってしまった場合には、図5Iのt点における電流値が減少するためにソレノイド26の吸引力は減少するが、図5Iのt点のソレノイド26の吸引力は構成部品の公差および組み合わせを考慮して、大きめに設定されているので、ソレノイド26の吸引力の減少による流れ始めまでのむだ時間の増加は少なくすることができる。
【0057】
このように本発明によれば、切換信号電圧の変動に対して、ソレノイド吸引力の変動量を小さく抑えることができるので、切換信号電圧の変動に起因する弁の作動遅れや初期流量の急激な増加を適切に抑制できる。
【0058】
さらに、本発明では以上のような作用を得るために、可変抵抗等の特別な調整部品を必要としていないので、調整工数の低減によるコスト削減が可能となり、また取り扱いが容易で生産性も向上するうえ、電磁弁搭載用の電装箱が大型化してしまうこともない。
【0059】
図8は本発明の他の実施の形態を示すものであり、図2の回路の固定抵抗16を可変抵抗36へと変更したものである。
【0060】
この実施の形態によれば、可変抵抗36により、図5Hのn点の電圧を変えることができるために、図5Iのt点におけるソレノイドの励磁電流を調整することにより、図5Iのs〜t間のソレノイド吸引力特性を適切に調整することができる。
【0061】
このため、個々の電磁弁により異なる不感帯に対して、同一の励磁電流制御装置で対応することができ、また、電磁弁内蔵のバネまたは不感帯が変更された場合でも、同一の励磁電流制御装置で対応できる。
【0062】
図9は本発明のさらに他の実施の形態を示すものであり、図2の回路に比較器30、可変抵抗31、および逆流防止ダイオード29を追加したものである。
【0063】
これによれば、逆流防止ダイオード29と比較器30の働きにより、コンデンサ14は、切換信号電圧オン時には可変抵抗10との組み合わせによる時定数で充電され、切換信号電圧オフ時には可変抵抗31と抵抗7との組み合わせで放電される。その結果、切換信号のオン時とオフ時で、それぞれ別の時定数でソレノイドの励磁電流制御が可能となる。
【0064】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ステップ状の切換信号電圧VAが入力されたとき、ソレノイド駆動電流はステップ状に変化せず、時間t1(第1の時定数)をかけて増加し、その後時間t2(第2の時定数)をかけて緩やかに増加して行くので、時間t1経過時点でのソレノイドの吸引力を適切に調整することにより、個々の弁の構成部品の公差に起因する切り換え時の弁作動の遅れが、最大でも時間t1以内に抑制されるとともに、同じく個々の弁の構成部品の公差に起因する切り換え時の流量の急激な増加が抑制され、切り換え時のショックが適切に防止できるとともに、切換信号電圧の変動に対しても、ソレノイド吸引力の変動量を小さく抑えることができるので、切換信号電圧の変動に起因する弁の作動遅れや初期流量の急激な増加を適切に抑制できる。また、このために、可変抵抗等の特別な調整部品を必要としていないので、調整工数の低減によるコスト削減が可能となり、また取り扱いが容易で生産性も向上するうえ、電磁弁搭載用の電装箱が大型化してしまうこともない。
【0065】
第2の発明によれば、フライホイールダイオードにより、パワースイッチング素子がオフする際にソレノイドより励磁される過渡電圧が吸収されるので、本装置に接続されている他の機器へと悪影響が及ぶことはない。
【0066】
第3の発明によれば、第1の時定数回路の時定数を任意の値に設定できるので、第1の時定数として適切な値を設定することができる。
【0067】
第4の発明によれば、第2の時定数回路の時定数を任意の値に調整できるので、第2の時定数として適切な値を設定することができる。
【0068】
第5の発明によれば、第2の基準電圧を任意の値に調整できるので、第2の基準電圧として適切な値を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す構成図である。
【図2】同じく回路図である。
【図3】同じく第1の時定数回路を示す回路図である。
【図4】同じく第2の時定数回路を示す回路図である。
【図5】同じく回路の各点における電圧変化を示す特性図である。
【図6】同じく回路のI点における電圧変化および電磁弁を通過する流量変化を示す特性図である。
【図7】同じく回路のI点における電圧変化および電磁弁を通過する流量変化を示す特性図である。
【図8】本発明の他の発明の実施の形態を示す回路図である。
【図9】さらに他の発明の実施の形態を示す回路図である。
【図10】従来例を示す回路図である。
【図11】従来例の回路の特定点における電圧変化を示す特性図である。
【図12】同じく回路のK点における電圧変化および電磁弁を通過する流量変化を示す特性図である。
【図13】同じく回路のK点における電圧変化および電磁弁を通過する流量変化を示す特性図である。
【符号の説明】
101 ソレノイド
102 第1の時定数回路
103 第2の時定数回路
104 第1の基準電圧
105 第2の基準電圧
106 第1の比較器
107 第1の逆流防止ダイオード
108 第1の加算器
109 検出抵抗
110 第3の基準電圧
111 第2の加算器
112 第2の逆流防止ダイオード
113 第2の比較器
114 パワースイッチング素子
115 フライホイールダイオード

Claims (5)

  1. ソレノイドに流れる励磁電流をオンオフ制御するソレノイドの励磁電流制御装置において、
    入力信号を第1の時定数で変化させる第1の時定数回路と、
    この第1の時定数回路の出力を第2の時定数で変化させる第2の時定数回路と、
    前記第1の時定数回路の出力を第1の基準電圧と比較して第2の基準電圧を出力する第1の比較器と、
    第1の逆流防止ダイオード通過後の前記第1の時定数回路の出力と前記第2の時定数回路の出力とを加算する第1の加算器と、
    前記ソレノイドの駆動電流を電圧に換算する検出抵抗と、
    この検出抵抗からの出力と第3の基準電圧とを加算する第2の加算器と、
    前記第1の加算器の出力に第2の逆流防止ダイオード通過後の前記第2の基準電圧を加算した加算値と前記第2の加算器の出力とが入力される第2の比較器と、
    この第2の比較器の出力によりオンオフ制御されるパワースイッチング素子と、
    を備え
    前記第1の時定数回路の出力が前記第1の基準電圧より大きい場合には、前記第1の比較器は、第2の基準電圧を0とし、前記第2の比較器は、前記第1の逆流防止ダイオード通過後の前記第1の時定数回路の出力及び前記第2の時定数回路の出力を加算した電圧と、前記第2の加算器の出力とを比較し、
    前記第1の時定数回路の出力が前記第1の基準電圧より小さい場合には、前記第1の比較器は、第2の基準電圧を所定の電圧に設定し、前記第2の比較器は、前記第2の逆流防止ダイオード通過後の前記第2の基準電圧及び前記第2の時定数回路の出力を加算した電圧と、前記第2の加算器の出力とを比較することを特徴とするソレノイド励磁電流装置。
  2. 前記パワースイッチング素子のオフ時に前記ソレノイドより発生する過渡電圧を吸収するフライホイールダイオードを備えたことを特徴とする請求項1に記載のソレノイドの励磁電流制御装置。
  3. 前記第1の時定数回路は、その時定数を任意の値に設定できることを特徴とする請求項1に記載のソレノイドの励磁電流制御装置。
  4. 前記第2の時定数回路は、その時定数を任意の値に調整できる可変抵抗を備えたことを特徴とする請求項1に記載のソレノイドの励磁電流制御装置。
  5. 前記第2の基準電圧を任意の値に調整するための可変抵抗を備えたことを特徴とする請求項1に記載のソレノイドの励磁電流制御装置。
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