JP3750721B2 - タイル剥落防止用連結材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既存タイルの剥落防止用連結材に関し、特にコンクリート造りのタイル貼り建築物のタイルの剥落事故防止に寄与する剥落防止用連結材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術としては、コンクリート建築物の既存タイルが温度変化や乾湿等による収縮の影響で接着強度が低下し、剥落が発生する。そのまま放置すると地震時の動きや、強風時の負圧により剥がれ落ち物損事故はもとより人命に関わる大事故となる虞れがあるという問題があった。
【0003】
そこで、従来これらの対処方法として(1)浮きタイル部を撤去し張り替える工法(2)ピンニングと接着剤の注入工法(3)画鋲ピン式工法(4)ピンネット工法等があるが、これらには下記のような問題があり、補修の目的を充足するには至らなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術においては、
(1)浮きタイルを撤去し張り替える工法
浮きタイル部の撤去作業が危険であるばかりでなく、張り替え部分に違和感が生じ、また補修後にも剥がれるという問題が残る。
【0005】
(2)ピンニングと接着剤の注入工法
タイル面へのピンニング孔の穿孔が困難につき、一般には目地部からのピンニング作業になるためタイルと目地モルタルとの接着強度如何に左右されることになる。また、接着剤の注入も目地からの作業につきタイルの裏足が障害となって、タイル裏面には接着剤が廻らないので信憑性に欠ける点が多い。
【0006】
(3)画鋲ピン式工法
タイルの中心部にピンニング孔を穿孔し画鋲形状のピンを挿入固定する剥落防止工法で効果はあるが、タイル表面にピンの頭部が突起し美観を損ねる。
また、ピンニング孔の穿孔に特殊な機器を必要とするため工賃が嵩み一般的ではない。
その他、タイル毎に穴をあけるため穿孔数が多くなり中には穿孔の衝撃でタイルが欠損する場合も生じる。
【0007】
(4)ピンネット工法
最近流行り出した剥落防止工法であるが、タイル面が隠蔽されてしまうので意匠性が変わってしまう。また大型タイルには理論的に適合しない工法である。
【0008】
本発明は、これらのような事情に鑑み、下記するように、上述した問題を解決することを目的とするものである。
【0009】
(1)フレキシビリティを有するピンセット状二股形状の軸体と、該軸体の折り曲げた張り出し部の形状を角おとしの長方形状にしたことによりピンニングに使用する接着剤が張り出た長方形枠内に自ずと充填され、イモ目地ではタイル4枚が、またウマ目地ではタイル3枚が1本のピンニングで理想的に結束させることができる。そして、コンクリート躯体に対しても挿入時のピンセット状二股軸体先端部の反発力と接着剤との相乗効果の関係で、より有効に働くものである。
【0010】
(2)また作業にあたっては、タイルにピンニングするものではないため、通常使用しているドリルで用が済み、また横一文字溝の刻設もUカット用サンダーで容易に作業ができるので専用機器並びに専門職を必要としないので経済的である。
【0011】
(3)目地からの作業で済むため、タイルの外観を損うことがない。
【0012】
(4)イモ目地ではタイル4枚を、ウマ目地ではタイル3枚を1本のピンニング作業で連結ができるので、タイル1枚当たりの補修工賃が安くつく。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題の解決を図ったもので、次のような技術手段を採用した。
請求項1記載の発明においては、既存タイル貼りの目地表面よりコンクリート躯体に向って連続して穿孔したピンニング孔、並びに該ピンニング孔を中心に既存目地モルタルをタイルの木口が露出するまで横一文字状に溝を刻設し、該ピンニング孔と横一文字溝部位に納まる形状、すなわちフレキシビリティを有するステンレス鋼等の鋼板材をピンセット状の二股形状に形成し、その先端は広がる方向に付勢するように折り曲げ、その折り曲げた張り出し部の形状を角おとしの長方形状に成形し、その張り出し部の左右にエポキシ樹脂の注入口を設けるという技術手段を採用した。
【0014】
【実施例】
以下、本発明について添付図面を参照し、特定の実施例について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の第一実施例を示し、既存タイルの剥落防止用連結材1は図1に良く示されているように厚さ約1mm、幅約3mmの平板状のステンレス鋼材等からなり、フレキシビリティを有するピンセット状の二股形状に形成し、その先端部2は広がる方向に付勢されていて、他端は角おとし長方形に折り曲げられて張り出し部3を形成した軸体4で構成されている。
【0016】
次に、前記図1で示した剥落防止用連結材1を用いて既存浮きタイルの剥落防止工法について説明する。
【0017】
既存タイル貼りの目地がイモ目地ではタイル4枚の接続点の目地、ウマ目地ではタイル3枚の接続点の目地部にそれぞれコンクリート躯体に連続して剥落防止用連結材1のピンニング用挿入孔を穿設し、該ピンニング孔を中心に隣接するタイルの木口部分が露出するまで既存目地モルタルを横一文字状に溝を刻設し、該ピンニング孔と横一文字溝部位にエポキシ樹脂を注入し、該剥落防止用連結材1を挿入することで剥落防止用連結材1の折り曲げた張り出し部3の角おとし長方形枠内にエポキシ樹脂が充填され、隣接するタイルとの連結が計れる。一方、コンクリート躯体に対してもピンセット状軸体4の反発力とエポキシ樹脂の相乗効果により物理的・化学的にタイル層をコンクリート躯体に結束させることが考えられる。
【0018】
また、浮きモルタルの剥落防止工法を採用した場合について説明すると、補修すべき既存モルタル層の浮き部位に、面積あたり均等となるように所定間隔で浮きモルタルの表層よりコンクリート躯体に連通するピンニング孔を穿孔し、さらにそのピンニング孔を中心に横一文字溝を刻設し、該ピンニング孔並びに横一文字溝部位にエポキシ樹脂を注入し、ピンセット状に二股に折り曲げた張り出し部3を有する剥落防止用連結材1を挿入することで剥落防止用連結材1の折り曲げた張り出し部3の角おとし長方形枠内にエポキシ樹脂が充填され浮きモルタル層の保持率が大きくなりピンニング数が少なくてすむものである。
【0019】
すなわち、剥落防止用連結材1の形状として、弾性のある材料、すなわちステンレス鋼等の鋼板材から形成したピンセット状に二股に折り曲げ、その折り曲げた張り出し部3分の形状を角おとしの長方形状に成形したものを採用したため、ピンニング用エポキシ樹脂の接触面積を多くし、なおかつ既存タイル貼りの目地部で連結できるので、タイル自体を傷付けることがなく、しかも剥落を確実に防止できるものである。
【0020】
また、エポシキ樹脂の注入をより良好にするために、ピンセット状に二股に折り曲げ、その折り曲げた張り出し部3の形状を角おとしの長方形状に成形した、その張り出し部3の左右に注入口5を設けることでエポシキ樹脂の注入が簡易になる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上の構成を採用した結果、次のような効果を得ることができる。
(1)ピンセット状のタイル剥落防止用連結材を使用して既存浮きタイルの剥落防止工法を施工することにより、既存浮きタイルがイモ目地ではタイル4枚の接続している交点の目地部に、またウマ目地ではタイル3枚の接続している目地部にそれぞれピンニング孔と横一文字溝を刻設し、そこにピンニング用エポキシ樹脂を注入し、さらに該剥落防止用連結材を挿入することにより連結材頭部に張り出ている角おとし長方形の枠内に自ずとエポキシ樹脂が充填され、したがって、イモ目地ではタイル4枚が、ウマ目地ではタイル3枚が1本のピンニングで連結が計れる。
【0022】
(2)一方、躯体コンクリートへは軸体がピンセット状で二股に広がっているので、連結材をピンニングする際は先端を合わせて挿入する。しかしながら、ピンニング孔内では二股に広がった軸体の反発力で開放先端部が広がろうとする作用と注入したエポキシ樹脂との相乗作用により、例えば従来では不可能であった、あげ裏等に対する下面から上方に穿設された垂直孔へのピンニングでも物理的・化学的に結束力が増大する。
【0023】
(3)剥落防止用連結材の角おとしの長方形状に成形した張り出し部の左右に注入口を設けたことにより、エポキシ樹脂を補充注入することを簡易に行うことができる。
【0024】
(4)以上のことから、該剥落防止用連結材を採用することにより、浮き既存モルタル層の剥落防止にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例である注入口を設けたタイル剥落防止用連結材を示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・・剥落防止用連結材 2・・・・先端部
3・・・・張り出し部 4・・・・軸体
5・・・・注入口
Claims (1)
- 既存タイル貼りの目地表面よりコンクリート躯体に向って連続して穿孔したピンニング孔、並びに該ピンニング孔を中心に既存目地モルタルをタイルの木口が露出するまで横一文字状に溝を刻設し、該ピンニング孔と横一文字溝部位に納まる形状、すなわちフレキシビリティを有するステンレス鋼等の鋼板材をピンセット状の二股形状に形成し、その先端部は広がる方向に付勢するように折り曲げ、その折り曲げた張り出し部の形状を角おとしの長方形状に成形し、その張り出し部の左右にエポキシ樹脂の注入口を設けたことを特徴とするタイル剥落防止用連結材。
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