JP3749639B2 - 測距装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、測距対象物までの距離を測定する測距装置に関し、特に、カメラ等に好適に用いられるアクティブ型の測距装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラ等に用いられるアクティブ型の測距装置は、赤外線発光ダイオード(以下、「IRED」という。)から測距対象物に向けて光束を投光し、その投光された光束の反射光を位置検出素子(以下、「PSD」という。)により受光し、このPSDから出力される信号を信号処理回路および演算回路により演算処理して距離情報として出力し、CPUにより測距対象物までの距離を検出する。また、1回のみの投光による測距では誤差が生じることがあるので、投光を複数回行って複数の距離情報を求め、その複数の距離情報を積分回路により積分して平均化するのが一般的である。
【0003】
また、カメラのレリーズボタンが半押しされると、電源電圧のチェックや外光輝度の測定が行われ、その後に測距装置により測距が行われる。そして、レリーズボタンが全押しされると、撮影レンズが合焦動作され、シャッタが一定期間開いて露光が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の測距装置では、複数の距離情報を積分回路により積分して平均化するのに要する時間に加えて、電源電圧のチェックや外光輝度の測定にも時間を要することから、レリーズボタンが半押しされて露光が行われるまでのタイムパララックスが大きいという問題点がある。このようにタイムパララックスが大きいと、例えば動いている被写体(測距対象物)を撮影しようとする場合等に所望の構図の写真が得られない。
【0005】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、タイムパララックスが小さい測距装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る測距装置は、(1)測距対象物に向けて光束を投光する投光手段と、(2)測距対象物に投光された光束の反射光を、測距対象物までの距離に応じた位置検出素子上の受光位置で受光し、その受光位置に応じた信号を出力する受光手段と、(3)受光手段から出力された信号に基づいて演算を行い、測距対象物までの距離に応じた信号を出力する演算手段と、(4)積分コンデンサを有し、演算手段から出力された信号に応じて第1の基準電圧にある積分コンデンサを放電または充電して演算手段から出力された信号を積分し、その積分結果に応じた信号を出力する積分手段と、(5)積分手段から出力された信号に基づいて測距対象物までの距離を検出する検出手段と、(6)一連の測距動作の期間中の測距開始の際に前記積分コンデンサを前記第1の基準電圧またはそれ以上の電圧に充電する予充電期間に所定の計測を行う計測手段と、を備えており、この計測手段は、電源電圧のチェックを行う電源電圧チェック手段を含むことを特徴とする。
【0007】
この測距装置によれば、投光手段から測距対象物に向けて光束が出力され、その光束は測距対象物で反射する。その反射光は、受光手段により、測距対象物までの距離に応じた位置検出素子上の受光位置で受光され、その受光位置に応じた信号が出力される。受光手段から出力された信号は演算手段により演算されて、測距対象物までの距離に応じた信号が出力される。演算手段から出力された信号は積分手段に入力し、積分手段の第1の基準電圧にある積分コンデンサは、その信号に応じて放電して演算手段から出力された信号を積分し、積分手段からは、その積分結果に応じた信号が出力される。そして、検出手段により、積分手段から出力された信号に基づいて測距対象物までの距離が検出される。このようなレリーズボタンが半押しされた後の一連の測距動作の期間中である測距開始の際に積分コンデンサを第1の基準電圧またはそれ以上の電圧に充電する予充電期間に、計測手段により所定の計測が行われる。したがって、露光終了までのタイムパララックスが短い。
【0008】
この計測手段は、外光輝度を測定する測光手段を含むものであってもよく、さらに、温度を測定する温度測定手段を含むものであると好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下では、本実施形態に係るアクティブ型の測距装置が自動焦点式カメラの測距装置として適用される場合について説明する。
【0010】
先ず、本実施形態に係る測距装置の全体の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る測距装置の構成図である。
【0011】
CPU1は、この測距装置を備えるカメラ全体を制御するものであり、EEPROM2に予め記憶されているプログラムおよびパラメータに基づいて、この測距装置を含むカメラ全体を制御する。この図に示す測距装置においては、CPU1は、ドライバ3を制御してIRED(赤外線発光ダイオード)4からの赤外光の出射を制御する。また、CPU1は、自動焦点用IC(以下「AFIC」という。)10の動作を制御するとともに、AFIC10から出力されるAF信号を入力する。さらに、CPU1は、測光センサ71により測定された外光輝度の値を入力し、温度センサ72により測定された温度の値を入力し、また、電源電圧の値を入力しチェックする。
【0012】
IRED4から出射された赤外光は、IRED4の前面に配された投光レンズ(図示せず)を介して測距対象物に投光され、その一部が反射され、そして、その反射光は、PSD(位置検出素子)5の前面に配された受光レンズ(図示せず)を介してPSD5の受光面上の何れかの位置で受光される。この受光位置は、測距対象物までの距離に応じたものである。そして、PSD5は、その受光位置に応じた2つの信号I1およびI2を出力する。信号I1は、受光光量が一定であれば距離が近いほど大きな値である近側信号であり、信号I2は、受光光量が一定であれば距離が遠いほど大きな値である遠側信号である。信号I1およびI2の和は、PSD5が受光した反射光の光量を表し、出力比(I1/(I1+I2))は、PSD5の受光面上の受光位置すなわち測距対象物までの距離を表す。そして、近側信号I1は、AFIC10のPSDN端子に入力し、遠側信号I2は、AFIC10のPSDF端子に入力する。ただし、実際には、外界条件により近側信号I1および遠側信号I2それぞれに定常光成分I0が付加された信号がAFIC10に入力される場合がある。
【0013】
AFIC10は、集積回路(IC)であって、第1信号処理回路11、第2信号処理回路12、演算回路14および積分回路15から構成される。第1信号処理回路11は、PSD5から出力された信号I1+I0を入力し、その信号に含まれる定常光成分I0を除去して、近側信号I1を出力するものである。また、第2信号処理回路12は、PSD5から出力された信号I2+I0を入力し、その信号に含まれる定常光成分I0を除去して、遠側信号I2を出力するものである。
【0014】
演算回路14は、第1信号処理回路11から出力された近側信号I1と、第2信号処理回路12から出力された遠側信号I2とを入力し、出力比(I1/(I1+I2))を演算し、その結果を表す出力比信号を出力する。積分回路15は、その出力比信号を入力し、AFIC10のCINT端子に接続された積分コンデンサ6とともに、その出力比を多数回積算し、これによりS/N比の改善を図る。そして、その積算された出力比は、AF信号としてAFIC10のSOUT端子から出力される。CPU1は、AFIC10から出力されたAF信号を入力し、所定の演算を行ってAF信号を距離信号に変換し、その距離信号をレンズ駆動回路7に送出する。レンズ駆動回路7は、その距離信号に基づいて撮影レンズ8を合焦動作させる。
【0015】
次に、AFIC10の第1信号処理回路11および積分回路15について、より具体的な回路構成について説明する。図2は、本実施形態に係る測距装置における第1信号処理回路11および積分回路15の回路図である。なお、第2信号処理回路12も、第1信号処理回路11と同様の回路構成である。
【0016】
第1信号処理回路11は、PSD5から出力された定常光成分I0を含む近側信号I1を入力し、これに含まれる定常光成分I0を除去して、近側信号I1を出力するものである。PSD5の近距離側端子から出力される電流(I1+I0)は、AFIC10のPSDN端子を経て、第1信号処理回路11のオペアンプ20の−入力端子に入力される。オペアンプ20の出力端子はトランジスタ21のベース端子に接続されており、トランジスタ21のコレクタ端子は、トランジスタ22のベース端子に接続されている。トランジスタ22のコレクタ端子は、オペアンプ23の−入力端子が接続され、また、演算回路14に接続されている。さらに、トランジスタ22のコレクタ端子には圧縮ダイオード24のカソード端子が、また、オペアンプ23の+入力端子には圧縮ダイオード25のカソード端子がそれぞれ接続されており、これら圧縮ダイオード24および25それぞれのアノード端子には第1基準電源26が接続されている。
【0017】
また、AFIC10のCHF端子には定常光除去用コンデンサ27が外付けされており、この定常光除去用コンデンサ27は、第1信号処理回路11内の定常光除去用トランジスタ28のベース端子に接続されている。定常光除去用コンデンサ27とオペアンプ23とはスイッチ29を介して接続されており、このスイッチ29のオン/オフはCPU1により制御される。定常光除去用トランジスタ28のコレクタ端子はオペアンプ20の−入力端子に接続されており、トランジスタ28のエミッタ端子は抵抗器30を介して接地されている。
【0018】
積分回路15は以下のような構成である。AFIC10のCINT端子に外付けされた積分コンデンサ6は、スイッチ60を介して演算回路14の出力端子に接続され、スイッチ62を介して定電流源63に接続され、スイッチ65を介してオペアンプ64の出力端子に接続され、また、直接にオペアンプ64の−入力端子に接続され、さらに、その電位がAFIC10のSOUT端子から出力される。これらスイッチ60,62および65は、CPU1からの制御信号により制御される。また、オペアンプ64の+入力端子には、第2基準電源66が接続されている。
【0019】
以上のように構成されるAFIC10の作用の概略について、図1および図2を参照しながら説明する。CPU1は、IRED4を発光させていないときには、第1信号処理回路11のスイッチ29をオン状態にする。このときにPSD5から出力される定常光成分I0は、第1信号処理回路11に入力して、オペアンプ20ならびにトランジスタ21および22から構成される電流増幅器により電流増幅され、圧縮ダイオード24により対数圧縮されて電圧信号に変換され、この電圧信号がオペアンプ23の−入力端子に入力する。オペアンプ20に入力する信号が大きいと、圧縮ダイオード24のカソード電位が大きくなるので、オペアンプ23から出力される信号が大きく、したがって、定常光除去用コンデンサ27が充電される。すると、トランジスタ28にベース電流が供給されることになるので、トランジスタ28にコレクタ電流が流れ、第1信号処理回路11に入力した信号I0のうちオペアンプ20に入力する信号は小さくなる。そして、この閉ループの動作が安定した状態では、第1信号処理回路11に入力した信号I0の全てがトランジスタ28に流れ、定常光除去用コンデンサ27には、そのときのベース電流に対応した電荷が蓄えられる。
【0020】
CPU1がIRED4を発光させるとともにスイッチ29をオフ状態にすると、このときにPSD5から出力される信号I1+I0のうち定常光成分I0は、定常光除去用コンデンサ27に蓄えられた電荷によりベース電位が印加されているトランジスタ28にコレクタ電流として流れ、近側信号I1は、オペアンプ20ならびにトランジスタ21および22から構成される電流増幅器により電流増幅され、圧縮ダイオード24により対数圧縮され電圧信号に変換されて出力される。すなわち、第1信号処理回路11からは、定常光成分I0が除去されて近側信号I1のみが出力され、その近側信号I1は、演算回路14に入力する。一方、第2信号処理回路12も、第1信号処理回路11と同様に、定常光成分I0が除去されて遠側信号I2のみが出力され、その遠側信号I2は、演算回路14に入力する。
【0021】
第1信号処理回路11から出力された近側信号I1および第2信号処理回路12から出力された遠側信号I2は、演算回路14に入力され、演算回路14により出力比(I1/(I1+I2))が演算されて出力され、その出力比は、積分回路15に入力する。IRED4が所定回数だけパルス発光している時には、積分回路15のスイッチ60はオン状態とされ、スイッチ62および65はオフ状態とされて、演算回路14から出力された出力比信号は積分コンデンサ6に蓄えられる。そして、所定回数のパルス発光が終了すると、スイッチ60はオフ状態とされ、スイッチ65はオン状態とされて、積分コンデンサ6に蓄えられた電荷は、オペアンプ64の出力端子から供給される逆電位の電荷によって減少していく。CPU1は、積分コンデンサ6の電位をモニタして、元の電位に復帰するのに要する時間を測定し、その時間に基づいてAF信号を求め、更に、測距対象物までの距離を求める。
【0022】
次に、本実施形態に係る測距装置の動作について説明する。図3は、本実施形態に係る測距装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【0023】
カメラのレリーズボタンが半押しされて測距状態に入ると、AFIC10は電源電圧供給が再開され、スイッチ65はオン状態とされて、積分コンデンサ6は基準電圧VREFとなるまで予充電される。この測距開始の際の予充電の期間に、CPU1は、電源電圧の値を入力し、その値が充分なものであるか否かをチェックして、もし不充分であればその旨を表示する。また、この予充電の期間に、CPU1は、測光センサ71により測定された外光輝度を入力する。さらに、この予充電の期間に、CPU1は、温度センサ72により測定された温度を入力する。
【0024】
或いは、この予充電の際に、基準電圧VREF以上の電圧に一旦過剰充電した後に基準電圧VREFとしてもよい。また、測光、測温および電源電圧チェックそれぞれは、過剰充電の期間に行われてもよいし、基準電圧VREFの充電の期間に行われてもよいし、また、双方の期間に行われてもよい。さらに、測光、測温および電源電圧チェックそれぞれは、第1信号処理回路11および第2信号処理回路12それぞれの定常光除去用コンデンサ27に定常光成分I0を蓄積する期間に行われてもよい。
【0025】
そして、予充電が完了後、スイッチ65はオフ状態とされる。予充電の後に、IRED4は、図3(e)に示すように、CPU1からドライバ3に出力されたデューティ比の発光タイミング信号で駆動され、所定の発光回数だけ赤外光をパルス発光する。IRED4から発光された赤外光は、測距対象物により反射された後、PSD5により受光される。そして、演算回路14は、各発光それぞれについて出力比I1/(I1+I2)のデータを出力し、積分回路15は、そのデータを距離情報信号として入力する。CPU1は、IRED4のパルス発光に対応したタイミングでスイッチ60を制御し、出力比に対応した負の電圧を積分コンデンサ6に入力する。
【0026】
積分回路15の積分コンデンサ6は、演算回路14から出力された距離情報信号を入力し、その距離情報信号の値に応じた電圧値だけ放電する。すなわち、積分コンデンサ6の電圧は、図3(d)に示すように、距離情報信号を入力する度に階段状に減少する(第1積分)。一段一段の電圧降下量は、それ自体、測距対象物までの距離に対応した距離情報であるが、本実施形態では、IRED4の各パルス発光により得られる電圧降下量の総和をもって距離情報としている。
【0027】
積分コンデンサ6に対して所定の発光回数だけの入力が終了すると、スイッチ60はオフ状態のまま保持され、スイッチ62はCPU1の信号によりオン状態にされる。これにより、積分コンデンサ6は、定電流源4の定格により定まる一定の速さで充電される(第2積分)。
【0028】
この第2積分の期間中に積分コンデンサ6の電圧と基準電圧VREFとを大小比較し、両者が一致したと判定したときにスイッチ62をオフとして積分コンデンサ6の充電を停止させる。そして、CPU1は、第2積分に要した時間を計測する。定電流源4による充電速度は一定であるので、第2積分に要した時間から、1回の測距により積分コンデンサ6に入力された距離情報信号の総和、すなわち、測距対象物までの距離を求めることができる。
【0029】
この後、レリーズボタンが全押しされると、CPU1は、求められた距離に基づいてレンズ駆動回路7を制御して、撮影レンズ8に適切な合焦動作を行わせ、さらに、シャッタ(図示せず)を開いて露光を行う。以上のようにして、レリーズ操作に伴い、予充電(測光、測温および電源電圧チェックを含む)、測距(第1積分および第2積分)、合焦ならびに露光という一連の撮影動作が行われる。その後の撮影動作も同様である。
【0030】
以上のように、本実施形態に係る測距装置では、測距開始の際の積分コンデンサ6の予充電の期間に、測光、測温および電源電圧チェックを行うので、レリーズ操作開始から露光終了までのタイムパララックスが短い。
【0031】
なお、測光、測温および電源電圧チェックを行う期間は上述した期間に限られない。図4は、本実施形態に係る測距装置の動作の他の例を説明するタイミングチャートである。図4(a)〜(d)それぞれには積分コンデンサ6の電圧変化が示されている。また、図4(a)には定常光除去用コンデンサ27の電圧変化も示されている。図4(b)〜(d)でも定常光除去用コンデンサ27の電圧変化は同様であるので省略してある。
【0032】
図4(a)に示すタイミングチャートは、図3に示したものと同様である。すなわち、積分コンデンサ6は第1積分前に基準電圧VREFに予充電され、測光、測温および電源電圧チェック(BC)は、その積分コンデンサ6が基準電圧VREFに予充電されている期間に行われる。
【0033】
図4(b)に示すタイミングチャートでは、積分コンデンサ6は、電源電圧VCC(ただし、VREF<VCC)に過剰充電された後、基準電圧VREFに予充電される。また、定常光除去用コンデンサ27の予充電は、積分コンデンサ6が基準電圧VREFに予充電されている期間に行われる(同図(c)および(d)でも同様)。そして、測光、測温および電源電圧チェック(BC)は、その積分コンデンサ6が電源電圧VCCに過剰充電されている期間に行われる。
【0034】
図4(c)に示すタイミングチャートでも、積分コンデンサ6は、電源電圧VCCに過剰充電された後、基準電圧VREFに予充電される。また、定常光除去用コンデンサ27の予充電は、積分コンデンサ6が基準電圧VREFに予充電されている期間に行われる。そして、測光、測温および電源電圧チェック(BC)は、その積分コンデンサ6が基準電圧VREFに予充電されている期間に行われる。
【0035】
図4(d)に示すタイミングチャートでも、積分コンデンサ6は、電源電圧VCCに過剰充電された後、基準電圧VREFに予充電される。また、定常光除去用コンデンサ27の予充電は、積分コンデンサ6が基準電圧VREFに予充電されている期間に行われる。そして、測光、測温および電源電圧チェック(BC)は、その積分コンデンサ6が電源電圧VCCに過剰充電されている期間または基準電圧VREFに予充電されている期間に行われる。
【0036】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、積分回路の充電・放電が上記実施形態とは逆の場合、すなわち、第1積分で積分コンデンサの電圧が階段状に増加するように充電を複数回行った後、第2積分で放電を1回だけ行うような積分回路においても、本発明を適用することが可能である。上述の実施形態では、第2積分に要した時間から測定対象物までの距離を求めているが、これに替えて、第1積分後の積分コンデンサ2の電圧値を直接A/D変換し、それを基にして距離を算出してもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、一連の測距動作の期間中の測距開始の際に前記積分コンデンサを前記第1の基準電圧またはそれ以上の電圧に充電する予充電期間に計測手段により所定の計測が行われるので、露光終了までのタイムパララックスが短い。したがって、例えば動いている被写体を撮影しようとする場合等であっても所望の構図の写真を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る測距装置の構成図である。
【図2】本実施形態に係る測距装置における第1信号処理回路および積分回路の回路図である。
【図3】本実施形態に係る測距装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図4】本実施形態に係る測距装置の動作の他の例を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…CPU、2…EEPROM、3…ドライバ、4…IRED(発光ダイオード)、5…PSD(位置検出素子)、6…積分コンデンサ、7…レンズ駆動回路、8…撮影レンズ、10…AFIC(自動焦点用IC)、11…第1信号処理回路、12…第2信号処理回路、14…演算回路、15…積分回路、71…測光センサ、72…温度センサ。
Claims (3)
- 測距対象物に向けて光束を投光する投光手段と、
前記測距対象物に投光された前記光束の反射光を、前記測距対象物までの距離に応じた位置検出素子上の受光位置で受光し、その受光位置に応じた信号を出力する受光手段と、
前記受光手段から出力された信号に基づいて演算を行い、前記測距対象物までの距離に応じた信号を出力する演算手段と、
積分コンデンサを有し、前記演算手段から出力された信号に応じて第1の基準電圧にある前記積分コンデンサを放電または充電して前記演算手段から出力された信号を積分し、その積分結果に応じた信号を出力する積分手段と、
前記積分手段から出力された信号に基づいて前記測距対象物までの距離を検出する検出手段と、
一連の測距動作の期間中の測距開始の際に前記積分コンデンサを前記第1の基準電圧またはそれ以上の電圧に充電する予充電期間に所定の計測を行う計測手段と、
を備えており、前記計測手段は、電源電圧のチェックを行う電源電圧チェック手段を含むことを特徴とする測距装置。 - 測距対象物に向けて光束を投光する投光手段と、
前記測距対象物に投光された前記光束の反射光を、前記測距対象物までの距離に応じた位置検出素子上の受光位置で受光し、その受光位置に応じた信号を出力する受光手段と、
前記受光手段から出力された信号に基づいて演算を行い、前記測距対象物までの距離に応じた信号を出力する演算手段と、
積分コンデンサを有し、前記演算手段から出力された信号に応じて第1の基準電圧にある前記積分コンデンサを放電または充電して前記演算手段から出力された信号を積分し、その積分結果に応じた信号を出力する積分手段と、
前記積分手段から出力された信号に基づいて前記測距対象物までの距離を検出する検出手段と、
一連の測距動作の期間中の測距開始の際に前記積分コンデンサを前記第1の基準電圧またはそれ以上の電圧に充電する予充電期間に所定の計測を行う計測手段と、
を備えており、前記計測手段は、外光輝度を測定する測光手段を含むことを特徴とする測距装置。 - 前記計測手段は、温度を測定する温度測定手段をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の測距装置。
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