JP3749634B2 - カルプロフェンおよび誘導体を用いた哺乳類における関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階の処置および予防 - Google Patents

カルプロフェンおよび誘導体を用いた哺乳類における関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階の処置および予防 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、哺乳類の軟骨および軟骨下骨障害および炎症性関節における損失を処置および予防する手段としての哺乳類におけるカルプロフェンの使用に関している。軟骨および軟骨下骨のそのような損傷は、哺乳類で起こった場合、変形性関節症およびその後の状態の過程の自然後遺症である。この予期されなかった結果を達成するカルプロフェンの能力は”軟骨保護”と称される。
【0002】
【従来の技術】
カルプロフェンはこれまでCOX−2選択的非ステロイド抗炎症剤(NSAID)として使用されてきており、その活性は少なくとも部分的には誘導可能シクロオキシゲナーゼII(COX−2)イソ酵素の強力で選択的な阻害に基づいていた。しかしながらそのような活性は、カルプロフェンが他のNSAIDと同様にリポキシゲナーゼ経路に含まれる酵素に関して阻害活性を持っており、または炎症性細胞の抑制、漸増および移動およびそのような細胞からの酵素および酸素由来フリーラジカルの放出に対して活性である可能性を排除するものではない。これらの活性のすべては本分野ではリウマチ性関節炎(RA)の処置に明らかな妥当性を持っていると理解されているが、変形性関節炎(OA)の処置には明らかに適切ではないであろう。実際、いくつかのNSAIDはOAおよびNSAID誘発無痛覚の結果としての損傷関節の過剰使用によるいくつかの病的軟骨性および骨性変化の経過を悪化させることが知られている。この現象は痛覚消失関節疾患と称されている。
【0003】
OAは複雑な多因子の因果関係およびその臨床的発現にかなりの変動性を持っているが、滑膜炎症がOAの鍵となる構成要素であるようである。さらに、滑膜細胞と軟骨細胞間の連絡の結果として、滑膜損傷はプロテオグリカン(PG)の解離を刺激し、関節軟骨の損失を誘導できる例えば、インターロイキン−1(IL−1)、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)およびプロスタグランジンのような可溶性因子を多量に産生するように滑膜細胞を活性化する。軟骨細胞への直接的損傷もまたマトリックスマテロプロテアーゼ(MMP)活性(例えば、コラゲナーゼ、ストロメリシンおよびゲラチナーゼ)および種々の炎症性メディエイターの産生を刺激する。どの出来事でも、関節軟骨の減少した機能性がOAの病的発生の根本である。PGが軟骨に反発性を与えているため、OA関節組織からのPGの枯渇は軟骨細胞および軟骨下骨および滑膜の細胞に異常な機械的ストレスを与える。
【0004】
軟骨は基本的にはタンパク質−炭水化物複合体から成るPG集合体であり、その繊維性構造は単一の長いヒアルロン酸分子から構築されており、それに伸びたコアタンパク質が非共有結合的に結合している。これらのタンパク質鎖は順に、セリン側鎖を通して共有結合で結合されているコンドロイチン硫酸およびケラチン硫酸鎖を持っている。ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸およびケラチン硫酸はすべてグリコサミノグリカン(GAG)、即ち、その糖の一つがN−アセチルガラクトサミンまたはN−アセチルグルコサミンである反復二糖類のポリマーから成る多糖類の例である。軟骨において、PG構造はコラーゲンを結合し、コラーゲン繊維を密で強固なネットワークに保つのを助けている。コラーゲン繊維は順に、三つのポリペプチド(各々約1000残基の長さ)の三重らせんである基本的トロポコラーゲンから形成されている。
【0005】
外傷性損傷のような損傷を受けた後に起こる修復および正常化が必要とされる所定の関節では代謝的過程が連続的に起こっている。従って、受容可能な軟骨保護剤であるための化合物は、まず第一にそのような軟骨細胞代謝活性を維持できなければならない、即ち、治癒過程の一部であるマトリックス成分の細胞複製および生合成を阻害または妨害しない。これに関して、当業者は多くのNSAIDが細胞外マトリックス基本成分の生合成に顕著な阻害作用を示すことを認識するであろう。受容可能な軟骨保護剤は同時に軟骨上の種々のサイトカイン、プロスタグランジンおよびプロテイナーゼのようなメディエイターの異化的作用に拮抗できなければならない。従って、軟骨保護剤として可能性のあるものは同化経路に対する正の効果ならびに異化過程を阻害する能力の両方で評価しなければならないことが本分野では受け入れられてきた。典型的にモニターされてきた異化過程には、特に、マトリックス分解酵素の放出および阻害、プロスタグランジンおよびロイコトリエン生合成に対する効果、および関節軟骨のIL−1媒介分解を阻害する試験薬剤の能力試験が含まれる。研究されてきた同化過程には通常、タンパク質、コラーゲン、PGおよびヒアルロン酸(HA)合成を刺激する試験薬剤の能力試験が含まれている。
【0006】
本明細書において使用される場合、用語”軟骨保護剤”とは作用の主要な部位が軟骨である化合物を意味していると理解されたく、またそのような軟骨保護剤はまた滑膜に関して抗炎症作用を持ち、軟骨下骨および滑膜線維芽細胞のような他の結合組織中の細胞の生合成に正の強い影響を与え、および炎症過程を妨げるように炎症性細胞の移動を媒介するであろうことが認識されるであろう。
【0007】
一般的に、共有された進化および胚発生的適合性が意味のある程度であると、同等の代謝経路で働く類似のタンパク質実体を発現する相同的遺伝子コードを持つ類似の細胞、組織および器官が生成されるので本発明はすべての哺乳類に適用できる。哺乳類の最も希なものでさえ動物学研究所に飼われており、本発明により提供される治療を必要としているので、すべての型の哺乳類が本発明の範囲内に含まれている。しかしながら、ネコ、イヌ、ウシおよびバイソン、ウマ、ブタ、ヒツジおよびヤギのようなより多数の経済的に重要な種に本発明が向けられることが望ましい。これらの種のいくつかは他の種よりも関節軟骨変質および損失の問題を起こし易いまたは起こす傾向がある。従って、本発明により提供される療法は特にネコ、イヌおよびウマに関している。
【0008】
可能性のある軟骨保護剤としてこれまで試験されてきた商業的製剤にはチアプロフェン酸、ジクロフェナック ナトリウム、トリベノシド、ペントサン ポリ硫酸ナトリウム、アルテパロンR(Luitpold−Werk,Munich,Germanyの登録商標)およびルマロンR(Robapharm Limited,Basel,Switzerlandの登録商標)がある。これらの薬剤の多様な構造は以下に示されまたは説明されている:
【化5】
Figure 0003749634
アルテパロンRはウシ肺および気管組織からのGAGの抽出および続いてのある糖ヒドロキシ基の硫酸エステル化により製造される。
ルマロンRはウシ軟骨および骨髄から単離された高分子量GAG−ペプチド会合複合体である。
【0009】
上記の化合物のいづれも本発明の方法および処置で使用されたカルプロフェンおよびカルプロフェン誘導体を示唆しないであろう。
【0010】
Lust,G.;Williams,A.J.;Burton−Wurster,N.;Beck,K.A.;and Rubin,G.;”発育盛りの子犬における初期股形成異常徴候に対するグリコサミノグリカン ポリ硫酸の筋肉内投与の効果”、American Journal of Veterinary Research,53(10),1992,1836−1843、は股形成異常にかかった発育盛りの子犬をLuitpold−Werk,Munich,GermanyからアデクアンRとして入手可能なGAGポリ硫酸で処置した。股関節はラジオグラフィーにより試験され、関節内組織は巨視的におよび生化学的に評価された。Lustらは、軟骨フィブロネクチン含量の有意な減少があり、プロテオグリカン含量および観察された関節病理学的評点平均は対照および処置子犬間で統計的に異なってなかったことを結論している。同じ薬剤を使用したより以前の研究は、不安定な後膝を作るために十字靱帯が切除され続いて変形性関節症が発生した場合のイヌ後膝中の軟骨変質の減少、プロテアーゼの阻害およびプロテオグリカン形成の促進を報告している。
【0011】
本発明の方法および処置で使用されたカルプロフェンおよびカルプロフェン誘導体の作用の正確な機構はよく解っていないが、GAGポリ硫酸が働く作用の推定機構と共通な何かを持っていることはありそうもないと考えられている。
【0012】
McNamara,P.S.;Johnston,S.A.;and Todhunter,R.J.;”遅効性疾患−改善変形性関節症剤”Osteoarthritis,27(4),1997,863−881、は栄養補給品と考えられている経口生産品(例えば、ポリ硫酸化グリコサミノグリカン(PSGAG))の疾患−改善有効性、即ちそれらが滑膜による軟骨マトリックス合成およびヒアルロナン(HA)合成に正の効果を持っているかどうか、ならびに変形性関節症の関節における分解性酵素に対して阻害効果を持っているかを研究した。グルコサミンおよびコンドロイチン硫酸(CS)を含んでいる栄養補給品による変形性関節症の疼痛性臨床徴候の望ましい改善は特定の場合にのみ支持され科学的評価では支持されないことが観察された。ヒアルロン酸(HA)に関しては一つの研究があり、萎縮した哺乳類関節軟骨がHAで処置されて軟骨安定化効果が得られている。HAは腫瘍壊死因子−α(TNF−α)のダウンレギュレーションを通して作用することが仮説として取り上げられた。これらの結果に基づくと、HAは哺乳類におけるOA治療の可能性のある形態として考えられた。また、軟骨ホメオスタシスに対する疾患改善効果を示した研究に基づいて、顕微鏡的構造変化の減少、軟骨でのプロテオグリカンの保持および対照関節におけるプロテイナーゼ活性と比較した場合のプロテイナーゼ活性の減少に基づいて、もし初期に投与された場合はPSGAGはOAにおける有用な補助的処置であろうことも結論された。肉眼的および組織学的評価および正常関節軟骨プロテオグリカン含量の維持に基づき、ペントサンポリ硫酸(PPS)は有意に関節軟骨損傷を減少させることが見出された。テトラサイクリン類のドキシサイクリンおよびミノサイクリンは、メタロプロテイナーゼ、コラゲナーゼおよびゲラチナーゼ活性を阻害するそれらの能力のため疾患改善効果を提供するであろう。
【0013】
議論した種々の処置剤で得られた関節組織に対する前記の多面的効果は、本発明の処置法で使用されるカルプロフェンおよびカルプロフェン誘導体と共通して共有される一つまたはそれ以上の作用機構を通して得られるのであろう。しかしながら、それらのかけ離れた構造非類似性のため、これらの試薬のいずれも本発明のカルプロフェンおよびカルプロフェン誘導体をいかにしても示唆しないであろう。
【0014】
Benton,H.P.;Vasseur,P.B.;Broderick−Villa,G.A.;and Koolpe,M.;”硫酸化グリコサミノグリカン代謝、タンパク質合成および培養変形性関節症哺乳類軟骨細胞によるプロスタグランジン放出に対するカルプロフェンの影響”American Journal of Veterinary Research,58(3),1997,286−292、はカルプロフェンの抗炎症性効果は、NSAID活性に付随する主機構であるシクロオキシゲナーゼ酵素阻害に関係しない作用の基本様式により媒介されるであろうことを示した後、関節炎の処置に使用されたNSAIDの骨および軟骨代謝に対する直接的な影響についての考慮を忠告している。そのようなアスピリンおよびインドメタシンのようなNSAIDは関節膨潤および関節腔内への炎症細胞の湿潤を抑制するが、同時にそのようなNSAIDはIL−1活性を刺激し、このサイトカインの作用は順にマトリックス分解の刺激および新しいマトリックス合成の阻害を生じる。従って、IL−1のアップレギュレーションは軟骨維持に対して長期の逆効果を持っているであろう。哺乳類軟骨外植片の細胞培養を用いおよびGAG合成および分解、タンパク質合成、細胞生存度およびプロスタグランジン放出に対するカルプロフェンの影響を測定することにより、1および10μg/mlのカルプロフェン濃度は軟骨プロテオグリカン分解に対する直接的影響無しに新規軟骨GAG合成を選択的に刺激することによる軟骨マトリックス維持に有利な効果を持っていたことが発見された。しかしながら、さらなる研究に対する必要性が認められている。
【0015】
上に議論した技術的文献により示されたように、関節軟骨の完全性はサイトカイン駆動同化および異化過程間の平衡により維持されているので、関節疾患におけるサイトカインの役割により多くの関心が集められている。しかしながら、OAの病態生理学へのサイトカイン作用の特異的寄与はよく理解されていない。Westacott,C.I.and Sharif,M.;”変形性関節症におけるサイトカイン:関節破壊のメディエイターまたはマーカー?”、Seminars in Arthritis and Rheumatism,25(4),1996,254−272を参照されたい。
【0016】
関節軟骨変性の多因子特性およびそれが進行する多くの作用機構を評価するために種々のアッセイおよび動物モデルが開発された。これらの動物モデルのより重要なものの一つは哺乳類個体の左膝の前十字靱帯が離断され、一方右膝関節は手術されずに正常対照として残されている十字欠損哺乳類膝モデルである。哺乳類左膝関節にこのように誘導されたストレスは最後には変形性関節症を生み出すが、哺乳類関節における非常に初期の病理学的変化、特に軟骨下骨の特性の変化および覆っている関節軟骨の変性に関して実質的な再現を行っている。十字欠損哺乳類モデルを使用して実施された研究のいくつかの議論はBrandt,K.D.,”十字欠損哺乳類により提供された変形性関節症の天然の履歴に関する洞察”、Annals of the New York Academy ofScience,732,1994,199−205、を参照されたい。
【0017】
関節軟骨変性および変形性関節症の初期の変化およびこれらの変化に関する作用機構にさらなる光を当てるために十字欠損哺乳類モデルおよび他のアッセイを使用したさらなる研究は技術文献からの以下の論文に記載されている:
Dean,D.D.;Martel−Pelletier,J.;Pelletier,J−P.;Howell,D.S.;Woessner,J.F.,Jr.;”ヒト変形性関節症におけるメタロプロテイナーゼおよびメタロプロテイナーゼ阻害剤不平衡の証拠”J.Clin.Invest.,84,1989,678−685;
Martel−Pelletier,J.;Cloutier,J−M.,;Pelletier,J−P.;”ヒト変形性関節症組織におけるサイトカイン、インターロイキン−1および腫瘍壊死因子”,Trans.Orthrop.Res.Soc.,15,1990,111;
Martel−Pelletier,J.;McCollum,R.;DiBattista,J.;Faure,M−P.;Chin,J.A.;Fournier,S.;Sarfati,M.;Pelletier,J−P.;”正常および変形性関節症ヒト関節軟骨細胞におけるインターロイキン−1レセプター”,Arthritis & Rheumatism.35,1992,530−540;
Pelletier,J−P.;Faure,M−P.;DiBattista,J.A.;Wilhelm,S.:Visco,D.;Martel−Pelletier,J.;”実験的変形性関節症におけるストロメリシン、インターロイキン−1および癌遺伝子タンパク質の協同的合成−免疫組織学的研究”Am.J.Pathol.,142,1993,95−105;および
Hilal,G.;Martel−Pelletier,J.;Pelletier,J−P.;Ranger,P.;Lajeunesse,D.;”ヒト軟骨下骨変形性関節症骨からの骨芽細胞様細胞はインビトロにおいて変化した発現型を示した”Arthritis & Rheumatism,41(5),1998,891−899。
【0018】
【課題を解決するための手段】
発明の要約
本発明に従うと、哺乳類の一つまたはそれ以上の関節中の関節軟骨または軟骨下骨の変性の初期段階を処置または予防する方法がそのような処置を必要としている哺乳類に提供され、それは(1)該初期段階に現在あるまたは予期される、従ってそのような処置を必要としている該哺乳類の状態を確立し、およびそれにより(2)該哺乳類に関節軟骨または軟骨下骨の変性の該初期段階を処置または予防するのに有効な治療的量で式(I)の軟骨保護化合物を投与することから成っている:
【化6】
Figure 0003749634
式中:
2
【化7】
Figure 0003749634
であり、式中Aはヒドロキシ、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、ヒドロキシ−アミノ、モノ−(C1−C2)アルキルアミノ、ジ−(C1−C2)アルキルアミノであり;XおよびYは独立してHまたは(C1−C2)アルキルであり;およびnは1または2である;
6はハロゲン、(C1−C3)アルキル、トリフルオロメチルまたはニトロであり;
9はH;(C1−C2)アルキル;フェニルまたはフェニル−(C1−C2)アルキル(ここでフェニルは随意にフルオロまたはクロロで一置換されている);−C(=O)−R(式中Rは(C1−C2)アルキルまたは随意にフルオロまたはクロロで一置換されているフェニルである);または−C(=O)−O−R1(式中R1は(C1−C2)アルキルである)である;
XおよびYが異なっている場合、それらの(−)(R)および(+)(S)エナンチオマー;および関節軟骨または軟骨下骨の変性の該初期段階を処置または予防するのに治療的に活性であるそれらのすべての医薬として受容可能な塩の形、プロドラッグおよび代謝物。式(I)の軟骨保護化合物が(−)(R)および(+)(S)エナンチオマーとして存在する場合、本発明に従うと(+)(S)エナンチオマー単独で提供され、または両方のエナンチオマーが一緒に存在する場合はそれらのラセミまたは非ラセミ混合物として提供される。
【0019】
該哺乳類が好適にはネコ、イヌまたはウマである前記の方法も提供され、該処置または予防は該変性の該初期段階を引き起こす関節軟骨または軟骨下骨の障害、損傷または損失を改善、軽減、積極的に処置、反転または予防する。
【0020】
本発明に従うと、哺乳類(好適にはネコ、イヌまたはウマ)の一つまたはそれ以上の関節中の関節軟骨または軟骨下骨の変性の初期段階を処置または予防する前記の方法がそのような処置を必要としている哺乳類にさらに提供され、ここで該初期段階に現在あるまたは予期される、従ってそのような処置を必要としている該哺乳類の状態が(1)股形成異常進行の測定を含む、該哺乳類の臨床試験および関節の評価による陽性結果;(2)該哺乳類の一つまたはそれ以上の関節に対する侵襲的手術の実施;(3)ラジオグラフィーおよび磁気共鳴イメージング(MRI)を含む非侵襲的手段を用いる該哺乳類の一つまたはそれ以上の関節試験からの陽性結果;または(4)下記の物質の一つまたはそれ以上に関して該哺乳類の体液または関節組織に対して実施された生化学試験からの陽性結果により決定される:インターロイキン−1ベータ(IL−1β)の増加;腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)の増加;IL−1レセプターアンタゴニストタンパク質(IRAP)に対するIL−1βの比の増加;p55TNFレセプター(p55TNF−R)発現の増加;インターロイキン−6(IL−6)の増加;白血病阻止因子(LIF)の増加;インスリン様増殖因子−1(IGF−1)の未変化または減少;形質転換増殖因子ベータ(TGFβ)の減少;血小板由来増殖因子(PDGF)の未変化または減少;塩基性線維芽細胞増殖因子(b−FGF)の未変化または減少;ケラタン硫酸の増加;ストロメリシンを含むマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の増加;メタロプロテアーゼの組織阻害剤(TIMP)に対するストロメリシンを含むマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の比の増加;オステオカルシンの増加;アルカリ性ホスファターゼの増加;ホルモンチャレンジに対するcAMP応答性の増加;ウロキナーゼ プラスミノーゲン活性化剤(uPA)の増加;軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質の増加;およびコラゲナーゼの増加。
【0021】
式(I)の軟骨保護化合物の上に列挙した群から選択された一つより多い化合物;または一つまたはそれ以上の式(I)の該軟骨保護化合物と本質的にポリ硫酸化グリコサミノグリカン(PSGAG)、グルコサミン、コンドロイチン硫酸(CS)、ヒアルロン酸(HA)、ペントサンポリ硫酸(PPS)、ドキシサイクリンおよびミノサイクリンから成る群より選択された一つまたはそれ以上の化合物から成る化合物の組み合わせを投与することにより哺乳類の一つまたはそれ以上の関節の関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階を処置または予防する前記の方法を実施することも本発明の範囲内である。
【0022】
定義されたような式(I)の軟骨保護化合物、および特に6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−酢酸の該(+)(S)エナンチオマーの該治療的有効量が該哺乳類に全身的に投与される前記の方法がさらに提供され、ここで該全身投与は以下のことを含んでいる:(1)筋肉内または静脈内送達のため;または送達のためのデポー剤として働くために適した液体形の該軟骨保護化合物を含んでいる医薬組成物の適した体組織または腔内への注射または注入;(2)遅延、徐放および/または制御放出送達のための固形移植組成物として働くために適した固体形の該軟骨保護化合物を含んでいる医薬組成物の適した体組織または腔内へのインスチレーション;または(3)経口送達のために適した固形または液体形の該軟骨保護化合物を含んでいる医薬組成物の摂取。
【0023】
少なくとも10時間以上かける制御された様式で活性成分の全身送達を行う遅延性放出または徐放性放出経口錠剤、カプセルおよび微粒子物から成る群より選択された固形経口剤形の摂取または投与を含む関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階を処置または予防する前記の方法も提供される。
【0024】
式(I)の該軟骨保護化合物の該治療的有効量が局所的に投与される前記の方法がさらにまた提供され以下の方法を含んでいる:(1)該局所部位内への該軟骨保護化合物の遅延性放出、制御放出および/または徐放性放出を行う成分を含み、関節内、軟骨内、肋骨内、骨内、骨盤内、脊椎内、胸骨内、滑膜内または足根骨内送達のため;または送達のためのデポー剤として働くため(ここで組成物は該軟骨保護化合物を貯蔵し、その後に遅延、徐放および/または制御放出を行う)に適した液体形の該軟骨保護化合物を含んでいる医薬組成物の関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階での局所部位内への注射または注入;または(2)送達のための固形移植物として働くために適した固体形の、該軟骨保護化合物を含んでいる医薬組成物のインスチレーション、該組成物は随意に該局所部位への該化合物の遅延、徐放および/または制御放出を提供する。
【0025】
該軟骨保護化合物の治療的有効量が、該哺乳類に1日当たり、該メンバーの体重kg当たりのmgで表して、約0.01mg/kgから約20.0mg/kg/日、好適には約0.1mg/kgから約12.0mg/kg/日、より好適には約0.5mg/kgから約10.0mg/kg/日、および最も好適には約0.5mg/kgから約8.0mg/kg/日の範囲で投与される上記の方法がさらにまた提供される。6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−酢酸の投与は典型的には約4.0mg/kg/日の割合で提供される。
【0026】
本発明に従うと、処置を必要としている哺乳類の関節中の関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階を処置または予防するための医薬組成物がさらに提供され、それは医薬として受容可能な坦体と一緒に該関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階を処置または予防するための治療量の前に定義した式(I)の軟骨保護化合物を含んでいる。
【0027】
前記の医薬組成物がさらに提供され、ここで該軟骨保護化合物は式(I)の化合物であり、式中、XおよびYの一つはHであり、他方はメチルである;および式中、生じる両方のエナンチオマーが存在する場合、(+)(S)エナンチオマーが少なくとも75%の量で存在している。特に、前記の医薬組成物が提供され、ここで式(I)に対し、R2はn=1、XおよびYの一つはHであり、他方はメチルであり、およびAはヒドロキシ、(C1−C2)アルコキシまたはアミノであり;R6はクロロまたはトリフルオロメチルであり;およびR9はH、メチル、アセチル、ベンゾイルまたはアセチルオキシであり;生じる両方のエナンチオマーが一緒に存在する場合、(+)(S)エナンチオマーが少なくとも75%、好適には少なくとも90%、より好適には少なくとも95%、および最も好適には少なくとも99%の量で存在する。
【0028】
前記の医薬組成物がさらにまた提供され、ここで該軟骨保護化合物は6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−酢酸から成っており、生じる両方のエナンチオマーが一緒に存在する場合、(+)(S)エナンチオマーが少なくとも75%、好適には少なくとも90%、より好適には少なくとも95%、および最も好適には少なくとも99%の量で存在する。特に、前記および後記の医薬組成物が提供され、そこで該阻害剤はもっぱら6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−酢酸の(+)(S)エナンチオマーから成っている。
【0029】
式(I)の軟骨保護化合物の治療的有効量が、用いられた投与計画および投与パラメーターの前後関係において、該軟骨保護化合物の量で処置されているメンバーを提供するのに十分であり、1日当たり、該メンバーの体重kg当たりのmgで表して、約0.01mg/kgから約20.0mg/kg/日、好適には約0.1mg/kgから約12.0mg/kg/日、より好適には約0.5mg/kgから約10.0mg/kg/日、および最も好適には約0.5mg/kgから約8.0mg/kg/日の範囲である前記の医薬組成物も提供される。6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−酢酸は典型的には約4.0mg/kg/日の割合で投与される。
【0030】
式(I)の軟骨保護化合物の該治療的有効量が全身投与に適した剤形で提供される前記の医薬組成物がさらに提供され、ここで該全身投与は以下のことを含んでいる:(1)筋肉内または静脈内送達のため;または送達のためのデポー剤として働くために適した液体形の該軟骨保護化合物を含んでいる該医薬組成物の適した体組織または腔内への注射または注入;(2)送達のための固形移植組成物として働くために適した固体形の該軟骨保護化合物を含んでいる該医薬組成物の適した体組織または腔内へのインスチレーション、該組成物は随意に遅延、徐放および/または制御放出送達のために提供される;または(3)経口送達のために適した固形または液体形の該軟骨保護化合物を含んでいる医薬組成物の摂取。
【0031】
式(I)の該軟骨保護化合物の該治療的有効量が局所的投与に適した剤形で提供される前記の医薬組成物もさらにまた提供され、局所投与は以下の方法を含んでいる:(1)該局所部位内への該軟骨保護化合物の遅延性放出、制御放出および/または徐放性放出を行う成分を含み、関節内、軟骨内、肋骨内、骨内、骨盤内、脊椎内、胸骨内、滑膜内または足根骨内送達のため;または送達のためのデポー剤として働くため(ここで組成物は該軟骨保護化合物を貯蔵し、その後に遅延、徐放および/または制御放出を行う)に適した液体形の該軟骨保護化合物を含んでいる医薬組成物の関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階での局所部位内への注射または注入;または(2)送達のための固形移植物として働くために適した固体形の、該医薬組成物のインスチレーション、該組成物は随意にそれらの遅延、徐放および/または制御放出を提供する。
【0032】
前記の医薬組成物の特別な剤形には、哺乳類の胃から遠位送達を容易にするために胃での放出および吸収が妨げられている遅延性放出経口錠剤、カプセル、カプレットおよび多粒子物、および24時間までの制御された様式で活性成分の全身送達を提供する徐放性放出錠剤、カプセルおよび微粒子物から成る群より選択される固形経口剤形が含まれる。
【0033】
本発明に従うと、式(I)の軟骨保護化合物と一緒に一つまたはそれ以上の他の治療的に活性な薬剤の組み合わせが提供され、それは前記本発明の医薬組成物を構成する。それは関節が同時に微生物(例えば、細菌、真菌、原虫、ウイルスなど)により重度に感染された場合に提供され、本発明の活性成分は望ましくは一つまたはそれ以上の抗生物質、抗菌剤、抗原虫剤、抗ウイルス剤または類似の治療剤と組み合わせて投与されるであろう。さらに、式(I)の軟骨保護化合物は本質的に阻害剤の部類から成る群より選択された一つまたはそれ以上のものと組み合わせて投与してもよく、例として以下のものが含まれる:H1−レセプターアンタゴニスト;キニン−B1およびB2−レセプターアンタゴニスト;ロイコトリエンLTC4−、LTD4/LTE4−およびLTB4−阻害剤;PAF−レセプターアンタゴニスト;種々の親水性基を持つアウロチオの形の金;免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、アザチオプリンおよびメトトレキセート);抗炎症性グルココルチコイド(例えば、デキサメタゾン);広スペクトル抗寄生虫抗生物質(例えば、アベルメクチンおよびミベマイシン);ペニシラミン;ヒドロキシクロロキン;抗通風薬(例えば、コルヒチン);キサンチンオキシダーゼ阻害剤(例えば、アロプリノール);尿酸***薬(例えば、プロベネシド、スルフィンピラゾンおよびベンズブロマロン)。さらに、式(I)の軟骨保護化合物は、記憶喪失および障害を抑える充血治療薬;抗異常運動/抗パーキンソン病薬(例えば、セレゲリン);利尿薬、ヒドラジンのような血管拡張薬、プロプラノールのようなベータ−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト、僧帽弁閉鎖不全症を持つ老年哺乳類を処置するために使用されるエナラプリルのようなアンギオテンシン−II変換酵素阻害剤(ACE−阻害剤)およびエナラプリル単独および中性エンドペプチダーゼ阻害剤との組み合わせ、ロサルタンのようなアンギオテンシン−IIレセプターアンタゴニスト、レニン阻害剤、ニフェジピンのようなカルシウムチャンネル阻止剤、メチルドーパのような交換神経遮断薬、クロニジンのようなα2−アドレナリンアゴニスト、プラゾシンのようなα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストおよびロバスタチンおよびアトルバスタチンのようなHMG−CoA−還元酵素阻害剤(抗高コレステロール血症)から選択される、高血圧を含むアテローム性動脈硬化症、アンギナ、鬱血性心不全および心筋梗塞を含む心筋虚血症の帰結を相殺することが意図された抗高血圧および他の心血管薬;抗腫瘍薬、特にビンブラスチンおよびビンクリスチンのようなビンカアルカロイドを含む細胞***抑制薬;強力な鎮痛薬;局所および全身麻酔薬;およびH2−レセプターおよび他の胃保護薬から本質的に成る群より選択される一つまたはそれ以上の薬剤を含む年をとった哺乳類に観察される疾患状態、症候群および徴候の処置を意図する治療薬と組み合わせて投与される。
【0034】
上記の治療薬の組み合わせが、関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階と同時に起こった細菌感染を含む哺乳類での急性状態を処置するために、および哺乳類の慢性状態を処置するために使用されることが提供され、ここでこの目的に使用される投与計画は以下のことから成っている:慢性状態を処置するために規則的に計画立てられた基準で使用される他の医薬と組み合わされた本発明の軟骨保護化合物の投与;意図される組み合わせが形成される一つまたはそれ以上の他の治療薬と本発明の軟骨保護化合物を、組み合わせられるすべての薬剤を含む通常の剤形に処方、ここで該異なった薬剤は、比較的一定の投与ができる異なった放出時間を持つ該薬剤の制御放出形を作ることにより変化する半減期を持っている;組み合わせに使用される該薬剤が飼料組成物と一緒に混合されて存在する医薬添加飼料剤形。本発明に従うと同時投与が提供され、ここで薬剤の組み合わせは、組み合わされて与えられるべき該薬剤を同時に投与することにより達成される;異なった剤形および投与経路による同時投与も含まれている;該組み合わせを構成する個々の薬剤が哺乳類へ同時に投与されなくても、処置の間、該哺乳類において含まれている該薬剤の所望の血漿レベルが維持される、異なったしかし規則的なおよび連続的な投与スケジュールに従った組み合わせの使用。
【0035】
本発明に従うと、処置を必要としている哺乳類の一つまたはそれ以上の関節の関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階を処置または予防するための商業的使用に適した包装もまた提供され、適切な外側カートンおよびその中に取り除き可能なように収納された内部容器から成っている;該容器に同封されているものは本明細書で前に記載されているような式(I)の軟骨保護化合物の適した投薬量であり;および該カートンまたは該カートンに収納されている該容器に張り付けられているかまたは該カートンまたは容器の不可欠な部分として表示されている印刷された指示または情報提供資料が該カートンまたは容器に付随しており、該指示または情報提供資料は言葉で述べられており、それは該活性成分が、哺乳類の一つまたはそれ以上の関節の関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階に哺乳類に投与された場合、該変性の初期段階に続く関節軟骨または軟骨下骨の傷害、損傷または損失を改善、軽減、積極的に処置、反転または予防するであろうことを読者に伝えている。好適な態様において、前記のようなカートンおよび容器から成る該包装は、特に該指示または情報提供資料を含んで、販売および動物の処置のための薬剤の使用に関するすべての規定必要条件に従っている。
【0036】
本発明に従うと、さらに説明されたような適した容器;該容器に同封された経口剤形の式(I)の軟骨保護化合物;および該容器に付随する上で説明されたような印刷された指示または情報提供資料から成る、すぐ上に説明したような型の包装が提供されるであろうことも意図されている。
【0037】
発明の詳細な説明
本発明の目的は、一つまたはそれ以上の関節の関節軟骨または軟骨下骨の傷害、損傷または損失を将来被るであろう哺乳類に応用可能である処置の方法およびそれに有用な医薬組成物ならびにそれらの適した包装を提供する。哺乳類の中でもネコ、イヌおよびウマは特にリウマチ性関節炎、変形性関節炎、外傷性または変形性関節疾患、損傷関節の使用、真性または初期の股形成異常および骨軟骨症のような炎症性疾患および過程にかかりやすい。これらの炎症性疾患および過程に随伴する重要なことは、炎症を持っているまたはなるかもしれないネコ科、イヌ科またはウマ科動物の関節中に存在する関節軟骨および軟骨下骨への実際のまたは予期される損傷またはびらんである。
【0038】
哺乳類における炎症は非ステロイド抗炎症剤(NSAID)(例えば、ARQUELR、メクロフェナミン酸)の投与により処置できるが、米国でのイヌにおける使用には米国食品薬品局、家畜医薬委員会(FDA/CVM)により二つの治療剤しか認められていない。より多くの種類のNSAIDがヒトでの使用で認められており、従って、臨床試験および厳重な調査から実質的により大きな効能および安全データが提供されてきた。従って、獣医学環境におけるNSAID作用(特に非ヒト哺乳類の処置のおける使用)の作用様式および他の薬学的特色についての結論はしばしばヒト哺乳類での経験から外挿されている。本明細書の説明はこれらの哺乳類種間の高度の生理学的共通性という類似の利点を利用し、本発明の多くの根本的な特色を論証する。
【0039】
抗炎症剤で哺乳類を処置することは二つの点で特に問題が多い。第一に、哺乳類の関節中の軟骨および軟骨下骨の病理学的変化は最も普通には変形性関節炎を伴うが、それはまだ完全に理解されていない多因子のおよび多様に発現される疾患であり、適切な治療の決定をしばしば困難にしている。例えば、滑膜炎症の幾分の程度は変形性関節炎の通常の構成要素であるけれども、この炎症は軟骨分解の間に放出される免疫原の影響により生じると考えられてきた。しかしながら最近になって、このパラダイムに疑問が投げかけられている。第二に、ほとんどのNSAID(特に使用がより確立されているもの)の長期投与は実際に変形性関節炎の進行を悪化させる。これらの問題および不確定さを考慮すれば、式(I)の軟骨保護化合物がそのような軟骨損傷の処置または予防に有用であり、一方同時に哺乳類関節の炎症経過には何の不利な影響も与えないという本発明の発見はなお一層驚くべきことである。本発明のこのおよび他の特色は、特に本発明の処置法に関係する哺乳類関節中の軟骨の特徴および特性を記載した以下の節からよりよく理解されるであろう。
【0040】
軟骨はいくつかの形で存在する線維性結合組織である(例えば、硝子軟骨、弾性軟骨および線維軟骨)。硝子軟骨はいくぶん弾性がある、乳白色の青みがかった色合いの半透明な物質であり、軟骨細胞、成熟軟骨が生じる腔(窩)を持ち、塩基性親和性で原線維を含有する間質性物質から成っている。それは水、コラーゲンおよびプロテオグリカン(それらは一緒になってかなりの衝撃吸収能力を持ち、硬いが弾力がある独特の繊維強化水ゲルを作り出す)から成る高度に特化した結合組織である。プロテオグリカン(PG)成分は線維状構造を持つタンパク質−炭水化物複合体である。この線維状構造のコアはヒアルロン酸の単一の長い分子であり、グリコサミノグリカン(GAG)、即ち、糖の一つがN−アセチルガラクトサミンかまたはN−アセチルグルコサミンである反復二糖単位のポリマーである。ヒアルロン酸においては、例えば、反復二糖単位は単糖誘導体グルクロン酸へのグリコシド結合β(1→4)を持つ単糖誘導体N−アセチルグルコサミンから成っており、それは順に反復二糖の次のN−アセチルグルコサミンへのグリコシド結合α(1→3)を持っている。
【0041】
軟骨のヒアルロン酸線維状コアへは、順に、”連結タンパク質”の助けを借りてコラーゲンから成る規則正しい一連の伸張コアタンパク質が非共有結合的に結合されている。コラーゲンの基本単位はトロポコラーゲン分子(各々約1000残基の長さの三つのポリペプチド鎖の三重らせん)である。これらの伸張コアコラーゲン分子の各々に、順に、セリン側鎖を通して規則正しい一連のコンドロイチン硫酸およびケラタン硫酸鎖が結合されている。コンドロイチン硫酸およびケラタン硫酸もまた前記のヒアルロン酸に類似したグリコサミノグリカン(GAG)の例であり、反復二糖単位のポリマーの糖の一つはGalNAc−6s、即ち炭素6に硫酸基を持つN−アセチルガラクトサミンでなければならない。軟骨構造の成分であるグリコサミノグリカンは多糖類であり、複雑な構造にポリペプチドを接近させる広範囲の特性を持つポリマーを生成するように糖残基が修飾されている。従って、関節軟骨(即ち、哺乳類の関節にみられる軟骨)は精巧なおよび複雑な分子構造で形成されていることがわかるであろう。本発明の方法および組成物が軟骨障害および損失の問題を取り扱う様式を理解するためには、微視的スケールでの前記の列挙した研究に加え、巨視的スケールで関節中の軟骨の構成およびその環境を考察する必要もある。
【0042】
前に説明したように関節軟骨は生きている細胞を含んでおり(軟骨細胞)、それは一般に細胞外マトリックスと称される間質性物質を発生し、それに取り囲まれている。変形性関節炎はジアスロダイアル(動かせる、滑膜で裏打ちされた)関節の障害と定義されているので、そのような関節においては接触するであろう少なくとも二つの動かせる骨質表面が常に観察される、しかしそれらは滑膜(関節腔を満たしている透明でアルカリ性で粘着性の液体である滑液を分泌する)および軟骨(通常その個所で滑膜に代わりに咬合骨質表面の間に置かれている)で取り囲まれているのは事実である。
【0043】
変形性関節炎において最も早い全体の臨床所見は関節表面のいつも負荷がかかっている領域の関節軟骨の軟化であり、哺乳類の膝関節の場合(特に、膝関節の十字靭帯が離断された変形性関節炎のモデルにおいて)、大腿顆および頸骨プラトーから成っている。変形性関節炎の進行とともに軟骨表面の完全な状態が失われ、関節軟骨が薄くなり、フィブリレーションと称される過程で垂直の裂溝が軟骨の深部へ伸びる。関節運動は軟骨の線維性収縮を起こし、分節を脱落させて骨を下に露出させ(軟骨下骨)、それは続いて硬化症を起こす。滑液で満たされている軟骨下骨嚢胞も発現する。関節周辺に骨棘が形成される。
【0044】
軟骨下骨の変化もまた軟骨破壊の病理に役割を果たしている。哺乳類の関節の研究(特に前方十字靭帯離断を受けたイヌにおいて)は軟骨下骨硬化症およびオステオペニア、即ち、軟骨下骨柱中の骨の損失を明らかにした。これらの変化に続いて、軟骨下骨板の肥大化がある。軟骨下骨の損失は乗っている関節軟骨上への機械的ストレスを増加させ、変性へ導く。続いての軟骨下骨板の肥大化は内因性の修復機構に悪い影響を与え、それにより軟骨分解の進行に寄与している。
【0045】
軟骨の細胞外マトリックスの分解は軟骨細胞の有糸***を伴い、それはクラスターとして形成される。軟骨のグリコサミノグリカン成分の減少および斑状プロテオグリカンの枯渇が生じる。多くの領域で、太くて密な平行コラーゲン性束鞘の細胞外マトリックスとして特徴付けられる線維軟骨が硝子軟骨に取って代わる。しかしながら、これらおよび上記の関節軟骨の病理学的変化は変形性関節炎の後期の段階で特徴的であること、および肥大(即ち、関節軟骨の肥大)が、十字欠損哺乳類、特にイヌ膝関節モデルにおいて最初に起こることに注意されたい。軟骨肥大は水含量の増加、プロテオグリカン合成の増加、および関節軟骨中のプロテオグリカンの含量および濃度の両方の増加により生じる。関節軟骨の肥大性修復のこの段階はしばらくの間持続するが、形成された修復軟骨組織は、正常硝子軟骨が持っている機械的ストレスに対する弾性および反発性に欠けている。最後には、プロテオグリカン生成は低下し、軟骨細胞はもはやそれらの細胞外マトリックスを維持できなくなる。この最終段階では関節軟骨の完全な厚さを失う。
【0046】
滑膜炎(即ち、滑膜、滑液膜の炎症)は軟骨損傷および損失の病理に寄与できる。滑膜炎症は単核細胞による滑液の広範囲な湿潤、滑膜細胞の過形成およびリンパ球様凝集により特徴付けられる。滑膜炎はリウマチ性および他の炎症性関節炎における軟骨損傷に著しく寄与している。OAの初期段階における滑膜炎症の役割はあまりよく理解されていないが、滑膜炎はOAの臨床段階には存在している。十字欠損哺乳類膝モデル、特に十字靭帯が盲刺切創により離断されたPond−Nukiモデルは関節内出血を起こす。ヘモスタシスが観察されおよび出血が注意深く制御されたところでは、滑膜炎は避けることができる。しかしながら、滑膜炎を持つ哺乳類群と持たない哺乳類群間を比較した場合、二つの群の関節軟骨変化は区別できなかった。
【0047】
すでに説明したように、サイトカインの活性は軟骨損傷および損失の病理の重要な部分である。サイトカインは細胞内メッセンジャーであり、正常な生理学において必須の働きを行っており、関節軟骨に関しては、競合する同化および異化過程を制御することにより完全性を保っている。サイトカインは細胞から放出され、しばしば多および重複活性を持っている。サイトカインは可溶性糖タンパク質であり、ピコモルからナノモル濃度で非酵素的に働いて宿主細胞機能を制御する。サイトカインの放出は特定のシグナルにより促進され、細胞内の遺伝子発現に影響することにより細胞の種々の機能に影響を及ぼす。サイトカインは比較的短い半減期を持ち、それらが細胞内空間を通して到達する宿主細胞の目下の環境内(自己分泌活性)または隣接する細胞(パラ分泌活性)に影響を働かせる。サイトカインは宿主細胞表面または隣の細胞表面上のレセプターまたは宿主細胞内の内部因子に結合するか、または膜結合サイトカインを経る直接細胞−細胞コミュニケーションを行う。
【0048】
サイトカインホメオスタシスは天然に存在する阻害剤との相互作用により維持されている。レセプターアンタゴニストはサイトカイン結合部位に競合的に結合しシグナル伝達を防止し、自己抗体はサイトカインに結合して中和し、およびサイトカイン結合タンパク質および可溶性レセプターは活性メジエイターからサイトカインを除去する。例えば、IL−1レセプターアンタゴニストタンパク質(IRAP)は、レセプターへのIL−1の結合を阻止する(両方のレセプター)。IL−1αの自己抗体(sIL−1R)およびインシュリン様増殖因子結合タンパク質(IGF−BP)が存在し、それらは活性メジエイターからサイトカインを除去するために働くか、サイトカインのタンパク質分解性破壊を防止するか、またはサイトカインの輸送タンパク質として働いている。サイトカインは他のサイトカインの活性に対抗することもある。例えば、IL−1活性は形質転換増殖因子ベータ(TGFβ)およびIGF−1存在下で減少する。
【0049】
上記のサイトカインおよびそれらの調節因子間の入り組んだ平衡の破壊は、関節中の病理学的変化を促進または寄与している。そのような関節においては関節軟骨が機械的ストレスから軟骨下骨を保護している。軟骨は水、コラーゲンおよびプロテオグリカン(それらは一緒になってかなりの衝撃吸収能力を持ち、硬いが弾力がある独特の繊維強化水ゲルを作り出す)から成る高度に特化した結合組織である。軟骨の細胞外マトリックスは高い活性を持つ軟骨細胞により生成され、このマトリックスの完全性は、異化的サイトカインIL−1α、βおよびTNFαおよび同化的サイトカインIGFおよびTGFβの作用間の平衡により維持されている。IL−1α、βおよびTNFαは特異的マトリックス分解メタロプロテアーゼの生成を誘導することにより働き、一方IGFおよびTGFβは軟骨の巨大分子建造ブロック、コラーゲンおよびプロテオグリカンの生成を誘導することにより成長因子として働いている。他のサイトカインおよびそれらの阻害剤、ならびにメタロプロテアーゼの組織阻害剤(TIMP)もまたマトリックスホメオスタシスと称されているこの平衡に影響する。
【0050】
本明細書で使用される場合、用語”メタロプロテアーゼ”とはマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)を意味しており、特に通常、関節軟骨変性間に濃度の上昇を示す酵素ファミリー、即ちストロメリシン、コラゲナーゼおよびゲラチナーゼが含まれる。コラゲナーゼは一般に天然のコラーゲンの分解に関与し;ストロメリシンは一般にプロテオグリカン分解に関与し;およびゲラチナーゼは一般に変性コラーゲンの分解に関与している。MMP特性を持つ酵素、アグレカナーゼもまた、軟骨変性の初期段階に存在する軟骨プロテオグリカン凝集物のタンパク質分解に関与するのでこの用語に含まれる。変性の初期段階に関節軟骨に存在する三つのコラゲナーゼはコラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)およびコラゲナーゼ−3(MMP−13)である。三つのストロメリシンの内(ストロメリシン−1(MMP−3)、ストロメリシン−2(MMP−10)およびストロメリシン−3(MMP−11))、ストロメリシン−1のみが変性の初期段階に関節軟骨に現れる。
【0051】
軟骨損傷および損失を導く病理的変化の初期段階にはマトリックス巨大分子の合成の増加により試みられた修復が含まれる。しかしながら、グリコサミノグリカン成分の異なった組成および分布、およびヒアルロン酸成分と凝集するその能力の変化のため、修復軟骨の構成には欠陥がある。これらの病理的変化の間に放出される粒子もまた滑膜中の炎症性変化を導いているであろう。しかしながら、この進行している病理にも関わらず、軟骨損傷および損失の初期段階は比較的わずかな痛みを持つが無徴候である。従って、局所的軟骨損失がラジオグラフィーにより同定できる前に、軟骨損傷および損失の初期段階に哺乳類患者の輪郭を描く測定可能な変化が同定されるであろう細胞外マトリックス成分およびサイトカインを同定するのが適切な目的である。この目的がかなうと、著しい軟骨変性が起こる前に、初期薬学的介入の候補者である哺乳類の診断分類が可能になる。
【0052】
IL−1αおよびIL−1βとして生じるIL−1は、哺乳類関節中の関節軟骨障害および損失を媒介する異化性サイトカインである。それは関節軟骨に観察されるタイプ・コラーゲンの合成を抑制し、一方線維芽細胞に特徴的なタイプ・コラーゲンの合成を促進することにより;マトリックス分解に関与する酵素の生成を誘導することにより;新しいプロテオグリカンを合成する軟骨細胞の能力を抑制することにより作用する。異化的酵素生成を惹起するために占有されていなければならない、変性初期の関節軟骨中の反骨細胞表面上のIL−1レセプター数は通常必要とされる数の4分の1のみである(1%対4%)。IL−1およびそのモジュレーターIRAPは同一の滑液マクロファージにより自己分泌およびパラ分泌様式で産生され、IRAP産生は顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)の存在で増加するであろう。しかしながら、IL−1およびIRAP能力の間には著しい不均衡があり、軟骨細胞および軟骨外植体で測定されたようにIL−1の効果をなくすのに約130倍以上のIRAPが必要とされている。IL−1およびIRAP間の不均衡はさらに関節軟骨の変性を悪化させるであろう。
【0053】
その結果、関節軟骨変性の初期段階で哺乳類におけるIL−1およびIRAPのレベルおよびそれらの比、およびそれほど苦しんではいない哺乳類における同じ価値基準を測定するのも適切な目的であり、局所的軟骨損失がラジオグラフィーにより同定できる前に、軟骨損傷および損失の初期段階に哺乳類患者の輪郭を描く測定可能な変化が同定されであろう。さらに、これらの結果は著しい軟骨変性が起こる前の早期の薬学的介入の候補である哺乳類の診断分類を提供する。さらに、関節軟骨変性の初期段階に関節の滑液および滑膜組織中に生じているIL−1αおよびIL−1β分泌マクロファージの比率が検出でき、それは正常関節、即ち関節軟骨変性の初期段階ではない関節からの滑液および滑膜組織から単離された同様の細胞の比よりも著しく大きい。ここで再び、これらの結果は著しい軟骨変性が起こる前に早期の薬学的介入の候補である哺乳類の診断分類が提供される。
【0054】
またさらに、炎症過程に開始および維持に関与するサイトカインは石灰化区域中の微小クラックを通って軟骨の下層へ接近することができるので、関節軟骨中の全体の変化が明らかになる前に軟骨下骨の変化が起こる。関与する軟骨細胞の代謝が悪い影響を受け、関節軟骨の中層の軟骨細胞に加えて、炎症過程に開始および維持に関与する多くのサイトカインを産生する。自己分泌様式で作用しているこれらの軟骨細胞は、従って、それら自身の細胞外マトリックスの破壊に寄与している。関節軟骨の増加した水含量も、マトリックスを通した炎症性サイトカインの拡散を増加させることによりこの過程を容易にしている。従って、関節軟骨変性過程の間に哺乳類(特にイヌ)の軟骨細胞、滑膜細胞および/または軟骨下骨細胞により産生される種々の炎症性サイトカインのレベル、およびそれほど苦しんではいない哺乳類における同じ価値基準を測定するのも適切な目的であり、局所的軟骨損失がラジオグラフィーにより同定できる前に、軟骨損傷および損失の初期段階に哺乳類患者の輪郭を描く測定可能な変化が同定されであろう。これらの結果は著しい軟骨変性が起こる前の早期の薬学的介入の候補である哺乳類の診断分類を提供する。
【0055】
腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)は関節軟骨の変性に関してIL−1の10分の1の効力しか持っていないが、滑液中のその濃度は、特に十字靭帯を切開した哺乳類の膝関節では反対の非切開膝と比較すると著しく増加する。また、そのような膝関節に存在する関節軟骨から単離された軟骨細胞上にはp55TNFレセプターの発現が促進されている。従って、軟骨損傷および損失の初期段階に起こる病理変化にTNFαは役割を持っており、同様に関節軟骨変性の初期段階で哺乳類におけるTNFαおよびTNF−Rのレベル、およびそれほど苦しんではいない哺乳類における同じ価値基準を測定するのも適切な目的であり、局所的軟骨損失がラジオグラフィーにより同定できる前に、軟骨損傷および損失の初期段階に哺乳類患者の輪郭を描く測定可能な変化が同定されであろう。これらの結果は著しい軟骨変性が起こる前の早期の薬学的介入の候補である哺乳類の診断分類を提供する。
【0056】
インターロイキン−6(IL−6)は多機能サイトカインであるが、炎症的役割を果たしており、対照肢と比較して損傷を受けた関節および滑液ではレベルが上昇していることが観察されている。IL−6はまた軟骨細胞上のTNF−R発現の促進および軟骨細胞によるプロテオグリカンの産生、ならびにグリコサミノグリカン放出の誘導にも関与している。関節軟骨損傷および損失の初期段階での哺乳類関節の関節、滑液および軟骨細胞中のIL−6の測定、対照との比較は哺乳類がラジオグラフィー試験により局所的軟骨損失が明らかになる前に薬学的処置の適した候補であることを同定する診断道具として使用できる。
【0057】
白血病阻止因子(LIF)は単球、顆粒球、T細胞、線維芽細胞および炎症状態に関連する他の細胞型により産生される。滑膜細胞および軟骨細胞はIL−1βおよびTNFα存在下でLIFを分泌する。従って、LIFレベルを他と比較しての測定は、関節軟骨損傷および損失の初期段階での薬学的処置の哺乳類候補を選択するために診断的に使用できる。
【0058】
哺乳類の関節軟骨の変性、損傷および損失は上記の異化過程を駆動するサイトカインおよび軟骨中の軟骨細胞の合成的および増殖的応答の維持に関与するサイトカイン間の非平衡により起こされる。インシュリン様増殖因子(IGF−1)、形質転換増殖因子ベータ(TGFβ)、血小板由来増殖因子(PDGF)および線維芽細胞増殖因子(例えば、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)はすべて軟骨細胞に関しては***促進性であり、関節軟骨においてマトリックス合成を刺激する。
【0059】
インシュリン様増殖因子(IGF)はタイプIおよびIIとして存在し、IGF−Iは軟骨合成の強力なメジエーターである。さらに、それはIL−1βおよびTNFα存在下でさえも分解を減少させ、プロテオグリカンの合成を促進する。IGF−1の血清レベルは高親和性結合タンパク質(IGF−BP)により維持されており、IGF−1は骨および軟骨両方の代謝回転に重要である。対照と比較したIGF−1レベルは関節軟骨損傷および損失の早期薬学的処置の哺乳類候補の診断評価を可能にする。
【0060】
形質転換増殖因子ベータ(TGFβ)は軟骨細胞により産生され、軟骨および骨両方の代謝回転のための強力な***促進因子である。さらに、それはマトリックスの合成を刺激し、抗炎症活性を持っている。また、それはプロテアーゼ阻害剤産生を刺激することにより、およびコラゲナーゼおよびメタロプロテアーゼ放出を阻止することによりマトリックスの分解を阻害する。さらにまた、それは哺乳類関節の種々の細胞によるコラーゲン、フィブロネクチン、プラスミノーゲンアクチベーターの阻害剤、およびメタロプロテアーゼの組織阻害剤の産生を刺激することにより軟骨修復を促進させる。関節軟骨損傷および損失の初期段階での哺乳類関節におけるTGFβの滑液レベルは低い。従って、対照と比較したTGFβレベルは関節軟骨損傷および損失の早期薬学的処置の哺乳類候補の診断評価を可能にする。
【0061】
変性の進行とともに(即ち、哺乳類関節中の関節軟骨の異化)、軟骨変性のマーカーとして有用である多数の代謝物が生成される(その発生およびその増加の両方)。例えば、IL−1αおよびIL−1βまたはTNFαによる軟骨の分解はグリコサミノグリカン(GAG)を放出し、それは試験されている哺乳類の滑液で測定できる。さらに、GAGレベルは処置後に変化するので、関節軟骨代謝回転のマーカーとして滑液GAGレベルを使用して薬学的介入の過程をモニターすることが可能である。
【0062】
関節軟骨の分解にはコラーゲンならびに他の軟骨成分を伴うので、いくつかのコラーゲン生成物が哺乳類、特にイヌ関節軟骨損傷および損失における軟骨分解のマーカーとして働く。タイプ・特異的コラーゲン分解産物(例えば、20−30アミノ酸ネオエピトープ)は滑液、血漿、血清および尿のような体液で同定できる。これらの体液におけるネオエピトープの存在はOA発病および進行の指標として使用されるであろう。
【0063】
ケラタン硫酸はエピトープ(5D4)を持つ特別のGAGであり、滑液中のそのレベルは初期関節軟骨損傷および損失のマーカーとして使用できる。逆に、コンドロイチン硫酸(多数のエピトープとして発現される別の特別なGAG)のレベルは関節軟骨損傷および損失の初期段階での哺乳類関節における同化作用に関連している。滑液におけるこれらのエピトープ(特に4B3、7D4および846)のレベルは、それらを認識する特異的モノクローナル抗体により決定できる。3B3は細胞外マトリックスの修復およびリモデリングの間に軟骨のコンドロイチン硫酸鎖上に発現され、その結果、滑液中のそのレベルは上記の5D4と逆相関している。関節軟骨の表面および中層においての新しく合成されたPG中の3B3の発現は、3B3が関節変形の初期段階での哺乳類の関節軟骨の早期変化に付随していることを意味している。従って、試験哺乳類の滑液中の3B3レベルの決定、および対照値を持つこれらのレベルとの比較は、早期薬学処置の適した候補である哺乳類の診断プロファイルを作ることを可能にする。
【0064】
軟骨同化活性のさらなるマーカーはタイプ・プロコラーゲン(P・P)の特性である。タイプ・は関節軟骨の主コラーゲンであり、プロコラーゲンとして軟骨細胞により産生される。コラーゲン微細線維形成過程の間、非コラーゲン性アミノプロペプチドおよびカルボキシプロペプチドは切断されて体液内へ放出され、関節軟骨の同化活性の反映として測定できる。カルボキシ−P・Pのレベルは上昇するであろうし、その滑液レベルは軟骨変化のラジオグラフィーによる証拠と相関している。従って、滑液中のカルボキシ−P・Pレベルの決定および対照との比較は、早期薬学処置の適した哺乳類候補の同定を可能にする。
【0065】
関節軟骨変性の初期段階での哺乳類の関節軟骨および関節液中のストロメリシン/TIMP比の不均衡もまたそのような哺乳類の同定に有用である。損傷後の変化した関節充填は、IL−1の影響のもと軟骨細胞および滑膜細胞により産生される酵素であるストロメリシンの過剰産生を起こす。ストロメリシンの濃度は、障害からより遠い軟骨よりも線維化した軟骨中の方がより高かった。ストロメリシンの濃度増加はかなり短い時間で起こるが、関節への損傷が関節軟骨のタイドマークゾーンを越えて軟骨下骨へ達した場合に続いての関節軟骨変性の可能性が大いに生じる(通常軟骨下骨の硬化が先立って起こる)。
【0066】
さらに、関節軟骨変性の初期段階検出に使用された十字欠損哺乳類モデルにおいて、ストロメリシン、IL−1α、IL−1βおよび三つの癌遺伝子タンパク質、c−MYC、c−FOSおよびc−JUNの合成を行っている細胞数が増加する。滑腔においては主として表面性滑膜生存細胞が観察され、一方、軟骨においては細胞は表面および中層上の軟骨細胞および頸骨プラトーの線維化領域の細胞である。さらに、ストロメリシンおよびIL−1は頸骨プラトーの軟骨マトリックス内へ拡散した。プロテオグリカンおよびタイプ・コラーゲンを含んでいる結合組織の成分を分解するストロメリシンは関節軟骨変性初期段階の哺乳類滑腔で活性に合成され、軟骨破壊に関与する最初のタンパク質分解酵素である。ストロメリシンmRNAレベルの増加はそのような哺乳類の滑液で、コラゲナーゼmRNAのレベル増加として検出可能である。IL−1の両方のイソ型、しかし特にIL−1βのレベル増加は、ストロメリシンおよびコラゲナーゼ遺伝子発現の滑液線維芽細胞誘導を促進することによりストロメリシンの合成増加を刺激する。IL−1は同時にはメタロプロテアーゼの組織阻害剤(TIMP)のmRNAを誘導しないのでこの阻害剤のレベルは変化せず、一方、検出可能な滑液中のメタロプロテアーゼレベルは劇的に増加する。
【0067】
メタロプロテアーゼ軟骨細胞によりプロ酵素として分泌され、細胞外マトリックス巨大分子の分解を起こす前に活性化されなければならない。活性化には、プラスミノーゲンアクチベーター/プラスミン系を含んでいるセリンプロテアーゼが鍵となる役割を果たす酵素カスケードが含まれている。
【0068】
哺乳類関節中の関節軟骨の完全性はそれが覆っている骨性土台から受ける支持の適切さ、即ち、軟骨下骨の構造特性に依存している。この骨性土台の変化は関節軟骨における分解変化を進行させる。これらの変化には衝撃吸収能力の損失を伴う軟骨下骨硬化の増加が含まれる。これらの軟骨下骨変化は骨柱の微少な割れ目の不適切な修復により起こり、次に、関節の過剰な充填を生じる。軟骨下骨の骨柱肥大化は罹患した関節の骨鉱物密度および/または容量の増加を導く骨変化の一部であり、それは順に骨芽細胞中の骨細胞欠損により起こされ、軟骨下骨のこれらの骨芽細胞様細胞に変化した表現型特性を生じる。軟骨下骨密度のこれらの変化は骨リモデリング過程の不均衡の証拠であるばかりではなく、最終的な局所軟骨損失の鍵となる構成要素である。さらに、異なった軟骨分解分子の生成を導く、骨芽細胞代謝の部位関連相違が生じる。骨芽細胞代謝におけるこれらの変化は順に、軟骨細胞代謝における対応した変化を導き、上記の型のサイトカイン誘導活性への感受性を高める。この骨芽細胞の例外的なものおよび分化した表現型は、オステオカルシン、アルカリ性ホスファターゼ、ホルモンチャレンジ応答性のcAMP、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター(uPA)およびインシュリン様増殖因子1(IGF−1)の異なる生成レベルにより特徴付けられる。
【0069】
最終的関節軟骨変性に含まれる軟骨下骨活性のさらなる証拠は、骨シンチグラフィーにより測定されるであろう関節空間狭小化である。軟骨下骨活性におけるこれらの変化は、特異的骨細胞代謝物(例えば、オステオカルシン)の対応する変化を伴う。オステオカルシンはビタミンK依存性カルシウム結合骨タンパク質であり、骨において最も普通の非コラーゲンである。オステオカルシンレベルの増加は特に関節軟骨変性の初期段階を含む、種々の疾患状態における骨代謝回転のマーカーである。体液、特に滑液のオステオカルシンレベルはシンチグラフィーにより測定された軟骨下骨変化に直接的に相関している。
【0070】
哺乳類における関節軟骨変性の初期段階の指標としての軟骨下骨活性のマーカーに加え、軟骨および滑腔活性からの代謝物もまたそのような軟骨変性の初期段階を示すマーカーとして有用である。例えば、軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質の増加した血清レベルの検出も軟骨代謝回転のマーカーとして働く。同様に、体液、特に血清における高レベルのヒアルロン酸の検出は、滑液炎症のマーカーとして働く。両方の場合において、これらの代謝物マーカーの体液、特に血清レベルは関節軟骨変性の初期段階を示す。
本明細書で使用される場合、表現”体液”には、使用されている試験装置またはアッセイの検出限界内であるように該液体中に十分な濃度の試験されている化合物を含んでいるであろう、臨床標本として使用可能なすべての利用できる体液が含まれる。従って、体液には全血、血清、血漿、尿、脳脊髄液、滑液および間質液およびその他の細胞外液体が含まれる。
【0071】
上記の型のすべての敏感な免疫化学およびその他の生物学的アッセイでは、試験されるべき液体の収集および保存に慎重な注意を払わなければならない。工程は該液体で試験されるべき化合物のタンパク質分解を避けなければならず、凍結は含まれる試験が短時間で実施できない限り通常是認される。滑液中には試験されている化合物がより高い濃度で存在する可能性のため、血清よりむしろ滑液の使用が好適であろう。一方、滑液は粘性レベルが高いために当業者が取りかかなければならないイムノアッセイで問題が生じる。最後に、上の説明から明らかなように、哺乳類患者が関節軟骨変性の初期段階であるかどうか、およびそれ故薬学的介入の候補であるかどうかの決定において最も正確なプロファイルを得ることが可能なように、サイトカインおよびマーカーならびにそれらの各々の阻害剤および結合タンパク質選択の長期の研究を実施するのが好適である。
【0072】
本明細書で使用される場合、用語”哺乳類”とは任意の哺乳類を意味しており、多数の異なった種が存在する。生物学的アッセイの実験室的決定は特定の種を使用して実施されたであろうが、本発明の軟骨保護化合物はこれら多数の任意の種における関節軟骨変性の初期段階を処置および予防するために有用であろうと見いだされることが企図されている。
【0073】
本明細書で使用される場合、用語”軟骨保護”とは、本発明の方法および組成物で使用されたカルプロフェンおよび誘導体化合物の生物学的活性を意味しており、該化合物が関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階に続く該関節軟骨または軟骨下骨の傷害、損傷または損失を改善、軽減、積極的に処置、反転または予防することを可能にする。最適には、軟骨保護化合物は関節軟骨または軟骨下骨の傷害、損傷または損失を起こす疾患過程の停止または反転を起こすであろう。しかしながら、該軟骨保護化合物はそのような最適の結果以下しか提供しないかもしれないが、それでも本発明の範囲内に含まれている。投与された軟骨保護化合物が改善的な結果以上のものを提供するのに失敗したような例でさえも、処置法は本発明の範囲内に含まれている。
【0074】
結果の変動は、哺乳類の特別の種類ならびに該軟骨保護化合物が投与されている特定の個々の哺乳類を含む多数の因子から生じる。疾患が進行した段階、即ち、すでに起こった関節軟骨または軟骨下骨の傷害、損傷または損失も結果に影響するであろう。疾患がより進行していると、疾患の進行を停止または反転させるのがより困難になるであろう。投与のために選択された特定の軟骨保護化合物もまた、投与された該化合物の量、それらの投与の型および部位および使用された特定の剤形が結果に影響を与える。
【0075】
本明細書で使用される場合、本発明の軟骨保護化合物の投与に関した表現”処置するまたは予防する”とは該投与の治療的目的ならびに該投与により実際に達成された治療結果の両方を指している。上に説明したように、軟骨保護化合物の投与により達成される治療は疾患過程の改善から著しい軽減の範囲であり、および疾患過程の反転を含む疾患の積極的な処置を越えるものである。より高い程度の治療有効性は該関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階に続く軟骨下骨の傷害、損傷または損失を防止する。
【0076】
表現”関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階”とは疾患過程を定義するおよび疾患過程の結果である関節軟骨または軟骨下骨の初期病理変化のきわめて初期を意味することが意図されている。該病理変化には、該疾患過程の発症前に存在する関節軟骨の組成、形および密度からのそれらの変化が含まれ、それらの変化は強度、弾性、伸縮性、コンホメーションの完全性および安定性、生存度、および種々の種類の機械的ストレスにうまく抵抗する能力(特に、機械的衝撃を吸収する能力)を含む該関節軟骨の有益な特性の変性により生じる。組成物におけるこれらの病理変化には、特に、関節軟骨に存在するグリコサミノグリカンおよびコラーゲンの型および量の変化が含まれている。
【0077】
軟骨下骨の病理変化にはそれらの硬化症(弾性および伸縮性の減少を伴う密度の増加)および種々の種類の機械的ストレスにうまく抵抗する能力、特に、機械的衝撃を吸収する能力の減少が含まれる。これらの発病変化には、特に、骨柱肥大化を伴う骨柱の微少な割れ目の不適切な修復および骨芽細胞代謝物生成および分化表現型の発病変化が含まれる。
【0078】
もっとも一般的な態様において、本発明の贈り物は軟骨保護化合物の小さな部類(その中でカルプロフェン、6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−酢酸が最も好適な種類である)は、最終的に関節の関節軟骨および軟骨下骨の傷害、損傷または損失を生じるであろう関節軟骨変性の初期段階と同定された哺乳類患者へ投与された場合、そのような傷害、損傷または損失を改善、軽減、積極的に処置、反転または予防するであろうという驚くべき発見である。最終的に関節軟骨および軟骨下骨の破壊および損失を導く疾患過程を反転させる本発明の軟骨保護化合物の能力は、関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階にある哺乳類の安全で効果的な処置に対して広範囲に及ぶ密接な関係を持っている。
【0079】
従って、本発明は哺乳類の関節中の関節軟骨または軟骨下骨の変性または破壊を処置または予防する方法をそのような処置を必要としている哺乳類に提供し、それは(1)該初期段階に現在あるまたは予期される、従ってそのような処置を必要としている該哺乳類の状態を確立し、およびそれにより(2)該哺乳類に関節軟骨または軟骨下骨の変性の該初期段階を処置または予防するのに有効な治療的量で式(I)の軟骨保護化合物を投与することから成っている:
【化8】
Figure 0003749634
式中:
2
【化9】
Figure 0003749634
であり、式中Aはヒドロキシ、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、ヒドロキシ−アミノ、モノ−(C1−C2)アルキルアミノ、ジ−(C1−C2)アルキルアミノであり;XおよびYは独立してHまたは(C1−C2)アルキルであり;およびnは1または2である;
6はハロゲン、(C1−C3)アルキル、トリフルオロメチルまたはニトロであり;
9はH;(C1−C2)アルキル;フェニルまたはフェニル−(C1−C2)アルキル(ここでフェニルは随意にフルオロまたはクロロで一置換されている);−C(=O)−R(式中Rは(C1−C2)アルキルまたは随意にフルオロまたはクロロで一置換されているフェニルである);または−C(=O)−O−R1(式中R1は(C1−C2)アルキルである)である;
XおよびYが異なっている場合、それらの(−)(R)および(+)(S)エナンチオマー;および関節軟骨または軟骨下骨の変性または破壊を処置または予防するのに治療的に活性であるそれらのすべての医薬として受容可能な塩の形、プロドラッグおよび代謝物。式(I)の阻害剤が(−)(R)および(+)(S)エナンチオマーとして存在する場合、本発明に従うと(+)(S)エナンチオマー単独で提供され、または両方のエナンチオマーが一緒に存在する場合はそれらのラセミまたは非ラセミ混合物として提供される。
【0080】
本発明の方法および組成物で利用されるカルプロフェンおよびカルプロフェン誘導体類は通常の有機化学者にはよく知られている合成法に従って製造されるであろう。例えば、R6がハロゲン、(C1−C3)アルキル、トリフルオロメチルまたはニトロであり;および R9がHまたはメチルである式(I)の化合物は(1)フェニル部分が所望のR6置換基を持ち、およびヒドラジンのα−窒素が所望のR9置換を持っているフェニルヒドラジンと(2)所望のR2置換を持つシクロヘキサノンを反応させることにより製造される。生じた1,2,3,4−テトラヒドロカルバゾールは次に芳香化されて所望の式(I)のカルバゾールが生成される。芳香化は(1)芳香化剤、例えば、pークロラニル、o−クロラニル、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(DDQ)、硫黄、パラジウム炭素、酸化鉛を用い;(2)キシレン、ベンゼン、トルエン、キノリン、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびジメチルホルムアミド(DMF)のような溶媒存在下;(3)室温から反応混合物の還流温度の範囲の温度で(好適には還流温度)実施されるであろう。
【0081】
酸である式(I)の化合物(Aがヒドロキシである)およびそのような酸と塩基との塩は、(1)五塩化リン(PCl5)で処理して対応する酸クロリドを形成させ;続いて(2)プロトン移動工程で塩基として働き、それにより形成されるH+Cl-を除去するために当量のピリジンまたはトリメチルアミン存在下で実施される適当なアミン反応体との反応により所望のアミドを形成させることにより、Aがアミノ、ヒドロキシアミノ、モノ−(C1−C2)アルキルアミノおよびジ−(C1−C2)アルキルアミノである式(I)のアミドへ変換できる。工程(1)で形成された同じ酸クロリドは適当なアルカノールと反応できてAが(C1−C4)アルコキシである式(I)のエステルが提供される。この反応もまた、形成されるH+Cl-が酸感受性アルカノール反応体を妨害しないようにそれを中和できるピリジンのような塩基存在下で望ましくは実施される。
本発明の方法および組成物で利用されるカルプロフェン化合物類を製造する上記の合成法は米国特許第3,896,145号(全文のまま本明細書において援用される)に詳しく記載されている。
【0082】
”R2”置換基の定義において”X”および”Y”が異なっている場合、キラル(不整)炭素原子が存在する。二つのエナンチオマーの50:50混合物である場合、(R)−および(S)−エナンチオマーのラセミ混合物が生じる。本発明に従うと、キラル炭素を持っている式(I)の化合物のカルプロフェン類の(S)−エナンチオマーは、最終的に関節の関節軟骨および軟骨下骨の損傷または損失を生じるであろう関節軟骨変性の初期段階と同定された哺乳類の関節軟骨または軟骨下骨の変性または破壊の処置または予防に最も高い活性を持つエナンチオマーである。
【0083】
本発明の一つの特に好適な態様は、本発明の方法および組成物における活性成分または治療剤としてカルプロフェンの(S)−エナンチオマー、6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−酢酸のみを使用している。しかしながら、他の態様も同様に本発明のこの好適な種類の範囲内にあることが企図されている。例えば、(R)−および(S)−エナンチオマーの非ラセミ混合物も使用でき、それにおいては(S)−エナンチオマーは少なくとも85%、好適には少なくとも90%、より好適には少なくとも95%で、および最も好適には少なくとも99%の量で存在している。
【0084】
(R)−および(S)−エナンチオマーは分子量、密度などが同一であるので、上に列挙したパーセントの基準について述べる必要はない。別の言葉で言えば、それらは重量、容量、化学当量などによるパーセントである。上に示した量の(R)−エナンチオマーを含んでいる理由は、ラセミ混合物から絶対的に最後まで(R)−エナンチオマーを除去する必要がないという実用的な面での単純なことである。有益な全生物学的特性に関連してそのようにすることの理由もある。
【0085】
カルプロフェン化合物類に対して本明細書の他の部分で列挙されている投与量範囲は、キラル化合物が含まれているエナンチオマーの50:50ラセミ混合物について記載されていることを当業者は理解するであろう。これは主として便利さの問題として行われてきた。50:50混合物と異なったエナンチオマーの混合物を含む治療剤として活性成分が使用されている場合、または治療剤が実質的に100%の単独の(+)(S)または(−)(R)−エナンチオマーを含んでいる場合、当業者は必要とされる用量の実際の量を非常に明瞭な様式で、即ち使用されているエナンチオマーの量とエナンチオマーの50:50混合物に基づいて列挙された投与量に存在する量の比を反映する因子で列挙された投与量に単純に掛けることにより計算することができる。従って、エナンチオマーの50:50ラセミ混合物で列挙された投与量が4mg/kg/日の場合、実質的に100%の(+)(S)−エナンチオマーが使用される時の対応する投与量は列挙された量の2分の1、即ち2mg/kg/日である。
【0086】
カルプロフェン化合物の好適な種類のものを含んでいる本発明の医薬組成物は50%の(S)−エナンチオマーを含んでいるラセミ混合物、ならびに50%未満の(R)−エナンチオマーと一緒の約99%またはそれ未満の非ラセミ混合物の使用を企図しているので、キラル炭素を持つ式(I)の化合物のカルプロフェン類ラセミ体の光学活性異性体への分割を実施しなければならない。このことは本分野では既知の方法および技術を用いて容易に達成できる。例えば、いくつかのラセミ混合物は共晶として沈澱でき、その後にそれらは分離できる。しかしながら、通常は分離に化学的方法を使用するのが好適である(ラセミ混合物と光学活性な分離試薬から形成されるジアステレオマーに従って)。例えば、光学活性塩基(例えば、D−α−メチルベンジルアミン)はカルボキシル基と反応できる。そのようにして形成されたジアステレオマーは選択的結晶化により分離され、対応する光学異性体へ変換される。
【0087】
本発明で使用されたカルプロフェン化合物類のすべての軟骨保護、治療的に活性なおよび医薬として受容可能な塩形、プロドラッグおよび代謝物が本発明の範囲に含まれている。これには特に、”A”が”ヒドロキシ”以外のものとして定義される場合、式(I)の化合物を医薬として受容可能な有機および無機酸で処理することにより形成されたそれらの酸付加塩が含まれる:例えば、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素のようなヒドロハライド;硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などのような他の鉱酸およびそれらの対応する塩;およびエタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩のようなアルキル−およびモノ−アリールスルホン酸塩;および酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩など。
【0088】
本発明で使用されたカルプロフェン化合物類で”A”が”ヒドロキシ”と定義された場合、それらの塩は医薬として受容可能な塩基で処理することにより形成されるであろう。そのような塩基の例は水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物;水酸化バリウムおよび水酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属水酸化物;例えば、カリウムエタノレートおよびナトリウムプロパノレートのようなアルカリ金属アルコキシド;およびピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルタミンのような種々の有機塩基である。式(I)の化合物のアルミニウム塩もまた含まれる。
【0089】
式(I)の化合物の種々の上記の塩形の使用に加え、上に列挙した化合物のすべての軟骨保護、治療的に活性なおよび医薬として受容可能なプロドラッグおよび代謝物の活性成分としての使用が本発明の範囲に含まれている。特に、これにはR9が(C1−C2)アルキル、特にメチル;フェニルまたはフェニル−(C1−C2)アルキル(特にベンジル)、ここでフェニルは随意にフルオロまたはクロロで一置換されている、特に4−フルオロ−フェニル;−C(=O)−R、式中Rは(C1−C2)アルキルまたはフェニルであり、特にアセチルおよびベンゾイル、ここでフェニルは随意にフルオロまたはクロロで一置換されている;または−C(=O)−O−R1、式中R1は(C1−C2)アルキルである、特にアセチルオキシ;である誘導体が含まれる。これらのN−残基は式(I)の化合物の代謝間に容易に切断される
【0090】
式(I)の化合物またはそれらのエナンチオマーまたは塩が本発明の方法および組成物における活性成分として使用されるため、それらは標準医薬剤形内へ取り込ませることができる。それらは例えば、全身的または局所的、経口または非経口投与で投与された場合に有用であり、およびこの目的のため通常の医薬賦形剤、希釈剤および補助剤、例えば、水、ゼラチン、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、タルク、野菜油、ゴム、ポリエチレングリコールなどと組み合わされる。これらの医薬製剤は固体形、例えば、錠剤、カプセルおよび特に哺乳類に適した味の良い食品と組み合わせてまたは混合して用いることができる;またはそれらを液体形、例えば、溶液およびエレキシルで投与できる。添加できる賦形剤および補助剤には、保存剤、抗酸化剤、抗菌剤および他の安定化剤;湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤および抗固化化合物;芳香剤および着色剤;圧縮性を改良する、または活性成分を遅延−、徐放−または制御−放出させるための組成物;および医薬製剤の浸透圧を変化させるための、または緩衝液として働くための種々の塩が含まれる。成功裡に使用された特別の剤形は静脈内注射のためのカプロフェンの5%混合ミセル溶液、および25mg、75mgおよび100mg量の経口錠剤である。
【0091】
本発明の方法および組成物、特に阻害剤が6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−酢酸を含む、および生じるエナンチオマーの両方が一緒に存在する場合、非ラセミ混合物を使用するのが好適である。特に、そのような好適な非ラセミ混合物においては、(+)(S)エナンチオマーが少なくとも85%、好適には少なくとも90%、より好適には少なくとも95%で、および最も好適には少なくとも99%の量で存在しているのが望ましい。従って、そのような非ラセミ混合物においては(+)(S)エナンチオマーが主成分であろう(なぜなら、軟骨保護を提供することにおいて(−)(R)エナンチオマーより著しく強力である)。相応じて、より少ない量の(−)(R)エナンチオマー、即ち、各々15%未満、10%未満および5%未満、が随意に含まれており、軟骨保護特性の均衡が望ましいと思われる。存在する(−)(R)エナンチオマーの量が6%未満および1%未満の場合、これらが含まれている理由は、エナンチオマーを分割するために使用された方法の実用性を普通は反映するであろう。この方法は時間がかかりおよびお金を必要とするので、実際的な立場から、単に少量の(−)(R)エナンチオマーを最後の非ラセミ混合物最終生成物へ持ち込まさせるのがしばしば望ましい。
【0092】
本発明の式(I)の軟骨保護化合物は、処置されるべき哺乳類に医薬組成物として適した液体形で、注射または注入により全身的に投与されるであろう。哺乳類の体には、一度注射または注入されたら処方された医薬組成物を処置されている哺乳類の全身およびすべての器官系へ浸透させることを可能にする多くの部位および器官系が存在する。通常注射器による注射は関与する組織内へ焦点を合わせた医薬組成物の一回投与である。注射の最も普通の型は筋肉内、静脈内および皮下である。対照的に、注入は関与する組織への医薬組成物の漸進的な導入である。注入の最も普通の型は静脈内である。注射または注入の他の型には動脈内、皮内または経皮(皮下を含む)または脊椎内(特に鞘内)が含まれる。これらの液体医薬組成物において、軟骨保護化合物は溶質として溶液内に含まれているであろう。これはそのような化合物の最も普通で最も好適な型であるが、かなり良好な水溶性を持っている式(I)の化合物の塩形を必要とする。水(または塩溶液)はそのような化合物に対しては好適な溶媒ではない。時折、過飽和溶液が利用されるであろうが、毎日の使用には、それらを実行不可能にする安定性の問題が存在する。
【0093】
必要な程度の水溶解性を持ついくつかの式(I)の化合物の形を得ることは不可能であり(しばしば起こる)、一つの液体の小さな乳球(不連続、内部相)がそれが混和しない第二の液体(連続的、外部相)へ分散されている乳剤を作製するのは当業者の範囲である。二つの液体は、医薬として受容可能な乳化剤の使用により乳化された状態に保たれている。従って、もし式(I)の軟骨保護化合物が水不溶性油であるならば、不連続相である乳剤で投与できる。また、阻害剤が水に不溶であるが、水と混和しない溶媒に溶解可能である場合、乳剤が使用できる。式(I)の化合物は最も普通には、水中油エマルジョンと称される不連続または内部相として使用されるであろうが、通常油中水エマルジョンと称される不連続、内部相の逆エマルジョンとしても使用できる。本例では式(I)の化合物は水に可溶性であり、単純な水性溶液として投与できた。
【0094】
しかしながら、逆エマルジョンは血液のような水性媒質内へ注射または注入により逆転し、水性溶液を用いて得ることができる分散より水性媒質内への該化合物のより迅速で有効な分散を与えるという利点がある。逆エマルジョンは本分野でよく知られている適した、医薬として受容可能な乳化剤を使用して調製される。式(I)の軟骨保護化合物が限られた水溶解性しか持っていない場合、適切な、医薬として受容可能な懸濁剤を用いて調製された懸濁液中に懸濁されたコロイドまたは微粒子状の固形物としても投与できる。該化合物を含んでいる懸濁固形物はまた、遅延−、徐放−または制御−放出組成物として処方できる。
【0095】
全身投与は最も普通には液体の注射または注入で実施されるであろうが、式(I)の軟骨保護化合物を固体として送達するのが都合がよいまたは必要な多くの状況が存在する。固体の全身投与は、該化合物を含んでいる適した固体形医薬組成物のインスチレーションにより実施される。該化合物のインスチレーションは、適した体組織または腔内への固体移植片組成物の設置を必要とする。移植片は固体式(I)の軟骨保護化合物の粒子が分散されている、または可能であれば液体の式(I)の軟骨保護化合物が小球または単離された細胞に捕捉されている生物適合性および生物分解性物質のマトリックスから成っている。望ましくは、マトリックスは体により分解および完全に吸収されるであろう。マトリックスの組成物はまた好適には長い時間に渡って(数ヶ月に及んで)式(I)の該化合物の遅延−、徐放−または制御−放出を提供するように選択される。
【0096】
本明細書に記載された剤形の相当な数が、該剤形からの活性成分の制御−、徐放−および/または遅延−放出を提供するように処方されるであろう。式(I)活性成分の軟骨保護化合物の遅延−、徐放−および/または制御−放出を提供する本発明の医薬組成物の特に好適な態様においては、少なくとも4時間;好適には少なくとも8時間;より好適には少なくとも12時間;さらにより好適には少なくとも16時間;さらにまだより好適には少なくとも20時間;最も好適には約24時間;少なくとも10μg/mLの該化合物の血漿濃度を生じるすべてのそのような経口投与剤形が含まれている。好適には、少なくとも4時間、好適には少なくとも8時間、より好適には少なくとも12時間、さらにより好適には少なくとも20時間、および最も好適には約24時間、少なくとも15μg/mLの該阻害剤の血漿濃度を生じる上記の剤形が含まれる。より好適には、少なくとも4時間、好適には少なくとも8時間、より好適には少なくとも12時間、さらにより好適には少なくとも20時間、および最も好適には約24時間、少なくとも20μg/mLの該阻害剤の血漿濃度を生じる上記の剤形が含まれる。
【0097】
従って、本発明に従ったカプロフェンの有用な制御放出剤形は、2mg/lbで一回経口投与後、その日のほとんどを2μg/mLより高いカプロフェン血漿濃度を維持するものである。本発明に従ったカプロフェンの好適な経口制御放出剤形は、即時放出剤形および制御放出剤形が同一の用量(例えば、2、1.8、1.6または1.4mg/lb)で投与された場合、カプロフェンの即時放出剤形が10μg/mLよりも高い血漿レベルを維持するよりも長い時間に渡って相当する血漿カプロフェン濃度を維持するものである。例えば、本発明の2mg/lb経口制御放出剤形は10μg/mLよりも高いカプロフェン血漿レベルを10.5時間以上維持する。
【0098】
1.8、1.6および1.4mg/lbの量を含む即時放出カプロフェン剤形は10μg/mLよりも上の血漿カプロフェン濃度を各々9.5時間、8.5時間および7.5時間維持する。好適な1.8mg/lb経口制御放出カプロフェン剤形は10μg/mLよりも上の血漿カプロフェン濃度を9.5時間以上維持する。同様に、1.4mg/lbおよび1.6mg/lb用量の持続限界は各々8.5時間および7.5時間である。2mg/lbより高いまたは1.4mg/lbより低い投与量での好適な経口制御放出カプロフェン剤形の性能特性は直線状薬物動態学を仮定して同様に計算できる。より好適な経口制御放出カプロフェン剤形は、10μg/mLよりも高い血漿カプロフェン濃度を、即時放出カプロフェン剤形がより高い用量で投与された場合より長いまたは同等の時間維持するものである。
【0099】
最も好適な経口制御放出カプロフェン剤形は(該経口制御放出剤形は2mg/lb未満の量で投与された場合)、約10μg/mLよりも高い血漿カプロフェンレベルを、即時放出2mg/lbカプロフェン剤形で観察された時間(10.5時間)よりも長いまたは等しい期間維持できるものである。2mg/lb経口即時放出剤形の性能は、2mg/lb/日は本明細書に記載されているように本発明に従って現在推奨されているおよび受け入れられているた有効な経口投与量であるので、この比較の目的のための基本的標準として採用される。
【0100】
用語”移植片”はいつでも式(I)の軟骨保護化合物を含んでいる固形医薬組成物を指し、一方、”デポー剤”は通常適した体組織または腔に沈着され、取り囲んだ組織および器官へ徐々に移動して最終的には全身に分布するようになるような貯蔵所またはプールを形成する、式(I)の該化合物を含んでいる液体医薬組成物を意味している。しかしながら、これらの区別は本分野ではいつも厳格ではなく、その結果、液体移植片および固体デポー剤および各々の混合固体および液体形さえも本発明の範囲内に含まれている。
【0101】
液体または固体形の式(I)の軟骨保護化合物を利用する全身投与の他の手段には経皮経路が含まれる。特に、よく知られた薬物送達技術に従って調製された経皮パッチが調製され、処置されるべき哺乳類の皮膚へ応用され、その後、その処方された溶解性特性により活性成分は表皮を通って哺乳類皮膚の真皮層内へ移動し、そこで哺乳類の一般的循環系の一部に乗せられ、最後には所望の長期間活性成分の全身分布が得られる。皮膚の表皮層の下(即ち、処置されている哺乳類皮膚の表皮と真皮の間)に置かれた移植物もまた含まれる。そのような移植物はこの送達技術で普通に使用されるよく知られた原理および材料に従って処方されるであろうし、哺乳類の全身循環系内への活性成分の制御−、徐放−および/または遅延−放出を提供するような様式で調製されるであろう。そのような表皮下移植物は経皮パッチと同一の設置の容易さおよび送達効率を与えるが、哺乳類皮膚の最も上の層に暴露されている結果としての分解、損傷または不慮の除去を受ける制限がない。
【0102】
哺乳類への経口投与のために適した特別の型の医薬組成物もまた考案された。経口投与に適した医薬組成物(即ち、口による摂取または口を通した投与)は固体または液体であろう。全身投与のために好適な経口剤形は固体(例えば、速く溶解する味の良いワッフル、錠剤、カプセル、カプレットなどのような味の良い経口組成物)および液体(例えば、溶液、懸濁液、乳剤など)である。哺乳類への経口投与に適した特別の型の医薬組成物には、処置されている哺乳類の舌の裏側へ送達されるべき経口ペースト、哺乳類の食物へ取り込まれて送達されるべき顆粒形および活性成分が味の良いかみ菓子とともに消費されるかむことができる形、または処置されている哺乳類による咀嚼の間に、消費されないかみ菓子の本体からこし取られることにより活性成分が送達されるかむことができる形が含まれるが、そのような品目に制限されるわけではない。本分野で知られているように、そのような味の良い組成物の処方は、起こるであろう剤形の咀嚼の程度に関する哺乳類の行動および得られる投与レベルが考えに入れられる。
【0103】
本明細書に記載されている他の投与経路および対応する剤形と同じように、経口投与が意図される剤形もまた、活性成分の制御−、徐放−および/または遅延−放出を提供するように適切に処方される。典型的には、これらには遅延放出経口錠剤、カプセルおよび多粒子物、ならびに活性成分の哺乳類胃での放出および吸収を防止し、胃から遠い腸送達(哺乳類の小腸)を容易にする腸溶性錠剤が含まれる。他の典型的な経口剤形には、活性成分の制御された様式での長時間に渡る(例えば24時間)全身送達を提供する徐放放出経口錠剤、カプセルおよび微粒子物が含まれるであろう。活性成分の迅速な送達が必要とされるまたは望まれる場合、制御放出経口剤形は急速溶解錠剤の形で製剤され、それは好適には活性成分の高度に可溶性の塩を含んでいる。
【0104】
本発明の範囲内にあることが企図される剤形の説明は、主として便宜上、そのような剤形を局所および全身投与、ならびに固体および液体形に分けられた。しかしながら、これらの区別はかなり任意であり、投与経路および剤形に関して本発明の範囲を制限するものと取ってはならない。例えば、投与のいくつかの経路は、表面的には局所的であるが、全身的作用または結果を持っていることを本説明は明らかにしている。本明細書で液体および固体剤形間に引かれた線もまた、実際の実施では不明瞭であろう。例えば、本発明で使用するための適した経口剤形にはカプセルに包まれた液体、混合固体および液体処方が含まれる。本発明の範囲内であるマイクロエマルジョン処方も混合固体および液体剤形として特徴付けられるであろう。
【0105】
式(I)の軟骨保護化合物は処置されるべき哺乳類の関節へ局所的に投与される。局所vs全身投与は、関節軟骨変性初期段階の哺乳類へ軟骨保護化合物含有医薬組成物を送達するより焦点を合わせたvsより一般的化された様式を必然的に伴う。しかしながら、デポー剤および移植片の使用ならびに遅延−、徐放−および制御−放出処方はこれらの区別をぼんやりとさせがちである。従って、式(I)の軟骨保護化合物を含んでいる上記の液体および固体医薬組成物は、大部分、同様に局所投与に使用できるが、投与部位の局所組織内への式(I)の化合物の吸収を促進する傾向を示すが、全身的持ち込みを生じるより外側のおよび遠位の組織内への阻害剤の侵入および移動を妨げる傾向がある該組成物の成分の選択に重きが置かれる。
【0106】
局所投与は、式(I)の軟骨保護化合物が注射、注入、移植、設置、挿入またはインスチルされる適した関節組織に焦点を合わされている。そのような投与には関節内、軟骨内、肋骨内、靱帯内、骨髄内、筋肉内、骨内、骨盤内、脊椎内、胸骨内、滑膜内、足根骨内、鞘内または静脈内が含まれるがそれらに制限されるわけではない。
【0107】
式(I)の軟骨保護化合物を含む液体形の医薬組成物は関節部位内または非常に近くに液体を注射できるという利点を持っている。式(I)の化合物の直接関節内への注射により、短時間で該化合物の高濃度を達成することが可能であり、従って、関節組織への該化合物の接近および式(I)の化合物の治療活性を実質上促進するだけでなく、同時に、起こるかもしれない不都合な副反応の発生を最小化している。結果は、式(I)の化合物の高局所濃度とそれに相応するような低全身持ち出し濃度である。
【0108】
医薬組成物が遅延−放出、制御−放出および徐放−放出形である式(I)の軟骨保護化合物含有医薬組成物の注射も行える。認識された組成物のこれらの処方は、必要なら、前もって決められた速度または可変的速度での式(I)の化合物の連続的放出を提供するために分解性マトリックスおよび一連の被覆が用いられた固体、半固体、ゲルまたは他の液体/固体の組み合わせであろう。用語”延ばされた放出”および”長期作用性”ならびに他の同様の用語はこれらの処方を説明するために使用された。これらのすべては、マトリックス内に含まれる式(I)の化合物のゆっくりしたおよび/または均一の投与を得るために種々の生物分解性ポリマー(例えば、種々のセルロースポリマー)および天然の材料(例えば、トウモロコシ澱粉およびステアリン酸マグネシウム)の組み合わせを用いている。これらの医薬組成物はもし適切に液体または懸濁可能であれば関節部位へ注射され、もしその性質がより固体であれば他の手段で送達されるであろう。
【0109】
関節軟骨または軟骨下骨変性または破壊を処置または予防するための、式(I)の軟骨保護化合物の治療的有効量は処置されている哺乳類に、一日当たり、該哺乳類の体重キログラム当たりのミリグラムで表現された(mg/kg/日)量で投与される。本明細書で使用される表現”一日当たり”とは、処置されている哺乳類へ毎日投与される特定の剤形に必ず必要とされるものと解釈してはならない。表現”一日当たり”とは、投与されている軟骨保護化合物の投与量を測定するため、全体の単位の一部として使用されている時間の最も小さいしかし任意の区切りの単なる指標である。投与量、即ち、関節軟骨または軟骨下骨変性または破壊を処置または予防するための式(I)の化合物の治療的有効量は通常、約0.01mg/kg/日から約20.0mg/kg/日、好適には約0.1mg/kg/日から約12.0mg/kg/日、より好適には約0.5mg/kg/日から約10.0mg/kg/日、および最も好適には約0.5mg/kg/日から約8.0mg/kg/日の範囲である。例えば、50lbの哺乳類は23kg(1kg=2.2lb)の体重であり、従って、最も好適には一日当たり約10mgから約180mgの治療薬剤で処置されるであろう。分割量は重要ではなく、投与量は、癒合よく利用できる一回投与量に対応する数に適切に四捨五入されるであろう。剤形が例えば注射可能な液体の場合、好適な投与量はより正確に達成されるであろう。一方、剤形が例えば経口錠剤の場合、好適な投与量により近づける必要があろう。従って、10mg投与量は25mg錠剤を用いて近づけることができ、180mg投与量は100mgの錠剤とともに75mg錠剤または三つの25mg錠剤で近づけることができた(この3種類の錠剤は経口錠剤のための典型的な用量である)。当業者には明らかになるであろうが、最もしばしば用いられる剤形は経口錠剤であり、多数の哺乳類が毎日処置され、該錠剤の利用可能な用量のすべてを含む(例えば、25mg、75mgおよび100mg錠剤)ディスペンサーの使用により得られるのがさらに便利である。このようにして、事実上任意の好適な投与量を該錠剤および/またはそれらの半分の組み合わせを用いて近づけることができる。
【0110】
当業者(獣医師のような)は好適な投与経路および対応する剤形および量を決定するだけでなく、該当業者は投与計画(即ち、投与の頻度)も決定する必要がある。一般的に、1日1回(s.i.d)投与および1日2回(b.i.d)投与の間が選択されるのが最もありそうであり、前者はより迅速で深在性治療を提供し、一方、後者は深在性は少ないがより持続した治療を提供するであろう。しかしながら、この一般化は含まれる関節軟骨または軟骨下骨変性または破壊の特別の型およびその薬物動態学および含まれる特別の患者(哺乳類)のような重要な変数を考慮に入れていない。市場で承認された製品に対しては、この情報のほとんどは、そのような承認を得るために実施された臨床研究の結果からすでに得られている。その他の場合、そのような情報は当業者の知識に照らして、本明細書に含まれている教えおよび案内に従って率直な様式で得られるであろう。得られる結果はまた、同じアッセイで承認された製品の対応する評価と関連づけられる。
【0111】
上に列記した投与量の範囲は(本明細書の別のところでも列記されている)、キラル炭素を持つ式(I)の化合物のラセミ混合物またはキラル炭素が存在しない単一の式(I)の化合物に対するものである。当業者(即ち、実施する獣医師または動物健康の問題に上級の学位および経験を持つ人)には理解されるであろうように、式(I)の化合物のラセミ混合体以外のものが含まれている場合は軟骨保護治療的有効量は変化する。例えば、混合物の85%が(S)−エナンチオマーであるならば、通常必要な投与量を減少させる傾向がある。これらの考慮は仮定された等しい効力、および(S)−エナンチオマーは(R)−エナンチオマーよりも著しくより活性であるという事実に基づいている。しかしながら、二つのエナンチオマーの活性間の相違の程度は他の相違、特に二つのエナンチオマー間の薬物動態学の相違も適切な投与量の決定に考えに入れなければならない。例えば、(+)(S)および(−)(R)エナンチオマー間のクリアランス率に著しい相違が観察されている。このことは、順に、投与されるべき活性化合物の量に計算可能な影響を持っているであろう。通常、そのような決定は当業者により1件づつなされるであろうが、それは当業者の範囲内であり、方法を設けるにつれてそれにより計算を指示するために必要なデータが得られるであろう。
【0112】
典型的な剤形および量には以下のものが含まれる(1)体重の4.0mg/kg/日の適用量でのカプロフェンの静脈内投与、右頭部静脈に注射された;(2)体重の4.0mg/kg/日の適用量でのカプロフェンの経口投与、経口ペーストとして舌の裏側に注射器で、給餌の1時間前に与えられた;および(3)25mg、75mgおよび100mg錠剤製剤として体重の4.0mg/kg/日の適用量でのカプロフェンの経口投与、処置されている哺乳類の舌の裏側に置かれた、給餌の1時間前に与えられた。
【0113】
本発明の活性成分はまた、当業者には容易に明らかになるであろう、および本発明の治療剤が投与される環境により通常決定されるであろう他の治療的に活性な成分と組み合わされるであろう。例えば、関節が同時に微生物(例えば、細菌、真菌、原虫、ウイルスなど)により重度に感染された場合、本発明の活性成分は望ましくは一つまたはそれ以上の抗生物質、抗菌剤、抗原虫剤、抗ウイルス剤または類似の治療剤と組み合わせて投与されるであろう。本発明の活性成分はNSAIDならびに炎症の他のメディエーターの阻害剤と組み合わされて投与されるであろう。そのような阻害剤の追加の種類およびそれらの例には以下のものが含まれる:例えば、H1−レセプターアンタゴニスト;キニン−B1およびB2−レセプターアンタゴニスト;PGD−、PGF−、PGI2−およびPGE−レセプターアンタゴニストのようなプロスタグランジン阻害剤;トロンボキサンA2(TXA2)−阻害剤;5−および12−リポキシゲナーゼ阻害剤;ロイコトリエンLCT4−、LTC4/LTE4−およびLTB4−阻害剤;PAF−レセプターアンタゴニスト;種々の親水性基を持つアウロチオの形の金;免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、アザチオプリンおよびメトトレキセート);抗炎症性グルココルチコイド(例えば、デキサメタゾン);広スペクトル抗寄生虫抗生物質(例えば、アベルメクチンおよびミベマイシン);ペニシラミン;ヒドロキシクロロキン;抗通風薬(例えば、コルヒチン);キサンチンオキシダーゼ阻害剤(例えば、アロプリノール);尿酸***薬(例えば、プロベネシド、スルフィンピラゾンおよびベンズブロマロン)。
【0114】
広いスペクトルの駆虫性抗生物質(例えば、アベルメクチンおよびミルベマイシン)である治療剤の種類は、これらの内部および外部寄生生物撲滅薬は哺乳類に長期に渡って投与されるので(特に、重度の寄生虫感染の処置のためにネコおよびイヌに)、式(I)の軟骨保護化合物との同時投与および他の型の組み合わせ治療の特に良好な候補である。これらの最も重要なものの一つはハートウォームであり、それは非常に有害であり、しばしばネコおよびイヌの致死的寄生虫である。アベルメクチンは5環式16員ラクトンの部類であり、構造はミルベマイシンに相関しており、ストレプトミセス アベルミチリスの培養物から単離される。特別の薬剤にはアベルメクチンA1a/b'、アベルメクチンA2a/b'、アベルメクチンB1a/b'およびアベルメクチンB2a/b'が挙げられる。アベルメクチンは全文のまま本明細書で援用されるUS4310159により詳細に記載されている。ミルベマイシンは殺虫および殺ダニ活性を持つ新規マクロライド抗生物質のファミリーであり、ストレプトミセス ヒグロスコピカスの培養物から単離される。ミルベマイシンは全文のまま本明細書で援用されるUS3950360により詳細に記載されている。 広いスペクトルの駆虫性抗生物質の範囲内に含まれているさらに別の化合物のファミリーはアベルメクチンおよびミルベマイシンに化学構造および生物学的活性が関連しているものであり、それは式(II)により表される:
【化10】
Figure 0003749634
【0115】
このマクロライドのファミリーはWO94/15944およびEP0677054(両方とも全文のまま本明細書で援用される)により詳細に記載されている。
【0116】
関節軟骨変性の初期段階は老齢哺乳類で頻繁であるので、当業者は式(I)の軟骨保護化合物が年を取った哺乳類に多数観察される疾患状態、症候群および徴候の処置を意図する治療薬と組み合わせて投与されることを理解するであろう。そのような治療薬およびそれらが処置のために使用される状態には、例えば、記憶喪失および障害を抑える充血治療薬;抗異常運動/抗パーキンソン病薬(例えば、セレゲリン)が含まれる。そのような治療薬の別の大きな部類には以下のものが含まれる:アンギナ、鬱血性心不全および心筋梗塞を含む心筋虚血症の帰結を相殺することが意図された抗高血圧および他の心血管薬、例えば、利尿薬、ヒドラジンのような血管拡張薬、プロプラノールのようなβ−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト、僧帽弁閉鎖不全症を持つ老年哺乳類を処置するために使用されるエナラプリルのようなアンギオテンシン−II変換酵素阻害剤(ACE−阻害剤)およびエナラプリル単独および中性エンドペプチダーゼ阻害剤との組み合わせ、ロサルタンのようなアンギオテンシン−IIレセプターアンタゴニスト、レニン阻害剤、ニフェジピンのようなカルシウムチャンネル阻止剤、メチルドーパのような交換神経遮断薬、クロニジンのようなα2−アドレナリンアゴニスト、プラゾシンのようなα−アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストおよびロバスタチンのようなHMG−CoA−還元酵素阻害剤(抗高コレステロール血症)。
【0117】
そのような治療剤のさらに別の種類には種々の癌を処置するための抗腫瘍薬、特にビンブラスチンおよびビンクリスチンのようなビンカアルカロイドを含む細胞***抑制薬;腎不全を処置するための治療剤;哺乳類における過体重問題を処置するための抗肥満薬;通常哺乳類を悩ませる内部および外部寄生虫の両方を処置するための抗寄生虫薬;および哺乳類における心因性掻痒症の種々の型を処置するための抗心因性掻痒症薬が含まれる。
【0118】
本発明の抗炎症性薬と組み合わせて使用できる他の型の薬剤には、増殖因子分泌促進物質;強力な鎮痛薬;局所および全身麻酔薬;およびH2−レセプターおよび他の胃保護薬が含まれる。いくつかの上記の治療剤の組み合わせは哺乳類における種々の急性状態を処置するために最も頻繁に使用されるであろうことを当業者は理解するであろう、例えば、変性性関節疾患と同時に起こっている細菌感染。しかしながら、哺乳類の慢性状態を処置している当業者の一部により大きな関心を起こさないならば対等であろう。
【0119】
この目的に使用される投与計画に従うと、式(I)の軟骨保護化合物は、高脂血症のような慢性状態を処置するために規則的に計画されて使用される他の医薬と組み合わせて投与されることが企図されている。組み合わせ投与が多数の異なった形が仮定できることが心に描かれるが、それもなお本発明の範囲内である。例えば、式(I)の軟骨保護化合物は、意図される組み合わせを形成する一つまたはそれ以上の他の治療薬と、組み合わせを形成するすべての薬剤を含む経口錠剤のような都合のよい剤形に単に処方されるであろう。異なった薬剤のための変化する半減期は、比較的均一な投与が達成されるように異なった放出時間を持つ該薬剤の制御放出形を作ることによる処方の調製で当業者により適応できる。剤形として使用される医薬添加飼料もまた処方分野でよく知られている原理に従って調製でき、そこでは組み合わされて使用された薬剤は単に飼料成分と混合されて一緒に存在していた。本発明はまた、薬剤の組み合わせが組み合わされるべき薬剤との同時投与により達成される同時投与も企図されている。そのような同時投与は異なった剤形および投与経路によってもできる。本発明はさらに異なったしかし規則的で連続的な投与計画に従ったそのような組み合わせの使用を企図しており、それによりたとえ組み合わせを形成する個々の薬剤が処置されている哺乳類に同時に投与されていなくても該哺乳類において関与する薬剤の所望の血漿レベルが維持されていた。
【0120】
前に説明したように、本発明は二つの基本的な工程から成っている:(I)候補哺乳類の状態が、該哺乳類の一つまたはそれ以上の関節の関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階に現在あるまたは予期されるかについて確立し、それにより該哺乳類がそのような処置を必要としていることを確認し;およびそれにより(II)関節軟骨または軟骨下骨変性の該初期段階を処置または予防するために式(I)の軟骨保護化合物の治療的に有効な量を該哺乳類に投与することにより該初期段階を処置または予防する。工程(II)の種々の態様はすでに詳細に上で議論されている。従って、工程(I)の態様がここで詳細に議論されるであろう。
【0121】
哺乳類が現在または将来的に、該哺乳類の一つまたはそれ以上の関節で関節軟骨または軟骨下骨変性の初期段階であるのかどうかについて本発明に従った処置の候補である哺乳類の状態を確立する必要がある。本明細書で使用された表現”現在または将来的に”とは決定を行う以下に議論する方法に従うと、現在そのような処置を必要としていると、または近い将来そのような処置を必要とすることが非常にありそうなまたは予期されると候補哺乳類を同定することが可能であることを意味するつもりである。処置の予防的必要性は、当業者の経験から関節軟骨および軟骨下骨変性の初期段階へ直接的に導く陽性因子の決定により確立されるであろう。例えば、当業者は哺乳類(特にイヌ)の臨床試験から、それが初期の股形成異常を持っていることを確立できるであろうし、この結論を、イヌが近い将来に股関節異常を発症するであろうことを確立された測定法に従って決定できるラジオグラフィー的証拠で確認できるであろう。
【0122】
従って、処置の必要性は(1)臨床関節鏡試験からの陽性結果および候補哺乳類の関節評価から決定されるであろう。初期または実現股関節異常の診断はすでに議論されている。他の臨床的徴候学および症候には候補哺乳類関節の直接試験から得られたものが含まれるであろう。
【0123】
当業者はまた、(2)候補哺乳類の一つまたはそれ以上の関節に対する侵襲的手術過程の実施は、処置が必要であったと結論するそれ自身による十分な理由がある状況下であることを気付くであろう。このことは、哺乳類(特にイヌ)関節の侵襲的手術は、手術前の効率的なそのいつもの荷重耐える関節の能力を必然的に退化させるという事実からきている。当業者の経験では関節に対する機械的ストレスの増加は関節軟骨および軟骨下骨変性の初期段階へ直接的に導くであろう。そのような関節に対する手術はまた、血液および炎症の原因因子であるサイトカインおよび他の因子を含んでいる他の液体の滲出も起こし、それにより、それらの軟骨および軟骨下骨を含む関節の固形組織内への移動および吸収を可能にする。当業者はこのことがまた、関節軟骨および軟骨下骨変性の初期段階へ直接的に導くことを理解するであろう。
【0124】
さらに、処置の必要性は(3)ラジオグラフィーおよび磁気共鳴イメージング(MRI)を含む非侵襲的方法を用いた該哺乳類の一つまたはそれ以上の関節の試験からの陽性結果により決定または確認されるであろう。後者の技術は前者よりも軟組織の評価は良好である。MRIは軟組織の増加したコントラスト分解能を示す、多平面身体イメージングのための技術である。MRIは軟組織変化を可視化できるので、関節軟骨および軟骨下骨変性の初期変化の病理をイメージングするのに適している。
【0125】
処置の必要性は(4)下記の物質の一つまたはそれ以上に関して候補哺乳類の体液または関節組織に対して実施された生化学試験からの陽性結果により決定または確認されるであろう:インターロイキン−1ベータ(IL−1β)の増加;腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)の増加;IL−1レセプターアンタゴニストタンパク質(IRAP)に対するIL−1βの比の増加;p55TNFレセプター(p55TNF−R)発現の増加;インターロイキン−6(IL−6)の増加;白血病阻害因子(LIF)の増加;インスリン様増殖因子−1(IGF−1)の未変化または減少;形質転換増殖因子ベータ(TGFβ)の減少;血小板由来増殖因子(PDGF)の未変化または減少;塩基性線維芽細胞増殖因子(b−FGF)の未変化または減少;ケラタン硫酸の増加;ストロメリシンの増加;メタロプロテアーゼの組織阻害剤(TIMP)に対するストロメリシンの比の増加;オステオカルシンの増加;アルカリ性ホスファターゼの増加;ホルモンチャレンジに対するcAMP応答性の増加;ウロキナーゼ プラスミノーゲン活性化剤(uPA)の増加;軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質の増加;およびコラゲナーゼの増加。
【0126】
【実施例】
本発明の方法および組成物をさらに示すため、以下の節で、該方法の実施に用いられるであろう典型的な方法の特別の説明的実施例が示される。しかしながら、該実施例は例示であることのみが意図されており、いかようにも本発明の制限として取ってはならず、その目的には請求の範囲が添えられている。
【0127】
実施例1
骨格的に成熟した雑種哺乳類(各々20から25kg)の三つの群が、哺乳類における関節軟骨変性の初期段階のためのマーカーであり、および従って、薬学的仲介の適した候補である哺乳類の同定に使用されるであろう軟骨下骨変化を示すことが目的の研究に使用される。
【0128】
群Iにおいて、関節性変形症はPelletier,J−P.;Martel−Pelletier,J.;Altman,R.D.;Ghandur−Mnaymneh,L.;Howell,D.S.;Woessner,J.F.,Jr.;”関節性変形症のPond-Nuki哺乳類モデルにおける関節軟骨のコラ−ゲン分解性活性およびコラーゲンマトリックス分解”,Arthritis Rheum,26,1983,866-874;に記載されている手術法を用いてこれらの哺乳類(n=4)に誘導され、ここで該哺乳類はペントバルビタール ナトリウムの静脈注射により麻酔され(25mg/kg)、刺切創により右膝前部十字靱帯が切断される。手術後、哺乳類は囲いに入れ自由に運動させた。哺乳類にはカプロフェン、6−クロロ−α−メチル−9H−カルバゾール−2−酢酸、を手術後4週から始めて、2.2mg/kg bid poの投与量で8週間投与した。非切開動物(n=4)の右膝を正常対照とした。群IIおよびIII(n=4、各々の群)は同様の様式で手術されたが、処置は受けていない。群IおよびIIの哺乳類は手術後12週目にネンブタールの静脈内過剰投与により殺し、一方、群IIIの哺乳類は同様の方法で手術後4週目に殺した。正常哺乳類もまた対照として使用された。
【0129】
頸骨の近位端が以下のように除去され、冷生理食塩水で洗浄し、切開の前および切開を通して氷上に置かれた。正常骨標本は切開で集められた内側頸骨プラトーのプラグ外植体から得られた。内側頸骨プラトーは適当な外植体および一次骨細胞培養物を調製するために抽出された;辺縁皮質性骨細胞は含まれていない。重なっている軟骨は最初に頸骨プラトーから除去され、プラグ外植体は内側プラトーの中点から切開された。柱状骨組織は軟骨下骨板から解離された。すべての操作は軟骨および柱状骨の完全な除去を確実にするため拡大顕微鏡下で実施された。頸骨プラトー標本の軟骨下骨板は次に2つの部分に分離された。正常哺乳類からの軟骨下骨標本は、変形性関節炎哺乳類からのもの(明らかな硬化も観察された)より一致してより薄かった。
【0130】
標本の第一の群は外植体培養のための100−200mg湿潤重量の生体外骨試料を調製するために使用された。外植体は血清を含んでいないBGJ培地(Sigma,St.Louis,MO)中で試料を3回ボルテックスすることにより洗浄し、同じ培地中、加湿した5%O2/95%CO2雰囲気下、37℃で培養した。これらの条件下で5日培養した後に培養物から条件付け培地を回収し、アッセイまで−80℃で保存した。
【0131】
試料の第二の部分はLajeunesse,D.;Busque,L.;Menard,P.;Brunette,M.G.;Bonny,Y.;”ヒト悪性骨粗鬆症の二つのケースにおける骨芽細胞欠損:骨髄移植後の表現型の相関”;J.Clin Invest,98,1996,1835−1842、記載された一次細胞培養物の調製に使用された(一部小さな変更を行った)。骨試料は小片に切断し(2mm2)、続いて1mg/mlのタイプIコラゲナーゼ(Sigma)が存在する、血清を含まないHam’s F12/ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM;Sigma)中、20、20および240分消化した。この処理は皮質性骨片から付着したおよび残存する骨髄細胞の両方を除去する。
【0132】
同じ培地で洗浄した後、消化した骨片は20%ウシ胎児血清(FBS;Wisent,St.Bruno,Quebec,Canada)を含んだBGL培地で培養した。この培地はペトリ皿に細胞が観察されるまで2日毎に置き換え、その時点で10%FBSを含む新鮮な培地に置き換えた。コンフルエントになったら、細胞は25,000細胞/cm2の比で一度継代し、アッセイに先立って24ウェルプレー(Falcon,Lincoln Park,NJ)で5日間増殖させた。これらの培養条件で得られた細胞は、Lajeunesseらによる科学文献からの上記論文で指摘されているような骨芽細胞様表現型を示した。条件付けは2%活性炭はぎ取りFBSを含むHam’s F-12/DMEM中、50nMの1,25(0H)23(1,25−ジヒドロキシビタミンD)(最大刺激のため)存在下または不在下で最後の2日の培養を行い、Lajeunesseらによる科学文献からの上記論文で指摘されているような最大のアルカリ性ホスファターゼおよびオステオカルシン分泌が得られた。培地はインキュベーションの終わりに集められ、アッセイまで−80℃で保存した。細胞は次にリン酸緩衝液(PBS)、pH7.4,で2回洗浄し、アルカリ性ホスファターゼ緩衝液(100mMグリシン、1mM MgC12、1mM ZnCl2、1%トリトンX−100;pH10.5)で60分、4℃で揺り動かして溶解させた。
【0133】
cAMP決定のため、細胞を0.5%ウシ血清アルブミン(脂肪酸を含んでいない分画V;Sigma)を含むHam’s F−12/DMEM中、ホスホジエステラーゼ阻害剤(1mM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン;Sigma)存在下で15分プリインキュベートする。プリインキュベーションの終わりに、100μMヒト副甲状腺ホルモン断片1−34(PTH;Penninsula,Belmont,CA)、5nMプロスタグランジンE2(PGE2;Sigma)、1μMホルスコリン(Sigma)または担体を含む同じ培地で5分間インキュベートし、反応は3%過塩素酸(最終濃度)で停止する。サイクリックAMPレベルはLajeunesse,D.;Kiebzak,G.M.;Frondoza,C.;Sacktor,B.;”ヒト一次骨細胞およびヒト骨肉腫細胞株MG−63によるオステオカルシン分泌の制御”;Bone,14,1991,237−250、に記載されているようにラジオイムノアッセイ(Diagnostic Products,Los Angeles,CA)により評価される。
【0134】
オステオカルシン放出は、2%活性炭処理FBSを含み、50nM 1,25(0H)23または担体(0.1%エタノール)存在下の、Lajeunesseらによる科学文献からの上記論文に記載されているような骨芽細胞様細胞の培養の最後2日で調製された条件付けHam’s F-12/DMEM(1:1)で測定された。新生オステオカルシンは特異的酵素イムノアッセイ(Biomedical Technologies,Stoughton,MA)を用いて決定される。このアッセイの検出限界は0.5ng/mlであり、2%活性炭処理FBSは<0.1ng/mlのオステオカルシンを含んでいる。細胞アルカリ性ホスファターゼ活性は、オステオカルシン放出で使用した細胞を用い、上記のようにアルカリ性ホスファターゼ緩衝液に細胞を可溶化した後、37℃で30分間、p−ニトロフェニルホスフェート(12.5mM、最終濃度)から加水分解されたp−ニトロフェノールの放出で決定された。アルカリ性ホスファターゼは一部を用いて直後に決定された。タンパク質決定はSmith,P.K.;Krohn,R.I.;Hermanson,G.T.;Mallia,A.K.;Gartner,F.H.;Provenzano,M.D.;et al.;”ビシンコニン酸を用いたタンパク質の測定”,Anal Biochem,150,1985,76−85に記載されているビシンコニン酸法により実施される。
【0135】
uPA、PAI−1およびIGF−1の評価は、軟骨下骨外植体からの(試験された外植片当たり100−200mg湿潤重量、5日の条件付け)から、およびPBSを除いた、しかし1%インシュリン−トランスフェリン−セレン混合物(ITS,Sigma)を含むHam’s F−12/DMEMを与えた、培養の最後2日の条件付け培地が使用された。最初に、uPAレベルは特異的酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA;American Diagnostica,Greenwich,CT)により決定される。次に、405nmで検出できるp−ニトロアニリンを放出する特異的基質DL−Val−Leu−Arg−p−ニトロアニリド(Sigma)の加水分解によりuPAの活性を決定するためにLeprince,P.;Rogister,B.;Moonen,G.A.;”培養細胞からの無血清条件付け培地中のプラスミノーゲンアクチベーターおよびプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤の同時測定のための比色アッセイ”,Anal Biochem,177,1989,341-346に記載されている方法が使用された。PAI−1レベルはAmerican Diagnostica(Greewich,CT)から入手可能な材料を用いてELISAにより決定された。IGF−1はインシュリンと交差反応しない高感度ELISA(Diagnostic Systems Laboratories,Webster,TX)を用いて決定された。内部対照研究は1%ITSのみを含む培地で実施され、得られた値は検出限界以下でなければならない。骨外植体の条件付け培地のためには試料は直接的に処理され、一方細胞培養試料のためには、3つまたは4つの上清がプールされ、凍結乾燥され、次にPBS緩衝液、pH7.4、で再構築された。試料は次にMohan,S.;Bautista,C.M.;Herring,S.J.;Linkhart,T.A.;Baylink,D.J.;”骨細胞条件付け培地中のインシュリン様増殖因子−Iおよび−IIを測定するための確実な方法の開発”,Endocrinology,126,1990,2534-42、に記載されている方法に従って処理された。
【0136】
上記の評価の結果は、哺乳類の関節軟骨および軟骨下骨変性の初期段階の存在を確立するための検出能力および能力を確認した。

Claims (2)

  1. ヒト以外の哺乳類の一つまたはそれ以上の関節中の関節軟骨または軟骨下骨の変性を予防する方法であって、関節中の関節軟骨または軟骨下骨の変性に伴う痛みまたは炎症の発症の前に該哺乳類に関節軟骨または軟骨下骨の変性を予防するのに有効な治療的量のカルプロフェンを投与することから成り、そしてそのような処置が必要であることが下記事項の一つまたはそれ以上により決定されることを含む方法。
    (1)インターロイキン−1ベータ(IL−1β)の増加;
    (2)腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)の増加;
    (3)IL−1レセプターアンタゴニストタンパク質(IRAP)に対するIL−1βの比の増加;
    (4)p55TNFレセプター(p55TNF−R)発現の増加;
    (5)インターロイキン−6(IL−6)の増加;白血病阻止因子(LIF)の増加;
    (6)インスリン様増殖因子−1(IGF−1)の未変化または減少;
    (7)形質転換増殖因子ベータ(TGFβ)の減少;血小板由来増殖因子(PDGF)の未変化または減少;
    (8)塩基性線維芽細胞増殖因子(b−FGF)の未変化または減少;
    (9)ケラタン硫酸の増加;
    (10)ストロメリシンを含むマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の増加;
    (11)メタロプロテアーゼの組織阻害剤(TIMP)に対するストロメリシンを含むマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の比の増加;
    (12)オステオカルシンの増加;
    (13)アルカリ性ホスファターゼの増加;
    (14)ホルモンチャレンジに対するcAMP応答性の増加;
    (15)ウロキナーゼ プラスミノーゲン活性化剤(uPA)の増加;
    (16)軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質の増加;
    (17)タイプII特異的コラーゲンネオエピトープの存在;および
    (18)コラゲナーゼの増加。
  2. カルプロフェンの投与量が2.0mg/kg/日から4.0mg/kg/日である請求項1に記載の方法。
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