JP3748967B2 - 電子部品の封止構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂ケースを用いて素子を気密封止した電子部品の封止構造に係り、とくに弾性表面波素子等の圧電素子を樹脂ケース内に収納するのに適した電子部品の封止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品の封止構造としてセラミックケースを用いるものが知られている。例えば、表面実装型の弾性表面波フィルタはセラミックケース内に弾性表面波素子をチップマウントし、ワイヤーボンディング後に蓋を溶接し封止する構造である。
【0003】
また、特開平2−179018号では、銅張り樹脂積層板に、樹脂板から形成した枠板及び蓋板を組み合わせた樹脂パッケージ構造を用い、その樹脂パッケージ内に弾性表面波素子を収納した構造が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のセラミックケースを用いる構造は、セラミックケース自体が高価な上、シーム溶接工数もかかるため、安価なデバイスを作製することは困難であった。また、ワイヤーボンディングを行うためにワイヤの長さにゆとりが必要であり、素子の寸法にかかわらずセラミックケースに一定以上の大きさが必要となり、小型化ができない。
【0005】
また、前述した樹脂積層板、枠板及び蓋板の三者からなる樹脂パッケージを用いた構造であると、銅張り樹脂積層板、枠板及び蓋板の三者を一体化するための接着剤を加熱硬化させる際に、樹脂パッケージ内部の膨張空気が接着箇所に入って気孔を生じ、気密性が損なわれる問題があった。とくに、同時に多数個取りで製造する場合には、集合基板の中央部分の膨張空気が外部に逃げにくく、枠板と蓋板との接着部分に気泡として残り、個別部品に切り離したときに気孔となって気密性不良となり、その問題が一層顕著に現れる。
【0006】
さらに、蓋板の下面に形成された電磁シールド用導体層をアースするために枠板にスルーホール(貫通孔の内面に導体をめっき等で形成した貫通導電孔)を設けた場合、蓋板を接着封止するための接着剤が樹脂積層板の外部端子(ユーザー端子)に流れ込み、外部端子としての使用が困難となる恐れがでてくる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み、小型、軽量化が可能で、必要とする耐湿性を確保でき、安価で生産性に優れた電子部品の封止構造を提供することを目的とする。
【0008】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、樹脂ケースの凹部に素子を装着し、前記凹部内に空洞が残るように接着剤シートで前記凹部の開口を気密封止した電子部品の封止構造であって、
前記接着剤シートはガラス繊維、樹脂繊維の少なくとも一方を用いた基材に熱硬化性の接着性樹脂が含浸されたものであり、該接着性樹脂で前記樹脂ケースに貼り付けられ、
前記凹部底面には導電パターンが形成されており、該導電パターンに前記素子が金属バンプを介して接続固定されていることを特徴としている。
【0010】
前記電子部品の封止構造において、前記接着性樹脂には前記樹脂ケースに熱膨張率を近づけるためのフィラーが混入されているとよい。
【0011】
前記樹脂ケースが熱硬化性樹脂基板と樹脂枠とをプリプレグを介し貼り合わせて構成されており、前記素子と接続する導電パターンが前記樹脂基板上に形成された構成にするとよい。
【0012】
前記樹脂枠には貫通孔又は溝が無く、前記樹脂基板に貫通孔又は溝が形成され、該貫通孔又は溝の内面に外部接続用電極が形成された構成としてもよい。
【0013】
前記樹脂基板の前記樹脂枠の貼り合わせ部分よりも内側部分に前記導電パターンが形成され、該導電パターンに接続する貫通導電孔が前記樹脂基板に形成され、該貫通導電孔を充填材で封止した構成としてもよい。
【0014】
前記接着剤シートの外側面に導電性接着剤を塗布、硬化させてシールド導体膜を形成するようにしてもよい。
【0015】
前記樹脂ケースにアース電極を形成し、該アース電極と前記シールド導体膜とを接続導体で接続するようにしてもよい。
【0016】
前記素子が弾性表面波素子等の圧電素子であってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電子部品の封止構造の実施の形態を図面に従って説明する。
【0018】
図1は本発明に係る第1の実施の形態であって、一部を断面とした斜視図、図2はその外観を示す斜視図である。また、図3は第1の実施の形態の場合の製造工程図、図4乃至図11は各製造工程を説明するための図である。
【0019】
まず、図1及び図2で電子部品の封止構造の全体構成を簡潔に説明する。この電子部品の封止構造は、セラミックよりも安価な樹脂ケースを用いており、この樹脂ケース1は、熱硬化性樹脂基板2と樹脂枠3とをプリプレグ(接着樹脂シート)4を介し貼り合わせて構成されている。そして、樹脂ケース1の凹部5内に弾性表面波素子等の圧電素子を構成するフリップチップ10が装着され、前記凹部内に空洞が残るように接着剤シート6で前記凹部5の上部開口を気密封止することで樹脂パッケージを構成している。ここで、気密封止の樹脂パッケージを構成する際に、樹脂等の蓋板を用いないで接着剤シート6で封止するのは、後述する製造工程の説明で詳細に述べるが、接着剤を加熱硬化させる際の膨張空気の逃げ対策が不要となるからである。前記樹脂基板2の上面には、導電パターン7が形成され、また前記フリップチップ10に金属バンプとしてのAuバンプ11が形成されており、前記導電パターン7に前記フリップチップ10がAuバンプ11を介して接続固定されている。前記樹脂枠3には貫通孔又は溝が無く、前記樹脂基板2にスルーホール(貫通孔の内面に導体をめっき等で形成した貫通導電孔)を2分割した形状の円弧状溝の内面にユーザー端子となる外部接続用電極9が形成されている。さらに、前記接着剤シート6の外側面(上面)には導電性接着剤を塗布、硬化させたシールド導体膜22が形成されており、該シールド導体膜22は外部接続用電極のうちのアース電極21に導電性接着剤又ははんだからなる接続導体23で接続されている。但し、アース電極21は外部接続を兼ねない構成とすることも可能である。
【0020】
前記樹脂ケース1を構成するための樹脂基板2及び樹脂枠3は、耐熱性の高い熱硬化性積層樹脂基板、とくにガラス・エポキシ樹脂、BTレジン等の基板で、強度、耐湿性、低線膨張係数、低反り性を考慮してガラス基材入り基板であることが望ましい。そして樹脂基板2の上面(凹部5の底面及び樹脂枠3が載置される面)には導電パターン7が設けられているが、この導電パターン7は基板に貼られたCu箔に基板側よりCu,Ni,Auめっきを順次積層して形成される。つまり、製造工程の図5に示すように、樹脂基板2上の導電パターン7はCu層(Cu箔の上にCuめっきを積層)7a、Niめっき層7b、Auめっき層7cで構成されている。但し、図5はスルーホールにかからない部分の断面を示すものとする。
【0021】
また、前記樹脂ケース1の凹部5の開口を密封するための接着剤シート6は、ガラス繊維、樹脂繊維の少なくとも一方を用いた不織布を基材とし、該基材に熱硬化性の接着性樹脂が塗布、含浸されたものであり、通常接着力の強力な面は不織布が接着性樹脂で十分に覆われた片面となっている(例えば、日東電工Fペレット等)。接着剤シート6の他面は不織布が露出した面で接着力は弱い。従って、凹部5を気密封止する際には、接着剤シート6の不織布面を上にし、接着性樹脂面を下面として樹脂枠3の上端面に貼り付ける。前記接着剤シート6は接着性樹脂を加熱硬化させる際に、前記不織布の基材が接着性樹脂の流動を抑制する制御基材として機能する。従って、凹部5の開口を接着剤シート6で封止した際に、凹部5の内側に空洞が確実に残り、接着剤シート6に含まれる接着性樹脂が流れて凹部5内に載置されたフリップチップ10に直接触れることはない。また、基材により接着剤シート6は硬化後もある程度平滑な面を保つことができる。
【0022】
なお、接着剤シート6の接着性樹脂には、常温(25℃)では固体のエポキシ系の材料、とくにフェノールノボラック系エポキシ、オクトクレゾールノボラック系エポキシ等を用い接着性及び耐熱性を考慮している。さらに、樹脂基板2及び樹脂枠3との熱膨張率も近づけるため、フィラーとして溶融シリカを混入している。この溶融シリカの混入は耐湿性の向上にも有効である。
【0023】
次に、電子部品の封止構造の実施の形態について、その製造工程に従って詳細に説明する。
【0024】
図3の製造工程図に示すように、まず、樹脂ケース受入れ工程#1で、図4及び図5の多数の樹脂ケース部分31が形成された枠付き集合基板30を受け入れる。ここで、枠付き集合基板30は、図5に示すように、個々の樹脂ケース部分31に対応する導電パターン7とスルーホール39(後工程で分割されて外部接続用電極9となる)とを形成した集合樹脂基板32と、これと同材質で樹脂ケース部分31の凹部5をなす多数の抜き穴33aを形成した集合樹脂枠33とをプリプレグ34を介在させて加熱、加圧し相互に気密に接着一体化したものである。
【0025】
前記集合樹脂基板32及び集合樹脂枠33は比較的誘電率が低く耐熱性の高い熱硬化性樹脂、とくにガラス・エポキシ樹脂、BTレジン等で、強度、耐湿性、低線膨張係数、低反り性を考慮してガラス基材入り基板を用いることが望ましい。
【0026】
集合樹脂基板32上の導電パターン7はCu箔付き基板を用い、エッチング後Cu,Ni,Auめっきを順次施して形成される。膜厚は、例えばCu箔18μm、Cuめっき10μm、Niめっき5μm、Auめっき0.5〜1μmである。
【0027】
前記集合樹脂枠33の抜き穴33aは、ルーター加工、プレス(打ち抜き)加工で作製できるが、その際、プリプレグ34を貼り合わせておいて一緒に加工してもよい。また、集合樹脂枠33は抜き穴33aを予め有する成形品としてもよい。
【0028】
前記プリプレグ34としてはAuめっき膜に対する付着性の良好なBTレジン系のものを用いることで、導電パターン7がスルーホール39に接続するために集合樹脂枠33の貼り合わせ領域にまで延在していても、集合樹脂枠33を集合樹脂基板32に対して気密性を保って接合できる。
【0029】
前記枠付き集合基板30を受入れ後、図3のフリップチップボンド工程#2を実行する。すなわち、図6の如く弾性表面波素子等の圧電素子のフリップチップ10を受入れ、これを集合基板30に多数形成された樹脂ケース部分31の凹部5に図5の仮想線の如く装着する。このフリップチップ10の装着、固定は、フリップチップ10の片面に形成された金属バンプとしてのAuバンプ11を集合基板30側凹部底面の導電パターン7に対接させて超音波を加え、導電パターン7のAuめっき層7cに接合することによって実行可能である(いわゆるフェースダウンボンディングにより固定が可能である。)。
【0030】
それから、接着剤シートを受入れ、接着剤シートセット工程#3を実行する。すなわち、枠付き集合基板30の全面に対応した1枚の広い面積の接着剤シート36を図7のようにフリップチップ装着済みの枠付き集合基板30上に重ねて配置し、各樹脂ケース部分31の凹部5開口を閉じる。
【0031】
ここで使用する接着剤シート36は、ガラス繊維、樹脂繊維の少なくとも一方を用いた不織布を基材(例えば厚さ110μmのガラス繊維不織布)とし、該基材に熱硬化性の接着性樹脂が塗布、含浸されたものであり、通常接着力の強力な面は不織布が接着性樹脂で十分に覆われた片面となっている(例えば日東電工Fペレットを用いる)。接着剤シート36の他面は不織布が露出した面で接着力は弱い。従って、枠付き集合基板30上に配置する際には、接着剤シート36の不織布面を上にし、接着性樹脂面を下面として集合樹脂枠33の上端面に対接させる。なお、接着剤シート36の接着性樹脂には、常温(25℃)では固体のエポキシ系の材料、とくにフェノールノボラック系エポキシ、オクトクレゾールノボラック系エポキシ等とフェノール硬化剤等を用い接着性及び耐熱性を考慮している。さらに、枠付き集合基板30との熱膨張率も近づけるため、及び耐湿性を向上させるためフィラーとして溶融シリカを混入している。
【0032】
そして、図3の硬化工程#4を実行して図8のように接着剤シート36を加熱硬化させて集合樹脂枠33の上端面に接着し、樹脂ケース部分31の凹部5を内部に空洞が残った状態で気密封止する。
【0033】
接着剤シート36の硬化は2段階に分けて行うことで応力の緩和を図っており、第1段階でまず120℃程度で1時間加熱し、次いで第1段階よりも高い温度で第2段階の加熱硬化処理、例えば150℃で2.5〜3時間の加熱硬化処理を実行して硬化工程#4を完了する。このとき、接着剤シート36の肉厚と第1段階の加熱硬化処理が接着性樹脂の凹部5内部への垂れ具合にとくに影響するが、0.4mm以下の肉厚の接着剤シート36を用い、120℃〜150℃の範囲で第1段階の加熱硬化処理を実行することが樹脂垂れが少なくて好ましい(このときは枠付き集合基板30と接着剤シート36との接着も良好である。)。
【0034】
前記接着剤シート36は不織布の基材(例えば厚み110μm程度)を有しているため、基材に含浸、塗布されている接着性樹脂の加熱硬化処理中での樹脂垂れを防止している。また、加熱硬化処理中に、凹部5内部の熱により膨張した空気が凹部5の外部に出ようとするが、接着性樹脂が流動状態のときに外に逃げることができ、集合基板30を用いた場合であっても気密性不良は発生しない。従来のような樹脂板等の蓋体を用いた場合は集合基板のとくに中央部分の空気が外に逃げ出しにくく、集合基板と蓋体間に気泡となって残留し、個別部品に分離したときに気密不良となる問題があったが、この問題が解決される。
【0035】
次に、導電性接着剤を用い、導電性接着剤印刷工程#5を実行する。図9のように、この工程#5で枠付き集合基板30の各凹部5を密閉した接着剤シート36の上面の全面にわたり導電性接着剤41を印刷し、より平滑な面を上面に作る。その後、硬化工程#6で導電性接着剤41を加熱温度150〜200℃で1〜2時間程度かけて硬化させ、シールド導体膜42を接着剤シート36の上側に50〜75μmの厚みで形成する。このシールド導体膜42は電子部品の樹脂パッケージに電磁シールド効果を持たせるとともに、パッケージ上面を平坦にして真空吸着ノズルを有する電子部品装着機でのピックアップを確実に行えるようにする。また、シールド導体膜42は気密性を向上させる効果もある。
【0036】
枠付き集合基板30の各凹部5内にフリップチップ10を装着し、接着剤シート36及び導電性接着剤41の接着硬化処理を行ったことにより、多数の電子部品が同時に得られたが、個々の電子部品に分離するためにダイシングテープを用いてテープ接着工程#7、カット工程#8及び剥離工程#9を順次実行する。すなわち、図10の如く枠付き集合基板30の底面をダイシングテープ(熱剥離シート)45で固定して図10の破線の如く個別の電子部品毎に(個別の樹脂パッケージ毎に)切断し(カットし)、その後ダイシングテープ45を加熱発泡させて当該テープから電子部品を剥離して分割する。
【0037】
この結果、図11のように、スルーホールを2分割した形状の外部接続用電極9(ユーザー端子)を有する樹脂ケース1を接着剤シート6で気密封止し、さらにシールド導体膜22をその上面に形成した樹脂パッケージを持つ個々の電子部品が得られる。その後、アース付け工程#10で樹脂パッケージ上面のシールド導体膜22を外部接続用電極のうちのアース電極21に導電性接着剤又ははんだからなる接続導体23で接続する。
【0038】
以上の工程により得られた個々の電子部品は検査、梱包工程#11で気密性等の検査を受けた後、梱包される。
【0039】
製品の樹脂パッケージの気密性は、接着性、耐湿性の良い接着剤シート6を用い、樹脂基板2と樹脂枠3の界面も相性の良い組み合わせとすることにより、充分信頼性の高いものとすることができ、例えばPCT(プレッシャー・クッカー・テスト)を試験条件121℃、2気圧、湿度100%で96時間投入後、フロリナート液に入れて気泡が出るか否かのバブルリークテストを1分間行っても不良の発生は無かった(125℃で100個中0個)。上記条件でのPCT96時間は、相対湿度から求める対応年数で換算すると、東京の平均環境(気温18℃、湿度60%)で142年間に相当し、充分な信頼性があることが判る。
【0040】
この第1の実施の形態によれば、次の通りの効果を得ることができる。
【0041】
(1) 樹脂ケース1の凹部5に圧電素子のフリップチップ10を装着し、凹部5内に空洞が残るように接着剤シート6で凹部5の開口を気密封止した樹脂パッケージ構造であり、セラミックパッケージに比べて安価で軽量の電子部品を作ることができる。例えば、パッケージのコストに関しては、樹脂パッケージとすることで、セラミックパッケージの1/5〜1/7に原価を下げることができる。また、重量に関しては、約1/2程度の軽量化を図ることができる。さらに、凹部5内部に空洞が残り、接着剤シート6がフリップチップ10に直接触れないようにすることで、電子部品装着機等を用いた実装時に内部のフリップチップ10が押圧されて破損することを防止できる。従って、圧電素子等を収納したパッケージとして充分使用できる。
【0042】
(2) 樹脂ケース1を熱硬化性樹脂基板2と樹脂枠3とをプリプレグ4を介し貼り合わせて構成しており、樹脂基板2及び樹脂枠3共に熱硬化性樹脂の積層基板作製技術で所要の肉厚のものを得ることができる。また、多数個の樹脂ケース部分を一つの集合基板上に作り、封止工程まで集合基板の状態で作製でき、製造工数が少なくて済む。
【0043】
(3) 封止材としての接着剤シート6をそのまま蓋として用いた為、電子部品の薄型化が可能である。また、接着剤シート6の加熱硬化時に樹脂パッケージ内部の膨張した空気は接着剤シート6の流動状態の接着性樹脂を通して外部に抜けるため、集合基板を用いて製作する場合に特に問題となる気密封止不良の問題がない。例えば、樹脂製の蓋板を樹脂ケースに接着剤で接着する場合、歩留まりが95%程度であるのに対し、本実施の形態の樹脂パッケージでは歩留まりが100%である。
【0044】
(4) 接着剤シート6は、ガラス繊維、樹脂繊維の少なくとも一方を用いた不織布を基材とし、該基材に熱硬化性の接着性樹脂が塗布、含浸されたものであり、接着剤シート6の加熱硬化処理時に接着性樹脂があまり流れ出さず、上面もある程度平滑な面を保つことができる。また、樹脂ケース1の凹部5のある面と接着剤シート6の接着性樹脂面とを合わせることで、接着剤シート6が樹脂ケース1とうまく濡れることができ、接着強度の強い封止ができる。
【0045】
(5) 樹脂ケース1の凹部底面に導電パターン7が形成されており、該導電パターン7の最上層のAuめっき層7cに対しフリップチップ10のAuバンプ11を超音波接合等で接続、固定しており、充分な固着強度を確保できるとともに、ワイヤーボンディングの場合に比較してパッケージ形状を小型化できる。また、圧電素子を構成するフリップチップ10と樹脂ケース1の樹脂基板2との熱膨張率とを近づけることにより製品のヒートサイクルに対する信頼性を向上させることができる。
【0046】
(6) 分割されて樹脂ケース1の樹脂基板2となる集合樹脂基板32には、分割されて外部接続用電極9となるスルーホール39が形成されているが、分割されて樹脂枠3となる集合樹脂枠33には貫通穴又は溝が無いため、接着剤シート36の接着性樹脂が加熱硬化時にスルーホール39に流入することがなく、ユーザー端子、すなわち外部接続用電極9となる部分が接着性樹脂で覆われて不良となる問題を解消できる。なお、集合樹脂基板32と集合樹脂枠33との接合のためのプリプレグ34にスルーホール39に対応した穴を形成しておくことで、プリプレグ34がスルーホール39内に流れ込むことはない。これにより、外部接続用電極9の不良に起因する実装不良を解消できる。
【0047】
(7) 樹脂パッケージ上面の導電性接着剤を印刷、塗布してなるシールド導体膜22を、外部接続用電極のうちのアース電極21に導電性接着剤又ははんだからなる接続導体23で接続しており、装置基板への実装時において電磁シールド効果を確実に得ることができる。また、パッケージ上面をシールド導体膜22で平坦にして真空吸着ノズルを有する電子部品装着機での自動装着を確実に行えるようにする効果(吸着不良防止効果)や、気密性を向上させる効果を奏することもできる。
【0048】
図12は本発明の第2の実施の形態を示す。この場合、樹脂基板2上の導電パターン7は、樹脂基板2上に直接Cu層(Cu箔の上にCuめっきを積層)7aを形成した後、樹脂枠3が載置される領域にレジスト7dを印刷、塗布して設けておく。レジスト7dとしては、エポキシ系でイミダゾール硬化系の熱硬化性の高耐熱高接着材料を用いる。その後、レジストの設けられていないCu層7a上にNiめっき層7b、Auめっき層7cを順次形成して導電パターン7を構成する。この結果、プリプレグ4を介して樹脂枠3が接合される部分はプリプレグ4に対して充分接着性の良好なレジスト面となり、プリプレグ4を介在させて樹脂基板2と樹脂枠3との気密接合を確実に実行できる。なお、Cu層7aは外部接続用電極9と接続するために樹脂枠3が載置される領域にまで延在している必要がある。その他の構成は前述した第1の実施の形態と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付した。また、製造工程も導電パターン7に関する部分を除き第1の実施の形態と同様である。
【0049】
この第2の実施の形態の場合、導電パターン7のAu層7cよりも接着性の良いCu層7aにレジスト7dを塗布しており、さらにレジスト7dに対し接着性の良いプリプレグ4を用いることで樹脂基板2と樹脂枠3との接着を確実に実行でき、レジスト7dが導電パターン7形成による溝を埋めることができ、パターンの溝が原因で発生する気泡の残留が少なく、気密封止の信頼性を高め、高耐湿性を得ることができる。なお、その他の作用効果は前述した第1の実施の形態と同様である。
【0050】
図13は本発明の第3の実施の形態を示す。この場合、樹脂基板2上の導電パターン7は、Cu層(Cu箔の上にCuめっきを積層)7a、Niめっき層7b、Auめっき層7cを順次形成したものであるが、樹脂枠3が載置される領域には存在しないようにしている(樹脂枠3が載置される領域の内側に導電パターン7が存在している。)。この結果、樹脂基板2上面に対してプリプレグ4を直接接着させることで樹脂基板2と樹脂枠3とを接合一体化することができ、両者間の気密性を一層確実にすることができる。この場合、樹脂枠3が貼り合わされる領域の内側において樹脂基板2にスルーホール(貫通導電孔)51を設け、樹脂基板2の底面側の外部接続用電極59と導電パターン7とを当該スルーホール51内面の導体で接続する。この際、スルーホール51を導電性接着剤、はんだ、又は絶縁性接着剤からなる充填材52で気密封止する。なお、その他の構成は前述した第1の実施の形態と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付した。また、製造工程も導電パターン7及びスルーホールに関する部分を除き第1の実施の形態と同様である。
【0051】
この第3の実施の形態の場合、プリプレグ4が樹脂基板2表面に直接接着するため、樹脂基板2と樹脂枠3とを高強度で接着でき、気密性の信頼度を向上させることが可能である。また、プリプレグ4に貫通孔を形成する必要が全く無くなるため、プリプレグ4を樹脂枠3となる樹脂板に接着しておいて加工することが可能である。なお、その他の作用効果は前述した第1の実施の形態と同様である。
【0052】
上記各実施の形態では、封止材としての接着剤シート6の硬化後に、導電性接着剤を印刷、塗布して平坦なシールド導体膜22を樹脂パッケージの上面に形成したが、その代わりに平坦な金属板、金属箔、金属めっき板等の導電性板を貼り付けてもよいし、シールド効果が不要の場合には平坦な樹脂板等を貼り付けるようにしてもよい。
【0053】
また、樹脂基板2上の導電パターン7が樹脂枠3を貼り付ける領域にまで延在している場合において、プリプレグ4を介在させて樹脂基板2上に樹脂枠3を接合する際の接着性改善のために、導電パターン7の最上層のAu層の代わりに接着性の良いAg層をめっき等で形成したり、接着面のめっき層をエッチング溶液等で荒らして密着性を上げるようにしても良い。
【0054】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る電子部品の封止構造によれば、樹脂ケースの凹部に素子を装着し、ガラス繊維、樹脂繊維の少なくとも一方を用いた基材に熱硬化性の接着性樹脂が含浸された接着剤シートで、前記凹部内に空洞が残るように前記凹部の開口を気密封止したので、小型、軽量化が可能で、必要とする耐湿性を確保でき、さらには原価低減及び生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子部品の封止構造の第1の実施の形態を示す一部を断面とした斜視図である。
【図2】同じく外観を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態の場合の製造工程図である。
【図4】枠付き集合基板受入れ工程で受入れる枠付き集合基板を示す斜視図である。
【図5】前記枠付き集合基板の樹脂ケース1個に相当する部分の拡大断面図である。
【図6】フリップチップボンド工程を説明する斜視図である。
【図7】接着剤シートセット工程を説明する部分拡大断面図である。
【図8】接着剤シートの硬化工程を説明する部分拡大断面図である。
【図9】導電性接着剤印刷工程を説明する部分拡大断面図である。
【図10】個々の電子部品に分離するためのダイシングテープ接着、カット及び剥離工程を説明する斜視図である。
【図11】アース付け工程を説明する斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂ケース
2 樹脂基板
3 樹脂枠
4 プリプレグ
5 凹部
6 接着剤シート
7 導電パターン
9 外部接続用電極
10 フリップチップ
11 Auバンプ
21 アース電極
22 シールド導体膜
23 接続導体
30 枠付き集合基板
31 樹脂ケース部分
32 集合樹脂基板
33 集合樹脂枠
34 プリプレグ
36 接着剤シート
39 スルーホール
41 導電性接着剤
42 シールド導体膜
52 充填材

Claims (8)

  1. 樹脂ケースの凹部に素子を装着し、前記凹部内に空洞が残るように接着剤シートで前記凹部の開口を気密封止した電子部品の封止構造であって、
    前記接着剤シートはガラス繊維、樹脂繊維の少なくとも一方を用いた基材に熱硬化性の接着性樹脂が含浸されたものであり、該接着性樹脂で前記樹脂ケースに貼り付けられ、
    前記凹部底面には導電パターンが形成されており、該導電パターンに前記素子が金属バンプを介して接続固定されていることを特徴とする電子部品の封止構造。
  2. 前記接着性樹脂には前記樹脂ケースに熱膨張率を近づけるためのフィラーが混入されている請求項1記載の電子部品の封止構造。
  3. 前記樹脂ケースが熱硬化性樹脂基板と樹脂枠とをプリプレグを介し貼り合わせて構成されており、前記素子と接続する導電パターンが前記樹脂基板上に形成されている請求項1又は2記載の電子部品の封止構造。
  4. 前記樹脂枠には貫通孔又は溝が無く、前記樹脂基板に貫通孔又は溝が形成され、該貫通孔又は溝の内面に外部接続用電極が形成されている請求項3記載の電子部品の封止構造。
  5. 前記樹脂基板の前記樹脂枠の貼り合わせ部分よりも内側部分に前記導電パターンが形成され、該導電パターンに接続する貫通導電孔が前記樹脂基板に形成され、該貫通導電孔を充填材で封止した請求項3記載の電子部品の封止構造。
  6. 前記接着剤シートの外側面に導電性接着剤を塗布、硬化させてシールド導体膜を形成した請求項1,2,3,4又は5記載の電子部品の封止構造。
  7. 前記樹脂ケースにアース電極が形成され、該アース電極と前記シールド導体膜とが接続導体で接続されている請求項6記載の電子部品の封止構造。
  8. 前記素子が弾性表面波素子等の圧電素子である請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の電子部品の封止構造。
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