JP3748678B2 - 磁気共鳴撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴信号収集方法および磁気共鳴撮像装置に関し、特に、1回の励起で生じる磁気共鳴信号に基づき、1スライスの断層像を生成するに足る複数の磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴信号収集方法、および、そのようにして収集した磁気共鳴信号に基づいて画像を生成する磁気共鳴撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
1回の励起で生じる磁気共鳴信号に基づき、1スライス(slice) の断層像を生成するに足る複数の磁気共鳴信号を収集する方法の一例として、シングルショット・ファーストスピンエコー(single shot fast spin echo)法が知られている。これは、90°パルス(pulse) による励起の1回当たり、複数回の180°パルスおよびフェーズエンコード(phase encode)勾配磁場の印加によって、1スライスの断層像を生成するに足る複数の磁気共鳴信号を収集するようにしたものである。
【0003】
静磁場強度が例えば0.5T以下の中低磁場においてシングルショット・ファーストスピンエコー法を実行するとき、SNR(signal-to-noise ratio) の良いスピンエコー信号の収集を行うために、1スライス当たりシングルショット・ファーストスピンエコー法のパルスシーケンス(pulse sequence)を複数回繰り返して実行し、得られた複数セット(set) の信号を平均化することが行われる。パルスシーケンスの繰り返し回数をNEX(number of excitation)と呼ぶ。通常、NEXは2ないし3程度に選ばれる。
【0004】
その際、パルスシーケンスの繰り返しは、スピンの縦緩和の待ち時間を含む所定の繰り返し時間TRで行われる。待ち時間は、縦緩和時間T1が1800mS程度のスピンが十分に緩和する時間、例えば10秒程度に設定される。シングルショット・ファーストスピンエコー法のパルスシーケンスを1回実行するのに1秒かかるとすると、繰り返し時間TRは例えば11秒と設定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
スキャン(scan)の所要時間は、繰り返し時間TRのNEX倍となる。繰り返し時間TRが11秒の場合、NEXを2とすると、スキャン時間は22秒となる。すなわち、スキャン開始後22秒経たないとスキャンシーケンスが終了せず、撮像装置は次のステップ(step)に移行できない。
【0006】
このため、例えば2NEX目のパルスシーケンスを1秒で終えた段階で信号収集が完結するようなスキャンでは、それに続く10秒の待ち時間は無駄な時間となる。
【0007】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、無駄な時間なしにSNRの良い磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴信号収集方法および磁気共鳴撮像装置を実現することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決する第1の本発明は、1スライスの断層像を生成するに足る複数の磁気共鳴信号を1回の励起で生じる磁気共鳴信号に基づいて収集する磁気共鳴信号収集方法であって、前記磁気共鳴信号の収集を1スライス当たり所定の繰り返し時間で複数回繰り返し、前記繰り返しの最終回に相当する磁気共鳴信号を収集した後は直ちに信号収集シーケンスを終了する、ことを特徴とする。
【0009】
(2)上記の課題を解決する第2の本発明は、被検体を収容する空間に静磁場を形成する静磁場形成手段と、前記空間に勾配磁場を形成する勾配磁場形成手段と、前記空間に高周波磁場を形成する高周波磁場形成手段と、前記空間から磁気共鳴信号を測定する測定手段と、前記勾配磁場形成手段、前記高周波磁場形成手段および前記測定手段を制御することにより、1回の励起で生じる磁気共鳴信号に基づき1スライスの断層像を生成するに足る複数の磁気共鳴信号を収集するスキャンシーケンスを1スライス当たり所定の繰り返し時間で複数回繰り返すとともに、前記繰り返しの最終回に相当する磁気共鳴信号を収集した後は直ちに前記スキャンシーケンスを終了する制御手段と、前記測定手段が測定した前記磁気共鳴信号に基づいて画像を生成する画像生成手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
(作用)
本発明では、磁気共鳴信号の収集を1スライス当たり所定の繰り返し時間で複数回繰り返すとき、繰り返しの最終回に相当する磁気共鳴信号を収集した後は直ちにスキャンシーケンスを終了する。これにより、繰り返し時間の残り時間がスキャン時間から除外され、スキャン時間が短縮される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
図1に磁気共鳴撮像装置のブロック(block) 図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0013】
(構成)
本装置の構成を説明する。図1に示すように、概ね円筒形を成す静磁場発生部2がその内部空間に均一な静磁場を形成するようになっている。静磁場発生部2は、本発明における静磁場形成手段の実施の形態の一例である。
【0014】
静磁場発生部2の内部には、概ね円筒形を成す勾配コイル(coil)部4とボデイコイル(body coil) 部6が中心軸を共有して配置されている。ボデイコイル部6の内部空間に、被検体8が図示しない搬入手段によって搬入されている。
【0015】
勾配コイル部4には勾配駆動部10が接続されている。勾配コイル部4および勾配駆動部10は、本発明における勾配磁場磁場形成手段の実施の形態の一例である。勾配駆動部10は勾配コイル部4に駆動信号を与えて勾配磁場を発生させるようになっている。発生する勾配磁場は、スライス勾配磁場、リードアウト(read out)勾配磁場およびフェーズエンコード勾配磁場の3種である。
【0016】
ボデイコイル部6には送信部12が接続されている。ボデイコイル部6および送信部12は、本発明における高周波磁場磁場形成手段の実施の形態の一例である。送信部12はボデイコイル部6に駆動信号(RF(radio freqency)パルス)を与えてRF磁場を発生させ、それによって、被検体8の体内のスピンを励起するようになっている。
【0017】
励起されたスピンが発生する磁気共鳴信号がボデイコイル部6によって検出されるようになっている。ボデイコイル部6には受信部14が接続されている。受信部14はボデイコイル部6が検出した信号を受信するようになっている。
【0018】
受信部14にはアナログ・ディジタル(analog-to-digital) 変換部16が接続されている。ボデイコイル部6、受信部14およびアナログ・ディジタル変換部16は、本発明における測定手段の実施の形態の一例である。アナログ・ディジタル変換部16は受信部14の出力信号をディジタル信号に変換するようになっている。アナログ・ディジタル変換部16はコンピュータ(computer)18に接続されている。
【0019】
コンピュータ18はアナログ・ディジタル変換部16からディジタル信号を入力し、図示しないメモリ(memory)に記憶するようになっている。メモリ内にはデータ(data)空間が形成されている。このデータ空間は2次元フーリエ(Fourie)空間を構成する。コンピュータ18は、この2次元フーリエ空間のデータを2次元逆フーリエ変換して被検体8の画像を再構成する。コンピュータ18は、本発明における画像生成手段の実施の形態の一例である。
【0020】
コンピュータ18には制御部20が接続されている。制御部20は、本発明における制御手段の実施の形態の一例である。制御部20には勾配駆動部10、送信部12、受信部14およびアナログ・ディジタル変換部16が接続されている。制御部20は、コンピュータ18から与えられる指令に基づいて勾配駆動部10、送信部12、受信部14およびアナログ・ディジタル変換部16をそれぞれ制御するようになっている。
【0021】
コンピュータ18には表示部22と操作部24が接続されている。表示部22はコンピュータ18から出力される再構成画像を含む各種の情報を表示するようになっている。操作部24は操作者によって操作され、各種の指令や情報等をコンピュータ18に入力するようになっている。
【0022】
(動作)
本装置の動作を説明する。先ずシングルショット・ファーストスピンエコー法について説明する。図2にシングルショット・ファーストスピンエコー法によるパルスシーケンスの一例を示す。
【0023】
図2において、横軸は時間、縦軸は信号強度を示す。また、(a)はRFパルス信号(90°パルスおよび180°パルス)、(b)はスライス勾配磁場信号(スライス勾配)、(c)はリードアウト勾配磁場信号(リードアウト勾配)およびディフェーズ(dephase) 勾配磁場信号(ディフェーズ勾配)、(d)はフェーズエンコード勾配磁場信号(フェーズエンコード勾配)、(e)はスピンエコー信号を示す。
【0024】
RFパルスのシーケンス(a)はボデイコイル部6および送信部12の動作を示す。スライス勾配のシーケンス(b)、リードアウト勾配およびディフェーズ勾配のシーケンス(c)、および、フェーズエンコード勾配のシーケンス(d)は勾配コイル部4および勾配駆動部10の動作を示す。
【0025】
図3にスピンの挙動を概念的に示す。同図において、x’,y’,z’は、回転座標系における互いに垂直な3つの座標軸を示す。以下、図2および図3を用いてシングルショット・ファーストスピンエコー法による動作を説明する。
【0026】
図2に示すように、時刻t1において90°パルスによりスピンの励起が行われる。このとき同時にスライス勾配が印加される。これによって、図3の(a)に示すように、z’方向を向いていたスピンが90°倒れてy’方向を向く。
【0027】
次に、時刻t2においてディフェーズ勾配が所定時間印加される。これによって、図3の(b)に示すようにスピンの位相が分散(ディフェーズ)する。
次に、時刻t3において180°パルス(180°yパルス)によりスピンの反転が行われる。このとき同時にスライス勾配が印加される。これによって、図3の(c)に示すように、スピンがy’軸の回りで180°回転する。
【0028】
次に、時刻t4においてフェーズエンコード勾配が印加されスピンのフェーズエンコードが行われる。また、リードアウト勾配の印加が始まる。リードアウト勾配の印加期間中にスピンの位相変化が継続し、図3の(d)に示すように、分散していた位相が収束する。
【0029】
途中の時刻t5において、リードアウト勾配の積分値がディフェーズ勾配の積分値に等しくなり、図3の(e)に示すように、スピンの位相が揃う。この時点で最初のスピンエコー信号のピーク(peak)が生じる。
【0030】
時刻t5を過ぎると、図3の(f)に示すように、スピンの位相変化の継続により位相が分散してエコー信号は減衰する。
フェーズエンコード勾配の印加後、リードアウト勾配印加期間中にエコー信号の読み出しが行われる。エコー信号の読み出しは、ボデイコイル部6−受信部14−アナログ・ディジタル変換部16−コンピュータ18の系統によって行われる。以下同様である。
【0031】
この期間のスピンエコー信号を、時間軸を拡大して示せば図4のようになる。ただし、スピンエコー信号は正確な波形図ではなく概念図で示す。同図に示すように、スピンエコー信号は読み出し開始時刻t4’からt5にかけて次第に振幅が増加してピークに達し、時刻t5から読み出し終了時刻t6にかけて振幅が減衰する。
【0032】
図2に戻って、スピンエコー信号の読み出しの終了時刻t6において逆極性のフェーズエンコード勾配が印加される。これによって、フェーズエンコード量が0に引き戻される。
【0033】
時刻t7において第2回目の180°パルスが印加され、スピンの再反転が行われる。このときスライス勾配が印加される。なお、スライス勾配の波形の両端のピークは、180°パルス後のFID(free induction decay)信号のスポイル(spoil) とスティミュレーテッドエコー(stimulated echo) 結像のためのキラーパルス(killer pulseI) である。
【0034】
以下、第1回目と同様にフェーズエンコード勾配によるスピンのフェーズエンコードと、リードアウト勾配によるスピンエコー信号の読み出しが行われる。ただし、フェーズエンコード勾配の強度は、第1回目とは相違する。これによってフェーズエンコード量の異なる第2回目のスピンエコー信号が得られる。
【0035】
以下、同様にして、各回の180°パルスおよびスライス勾配、フェーズエンコード勾配、リードアウト勾配の印加により、位相エンコード量の異なるスピンエコー信号が順次得られる。それらスピンエコー信号がコンピュータ18のメモリに収集される。
【0036】
このようなスピンエコー信号の読み出しに伴って、2次元フーリエ空間では所定の軌跡(トラジェクトリ(trajectory))に沿ってデータの収集が進行する。その様子を図5に示す。図5において、kは2次元フーリエ空間である。これはkスペース(k-space) とも呼ばれる。kx,kyは2次元フーリエ空間kにおける互いに直交する2つの座標軸であり、kxが周波数軸(リードアウト軸)、kyが位相軸(フェーズエンコード軸)である。
【0037】
データ収集のトラジェクトリtrjは例えばkx=−100,ky=100の点から始まる。なお、座標の単位は%である。kx=−100は図4に示したスピンエコー信号の左端に相当する。ky=100は最初のスピンエコーエコー信号のフェーズエンコード量である。これは時刻t4におけるフェーズエンコード勾配によって決定される。
【0038】
リードアウト期間中のスピンエコー信号の読み出し(スピンエコーデータの収集)に伴って、トラジェクトリtrjは矢印に沿ってkx=100まで到達する。途中のkx=0の点が時刻t5の時点に相当し、ここでピーク値が収集される。
【0039】
時刻t8における2回目のフェーズエンコードによってトラジェクトリが1ステップ下がり、次のリードアウト期間中に、次のスピンエコーについてのデータ収集が行われ、トラジェクトリtrjは2行目の矢印に沿ってkx=−100からkx=100まで到達する。
【0040】
以下同様に、フェーズエンコードの度に順次ky軸に沿って下方に遷移しながら、kx軸に沿って2次元フーリエ空間kへのデータ収集が行われる。これによって、2次元フーリエ空間k全体を埋めるデータが収集される。
【0041】
あるいは、データの収集をky軸の例えば上半分に相当する、2次元フーリエ空間kの半分を埋めるだけにとどめることが行われる。これは、180°パルスの印加回数を半減しスキャン時間を短縮する点で好ましい。
【0042】
2次元フーリエ空間kのデータに基づいて、コンピュータ18により画像の再構成が行われる。画像再構成は2次元逆フーリエ変換によって行われる。なお、データの収集を2次元フーリエ空間kの半分を埋めるだけにとどめた場合は、2次元フーリエ空間kの半分のデータから画像を再構成する、いわゆるハーフフーリエ(half Fourie) 法が利用される。
【0043】
NEXが2以上の場合は、図2のパルスシーケンスを1スライス当たりNEX回繰り返す。パルスシーケンスの繰り返し時間TRは、例えば縦緩和時間T1が1800mS程度のスピンが99.6%回復するまでの待ち時間10秒を含めて、例えば11秒とされる。
【0044】
スキャンの効率を高めるために、スピンの緩和を待つ間に位置の異なる複数のスライスを順次スキャンする、すなわち、マルチスライススキャン(multi-slice scan)を行う。その場合、図2に示したパルスシーケンスを各スライス毎に実行する。
【0045】
図6に、NEXが2以上のマルチスライススキャンの概念図を示す。同図に示すように、第1スライスから第nスライスまでnスライスのスキャンを順次実行する。1スライス当たりのパルスシーケンスの実行時間はacttrである。acttrは例えば1秒である。
【0046】
第1スライスの第1回目(1NEX)のスキャン後、同スライスの第2回目(2NEX)のスキャン開始までの時間が緩和待ち時間Tとなる。緩和待ち時間Tは、TR−acttrであり、例えば10秒である。
【0047】
スライス数nが少ないときは、図6の(a)に示すように、第nスライスの1NEXのパルスシーケンスは緩和待ち時間Tの途中で終了する。これに対して、スライス数nが多くなると、同図の(b)に示すように、第nスライスの1NEXのパルスシーケンスの終了時点は、緩和待ち時間Tを越えるようになる。
【0048】
次に、マルチNEXでマルチスライススキャンを行う場合の、本装置の動作を説明する。図7に、本装置の動作のフロー(flow)図を示す。この動作は制御部20による制御のもとで行われる。
【0049】
同図に示すように、ステップ700において、NEXの値がmと設定される。ここでは、例えばm=2である。mの値は、スキャン部位に応じて予め用意されている標準値が用いられる。あるいは、操作者がその都度所望の値を設定するようにしても良い。
【0050】
次に、ステップ702において、図示しないカウンタの計数値iを0にリセットする。
次に、ステップ704において、計数値iに1が加算される。計数値iは何回目(NEX)のスキャンであるかを示す。いまは、0に1が加算されたことにより、第1回目すなわち1NEXのスキャンを示している。
【0051】
次に、ステップ706において、第1スライスについてのスキャンを行う。
次に、ステップ708において、第2スライスについてのスキャンを行う。
以下、順次、各スライスについてのスキャンを行い、ステップ720において第nスライス(最後のスライス)のスキャンを行う。
【0052】
次に、ステップ722において、計数値iがmに等しいか否かを判定する。
いま、i=1でありm=2と等しくないのでNoであり、ステップ724に分岐する。
【0053】
次に、ステップ724において、acttr×(n−1)>Tであるか否かを判定する。
この判定は、n−1個のスライスのスキャン時間acttr×(n−1)と緩和待ち時間Tとの大小関係が、図6の(a),(b)のいずれに該当するかを判定するものである。
【0054】
Noの場合は、図6の(a)に該当し、ステップ726に分岐して緩和待ち、すなわち、緩和待ち時間Tが経過するまで待機する。そして、緩和待ち時間Tの経過後にステップ704に戻る。
【0055】
なお、待機期間中にも、例えばスライス勾配のみをパルスシーケンス実行中と同様に発生するようにすると、勾配コイル部4が発生する音響によって、見掛け上装置が作動しているような印象を操作者等に与え、待機状態が装置の停止状態ないし故障状態(ハングアップ(hung up))と誤認されない点で好ましい。
【0056】
Yesの場合は、図6の(b)に該当し、すでに緩和待ち時間Tが経過しているので、緩和待ちすることなくステップ704に戻る。
次に、ステップ704において、計数値iに1が加算されてi=2となる。以下、ステップ706〜720により、第1スライス〜第nスライスについて2NEXのスキャンを順次行う。
【0057】
次に、ステップ722において、i=mであるか否かを判定する。i=2になっているからYesであり、ステップ728に分岐する。
次に、ステップ728において、パルスシーケンスを終了する。これによって、例えば図8の(a)に示すように、2NEXの第nスライス(最後のスライス)のスキャンを終えた時点が緩和待ち時間T内にある場合、緩和待ち時間Tが経過するまで待つことなく直ちにパルスシーケンスを終了する。
【0058】
このように、パルスシーケンスを終了することにより緩和待ちを打ち切り、無駄な待ち時間を排除する。したがって、緩和待ちを打ち切った分だけスキャン時間が短縮される。
【0059】
特に、例えば図8の(b)に示すように、単一のスライスをNEXを2としてスキャンするとき、2NEXにおける緩和待ち時間Tが全部無くなるので、スキャン時間の短縮効果が大きい。すなわち、従来のように緩和待ちの打ち切り行わないとき例えば22秒要していたスキャン時間が12秒に短縮され、ほぼ半減することになる。これは、被検体8を息止めスキャンする場合等には、特に効果的である。
【0060】
次に、ステップ730において、以上のようにして収集されたスピンエコーデータに基づいて各スライスの画像を再構成する。画像再構成に当たっては、予め、各スライスごとに、1NEXのデータと2NEXのデータを平均することにより収集データのSNRを向上させる。
【0061】
次に、ステップ730において、再構成画像を表示部22により可視像として表示する。
以上は、シングルショット・ファーストスピンエコー法を用いる例であるが、磁気共鳴信号収集はシングルショット・ファーストスピンエコー法に限るものではなく、例えば、エコープラナー(echo planer) 法を利用するようにしても良い。その場合、NEXが2以上のスキャンを行うとき、上記と同様にして無駄な時間を無くすことができる。
【0062】
また、静磁場の方向が被検体の体軸に平行な、いわゆる水平磁場方式の磁気共鳴撮像装置の例について説明したが、本発明は、静磁場の方向が被検体の体軸に垂直な、いわゆる垂直磁場方式の磁気共鳴撮像装置で実施することもできる。
【0063】
図9に、垂直磁場方式の磁気共鳴撮像装置のブロック図を示す。同図に示すように、静磁場発生部2がその内部空間に均一な静磁場を形成するようになっている。静磁場発生部2は図示しない例えば永久磁石等の1対の磁気発生器を備えており、それらが間隔を保って上下方向に対向し、その対向空間に静磁場(垂直磁場)を形成している。なお、磁気発生器は永久磁石に限らず、常電導電磁石や超電導電磁石等であって良い。
【0064】
静磁場発生部2には勾配コイル部4,4’および送信コイル部5,5’がそれぞれ設けられ、同様に間隔を保って上下方向に対向している。
送信コイル部5,5’の間の静磁場空間には、概ね円筒形を成すボデイコイル部6が配置されている。ボデイコイル部6の中心軸は静磁場の方向と直交するようになっている。ボデイコイル部6の内部に形成される概ね円柱状の空間に、被検体8が図示しない搬入手段によって搬入されている。被検体8の体軸は静磁場の方向と直交する。
【0065】
勾配コイル部4,4’には勾配駆動部10が接続されている。勾配駆動部10は勾配コイル部4,4’に駆動信号を与えて勾配磁場を発生させるようになっている。発生する勾配磁場は、スライス勾配磁場、読み出し勾配磁場および位相エンコード勾配磁場の3種である。
【0066】
送信コイル部5,5’には送信部12が接続されている。送信部12は送信コイル部5,5’に駆動信号を与えてRF磁場を発生させ、それによって、被検体8の体内の特定の原子のスピンを励起するようになっている。
【0067】
ボデイコイル部6は、被検体8内の励起されたスピンが発生する磁気共鳴信号を検出するようになっている。ボデイコイル部6には受信部14が接続されている。受信部14はボデイコイル部6が検出した信号を受信するようになっている。
【0068】
以下、図1に示した装置と同様な構成になっている。このような構成によって図1に示した装置と同様な撮像動作が行われる。
【0069】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明では、1スライスの断層像を生成するに足る複数の磁気共鳴信号を1回の励起で生じる磁気共鳴信号に基づいて収集するに当たり、磁気共鳴信号の収集を1スライス当たり所定の繰り返し時間で複数回繰り返すとともに、繰り返しの最終回に相当する磁気共鳴信号を収集した後は直ちに信号収集シーケンスを終了するようにしたので、無駄な時間なしにSNRの良い磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴信号収集方法および磁気共鳴撮像装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態の一例の装置が実行するパルスシーケンスの一例を示す図である。
【図3】 スピンエコー法を実行したときのスピンの挙動の概念図である。
【図4】 本発明の実施の形態の一例の装置によって読み出されるスピンエコー信号の概念図である。
【図5】 本発明の実施の形態の一例の装置による2次元フーリエ空間へのデータ収集の概念図である。
【図6】 本発明の実施の形態の一例の装置によりマルチNEXでマルチスライススキャンを行う場合の概念図である。
【図7】 本発明の実施の形態の一例の装置の動作のフロー図である。
【図8】 本発明の実施の形態の一例の装置によりNEXを2としてマルチスライススキャンを行う場合の概念図である。
【図9】 垂直磁場方式の磁気共鳴撮像装置のブロック図である。
【符号の説明】
2 静磁場発生部
4,4’ 勾配コイル部
5,6’ 送信コイル部
6 ボデイコイル部
8 被検体
10 勾配駆動部
12 送信部
14 受信部
16 アナログ・ディジタル変換部
18 コンピュータ
20 制御部
22 表示部
24 操作部
Claims (2)
- 被検体を収容する空間に静磁場を形成する静磁場形成手段と、
前記空間に勾配磁場を形成する勾配磁場形成手段と、
前記空間に高周波磁場を形成する高周波磁場形成手段と、
前記空間から磁気共鳴信号を測定する測定手段と、
前記勾配磁場形成手段、前記高周波磁場形成手段および前記測定手段を制御することにより、1回の励起で生じる磁気共鳴信号に基づき1スライスの断層像を生成するに足る複数の磁気共鳴信号を収集するスキャンシーケンスを1スライス当たり所定の繰り返し時間で複数回繰り返すとともに、前記繰り返しの最終回に相当する磁気共鳴信号を収集した後は直ちに前記スキャンシーケンスを終了する制御手段と、
前記測定手段が測定した前記磁気共鳴信号に基づいて画像を生成する画像生成手段とを具備することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。 - 請求項1に記載の磁気共鳴撮像装置において、
前記スキャンシーケンスは、シングルショット・ファーストスピンエコー法によるものであることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
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1997
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