JP3748633B2 - 自動二輪車用パワーユニット及び後輪の組立体 - Google Patents

自動二輪車用パワーユニット及び後輪の組立体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車、主にスクータに用いられるパワーユニット及び後輪の組立体に関し、特に、後輪の直前に配置される内燃エンジンのクランクケース一側に、後輪の一側に配置される縦ケース部とその後端から後輪のリム内に突入するように屈曲する横ケース部とからなる伝動ケースを連設し、この伝動ケースに内燃エンジンのクランク軸に連なる無段変速機を収容してパワーユニットを構成し、その出力軸に後輪のハブを装着してなるものゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のかゝる組立体では、例えば実公平2−17990号公報に開示されているように、伝動ケース部の縦ケース部にベルト式無段変速機を、又その横ケース部に歯車減速機をそれぞれ収容している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のパワーユニット及び後輪の組立体では、ベルト式無段変速機が軸方向可動部を有することから、その横幅が可なり広く、したがって、それを収容する縦ケース部は必然的に横幅の広いものとなり、これが後輪の側方に大きく張り出して、該組立体のコンパクト化を困難にしている。
【0004】
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、入、出力軸を相互に回転自在に嵌合した油圧無段変速機を合理的に配置してコンパクトな前記自動二輪車用パワーユニット及び後輪の組立体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、後輪の直前に配置される内燃エンジンのクランクケース一側に、後輪の一側に配置される縦ケース部とその後端から後輪のリム内に突入するように屈曲する横ケース部とからなる伝動ケースを連設し、この伝動ケースに内燃エンジンのクランク軸に連なる無段変速機を収容してパワーユニットを構成し、その出力軸に後輪のハブを装着してなる、自動二輪車用パワーユニット及び後輪の組立体において、横ケース部に、入力軸及び出力軸を相互に回転自在に嵌合して同軸状に配置した油圧無段変速機を収容し、その入力軸及びクランク軸間を連結する固定回転比の巻掛伝動装置を縦ケース部に収容し、油圧無段変速機が、入力軸に固設されるシリンダボディに放射状に配設される複数の第1プランジャと、これら第1プランジャを囲繞してそれらの外端に相対移動可能に係合し、シリンダボディの回転に伴い各第1プランジャに往復動を与えると共に、その往復動ストロークを調節し得る第1ポンプリングとからなる可変容量のラジアル型第1油圧ポンプと、シリンダボディに放射状に配設される複数の第2プランジャと、出力軸に固設されると共にこれら第2プランジャを囲繞してそれらの外端に相対移動可能に係合し、シリンダボディとの相対回転に伴い各第2プランジャに一定ストロークの往復動を与える第2ポンプリングとからなる固定容量のラジアル型第2油圧ポンプとで構成され、シリンダボディには、第1油圧ポンプに作動油を吸入されると共に第2油圧ポンプから作動油を吐出される高圧油路と、第1油圧ポンプから作動油を吐出されると共に第2油圧ポンプに作動油を吸入される低圧油路とが設けられることを徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0008】
先ず図1及び図2により、パワーユニット及び後輪の組立体の全体構成について説明する。この組立体はスクータ用であって、そのパワーユニットUに後輪Wを装着して構成される。パワーユニットUは、車体フレームFに上下搖動自在に軸支されるリヤフォーク50の後端部と、車体フレームFに前後搖動自在に軸支されるリヤクッションユニット51の下端部とにより支持される。
【0009】
パワーユニットUは、後輪Wの直前に配置される内燃エンジンE、後輪Wの左側に配置される巻掛伝動装置M及び後輪Wと同軸状に配置される油圧無段変速機Tを備えている。
【0010】
内燃エンジンEは、そのクランク軸52を後輪Wの軸線と平行にして配置され、そのクランク軸52を収容、支持するクランクケース53の左端に伝動ケース54が連設される。この伝動ケース54は、クランクケース53の左端から後方に屈曲して後輪Wの左側に隣接する縦ケース部54aと、この縦ケース部54aの後端から右方に屈曲して後輪WのリムWr内に突入、配置される横ケース部54bとからなっており、その縦ケース部54aに巻掛伝動装置Mが、また横ケース部54bに油圧無段変速機Tがそれぞれ収容される。
【0011】
クランクケース53及び伝動ケース54は、パワーユニットUの一連のケーシング55を構成するもので、縦ケース部54aの左側半部を形成する第1ブロック551 と、クランクケース53、縦ケース部54aの右側半部及び横ケース部54bの左側半部を一体に連ねた第2ブロック552 、横ケース部54bの右側半部を形成する第3ブロック553 に分割して成形され、これらブロック551 ,552 ,553 は分離可能にボルト結合される。尚、クランクケース53の右端には、クランク軸52の右端部に取付けられるゼネレータ57を覆うサイドカバー56が接合される。
【0012】
クランク軸52の左端部は、巻掛伝動装置Mの駆動軸を兼ねるように縦ケース部54a側へ突出する。また横ケース部54bの左端壁にベアリング61を介して支持される油圧無段変速機Tの入力軸1は、巻掛伝動装置Mの従動軸を兼ねるように縦ケース部54a側へ突出する。そして縦ケース部54a内において、クランク軸52に駆動プーリ65を、入力軸1に従動プーリ66をそれぞれ固着し、これらにコグベルト67を巻掛けて、固定回転比の巻掛伝動装置Mが構成される。また縦ケース部54a内には、上記ベルト67に一定の張力を加えるテンションプーリ68が配設される。
【0013】
横ケース部54bの右端壁には、油圧無段変速機Tの出力軸2が左右一対のベアリング62,63を介して入力軸1と同軸状に支持される。この出力軸2は、入力軸1の内端部を囲繞する支持筒3を有しており、この支持筒3と入力軸1間に、両者を互いに支持させるベアリング64が介装される。この支持筒3の外周に前記ベアリング62は配設される。そして出力軸2の外端部に後輪WのハブWhが着脱可能にスプライン嵌合してナット69により固定される。
【0014】
横ケース部54bの左端壁及び入力軸1間には、ベアリング61の外側でオイルシール71が介裝され、また横ケース部54bの右端壁及び出力軸2間にベアリング62,63間でオイルシール72が介裝される。これにより縦ケース部54a内はドライ室に、また横ケース部54b内はウエット室とされる
横ケース部54bの右端壁と後輪WのハブWhとの間にドラム式ブレーキ75が構成される。即ち、ブレーキ75は、ハブWhに一体成形されたブレーキドラム76と、その開放面を覆うように横ケース部54bの右端壁に一体成形されたフランジ状のブレーキパネル77とを備えており、そのブレーキパネル77には、周知のようにブレーキドラム76内に収容されるブレーキシュー78と、このブレーキシュー78をブレーキドラム76の内周面に圧接すべく作動するカム軸79とが取付けられる。またカム軸79には、スクータの図示しないブレーキレバーに操作ワイヤを介して接続される作動レバー80が固着される。したがって、上記ブレーキレバーを操作することによりブレーキ75を作動させて後輪Wに制動をかけることができる。
【0015】
さて、油圧無段変速機Tの構成について図3ないし図12により説明する。図3において、油圧無段変速機Tは、可変容量のラジアル型第1油圧ポンプP1 と、定容量のラジアル型第2油圧ポンプP2 とを油圧閉回路を介して相互に連結して構成される。図3及び図4に示すように、第1油圧ポンプP1 は、入力軸1に同心状にスプライン11を介して結合されるシリンダボディ12に、その外周面に開口するように設けられる放射状配列の複数(図示例では5本)の第1シリンダ孔13と、これらシリンダ孔13にそれぞれ摺動自在に嵌装される第1プランジャ14と、このプランジャ14群を囲繞してそれらの外端と周方向摺動可能に係合する第1ポンプリング15とを備えており、各第1シリンダ孔13には第1プランジャ14を第1ポンプリング15との係合方向へ付勢するばね16が収納される。
【0016】
第1ポンプリング15は、その一側に形成したボス15aが入力軸1と平行な枢軸17を介して横ケース部54bに支持されるもので、シリンダボディ12に対し一側方へ所定距離e1 (図9(a)参照)偏心する第1偏心位置Aと、それに対し他側方へ所定距離e2 (図12(a)参照)偏心する第2偏心位置Cとの間を揺動し得るようになっており、両偏心位置A、Cの中間には、シリンダボディ12と同心になる無偏心位置(図11(a)参照)Bが存在する。第1ポンプリング15の第1及び第2偏心位置A、Cは、該リング15の他側に突設されたストッパアーム15bが横ケース部54bの内周壁に形成された凹部18の一方と他方の内端壁に当接することにより規定される。そして第1ポンプリング15を第1偏心位置A側へ常時付勢する戻しばね19が横ケース部54bと該リング15との間に介装される一方、その戻しばね19の付勢力に抗して該リング15を第1偏心位置Aから第2偏心位置Cまで揺動させ得る変速レバー20が横ケース部54bに軸支21される。この変速レバー20は手動もしくは自動アクチュエータにより操作される。而して、第1ポンプリング15は、シリンダボディ12の回転時、該リング15の偏心量に応じて各第1プランジャ14に往復動を与え、吸入及び吐出行程を繰返えさせることができる。
【0017】
図3及び図5に示すように、第2油圧ポンプP2 は、前記シリンダボディ12の外周面に開口して設けられる放射状配列の複数(図示例では5本)の第2シリンダ孔23と、これら第2シリンダ孔23にそれぞれ摺動自在に嵌装される第2プランジャ24と、この第2プランジャ24群を囲繞してそれらの外端と周方向摺動可能に係合する第2ポンプリング25とを備えており、各第2シリンダ孔23には各第2プランジャ24を第2ポンプリング25との係合方向へ付勢するばね26が収納される。
【0018】
第2ポンプリング25は、出力軸2の支持筒3に一体に連設され、且つシリンダボディ12に対し一側方へ所定距離e3 (図9(a)参照)偏心するように配置される。而して、この第2ポンプリング25は、シリンダボディ12の回転時、各第2プランジャ24に往復動を与えて吸入及び吐出行程を繰返えさせることができる。
【0019】
図3に示すように、第1油圧ポンプP1 と第2油圧ポンプP2 とはシリンダボディ12の一端側と他端側とに互いに離れて配置され、これらの中間部に入力軸1を囲繞する環状の低圧油路28と、この低圧油路28を更に囲繞する環状の高圧油路29とが設けられる。低圧油路28は、入力軸1の外周面に形成した環状溝とシリンダボディ12の内周面とで画成され、高圧油路29はシリンダボディ12に形成される。
【0020】
シリンダボディ12には、更に第1シリンダ孔13と同数で、その第1シリンダ孔13群の内側に隣接して放射状に延びる第1弁孔31と、第2シリンダ孔23と同数で、その第2シリンダ孔23群の内側に隣接して放射状に延びる第2弁孔32とが設けられる。各第1弁孔31は、シリンダボディ12の外周面から高圧油路29を貫通して低圧油路28に達しており、各第1弁孔31の内側面には、隣接する第1シリンダ孔13から側方に延びる第1ポンプポート33が開口する。各第2弁孔32も又、シリンダボディ12の外周面から高圧油路29を貫通して低圧油路28に達しており、各第2弁孔32の内側面には、隣接する第2シリンダ孔23から側方に延びる第2ポンプポート34が開口する。
【0021】
図3及び図6に示すように、第1弁孔31にはスプール型の第1切換弁35がそれぞれ摺動可能に嵌装され、これら第1切換弁35の外端に、それらを囲繞する第1切換リング37が周方向摺動可能に係合される。この第1切換リング37は図4に示すようにシリンダボディ12に対し所定距離e4 偏心した位置で横ケース部54bにボルト39で固着される。
【0022】
而して、シリンダボディ12の回転時、各第1切換弁35は、それ自体の遠心力と低圧油路28の作動油の遠心油圧とにより、第1切換リング37との係合状態に保たれる。したがって第1切換リング37は、シリンダボディ12の回転に伴い各第1切換弁35をシリンダボディ12の半径方向内方位置と外方位置との間で往復動させる。
【0023】
このとき、第1ポンプリング15が前記第1偏心位置Aを占めていれば、吐出行程中の第1プランジャ14に対応する第1ポンプポート33は第1切換弁35により低圧油路28に連通される一方、吸入行程中の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポート34は第1切換弁37により高圧油路29に連通される。
【0024】
また第1ポンプリング15が前記第2偏心位置Cを占めていれば、上記とは反対に、吐出行程中の第1プランジャ14に対応する第1ポンプポート33は第1切換弁35により高圧油路29に連通される一方、吸入行程中の第1プランジャ14に対応する第1ポンプポート33は第1切換弁35により低圧油路28に連通される。
【0025】
図3及び図7に示すように、第2弁孔32には同じくスプール型の第2切換弁36がそれぞれ摺動自在に嵌装され、これら第2切換弁36の外端に、それらを囲繞する第2切換リング38が周方向摺動可能に係合される。この第2切換リング38は、前記第1ポンプリング25に一体に連設され、且つシリンダボディ12に対し所定距離e5 偏心するように配置される。
【0026】
而して、シリンダボディ12の回転時、各第2切換弁36は、それ自体の遠心力と低圧油路28の作動油の遠心油圧とにより、第2切換リング38との係合状態に保たれる。したがって、第2切換リング38は、シリンダボディ12との相対回転に伴い各第2切換弁36をシリンダボディ12の半径方向内方位置と外方位置との間で往復動させる。この第2切換弁36によって、吸入行程中の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポート34は低圧油路28に連通される一方、吐出行程中の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポート34は高圧油路29に連通される。
【0027】
以上において、低、高圧油路28,29、第1、第2弁孔31,32及び第1、第2ポンプポート33,34は第1、第2油圧ポンプP1 ,P2 間を結ぶ油圧閉回路を構成される。
【0028】
再び図3において、低圧油路28は、入力軸1及び横ケース部54bの側壁に形成された一連の補給油路40を介して横ケース部54b底部の油溜41に連通する。補給油路40の入口にはオイルフィルタ42が設置され、また横ケース部54bの底壁中には、油溜41と通孔43を介して連通するダスト溜44が設けられる。
【0029】
図3、図4及び図8において、シリンダボディ12は、低、高圧油路28,29及び第1、第2ポンプポート33,34の形成のために、軸方向に重ねられる3つのブロック12a,12b,12cに分割され、これらはシールリング45,46を挟んで複数のボルト47により結合される。即ち、図8に明示するように、高圧油路29は、中央のブロック12bの両端面に形成した一対の環状溝29a,29bと、相隣る第1及び第2弁孔31,32と交差して両環状溝29a,29b間を連通する複数の通孔29cとから構成され、環状溝29a,29bの開放面は両外側のブロック12a,12b,12cにより閉塞される。また第1、第2ポンプポート33,34はブロック12a,12b,12cの各対向面に穿設される。
【0030】
この実施例の作用について説明すると、図2において、内燃エンジンEを作動させれば、その動力はクランク軸52から固定回転比の巻掛伝動装置Mを経て入力軸1へ伝達され、油圧無段変速機Tにより適宜変速されて出力軸2から後輪Wへ出力され、それを駆動する。即ちパワーユニットUの出力により後輪Wを駆動し、スクータを走行させことができる。
【0031】
而して、このようなパワーユニットUにおいて、固定回転比の巻掛伝動装置Mは軸方向の可動部を持たないから、その軸方向幅がベルト式無段変速機に比して極めて狭いものであり、この巻掛伝動装置Mを収容する縦ケース部54aの横幅を従来ものより大幅に短縮することができる。したがって縦ケース部54aの後輪W側方への張出量を大幅に減少させて、パワーユニットU及び後輪Wの組立体のコンパクト化を図ることができる。また横ケース部54bに収容される油圧無段変速機Tは、入、出力軸1,2を相互に回転自在に嵌合して同軸状に配置してなるものであるから、その軸方向寸法も比較的小さく、横ケース部54bのコンパクト化、縦ケース部54aの後輪W側方への張出量の減少に寄与する。
【0032】
次に、油圧無段変速機Tの作用について図9ないし図12を参照しながら説明する。尚、上記各図において、(a)は第1、第2油圧ポンプの横断面略図、(b)は第1、第2油圧ポンプP1 ,P2 の展開略図である。
【0033】
〈変速比が無段大の状態(図9参照)〉
この状態では、第1ポンプリング15を第1偏心位置A(図4参照)にシフトすることにより、第1油圧ポンプP1 の容量を第2油圧ポンプP2 のそれと等しく制御する。
【0034】
そこで、入力軸1を回転させれば、それと一体になって回転するシリンダボディ12は第1ポンプリング15及び第2ポンプリング25との各間で相対回転を生じる。このとき、第1油圧ポンプP1 では前述のように吐出行程中の第1プランジャ14に対応する第1ポンプポート33は低圧油路28に、また吸入行程中の第1プランジャ14に対応する第1ポンプポート33は高圧油路29にそれぞれ連通されるため、高圧油路29から作動油を吸入し、低圧油路28へ作動油を吐出する。
【0035】
一方、第2油圧ポンプP2 では、吸入行程中の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポート34は低圧油路28に、また吐出行程中の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポート34は高圧油路29にそれぞれ連通されるため、低圧油路28から作動油を吸入し、高圧油路29へ作動油を吐出する。
【0036】
しかも、両油圧ポンプP1 ,P2 の容量が等しいので、シリンダボディ12の1回転中、第1油圧ポンプP1 が低圧油路28に吐出する作動油の全量が第2油圧ポンプP2 に吸入され、また第2油圧ポンプP2 が高圧油路29に吐出する作動油の全量が第1油圧ポンプP1 に吸入されることになる。したがって、第1、第2プランジャ14,24はそれぞれ往復動を繰返しつゝ第1、第2ポンプリング15,25の内周面上を単に摺動するだけで回転トルクを発生せず、出力軸2は停止状態を保つ。
【0037】
〈変速比が例えば2の状態(図10参照)〉
第1ポンプリング15を第1偏心位置A(図4参照)と無偏心位置Bの中間位置、即ち偏心量がenとなる位置にシフトして、第1油圧ポンプP1 の容量を第2油圧ポンプP2 の容量の2分の1に制御する。このようにすると、シリンダボディ12の1回転中、第1油圧ポンプP1 が高圧油路29から吸入する作動油量は、第2油圧ポンプP2 が高圧油路29に吐出する作動油量の半分となるので、第2油圧ポンプP2 が残りの半分の作動油を吐出するときの反力が吐出行程中の第2プランジャ24から第2ポンプリング25に作用し、該リング25を介して出力軸2を回転させる。その結果、入力軸1の1回転中、出力軸2は半回転することになる。
【0038】
〈変速比が1の状態(図11参照)〉
第1ポンプリング15を無偏心位置B(図4参照)にシフトして、第1油圧ポンプP1 の容量を零に制御する。このようにすると、第2油圧ポンプP2 が高圧油路29へ吐出する作動油は第1油圧ポンプP1 に全く吸入されず、行き場を失うため、全ての第2プランジャ24は油圧ロック状態となり、シリンダボディ12及び第2ポンプリング25により入、出力軸1,2間が一体的に連結される結果、両軸1,2は同速度で回転する。
【0039】
〈変速比が例えば0.66の状態(図12参照)〉
第1ポンプリング15を第2偏心位置C(図4参照)にシフトして、第1油圧ポンプP1 の吸入領域及び吐出領域をこれまでとは逆にすると共に、その容量を第2油圧ポンプP2 の容量の2分の1に設定する。このようにすると、シリンダボディ12の1回転中、第1油圧ポンプP1 では第2油圧ポンプP2 の2分の1の容量をもって、吐出行程中の第1プランジャ14により対応する第1ポンプポート33から高圧油路29へ作動油を吐出し、それまで第2油圧ポンプP2 において吐出行程にあった第2プランジャ24に対応する第2ポンプポート34に供給するようになるため、該第2プランジャ24は膨脹行程に移り、その膨脹推力により第2ポンプリング25をシリンダボディ12の回転方向へ半回転分増速させる。結局、変速比は1:1.5=0.66となり、増速状態となる。
【0040】
以上より明らかなように、第1ポンプリング15を第1偏心位置Aから第2偏心位置Cへ無段階にシフトすることにより、入、出力軸1,2間の変速比を無限大(ニュートラル状態)から増速状態まで無段階に制御することができ、よって車両をスムーズに発進させ得ると共に、高速時にはオーバドライブを可能にして燃費の低減を図ることができる。
【0041】
また、シリンダボディ12の回転中は、油溜41の油は補給油路40から低圧油路28に遠心力の作用で吸入され、且つ蓄えられる。したがって第1、第2プランジャ14,24及び第1、第2切換弁35,36の摺動面等からの作動油のリーク分は、低圧油路28から直ちに補給される。
【0042】
ところで、油圧無段変速機Tは、いずれもラジアル型の第1及び第2油圧ポンプP1 ,P2 を共通のシリンダボディ12上で構成してなるものであるから、従来のアキシャル型油圧ポンプ及びモータを組合せたものに比し、軸方向寸法を大幅に短縮させ、コンパクト化を図ることができる。その上、出力軸2の内端に形成された支持筒3はベアリング62を介して横ケース部54bに支承され、その支持筒3はベアリング4を介して入力軸1の内端を支承するので、軸方向の小スペース内で両軸1,2の内端を横ケース部54bに強固に支持して、その支持剛性を高めることができると共に、軸方向のコンパクト化、延いては、この油圧無段変速機Tを収容する横ケース部54bの特に軸方向での大幅なコンパクト化を図ることができる。したがって、この横ケース部54bの多くを後輪WのリムWr内に収容して、横幅の小さい縦ケース部54aの後輪Wへの近接配置が可能となり、更にコンパクトなパワーユニットU及び後輪Wの組立体を得ることができる。
【0043】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、固定回転比の巻掛伝動装置MをVベルト式やチエン式に構成することもできる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、伝動ケースの横ケース部に、入力軸及び出力軸を相互に回転自在に嵌合して同軸状に配置した油圧無段変速機を収容し、その入力軸及びクランク軸間を連結する固定回転比の巻掛伝動装置を伝動ケースの縦ケース部に収容したので、縦ケース部54aの横幅を狭め得ること、及び油圧無段変速機の軸方向寸法を短縮し得ることにより、縦ケース部の後輪側方への張出量を少なく抑えて、パワーユニット及び後輪の組立体のコンパクト化を図ることができる。
【0045】
また特にパワーユニットの油圧無段変速機を、入力軸に連結される可変容量のラジアル型第1油圧ポンプと、これに油圧閉回路を介して連結されて出力軸を駆動する固定容量のラジアル型第2油圧ポンプとで構成したので、縦ケース部の後輪側方への張出量を更に抑えて、パワーユニット及び後輪の組立体の更なるコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るスクータ用パワーユニット及び後輪の組立体の側面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】上記パワーユニットにおける油圧無段変速機の縦断側面図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6前断面図
【図7】図3の7−7線断面図
【図8】図3の部分拡大図
【図9】変速比無限大状態の作用説明図
【図10】変速比2の状態の作用説明図
【図11】変速比1の状態の作用説明図
【図12】変速比0.66の状態の作用説明図
【符号の説明】
1・・・・・入力軸
2・・・・・出力軸
12・・・・シリンダボディ
13・・・・第1シリンダ孔
14・・・・第1プランジャ
15・・・・第1ポンプリング
23・・・・第2シリンダ孔
24・・・・第2プランジャ
25・・・・第2ポンプリング
28・・・・低圧油路
29・・・・高圧油路
52・・・・クランク軸
53・・・・クランクケース
54・・・・伝動ケース
54a・・・縦ケース部
54b・・・横ケース部
E・・・・・内燃エンジン
1 ・・・・第1油圧ポンプ
2 ・・・・第2油圧ポンプT
T・・・・・油圧無段変速機
U・・・・・パワーユニット
W・・・・・後輪
Wh・・・・ハブ
Wr・・・・リム

Claims (1)

  1. 後輪(W)の直前に配置される内燃エンジン(E)のクランクケース(53)一側に、後輪(W)の一側に配置される縦ケース部(54a)とその後端から後輪(W)のリム(Wr)内に突入するように屈曲する横ケース部(54b)とからなる伝動ケース(54)を連設し、この伝動ケース(54)に内燃エンジン(E)のクランク軸(52)に連なる無段変速機を収容してパワーユニット(U)を構成し、その出力軸(2)に後輪(W)のハブ(Wh)を装着してなる、自動二輪車用パワーユニット及び後輪の組立体において、
    横ケース部(54b)に、入力軸(1)及び出力軸(2)を相互に回転自在に嵌合して同軸状に配置した油圧無段変速機(T)を収容し、その入力軸(1)及びクランク軸(52)間を連結する固定回転比の巻掛伝動装置(M)を縦ケース部(54a)に収容し、
    油圧無段変速機(T)は、
    入力軸(1)に固設されるシリンダボディ(12)に放射状に配設される複数の第1プランジャ(14)と、これら第1プランジャ(14)を囲繞してそれらの外端に相対移動可能に係合し、シリンダボディ(12)の回転に伴い各第1プランジャ(14)に往復動を与えると共に、その往復動ストロークを調節し得る第1ポンプリング(15)とからなる可変容量のラジアル型第1油圧ポンプ(P 1 )と、
    シリンダボディ(12)に放射状に配設される複数の第2プランジャ(24)と、出力軸(2)に固設されると共にこれら第2プランジャ(24)を囲繞してそれらの外端に相対移動可能に係合し、シリンダボディ(12)との相対回転に伴い各第2プランジャ(24)に一定ストロークの往復動を与える第2ポンプリング(25)とからなる固定容量のラジアル型第2油圧ポンプ(P 2 )とで構成され、
    シリンダボディ(12)には、第1油圧ポンプ(P 1 )に作動油を吸入されると共に第2油圧ポンプ(P 2 )から作動油を吐出される高圧油路(29)と、第1油圧ポンプ(P 1 )から作動油を吐出されると共に第2油圧ポンプ(P 2 )に作動油を吸入される低圧油路(28)とが設けられることを特徴とする、自動二輪車用パワーユニット及び後輪の組立体
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