JP3747802B2 - 演奏データ編集装置及び方法並びに記憶媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、演奏データに対して新たな音楽的表現を自動的に付加する演奏データ編集装置および方法並びに記憶媒体に関し、特に所定楽器に特有な奏法に関する表情付けをより音楽的に自然な表現で、かつ、効率的に処理するようにした演奏データ編集装置及び方法並びに記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、所定の演奏データ(演奏情報)を基に楽音を自動演奏する自動演奏装置(つまり、シーケンサー)が知られている。こうした自動演奏装置で用いられる演奏データを一連の音符列の各音高をそれぞれ表す複数の音高情報のみで構成すると、該演奏データを再生することにより行われる楽音の自動演奏は機械的な無表情な演奏が行われることとなり、非常に音楽的に不自然である。そこで、こうした演奏データに基づく自動演奏をより音楽的に自然に近い演奏、美しい演奏、生々しい演奏とするためには、様々な音楽的な表現や楽器らしさといった表情付けを演奏データに対して行うとよい。そこで、従来では、ユーザの作成した機械的な演奏データから編集を加えた方がよい(つまり、所定楽器に特有の奏法を用いて演奏するようにした方が好ましい)と思われるような適正箇所を検索し編集することによって、そのままでは機械的な無表情な演奏である演奏データをより音楽的に自然な人間味のある演奏を実現する演奏データへと自動的に編集する演奏データ編集装置が知られている。こうした演奏データ編集装置においては、例えば、ユーザによる所望の奏法の選択に従って該選択奏法を適用する箇所を演奏データから自動的に検索し、該検索された演奏データに対してユーザが選択した奏法を実現する制御データを新たに加える、若しくは演奏データを再編集する等の処理を行っている。この際に、複数の奏法を適用させたい場合には、ユーザが複数の奏法を順番に選択すればよく、その選択順に上記したような演奏データの編集が順次に行われるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の演奏データ編集装置において、選択奏法を適用する箇所を演奏データから検索する際には、選択された奏法を適用可能であるか否かの判定を演奏データ中の全音符イベントについて行っていた。すなわち、演奏データ中の全ての音符イベントについて選択した奏法の適用可否の判定を行うと、奏法を適用する箇所の検索に多大な時間がかかることになるので、該演奏データの編集処理が効率的に行われず不都合である、という問題点があった。
また、ユーザの選択した順序に従う奏法毎に順次に演奏データ中の全音符イベントに対して検索・編集を行っていたことから、ユーザによる奏法の選択順序によっては編集結果として音楽的に不自然な表現が付されてしまうことがある、という問題点もあった。
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、所定楽器に特有な奏法に関する表情付けを演奏データに対して適正かつ効率的に行うことのできる演奏データ編集装置及び方法並びに記憶媒体を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1に記載の演奏データ編集装置は、複数の音符情報を含む演奏データを供給する演奏データ供給手段と、所定の音楽表現情報を入力する入力手段と、前記供給された演奏データに含まれるいずれかの音符情報に前記入力された音楽表現情報を付加する付加手段と、前記音楽情報が付加された音符情報近傍の他の音符情報に前音楽表現情報付加しないよう指示する所定の省略情報与する付与手段とを具えてなり、前記付加手段は、前記省略情報が付与されている音符情報については前記音楽表現情報を付加しないことを特徴とする
【0006】
本発明によると、供給された演奏データに含まれる複数の音符情報のうち省略情報が付加されていない音符情報に対してのみ、入力した音楽表現情報を付加するよう制御を行う。すなわち、付加手段は、演奏データに対して入力された音楽表現情報を付加する際に、演奏データに含まれる各音符情報において省略情報が付されているか否かに応じて入力された音楽表現情報の付加制御を行い、省略情報が付加されていない音符情報のみに対して音楽表現情報を付加する。演奏データ供給手段は、複数の音符情報を含む演奏データを供給する。入力手段は、所定の音楽表現情報を入力する。付加手段は、前記供給された演奏データに含まれるいずれかの音符情報に前記入力された音楽表現情報を付加する。付与手段は前記音楽情報が付加された音符情報近傍の他の音符情報に前記音楽表現情報を付加しないよう指示する所定の省略情報を付与するものであり、省略情報を付するには各音符情報毎に対応するようにして付する。前記付加手段は、供給された演奏データに含まれる各音符情報のうち省略情報が付与されている音符情報に対しては入力された音楽表現情報を付加することなく、省略情報が付されていない音符情報に対してのみ入力された音楽表現情報を付加するように制御する。このように、入力された音楽表現情報を付加する対象の音符情報を省略情報に従って選択するようにしたことによって、音楽表現情報の付加にかかる処理時間を短縮することができるようになる。すなわち、簡単かつ効率的に演奏データ全体にわたって入力した音楽表現情報を自動的に付加することができるようになる。
【0007】
本発明に係る請求項4に記載の演奏データ編集装置は、複数の音符情報を含む演奏データを供給する演奏データ供給手段と、所定の音楽表現情報を入力する入力手段と、前記供給された演奏データに含まれる各音符情報毎に、入力された音楽表現のうち該音符情報に適応可能な音楽表現情報を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づき適応可能と判定された音楽表現情報のみを、予め決められた優先順位に従って各音符情報毎に付加する付加手段とを具備する。このようにすると、入力された複数の音楽表現情報のうち適応可能と判定された音楽表現情報のみを、予め決められた優先順位に従って各音符情報毎に付加することから、複数の音楽表現情報を演奏データに反映するようにして編集する場合であっても音楽的に自然な演奏となるように、演奏データの編集を適切に行うことができるようになる。
【0008】
本発明は、装置の発明として構成し、実施することができるのみならず、方法の発明として構成し実施することができる。また、本発明は、コンピュータまたはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施することができるし、そのようなプログラムを記憶した記憶媒体の形態で実施することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
【0010】
図1は、この発明に係る演奏データ編集装置の全体構成の一実施例を示したハード構成ブロック図である。ここに示された演奏データ編集装置PCのハードウエア構成例はコンピュータを用いて構成されており、そこにおいて、演奏データ(演奏情報)に対しての所定奏法の表情付けに関する自動編集はコンピュータがこの発明に係る演奏データ編集処理を実現する所定の制御プログラムを含むソフトウエアを実行することにより実施される。勿論、この演奏データ編集処理はコンピュータソフトウエアの形態に限らず、DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)によって処理されるマイクロプログラムの形態でも実施可能であり、また、この種のプログラムの形態に限らず、ディスクリート回路又は集積回路若しくは大規模集積回路等を含んで構成された専用ハードウエア装置の形態で実施してもよい。また、本発明に係る演奏データ編集装置PCはパーソナルコンピュータに限らず、電子楽器やカラオケ装置又は電子ゲーム装置、あるいはその他のマルチメディア機器等、任意の製品応用形態をとっているものであってもよい。
【0011】
本実施例に示す演奏データ編集装置PCは、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータによって制御されるようになっている。CPU1は、この演奏データ編集装置PC全体の動作を制御するものである。このCPU1に対して、通信バス1D(例えば、データ及びアドレスバス等)を介してリードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3、MIDIインタフェース(I/F)4、検出回路5、表示回路6、音源回路7、通信インタフェース(I/F)8、外部記憶装置9がそれぞれ接続されている。更に、CPU1には、タイマ割込み処理(つまり、インタラプト処理)における割込み時間や各種時間を計時するタイマ1Aが接続されている。すなわち、タイマ1Aは時間間隔を計数したり、演奏データに基づいて楽曲を自動演奏する際の演奏テンポを設定したりするためのテンポクロックパルスを発生する。このテンポクロックパルスの周波数は、操作子5Aの中の例えばテンポ設定スイッチ等によって調整される。このようなタイマ1AからのテンポクロックパルスはCPU1に対して処理タイミング命令として与えられたり、あるいはCPU1に対してインタラプト命令として与えられる。CPU1は、これらの命令に従って「メイン処理」(後述する)等の各種処理を実行する。CPU1で実行する「メイン処理」等の制御プログラムは、通信ネットワーク8Aから通信インタフェース8を介してハードディスクなどの外部記憶装置9に記憶される。そして、実行時に外部記憶装置9からRAM3にロードされる。あるいは、ROM2にこうした制御プログラムが予め記憶されていてもよい。
【0012】
ROM2は、CPU1により実行あるいは参照される「メイン処理」などの各種制御プログラムや表情情報などの各種データ等を格納するものである。RAM3は、データ編集対象とする演奏データ(演奏情報)、音符イベントデータ毎の省略バッファ及び表情バッファ、CPU1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データなどを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータを記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、メモリなどとして利用される。これらのROM2やRAM3に格納される上記表情情報や演奏データ、省略バッファ及び表情バッファ、若しくは「メイン処理」ついての詳細な説明は後述することから、ここでの説明を省略する。
【0013】
MIDIインタフェース(I/F)4は、電子楽器4A等からMIDI規格の楽音情報(MIDIデータ)を当該演奏データ編集装置PCへ入力したり、あるいは当該演奏データ編集装置PCからMIDI規格の楽音情報(MIDIデータ)を電子楽器4A等へ出力するためのインタフェースである。電子楽器4Aはユーザによる操作に応じてMIDIデータを発生する機器であればよく、鍵盤型、ギター型、管楽器型、打楽器型、ミブリ型等どのようなタイプの操作子を具えた(若しくは、操作形態からなる)機器であってもよい。
なお、MIDIインタフェース(I/F)4は専用のMIDIインタフェースを用いるものに限らず、RS−232C、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)等の汎用のインタフェースを用いて該MIDIインタフェース(I/F)4を構成するようにしてもよい。この場合、MIDIデータ以外のデータをも同時に送受信するようにしてもよい。MIDIインタフェース4として上記したような汎用のインタフェースを用いる場合には、電子楽器4AはMIDIデータ以外のデータも送受信できるようにしてよい。勿論、楽音情報に関するデータフォーマットはMIDI形式のデータに限らず、他の形式であってもよく、その場合はMIDIインタフェース4と電子楽器4Aはそれにあった構成とすることは言うまでもない。
【0014】
操作子5Aはデータ編集対象とする演奏データ(演奏情報)を曲名などを用いて選択するための演奏データ選択スイッチ、データ編集を行う編集モードの開始及び終了を指示するためのモード設定スイッチ、若しくはデータ編集を行う際に適用する奏法を選択するための奏法選択スイッチなど、各種の操作子(スイッチ等)を含んで構成される。勿論、これらのスイッチの他にも、音高、音色、効果等を選択・設定・制御するために用いる数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキーボード、あるいはマウスなどの各種操作子を含んでいてよい。検出回路5は、操作子5Aの各操作子の操作状態を検出し、その操作状態に応じたスイッチ情報を通信バス1Dを介してCPU1に出力する。表示回路6は選択された演奏データに付されている曲名や該演奏データに基づく楽曲に関する楽譜等の各種情報を、例えば液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成されるディスプレイなどの表示装置6Aに表示するのは勿論のこと、自動演奏時における音高、音色、効果等の演奏条件に関する設定状態等の各種情報、あるいはCPU1の制御状態などを表示装置6Aに表示する。
【0015】
音源回路7は、複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、通信バス1Dを経由して与えられた演奏データ(データ編集処理前及びデータ編集処理後の両方の演奏データを含む)等の情報を入力し、この情報に基づいて楽音信号を発生する。音源回路7から発生された楽音信号は、サウンドシステム7Aを介して発音される。この音源回路7とサウンドシステム7Aの構成には、従来のいかなる構成を用いてもよい。
【0016】
通信インタフェース(I/F)8は、例えばLANやインターネット、電話回線等の有線あるいは無線の通信ネットワーク8Aに接続されており、該通信ネットワーク8Aを介して、サーバコンピュータ(図示せず)等と接続され、当該サーバコンピュータから制御プログラムや演奏データなどの各種情報を演奏データ編集装置PC本体側に取り込むためのインタフェースである。すなわち、ROM2や外部記憶装置9(ハードディスク)等に制御プログラムや演奏データなどが記憶されていない場合に、サーバコンピュータから制御プログラムや演奏データなどをダウンロードするために用いられる。クライアントとなる演奏データ編集装置PCは、通信インタフェース8及び通信ネットワーク8Aを介してサーバコンピュータへと制御プログラムや演奏データなどのダウンロードを要求するコマンドを送信する。サーバコンピュータは、このコマンドを受け、要求された制御プログラムや演奏データなどを、通信ネットワーク8Aを介して本演奏データ編集装置PCへと配信し、本演奏データ編集装置PCが通信インタフェース8を介して、これら制御プログラムや演奏データなどを受信して外部記憶装置9(ハードディスク)等に蓄積することにより、ダウンロードが完了する。
【0017】
外部記憶装置9は、データ編集対象とする演奏データ(演奏情報)、若しくはCPU1が実行する各種プログラムの制御に関するデータ等を記憶するものである。前記ROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、この外部記憶装置9(例えばハードディスク)に制御プログラムを記憶させておき、それを前記RAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、外部記憶装置9はハードディスク(HD)に限られず、フロッピィーディスク(FD)、コンパクトディスク(CD−ROM・CD−RAM)、光磁気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digital Versatile Diskの略)等の着脱自在な様々な形態の外部記録媒体を利用する記憶装置であってもよい。あるいは、半導体メモリなどであってもよい。
【0018】
図1に示した演奏データ編集装置PCにおいては、ユーザ選択に従ってROM2やRAM3あるいは外部記憶装置9等から読み出された演奏データ(演奏情報)に対して、ユーザ所望の奏法を適用するように自動編集する。すなわち、当該演奏データ編集装置PCではROM2やRAM3あるいは外部記憶装置9に演奏データを多数記憶しておき、ユーザによる演奏データ選択スイッチの操作に従って演奏データを適宜に選択的に読み出し、該演奏データをユーザ所望の奏法に関する表情情報に基づいて自動的に編集する。そこで、本発明に係る演奏データ編集装置PCで用いる演奏データ(演奏情報)及び表情情報の各々のデータ構成について説明する。
【0019】
まず、演奏データ(演奏情報)について図2を用いて説明する。図2は、演奏データのデータ構成の一実施例を示す概念図である。この演奏データは所定の楽曲を自動演奏するために用いられるデータであり、従来から知られているSMF(Standard Midi Fileの略)等の所定のファイル形式で記録された複数パート構成のデータである。
【0020】
図2から理解できるように、演奏データ(演奏情報)は設定情報と再生情報とに大きく分けることができる。設定情報は自動演奏の際に用いる各種の再生態様を設定するための情報であり、例えば該演奏データを再生する際のテンポを規定するテンポデータ、音色を規定する音色データ、音量を規定する音量データなどを含む情報である。再生情報は自動演奏される楽曲の再生内容を表わす情報であり、各パート(例えば、メロディに関するメロディパート、ベースやコード演奏などに関する伴奏パート、リズム伴奏に関するリズムパート)毎のタイミングデータとイベントデータの組みを再生進行順に記憶している情報である。各パート毎のタイミングデータは発音や消音などの楽曲を再生するための各種イベントデータを処理すべき時間(すなわち、タイミング)を表わすデータであり、MIDIクロックに準じたクロック数で表すことのできるデータである。このタイミングデータは、イベントを処理すべきタイミングを曲の先頭や各小節の先頭からの絶対時間(つまり、絶対的なクロック数)、あるいは1つ前のイベントからの相対時間(つまり、相対的なクロック数)で示されるデータである。各パート毎のイベントデータは、発音や消音などの楽曲を再生するための各種イベントの内容を表わすデータである。こうした各種イベントの内容としてはキーオン、キーオフ、テンポ変更、音色変更などがあり、これらのイベントを基にして自動演奏は行われる。この実施例においては、これらのイベントのうちキーオンやキーオフなどの音符に関するイベントを音符イベントデータと呼び(単に音符イベントとも呼ぶ)、テンポ設定や音色変更などの再生態様を変更するためのイベントを設定イベントデータと呼んで(単に設定イベントとも呼ぶ)区別する。後述する演奏データ編集処理においては、演奏データ中から前記音符イベントデータを検索して、該音符イベントデータに対して表情付けに関する所定の制御データを付加することで、ユーザ所望の奏法に関するデータ編集を行っている。
【0021】
次に、当該演奏データ編集装置PCで用いる表情情報のデータ構成について図3を用いて説明する。図3は、表情情報のデータ構成の一実施例を示す概念図である。この表情情報は演奏データ中の適正箇所に表情を付与する(つまり、奏法に相当する音楽的な内容に演奏データを編集する)ために用いるデータであり、複数の奏法それぞれに対応した複数の表情情報が予め用意されている。例えば、グリッサンド用、ビブラート用、チョーキング用の表情情報が予めROM2やRAM3あるいは外部記憶装置9等に記憶されている。
【0022】
図3から理解できるように、1つの奏法に対応する1つの表情情報は識別情報と特定情報と編集情報と省略情報とにより構成される。識別情報は、該表情情報がどのような奏法を実現するための情報であるかを表わす(つまり識別する)ための情報であり、例えば、グリッサンドやビブラート若しくはチョーキングといった奏法名(あるいは表情名)が記憶されている。特定情報は、本表情情報に基づいた編集を行うことが望ましいと考えられる箇所(つまり、演奏データ中における適正箇所)を特定するための情報であり、例えば、「検索対象の2つ前の音符は、3つ前の音符の半音上である」「検索対象の1つ前の音符は、2つ前の音符の半音上である」「検索対象の音符は、1つ前の音符の半音上である」などの、1乃至複数の情報である。こうした特定情報に従って、演奏データ中の各音符イベントに適用する奏法(つまり表情)が決定され、該決定された表情を音符イベントデータ毎の表情バッファに表情指示データとして記憶する(後述する図4参照)。編集情報は、適正箇所の音符イベント(およびその近郊の音符イベント)に対して加える編集の内容(方法)を表わす情報であり、例えば、「ビブラートのためのピッチベンドデータを付与する」などの情報である。こうした編集情報に基づいて、演奏データの適正箇所が奏法に相当する内容に編集される。省略情報は、本表情情報を適用する適正箇所の周辺で、(音楽的な適切さから)本表情情報を適用できなくなる箇所(つまり音符イベント)を指示するためのデータであり、例えば、「検索対象の1つ後の音符は評価済みとする」「検索対象の2つ後の音符は評価済みとする」「検索対象の3つ後の音符は評価済みとする」などの、1乃至複数の情報である。こうした省略情報に従って、編集情報に従う奏法を適用できない箇所が決定されて、その箇所(つまり、適用できない音符イベント)に対応する省略バッファに適応できない奏法を省略データとして記憶する(後述する図5参照)。
【0023】
ここで、上述の表情バッファ及び省略バッファについて簡単に説明する。図4は表情バッファの構成を示す概念図であり、図5は省略バッファの構成を示す概念図である。表情バッファは、音符イベント毎に適応する奏法を示す表情指示データを保持したバッファである。図4に示した実施例においては、音符イベントAに対してグリッサンド、音符イベントBに対してビブラート及びチョーキング、音符イベントCに対しては「付与表情無し」を示す表情指示データをそれぞれ保持している例を示した。各音符イベント毎の表情指示データは、処理優先度の高い奏法順に保持される。こうした場合、複数の表情の優先順位は予め決められている。例えば、複数の音符に対して編集を行う奏法よりも1つの音符に対して編集を行う奏法の方が優先度が高い、1つの音符を編集する奏法でも編集領域の狭い方が編集領域の広い方より優先度が高い、などのように優先順位が決められている。例えば、音符イベントBにおいては、ビブラートの方がチョーキングよりも優先度が高いことになる。こうすると、表情付与の処理は保持されている順に行うという簡単な処理で、適正な編集を行えるようになる。
【0024】
一方、省略バッファは音符イベント毎にその音符に対して適応できない奏法を指示する省略データを保持したバッファである。図5に示した実施例においては、音符イベントAに対してビブラート及びチョーキング省略、音符イベントBに対しては「省略データ無し」、音符イベントCに対してはビブラート省略を示す省略データをそれぞれ保持している例を示した。こうすると、省略データが保持されている音符イベントに対しては、表情情報の特定情報に従って行われる奏法適用の可否の判定を簡単に処理することができるようになる。
【0025】
上述したように、図1に示した演奏データ編集装置PCは、ユーザによる演奏データ選択スイッチの操作に基づいてROM2やRAM3あるいは外部記憶装置9からユーザ所望の演奏データを読み出し、該演奏データをユーザ指定の奏法に関する表情情報に基づき自動的に編集する。こうした演奏データの自動編集は、演奏データ編集装置PCのCPU1が演奏データ編集処理を実現する所定のプログラム(ソフトウエア)を実行することにより実施される。そこで、CPU1で実行する演奏データ編集処理について、図6から図8までを用いて説明する。以下、図6から図8までのフローチャートに従って、当該処理における処理動作を説明する。
【0026】
まず、図6に示す「メイン処理」について、その動作を説明する。図6は、上述した演奏データ編集装置PCのCPU1で実行される「メイン処理」の一実施例を示したフローチャートである。該「メイン処理」は、検索編集プログラムを含んだソフトウエアを起動した後に編集モードへ移行すると起動される。すなわち、前記ソフトウエアに含まれる処理には、演奏データを編集する編集モード以外にも、作成あるいは編集された演奏データを再生する再生モードや演奏データを新たに作成する作成モードなどの各種モードがあり、これらのモードの中からモード設定スイッチの操作に従って編集モードが選択された場合に該「メイン処理」が起動される。
【0027】
ステップS1では、奏法が選択されたかを検出して、新たな奏法の選択が検出されれば該奏法を適応バッファに記憶する。すなわち、ユーザによる奏法選択スイッチの操作に従って所定の奏法が選択されて、該選択された奏法は適応バッファに記憶される。この適応バッファは、ユーザの選択した(演奏情報に適応させる)奏法を保持しておくためのバッファであり、複数の奏法を選択することで複数の奏法に相当する編集を同時に行うことを可能とするために用いられるバッファである。適応バッファは、選択された奏法を適用時に用いる優先度の高い順(あるいは低い順)に記録する。この優先度は予め決められており、例えば、複数の音符に対して編集を行う奏法よりも1つの音符に対して編集を行う奏法の方が優先度が高い、あるいは1つの音符を編集する奏法でも編集領域の狭い方が編集領域の広い方より優先度が高い、などのようにして優先度が決まっている。そのため、例えば奏法としてビブラートとグリッサンドがそれぞれ選択された場合、適応バッファには優先順位の高い方からグリッサンド、ビブラートの順に記録される。ステップS2では、編集処理の開始指示があるか否かを判定する。すなわち、ユーザにより編集開始スイッチの操作が行われたか否かを判定する。編集処理の開始指示が行われたと判定した場合には(ステップS2のYES)編集処理(ステップS3)を実行し、所定の奏法を付加するように演奏データの編集を行ってからステップS4の処理へ行く。この編集処理について説明は、後述する図7で行うのでここでの説明を省略する。一方、編集処理の開始指示が行われていないと判定した場合には(ステップS2のNO)、ステップS3の処理を行わずにステップS4の処理へジャンプする。すなわち、この場合には編集処理が行われないことになる。
【0028】
ステップS4では、「その他の処理」を行う。この実施例で行う「その他の処理」の一例としては、例えば、演奏データ中にイベントなどを追加したり削除したりするなどの通常の編集処理、などの各種処理がある。ステップS5では編集モードの終了指示が行われたか否かの判定を行い、ユーザによるモード設定スイッチの操作に従って編集モードの終了指示が行われたと判定した場合には(ステップS5のYES)該「メイン処理」を終了する。一方、編集モードの終了指示が行われていないと判定した場合には(ステップS5のNO)、ステップS1の処理へ戻って上記ステップS1〜S5の各処理を繰り返し実行する。
【0029】
次に、上述した「メイン処理」のステップS3で起動する「編集処理」について図7を用いて説明する。図7は、「編集処理」の一実施例を示したフローチャートである。
【0030】
ステップS11では、演奏情報(演奏データ)中から次の音符イベントを検出する。ステップS12では、音符イベントがあるか否かの判定を行う。すなわち、これらの処理では、選択された演奏データ中のイベントから音符イベントを順次に1つずつ読み出す。音符イベントがなく読み出すことができない場合には(ステップS12のNO)、該処理を終了する。一方、音符イベントがある場合には(ステップS12のYES)、音符イベントを読み出して(ステップS13)、「検索処理」を実行する(ステップS14)。この検索処理についての詳細な説明は、後述する。ステップS15では、表情バッファ内の表情指示データの指示する表情情報を利用して演奏データを編集する。この編集は、奏法の優先順に実行される。この際に、複数の表情による編集が行われるときは2番目以降に適応する表情を、それまでに適応されている表情を考慮した適応状態に変更して適応する。ステップS16では、表情バッファ内の表情指示データの指示する表情情報を利用して省略バッファに対応する省略データを記録する。つまり、前記表情情報内の省略情報を読み出して(参照して)、該表情情報が表す表情(奏法)を適応できなくなる音符イベントを決定して、その決定された音符イベントに対応する省略バッファに前記奏法を適応できない旨を表す省略データを書き込む。このステップS16の処理は、適応バッファに記録されている全ての奏法について行われる。そして、ステップS11の処理に戻る。このようにして、演奏データ中のイベントから音符イベントを順次に読み出して、読み出される毎に適応バッファに保持されている奏法を適応できるか否かを判定し、該判定結果に基づいて演奏情報の編集が行われる。
【0031】
次に、上述した「編集処理」のステップS14で起動する「検索処理」について、図8を用いて説明する。図8は、「検索処理」の一実施例を示したフローチャートである。この「検索処理」は、読み出された音符イベントデータに対して、適応バッファに保持されている奏法のそれぞれが適応されるものか否かを判定する処理である。
【0032】
ステップS21では、適応バッファから未処理の奏法を検出する。この際、適応バッファに複数の奏法が記録されている場合には、優先順に従って処理する。ステップS22では、奏法の検出があるか否かを判定する。奏法の検出がなかった場合には(ステップS22のNO)、該処理を終了する。一方、奏法の検出があった場合には(ステップS22のYES)、今回の音符イベントの省略バッファ内に、検出された奏法に対応する省略データがないかを判定する(ステップS23)。判定の結果として、対応する省略データがある場合には(ステップS24のNO)、ステップS21の処理へ戻る。すなわち、この場合にはデータ編集が行われない。対応する省略データがない場合には(ステップS24のYES)、奏法の指示する表情情報を読み出す(ステップS25)。そして、読み出した表情情報の特定情報に従って、今回の音符イベントが今回の表情に適切であるか否かを判定する(ステップS26)。適切であると判定されなかった場合には(ステップS27のNO)、ステップS21の処理へ戻る。適切であると判定された場合には(ステップS27のYES)、今回の音符イベントに対応する表情バッファに今回の表情を指示する表情指示データを記録する(ステップS28)。
【0033】
上述したような演奏データ編集処理(図6〜図8参照)を行うことで、本発明に係る演奏データ編集装置PCでは各音符イベントに対して複数の奏法を適切に対応させながら演奏データに対する編集を適切に処理することができるようになる。そこで、複数の奏法の適正な付加の方法について簡単に説明する。
例えば、演奏データに対してより自然なギターらしさの音楽表現を付加するためには、複数の奏法を同時に適用することがある。具体的には、「検索対象音符の次の音符の音程が下降し、さらに次の音符の音程が上昇する」と、検索対象音符の末尾にグリッサンドダウンを付加する。また、「4分音符以上の音長の音符」を見つけたらビブラートを付加する。こうした複数の奏法を演奏データに適用する場合においては、グリッサンドダウンとビブラートなどの複数の奏法が適用される音符イベントが演奏データ中に存在することがある。例えば、上記したような特定情報に従ってグリッサンドダウンとビブラートの両方の奏法を適用した場合には、一部の音符イベントに対しては両方の奏法が適用される。このような場合において、付加する音符の音長に応じてビブラートがかかっている時間を十分に確保するようにしてビブラートを付加した状態で、さらにグリッサンドダウンを付加すると、グリッサンドダウンのかかっている時間がビブラートのかかっている時間と重なり合ってしまう。そうすると、グリッサンドダウンのピッチの動きが曖昧になったり、音程の行き着き先が変わってしまったりするので、あまりグリッサンドダウンらしくなくなってしまう、という不都合が生じることになる。こうしたグリッサンドダウンとビブラートの両方の奏法を適用する場合には、グリッサンドダウンがかかり始めると、ビブラートがかかり終わっていることが望ましい。そのようにするためには、グリッサンドダウンが付加されることが分かっている場合にはその時間分だけビブラートを早く終わるようにビブラートのピッチベンドを生成するとよい。そこで、上述した演奏データ編集処理においては、適用する奏法毎に優先度を設けて対処するようにした。すなわち、グリッサンドダウンを先に処理してからビブラートを処理するようにすることによって、音符イベントの検索時に特定情報に従がうビブラートを付加する音符イベントを検索すると、既にグリッサンドダウンが設定されたか否かを判定し、該判定結果に従ってビブラートの効果する長さを決定するようにして演奏データを編集する。
このようにして、各音符イベントに対して複数の奏法を適切な順に適用することにより、演奏データに対して行われる編集が音楽的に自然な演奏とすることができるようになる。
【0034】
また、上述したような演奏データ編集処理(図6〜図8参照)を行うことで、本発明に係る演奏データ編集装置PCでは各音符イベントに奏法を適応させるデータ編集を迅速かつ適切に処理することができるようになる。そこで、このデータ編集処理の迅速性、すなわちデータ編集処理に係る処理時間の短縮方法について、図9を用いながら簡単に説明する。図9は、演奏データ編集処理の際における処理時間短縮について説明するための具体的な概念図である。ただし、この図では説明を理解しやすくするために各音符イベントを音符(イベント)1〜音符(イベント)8として楽譜上に便宜的に表示した。
【0035】
例えば、ギターらしさの表現を付加するために、半音進行が続いた場合に4つ目の音符毎にチョーキングを付加する。こうした奏法を図9に示した譜例に適用する場合、チョーキング用の表情情報が予め用意される。すなわち、識別情報が「チョーキング」であり、特定情報が「検索対象の2つ前の音符は、3つ前の音符の半音上である」「検索対象の1つ前の音符は、2つ前の音符の半音上である」「検索対象の音符は、1つ前の音符の半音上である」であり、編集情報が「チョーキングのためのピッチベンドデータを付与する」であり、省略情報が「検索対象の1つ後の音符は評価済みとする」「検索対象の2つ後の音符は評価済みとする」「検索対象の3つ後の音符は評価済みとする」である表情情報が用意される。そして、「メイン処理」においてチョーキングが奏法として選択されて編集開始の指示がなされると編集処理が開始される(図6のステップS2及びS3参照)。編集処理において、まず最初の音符イベント1が検出されて読み出されると検索処理を開始する(図7のステップS11〜S14参照)。検索処理では、該音符イベント1の適応バッファから未処理の奏法としてチョーキングを検出して処理を進めるが、該音符イベント1は前記特定情報に当てはまらないことから、今回の表情を付加する音符イベントとして適切でないと判定されて(図8のステップS27参照)、該検索処理を終了して編集処理に戻る。すると、最初の音符イベント1に対しては、対応する表情バッファに表情指示データが生成されないことから該音符イベントに関してのデータ編集は行われないし、対応する省略バッファに省略データを記録もしない(図7のステップS15及びS16参照)。次に、音符イベント1に続く次の音符イベント2、その後に音符イベント3を検出して、同様に処理を進める。その結果、音符イベント1〜音符イベント3までについての演奏データに対する編集処理は行われないことになる。
【0036】
さらに音符イベント4が検出された場合、この音符イベント4は特定情報に従って表情付与に適切な音符イベントであると判定されるので、音符イベント4に関しては対応する表情バッファに表情指示データが記録される(図8のステップS27及びS28参照)。そして、この表情指示データに従って演奏データが編集される(図7のステップS15参照)。すなわち、チョーキングが付される。また、表情情報の省略情報に従い、対応する省略バッファに省略データを記録する(図7のステップS16参照)。この場合、省略情報の内容が上述のように「検索対象の1つ後の音符は評価済みとする」「検索対象の2つ後の音符は評価済みとする」「検索対象の3つ後の音符は評価済みとする」であることから、該音符イベント4の1つ後の音符イベント5、2つ後の音符イベント6、3つ後の音符イベント7にそれぞれ対応する省略バッファにチョーキング省略の省略データを記録することになる。音符イベント4の処理が終了して次の音符イベントとして音符イベント5が検出された場合には、検索処理において対応する省略データがあると判断されて(図8のステップS24参照)、対応する表情バッファに表情指示データが記録されないことから、音符イベント5に対しての演奏データ編集は行われない。また、同様に音符イベント6及び音符イベント7についても、演奏データ編集は行われない。そして、音符イベント8については音符イベント4の処理と同様の処理が行われることから、音符イベント8に対してはチョーキングが付加されることになる。
このように、表情情報に省略情報を予め記録しておき、省略情報が付加されていない音符イベントのみを検索して表情付与することにより、編集にかかる処理時間を短縮することができるようになる。
【0037】
なお、上述した実施例においては、検索及び編集対象のパートをメロディパートとしているが、無論、検索及び編集対象のパートを伴奏パートやリズムパートとしてもよい。また、検索及び編集対象のパートをユーザが自由に設定できるように設定手段を設けてもよい。さらに、複数のパートを同時に検索及び編集対象のパートとして設定できるようにしてもよい。
なお、表情情報には特定情報と編集情報とがセットで記憶されているが、別々に記憶しておくようにしてもよい。また、特定情報と編集情報をデータとして記憶しておくものに限らず、そのデータに従った検索や編集を行える特殊プログラムとして用意しておいてもよい。
なお、省略バッファ及び表情バッファの内容は、検索が終了した音符イベントについては逐次削除していくようにするとよい。こうすると、データ記憶領域を節約することができ有利である。
なお、上述の実施例においては、適応バッファに複数の奏法を優先度の高い順に記録し、該優先度に従って演奏データに対する編集処理を行うようにしたがこれに限らない。例えば、別の実施例として、適応バッファには複数の奏法を選択順に記録しておく(優先順位は考慮しない)。そして、表情バッファに表情指示データを記録する(図8のステップS28参照)際に、複数の奏法を優先度の高い順に記録し、該優先順位に従って演奏データに対する編集処理を行うようにしてもよい。
【0038】
なお、本発明に係る演奏データ編集装置PCにおいて用いる演奏データ(演奏情報)のフォーマットは、イベントの発生時刻を曲や小節内における絶対時間で表した『イベント+絶対時間』形式のもの、イベントの発生時刻を1つ前のイベントからの時間で表した『イベント+相対時間』形式のものに限らず、他にも音符の音高と符長あるいは休符と休符長で演奏データを表した『音高(休符)+符長』形式のもの、演奏の最小分解能毎にメモリの領域を確保し、演奏イベントの発生する時刻に対応するメモリ領域にイベントを記憶した『ベタ方式』形式のものなど、どのような形式のものでもよい。また、複数チャンネル(パート)分の演奏データが存在する場合は、複数のチャンネル(パート)のデータが混在した形式であってもよい。さらに、演奏データの処理方法は、設定されたテンポに応じて処理周期を変更する方法、処理周期は一定で自動演奏中のタイミングデータの値を設定されたテンポに応じて変更する方法、処理周期は一定で1回の処理において演奏データ中のタイミングデータの計数の仕方をテンポに応じて変更する方法等、どのようなものであってもよい。また、メモリ上において、時系列の演奏データが連続する領域に記憶されていてもよいし、飛び飛びの領域に散在して記憶されている演奏データを、連続するデータとして別途管理するようにしてもよい。すなわち、時系列的に連続する演奏データとして管理することができればよく、メモリ上で連続して記憶されているか否かは問題ではない。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、省略情報が付加されていない音符イベントのみを検索して表情付与に関する編集処理を行うようにしたことから、データ編集にかかる処理時間を大幅に短縮することができる。すなわち、効率的に奏法適用の演奏データ編集処理を行うことができるようになる、という効果が得られる。
また、各音符イベントに対して複数の奏法を所定の優先順に従って適切な順序で適用するようにしたことによって、演奏データに対して行った編集結果に従う演奏が音楽的に自然な演奏となるようにすることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る演奏データ編集装置の全体構成の一実施例を示したハード構成ブロック図である。
【図2】 演奏データのデータ構成の一実施例を示す概念図である。
【図3】 表情情報のデータ構成の一実施例を示す概念図である。
【図4】 表情バッファの構成を示す概念図である。
【図5】 省略バッファの構成を示す概念図である。
【図6】 演奏データ編集装置のCPUで実行される「メイン処理」の一実施例を示したフローチャートである。
【図7】 「編集処理」の一実施例を示したフローチャートである。
【図8】 「検索処理」の一実施例を示したフローチャートである。
【図9】 演奏データ編集処理の際における処理時間短縮について説明するための具体的な概念図である。
【符号の説明】
1…CPU、1A…タイマ、2…ROM、3…RAM、4…MIDIインタフェース、4A…電子楽器、5…検出回路、5A…操作子、6…表示回路、6A…表示装置、7…音源回路、7A…サウンドシステム、8…通信インタフェース、8A…通信ネットワーク、9…外部記憶装置、1D…通信バス

Claims (10)

  1. 複数の音符情報を含む演奏データを供給する演奏データ供給手段と、
    所定の音楽表現情報を入力する入力手段と、
    前記供給された演奏データに含まれるいずれかの音符情報に前記入力された音楽表現情報を付加する付加手段と、
    前記音楽情報が付加された音符情報近傍の他の音符情報に前音楽表現情報付加しないよう指示する所定の省略情報与する付与手段と
    を具えてなり、
    前記付加手段は、前記省略情報が付与されている音符情報については前記音楽表現情報を付加しないことを特徴とする演奏データ編集装置。
  2. 前記付与手段は、入力された複数種類の音楽表現情報それぞれに対応する省略情報を各音符情報毎に付与することを特徴とする請求項1に記載の演奏データ編集装置。
  3. 前記付与手段は、入力された音楽表現情報が付加された音符情報に隣接する所定範囲の音符情報に対して、前記省略情報を付与することを特徴とする請求項1に記載の演奏データ編集装置。
  4. 複数の音符情報を含む演奏データを供給する演奏データ供給手段と、
    所定の音楽表現情報を入力する入力手段と、
    前記供給された演奏データに含まれる各音符情報毎に、入力された音楽表現のうち該音符情報に適応可能な音楽表現情報を判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に基づき適応可能と判定された音楽表現情報のみを、予め決められた優先順位に従って各音符情報毎に付加する付加手段と
    を具備する演奏データ編集装置。
  5. 前記判定手段により適応可能と判定された音楽表現情報を各音符情報毎に記憶する記憶手段を具えてなり、
    前記付加手段は、前記記憶手段に記憶した音楽表現情報に従って各音符情報毎に音楽表現情報を付加することを特徴とする請求項4に記載の演奏データ編集装置。
  6. 前記付加手段は、複数の音楽表現情報を各音符情報毎に順次に付加する場合、2番目以降に付加する音楽表現情報については既に付加済みの音楽表現情報に従う内容に適宜に変更して付加することを特徴とする請求項4に記載の演奏データ編集装置。
  7. 複数の音符情報を含む演奏データを供給するステップと、
    所定の音楽表現情報を入力するステップと、
    前記供給された演奏データに含まれるいずれかの音符情報に前記入力された音楽表現情報を付加すステップと、
    前記音楽情報が付加された音符情報近傍の他の音符情報に前音楽表現情報付加しないよう指示する所定の省略情報与するステップと
    前記省略情報が付与されている音符情報については前記音楽表現情報を付加しないよう制御するステップと
    を具えた演奏データ編集方法。
  8. 複数の音符情報を含む演奏データを供給するステップと、
    所定の音楽表現情報を入力するステップと、
    前記供給された演奏データに含まれる各音符情報毎に、入力された音楽表現情報のうち該音符情報に適応可能な音楽表現情報を判定するステップと、
    前記判定結果に基づき適応可能と判定された音楽表現情報のみを、予め決められた優先順位に従って各音符情報毎に付加するステップと
    を具えた演奏データ編集方法。
  9. 機械読取り可能な記憶媒体であって、演奏データ編集方法をプロセッサに実行させるためのプログラムを記憶してなり、前記演奏データ編集方法は、
    複数の音符情報を含む演奏データを供給するステップと、
    所定の音楽表現情報を入力するステップと、
    前記供給された演奏データに含まれるいずれかの音符情報に前記入力された音楽表現情報を付加すステップと、
    前記音楽情報が付加された音符情報近傍の他の音符情報に前音楽表現情報付加しないよう指示する所定の省略情報与するステップと
    前記省略情報が付与されている音符情報については前記音楽表現情報を付加しないよう制御するステップと
    を具備する。
  10. 機械読取り可能な記憶媒体であって、演奏データ編集方法をプロセッサに実行させるためのプログラムを記憶してなり、前記演奏データ編集方法は、
    複数の音符情報を含む演奏データを供給するステップと、
    所定の音楽表現情報を入力するステップと、
    前記供給された演奏データに含まれる各音符情報毎に、入力された音楽表現情報のうち該音符情報に適応可能な音楽表現情報を判定するステップと、
    前記判定結果に基づき適応可能と判定された音楽表現情報のみを、予め決められた優先順位に従って各音符情報毎に付加するステップと
    を具備する。
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