JP3746703B2 - 焦点検出装置及びそれを備えた光学顕微鏡又は光学検査装置 - Google Patents

焦点検出装置及びそれを備えた光学顕微鏡又は光学検査装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3746703B2
JP3746703B2 JP2001342214A JP2001342214A JP3746703B2 JP 3746703 B2 JP3746703 B2 JP 3746703B2 JP 2001342214 A JP2001342214 A JP 2001342214A JP 2001342214 A JP2001342214 A JP 2001342214A JP 3746703 B2 JP3746703 B2 JP 3746703B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
focus detection
optical system
focus
boundary line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001342214A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003140034A (ja
Inventor
靖 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2001342214A priority Critical patent/JP3746703B2/ja
Publication of JP2003140034A publication Critical patent/JP2003140034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3746703B2 publication Critical patent/JP3746703B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学系を介して対象物の観察、測定又は検査を行う光学装置に用いられる焦点検出装置及びそれを備えた光学顕微鏡又は光学検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学系を介して対象物の観察、測定又は検査を行う光学装置として、例えば光学顕微鏡がある。このような装置において、観察、測定又は検査を行う者(観察者)は、対象物の像を鮮明に観察できるようにするために、対物レンズと対象物の間隔を調整して焦点合わせをする必要がある。多くの場合、この間隔調整は、ステージを上下に移動させることによって行なわれる。
その際、対物レンズの倍率が高い場合は焦点深度が浅いため、ステージを大きく移動させると合焦位置を見つけることができない。この場合、観察者は少しずつステージを移動させなければならず、合焦位置を見つけるのに時間がかかる。
一方、対物レンズの倍率が低い場合は焦点深度が深いため、ステージを多少大きく移動させても像の鮮明度はあまり変化しない。この場合、観察者は焦点が合っているステージ位置を見つけることが困難になることがある。
【0003】
このような問題を解消するために、近年、これらの光学装置に焦点検出装置を組み合わせるようになってきている。
焦点検出装置にはさまざまな方式のものがあるが、その1つとして、アクティブ方式の焦点検出装置がある。この方式では、対象物に向かって光を照射し、対象物から反射した反射光を光検出器で検出し、反射光の状態によって合焦状態か非合焦状態かを判断する。
【0004】
図7(a)にアクティブ方式の焦点検出装置の基本構成例を示す。図7中、2は光源、3はコリメートレンズ、4は遮光板、58は偏光ビームスプリッタ、6は1/4波長板、7はダイクロイックミラー、1は対物レンズ、Sは対象物である標本、8は結像レンズ、9は光検出器である。
【0005】
光源2は半導体レーザであって、赤外波長域のレーザ光を射出する。また、レーザ光の偏光状態は直線偏光である。光源2より射出されたレーザ光は、コリメートレンズ3を介して平行光束となり、偏光ビームスプリッタ8に入射する。その際、コリメートレンズ3と偏光ビームスプリッタ8との間に配置された遮光板4によって、光束の半分が遮光される。偏光ビームスプリッタ5はP偏光の直線偏光を反射し、S偏光の直線偏光を透過する特性を備えている。そこで、射出されるレーザ光の偏光方向がP偏光方向と一致するようにあらかじめ半導体レーザを配置しておけば、偏光ビームスプリッタ5に入射したレーザ光の全てが偏光ビームスプリッタ5の反射面で反射されるので光強度(光量)の損失が生じない。
【0006】
偏光ビームスプリッタ5の反射面で反射されたレーザ光は1/4波長板6に入射する。1/4波長板6は入射した直線偏光を円偏光にして射出するように配置されており、1/4波長板6を射出したレーザ光は円偏光となってダイクロイックミラー7で反射され、対物レンズ1に入射する。対物レンズ1は入射したレーザ光を標本S上に集光する。
【0007】
標本Sで反射したレーザ光は再び対物レンズ1を通過するが、このとき入射した時と同じ光路を戻るのではなく、光軸を挟んで反対側の光路を戻っていく。そして、ダイクロイックミラー7で反射され1/4波長板6に入射する。ここで、円偏光のレーザ光は直線偏光となって射出されるが、今度は直線偏光の方向がS偏光方向となるので、偏光ビームスプリッタ5に入射したレーザ光は全て偏光ビームスプリッタ5を透過して結像レンズ8に入射する。結像レンズ8は入射したレーザ光を集光する。集光位置には光検出器4が配置され、レーザ光の光強度に応じた電気信号を発生する。光検出器9は、独立した2つの受光部A、Bが近接して配置された構造を有しており、例えば2分割フォトダイオードを用いて構成されている。
【0008】
なお、図7に示す構成の焦点検出装置では、対物レンズ1を介して標本S上に集光されたレーザ光は、形状が略円形で、非常に小さな面積を持つ集光点(以後、スポット光とする)となる。また、スポット光の数は1つである。よって、図7に示した構成を、シングルスポット投光方式と呼ぶこととする。
【0009】
シングルスポット投光方式において、合焦状態か非合焦状態かがどのようにして判断(検出)されるかを図8を用いて説明する。図8(a),(b),(c)の下側の図は上側の図の矢印方向から見た図である。また、右側の図は光検出器9に集光した光束の状態を示す図である。
光検出器9は2つの同じ形状の受光部A、受光部Bで構成されている。受光部Aと受光部Bとの間にはわずかな空隙部(ここでは単純に実線で示している)があり、この空隙部で形成された境界線が光軸と交差している。
【0010】
合焦状態では、標本Sからの反射光は光検出器9の光軸上に集光するため、図8(b)に示すように、光検出器9上に形成されるスポット光は光軸に対して左右対称な光強度分布となる。すなわち、スポット光の半分は受光部Aに形成され、残りの半分は受光部Bに形成されることになるから、受光部Aと受光部Bに形成されたスポット光の面積(光強度)は等しくなる。よって、合焦状態では2つの受光部A、受光部Bから発生する電気信号も等しくなる。
【0011】
次に非合焦状態は、標本Sが焦点位置よりも対物レンズ1から離れた位置にある状態と、標本Sが焦点位置よりも対物レンズ1に近い位置にある状態の2つがある。なお、本願においては、前者の場合を後ピン状態、後者の場合を前ピン状態と呼ぶこととする。
後ピン状態の場合は、図8(a)に示すように、標本から反射したレーザ光は光検出器9の手前で集光するため、光検出器9上には図8(b)と比べて大きな径の光束が形成される。しかも、2つの受光部A、Bに形成される光束は左右対称ではなく、一方の受光部、ここでは受光部Bに大きな光束が形成される。したがって、後ピン状態では、受光部Bで発生する電気信号に比べて受光部Aで発生する電気信号が小さくなる。
一方、前ピン状態では、図8(c)に示すように、受光部Aに大きな光束が形成されるので、受光部Bで発生する電気信号に比べて受光部Aで発生する電気信号が大きくなる。
【0012】
このように、対物レンズ1と標本Sとの間隔の違いによって受光部Aと受光部Bとで発生する電気信号の大小関係が変化するので、その差をとった信号(以後、フォーカスエラー信号)の値によって合焦状態か非合焦状態かを判断、更には、前ピン状態か後ピン状態かを判断することができる。
【0013】
図9は図7に示すような構成のシングルスポット投光方式の焦点検出装置における受光部Aと受光部Bからの信号強度とデフォーカス量との関係を示すグラフである。図10は更に受光部Aからの信号強度と受光部Bからの信号強度との差をとったフォーカスエラー信号を示すグラフである。図11は更に受光部Aからの信号強度と受光部Bからの信号強度との差を受光部Aからの信号強度と受光部Bからの信号強度との和で除算し、正規化したフォーカスエラー信号を示すグラフである。図11に示すような正規化を行えば、標本の反射率が低く受光部の信号強度が弱い場合でもフォーカスエラー信号のパターンがそれほど変化しないので、より精度の高い合焦状態又は非合焦状態の判断を行なうことができる。
【0014】
このような焦点検出装置を顕微鏡などの光学装置に組み合わせて、フォーカスエラー信号がゼロになるようにステージを上下に移動させる、又は対物レンズを上下に移動させる移動手段を備えれば、自動的に標本に合焦することができる。なお、本願においては、上述の自動的に合焦を行う手段を自動合焦手段と呼ぶこととする。
【0015】
ところで、上記のようなシングルスポット投光方式の焦点検出装置は、凹凸の段差が多い標本に用いた場合に、焦点検出が不安定になり精度が劣化するという問題がある。そのような問題の解決方法として、本出願人は、特願2000−112388号に示すようなマルチスポット投光方式を提案している。図12(a)にマルチスポット投光方式の焦点検出装置の基本構成例を示す。マルチスポット投光方式の焦点検出装置では、光源部から複数の光束が射出されるようになっている。図12(a)の例では、光源部は、光源2と、複数の光束を発生させる手段として、回折格子10とを組み合せて構成されている。
【0016】
光源部からの複数の光束は、上述したシングルスポット方式の焦点検出装置と同様の光路を辿り、対物レンズ1を経て、図12(b)に示すように、標本面S上で複数個のスポット光となる。その後、複数の光束は、標本面Sで反射され、再び対物レンズ1を透過した後、上述のシングルスポット方式の焦点検出装置と同様の光路を辿り、焦点検出装置の光検出器9に結像される。光検出器9上では、図12(c)に示すように、受光部Aと受光部Bの間のわずかな空隙部にスポット光が一列に並んで結像される。そのように、回折格子10と光検出器9とが位置調整して配置されている。
なお、複数の光束を発生させる手段としては、回折格子の代わりに、複数の単一光源を一列に並べたり、音響光学素子を用いたりしてもよい。
【0017】
これまで述べたような、シングルスポット投光方式やマルチスポット投光方式の焦点検出装置は、それぞれ用途に応じて使い分けることが望ましい。凹凸の少ない標本で精度よく焦点検出をしたい場合にはシングルスポット投光方式の焦点検出装置を用いることが望ましく、凹凸の多い標本で安定した焦点検出をしたい場合にはマルチスポット投光方式の焦点検出装置を用いることが望ましい。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、シングルスポット投光方式及びマルチスポット投光方式では、いずれも標本Sを極端にデフォーカスしていくと、図13(a)や図13(e)に示すように、ついには光束が受光部をはみだしてしまう。
その場合、図9に示すグラフからも明らかなように、受光部Aや受光部Bから得られる信号強度は相当小さくなる。
【0019】
受光部A、Bから得られる信号強度が相当小さくなると、電気回路の電気ノイズや漏光や迷光が受光部に当たって出るノイズに埋もれてしまい、正常なフォーカスエラー信号が得られなくなる。すなわち、前ピン状態や後ピン状態を判断することができなくなる。
そして、図10や図11に示すように、プラス方向又はマイナス方向にデフォーカスしていくと、ついにはノイズにフォーカスエラー信号が埋もれてしまう。
【0020】
このような理由で、焦点検出が可能なデフォーカス量には制限がある。これをAF捕捉範囲と呼ぶ。
例えば、100倍〜250倍の高倍対物レンズを用いた場合には、もともとの信号強度が弱いことに加えて、倍率が高いことにより、すぐに図13(a)や図13(e)に示すような光束が受光部からはみだした状態になってしまうため、AF捕捉範囲がかなり狭くなってしまう。
【0021】
AF捕捉範囲を広くとるための方法としては、焦点検出装置の光学系の結像倍率を下げることが考えられる。ところが、この方法では、例えば、4倍〜10倍の低倍対物レンズを用いた場合に、合焦付近のフォーカスエラー信号が鈍感になりすぎ(即ち、合焦付近のフォーカスエラー信号の傾きが緩やかになる)、焦点検出の精度が劣化するため好ましくない。
【0022】
このため、焦点検出装置の結像倍率は、使用する対物レンズの倍率と、焦点検出の精度と、AF捕捉範囲とのバランスを取るように決定される。しかし、従来の焦点検出装置では、高倍対物レンズのAF捕捉範囲が狭くなる傾向にあった。
【0023】
また、マルチスポット投光方式では、焦点検出装置に用いる光学系の結像倍率と光検出器の大きさとによって、標本面でのマルチスポット光の有効範囲が決定される。
このため、凹凸の多い標本では、できるだけマルチスポット光の有効範囲を広くして、安定した焦点検出を行うようにすることが望まれる。
【0024】
そこで、従来のマルチスポット投光方式では、シングルスポット投光方式に比べて受光部の面積が大きな光検出器を用いていた。これは、図7(c)のシングルスポット投光方式における光検出器と、図12(c)のマルチスポット投光方式における光検出器とを比較すれば明らかである。しかし、面積の大きい光検出器は、価格が高く、しかも、応答速度が低下し、さらには、光検出器を置く位置の金枠が大型化し、装置全体が大型化してしまうという問題があった。
【0025】
また、焦点検出装置の結像倍率を下げるという解決手段も考えられるが、上述のように、4倍〜10倍の低倍対物レンズでの焦点検出の精度が劣化してしまうという問題があるので好ましくない。
【0026】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、低倍から高倍までの対物レンズに適合し、且つ、高倍対物レンズでのAF捕捉範囲を広くすることが可能な焦点検出装置及びそれを備えた光学顕微鏡又は光学検査装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、マルチスポット投光方式において、標本面上での有効なマルチスポット投光範囲を確保しながら、光検出器の大型化を防ぐことが可能な焦点検出装置及びそれを備えた光学顕微鏡又は光学検査装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本第1の発明による焦点検出装置は、光源部と、光源部からの光束の一部を遮光する遮光部材と、入射した光束を反射又は透過させる面を有する光分割部材と、入射した光束を集光する集光光学系と、光軸と直交する面内に境界線を少なくとも1つ有し、該境界線を隔てて設けられた複数の受光部を備える光検出器とを備え、前記光源部及び前記遮光部材が、前記光分割部材を介して分割された第1の光路に配置され、前記集光光学系及び前記光検出器が、前記光分割部材を介して分割された第2の光路に配置され、前記光検出器が前記集光光学系の集光位置に配置された焦点検出装置であって、前記集光光学系が、前記境界線方向における焦点距離と、前記境界線に対し垂直な方向における焦点距離とが異なり、かつ、前記境界線方向の結像位置と、前記境界線に対し垂直な方向の結像位置とがほぼ一致するように構成されていることを特徴とする。
【0028】
また、本第2の発明による焦点検出装置は、本第1の発明において、前記集光光学系が、少なくとも2つのトーリック面を持つことを特徴とする。
【0029】
また、本第3の発明による焦点検出装置を備えた光学顕微鏡又は焦点検出装置は、本第1又は本第2の発明による焦点検出装置、又は前記光源が複数の光束を射出する多光発生部材を含んで構成された本第1又は本第2の発明による焦点検出装置を備え、光検出器から出力されるフォーカスエラー信号に基づいて、自動合焦を行う自動合焦手段を備えている。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施例の説明に先立ち、本発明の作用について説明する。
まず、本第1の発明の作用について説明する。
本第1の発明による焦点検出装置では、集光光学系の構成及び作用効果が図7に示す従来の焦点検出装置と異なる。なお、その他の基本構成及び作用については、上述した図7とほぼ同様であるので省略する。
【0031】
従来の集光光学系は、図14に結像レンズ8として示されている。この結像レンズの屈折面(光が入射する面と射出する面)は、いずれもレンズの中心を通る軸(中心軸)に対して回転対称な球面になっている。集光光学系は、図14に示すように、1個の正レンズで構成される場合もあれば、複数個のレンズを組み合わせた正レンズ群で構成される場合もある。このような場合、光検出器上でのスポットは、標本面でデフォーカスしてゆくにつれて、図13(c)→(b)→(a)、あるいは図13(c)→(d)→(e)に示すように、略半円状に広がっていく。
【0032】
これに対して、本第1の発明では、図1に示すように、集光光学系を、平面Eにおける焦点距離と平面Fにおける焦点距離とが異なり、かつ、平面Eの結像位置と平面Fの結像位置とがほぼ一致するように構成している。すなわち、本第1の発明では、集光光学系を一つのレンズとみなしたとき、屈折面はレンズの中心軸に対して回転非対称な形状の面になっている。
なお、平面Eにおける焦点距離とは、2つの受光部の境界線X−Y方向における焦点距離のことである。一方、平面Fにおける焦点距離とは、前記境界線X−Y方向に対し垂直な方向における焦点距離のことである。また、平面Eの結像位置とは、前記境界線X−Y方向における結像位置のことである。一方、平面Fの結像位置とは、前記境界線X−Y方向に対し垂直な方向における結像位置のことである。
平面Eと平面Fにおける焦点距離がそれぞれ異なることは、すなわち、平面Eと平面Fにおける結像倍率が異なるということである。なお、後述の説明では、平面Eでの焦点距離を小さく、(即ち、結像倍率を小さく)、平面Fでの焦点距離を大きく、(即ち、結像倍率を大きく)した構成について説明することとする。
【0033】
このように構成すれば、光検出器上でのスポットは、標本面がデフォーカスされたとき、図2(c)→(b)→(a)、あるいは図2(c)→(d)→(e)というように、境界線X−Yと直交する方向に略楕円状に広がっていく。この様子を従来例(図13)と比べると、受光部Aと受光部Bの境界線X−Yに直交する方向については、本第1の発明ではそれほどスポットは長くならない。
このため、本第1の発明によれば、デフォーカスしても受光部Aや受光部Bからの信号強度が、従来例と比較して、あまり低下しない。本第1の発明(図3)と従来例(図9)とを比較すると、同じデフォーカス位置(デフォーカス量)Xにおける信号強度は、本第1の発明の信号強度IXの方が従来例の信号強度I’Xに比べて大きくなっている。
よって、本第1の発明によれば従来例と比べて、フォーカスエラー信号がノイズに埋もれることが無くなる。
【0034】
また、本第1の発明では、境界線X−Yの方向におけるスポットの広がりが、従来例に比べて小さい。そのため、受光部からスポットがはみ出すときのデフォーカス量が、従来例よりも大きくなる。本第1の発明(図4)と従来例(図10)において、信号強度がピークになるときの幅を比較すると、本第1の発明における幅Lの方が従来例における幅L’に比べて大きくなっている。幅L、幅L’で示された範囲では、デフォーカス量とフォーカスエラー信号が1対1に対応するので、オートフォーカスが作動可能な範囲となる。よって、本第1の発明の方が従来例に比べて、オートフォーカスが作動する範囲を広くとることができるということになる。
【0035】
また、正規化したフォーカスエラー信号について本第1の発明(図5)と従来例(図11)を比較すると、以下の違いがある。本第1の発明では、中央から左の範囲のフォーカスエラー信号は全てプラスの値で、中央から右の範囲のフォーカスエラー信号は全てマイナスの値である。この場合、本第1の発明では以下のようなことを行なうことができる。例えば、中央から左の範囲をステージと対象物との間隔が離れている状態、中央から右の範囲をステージと対象物との間隔が接近している状態とする。すると、デフォーカス信号がプラスであれば、フォーカス位置はステージと対象物との間隔を接近させる方向にあることがわかる。すなわち、フォーカス位置までのステージ(あるいは対物レンズ)の移動量は不明であるが、ステージを移動する方向は判明する。これに対して、従来例では、中央から右の範囲の信号は殆どマイナスの値であるが、一部プラスの値になっている。同様に、中央から左の範囲の信号は殆どプラスの値であるが、一部マイナスの値になっている。従って、従来例においてステージを移動させる方向の判断ができるのは、Dで示された範囲に限られる。このように、移動量は不明であるが移動方向がわかる範囲(AF補足範囲とする)を比較すると、本第1の発明の方が広いAF補足範囲を得ることができる。
【0036】
次に、本第2の発明の作用について説明する。
本第2の発明では、本第1の発明における集光光学系を、図1に示すように、少なくとも2つのトーリック面を持つように構成する。
このように構成すれば、平面Eと平面Fにおける焦点距離をそれぞれ異なる値にすることができ、かつ、平面Eと平面Fとの結像位置をほぼ一致させることが可能となる。
なお、集光光学系を1つのトーリック面で構成した場合、平面Eと平面Fにおける焦点距離を異なった値にすることは可能であるが、平面Eと平面Fとの結像位置を一致させることはできなくなる。なぜならば、1つのトーリック面では、非点収差を取り除くことができないからである。
【0037】
本第2の発明において、集光光学系に用いるトーリック面は、少なくとも1面は正パワーを持つ面であり、少なくとも1面は負パワーを持つ面で構成する。2面より多いトーリック面を用いれば、より収差が取り除かれた集光光学系が得られ、精密な焦点検出が可能となる。
また、集光光学系に用いるトーリック面としてシリンドリカル面を用いれば、構成が単純であるため、安価に製作が可能となる。
【0038】
なお、上記集光光学系を用いた本発明の焦点検出装置は、本第1又は第2の発明において、前記光源部が、複数の光束を射出する多光束発生部材を含んで構成されたものにも適用可能である。
【0039】
光源部を複数の光束を射出するように構成すれば、マルチスポット投光ができる。なお、本発明におけるマルチスポット投光方式の構成及び作用については、集光光学系以外は上述した図12とほぼ同様であるので説明は省略する。
本第3の発明のように、マルチスポット投光の構成に本第1又は第2の発明の構成を用いれば、光検出器上の境界線X−Y方向における光束の広がりを抑えることができるので、図6に示すように、光検出器上の間隔を狭めることができる。これによって、図15に示す従来の焦点検出装置に用いられていたような大型の光検出器を用いないで済む。
【0040】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例にかかる焦点検出装置に用いる集光光学系の概念図である。なお、焦点検出装置のその他の構成は図7に示した構成とほぼ同様である。
本実施例の集光光学系8’は、光検出器とは反対の側から順に、凸面のトーリック面11aを備えた正レンズ11と、凹面のトーリック面12aを備えた負レンズ12と、球面形の正レンズ13とで構成されている。集光光学系のE平面での結像位置とF平面での結像位置とは、ほぼ一致している。また、E平面における焦点距離は、F平面における焦点距離と比べて小さくなっており、従って、E平面における結像倍率は、F平面における結像倍率に比べて小さくなっている。
【0041】
標本から反射されて戻ってきた光束は、集光光学系8’に半円形の光束として入射する。そして、集光光学系8’を透過することにより、E平面で長く、F平面で短い、半楕円形の光束となる。半楕円形の光束は、光検出器9上に結像し、微小なスポット光となる。
このとき、本実施例の集光光学系8’によれば、E平面における結像倍率がF平面における結像倍率よりも小さいため、標本がデフォーカスされたとき、図2に示すように、光検出器9上でのスポットは、受光部Aと受光部Bの境界線X−Yに直交する方向に長くなっても、境界線X−Y方向にはそれほど長くならず半楕円状に広がっていく。
このため、本実施例の焦点検出装置によれば、高倍対物レンズでのAF捕捉範囲を広くすることが可能となる。
【0042】
以上説明したように、本発明による焦点検出装置及びそれを備えた光学的顕微鏡又は光学検査装置は、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次に示すような特徴も備えている。
【0043】
(1)前記集光光学系が、少なくとも1つの正のトーリック面と、少なくとも1つの負のトーリック面を有していることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
【0044】
(2)前記集光光学系が、少なくとも1つの正のシリンドリカルレンズと、少なくとも1つの負のシリンドリカルレンズと、少なくとも1つの球面形の正レンズを有していることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
【0045】
(3)前記光源部が、複数の光束を射出する多光束発生部材を含んで構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の焦点検出装置。
【0046】
【発明の効果】
以上、本発明の焦点検出装置及びそれを用いた光学顕微鏡又は光学検査装置によれば、低倍から高倍の対物レンズに適合し、且つ、高倍対物レンズでのAF捕捉範囲を広くすることができる。
また、マルチスポット投光方式において、標本面上での有効なマルチスポット投光範囲を確保しながら、光検出器の大型化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による焦点検出装置の第1実施例に係る集光光学系の説明図である。
【図2】本発明の集光光学系を用いた、デフォーカス時の、光検出器上での光束の様子を示す説明図である。
【図3】本発明の構成を用いた場合の、受光部Aと受光部Bからの信号強度とデフォーカス量との関係の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の構成を用いた場合の、フォーカスエラー信号(B−A)とデフォーカス量との関係の一例を示すグラフである。
【図5】本発明の構成を用いた場合の、正規化したフォーカスエラー信号(B−A)/(B+A)とデフォーカス量との関係の一例を示すグラフである。
【図6】本発明の集光光学系を用いた、マルチスポット投光時における光検出器の状態説明図である。
【図7】シングルスポット投光方式によるアクティブ焦点検出装置の概略図であり、(a)は概略構成図、(b)は(a)の対物レンズを矢印W方向に視た図、(c)は(a)の受光部を矢印V方向に視た図である。
【図8】シングルスポット投光方式による焦点検出装置の光検出器上でのスポットの様子を示す説明図であり、(a)は後ピン位置での状態、(b)は合焦位置での状態、(c)は前ピン位置での状態を示している。
【図9】従来の構成を用いた場合の、受光部Aと受光部Bからの信号強度とデフォーカス量との関係の一例を示すグラフである。
【図10】従来の構成を用いた場合の、フォーカスエラー信号(B−A)とデフォーカス量との関係の一例を示すグラフである。
【図11】従来の構成を用いた場合の、正規化したフォーカスエラー信号(B−A)/(B+A)とデフォーカス量との関係の一例を示すグラフである。
【図12】マルチスポット投光方式によるアクティブ焦点検出装置の概略図であり、(a)は概略構成図、(b)は(a)の対物レンズを矢印W方向に視た図、(c)は(a)の受光部を矢印V方向に視た図である。
【図13】従来の集光光学系を用いた、デフォーカス時の、光検出器上での光束の様子を示す説明図である。
【図14】従来の焦点検出装置に用いる集光光学系の概略構成図である。
【図15】従来の集光光学系を用いた、マルチスポット投光時における光検出器の状態説明図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ
2 光源
3 コリメートレンズ
4 遮光板
5 偏光ビームスプリッタ
6 1/4波長板
7 ダイクロイックミラー
8 集光光学系(結像レンズ)
8’ 集光光学系
9 光検出器
10 回折格子
11 正レンズ
11a 凸面のトーリック面
12 負レンズ
12a 凹面のトーリック面
13 正レンズ

Claims (3)

  1. 光源部と、
    光源部からの光束の一部を遮光する遮光部材と、
    入射した光束を反射又は透過させる面を有する光分割部材と、
    入射した光束を集光する集光光学系と、
    光軸と直交する面内に境界線を少なくとも1つ有し、該境界線を隔てて設けられた複数の受光部を備える光検出器とを備え、
    前記光源部及び前記遮光部材が、前記光分割部材を介して分割された第1の光路に配置され、
    前記集光光学系及び前記光検出器が、前記光分割部材を介して分割された第2の光路に配置され、
    前記光検出器が前記集光光学系の集光位置に配置された焦点検出装置であって、
    前記集光光学系が、前記境界線方向における焦点距離と、前記境界線に対し垂直な方向における焦点距離とが異なり、かつ、前記境界線方向の結像位置と、前記境界線に対し垂直な方向の結像位置とがほぼ一致するように構成されていることを特徴とする焦点検出装置。
  2. 前記集光光学系が、少なくとも2つのトーリック面を有していることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の焦点検出装置、又は前記光源部が複数の光束を射出する多光発生部材を含んで構成された請求項1又は2に記載の焦点検出装置を備え、前記光検出器から出力されるフォーカスエラー信号に基づいて、自動合焦を行う自動合焦手段を備えた光学顕微鏡又は光学検査装置。
JP2001342214A 2001-11-07 2001-11-07 焦点検出装置及びそれを備えた光学顕微鏡又は光学検査装置 Expired - Fee Related JP3746703B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001342214A JP3746703B2 (ja) 2001-11-07 2001-11-07 焦点検出装置及びそれを備えた光学顕微鏡又は光学検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001342214A JP3746703B2 (ja) 2001-11-07 2001-11-07 焦点検出装置及びそれを備えた光学顕微鏡又は光学検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003140034A JP2003140034A (ja) 2003-05-14
JP3746703B2 true JP3746703B2 (ja) 2006-02-15

Family

ID=19156106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001342214A Expired - Fee Related JP3746703B2 (ja) 2001-11-07 2001-11-07 焦点検出装置及びそれを備えた光学顕微鏡又は光学検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3746703B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003140034A (ja) 2003-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5743123B1 (ja) レーザーダイシング装置及びダイシング方法
JP2001296469A (ja) 焦点検出装置
JP2018014510A (ja) 位置検出装置及びレーザー加工装置
JP3227106B2 (ja) 内径測定方法および内径測定装置
KR100207682B1 (ko) 광픽업장치의 레이저 비점격차 보상방법
JPH10161195A (ja) オートフォーカス方法及びオートフォーカス装置
JPH05142462A (ja) 合焦装置
US5714749A (en) Focus detecting apparatus and microscope apparatus equipped with the foregoing apparatus
US7462805B2 (en) Focus detection apparatus having a luminous flux deformation member
JP6590366B2 (ja) 顕微鏡装置、オートフォーカス装置、及び、オートフォーカス方法
JP2001318302A (ja) 焦点検出装置及び自動焦点顕微鏡
JP3746703B2 (ja) 焦点検出装置及びそれを備えた光学顕微鏡又は光学検査装置
JPH09325277A (ja) 焦点検出装置
JP6569187B2 (ja) 位置検出装置
JP2003083723A (ja) 3次元形状測定光学系
JPH06265773A (ja) 顕微鏡自動焦点装置
JP2003177292A (ja) レンズの調整装置および調整方法
JP2002156578A (ja) 焦点検出装置、及びそれを備えた対物レンズ、光学顕微鏡又は光学検査装置
JPH0580246A (ja) 自動合焦装置及びそれを備えた観察装置
JPH11201719A (ja) 位置測定装置及びレーザ加工装置
JP2002008249A (ja) 光ピックアップ装置の光軸調整機
JP2757541B2 (ja) 焦点検出装置及びそれを備えた観察装置
JP4066629B2 (ja) 3次元形状測定光学系
JPH10133117A (ja) 焦点検出装置を備えた顕微鏡
JPH1164719A (ja) 焦点検出手段を備えた顕微鏡および変位計測装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20031209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051124

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3746703

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081202

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091202

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101202

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111202

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111202

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121202

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131202

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees