JP3746545B2 - ガスタービンノズルパージ方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は重油と液化ブタンを燃料とするデュアル燃料焚きガスタービンの燃料噴射ノズルパージシステムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
図２は重油と液化ブタンを燃料とするデュアル燃料焚きガスタービンの従来の燃料供給系統の一例を示す図である。
【０００３】
低沸点である液化ブタンはフィルタ（１）、レシーバタンク（２）、燃料ポンプ（３）、圧力調整弁（４）、圧力検出器（５）、遮断弁（６）、流量制御弁（７）、逆止弁（８）を順次経て、混合器（９）へ流入する。圧力調節は圧力調整弁（４）によって行なわれるが、ポンプによるリターン燃料の昇温に伴うフラッシングを防ぐために、リターン系（１０）には冷却器（１１）が設置される。一方重油燃料は高沸点であるため、上記のような冷却器やレシーバタンクを必要としない。
【０００４】
混合器（９）で均一に混合された２種の燃料は、遮断弁（１２）を経て、燃焼器（１３）内の燃料噴射ノズル（１４）から噴出する。ここで燃料の霧化を促進するために、噴霧空気系（３０）が設けられ、フィルタ（２０）、噴霧空気圧縮機（２１）、遮断弁（２２）、逆止弁（２３）を順次経て、噴霧用の加圧空気が燃料噴射ノズル（１４）へ供給される。
【０００５】
ガスタービン停止後ノズル内に重油が残留していると、高温のためにコーキングしてノズル穴が詰まる。このため燃焼器車室ドレン弁（１５）を設け、重油ドレンは逆止弁（１６）を経て燃料ドレンタンク（１７）へ導かれる。このドレンは燃料ドレンポンプ（１８）により、逆止弁（１９）を経て回収される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ガスタービン停止後の燃焼器車室内空気温度は通常４００℃以上の高温である。このためデュアルノズルからは重油と共に液化ブタンのドレンが流出し、従来の方法でノズルパージを行なって残留重油を系外へ抜くと、液化ブタンが爆発する恐れがある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記従来の課題を解決するために、重油と液化ブタンを燃料とするデュアル燃料焚きガスタービンにおいて、ガスタービン停止後、燃料ノズルに窒素ガスを供給することを特徴とするガスタービンノズルパージ方法；および上記要件に加えて、上記窒素ガスの供給を停止した後、燃料ノズルに加圧空気を供給することを特徴とするガスタービンノズルパージ方法；更には重油と液化ブタンを燃料とするデュアル燃料焚きガスタービンにおいて、ガスタービン停止後、噴霧用空気ノズルに加圧空気を供給することを特徴とするガスタービンノズルパージ方法を提案するものである。
【０００８】
本発明は上記のとおり構成され、ガスタービン停止後一定時間窒素ガスを燃料噴射ノズルに供給するので、窒素によるノズルパージが行なわれて液化ブタンの爆発が防止される。
【０００９】
本発明ではまた、上記窒素ガスの供給を停止した後、燃料ノズルに加圧空気を供給するので、ノズルは強制冷却されて液化ブタンの爆発が防止される。
【００１０】
加えて本発明では、ガスタービン停止後一定時間加圧空気を噴霧空気ノズルに供給するので、ノズルの冷却が更に効果的となる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の実施の一形態を示す系統図である。この図において、前記図２により説明した従来のものと同様の部分については、冗長になるのを避けるため、同一の符号を付け詳しい説明を省く。
【００１２】
本実施形態においては、窒素ボンベ（２４）と、タイマ（２５）を有する窒素ガス遮断弁（２６）と、逆止弁（２７）とによって構成される窒素供給系（２８）が、燃料供給系の混合燃料遮断弁（１２）の後流側に連通している。そして、上記窒素ガス遮断弁（２６）の出口と噴霧空気遮断弁（２２）の入口とが管路（３１）によって連通しており、この管路（３１）に弁（３２）が設けられている。また噴霧空気遮断弁（２２）にもタイマ（２５）が設けられる。
【００１３】
このような系統において、ガスタービン停止後一定時間（数分間）窒素ガス遮断弁（２６）を開いて窒素を燃料噴射ノズル（１４）に供給し、窒素ガスによるノズルパージと冷却を行なって、液化ブタンの爆発を防止する。その後、窒素ガス遮断弁（２６）を閉じ弁（３２）を開いて、高価な窒素ガスの代りに加圧空気を供給し、引続いて数時間強制冷却を続ける。
【００１４】
一方、ガスタービン停止後一定時間（１０時間余）、遮断弁（２２）を開いて、噴霧空気系（３０）経由で噴霧用の加圧空気を燃料噴射ノズルに供給し、ノズルの強制冷却を更に促進する。なおこの加圧空気は燃料ノズル周辺から吹き込まれるように形成されている。
【００１５】
【発明の効果】
本発明によれば、液化ブタンが爆発することなく、液化ブタン・重油デュアル燃料噴射ノズルの重油パージを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明の実施の一形態を示す系統図である。
【図２】図２は重油と液化ブタンを燃料とするデュアル燃料焚きガスタービンの従来の燃料供給系の一例を示す系統図である。
【符号の説明】
（１） フィルタ
（２） レシーバタンク
（３） 燃料ポンプ
（４） 圧力調整弁
（５） 圧力検出器
（６） 遮断弁
（７） 流量制御弁
（８） 逆止弁
（９） 混合器
（１０） リターン系
（１１） 冷却器
（１２） 混合燃料遮断弁
（１３） 燃焼器
（１４） 燃料噴射ノズル
（１５） 燃焼器車室ドレン弁
（１６） 逆止弁
（１７） 燃料ドレンタンク
（１８） 燃料ドレンポンプ
（１９） 逆止弁
（２０） フィルタ
（２１） 噴霧空気圧縮機
（２２） 噴霧空気遮断弁
（２３） 逆止弁
（２４） 窒素ボンベ
（２５） タイマ
（２６） 窒素ガス遮断弁
（２７） 逆止弁
（２８） 窒素供給系
（３０） 噴霧空気系
（３１） 切替管路
（３２） 弁
【発明の属する技術分野】
本発明は重油と液化ブタンを燃料とするデュアル燃料焚きガスタービンの燃料噴射ノズルパージシステムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
図２は重油と液化ブタンを燃料とするデュアル燃料焚きガスタービンの従来の燃料供給系統の一例を示す図である。
【０００３】
低沸点である液化ブタンはフィルタ（１）、レシーバタンク（２）、燃料ポンプ（３）、圧力調整弁（４）、圧力検出器（５）、遮断弁（６）、流量制御弁（７）、逆止弁（８）を順次経て、混合器（９）へ流入する。圧力調節は圧力調整弁（４）によって行なわれるが、ポンプによるリターン燃料の昇温に伴うフラッシングを防ぐために、リターン系（１０）には冷却器（１１）が設置される。一方重油燃料は高沸点であるため、上記のような冷却器やレシーバタンクを必要としない。
【０００４】
混合器（９）で均一に混合された２種の燃料は、遮断弁（１２）を経て、燃焼器（１３）内の燃料噴射ノズル（１４）から噴出する。ここで燃料の霧化を促進するために、噴霧空気系（３０）が設けられ、フィルタ（２０）、噴霧空気圧縮機（２１）、遮断弁（２２）、逆止弁（２３）を順次経て、噴霧用の加圧空気が燃料噴射ノズル（１４）へ供給される。
【０００５】
ガスタービン停止後ノズル内に重油が残留していると、高温のためにコーキングしてノズル穴が詰まる。このため燃焼器車室ドレン弁（１５）を設け、重油ドレンは逆止弁（１６）を経て燃料ドレンタンク（１７）へ導かれる。このドレンは燃料ドレンポンプ（１８）により、逆止弁（１９）を経て回収される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ガスタービン停止後の燃焼器車室内空気温度は通常４００℃以上の高温である。このためデュアルノズルからは重油と共に液化ブタンのドレンが流出し、従来の方法でノズルパージを行なって残留重油を系外へ抜くと、液化ブタンが爆発する恐れがある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記従来の課題を解決するために、重油と液化ブタンを燃料とするデュアル燃料焚きガスタービンにおいて、ガスタービン停止後、燃料ノズルに窒素ガスを供給することを特徴とするガスタービンノズルパージ方法；および上記要件に加えて、上記窒素ガスの供給を停止した後、燃料ノズルに加圧空気を供給することを特徴とするガスタービンノズルパージ方法；更には重油と液化ブタンを燃料とするデュアル燃料焚きガスタービンにおいて、ガスタービン停止後、噴霧用空気ノズルに加圧空気を供給することを特徴とするガスタービンノズルパージ方法を提案するものである。
【０００８】
本発明は上記のとおり構成され、ガスタービン停止後一定時間窒素ガスを燃料噴射ノズルに供給するので、窒素によるノズルパージが行なわれて液化ブタンの爆発が防止される。
【０００９】
本発明ではまた、上記窒素ガスの供給を停止した後、燃料ノズルに加圧空気を供給するので、ノズルは強制冷却されて液化ブタンの爆発が防止される。
【００１０】
加えて本発明では、ガスタービン停止後一定時間加圧空気を噴霧空気ノズルに供給するので、ノズルの冷却が更に効果的となる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の実施の一形態を示す系統図である。この図において、前記図２により説明した従来のものと同様の部分については、冗長になるのを避けるため、同一の符号を付け詳しい説明を省く。
【００１２】
本実施形態においては、窒素ボンベ（２４）と、タイマ（２５）を有する窒素ガス遮断弁（２６）と、逆止弁（２７）とによって構成される窒素供給系（２８）が、燃料供給系の混合燃料遮断弁（１２）の後流側に連通している。そして、上記窒素ガス遮断弁（２６）の出口と噴霧空気遮断弁（２２）の入口とが管路（３１）によって連通しており、この管路（３１）に弁（３２）が設けられている。また噴霧空気遮断弁（２２）にもタイマ（２５）が設けられる。
【００１３】
このような系統において、ガスタービン停止後一定時間（数分間）窒素ガス遮断弁（２６）を開いて窒素を燃料噴射ノズル（１４）に供給し、窒素ガスによるノズルパージと冷却を行なって、液化ブタンの爆発を防止する。その後、窒素ガス遮断弁（２６）を閉じ弁（３２）を開いて、高価な窒素ガスの代りに加圧空気を供給し、引続いて数時間強制冷却を続ける。
【００１４】
一方、ガスタービン停止後一定時間（１０時間余）、遮断弁（２２）を開いて、噴霧空気系（３０）経由で噴霧用の加圧空気を燃料噴射ノズルに供給し、ノズルの強制冷却を更に促進する。なおこの加圧空気は燃料ノズル周辺から吹き込まれるように形成されている。
【００１５】
【発明の効果】
本発明によれば、液化ブタンが爆発することなく、液化ブタン・重油デュアル燃料噴射ノズルの重油パージを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明の実施の一形態を示す系統図である。
【図２】図２は重油と液化ブタンを燃料とするデュアル燃料焚きガスタービンの従来の燃料供給系の一例を示す系統図である。
【符号の説明】
（１） フィルタ
（２） レシーバタンク
（３） 燃料ポンプ
（４） 圧力調整弁
（５） 圧力検出器
（６） 遮断弁
（７） 流量制御弁
（８） 逆止弁
（９） 混合器
（１０） リターン系
（１１） 冷却器
（１２） 混合燃料遮断弁
（１３） 燃焼器
（１４） 燃料噴射ノズル
（１５） 燃焼器車室ドレン弁
（１６） 逆止弁
（１７） 燃料ドレンタンク
（１８） 燃料ドレンポンプ
（１９） 逆止弁
（２０） フィルタ
（２１） 噴霧空気圧縮機
（２２） 噴霧空気遮断弁
（２３） 逆止弁
（２４） 窒素ボンベ
（２５） タイマ
（２６） 窒素ガス遮断弁
（２７） 逆止弁
（２８） 窒素供給系
（３０） 噴霧空気系
（３１） 切替管路
（３２） 弁
Claims (3)
- 重油と液化ブタンを燃料とするデュアル燃料焚きガスタービンにおいて、ガスタービン停止後、燃料ノズルに窒素ガスを供給することを特徴とするガスタービンノズルパージ方法。
- 上記窒素ガスの供給を停止した後、燃料ノズルに加圧空気を供給することを特徴とする請求項１記載のガスタービンノズルパージ方法。
- 重油と液化ブタンを燃料とするデュアル燃料焚きガスタービンにおいて、ガスタービン停止後、噴霧用空気ノズルに加圧空気を供給することを特徴とするガスタービンノズルパージ方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23538695A JP3746545B2 (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | ガスタービンノズルパージ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23538695A JP3746545B2 (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | ガスタービンノズルパージ方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0979044A JPH0979044A (ja) | 1997-03-25 |
| JP3746545B2 true JP3746545B2 (ja) | 2006-02-15 |
Family
ID=16985320
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23538695A Expired - Lifetime JP3746545B2 (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | ガスタービンノズルパージ方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3746545B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11210494A (ja) * | 1998-01-26 | 1999-08-03 | Toshiba Corp | ガスタービン燃料供給装置のパージ装置およびパージ装置の運転方法 |
| JP4146052B2 (ja) * | 1999-12-03 | 2008-09-03 | 三菱重工業株式会社 | 発電システム |
| JP4659543B2 (ja) * | 2005-07-13 | 2011-03-30 | 株式会社日立製作所 | ガスタービン燃焼器、その燃料のカーボン化防止方法及びパージ方法 |
| US7730711B2 (en) * | 2005-11-07 | 2010-06-08 | General Electric Company | Methods and apparatus for a combustion turbine nitrogen purge system |
| CN104006285A (zh) * | 2013-02-22 | 2014-08-27 | 西门子公司 | 一种用于燃气轮机的排流*** |
| US10378447B2 (en) * | 2016-09-30 | 2019-08-13 | General Electric Company | System and method for purging fuel or coolant from turbomachine |
-
1995
- 1995-09-13 JP JP23538695A patent/JP3746545B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0979044A (ja) | 1997-03-25 |
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